JP4698079B2

JP4698079B2 - 物品支持装置

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Publication number: JP4698079B2
Application number: JP2001220056A
Authority: JP
Inventors: 秀毅龍; 誠大門; 順子丸山
Original assignee: 3M Innovative Properties Co
Current assignee: 3M Innovative Properties Co
Priority date: 2001-07-19
Filing date: 2001-07-19
Publication date: 2011-06-08
Anticipated expiration: 2021-07-19
Also published as: DE60208379D1; JP2003052522A; CA2453236A1; EP1408800A1; EP1408800B1; US7178770B2; CA2453236C; DE60208379T2; WO2003007762A1; US20040188580A1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられ、基体上で物品を支持する物品支持装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
壁、柱、家具等の基体上で、日用品、装飾品、道具等の種々の物品を支持するために使用される物品支持装置は、フック、クリップ、ハンガー等の様々な形態の物品支持部を有するものが知られている。近年、この種の物品支持装置において、基体に対する物品支持装置の着脱を容易にするべく、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられるものが提案されている。
【０００３】
引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材は、極めて伸び易くかつ伸びた状態から実質的に復原しない特性を有する両面粘着テープとして知られており、一例として、コマンド（Ｃｏｍｍａｎｄ：米国スリーエム社の商標）タブの名で市販されているものがある。この種の引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材は、２つの物体の表面間に介在して両物体を互いに強固に固着する一方で、この固着状態において粘着テープ部材の一端を摘んで外方へ引き伸ばすことにより、両物体の表面を傷付けることなくそれら表面から比較的容易に剥離される。
【０００４】
引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いる物品支持装置は、従来、物品支持部を有する支持本体と、支持本体に移動又は脱離可能に取着される基部とを備え、この基部に粘着テープ部材を貼付するように構成されている（例えば特表平８−５０７９４１号公報、米国特許第５９６７４７４号明細書参照）。この構成では、基部は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材の一端領域を基部から外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材に固着されるとともに粘着テープ部材を介して所望の基体に取り付けられる。そして支持本体は、基体に取り付けられた基部上で、基部の略全体及び基部から突出する粘着テープ部材の一端領域の双方を隠蔽する第１位置と双方を露出する第２位置とに、選択的に配置できるようになっている。
【０００５】
このような構成を有する従来の物品支持装置は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられたときに、支持本体が上記第１位置にある間は、支持本体の物品支持部に所望の物品を支持することができる。また、物品支持装置を基体から取り外すときには、支持本体を第１位置から第２位置に変位させて、露出した粘着テープ部材の一端領域を摘んで引き伸ばすことにより、粘着テープ部材を基部及び基体から剥離する。なお、従来の物品支持装置における支持本体は、スライド構造により基部に直線摺動式に着脱される構成（特表平８−５０７９４１号公報）、一体ヒンジ部により基部に回動可能に連結される構成（米国特許第５９６７４７４号明細書）等によって、第１及び第２位置間で変位できるようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の物品支持装置では、物品支持部を有する支持本体が粘着テープ部材に直接には固着されないので、使用中（すなわち支持本体が第１位置にある間）に、他物体との衝突等の外力を受けて支持本体が基部上の第１位置から意図せず変位して、正常な物品支持機能を発揮できなくなる場合がある。このような不都合を排除するために、支持本体を基部上で第１位置に係止保持する保持構造を設けるとともに、保持構造の保持力を強化することが考えられる。しかし、保持構造の保持力が強すぎると、物品支持装置を基体から取り外そうとするときに、支持本体を基部上で第１位置から第２位置へ変位させることが困難になる。
