JP2013130177A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気多弁式の内燃機関において、互いに隣接する少なくとも二つの吸気ポートを有し、一方の吸気ポートの内壁における他方の吸気ポートとは反対側に凹部を形成することなく、二つの吸気ポートから供給される吸気により強いスワール流が気筒内に形成されるようにする。
【解決手段】一方の吸気ポート8aの気筒内開口回りにおける他方の吸気ポート8bとは反対側には、開弁時の吸気弁を覆うマスク壁Wが形成され、一方の吸気ポートから供給される吸気F1がマスク壁によりシリンダボアに沿って他方の吸気ポートの気筒内開口方向に案内されるようにし、他方の吸気ポートは、シリンダボアに沿って一方の吸気ポートの気筒内開口とは反対側へ吸気F2を供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、吸気多弁式の内燃機関に関する。
吸気二弁式の内燃機関において、二つの吸気弁を介して気筒内へ供給される吸気によって気筒内に強いスワール流を形成することが望まれている。そのために、互いに隣接する二つの吸気ポートにおいて、一方の吸気ポートの内壁には、他方の吸気ポートとは反対側に凹部が形成され、一方の吸気ポートから気筒内へ供給される吸気が凹部によりシリンダボアに沿って他方の吸気ポートの気筒内開口方向に案内されるようにすると共に、他方の吸気ポートから気筒内へ供給される吸気がシリンダボアに沿って一方の吸気ポートの気筒内開口とは反対側へ供給されるようにし、これらの吸気によって気筒内に強いスワール流を形成するようにした吸気二弁式の内燃機関が公知である(特許文献1参照)。
特開平08−158873 特開平06−299858 特開2010−261314 特開2007−239604 特開2005−042673 特開平10−184370
前述の吸気二弁式の内燃機関において、一方の吸気ポートの内壁における他方の吸気ポートとは反対側に凹部を形成すると、この凹部と干渉しないようにするために、シリンダヘッドの冷却水通路が気筒中心から離間することとなり、気筒上部略中心に位置する点火プラグの冷却が不十分となってプレイグニッションが発生し易くなる。
従って、本発明の目的は、吸気多弁式の内燃機関において、互いに隣接する少なくとも二つの吸気ポートを有し、一方の吸気ポートの内壁における他方の吸気ポートとは反対側に凹部を形成することなく、二つの吸気ポートから供給される吸気により強いスワール流が気筒内に形成されるようにすることである。
本発明による請求項1に記載の吸気多弁式の内燃機関は、互いに隣接する少なくとも二つの吸気ポートを有し、一方の前記吸気ポートの気筒内開口回りにおける他方の前記吸気ポートとは反対側には、開弁時の吸気弁を覆うマスク壁が形成され、前記一方の吸気ポートから供給される吸気が前記マスク壁によりシリンダボアに沿って前記他方の吸気ポートの気筒内開口方向に案内されるようにし、前記他方の吸気ポートは、シリンダボアに沿って前記一方の吸気ポートの気筒内開口とは反対側へ吸気を供給することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の吸気多弁式の内燃機関によれば、互いに隣接する少なくとも二つの吸気ポートを有し、一方の吸気ポートの気筒内開口回りにおける他方の吸気ポートとは反対側には、開弁時の吸気弁を覆うマスク壁が形成され、一方の吸気ポートから供給される吸気がマスク壁によりシリンダボアに沿って他方の吸気ポートの気筒内開口方向に案内されるようにし、他方の吸気ポートは、シリンダボアに沿って一方の吸気ポートの気筒内開口とは反対側へ吸気を供給するようになっているために、二つの吸気ポートから供給される吸気により気筒内に強いスワール流を形成することができる。こうして、一方の吸気ポートの内壁における他方の吸気ポートとは反対側に凹部を形成する必要はないために、凹部と干渉しないようにシリンダヘッドの冷却水通路を気筒中心から離間させて、気筒上部略中心に位置する点火プラグの冷却が不十分となることはない。
内燃機関の全体図である。 可変圧縮比機構の分解斜視図である。 図解的に表した内燃機関の側面断面図である。 シリンダヘッドの概略気筒内底面図である。 吸気弁の開弁状態を示す概略側面図である。 機械圧縮比、実圧縮比および膨張比を説明するための図である。 理論熱効率と膨張比との関係を示す図である。 通常のサイクルおよび超高膨張比サイクルを説明するための図である。 機関負荷に応じた機械圧縮比等の変化を示す図である。
図1は本発明による吸気多弁式の内燃機関の側面断面図を示す。本内燃機関は、可変圧縮比機構を備えている。図1を参照すると、1はクランクケース、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火栓、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、各吸気枝管11には夫々対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は各吸気枝管11に取付ける代りに各燃焼室5内に配置してもよい。
