JP4821434B2 - 複リンク式可変圧縮比エンジン - Google Patents

複リンク式可変圧縮比エンジン Download PDF

Info

Publication number
JP4821434B2
JP4821434B2 JP2006143007A JP2006143007A JP4821434B2 JP 4821434 B2 JP4821434 B2 JP 4821434B2 JP 2006143007 A JP2006143007 A JP 2006143007A JP 2006143007 A JP2006143007 A JP 2006143007A JP 4821434 B2 JP4821434 B2 JP 4821434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
piston
operation control
engine
load operation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006143007A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007315191A (ja
Inventor
泰介 白石
章彦 角方
康治 平谷
淳 寺地
守洋 長嶺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006143007A priority Critical patent/JP4821434B2/ja
Publication of JP2007315191A publication Critical patent/JP2007315191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4821434B2 publication Critical patent/JP4821434B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は、複リンク式可変圧縮比エンジンに関する。
エンジンの燃費を向上するため、シリンダヘッドに設けた可変容積用ピストンによって燃焼室容積を変化させて、エンジンの機械圧縮比を可変にする技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたエンジンでは、空燃比が薄い(リーン)状態では機械圧縮比を高くすることでリーン燃焼限界域を拡大し、空燃比が濃い(リッチ)状態では機械圧縮比を低くすることでノッキングの発生を抑制する。
特公平6−3149号公報
特許文献1に記載の可変圧縮比エンジンでは、低負荷運転領域において、機械圧縮比を高くしてリーン燃焼を行うため、NOx排出量を減少して燃費を向上させることはできる。しかしながら、リーン燃焼時に単に機械圧縮比を高くするだけでは、燃焼室S/V比(表面積/体積比)が増大して冷却損失が悪化してしまう。この冷却損失の悪化に起因するノッキングの発生を抑制するため、機械圧縮比が低い時よりもMBT(Minimum advance for Best Torque)を遅角させると、ピストン上死点近傍における燃焼性が不安定となり、熱効率向上を十分に図ることができないという問題がある。
そこで、本発明は、燃焼性が不安定になる運転領域において、機械圧縮比を高くするとともにスキッシュ流を強くすることができる複リンク式可変圧縮比エンジンを提供することを目的とする。
本発明は、シリンダヘッドの内壁と、シリンダ内を往復動するピストンの冠面とで燃焼室を形成するエンジンにおいて、シリンダの内径周縁にシリンダヘッドの内壁と対向する対向面を有するピストンと、ピストンの上死点位置を変化させることで、シリンダヘッドの下面とピストンの対向面との間の間隙を調整して、燃焼室に生じるスキッシュ流の強さを調整する間隙調整手段と、エンジンの負荷に基づいて低負荷運転制御又は高負荷運転制御を行う運転制御手段を備え低負荷運転制御時は高負荷運転制御時よりも間隙を小さくすることで、燃焼性が安定するように機械圧縮比を高くするとともにスキッシュ流を強くする。
本発明は、シリンダヘッドの内壁と、シリンダ内を往復動するピストンの冠面とで燃焼室を形成するエンジンにおいて、シリンダの内径周縁にシリンダヘッドの内壁と対向する対向面を有するピストンと、ピストンの上死点位置を変化させることで、シリンダヘッドの下面とピストンの対向面との間の間隙を調整して、燃焼室に生じるスキッシュ流の強さを調整する間隙調整手段と、エンジンの負荷に基づいて低負荷運転制御又は高負荷運転制御を行う運転制御手段と、を備え、間隙調整手段は、ピストンに回動自由に連結する第1のリンクと、第1のリンクに回動自由に連結するとともに、クランクシャフトに回転自由に装着される第2のリンクと、クランクシャフトと平行にシリンダブロックに回転自由に支持され、その回転軸心に対して偏心する偏心軸部を有するコントロールシャフトと、第2のリンクに回転自由に連結されるとともに、コントロールシャフトの偏心軸部を揺動軸心として揺動可能な第3のリンクと、を有し、コントロールシャフトが回転し偏心軸部の位置が移動することでピストン上死点位置が変化して機械圧縮比が可変となるように構成されるとともに機械圧縮比が高くなるほどピストンの上死点付近滞在期間が長くなるように構成され、低負荷運転制御時には高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして間隙を小さくすることで燃焼性が安定するようにスキッシュ流を強くすることを特徴とする。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、複リンク式可変圧縮比エンジンの第1実施形態を示す概略図である。
複リンク式可変圧縮比エンジン1は、ピストン11とクランクシャフト21とをアッパリンク22、ロアリンク23で連結して、コントロールリンク24でロアリンク23の姿勢を制御することで機械圧縮比を変更できるようになっている(間隙調整手段)。
このような複リンク式可変圧縮比エンジン1において、ピストン11はシリンダブロック20のシリンダ12内に収装され、このピストン11の冠面11aと、シリンダ12のシリンダ壁と、シリンダヘッド10とによって燃焼室2が形成される。この燃焼室2において燃料が燃焼すると、ピストン11は燃焼による燃焼圧力を受けて、シリンダ12内を往復動する。
アッパリンク22は、その上端でピストンピン31を介してピストン11に連結する。また、アッパリンク22の下端は、連結ピン32を介してロアリンク22の一端に連結する。
ロアリンク23は、その一端が連結ピン32を介してアッパリンク22に連結する。また、ロアリンク23の他端は、連結ピン33を介してコントロールリンク24に連結する。ロアリンク23は、図中左右の2部材から分割可能に構成され、ほぼ中央に連結孔を有する。ロアリンク23は、この連結孔にクランクシャフト21のクランクピン21aを挿入し、クランクピン21aを中心軸として揺動する。
クランクシャフト21は、複数のクランクピン21aとジャーナル21bとを備える。ジャーナル21bは、シリンダブロック20及びラダーフレーム34によって回転自在に支持される。クランクピン21aは、ジャーナル21bから所定量偏心しており、ここにロアリンク23が揺動自在に連結する。
コントロールリンク24は、その一端が連結ピン33を介してロアリンク23に連結する。コントロールリンク24の他端は、連結ピン35を介してコントロールシャフト41に連結する。このコントロールリンク24は、連結ピン35を中心として揺動する。