【０００７】
また、支持本体を第２位置に置き、粘着テープ部材を片手で引き伸ばして基部及び基体から剥離する際には、粘着テープ部材が先に基体から剥がれた瞬間に粘着テープ部材の弾性により物品支持装置が飛ばされないよう、他方の手で基部を押さえる必要がある。このとき、従来の物品支持装置では、基部が支持本体よりも小さくかつ薄いので片手で押さえ難く、結果として粘着テープ部材を手際良く引き伸ばして剥離することが困難になる傾向がある。
【０００８】
本発明の目的は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられる物品支持装置において、使用中に意図せず受け得る外力に抗して正常な物品支持機能を安定して発揮でき、しかも粘着テープ部材の剥離作業を手際良く容易に実施できる物品支持装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられ、基体上で物品を支持する物品支持装置において、物品支持部を有する支持本体と、支持本体に移動可能に連結されるカバー部材とを具備し、支持本体は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材の一部分を支持本体から外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材に固着されるとともに粘着テープ部材を介して基体に取り付けられるようになっており、カバー部材は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を介して支持本体を基体に取り付けている間に、支持本体から突出する粘着テープ部材の一部分を隠蔽する第１位置と、粘着テープ部材の一部分を露出する第２位置との間で移動できること、を特徴とする物品支持装置を提供する。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の物品支持装置において、カバー部材を支持本体上で第１位置に係止保持する保持機構をさらに具備する物品支持装置を提供する。
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の物品支持装置において、カバー部材は、支持本体に対して直動及び回動することにより、第１位置と第２位置との間を移動する物品支持装置を提供する。
【００１１】
請求項４に記載の発明は、請求項１又は２に記載の物品支持装置において、カバー部材は、支持本体に対して回動することにより、第１位置と第２位置との間を移動する物品支持装置を提供する。
請求項５に記載の発明は、請求項１〜４のいずれか１項に記載の物品支持装置において、支持本体の物品支持部がフックを有する物品支持装置を提供する。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図１は、本発明の一実施形態による物品支持装置１０を、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材と共に示す斜視図、図２は、物品支持装置１０を基体から取り外す手順を示す斜視図、図３は、物品支持装置１０を基体に取り付けた状態で示す側面図である。
【００１３】
物品支持装置１０は、物品支持部１２を有する支持本体１４と、支持本体１４に移動可能に連結されるカバー部材１６とを備える。物品支持部１２は、物掛けフックとして機能する湾曲形状を有し、略矩形平板状の支持本体１４の長手方向一端（図で下端）近傍でその一表面１４ａから突出する。物品支持部１２は、好ましくは支持本体１４と同一の樹脂材料から、支持本体１４に一体的に形成される。或いは物品支持部１２を、支持本体１４とは別体に形成して支持本体１４に固定する構成としてもよい。
【００１４】
支持本体１４は、表面１４ａの反対側の略平坦な裏面１４ｂに、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材１８を貼付できるようになっている。引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材１８は、極めて伸び易くかつ伸びた状態から実質的に復原しない特性を有する両面粘着テープを、支持本体１４の形状に合わせて略矩形ストリップ状に輪郭形成したものである。粘着テープ部材１８は、長手方向一端近傍の所定領域でその両面が非粘着面となっており、この非粘着領域が、後述する剥離作業時に作業者によって摘まれる摘み部分１８ａとして機能する。通常、粘着テープ部材１８の両面の粘着面は、使用前に離型紙２０によって保護されている（片面の離型紙２０のみ図示）。なお、物品支持装置１０に好適に使用できる粘着テープ部材１８の一例として、コマンド（Ｃｏｍｍａｎｄ：米国スリーエム社の商標）タブの名で市販されているものが挙げられる。
