JP4696977B2 - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

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Description

この発明は、可変圧縮比エンジンに関する。
エンジンは、空燃比がリーンである方が燃料消費量が少なく燃費が向上する。ところが空燃比がストイキ(空燃比15程度)よりもややリーンの状態(空燃比16〜17程度)では窒素酸化物(NOx)の排出量が非常に多くなる。空燃比がさらにリーンの状態では、空燃比が16程度のときよりはNOxの排出量が減少するものの、それでも依然としてNOxの排出量が多い。またエンジンは希薄空燃比限界を超えては混合気中に含有される燃料が少なすぎて、筒内燃焼が不安定になって運転できない。そこで従来のいわゆるリーンバーンエンジンは、筒内燃焼が不安定にならず、かつ燃費を向上させるために、希薄空燃比限界を超えない範囲で空燃比をリーンにしている。そして、排出される多量のNOxについては触媒で浄化する必要があり、このために使用するNOx浄化触媒(例えばNOxを一旦トラップしてからNOxを浄化するNOxトラップ触媒など)は高価である。またNOxを還元するために燃料又は過濃燃焼ガスを必要とするので燃費低減効果が少ない。
ところで希薄空燃比限界を拡大するには、圧縮比を高くするとよいことが知られている。すなわち圧縮比が高ければ点火時の燃焼室内容積が小さいので、少ない燃料でも着火しやすくなる。そのため空燃比が、よりリーンな範囲でも安定して筒内燃焼するのである。
そこで特許文献1に記載されたエンジンは、シリンダヘッドに設けた可変容積用ピストンによって燃焼室容積を変化させることで圧縮比を可変にし、低負荷時には圧縮比を高めて希薄空燃比限界を拡大して、よりリーンな空燃比での運転を可能にしている。
特開昭60−240837号公報
しかし、前述した従来の可変圧縮比エンジンは、確かに圧縮比を高くすることで希薄燃焼安定限界を拡大でき、空燃比をよりリーンにすることができ、NOxを減少できる。ところがこのようなエンジンでは、空燃比をせいぜい24〜25程度にすることが限界であり、NOxトラップ触媒などを完全に廃止することができるまでNOxを減少することはできない。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、NOxトラップ触媒等のNOx浄化装置が不要なほどNOxの排出量が少ない超希薄燃焼を可能とする可変圧縮比エンジンを提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、運転状態を検出する運転状態検出手段(ステップS1)と、燃焼室(30)の圧縮比を変更する圧縮比変更手段(51〜53)と、吸気ポート(56)の燃焼室(30)への開口部周囲の燃焼室内壁の一部を隆起させて形成したマスク壁(36)と、前記吸気ポート(56)と前記燃焼室との間を開閉する吸気弁(55)と、前記吸気弁(55)のリフト量と開閉時期とを前記運転状態に応じて可変制御する吸気弁可変制御手段(80,90)と、前記運転状態に応じて負荷が低いほど、前記燃焼室(30)の圧縮比を高圧縮比化し、さらに前記吸気弁(55)のリフト量を低リフト化し、前記マスク壁(36)の高さよりもリフト量が低いときに前記吸気ポート(56)の前記マスク壁(36)の設けられていない部分から前記燃焼室(30)に吸気を導いてスワール流動を発生させる運転状態制御手段(70)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、低負荷時に圧縮比を高圧縮化することによって燃焼を安定させることができる。さらに、吸気弁のリフト量を低くすることで吸気ポートに設けられたマスク壁が吸気方向を規制して、燃焼室内にスワール流動を発生させることができる。このように燃焼室内のガス流動を強化することによって、低負荷時の燃焼をさらに安定させることができる。したがって、低負荷時の燃焼安定性を向上させることによって、例えば、空燃比を30以上とするようなNOxをほとんど発生させない超希薄燃焼を実現することができる。また、高負荷時には圧縮比を低圧縮化することによってノッキングの発生を抑制することができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による可変圧縮比エンジンの第1実施形態を示す図である。
本件発明者らは、従来より、図1に示すようなピストンとクランクシャフトとを2つのリンクで連結する複リンク機構による可変圧縮比エンジン(以下「複リンク式可変圧縮比エンジン」という)について鋭意研究を重ねている。この複リンク式可変圧縮比エンジンは、ピストンとクランクシャフトとを1つのリンク(コンロッド)で連結し、圧縮比が一定である通常のエンジン(以下「ノーマルエンジン」という)に比べて、ピストンが上死点付近に滞在する期間が長いという特性がある(詳細は例えば特開2002-285857号公報)。
そして発明者らのさらなる研究によって、この特性を利用すれば、複リンク式可変圧縮比エンジンの希薄燃焼安定限界を拡大でき、NOx排出量をほとんど無くすことができるということが知見された。
本発明は、発明者らのそのような知見に基づいてなされたものである。
まず最初に複リンク式可変圧縮比エンジンについて説明する。図1は、本実施形態で採用する複リンク式可変圧縮比エンジンを示す図である。
図1に示すように、エンジン10は内部に燃焼室30を有する。エンジン10は、外気を燃焼室30に導く吸気ポート56と、燃焼後の排気を排出する排気ポート62とを備える。