サージタンク12は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結され、吸気ダクト14内にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17とスロットル弁17の上流側には例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18とが配置される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19を介して例えば三元触媒を内蔵した触媒装置20に連結され、排気マニホルド19内には空燃比センサ21が配置される。
一方、図1に示される実施例ではクランクケース1とシリンダブロック2との連結部にクランクケース1とシリンダブロック2のシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることによりピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更可能な可変圧縮比機構Aが設けられており、更に実際の圧縮作用の開始時期を変更可能な実圧縮作用開始時期変更機構Bが設けられている。なお、図1に示される実施例ではこの実圧縮作用開始時期変更機構Bは吸気弁7の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構からなる。
図1に示されるようにクランクケース1とシリンダブロック2にはクランクケース1とシリンダブロック2間の相対位置関係を検出するための相対位置センサ22が取付けられており、この相対位置センサ22からはクランクケース1とシリンダブロック2との間隔の変化を示す出力信号が出力される。また、可変バルブタイミング機構Bは、電磁又は油圧アクチュエータとして構成され、任意の時期に吸気弁7を開閉させることができると共に、必要に応じて吸気弁開弁時の最大リフト量も変化させることができる。スロットル弁駆動用のアクチュエータ16にはスロットル弁開度を示す出力信号を発生するスロットル開度センサ24が取付けられている。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。吸入空気量検出器18、空燃比センサ21、相対位置センサ22、可変バルブタイミング機構Bおよびスロットル開度センサ24の出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火栓6、燃料噴射弁13、スロットル弁駆動用アクチュエータ16、可変圧縮比機構A、可変バルブタイミング機構B、および過給器28に接続される。
図2は図1に示す可変圧縮比機構Aの分解斜視図を示しており、図3は図解的に表した内燃機関の側面断面図を示している。図2を参照すると、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50内には夫々断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁面上には互いに間隔を隔てて夫々対応する突出部50の間に嵌合せしめられる複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52内にも夫々断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
図2に示されるように一対のカムシャフト54,55が設けられており、各カムシャフト54,55上には一つおきに各カム挿入孔53内に回転可能に挿入される円形カム58が固定されている。これらの円形カム58は各カムシャフト54,55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム58の両側には図3に示すように各カムシャフト54,55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム56が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるようにこれら円形カム56は各円形カム58の両側に配置されており、これら円形カム56は対応する各カム挿入孔51内に回転可能に挿入されている。また、図2に示されるようにカムシャフト55にはカムシャフト55の回転角度を表す出力信号を発生するカム回転角度センサ25が取付けられている。