【００１５】
支持本体１４の長手方向一端（図で下端）近傍には、その両側縁に略矩形の切欠き部分２２が設けられ、各切欠き部分２２の端面に沿って、支持本体１４の長手方向へ所定長さに渡って延びる長短の溝２４、２６が形成される。長溝２４は、切欠き部分２２の基端（図で上端）から中途まで直線状に延び、短溝２６は、長溝２４の延長上で切欠き部分２２の末端（図で下端）まで延びて開放される。
【００１６】
カバー部材１６は、略矩形の主部分２８と、主部分２８の一縁から外方へ互いに略平行に延設される一対の腕部分３０とを有する略Ｕ字輪郭の平板状小片である。カバー部材１６の両腕部分３０には、相互に対向する内側面上に、互いに離間配置される一対の突起３２、３４がそれぞれ形成される。各腕部分３０の末端（図で上端）に配置される突起３２は、支持本体１４の各切欠き部分２２に形成した長溝２４に摺動自在に嵌入される。したがってカバー部材１６は、両腕部分３０の突起３２が支持部材１４の両長溝２４に摺動自在に係合して支軸（以下、支軸３２と称する）として機能することにより、支持部材１４に直動及び回動可能に連結される。
【００１７】
カバー部材１６の各腕部分３０の基端（図で下端）に配置される突起３４は、支持本体１４の各切欠き部分２２に形成した短溝２６に締り嵌め状に嵌入できる寸法及び形状を有する。これら突起３４は、物品支持装置１０が図１に示す使用状態にあるとき（すなわちカバー部材１６が後述する第１位置にあるとき）に、支持本体１４の両短溝２６にそれぞれ締り嵌め状に係合して保持爪（以下、保持爪３４と称する）として機能することにより、カバー部材１６を支持本体１４上で第１位置に係止保持する。
【００１８】
物品支持装置１０が図１に示す使用状態にあるときは、カバー部材１６の一対の腕部分３０は、支持部材１４とカバー部材１６との間に実質的に隙間を形成せず、かつ支持本体１４の両側縁と一対の腕部分３０の外縁とが実質的同一面を形成するように、支持本体１４の一対の切欠き部分２２にそれぞれ相補的に組み合わされる。なお、好ましくはカバー部材１６は、支持本体１４と同一の樹脂材料から形成される。
【００１９】
図３に示すように、物品支持装置１０は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材１８を用いて、壁、柱、家具等の比較的堅固な基体３６に取り付けられ、基体３６上で日用品、装飾品、道具等の種々の物品を物品支持部１２に掛けて支持する。この使用に際して、支持本体１４は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ１８の摘み部分１８ａを、支持本体１４の切欠き部分２２に隣接する側の長手方向一端（図で下端）から外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材１８に固着されるとともに粘着テープ部材１８を介して基体３６の表面３６ａに取り付けられる。
また、このようにして粘着テープ部材１８を介して支持本体１４を基体３６に取り付けている間に、カバー部材１６は、その主部分２８が、支持本体１４から突出する粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを隠蔽する第１位置（図１）と、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを露出する第２位置（図２（ｂ））との間で移動できる。
【００２０】
物品支持装置１０が通常の使用状態にある間は、カバー部材１６は第１位置に置かれる。このとき、カバー部材１６の両腕部分３０は、支持本体１４の対応の切欠き部分２２にそれぞれ相補的に組み合わされ、各保持爪３４が対応の短溝２６に締り嵌め状に嵌入されている。それによりカバー部材１６は、支持本体１４上で第１位置に係止保持される。この間、支持本体１４は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材１８により、直接的に基体３６の表面３６ａに強固に固定されるので、物品支持部１２に所定重量の物品を支持できるとともに、他物体との衝突等、使用中に意図せず受け得る外力に抗して正常な物品支持機能を安定して発揮できる。また、カバー部材１６の主部分２８が粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを隠蔽するので、物品支持装置１０の美的外観を確保することができる。
【００２１】