燃焼室30と吸気ポート56との間には吸気弁55を備える。吸気弁55は、吸気ポート56と燃焼室30との間を開閉して燃焼室30への吸気量を調節する。また、吸気ポート56は燃料噴射弁41を備える。燃料噴射弁41は、図示しない燃料タンクと連結して燃焼室30に燃料を供給する。燃料噴射弁41は、燃料を霧状に噴射して外気と混ぜ合わせて混合気を生成する。燃焼室30に供給された混合気は点火プラグ42によって点火される。さらに、吸気ポート56にはタンブルコントロールバルブ43を備え、燃焼室内にタンブル流動を発生させる。
また、燃焼室30と排気ポート62との間には排気弁61を備える。排気弁61は、排気ポート62と燃焼室30との間を開閉して排ガスを排出する。排気弁61は後述するように開閉タイミングの変更が可能である。本実施形態では、排気弁61の開閉タイミングを制御することによってEGR量を調整することができる。
複リンク式可変圧縮比エンジン10は、ピストン32とクランクシャフト33とを2つのリンク(アッパリンク(第1リンク)11、ロアリンク(第2リンク)12)で連結するとともに、コントロールリンク(第3リンク)13でロアリンク12の姿勢を制御して機関圧縮比を変更する。
アッパリンク11は、上端をピストンピン21を介してピストン32に連結し、下端を連結ピン22を介してロアリンク12の一端に連結する。ピストン32は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック31のシリンダ31a内を往復動する。
ロアリンク12は、一端を連結ピン22を介してアッパリンク11に連結し、他端を連結ピン23を介してコントロールリンク13に連結する。また、ロアリンク12は、ほぼ中央の連結孔に、クランクシャフト33のクランクピン33bを挿入し、クランクピン33bを中心軸として回転する。ロアリンク12は左右の2部材に分割可能に構成される。クランクシャフト33は、複数のジャーナル33aとクランクピン33bとを備える。ジャーナル33aは、シリンダブロック31及びラダーフレーム34によって回転自在に支持される。クランクピン33bは、ジャーナル33aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が回転自在に連結する。
コントロールリンク13は、先端に連結ピン23を挿入し、ロアリンク12に回動可能に連結する。またコントロールリンク13は、他端を偏心連結ピン24を介してコントロールシャフト25に連結する。コントロールリンク13は、この偏心連結ピン24を中心として揺動する。またコントロールシャフト25にはギヤが形成されており、そのギヤがアクチュエータ51の回転軸52に設けられたピニオン53に噛合する。アクチュエータ51によってコントロールシャフト25が回転させられ、偏心連結ピン24が移動する。
これら各機構の制御は、運転状態に応じてコントローラ70によって行なわれる。コントローラ70は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ70は、アクチュエータ51を制御してコントロールシャフト25を回転させて圧縮比を変更する。また、コントローラ70は吸気ポート56に設けられた燃料噴射弁41の燃料の噴射量や噴射時期を制御する。さらに、コントローラ70はシリンダヘッドに設けられた点火プラグ42の点火時期を制御する。また、コントローラ70は排気弁61の開閉タイミングを制御してEGR量を調整する。
次に、スワール流動を生成するためのマスク壁36について説明する。図2(A)はエンジン上部の断面図であり、図2(B)は燃焼室のルーフ面を示す図である。なお、本実施形態では吸気ポート56及び排気ポート61はそれぞれ2つずつ備えられている。
図2(A)に示すとおり、マスク壁36は吸気ポート56の燃焼室側開口部の周囲に設けられている。本実施形態では後述するように負荷に応じてタンブル流動を発生させるため、マスク壁36の高さは、このタンブル流動を阻害しない程度の高さとしている。
また、マスク壁36は2つの吸気ポート56の燃焼室側開口部の外周に沿って設けられる。図2(B)に示すとおり、図上側の吸気ポート56aに形成されているマスク壁36は、右上側に設けられている。一方、図下側の吸気ポート56bに形成されているマスク壁36は、左上側に設けられている。そこで、吸気弁55のリフト量をマスク壁36の高さよりも低くすると、マスク壁36の設けられていない部分から吸気されることとなる。したがって、吸気ポート56aについては右上方にマスク壁36aが設けられているため、左下方に向かって吸気される。同様に吸気ポート56bについては左上方にマスク壁36bが設けられているため、右下方に向かって吸気される。よって、本実施形態では矢印Sの方向に旋回するガス流動すなわちスワール流動を発生させることができる。
さらに、本実施形態では負荷に応じて低圧縮時には燃焼室内にタンブル流動を発生させる。タンブル流動は、吸気ポート56に備えられたタンブルコントロールバルブ43によって生成させる。タンブルコントロールバルブ43は、図示しないアクチュエータによって駆動され、コントローラ70によって制御される。吸気ポート56の下半分を閉じることによって燃焼室内に新気を吸入する角度を拡大し、流速を増大させることによって縦方向の旋回流すなわちタンブル流動を発生させる。
図3は排気弁61の開閉タイミング調整機構を説明する図であり、図3(A)は開弁時の状態、図3(B)は閉弁時の状態を表す。本実施形態では、排気の完了前に排気弁61を閉じることで排ガスを燃焼室内に残留させ、この排ガスによってEGR効果を得る。したがって、EGR量を制御するためには排気弁61をクランクシャフトの回転と独立して開閉する機構を必要とする。
このような排気弁61の開閉タイミングを調整する機構としては、例えば特開2004-346825号公報のように開閉リフト量と開閉タイミングを変更するものや、特開2000-45733号公報のように電磁駆動機構によって開閉タイミングを変更可能なものがある。ここでは電磁駆動機構によるものを簡単に説明する。