コントロールシャフト41は、その外周にギアが形成する。そのギアがアクチュエータ42の回転軸43に設けられたピニオン44に噛合する。コントロールシャフト41はアクチュエータ42によって制御され、連結ピン35を移動させる。この連結ピン35が移動させることによって、アッパリンク22及びロアリンク23の姿勢を変更でき、複リンク式可変圧縮比エンジン1の機械圧縮比を変更することができる。
図2は、複リンク式可変圧縮比エンジン1による機械圧縮比の変更方法を説明する概略図である。
複リンク式可変圧縮比エンジン1は、コントロールシャフト41を回転して連結ピン35の位置を変更することによって、ピストン11の上死点位置が変化して機械圧縮比を変更できる。例えば、図2(A)及び図2(C)に示すように、連結ピン35を位置Aにすれば、上死点位置が高くなり高圧縮比になる。また、図2(B)及び図2(C)に示すように、連結ピン35を位置Bにすると、コントロールリンク24が上方へ押し上げられ、連結ピン33の位置が上がる。これによりロアリンク23はクランクピン21aを中心として反時計方向に回転して連結ピン32が下がり、これによりピストン11の上死点位置も下がって低圧縮比になる。
また、複リンク式可変圧縮比エンジン1は、機械圧縮比が一定である通常のエンジン(以下「通常エンジン」と称する)に比べて、ピストン11が上死点付近に滞在する期間が長いという特性がある。
図3(A)は、複リンク式可変圧縮比エンジン1のピストン11の挙動を示す図である。図3(B)は、図3(A)の点線部の拡大図である。図3(A)において、破線は通常エンジンのピストン挙動を示す。また、細実線は通常エンジンと同じ機械圧縮比(低圧縮比)にした複リンク式可変圧縮比エンジンのピストン挙動を示し、太実線は細実線よりも高圧縮比の複リンク式可変圧縮比エンジンのピストン挙動を示す。
ピストン11が上死点から所定の距離内にあるときを、ピストン上死点付近滞在期間と定義すると、図3(A)に示すように複リンク式可変圧縮比エンジン1では、同じ機械圧縮比である通常エンジンに比べて、ピストン上死点付近滞在期間が長くなる。つまり、図3(B)に示す通り、高圧縮比でのピストン上死点付近滞在期間L1が、低圧縮比でのピストン上死点付近滞在期間L2よりも長くなる。
複リンク式可変圧縮比エンジン1は、通常エンジンと機械圧縮比が同じ場合であってもピストン上死点付近滞在期間が長い。また、通常エンジンよりも機械圧縮比が高い場合には、ピストン上死点付近滞在期間がさらに長くなる。このように、ピストン11が上死点付近に長く滞在するということは、燃焼中に高圧縮状態が長く維持されるため、低負荷運転領域でのリーン燃焼時や希釈燃焼時であっても比較的大きな燃焼エネルギを得ることができる。
一方、図1に示す複リンク式可変圧縮比エンジン1では、シリンダヘッド10に形成される吸気ポート5に、燃焼室2と連通するように吸気通路50が接続する。また、排気ポート6には、燃焼室2と連通するように排気通路60が接続する。
吸気通路50は、エアフローセンサ51及びその下流にスロットルバルブ52を備える。エアフローセンサ51は、外部から取り込まれる新気の新気量を検出する。吸気通路50と接続する吸気ポート5には、燃料噴射弁53が設置される。この燃料噴射弁53は、目標空燃比となるように空気量に応じた燃料を吸気ポート5内に噴射し、混合気を形成する。また、吸気ポート5には、吸気バルブ54が設置される。この吸気バルブ54はカムシャフト7によって駆動され、吸気ポート5を開閉して燃焼室2に混合気を導入する。導入された混合気は、燃焼室2の上側に設置された点火プラグ3によって点火されて爆発燃焼する。
排気ポート6には排気バルブ64が設置される。排気バルブ64は、カムシャフト8によって駆動され、排気ポート6を開閉する。排気ポート6に接続する排気通路60には、燃焼室2で燃焼した燃焼ガスが排出される。この排気通路60にはEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置61が設けられ、排気通路60を流れる燃焼ガスの一部を、EGR通路61bを介して吸気通路50に再循環させる。
EGR装置61は、EGR通路61bに設けたEGRバルブ61aを有する。EGRバルブ61aは開度に応じて、吸気通路50に再循環させるEGRガス量を調整する。ここで、EGR装置61により排気通路60から吸気通路50に再循環して、再度燃焼室2に吸入されるEGRガスを外部EGRガスという。この外部EGRガスは、EGR装置61を経由して流れる間に冷却されるため、低温EGRガスともいう。
次に、複リンク式可変圧縮比エンジン1の燃焼室2の近傍の構成について説明する。図4(A)は、複リンク式可変圧縮比エンジン1の燃焼室2の近傍を拡大した概略図である。図4(B)は、ピストン11が上死点位置にある時のスキッシュ流を示す。
図4(A)に示す通り、シリンダヘッド10の下面には、圧縮面10aが形成される。この圧縮面10aは、シリンダ12よりも径方向内側に突出し、ピストン11の冠面11aと平行状態で対向する。つまり、ピストン11は、シリンダ12の内径周縁にシリンダヘッドの圧縮面10aと平行に対向する対向面を有する。したがって、ピストン11が上死点位置にある場合に、シリンダヘッド10の圧縮面10aとピストン11との間は、所定の間隙(以下「スキッシュクリアランス」と称する)を有する。したがって、ピストン11が下死点から上死点に移動した場合には、図4(B)に示すように、スキッシュクリアランスで圧縮された混合気が燃焼室2の中央に向けて押し出されて、燃焼室2にスキッシュ流が生じる。
スキッシュ流の強さはスキッシュクリアランスを調整することで制御でき、スキッシュクリアランスはピストン11の上死点位置を変えることによって調整できる。つまり、複リンク式可変圧縮比エンジン1では、機械圧縮比を低くしてピストン11の上死点位置を低くする場合にはスキッシュクリアランスは大きくなり、スキッシュ流を弱めることができる。これに対して、機械圧縮比を高くしてピストン11の上死点位置を高くする場合にはスキッシュクリアランスは小さくなり、スキッシュ流を強めることができる。したがって、本発明に係る複リンク式圧縮比エンジン1では、スキッシュ流と高圧縮比化によって低負荷運転領域でのリーン燃焼時やEGRガスによる希釈燃焼時の燃焼性の安定化を図ることができる。
複リンク式可変圧縮比エンジン1は上述したような特性を有することから、図5に示すように、リーン燃焼時にNOx排出量を低減できる特性を有する。図5(A)は、空燃比と燃焼安定度との関係を示す。破線は機械圧縮比が8〜12程度である通常エンジンの特性を示し、太線は高圧縮比時の複リンク式可変圧縮比エンジン1の特性を示す。
通常エンジンでは、燃焼性の安定を確保できる空燃比は22程度である。一方、複リンク式可変圧縮比エンジン1では、高圧縮比においてピストン11の上死点付近滞在時間が通常エンジンよりも長くなり、スキッシュ流も機械圧縮比に応じて強くすることで、燃焼性の安定する領域を拡大できる。そのため、高圧縮比(例えば、圧縮比18程度)にすることによって、空燃比が30程度であっても安定した燃焼性を得ることができる。
また、NOx排出量については、図5(B)に示す通り、空燃比が22程度では通常エンジンの方が複リンク式可変圧縮比エンジン1よりもNOx排出量は少ない。しかしながら、複リンク式可変圧縮比エンジン1では、空燃比を略30(空気過剰率λを略2)以上までリーン燃焼限界域を拡大することができるため、NOxがほとんど排出されないという特性を有する。
コントローラ70はCPU、ROM、RAM及びI/Oインタフェースを備える。