物品支持装置１０を基体３６から取り外す際には、作業者はカバー部材１６を掴んで支持本体１４から離れるように長手方向へ力を加え、両保持爪３４を対応の短溝２６から脱離させる。それによりカバー部材１６は、第１位置から離脱して、両腕部分３０の支軸３２と支持本体１４の対応の長溝２４との摺動係合下で直動式に移動する（図２（ａ））。そこで作業者は、カバー部材１６をその両支軸３２を中心に回動させて、主部分２８が物品支持部１２の下方に位置する第２位置に移動させる（図２（ｂ））。次いで作業者は、一方の手で、カバー部材１６を第２位置に保持しつつ、支持本体１４の主として物品支持部１２を強固に把持するとともに、他方の手で、露出した粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを摘んで、支持本体１４から離れる方向へ引き伸ばす。それにより、粘着テープ部材１８は、支持本体１４の裏面１４ｂ及び基体３６の表面３６ａを傷付けることなく、それら表面１４ｂ、３６ａから比較的容易に剥離される。
【００２２】
このように、物品支持装置１０では、粘着テープ部材１８を片手で引き伸ばして支持本体１４及び基体３６から剥離する際に、粘着テープ部材１８が先に基体３６から剥がれた瞬間に粘着テープ部材１８の弾性により物品支持装置１０が飛ばされないよう、他方の手で支持本体１４を比較的容易に強固に押さえることができる。その結果、初心者であっても、粘着テープ部材１８を手際良く引き伸ばして剥離することができる。
【００２３】
本発明に係る物品支持装置は、上記実施形態の構成に限らず、特許請求の範囲の開示内で、下記のような他の様々な構成を採用することができる。
図４は、本発明の他の実施形態による物品支持装置４０を示す。物品支持装置４０は、物品支持部の構成以外は前述した物品支持装置１０と実質的同一の構成を有するので、対応の構成要素には共通の符号を付してその説明を省略する。すなわち、物品支持装置４０は、物品支持部４２を有する支持本体１４と、支持本体１４に移動可能に連結されるカバー部材１６とを備える。物品支持部４２は、例えばカーテン束ね紐掛けフックとして有効に機能し得る略Ｔ字状の張り出し形状を有する。
【００２４】
物品支持装置４０では、物品支持部４２が、図１に示す一般的形状の物品支持部１２に比べて、支持本体１４の表面１４ａから高く突出し、また支持本体１４の長手方向へ長く（特に図示長手方向下端近傍まで）延長されている。したがって図示のように、カバー部材１６を第２位置に配置するときの、両腕部分３０の回転中心（図３の支軸３２）の位置は、カバー部材１６の主部分２８と物品支持部４２との干渉を回避しつつ粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを十分に開放できるように、物品支持部４２と支持本体１４との一体的連結部位から可及的に離れていることが望ましい。また、前述したように作業者が片手でカバー部材１６を第２位置に保持しつつ物品支持部４２を強固に把持することが容易になるように、第２位置ではカバー部材１６の主部分２８が物品支持部４２の直下に位置することが有利である。これらの観点から、物品支持装置４０では、支持部材１４の一対の切欠き部分２２及び長溝２４並びにカバー部材１６の一対の腕部分３０が、図１の物品支持装置１０の場合に比べて、より長尺に形成されている。
【００２５】
図１に示す物品支持装置１０では、図３に示すように、カバー部材１６の各支軸３２が対応の長溝２４の末端（図で下端）まで到達しない中間位置においても、カバー部材１６を回動させて第２位置に配置することができる。しかし図４に示す物品支持装置４０では、上記したように、カバー部材１６の回転中心は長溝２４の末端（図で下端）に設定されることが、その後の粘着テープ部材１８の引き伸ばし作業を円滑にする点で肝要である。そこで、図５に変形例として示すように、カバー部材１６の一対の腕部分３０に、支持本体１４の長溝２４に係合して直線状に摺動できる略長円形断面の支軸４４を形成するとともに、長溝２４の末端（図で下端）に、支軸４４の回動を許容する円形溝４６を形成することが有利である。このような構成によれば、作業者が意図せずとも、支軸４４が長溝２４の末端（図で下端）に配置されたときにのみ、カバー部材１６の第２位置への回動が可能になる。なお、図示の例では、カバー部材の主部分２８の両側縁に、作業者による把持を確実にする滑り止め４８が有利に形成されている。
【００２６】
図６は、本発明のさらに他の実施形態による物品支持装置５０を示す。物品支持装置５０は、支持本体及びカバー部材の構成以外は前述した物品支持装置４０と実質的同一の構成を有するので、対応の構成要素には共通の符号を付してその説明を省略する。すなわち、物品支持装置５０は、物品支持部４２を有する支持本体５２と、支持本体５２に移動可能に連結されるカバー部材５４とを備える。
【００２７】