排気弁61は、バルブシート63に着座又は離座することによって排気ポート62を開閉する。排気弁61のバルブステム64には、可動子65が固着されている。可動子65は上側スプリング66及び下側スプリング67と連結する。上側スプリング66は図上方に下側スプリング67は図下方に可動子65を付勢し、軸方向に弾性的に支持する。上側スプリング66及び下側スプリング67は、バルブステム64を遊挿する。
可動子65の上下には開弁用電磁コイル68と閉弁用電磁コイル69とが備えられている。可動子65は磁性材料で形成されており、これらの電磁コイルの一方を通電すると、発生した磁力によって可動子65が電磁コイルに引き寄せられる。また、開弁用電磁コイル68は下側スプリング67を、閉弁用電磁コイル69は上側スプリング66を遊挿している。
次に、排気弁61の開閉動作について説明する。開弁用電磁コイル68及び閉弁用電磁コイル69への電力供給がともに遮断されている状態では、上側スプリング66及び下側スプリング67の弾性力によって、可動子65は電磁コイル68,69の中間に位置する。開弁用電磁コイル68に通電すると、図3(A)に示すように可動子65は開弁用電磁コイル68に引き寄せられて矢印Cの方向に移動し、排気ポート62を開弁する。一方、閉弁用電磁コイル69に通電すると、図3(B)のように可動子65は閉弁用電磁コイル69に引き寄せられて矢印Dの方向に移動し、排気ポート62を閉弁する。
このように電磁コイル68,69の通電を切替えることによって、排気弁61をクランクシャフトの回転と独立して開閉させることができる。
図4は複リンク式可変圧縮比エンジンによる圧縮比変更方法を説明する図である。
コントロールシャフト25を回転して、偏心連結ピン24の位置を変更することで、機関圧縮比が変更する。例えば図4(A)、図4(C)に示すように偏心連結ピン24を位置Aにすれば、上死点位置が高くなり高圧縮比になる。
そして図4(B)、図4(C)に示すように、偏心連結ピン24を位置Bにすれば、コントロールリンク13が上方へ押し上げられ、連結ピン23の位置が上がる。これによりロアリンク12はクランクピン33bを中心として反時計方向に回転し、連結ピン22が下がり、ピストン上死点(TDC)におけるピストン32の位置が下降する。したがって圧縮比が低圧縮比になる。
図5は、ピストン挙動を示す図であり、図5(A)は図5(B)の点線部の拡大図である。
上述したように、複リンク式可変圧縮比エンジンは、同じ圧縮比であるノーマルエンジンに比べて、ピストンが上死点付近に滞在する期間が長い。この点を図5を参照して説明する。図5には、ノーマルエンジンと同じ圧縮比にした複リンク式可変圧縮比エンジンのピストン挙動が細実線で示されている。この図より、複リンク式可変圧縮比エンジンは、同じ圧縮比であるノーマルエンジンに比べて、ピストンが上死点付近に滞在する期間が長いことが分かる。
さらにピストンが上死点から所定の距離内にあるときを、ピストンが上死点付近にあるとすると、複リンク式可変圧縮比エンジンの高圧縮比のときに上死点付近にあるときの方が、低圧縮比のときに上死点付近にあるときよりも、ピストンの上死点付近滞在期間が長い。すなわち図5(B)において、L1>L2である。なお、L1、L2ともに、上死点前より上死点後の方が長い。
このように複リンク式可変圧縮比エンジンは、ノーマルエンジンに比べてピストンが上死点付近に滞在する期間が長い。さらに圧縮比が高い方がピストンが上死点付近に滞在する期間が長い。ピストンが上死点付近に長く滞在するということは、燃焼中に高圧縮状態が長く維持されるということである。特に、上死点後に高圧縮状態が長く維持されると、超希薄燃焼であっても比較的大きな燃焼エネルギーを得ることができるので燃焼性が安定する。また、ピストンのストローク特性を単振動に近い特性にすれば、エンジン全体の振動を小さくすることができる。
複リンク式可変圧縮比エンジンはこのような特性を有することから、図6の特性を有する。図6(A)は、空燃比と燃焼安定度との関係を示す図である。図中の細線はノーマルエンジン、太線は複リンク式可変圧縮比エンジンである。
この図を見て分かるように、ノーマルエンジン(圧縮比8〜12程度)において燃焼安定性を確保できる空燃比は22程度である。
一方、複リンク式可変圧縮比エンジンによれば、ピストンの上死点付近滞在時間が長いために圧縮比が高い状態が長くなり、燃焼安定限界が損なわれにくい。そして圧縮比を高くすることで(例えば圧縮比18程度)、空燃比A/Fが30程度まで安定した燃焼をすることができる。
図6(B)は、複リンク式可変圧縮比エンジンにおける空燃比と排出NOx量との関係を示す図である。図中の太線は高圧縮比の場合、細線は低圧縮比の場合である。
この図より、圧縮比が低い方が排出されるNOx量が少ないものの、空燃比を略30以上にしてしまうと、圧縮比にかかわらず、ほとんどNOxが排出されないことが分かる。
以上のことから、これらの特性を利用して本発明では圧縮比、空燃比及び点火エネルギーを以下のように制御するようにした。これらの制御はコントローラ70によって実行される。
図7は、本実施形態で用いられる可変バルブリフト制御機構80及び可変バルブタイミング制御機構90の斜視図である。
可変バルブリフト制御機構80は、例えば特開平11-107725号に開示された機構を用いることができる。可変バルブリフト制御機構80は、吸気カムシャフト79と、制御軸84とを備える。吸気カムシャフト79は、気筒列方向に沿って配置される。吸気カムシャフト79は、プーリ又はスプロケットを介してクランクシャフトから回転動力が伝達され、連動して自身の軸回りに回転する。図7に示すように、制御軸84は吸気カムシャフト79と平行に気筒列方向へ延びる。制御軸84は、その回転角度を変更することによって吸気弁55のリフト量を変更する。制御軸84の回転角度はVEL変換デバイス82によって変更される。VEL変換デバイス82は電動式のアクチュエータである。