図3(A)に示すような状態から各カムシャフト54,55上に固定された円形カム58を図3(A)において矢印で示される如く互いに反対方向に回転させると偏心軸57が互いに離れる方向に移動するために円形カム56がカム挿入孔51内において円形カム58とは反対方向に回転し、図3(B)に示されるように偏心軸57の位置が高い位置から中間高さ位置となる。次いで更に円形カム58を矢印で示される方向に回転させると図3(C)に示されるように偏心軸57は最も低い位置となる。
なお、図3(A)、図3(B)、図3(C)には夫々の状態における円形カム58の中心aと偏心軸57の中心bと円形カム56の中心cとの位置関係が示されている。
図3(A)から図3(C)とを比較するとわかるようにクランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離によって定まり、円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース1から離間側に移動する。即ち、可変圧縮比機構Aは回転するカムを用いたクランク機構によりクランクケース1とシリンダブロック2間の相対位置を変化させていることになる。シリンダブロック2がクランクケース1から離れるとピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は増大し、従って各カムシャフト54,55を回転させることによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更することができる。
図2に示されるように各カムシャフト54,55を夫々反対方向に回転させるために駆動モータ59の回転軸には夫々螺旋方向が逆向きの一対のウォーム61,62が取付けられており、これらウォーム61,62と噛合するウォームホイール63,64が夫々各カムシャフト54,55の端部に固定されている。この実施例では駆動モータ59を駆動することによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を広い範囲に亘って変更することができる。
図4は、本実施形態の内燃機関のシリンダヘッドの概略気筒内底面図(ピストン側から見た図)である。本内燃機関は、吸気多弁式であり、例えば、二つの吸気弁7a及び7bを有している。各吸気弁7a及び7bに対応して、シリンダヘッド3には、二つの吸気ポート8a及び8bが形成されている。
これら二つの吸気ポート8a及び8bから気筒内へ供給される吸気によって気筒内に強いスワール流を生成することが好ましい。スワール流のような気流を、吸気行程において消滅しないように強くして、圧縮行程後半においても気筒内に持続させることができれば、圧縮行程末期にピストン4により押し潰すことにより気筒内に乱れを発生させることができ、燃焼速度の速い良好な燃焼が実現可能となる。
互いに隣接する二つの吸気ポートから気筒内へ供給される吸気流により強いスワール流を気筒内に生成するためには、二つの吸気流を互いに衝突させないようにしなければならず、そのためには、図4に示すように、一方の吸気ポート8aから気筒内へ供給される吸気流F1は、シリンダボアに沿って他方の吸気ポート8bの気筒内開口方向に案内されるようにすると共に、他方の吸気ポート8bから気筒内へ供給される吸気流F2は、シリンダボアに沿って一方の吸気ポート8aの気筒内開口とは反対側へ供給されるようにしなければならない。例えば、一方の吸気ポート8aはストレートポートとすることができ、他方の吸気ポート8bはヘリカルポートとすることができる。
他方の吸気ポート8bの内壁における一方の吸気ポート8aとは反対側に突出部8cを形成することにより、他方の吸気ポート8bから気筒内へ供給される吸気流F2は、他方の吸気ポート8bを通過する間において、矢印で示すように、突出部8cに沿って進行して、容易にシリンダボアに沿って一方の吸気ポート8aの気筒内開口とは反対側へ供給されるようにすることができる。
一方の吸気ポート8aから気筒内へ供給される吸気流F1を、シリンダボアに沿って他方の吸気ポート8bの気筒内開口方向に案内されるようにするには、一方の吸気ポート8aの内壁における他方の吸気ポートとは反対側に凹部を形成すれば良いが、このように凹部を形成すると、シリンダヘッドの冷却水通路は、凹部と干渉しないようにしなければならず、気筒中心から離間することとなり、気筒上部略中心に位置する点火プラグ6の冷却が不十分となってプレイグニッションが発生し易くなる。
本実施形態の内燃機関では、図4に示すように、一方の吸気ポート8aの気筒内開口回りにおける他方の吸気ポート8bとは反対側には、開弁時の吸気弁を覆うマスク壁Wが形成され、一方の吸気ポートから供給される吸気流F1がマスク壁Wによりシリンダボアに沿って他方の吸気ポート8bの気筒内開口方向に案内されるようにし、他方の吸気ポート8bから気筒内へ供給される吸気流F2と共に気筒内に強いスワール流を生成するようになっている。