このコントローラ70には、エアフローセンサ51や図示しないクランク角センサ等の車両運転状態を検出する各種センサの出力が入力する。コントローラ70は、これら出力に基づいてアクチュエータ42を制御してコントロールシャフト41を回転させて機械圧縮比を変更し、また吸気通路50に設けられたスロットルバルブ52、燃料噴射弁53及び点火プラグ3を制御する。
ここで、コントローラ70で行われる制御内容について、図6に従って説明する。
図6は、複リンク式可変圧縮比エンジン1の制御を示すフローチャートである。
ステップS101において、コントローラ70は、エアフローセンサ51の検出信号に基づいて新気量を検出する。
次に、ステップS102において、コントローラ70は、ステップS101で検出した新気量に基づいて、複リンク式可変圧縮比エンジン1が高負荷運転領域であるか否かを判定する。
高負荷運転領域であるときは、ステップS103へ処理を移行し、高負荷運転制御を行う。高負荷運転領域は、全負荷を含む運転領域である。また、高負荷運転領域でない場合には、ステップS107へ処理を移行し、低負荷運転制御を行う。低負荷運転制御の詳細については、後述する。
高負荷運転領域にある場合には、ステップS104において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御して、コントロールシャフト41を回転させ、負荷に応じて機械圧縮比を小さい値に設定する。なお、機械圧縮比は、例えばROMに予め実験を通じて設定したマップを格納しておき、この特性に基づいて決定する。
ステップS105において、コントローラ70は、空燃比がストイキ、つまり空気過剰率λが1となるように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御する。
ステップS106において、コントローラ70は、負荷に応じてEGRバルブ61aの開度を調整する。これにより、外部EGRガスを吸気通路50に還流し希釈燃焼を行う。なお、目標EGR率を維持するためのEGRバルブ開度は、例えばROMに、予め実験を通じて設定したマップを格納しておき、この特性に基づいて決定する。
複リンク式可変圧縮比エンジン1が低負荷運転領域にある場合には、ステップS108において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御して、負荷に応じて機械圧縮比を大きい値に設定し、ステップS109に移行する。
ステップS109において、負荷に応じて空気過剰率λが2以上となるように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御して、リーン燃焼を行う。低負荷運転領域では、この燃料噴射量でエンジン負荷を調整し、外部EGRガスの吸気通路50への還流を遮断する。
図7は、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第1実施形態における動作を示すタイムチャートである。図7(A)に示すように、エンジン負荷が時刻t0の全負荷から時間経過とともに負荷が小さくなる場合を例示して説明する。
時刻t0〜t1までは高負荷運転領域にあり、コントローラ70はステップS101〜S106の制御を繰り返す。高負荷運転領域では、複リンク式可変圧縮比エンジン1の機械圧縮比は、エンジン負荷の低下に応じて最小圧縮比から徐々に高くなるように制御する(図7(B))。なお、この運転領域では、機械圧縮比が相対的に小さくても、スキッシュ流が生じないようにスキッシュクリアランスが設定されている(図7(C))。また、燃料噴射弁53は、空気過剰率λが1を維持するように制御されており(図7(D))、EGR装置61によって目標EGR率になるように外部EGRガスを吸気通路50に導入して、希釈燃焼を行う。EGR装置61のEGRバルブ61aは、負荷の低下に伴い開度が大きくなるように調整され、外部EGRガスの導入量を増大させる(図7(E))。このように高負荷運転領域では、EGR装置61によってNOx排出量を低減するとともに、機械圧縮比を低くしてノッキングを防止して燃焼性の安定化を図る。
エンジン負荷が低下して、時刻t1において低負荷運転領域になると、コントローラ70はステップS107〜S109の制御を繰り返す。
低負荷運転領域では、機械圧縮比は高負荷運転領域よりも高い値から最大圧縮比の範囲において制御される(図7(B))。この低負荷運転領域では、燃焼室2内でスキッシュ流が発生するようにスキッシュクリアランスが設定され、機械圧縮比が高くなるにつれてスキッシュ流が強くなる(図7(C))。また、リーン燃焼を行うため、負荷の低下に伴い空気過剰率λが2から大きくなるように燃料噴射量を制御する(図7(D))。なお、リーン燃焼によりNOx排出量を低減できるので、EGR装置61による外部EGRガスの導入は行わない(図7(E))。
図8は、第1実施形態における低負荷運転時のスキッシュ流による熱発生率の改善効果を示す図である。実線は、複リンク式可変圧縮比エンジン1において、高圧縮比でスキッシュ流がある場合の熱発生率を示し、破線は高圧縮比でスキッシュ流がない場合の熱発生率を示す。
低負荷運転領域において、機械圧縮比を単に高圧縮比(例えば圧縮比18)にするだけでは、高圧縮比なるに伴い燃焼室S/V比が増大して、冷却損失が増加してしまう。冷却損失が悪化するとノッキングの発生が問題となるため、MBTを低圧縮比時よりも遅角させる必要がある。すると、図8の破線に示すように、燃焼後半の燃焼速度は燃焼前半よりも遅くなり、ピストン11が上死点にある時の熱発生率も小さくなる。このように、ピストン11の上死点における燃焼性が悪化すると、機械圧縮比を高くしても熱効率向上の効果を十分に得ることができない。
しかしながら、第1実施形態では、高圧縮比にしてスキッシュ流を強くするため、実線に示すように燃焼後半の燃焼速度が速くなり、単に高圧縮比にした場合と比較して燃焼性が向上し、高圧縮比化による熱効率向上の効果を十分に得ることができる。
このように低負荷運転領域では、負荷の低下に伴って空気過剰率λを2より大きくしてリーン燃焼しても、機械圧縮比を高くして、かつスキッシュ流を強くするため、燃焼の安定性を図ることが可能となる。
以上により、第1実施形態は下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、高負荷運転領域ではスキッシュ流を発生させず、負荷の低下に伴って機械圧縮比と外部EGRガスの導入量を制御することで、ノッキングを防止しつつNOx排出量の低減を図ることが可能となる。
低負荷運転領域では、負荷の低下に伴って、機械圧縮比を高く、かつスキッシュ流を強くすることで、例えば空気過剰率λが2(空燃比で略30)程度までリーン燃焼限界域を拡大することができ、NOx排出量を低減するとともに燃費向上を図ることが可能となる。
また、低負荷運転領域では、リーン燃焼限界域を拡大することによって燃料噴射量によって負荷調整ができる範囲も広くなる。これにより、エンジン負荷をより低負荷までスロットルバルブによらず調整することができるため、ポンプ損失を低減することができ、より燃費向上を図ることができる。
(第2実施形態)
図9から図12に従って、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第2実施形態を説明する。