また、可変バルブリフト制御機構80は、揺動カム81と、偏心カム83と、制御カム85とを備える。これらのカムは、吸気カムシャフト79及び制御軸84に取付けられ、複数のリンク部材と連結される。リンク部材には、ロッカーアーム86と、第1リンク87と、第2リンク88とが含まれる。これらのカムは、吸気カムシャフト79や制御軸84の回転に連動して回転・揺動する。可変バルブリフト制御機構80の詳細な構成及び動作については後述する。
可変バルブタイミング制御機構90は、例えば特開平05−98916号に開示されているように公知である。可変バルブタイミング制御機構90には、外部回転体91と内部回転体とを備える。外部回転体91は、クランクシャフトと連動して回転するカムプーリを有する。内部回転体は、外部回転体91の内部に収容される。また、内部回転体は吸気カムシャフト79と一体となって回転する。内部回転体の外周と外部回転体91の内周には、相互に噛合するように斜めに形成された溝を有する。これらの溝は、外部回転体91が軸方向に移動すると、その噛合の関係から、吸気カムシャフト79が相対回転するように構成される。油圧式のVTC変換デバイス92は、外部回転体91を軸方向に移動させることによって吸気カムシャフト79を回転させる。こうすることによって、可変バルブタイミング制御機構90は吸気弁の開弁時期及び閉弁時期を調節することができる。
図8は、本実施形態で用いられる可変バルブリフト制御機構80の拡大図である。
揺動カム81は、吸気カムシャフト79に揺動自在に外嵌・支持される。揺動カム81は、吸気弁55のバルブリフタ57と当接する。揺動カム81は、バルブリフタ57の冠面を摺動し、押圧することによって吸気弁55を開閉する。揺動カム81は、第2リンク88の一端と連結する。また、第2リンク88の他端はロッカーアーム86と連結する。ロッカーアーム86は、制御カム85に揺動可能に外嵌して取り付けられる。制御カム85は制御軸84に偏心して固定又は一体形成され、図8に示すように制御カム85の軸心P1と制御軸84の軸心P2との間には距離αの間隔を有する。
また、ロッカーアーム86は第1リンク87と連結する。第1リンク87は、偏心カム83に回転可能に外嵌して取り付けられる。偏心カム83は、吸気カムシャフト79に偏心して固定又は一体形成される。
このように各カムとリンク部材を連結して構成することによって、吸気弁55を開閉させることができる。具体的には、吸気カムシャフト79を回転させると、第1リンク87の一端が吸気カムシャフト79の軸心に対して回転変位する。そうすると、第1リンク87はロッカーアーム86及び第2リンク88と連係して揺動カム81を所定の揺動角度範囲内で揺動させる。このようにして揺動した揺動カム81がバルブリフタ57を押圧して吸気弁55を開閉させる。
さらに、可変バルブリフト制御機構80が吸気弁55の作動角及びバルブリフト量を変更する仕組みについて説明する。図9は、吸気弁55のリフト量を小さくする場合を示しており、図9(A)は最小揺動時、図9(B)は最大揺動時を示す。
吸気弁55のリフト量を変更するためには、VEL変換デバイス82を駆動して制御軸84を回転させる。制御カム85は、制御軸84の回転に連動して制御軸84の軸心P2を中心に回転する。リフト量を小さくするためには、図9に示すように、制御カム85の軸心P1が制御軸84の軸心P2の右上方に移動するように制御軸84を回転させる。このようにすると、ロッカーアーム86は、全体が吸気カムシャフト79の上方向へ移動する。これにともなって揺動カム81は、第2リンク88を介して端部が引き上げられて右方向に回動する。
したがって、図9(A)(B)に示すように、最小揺動時のリフト量と最大揺動時のリフト量との差は比較的少なくなる。
図10は、吸気弁55のリフト量を大きくする場合を示しており、図10(A)は最小揺動時、図10(B)は最大揺動時を示す。
吸気弁55のリフト量を大きくするためには、図10に示すように、制御カム85の軸心P1が制御軸84の軸心P2の下方に移動するように制御カム85を図9に示す位置から時計方向に回転させる。このようにすると、ロッカーアーム86は、全体が吸気カムシャフト79の方向(下方向)に移動する。これにともなってロッカーアーム86は、揺動カム81を第2リンク88を介して下方へ押圧して揺動カム81全体を所定量だけ時計方向に回動させる。
したがって、揺動カム81とバルブリフタ57の冠面との当接位置は図10に示すように右方向に移動する。このため、図10(A)に示す最小揺動時と比較して、図10(B)に示す最大揺動時のリフト量を大きくすることができる。
図11は、コントローラ70によって実行される本発明による制御ロジックのメインフローチャートである。
ステップS1では、各種センサが検出した情報に基づいて現在走行中の運転状態を取得する。具体的には空気吸入量や燃料噴射量などに基づいて、現在の運転負荷領域が低負荷域、中負荷域若しくは高負荷域に属しているかを判断する。
ステップS2では、ステップS1で取得した運転負荷領域が低負荷域に属するか否かを判定する。運転状態が低負荷域に属する場合にはステップS3に処理を移し、属さない場合にはステップS4に処理を移す。
ステップS3では、低負荷運転制御を行う。低負荷運転制御では超希薄燃焼を行ない、NOxをほとんど排出させないようにする。具体的な処理については後述する。
ステップS4では、運転負荷領域が中負荷域に属するか否かを判定する。中負荷域に属する場合にはステップS5に処理を移して中負荷運転制御を行い、中負荷域に属さない場合にはステップS6に処理を移して高負荷運転制御を行う。
図12は低負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。低負荷運転制御では空燃比A/Fが30以上の超希薄燃焼を行ってNOxの排出量を略ゼロにする。超希薄燃焼を安定して行なうために、圧縮比の高圧縮比化などの制御を行う。