それにより、一方の吸気ポート8aの内壁における他方の吸気ポート8bとは反対側に凹部を形成する必要はないために、凹部と干渉しないようにシリンダヘッドの冷却水通路を気筒中心から離間させて、気筒上部略中心に位置する点火プラグの冷却が不十分となることはない。
図5は、一方の吸気弁7aの開弁状態を示す概略側面図である。実線で示す吸気弁7aの開弁に際して、マスク壁Wは、開弁時の吸気弁7aの他方の吸気ポート8bとは反対側を覆うために、一方の吸気ポート7aから気筒内へ供給される吸気流は、他方の吸気ポート8bとは反対側へは進行できず、シリンダボアに沿って他方の吸気ポート8bの気筒内開口方向に案内されるようになる。
次に図6を参照しつつ本願において使用されている用語の意味について説明する。なお、図6の(A),(B),(C)には説明のために燃焼室容積が50mlでピストンの行程容積が500mlであるエンジンが示されており、これら図6の(A),(B),(C)において燃焼室容積とはピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室の容積を表している。
図6(A)は機械圧縮比について説明している。機械圧縮比は圧縮行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であってこの機械圧縮比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6(A)に示される例ではこの機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図6(B)は実圧縮比について説明している。この実圧縮比は実際に圧縮作用が開始されたときからピストンが上死点に達するまでの実際のピストン行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの実圧縮比は(燃焼室容積+実際の行程容積)/燃焼室容積で表される。即ち、図6(B)に示されるように圧縮行程においてピストンが上昇を開始しても吸気弁が開弁している間は圧縮作用は行われず、吸気弁が閉弁したときから実際の圧縮作用が開始される。従って実圧縮比は実際の行程容積を用いて上記の如く表される。図6(B)に示される例では実圧縮比は(50ml+450ml)/50ml=10となる。
図6(C)は膨張比について説明している。膨張比は膨張行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの膨張比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6(C)に示される例ではこの膨張比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
次に図7および図8を参照しつつ本発明において用いられている超膨張比サイクルについて説明する。なお、図7は理論熱効率と膨張比との関係を示しており、図8は本発明において負荷に応じ使い分けられている通常のサイクルと超高膨張比サイクルとの比較を示している。
図8(A)は吸気弁が下死点近傍で閉弁し、ほぼ吸気下死点付近からピストンによる圧縮作用が開始される場合の通常のサイクルを示している。この図8(A)に示す例でも図6の(A),(B),(C)に示す例と同様に燃焼室容積が50mlとされ、ピストンの行程容積が500mlとされている。図8(A)からわかるように通常のサイクルでは機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11であり、実圧縮比もほぼ11であり、膨張比も(50ml+500ml)/50ml=11となる。即ち、通常の内燃機関では機械圧縮比と実圧縮比と膨張比とがほぼ等しくなる。
図7における実線は実圧縮比と膨張比とがほぼ等しい場合の、即ち通常のサイクルにおける理論熱効率の変化を示している。この場合には膨張比が大きくなるほど、即ち実圧縮比が高くなるほど理論熱効率が高くなることがわかる。従って通常のサイクルにおいて理論熱効率を高めるには実圧縮比を高くすればよいことになる。しかしながら機関高負荷運転時におけるノッキングの発生の制約により実圧縮比は最大でも12程度までしか高くすることができず、斯くして通常のサイクルにおいては理論熱効率を十分に高くすることはできない。
一方、このような状況下で機械圧縮比と実圧縮比とを厳密に区分しつつ理論熱効率を高めることが検討され、その結果理論熱効率は膨張比が支配し、理論熱効率に対して実圧縮比はほとんど影響を与えないことが見い出されたのである。即ち、実圧縮比を高くすると爆発力は高まるが圧縮するために大きなエネルギーが必要となり、斯くして実圧縮比を高めても理論熱効率はほとんど高くならない。