第2実施形態の構成は、第1実施形態と基本構成はほぼ同様であるが、排気バルブの制御において一部相違する。つまり、排気バルブ64の閉弁時期(以下「EVC」と称する)を可変にするようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図9は、複リンク式可変圧縮比エンジン1のEVCを変化させる可変動弁装置100を示す概略図である。
可変動弁装置100は、揺動カム110と、その揺動カム110を揺動させる揺動カム駆動機構120と、排気バルブ64のリフト量を変化させ得るリフト可変機構130とを備える。
揺動カム110は、図9に示すように駆動軸121の外周に回転自在に嵌合している。シリンダ列方向に延びる駆動軸121は揺動カム110に挿通される。一つの気筒に対して2つのバルブが備えられるので、一つの気筒には一対の揺動カム110とバルブリフタ111とが設けられ、これらが互いに同期して同一的に作動するように、揺動カム110は互いに駆動軸121に回動自在に挿通した連結筒122により同一位相状態で結合されている。このため、揺動カム駆動機構120は一方の揺動カム110に対してのみ備えられる。そして、揺動カム110が、後述する揺動カム駆動機構120によってクランクシャフトと連動して駆動軸121を支点に揺動し、バルブリフタ111を介して排気バルブ64を駆動する。
揺動カム機構120の駆動軸121には、偏心カム122が圧入等によって固定されている。円形外周面を有する偏心カム122は、その外周面の中心が駆動軸121の軸心から所定量だけオフセットする。駆動軸121は、クランクシャフトの回転に連動して回転するため、偏心カム122は駆動軸121の軸心回りに偏心回転する。
偏心カム122の外周面には、第1リンク123の基端側の環状部123aが回転可能に嵌合している。第1リンク123の先端は、連結ピン124を介してロッカアーム125の一端と連結する。また、ロッカアーム125の他端は、連結ピン126を介して第2リンク127の上端と連結する。第2リンク127の下端は、連結ピン128を介して揺動カム110と連結する。なお、ロッカアーム125の略中央部は、リフト可変機構130の制御軸131の偏心カム部132に揺動自在に支持される。
駆動軸121がエンジン回転に同期して回転すると、偏心カム122が偏心回転し、これにより第1リンク123が上下方向に揺動する。第1リンク123の揺動により連結アーム125が偏心カム部132の軸周りに揺動し、第2リンク127が上下に揺動して、揺動カム110を駆動軸121の軸回りに所定の回転角度範囲で揺動運動させる。
この可変動弁装置100では、駆動軸121の一端が図示しないカムスプロケットに挿入されている。駆動軸121がカムスプロケットに対して相対回転することで、カムスプロケットに対する位相を変更でき、クランク軸に対する駆動軸121の回転位相を変更できる。また、リフト可変機構130は揺動カム110の回転角度位相を制御する。リフト可変機構130の制御軸131の一端には、ギア等を介して図示しないアクチュエータが設けられており、アクチュエータによって制御軸131の回転位置を変化させることで、ロッカアーム125の揺動中心となる偏心カム部132の軸心が制御軸121の回転中心周りを旋回し、これに伴いロッカアーム125の支点が変位する。これにより、第一リンク123及び第二リンク127の姿勢が変化して、揺動カム110の揺動中心と連結アーム125の回転中心との距離が変化し、揺動カム110の揺動特性が変化する。
図10は、可変動弁機構100による排気バルブ64のリフト量及び開閉時期を示す図である。実線は制御軸131を回転したときの排気バルブ64のリフト量及び開閉時期を示し、破線は駆動軸121のカムスプロケットに対する位相を変更したときの排気バルブ64の開閉時期を示す。上述した可変動弁機構100の構造によって、制御軸131の角度及び駆動軸121のカムスプロケットに対する位相を変更することで、図10に示すように排気バルブ64のリフト量及び作動角を連続的に自在に変更することができる。
第2実施形態では、上記した可変動弁装置100によって、低負荷運転領域においてEVCを進角(早める)させると、燃焼した燃焼ガスの全てが排気されないため、燃焼ガスの一部が燃焼室2内に閉じこめられ、燃焼室2内の酸素濃度を低くすることができ希釈燃焼を行うことができる(内部EGR供給手段)。このように、エンジンの外部EGR装置を経由しないEGRガスを内部EGRガスという。この内部EGRガスは、外部EGRガスと比較して温度が高いため、高温EGRガスともいう。
図11は、第2実施形態における制御を示すフローチャートである。
ステップS201において、コントローラ70は、エアフローセンサ51の検出信号に基づいて新気量を検出する。
ステップS202において、コントローラ70は、ステップS201で検出した新気量に基づいて、複リンク式可変圧縮比エンジン1が高負荷運転領域であるか否かを判定する。ここで、高負荷運転領域にあるときは、ステップS203へ処理を移行し、高負荷運転制御を行う。高負荷運転制御の場合には、ステップS203からステップS206は第1実施形態のステップS103からステップS106と同様であるため、説明の便宜上省略する。
高負荷運転領域でない場合には、ステップS207へ処理を移行し、低負荷運転制御を行う。低負荷運転制御の場合には、ステップS208において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御し、エンジン負荷に応じて機械圧縮比を設定する。
ステップS209では、空気過剰率λが1になるように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御して、ステップS210に移る。
ステップS210では、負荷が小さくなるほどEVCを進角させて内部EGRガスの導入量を調整する。この内部EGRガスの導入量を調整することで、目標EGR率での希釈燃焼を行うとともにエンジン負荷を確保する。
図12は、第2実施形態の動作を示すタイムチャートである。図12(A)に示すように、エンジン負荷が時刻t0の全負荷から時間経過とともに負荷が小さくなる場合を例示して説明する。なお、高負荷運転領域は、第1実施形態と同様の制御を行うため、説明の便宜上省略する。
エンジン負荷が低下して時刻t1で低負荷運転領域になると、コントローラ70はステップS207〜S210の制御を行う。低負荷運転領域では、負荷の低下に伴って、機械圧縮比が高負荷運転領域よりも高い機械圧縮比から最大圧縮比まで制御される(図12(B))。低負荷運転領域では、スキッシュ流が発生するようにスキッシュクリアランスが設定されており、機械圧縮比が高くなるにつれて燃焼室2内に生じるスキッシュ流が強くなる(127(C))。
燃料噴射弁53は空気過剰率λが1を維持するように調整される(図12(D))。また、EVCを負荷の低下に伴って進角するように制御して(図12(E))、希釈燃焼を行う。
このように第2実施形態では、低負荷運転領域において、内部EGRガスを増加して希釈燃焼を行い、NOx排出量を低減するとともに、機械圧縮比を高くかつスキッシュ流を強くして燃焼性の安定を図る。これにより、機械圧縮比が高くなって燃焼室S/V比が悪化しても、第1実施形態と同様に燃焼後半の燃焼速度を速くすることができ、高圧縮比化による熱効率向上の効果を十分に得ることができる。
以上により、第2実施形態は下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、高負荷運転領域ではスキッシュ流を発生させず、負荷の低下に伴って機械圧縮比と外部EGRガスの導入量を制御することで、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