ステップS31では、負荷に応じた空燃比A/Fを設定する。このとき、空燃比A/FはNOxをほとんど発生させない30以上の値が設定される。
ステップS32では、超希薄燃焼であっても安定した燃焼を可能とするために圧縮比εをεmaxに設定する。
ステップS33では、タンブルコントロールバルブ43を開放してタンブル流動を抑制する。これは、低負荷域では高圧縮化されているために燃焼室が扁平化し、タンブル流動によるガス流動を維持しにくいからである。
ステップS34では、吸気弁55のリフト量を低リフト化し、マスク壁36の作用によって、燃焼室内のスワール流動を強化する。このとき負荷が低いほどリフト量を低くすることによって、吸気量を少なくするとともにスワール流動を強くする。また、吸気弁55のリフト量は少なくともL1以下とし、このL1はマスク壁36の高さと一致している。
ステップS35では、吸気弁55の開閉時期を制御することで吸気弁55が開弁している期間を負荷に応じた期間に設定する。低負荷域では開弁時期を一定としながら負荷が大きくなるにつれて閉弁時期を遅らせて開弁期間を長くする。
ステップS36では、排気弁61の開閉タイミングを制御してEGR量を略ゼロにする。
図13は中負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。中負荷運転制御ではスワール流動を抑制しながらタンブル流動を強化する。
ステップS51では、空燃比A/Fをストイキに設定する。空燃比が30以上の超希薄燃焼では、要求されるエンジン出力を実現できないからである。
ステップS52では、圧縮比εを通常の圧縮比ε1に設定する。空燃比が30以下で燃焼させる場合に圧縮比を高圧縮比化すると、かえってNOxの発生量が増加するからである(図6(B))。そこで、超希薄領域からストイキまでの中間領域の空燃比では運転せず、中負荷域となったら空燃比をストイキに設定し、通常の圧縮比で運転する。
ステップS53では、タンブルコントロールバルブ43を閉じてタンブル流動を強化する。
ステップS54では、吸気弁55のリフト量に通常のリフト量に設定し、マスク壁36の影響を少なくすることによって、スワール流動を抑制する。高圧縮比化した場合には、ピストン32の上死点が高い位置になるため、燃焼室30が扁平状になる。このとき、燃焼室30のルーフ面とピストン冠面との距離が小さくなるため、タンブル流動よりもスワール流動の方がガス流動が維持されやすくなる。一方、圧縮比を通常の圧縮比とすると、ピストン32の上死点が高圧縮比化した場合よりも低くなるためシリンダライナの一部がピストン冠面よりも上方に露出する。そのため、シリンダライナ近傍でスワール流動の流速が増大すると冷却損失の悪化を招くおそれがある。また、通常の圧縮比とした場合には燃焼室内のシリンダ軸方向の空間が確保できるようになるため、タンブル流動を保持できるようになる。そこで、タンブル流動を増大することによって筒内ガス流動を強め、燃焼性を向上させて燃費を向上することが可能となる。また、吸入空気量を増加させるために吸気弁55のリフト量を大きくするため、マスク壁36によるスワール流動の生成効果は減少し、冷却損失を低減することができる。
ステップS55では、吸気弁55の開閉時期を制御することによって、負荷に応じて吸気弁55が開弁している期間を制御する。
ステップS56では、NOxを減らすため排気弁61の開閉タイミングを制御して負荷に応じたEGR量に調整する。
図14は高負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。高負荷運転制御では、ノッキングの発生を抑制する。
ステップS61では、空燃比A/Fをストイキよりもややリッチに設定する。
ステップS62では、圧縮比εを設定する。このとき、高負荷であるほど圧縮比εを低く設定し、一定以上の負荷を要求された場合には圧縮比εを最小圧縮比εminに設定する。高負荷運転時に圧縮比を高くしすぎると燃焼室内の温度が上昇し、ノッキングが発生しやすくなるからである。
ステップS63では、タンブルコントロールバルブ43を開放してガス流動の強化を中止する。こうすることによって、吸気抵抗を低減して充填効率を向上させることができ、エンジン出力を向上させることができる。
ステップS64では、吸気弁55のリフト量を大きくして、マスク壁36の影響を少なくしてスワール流動を抑制する。
ステップS65では、吸気弁55の開閉時期を制御することで吸気弁55が開弁している期間を負荷に応じた期間に設定する。
ステップS66では、出力を優先させるため排気弁61の開閉タイミングを制御してEGR量を略ゼロにする。
図15は本発明による制御を実行したときの作用・効果を説明する図である。横軸にはエンジンの負荷を、縦軸については図15(A)は空燃比、図15(B)はEGR量、図15(C)は圧縮比、図15(D)はガス流動のスワール成分、図15(E)はガス流動のタンブル成分、図15(F)は吸気弁の開弁時期、図15(G)は吸気弁の閉弁時期、図15(H)は吸気弁のリフト量、図15(I)は吸気弁の作動中心角、図15(J)はNOxの発生量を示す。