支持本体５２は、その長手方向一端（図で下端）に、前述した一対の切欠き部分２２に代えて形成される略矩形の１つの切欠き部分５６を備え、切欠き部分５６を画定する一対の延長片５８の相互対向面に沿って、前述した長溝２４及び短溝２６に対応する長短の溝（図示せず）が形成される。カバー部材５４は、略半長円輪郭を有する主部分６０と、主部分６０の一縁に一体ヒンジ６２を介して連結される１つの腕部分６４とを有する。カバー部材５４の腕部分６４には、その両側縁上に、前述した支軸３２に対応する支軸（図示せず）が突設される。また、カバー部材５４の主部分６０には、その両側縁上に、前述した保持爪３４に対応する保持爪６６がそれぞれ突設される。さらにカバー部材５４の腕部分６４には、他の側縁上に補助的な保持爪６８が形成される。
【００２８】
物品支持装置５０の使用に際して、支持本体５２は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ１８の摘み部分１８ａを、支持本体５２の切欠き部分５６からさらに外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材１８に固着されるとともに粘着テープ部材１８を介して基体表面に取り付けられる。また、この間、カバー部材５４は、その主部分６０が、支持本体５２から突出する粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを隠蔽する第１位置（図６（ａ））と、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを露出する第２位置（図６（ｂ））との間で移動できる。
【００２９】
物品支持装置５０が通常の使用状態にある間は、カバー部材５４は第１位置に置かれる。このとき、カバー部材５４の腕部分６４及びそれに隣接する主部分６０の一部は、支持本体５２の切欠き部分５６にそれぞれ相補的に組み合わされて、各保持爪６６、６８が支持本体５２の対応の溝（図示せず）に締り嵌め状に嵌入されている。それによりカバー部材５４は、支持本体５２上で第１位置に係止保持される。
【００３０】
物品支持装置５０を基体から取り外す際には、作業者はカバー部材５４を掴んで支持本体５２から離れるように長手方向へ力を加え、各保持爪６６、６８を対応の溝から脱離させる。それによりカバー部材５４は、第１位置から離脱して、腕部分６４の支軸と支持本体５２の対応の溝（図示せず）との摺動係合下で直動式に移動する。そこで作業者は、カバー部材５４の主部分６０を一体ヒンジ６２を中心に回動させて、主部分６０が物品支持部４２の下方に位置する第２位置に移動させる。このような２段階動作により、カバー部材５４の主部分６０と物品支持部４２との干渉を回避しつつ粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを十分に開放できる。次いで作業者は、一方の手で、カバー部材５４を第２位置に保持しながら、支持本体５２の主として物品支持部４２を強固に把持するとともに、他方の手で、露出した粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを摘んで、支持本体５２から離れる方向へ引き伸ばし、それにより粘着テープ部材１８を支持本体５２及び基体から剥離する。
【００３１】
図７は、本発明のさらに他の実施形態による物品支持装置７０を示す。物品支持装置７０は、支持本体及びカバー部材の構成以外は前述した物品支持装置４０と実質的同一の構成を有するので、対応の構成要素には共通の符号を付してその説明を省略する。すなわち、物品支持装置７０は、物品支持部４２を有する支持本体７２と、支持本体７２に移動可能に連結されるカバー部材７４とを備える。
【００３２】
支持本体７２は、その長手方向一端（図で下端）に、互いに平行に延びる一対の溝穴７６が凹設される。各溝穴７６には、カバー部材７４の一縁に突設される一対の案内軸７８が、所定範囲に渡って長手方向摺動可能に受容される。カバー部材７４は、略Ｕ字輪郭を有する外枠部分８０と、外枠部分８０の内側に一体ヒンジ８２を介して連結される主部分８４とを有する。カバー部材７４の外枠部分８０には、その一側縁上に、一対の案内軸７８と、前述した保持爪３４に対応する保持爪８６とが突設される。また、カバー部材７４の主部分８４には、その一側縁上に保持爪８８が突設される。主部分８４に設けた保持爪８８は、外枠部分８０の内縁に設けた凹部９０にスナップ式に嵌入できる。
【００３３】
物品支持装置７０の使用に際して、支持本体７２は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ１８の摘み部分１８ａを、支持本体７２の長手方向一端（図で下端）から外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材１８に固着されるとともに粘着テープ部材１８を介して基体表面に取り付けられる。また、この間、カバー部材７４は、その主部分８４が、支持本体７２から突出する粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを隠蔽する第１位置（図７（ａ））と、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを露出する第２位置（図７（ｂ））との間で移動できる。