低負荷運転領域では、負荷の低下に応じて内部EGRガスの導入量を増加させて希釈燃焼を行うとともに、機械圧縮比を高くしてスキッシュ流を強めて燃焼性の安定を図る。これにより、希釈燃焼限界域を拡大することができ、NOx排出量を低減するとともに希釈燃焼による燃費向上を図ることが可能となる。
また、低負荷運転領域では、希釈燃焼限界域を拡大することで高温EGRガスの導入量によって負荷調整ができる範囲も広くなる。これにより、エンジン負荷をより低負荷までスロットルバルブによらず調整することができるため、ポンプ損失を低減することができ、より燃費向上を図ることができる。
(第3実施形態)
図13は、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第3実施形態を示す図である。
複リンク式可変圧縮比エンジン1の第3実施形態の構成は、第1実施形態と基本構成はほぼ同様であるが、ピストン11の構造において一部相違する。つまり、ピストン11の冠面11aに突起11bを設けるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図13(A)に示す通り、ピストン11は、その冠面11aに突起11bを備える。
シリンダヘッド10は、この突起11bとの間で所定のスキッシュクリアランスを有する圧縮面10bを有する。この圧縮面10bは、吸気バルブ54及び排気バルブ64の傾きと同じになるように形成される。したがって、図13(B)に示すように、ピストン11が下死点から上死点に移動した場合には、スキッシュクリアランスで圧縮された混合気が押し出されて、燃焼室2にスキッシュ流が生じる。このスキッシュ流の強さは、第1実施形態と同様に、スキッシュクリアランスを調整することで制御でき、スキッシュクリアランスはピストン11の上死点位置を変えることによって調整できる。
図14は、スキッシュクリアランスとスキッシュ流の強さとの関係を示す図である。実線は本実施形態におけるスキッシュ流の強さを示し、破線は第1実施形態におけるスキッシュ流の強さを示す。
ピストン11の突起11bとシリンダヘッド10の圧縮面10bとをピストン11の往復動方向に対して斜めに形成した場合には、図14に示す通り、破線と比較して、スキッシュクリアランスの増大に対するスキッシュ流の強さの低減量が小さくなる。このように、第3実施形態では、スキッシュ流の強さが、第1実施形態よりも緩やかに変化するため、第1実施形態よりも低い機械圧縮比においてもスキッシュ流の効果を得ることができる。
また、この第3実施形態では、図9に示した可変動弁装置100によって吸気バルブ54のリフト量及び作動角を連続的に自在に変更する。吸気バルブ54の閉弁時期(以下「IVC」と称する)を高負荷運転時よりも進角させる(以下「早閉じ」と称する)ことで、吸気行程の途中で混合気の吸入を停止するミラーサイクル運転を行う。このように混合気の充填効率が低くなるミラーサイクル運転では、圧縮行程での圧縮比が膨張行程での膨張比よりも小さくなり、ポンプ損失の低減を図ることができる。また、ミラーサイクル運転では、可変動弁装置100によってバルブリフト量が調整されて小さくなるため、吸排気バルブ54、64とピストン11の冠面11aとの干渉を防止できる。
図15は、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第3実施形態における制御を示すフローチャートである。
ステップS301において、コントローラ70は、エアフローセンサ51の検出信号に基づいて新気量を検出する。
ステップS302において、コントローラ70は、ステップS301で検出した新気量に基づいて、複リンク式可変圧縮比エンジン1が高負荷運転領域であるか否かを判定する。ここで、高負荷運転領域にあるときは、ステップS303へ処理を移行し、高負荷運転制御を行う。高負荷運転制御の場合には、ステップS303からステップS306は第1実施形態のステップS103からステップS106と同様であるため、説明の便宜上省略する。
高負荷運転領域でない場合には、ステップS307へ処理を移行し、低負荷運転制御を行う。低負荷運転制御の場合には、ステップS308において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御し、エンジン負荷に応じて機械圧縮比を設定する。
ステップS309において、コントローラ70は、空気過剰率λ=2を維持するように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御して、リーン燃焼を行う。
ステップS310において、コントローラ70は可変動弁装置100を制御して、負荷に応じてIVCを早閉じして、ミラーサイクル運転を行う。なお、吸気バルブ54の開弁時期(以下「IVO」と称する)は高負荷運転領域にある場合と同時期に設定されている。
図16は、第3実施形態の動作を示すタイムチャートである。図16(A)に示すように、エンジン負荷が時刻t0の全負荷から時間経過とともに負荷が小さくなる場合を例示して説明する。
高負荷運転領域では、第1実施形態と基本的に同様の制御を行うため、説明の便宜上省略する。なお、第3実施形態では突起11bと圧縮面10bの形状が第1実施形態とは異なるため、比較的低い機械圧縮比でも、図14に示したようにスキッシュ流を発生させることでき、外部EGRガスによる希釈燃焼時における燃焼性の安定を図ることができる。
エンジン負荷が低下して時刻t1で低負荷運転領域になると、コントローラ70はステップS307〜S310の低負荷運転制御を行う。低負荷運転領域では、機械圧縮比は高負荷運転領域よりも高い機械圧縮比から負荷の低下に伴い最大圧縮比まで制御される(図16(B))。この低負荷運転領域では、燃焼室2内でスキッシュ流が発生するようにスキッシュクリアランスが設定されており、機械圧縮比が高くなるにつれてスキッシュ流が強くなる(図16(C))。
燃料噴射弁53は空気過剰率λが2になるように調整され(図16(D))、リーン燃焼が行われる。低負荷運転領域では、EGRバルブ61aは閉弁されるため希釈燃焼は行わず(図16(E))、IVCを早閉じすることによってミラーサイクル運転を行う(図16(F))。このミラーサイクル運転において、負荷の低下に伴ってIVCを早閉じすることでエンジン負荷の確保を図る。なお、IVOは高負荷運転領域と同じく通常時期に設定する(図16(G))。
図17は、第3実施形態における燃焼室2内の混合気の平均乱れ強さを示す概略図である。実線はミラーサイクル運転する場合のIVCを示し、破線はミラーサイクル運転をしない場合のIVCを示す。
図17(A)の実線に示す通り、ミラーサイクル運転時は、ピストン11が上死点から下死点に到達するまでにIVCを早閉じする。そのため、吸気バルブ54が閉弁してから点火するまでの期間が長くなり、ミラー運転時に燃焼室2内に導入された混合気は、図17(B)に示す通り、ミラーサイクル運転をしない破線と比較して燃焼室2内に滞留する時間が長くなる。したがって、混合気がピストン11の上死点近傍で燃焼する期間(以下「燃焼関与期間」と称する)までに、燃焼室2内に生じるガス流動による乱れは一点鎖線で示すように大幅に減衰してしまい、燃焼性の安定を図ることが困難となる。しかしながら、第3実施形態では、実線に示すように燃焼関与期間においてスキッシュ流が発生するため、低負荷運転領域においてミラーサイクル運転を行っても燃焼性を安定させることができる。