低負荷域のときには(S2でYes)、空燃比A/Fを30以上に設定して超希薄燃焼を行なう(S31;図11(A))。このような超希薄燃焼でも、圧縮比εを高圧縮比化(εmax)することによって(S32;図11(C))、燃焼性を安定させることができる。また、低負荷域では吸気弁55のリフト量Lを所定以下に設定することによって(図15(H);L<L1)、スワール流動を強化する(図15(D))。このように燃焼室内のガス流動を強化することによって、燃焼室内の火炎伝播速度を速くして燃焼安定性を向上させることができる。こうして低負荷域では空燃比A/Fが30以上の超希薄燃焼を実現し、NOx排出量を略ゼロにすることができる(図15(J))。さらに、負荷調整のためのスロットリングを必要とせずにノンスロットル運転を実現することができ、ポンプロスを低減して燃費を向上させることができる。また、吸気弁55の開時期を一定にしながら(図15(F))、閉時期を早めることによって吸気量を減少させる(図15(G))。こうすることでポンプロスが減少し、さらに実圧縮比が低下するために燃焼温度が低下して冷却損失が減少し、より燃費を向上させることができる。なお、吸気弁55のリフト量Lを低くすると、吸気弁55が開弁している期間が短くなる。このとき、リフト量Lが最大となるタイミング(作動中心角)は一定であり、開弁期間が短縮されると吸気弁55が開弁するタイミングは遅くなる。そこで、作動中心角を早めることで吸気弁55の開弁時期が一定となるように制御している(図15(I))。
中負荷域のときには(S4でYes)、エンジン出力が不足するために超希薄燃焼を行なうことができない。そこで、空燃比εをストイキに設定することによって(S51;図15(A))、必要なエンジン出力を確保する。また、燃料噴射量を増やすことにともなって吸入空気量も増やさなければならない。そこで、吸気弁55のリフト量を大きくすると(図15(H))、吸気ポート56の開口部に設けられたマスク壁36によるスワール流動の生成効果が小さくなりガス流動が減少する(図15(D))。また、低負荷域では高圧縮比となるため、ピストン32の上死点が高い位置となり、燃焼室30が扁平状となる。そのため、低負荷域では横方向に旋回するスワール流動のほうが縦方向に旋回するタンブル流動よりもガス流動の持続期間を長くすることができる。一方、中負荷域では通常の圧縮比(ε1)に設定するため(S52;図15(C))、ピストンの上死点位置が高圧縮比の場合よりも低くなる。そのため、シリンダライナの一部がピストン冠面よりも上方に露出するようになる。このとき、スワール流動によってシリンダライナ近傍の流速が増大することは冷却損失の悪化を招いてしまう。また、中負荷域では低負荷域よりもピストンの上死点の位置が低くなることによって燃焼室のルーフ面からピストン冠面までの空間が大きくなる。そのため、燃焼室内にタンブル流動を生成しても十分なガス流動の持続時間を確保できる。そこで、中負荷域ではタンブルコントロールバルブ43を制御し、燃焼室内に負荷に応じた強さのタンブル流動を発生させることによって(図15(E))、燃焼性を向上させることができる。また、前述のように吸気弁55のリフト量を増大させることでマスクによるスワール流動生成効果は減少し、スワール流動は減少するようになるため冷却損失を低減させることができる。
また、中負荷域においても、吸気弁55の閉時期を早めることによって吸気量を減少させる(図15(G))。こうすることで低負荷域と同様にポンプロスを低減し、燃費を向上させることができる。さらに、負荷に応じてEGRガスを導入することによって(S54;図15(B))、三元触媒のみでNOxを浄化して(図15(J))、ポンプロスを低減させることができる。
高負荷域のときには(S4でNo)、空燃比A/Fをストイキよりもややリッチに設定して出力を最大とする(S61;図15(A))。このとき、圧縮比を低圧縮化して(εmin<ε<ε2)、ノッキングの発生を抑制する(S62;図15(C))。また、高負荷域ではガス流動の強化を行なわないことによって(図15(D)(E))、吸気抵抗を低減して充填効率を高めることが可能となり、出力を向上させることができる。さらに、高負荷域ではEGRガスを導入せずにエンジン出力を向上させる(S65;図15(B))。
本実施形態によれば、低負荷域では圧縮比を高圧縮化し、吸気弁のリフト量を制御してスワール流動を燃焼室内に発生させることによって空燃比A/Fが30以上の超希薄燃焼を実現することができる。こうすることで、低負荷域でNOxの発生量を略ゼロとすることができる。また、吸気弁の開弁期間を短縮し、吸気の膨張比を圧縮比よりも大きくすることによって、燃費をさらに向上させることができる。
また、本実施形態によれば、中負荷域ではガス流動をスワール流動からタンブル流動に切替えて冷却損失を低減して燃費を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、高負荷域ではガス流動を強化せずに吸気抵抗を最小限に抑えることによって出力を向上させることができる。また、圧縮比を低圧縮比化することで、ノッキングの発生を最小限に抑えることができる。
(第2実施形態)
図16は、本発明による可変圧縮比エンジンの第2実施形態を示す図である。
なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態では、排気弁61の開閉タイミングによってEGR量を調整するいわゆる内部EGR方式を採用したが、本実施形態では、図16に示すように排気通路59を吸気通路58とを連通するEGR通路71をEGR弁72で開閉するいわゆる外部EGR方式によってEGR量を調整する。
図17は本発明による第2実施形態の制御を実行したときの作用・効果を説明する図である。横軸にはエンジンの負荷を、図17(A)は空燃比、図17(B)はEGR量、図17(C)は圧縮比、図17(D)はガス流動のスワール成分、図17(E)はガス流動のタンブル成分、図17(F)は吸気弁の開時期、図17(G)は吸気弁の閉時期、図17(H)は吸気弁のリフト量、図17(J)はNOxの発生量を示す。