これに対し、膨張比を大きくすると膨張行程時にピストンに対し押下げ力が作用する期間が長くなり、斯くしてピストンがクランクシャフトに回転力を与えている期間が長くなる。従って膨張比は大きくすれば大きくするほど理論熱効率が高くなる。図7の破線ε=10は実圧縮比を10に固定した状態で膨張比を高くしていった場合の理論熱効率を示している。このように実圧縮比εを低い値に維持した状態で膨張比を高くしたときの理論熱効率の上昇量と、図7の実線で示す如く実圧縮比も膨張比と共に増大せしめられる場合の理論熱効率の上昇量とは大きな差がないことがわかる。
このように実圧縮比が低い値に維持されているとノッキングが発生することがなく、従って実圧縮比を低い値に維持した状態で膨張比を高くするとノッキングの発生を阻止しつつ理論熱効率を大巾に高めることができる。図8(B)は可変圧縮比機構Aおよび可変バルブタイミング機構Bを用いて、実圧縮比を低い値に維持しつつ膨張比を高めるようにした場合の一例を示している。
図8(B)を参照すると、この例では可変圧縮比機構Aにより燃焼室容積が50mlから20mlまで減少せしめられる。一方、可変バルブタイミング機構Bによって実際のピストン行程容積が500mlから200mlになるまで吸気弁の閉弁時期が遅らされる。その結果、この例では実圧縮比は(20ml+200ml)/20ml=11となり、膨張比は(20ml+500ml)/20ml=26となる。図8(A)に示される通常のサイクルでは前述したように実圧縮比がほぼ11で膨張比が11であり、この場合に比べると図8(B)に示される場合には膨張比のみが26まで高められていることがわかる。これが超高膨張比サイクルと称される所以である。
一般的に言って内燃機関では機関負荷が低いほど熱効率が悪くなり、従って機関運転時における熱効率を向上させるためには、即ち燃費を向上させるには機関負荷が低いときの熱効率を向上させることが必要となる。一方、図8(B)に示される超高膨張比サイクルでは圧縮行程時の実際のピストン行程容積が小さくされるために燃焼室5内に吸入しうる吸入空気量は少なくなり、従ってこの超高膨張比サイクルは機関負荷が比較的低いときにしか採用できないことになる。従って本発明では機関負荷が比較的低いときには図8(B)に示す超高膨張比サイクルとし、機関高負荷運転時には図8(A)に示す通常のサイクルとするようにしている。
次に図9を参照しつつ運転制御全般について概略的に説明する。図9には或る機関回転数における機関負荷に応じた吸入空気量、吸気弁閉弁時期、機械圧縮比、膨張比、実圧縮比およびスロットル弁17の開度の各変化が示されている。なお、図9は、触媒装置20内の三元触媒によって排気ガス中の未燃HC,COおよびNOXを同時に低減しうるように燃焼室5内における平均空燃比が空燃比センサ21の出力信号に基いて理論空燃比にフィードバック制御されている場合を示している。
さて、前述したように機関高負荷運転時には図8(A)に示される通常のサイクルが実行される。従って図9に示されるようにこのときには機械圧縮比は低くされるために膨張比は低く、図9において実線で示されるように吸気弁7の閉弁時期は図5において実線で示される如く早められている。また、このときには吸入空気量は多く、このときスロットル弁17の開度は全開に保持されているのでポンピング損失は零となっている。
一方、図9において実線で示されるように機関負荷が低くなるとそれに伴って吸入空気量を減少すべく吸気弁7の閉弁時期が遅くされる。またこのときには実圧縮比がほぼ一定に保持されるように図9に示される如く機関負荷が低くなるにつれて機械圧縮比が増大され、従って機関負荷が低くなるにつれて膨張比も増大される。なお、このときにもスロットル弁17は全開状態に保持されており、従って燃焼室5内に供給される吸入空気量はスロットル弁17によらずに吸気弁7の閉弁時期を変えることによって制御されている。
このように機関高負荷運転状態から機関負荷が低くなるときには実圧縮比がほぼ一定のもとで吸入空気量が減少するにつれて機械圧縮比が増大せしめられる。即ち、吸入空気量の減少に比例してピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積が減少せしめられる。従ってピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は吸入空気量に比例して変化していることになる。なお、このとき図9に示される例では燃焼室5内の空燃比は理論空燃比となっているのでピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は燃料量に比例して変化していることになる。
機関負荷が更に低くなると機械圧縮比は更に増大せしめられ、機関負荷がやや低負荷寄りの中負荷L1まで低下すると機械圧縮比は燃焼室5の構造上限界となる限界機械圧縮比(上限機械圧縮比)に達する。機械圧縮比が限界機械圧縮比に達すると、機械圧縮比が限界機械圧縮比に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域では機械圧縮比が限界機械圧縮比に保持される。従って低負荷側の機関中負荷運転時および機関低負荷運転時には即ち、機関低負荷運転側では機械圧縮比は最大となり、膨張比も最大となる。別の言い方をすると機関低負荷運転側では最大の膨張比が得られるように機械圧縮比が最大にされる。