【００３４】
物品支持装置７０が通常の使用状態にある間は、カバー部材７４は第１位置に置かれる。このとき、カバー部材７４の一対の案内軸７８が支持本体７２の対応の溝穴７６内に引き込まれるとともに、保持爪８６が支持本体７２の対応の溝（図示せず）に締り嵌め状に嵌入されている。また、カバー部材の主部分８４は、外枠部分８０の内側に受容されて、保持爪８８が凹部９０に嵌入されている。それによりカバー部材７４は、支持本体７２上で第１位置に係止保持される。
【００３５】
物品支持装置７０を基体から取り外す際には、作業者はカバー部材７４の外枠部分８０を掴んで支持本体７２から離れるように長手方向へ力を加え、保持爪８６を対応の溝から脱離させる。それによりカバー部材７４は、第１位置から離脱して、案内軸７８と支持本体７２の対応の溝穴７６との摺動係合下で直動式に移動する。そこで作業者は、カバー部材７４の主部分８４を一体ヒンジ８２を中心に回動させて、主部分８４が外枠部分８０から突出して外枠部分８０の内側を開放する第２位置に移動させる。このような２段階動作により、カバー部材７４の主部分８４と物品支持部４２との干渉を回避しつつ粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを十分に開放できる。次いで作業者は、一方の手で、カバー部材７４を第２位置に保持しつつ、支持本体７２の主として物品支持部４２を強固に把持するとともに、他方の手で、露出した粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを摘んで、支持本体７２から離れる方向へ引き伸ばし、それにより粘着テープ部材１８を支持本体７２及び基体から剥離する。
【００３６】
なお、物品支持装置７０は、例えば図８に変形例として示すように、カバー部材７４の外枠部分８０のデザインを適当に変更して構成することもできる。
【００３７】
図９は、本発明のさらに他の実施形態による物品支持装置１００を示す。物品支持装置１００は、支持本体及びカバー部材の構成以外は前述した物品支持装置１０と実質的同一の構成を有するので、対応の構成要素には共通の符号を付してその説明を省略する。すなわち、物品支持装置１００は、物品支持部１２を有する支持本体１０２と、支持本体１０２に移動可能に連結されるカバー部材１０４とを備える。
【００３８】
支持本体１０２は、その長手方向一端（図で下端）に、大小の溝１０６、１０８が凹設される。大溝１０６には、カバー部材１０４の一縁に突設される舌片１１０が受容され、支軸１１２を介して回動自在に支持される。また、小溝１０８には、カバー部材１０４の一縁に突設される保持爪１１４を、締り嵌め状又はスナップ式に嵌入できる。カバー部材１０４は、平板状の主部分１１６を有し、主部分１１６の一側縁上に、舌片１１０と保持爪１１４とが突設される。
【００３９】
物品支持装置１００の使用に際して、支持本体１０２は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ１８の摘み部分１８ａを、支持本体１０２の長手方向一端（図で下端）から外方へ突出させた状態で、粘着テープ部材１８に固着されるとともに粘着テープ部材１８を介して基体表面に取り付けられる。また、この間、カバー部材１０４は、その主部分１１６が、支持本体１０２から突出する粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを隠蔽する第１位置（図９（ａ））と、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを露出する第２位置（図９（ｂ））との間で移動できる。
【００４０】
物品支持装置１００が通常の使用状態にある間は、カバー部材１０４は第１位置に置かれる。このとき、カバー部材１０４の保持爪１１４が、支持本体１０２の小溝１０８に締り嵌め状又はスナップ式に嵌入されている。それによりカバー部材１０４は、支持本体１０２上で第１位置に係止保持される。
【００４１】
物品支持装置１００を基体から取り外す際には、作業者はカバー部材１０４を掴んで、支軸１１２を中心に反時計方向へ支持本体１０２から離れるように力を加え、保持爪１１４を小溝１０８から脱離させる。それによりカバー部材１０４は、第１位置から離脱して、支軸１１２を中心に反時計方向へ回動し、第２位置に移動する。このような回動動作により、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを十分に開放できる。次いで作業者は、一方の手で、カバー部材１０４を第２位置に保持しつつ、支持本体１０２の主として物品支持部１２を強固に把持するとともに、他方の手で、露出した粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを摘んで、支持本体１０２から離れる方向へ引き伸ばし、それにより粘着テープ部材１８を支持本体１０２及び基体から剥離する。