本実施形態では、空燃比A/Fの制御、圧縮比及びガス流動の制御は第1実施形態と同様である(図17(A)〜(E))。一方、本実施形態では吸気弁55の開弁時期は運転状態によらずに一定となっているため(図17(F))、閉弁時期(図17(G))及びリフト量(図17(H))を制御することによって吸入空気量などを調節する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に低負荷域では超希薄燃焼を実現してNOxの発生量を略ゼロにすることができる。また、吸気弁の開弁期間を制御して燃費を向上させることができる。さらに、中高負荷域においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、上記実施形態では、中負荷域では圧縮比を一定としていたが、負荷が大きいほど圧縮比を低くすることによってノッキングの発生を効果的に抑制することができる。また、タンブル流生成手段はタンブルコントロールバルブを用いる方法に限られない。
本発明による可変圧縮比エンジンの第1実施形態を示す図である。 スワールを生成するためのマスク壁の構造を説明する図である。 排気弁の開閉タイミング調整機構を説明する図である。 複リンク式可変圧縮比エンジンによる圧縮比変更方法を説明する図である。 ピストン挙動を示す図である。 複リンク式可変圧縮比エンジンの特性を示す図である。 本発明による始動制御装置によって制御される可変バルブリフト制御機構及び可変バルブタイミング制御機構の斜視図である。 本発明による始動制御装置によって制御される可変バルブリフト制御機構の駆動軸方向視図である。 本発明による始動制御装置によって制御される可変バルブリフト制御機構の吸気弁のリフト量を小さくしたときの最小揺動状態及び最大揺動状態を示す図である。 本発明による始動制御装置によって制御される可変バルブリフト制御機構の吸気弁のリフト量を大きくしたときの最小揺動状態及び最大揺動状態を示す図である。 本発明による具体的な制御ロジックのメインフローチャートである。 低負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 中負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 高負荷運転制御のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明による可変圧縮比エンジンの第1実施形態の制御を実行したときの作用・効果を説明する図である。 本発明による可変圧縮比エンジンの第2実施形態の外部EGRの構成を示す図である。 本発明による可変圧縮比エンジンの第2実施形態の制御を実行したときの作用・効果を説明する図である。
符号の説明
10 複リンク式可変圧縮比エンジン
11 アッパリンク(第1リンク)
12 ロアリンク(第2リンク)
13 コントロールリンク(第3リンク)
30 燃焼室
32 ピストン
33 クランクシャフト
36 マスク壁
41 燃料噴射弁
42 点火プラグ
43 タンブルコントロールバルブ(タンブル流生成手段)
51 アクチュエータ(圧縮比変更手段)
52 回転軸(圧縮比変更手段)
53 ピニオン(圧縮比変更手段)
55 吸気弁
56 吸気ポート
61 排気弁
62 排気ポート
70 コントローラ(運転状態制御手段)
80 可変バルブリフト制御機構(吸気弁可変制御手段)
90 可変バルブタイミング制御機構(吸気弁可変制御手段)
ステップS1 運転状態検出手段
ステップS31,S51,S61 空燃比制御手段

Claims (23)

  1. 運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    燃焼室の圧縮比を変更する圧縮比変更手段と、
    吸気ポートの燃焼室への開口部周囲の燃焼室内壁の一部を隆起させて形成したマスク壁と、
    前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気弁と、
    前記吸気弁のリフト量と開閉時期とを可変制御する吸気弁可変制御手段と、
    前記運転状態に応じて負荷が低いほど、前記燃焼室の圧縮比を高圧縮比化し、さらに前記吸気弁のリフト量を低リフト化し、前記マスク壁の高さよりもリフト量が低いときに前記吸気ポートの前記マスク壁の設けられていない部分から前記燃焼室に吸気を導いてスワール流動を発生させる運転状態制御手段と、
    を備えることを特徴とする可変圧縮比エンジン。
  2. 前記吸気ポートは、前記燃焼室のルーフ面に複数設けられており、
    前記マスク壁は、吸気がそれぞれ前記燃焼室の内周側壁面に沿って周回するように異なった位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジン。
  3. 混合気の空燃比を調節する空燃比制御手段をさらに備え、
    前記運転状態制御手段は、前記運転状態が所定負荷よりも低い低負荷域であるとき、負荷に応じて前記燃焼室の圧縮比を高めて希薄空燃比限界を拡大し、その拡大した希薄空燃比限界付近まで前記空燃比を希薄化し、前記リフト量を前記マスク壁の高さよりも低いリフト量に維持する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変圧縮比エンジン。
  4. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において低負荷ほど前記吸気弁の閉時期を進角させることによって、前記燃焼室内の吸気量を減少させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の可変圧縮比エンジン。
  5. 前記運転状態制御手段は、前記所定負荷よりも高い負荷域において低負荷ほど吸気弁閉時期を進角させることによって、前記燃焼室内の吸気量を減少させる、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の可変圧縮比エンジン。
  6. 前記運転状態制御手段は、タンブル流動生成手段を備え、