以上により、第3実施形態は下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、高負荷運転領域では、機械圧縮比を制御するとともに外部EGRガスを導入することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
低負荷運転領域では、空気過剰率λを2に維持してリーン燃焼を行い、負荷に応じてIVCを早閉じする。このように、リーン燃焼時にIVCを早閉じすると、IVCからピストン11の上死点までの機械圧縮比が低くなって燃焼温度が低下して燃焼性が不安定となるが、負荷の低下に伴って機械圧縮比を高くかつスキッシュ流を強めるため、燃焼性を安定させることができ、燃費向上を図ることが可能となる。
また、低負荷運転領域では、ミラーサイクル運転時の吸気バルブ54によって負荷調整ができる。これにより、エンジン負荷をより低負荷までスロットルバルブによらず調整することができ、ポンプ損失が低減してより燃費向上を図ることができる。
(第4実施形態)
図18及び図19に従って、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の構成は、第3実施形態と基本構成はほぼ同様であるが、低負荷運転領域での制御において一部相違する。つまり、ミラーサイクル運転時に内部EGRガスを導入するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図18は、第4実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジン1の制御を示すフローチャートである。ステップS401からステップS406は第3実施形態と同様であるため、説明の便宜上省略する。
第4実施形態では、高負荷運転領域でない場合にステップS407で低負荷運転制御を開始する。低負荷運転制御の場合には、ステップS408において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御し、負荷に応じて機械圧縮比を設定する。
ステップS409において、コントローラ70は、空気過剰率λが1を維持するように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御する。
ステップS410において、可変動弁装置100によってIVCを負荷に応じて早閉じして、ミラーサイクル運転を行う。
ステップS411において、可変動弁装置100によってIVO(吸気バルブ54の開弁時期)を制御し、吸気バルブ54を高負荷運転時より進角させる(以下「早開け」と称する)。このようにIVOを早開けして、吸気バルブ54及び排気バルブ64のバルブオーバラップ期間を増大させる。すると、吸気バルブ54が開弁したときに、燃焼室2内で燃焼した燃焼ガスの一部が吸気ポート5に戻る(内部EGR供給手段)。第4実施形態では、この燃焼ガスを再び燃焼室2内に導入することで内部EGRガスとして作用させる。第2実施形態と同様に、この内部EGRガスも高温EGRガスという。
図19は、第4実施形態の動作を示すタイムチャートである。図19(A)に示すように、エンジン負荷が時刻t0の全負荷から時間経過とともに負荷が小さくなる場合を例示して説明する。高負荷運転領域では、第3実施形態と同様の制御を行うため、説明の便宜上省略する。
時刻t1で低負荷運転領域になると、コントローラ70はステップS407〜S411の制御を行う。低負荷運転領域では、機械圧縮比は高負荷運転領域の機械圧縮比よりも高い機械圧縮比から最大圧縮比まで制御される(図19(B))。この低負荷運転領域では、燃焼室2内でスキッシュ流が発生するようにスキッシュクリアランスが設定されており、機械圧縮比が高くなるにつれてスキッシュ流が強くなる(図19(C))。
燃料噴射弁53は、空気過剰率λが1を維持するように調整される(図19(D))。また、負荷の低下に伴いIVCを早閉じしてミラーサイクル運転を行い(図19(E))、圧縮行程での圧縮比が膨張行程での膨張比よりも小さくして、ポンプ損失の低減を図る。そして、IVOを早開けして(図19(F))、EGR率が一定となるように内部EGRガスを燃焼室2内に導入する(図19(G))。第4実施形態では、内部EGRガスを導入して希釈燃焼するとともに、負荷の低下に伴ってIVCを早閉じすることでエンジン負荷を調整する。
以上により、第4実施形態は下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、高負荷運転領域では、機械圧縮比を制御するとともに外部EGRガスを導入することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
低負荷運転領域では、内部EGRガスを導入して希釈燃焼を行い、負荷に応じてミラーサイクル運転時のIVCを早閉じする。このような希釈燃焼において、IVCを早閉じすると、IVCからピストン11の上死点までの機械圧縮比が低くなるため燃焼温度が低下して燃焼性が不安定となるが、負荷の低下に伴って機械圧縮比を高くかつスキッシュ流を強めるため、燃焼性を安定させることができ、燃費向上を図ることが可能となる。
また、ミラーサイクル運転時において、IVCを早閉じすることによって負荷調整できるため、第3実施形態と同様に、ポンプ損失が低減して、より燃費向上を図ることができる。
(第5実施形態)
図20及び図21に従って、複リンク式可変圧縮比エンジン1の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の構成は、第4実施形態と基本構成はほぼ同様であるが、低負荷運転領域での制御において一部相違する。つまり、ミラーサイクル運転時に内部EGRガスと外部EGRガスの両方を導入するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図20は、第5実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジン1の制御を示すフローチャートである。ステップS501からステップS506は第1実施形態と同様であるため、説明の便宜上省略する。
第5実施形態では、高負荷運転領域でない場合にステップS507で低負荷運転制御を開始する。低負荷運転制御の場合には、ステップS508において、コントローラ70はアクチュエータ42を制御して最大圧縮比に設定する。
ステップS509において、コントローラ70は、空気過剰率λが1を維持するように燃料噴射弁53の燃料噴射を制御する。
ステップS510において、可変動弁装置100によって、負荷に応じてIVCを早閉じしてミラーサイクル運転を行う。
ステップS511において、負荷に応じてIVOを早開けして高温EGRガスを導入するとともに、EGRバルブ61aの開度を調整して外部EGRガスの導入量を制御する。
図21は、第5実施形態の動作を示すタイムチャートである。図21(A)に示すように、エンジン負荷が時刻t0の全負荷から時間経過とともに負荷が小さくなる場合を例示して説明する。高負荷運転領域では、第3実施形態と同様の制御を行うため、説明の便宜上省略する。
時刻t1で低負荷運転領域になると、コントローラ70はステップS507〜S511の制御を行う。低負荷運転領域では、機械圧縮比を最大圧縮比に調整して(図21(B))、燃焼室2内で生じるスキッシュ流を最も強くする(図21(C))。燃料噴射弁53は、空気過剰率λが1を維持するように調整される(図21(D))。また、負荷の低下に伴って、IVCを早閉じしてミラーサイクル運転を行い(図21(E))、IVOを早開けして内部EGR率が増加するように内部EGRガスの導入量を制御する(図21(F))。外部EGRは、EGRバルブ61aの開度を調整して、負荷の低下に伴って外部EGR率が低下するように低温EGRガスの導入量を制御する(図21(G))。このように第5実施形態では、内部EGRガスと外部EGRガスによって全体のEGR率が一定になるように希釈燃焼を行い、ミラーサイクル運転時のIVCを負荷に応じて制御することでエンジン負荷を確保する。