一方、図9に示される実施例では機関負荷がL1まで低下すると吸気弁7の閉弁時期が燃焼室5内に供給される吸入空気量を制御しうる限界閉弁時期となる。吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達すると吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域では吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持される。
吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持されるともはや吸気弁7の閉弁時期の変化によっては吸入空気量を制御することができない。図9に示される実施例ではこのとき、即ち吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域ではスロットル弁17によって燃焼室5内に供給される吸入空気量が制御され、機関負荷が低くなるほどスロットル弁17の開度は小さくされる。
前述したように図8(B)に示す超高膨張比サイクルでは膨張比が26とされる。この膨張比は高いほど好ましいが図7からわかるように実用上使用可能な下限実圧縮比ε=5に対しても20以上であればかなり高い理論熱効率を得ることができる。従って本実施例では膨張比が20以上となるように可変圧縮比機構Aが形成されている。
図9を使用して説明したように、機関負荷が低くなるほど、可変圧縮比機構Aにより膨張比を高めるために機械圧縮比は高くされるが、実圧縮比が高くなり過ぎてノッキングやプレイグニッションを発生させないために、実圧縮比を一定とするように、可変バルブタイミング機構Bにより吸気弁の閉弁時期は遅角されるようになっている。
ところで、可変バルブタイミング機構Bにより二つの吸気弁7a及び7bの開弁時の最大リフト量を大きくすると、一方の吸気弁7aは、図5に一点鎖線で示すように、マスク壁Wを越えて開弁される。また、こうして吸気弁7a及び7bを大きく開弁すると、二つの吸気ポート8a及び8bから気筒内へ供給される吸気流は、縦方向の速度成分が大きくなり、互いに平行にシリンダボアの排気弁9側を下降して、シリンダボアの吸気弁7a及び7b側を上昇して、気筒内を縦方向に旋回するタンブル流を生成し易くなる。
それにより、可変バルブタイミング機構Bが、吸気弁開閉用カムの位相を変化させるものでは、吸気弁の閉弁時期を制御は可能であっても、吸気弁開弁時のリフト量を変化させることはできないが、本実施形態のように可変バルブタイミング機構Bが、吸気弁の開閉時期を可変とすることに加えて、吸気弁7a及び7bのリフト量を可変とするものである場合には、吸気弁7a及び7bのリフト量を大きくして開弁させ、気筒内に強いタンブル流を生成し、圧縮行程末期にピストンによりタンブル流が押し潰されて発生する乱れによって燃焼速度を速めるようにしても良い。
しかしながら、例えば、図9において機関負荷がL1以下のときには、吸気弁7a及び7bの閉弁時期は最大に遅角されており、このときには、シリンダボアの吸気弁側を上昇する吸気は、吸気ポート8a及び8bから流出し易くなっているために、気筒内に強いタンブル流を生成することはできない。それにより、機関負荷がL1以下のときには、可変バルブタイミング機構Bにより、吸気弁7a及び7bの開弁時の最大リフト量を小さくして、前述したように、気筒内に強いスワール流を生成することが好ましい。もちろん、吸気弁の閉弁時期が遅角されるほど、気筒内に強いタンブル流の生成が難しくなるために、タンブル流とスワール流とを切り換える機関負荷は、吸気弁の開弁時期を最大に遅角するL1に限定されることなく、L1より大きな任意の負荷とすることができる。
1 クランクケース
2 シリンダブロック
7a 一方の吸気弁
7b 他方の吸気弁
8a 一方の吸気ポート
8b 他方の吸気ポート
A 可変圧縮比機構
B 可変バルブタイミング機構
W マスク壁

Claims (1)

  1. 互いに隣接する少なくとも二つの吸気ポートを有し、一方の前記吸気ポートの気筒内開口回りにおける他方の前記吸気ポートとは反対側には、開弁時の吸気弁を覆うマスク壁が形成され、前記一方の吸気ポートから供給される吸気が前記マスク壁によりシリンダボアに沿って前記他方の吸気ポートの気筒内開口方向に案内されるようにし、前記他方の吸気ポートは、シリンダボアに沿って前記一方の吸気ポートの気筒内開口とは反対側へ吸気を供給することを特徴とする吸気多弁式の内燃機関。
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