    前記タンブル流動生成手段は、前記所定負荷よりも高い負荷域においてタンブル流動を強化する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  7. 前記運転状態制御手段は、前記所定負荷よりも高い負荷域であって、さらに負荷の高い高負荷域においてガス流動の強化を行なわない、
    ことを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  8. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において前記所定負荷よりも高い負荷域での圧縮比よりも高い圧縮比にして希薄空燃比限界を拡大する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  9. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において希薄空燃比限界付近まで混合気の空燃比を希薄化することで、NOx浄化触媒が不要なほど、エンジンから排出される窒素酸化物を減少させる、
    ことを特徴とする請求項3から請求項8までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  10. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において希薄空燃比限界付近まで混合気の空燃比を希薄化することで、エンジンから排出される窒素酸化物を略ゼロにする、
    ことを特徴とする請求項3から請求項9までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  11. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において混合気の空燃比を30以上にする、
    ことを特徴とする請求項3から請求項10までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  12. 前記運転状態制御手段は、前記低負荷域において負荷が低いほど圧縮比を高めて希薄空燃比限界を拡大し、拡大された希薄空燃比限界付近まで空燃比を希薄化する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項11までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  13. 混合気に排ガスを導入する排ガス導入手段をさらに備え、
    前記運転状態制御手段は、前記所定負荷よりも高い負荷域において空燃比を略理論空燃比にするとともに、混合気に排ガスを導入する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項12までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  14. 前記運転状態制御手段は、前記所定負荷よりも高い負荷域において負荷が低いほど圧縮比を高圧縮比にする、
    ことを特徴とする請求項13に記載の可変圧縮比エンジン。
  15. 前記排ガス導入手段は、排気弁の開閉時期を変更する排気弁位相変更手段を備え、
    前記排ガスは、排気弁の早期閉作動によって気筒内に残留した排ガスである、
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の可変圧縮比エンジン。
  16. 前記排ガス導入手段は、排気通路を流れる排ガスの一部を吸気通路に還流する排ガス還流通路を備え、
    前記排ガスは、前記排ガス還流通路を介して還流された排ガスである、
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の可変圧縮比エンジン。
  17. 前記排ガスの導入量は、負荷が低いほど多い、
    ことを特徴とする請求項13から請求項16までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  18. 複数のリンクを介してクランクシャフトに連結するピストンを備え、
    前記圧縮比変更手段は、前記複数のリンクのうちの少なくともひとつのリンクの動作を規制して前記ピストンの上死点位置を調整して圧縮比を変更する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  19. 前記複数のリンクは、ピストンピンを介して連結される第1リンクと、前記第1リンクに揺動可能に連結されるとともに前記クランクシャフトに回転可能に装着される第2リンクとであって、
    前記圧縮比変更手段は、前記第2リンクに連結され、その第2リンクの動作を規制して圧縮比を変更する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の可変圧縮比エンジン。
  20. 1本のコンロッドを介してクランクシャフトに連結するピストンを有するノーマルエンジンに比べて、ピストンの上死点付近滞在期間が長い、
    ことを特徴とする請求項19に記載の可変圧縮比エンジン。
  21. 高圧縮比ほど、上死点付近滞在期間が長くなる、
    ことを特徴とする請求項20に記載の可変圧縮比エンジン。
  22. 所定距離を移動して上死点に達する時間が、上死点から所定距離を移動する時間よりも短い、
    ことを特徴とする請求項19から請求項21までのいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン。
  23. 低圧縮比ほど、所定距離を移動して上死点に達する時間が、上死点から所定距離を移動する時間よりも短くなる、
    ことを特徴とする請求項22に記載の可変圧縮比エンジン。
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