以上により、第5実施形態は下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、高負荷運転領域では、機械圧縮比を制御するとともに低温EGRガスを導入することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
低負荷運転領域では、内部EGRガス及び外部EGRガスを導入して希釈燃焼を行い、負荷に応じてミラーサイクル運転時のIVCを早閉じする。このような希釈燃焼において、IVCを早閉じすると、IVCからピストン11の上死点までの機械圧縮比が低くなるため燃焼温度が低下して燃焼性が不安定となるが、スキッシュ流を最大としてガス温度の高い内部EGRの導入割合を増大させることによって、燃焼性の安定化を図ることができ、燃費向上を図ることが可能となる。
また、ミラーサイクル運転時において、IVCを早閉じすることによって負荷調整できるため、第3実施形態と同様に、ポンプ損失が低減して、より燃費向上を図ることができる。
(複リンク式可変圧縮比エンジンの他の形態1)
複リンク式可変圧縮比エンジン1では、図22に示したピストン11を使用してもよい。
図22は、ピストン11の他の形態を示す概略図である。図22(A)は吸気ポート5及び排気ポート6を含む面内におけるピストン11の断面を示し、図22(B)はシリンダ配列方向におけるピストン11の断面を示す。
このピストン11では、図22(A)に示すように突起11bを形成するだけでなく、図22(B)に示すようにシリンダ配列方向にも突起11bを形成する。これにより、燃焼室2内の周方向に均等なスキッシュ流を発生させることができ、スキッシュ流の強さもより強くすることができる。
また、ピストン11は、図22(A)及び図22(B)に示すように、突起11bのシリンダヘッド10の圧縮面10bと対向する面に断熱性能及び蓄熱性能の高い非金属材料を設置するようにしてもよい。これにより、複リンク式可変圧縮比エンジン1の機械圧縮比が高くなって燃焼室S/V比が増大しても冷却損失の増加が抑制されるため、比較的高温のスキッシュ流を発生させることができ燃焼性の安定が図れ、熱効率を向上させることが可能となる。
(複リンク式可変圧縮比エンジンの他の形態2)
複リンク式可変圧縮比エンジン1では、図23に示したピストン11を使用してもよい。なお、図23(A)は斜視図であり、図23(B)は図23(A)のB−B断面図であり、図23(C)は図23(A)のC−C断面図である。また、図24はピストン11のピストン挙動を示す図である。
ピストン11は、図23(C)に示されようにピストンスカートが大幅に短縮されている。このようなピストン11を使用すれば、図24(A)に示すようにカウンターウェイト21cがピストンピン31の側方を通過できる。このため、アッパリンク22を最小限の長さとして、ピストン11の下死点位置をクランクシャフト21に最接近させることで、その分のピストンストロークを拡大でき、ストローク量がピストン径よりも大きくなりロングストローク化することができる。
なお、このような構成にするためにはピストンスカートの強度が課題となるが、図24(B)に示すように、複リンク式可変圧縮比エンジン1の複リンク機構の特性を利用し、ピストン11の上死点位置においてアッパリンク22が略直立にすることができる。これにより、ピストン11にかかるスラスト荷重を低減でき、ピストンスカートの強度が確保される。
本発明は上記した実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
例えば、第2実施形態において、低負荷運転領域で内部EGRガスの代わりに外部EGRを使用するようにしてもよく、内部EGRと外部EGRの両方を使用するようにしてもよい。
また、第3実施形態のピストン11は、第1実施形態及び第2実施形態に用いてもよい。これにより、第1実施形態及び第2実施形態においても、高負荷運転領域の比較的低い機械圧縮比において、図14に示したようにスキッシュ流を発生させることできる。
さらに、第2実施形態、第4実施形態及び第5実施形態の内部EGRは、排気バルブ64の閉弁時期を調整する内部EGRでも吸気バルブ54の開弁時期を調整して行う内部EGRでもよい。
第1実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンを示す概略図である。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの圧縮比変更方法を説明する概略図である。 同じくピストンの挙動を示す図である。 同じく燃焼室の近傍を拡大した概略図である。 空燃比(空気過剰率λ)と燃焼安定度との関係を示す図である。 第1実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンの制御を示すフローチャートである。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの動作を示すタイムチャートである。 低負荷運転時のスキッシュ流による熱発生率の改善効果を示す図である。 第2実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンのEVCを変化させる可変動弁装置を示す概略図である。 可変動弁機構による排気バルブのリフト量及び開閉時期を示す図である。 第2実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンの制御を示すフローチャートである。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの動作を示すタイムチャートである。 第3実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンを示す概略図である。 スキッシュクリアランスとスキッシュ流の強さとの関係を示す図である。 第3実施形態の複リンク式可変圧縮比エンジンの制御を示すフローチャートである。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの動作を示すタイムチャートである。 燃焼室内の混合気の平均乱れ強さを示す概略図である。 第4実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンの制御を示すフローチャートである。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの動作を示すタイムチャートである。 第5実施形態に係る複リンク式可変圧縮比エンジンの制御を示すフローチャートである。 同じく複リンク式可変圧縮比エンジンの動作を示すタイムチャートである。 複リンク式可変圧縮比エンジンの他の形態1を示す概略図である。 複リンク式可変圧縮比エンジンの他の形態2を示す概略図である。 ピストン挙動を示す図である。
符号の説明
1 複リンク式可変圧縮比エンジン
2 燃焼室
5 吸気ポート
50 吸気通路
52 燃料噴射弁
53 吸気バルブ
6 排気ポート
60 排気通路
61 外部EGR装置(外部EGR供給手段)
63 排気バルブ
10 シリンダヘッド
11 ピストン