【００４２】
なお、物品支持装置１００は、例えば図１０に変形例として示すように、例えばカーテン束ね紐掛けフックとして有効に機能し得る略Ｔ字状の物品支持部４２を有する構成とすることもできる。この構成においては、カバー部材１０４を支持本体１０２に対し回動させるだけで、カバー部材１０４と物品支持部４２との干渉を回避しつつカバー部材１０４を第２位置に配置して、粘着テープ部材１８の摘み部分１８ａを十分に開放できる。
【００４３】
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明は、図示実施形態のような物掛けフックとして機能する物品支持部を有するものに限定されず、例えばクリップ、ハンガー等、他の機能的構成を有する物品支持部を備える物品支持装置としても実施できることは理解されよう。
【００４４】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられる物品支持装置において、使用中に意図せず受け得る外力に抗して正常な物品支持機能を安定して発揮でき、しかも粘着テープ部材の剥離作業を手際良く容易に実施できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態による物品支持装置を、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材と共に示す斜視図である。
【図２】図１の物品支持装置を基体から取り外す手順を示す斜視図で、（ａ）カバー部材が中間位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態を示す。
【図３】図１の物品支持装置を基体に取り付けた状態で示す側面図である。
【図４】本発明の他の実施形態による物品支持装置を、カバー部材が第２位置にある状態で示す斜視図である。
【図５】図４の物品支持装置の変形例を分解斜視図で示す。
【図６】本発明の他の実施形態による物品支持装置の斜視図で、（ａ）カバー部材が第１位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態を示す。
【図７】本発明の他の実施形態による物品支持装置の斜視図で、（ａ）カバー部材が第１位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態を示す。
【図８】図７の物品支持装置の変形例を、（ａ）カバー部材が第１位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態で示す。
【図９】本発明の他の実施形態による物品支持装置の斜視図で、（ａ）カバー部材が第１位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態を示す。
【図１０】図９の物品支持装置の変形例を、（ａ）カバー部材が第１位置にある状態、及び（ｂ）カバー部材が第２位置にある状態で示す。
【符号の説明】
１２、４２…物品支持部
１４、５２、７２、１０２…支持本体
１６、５４、７４、１０４…カバー部材
１８…引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材
１８ａ…摘み部分
２８…主部分
３２、４４、１１２…支軸
３４、６６、６８、８６、８８、１１４…保持爪
６２、８２…一体ヒンジ

Claims

引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を用いて基体に取り付けられ、該基体上で物品を支持する物品支持装置において、
物品支持部を有する支持本体と、
前記支持本体に移動可能に連結されるカバー部材とを具備し、
前記支持本体は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材の一部分を該支持本体から外方へ突出させた状態で、該粘着テープ部材に固着されるとともに該粘着テープ部材を介して基体に取り付けられるようになっており、
前記カバー部材は、引き伸ばし剥離可能な粘着テープ部材を介して前記支持本体を基体に取り付けている間に、該支持本体から突出する該粘着テープ部材の一部分を隠蔽する第１位置と、該粘着テープ部材の該一部分を露出する第２位置との間で移動できること、
を特徴とする物品支持装置。
前記カバー部材を前記支持本体上で前記第１位置に係止保持する保持機構をさらに具備する請求項１に記載の物品支持装置。
前記カバー部材は、前記支持本体に対して直動及び回動することにより、前記第１位置と前記第２位置との間を移動する請求項１又は２に記載の物品支持装置。
前記カバー部材は、前記支持本体に対して回動することにより、前記第１位置と前記第２位置との間を移動する請求項１又は２に記載の物品支持装置。
前記支持本体の前記物品支持部がフックを有する請求項１〜４のいずれか１項に記載の物品支持装置。