11a 冠面
11b 突起
12 シリンダ
20 シリンダブロック
21 クランクシャフト
22 アッパリンク(第1のリンク)
23 ロアリンク(第2のリンク)
24 コントロールリンク(第3のリンク)
70 コントローラ
31 ピストンピン31
21 クランクシャフト
21a クランクピン
21b ジャーナル
21c カウンターウェイト
41 コントロールシャフト
70 コントローラ
100 可変動弁装置
110 揺動カム
120 揺動カム駆動機構
121 駆動軸
122 偏心カム
123 第1リンク
123a 環状部
125 ロッカアーム
127 第2リンク
130 リフト可変機構
131 制御軸
132 偏心カム部
S101〜S109、S201〜S210、S301〜S310、S401〜S411、S501〜S511 運転制御手段

Claims (14)

  1. シリンダヘッドの内壁と、シリンダ内を往復動するピストンの冠面とで燃焼室を形成するエンジンにおいて、
    前記シリンダの内径周縁に前記シリンダヘッドの内壁と対向する対向面を有するピストンと、
    前記ピストンの上死点位置を変化させることで、前記シリンダヘッドの下面と前記ピストンの対向面との間の間隙を調整して、前記燃焼室に生じるスキッシュ流の強さを調整する間隙調整手段と、
    前記エンジンの負荷に基づいて低負荷運転制御又は高負荷運転制御を行う運転制御手段と、を備え、
    前記間隙調整手段は、
    前記ピストンに回動自由に連結する第1のリンクと、
    前記第1のリンクに回動自由に連結するとともに、クランクシャフトに回転自由に装着される第2のリンクと、
    前記クランクシャフトと平行にシリンダブロックに回転自由に支持され、その回転軸心に対して偏心する偏心軸部を有するコントロールシャフトと、
    前記第2のリンクに回転自由に連結されるとともに、前記コントロールシャフトの前記偏心軸部を揺動軸心として揺動可能な第3のリンクと、を有し、
    前記コントロールシャフトが回転し前記偏心軸部の位置が移動することでピストン上死点位置が変化して機械圧縮比が可変となるように構成されるとともに前記機械圧縮比が高いほど前記ピストンの上死点付近滞在期間が長くなるように構成され、前記低負荷運転制御時には前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることで燃焼性が安定するようにスキッシュ流を強くすることを特徴とするエンジン。
  2. 前記燃焼室内に低温EGRガスを供給する外部EGR供給手段を備え、
    前記運転制御手段は、前記高負荷運転制御時には、空気過剰率を1に維持するように燃料噴射量を制御するとともに前記低温EGRガスを導入し、前記低負荷運転制御時よりも機械圧縮比を低くして前記間隙を大きくすることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記運転制御手段は、前記低負荷運転制御時には、空気過剰率を2よりも大きくなるように燃料噴射量を制御し、前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  4. 前記エンジンの吸気バルブの閉弁時期を進角可能な可変動弁装置を備え、
    前記運転制御手段は、前記低負荷運転制御時には、空気過剰率を2に維持するように燃料噴射量を制御するとともに前記吸気バルブの閉弁時期を進角させ、前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  5. 前記燃焼室内に高温EGRガスを供給する内部EGR供給手段を備え、
    前記運転制御手段は、前記低負荷運転制御時には、空気過剰率を1に維持するように燃料噴射量を制御するとともに前記高温EGRガスを導入して、前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  6. 前記燃焼室内に高温EGRガスを供給する内部EGR供給手段と、
    前記エンジンの吸気バルブの閉弁時期を進角可能な可変動弁装置と、を備え、
    前記運転制御手段は、前記低負荷運転制御時には、空気過剰率を1に維持するように燃料噴射量を制御し、EGR率が一定となるように前記高温EGRガスを導入するとともに前記吸気バルブの閉弁時期を進角させ、前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  7. 前記燃焼室内に低温EGRガスを供給する外部EGR供給手段と、
    前記燃焼室内に高温EGRガスを供給する内部EGR供給手段と、
    前記エンジンの吸気バルブの閉弁時期を進角可能な可変動弁装置と、を備え、
    前記運転制御手段は、低負荷運転制御時には、空気過剰率を1に維持するように燃料噴射量を制御し、EGR率が一定となるように前記高温EGRガスの導入量を増加するとともに前記低温EGRガスの導入量を低減し、前記吸気バルブの閉弁時期を進角させ、前記高負荷運転制御時よりも機械圧縮比を高くして前記間隙を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  8. 前記外部EGR供給手段は、前記エンジンの排気通路を流れる燃焼ガスの一部を吸気通路に還流し、低温EGRガスとして前記燃焼室内に供給することを特徴とする請求項2又は7に記載のエンジン。
  9. 前記内部EGR供給手段は、前記エンジンの吸気バルブの開弁時期を進角可能な可変動弁装置を備え、吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバラップ期間を増大して燃焼ガスを高温EGRガスとして前記燃焼室内に供給することを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のエンジン。
  10. 前記内部EGR供給手段は、前記エンジンの排気バルブの閉弁時期を進角可能な可変動弁装置を備え、排気バルブの閉弁時期を進角して前記燃焼室内に閉じ込めた燃焼ガスを高温EGRガスとすることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のエンジン。
  11. 前記ピストンのピストンストロークは、ピストン径よりも大きくなるように設定されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のエンジン。
  12. 前記クランクシャフトは、カウンターウェイトを備え、
    前記カウンターウェイトは、前記ピストンと前記第1のリンクとを連結するピストンピンの側方を通過するように構成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載のエンジン。
  13. 前記ピストンの対向面は、前記シリンダヘッドの内壁の傾斜に対向するようにピストン冠面に突出形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載のエンジン。
  14. 前記ピストンの対向面には、断熱性の高い非金属材料が設置されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一つに記載のエンジン。
JP2006143007A 2006-05-23 2006-05-23 複リンク式可変圧縮比エンジン Expired - Fee Related JP4821434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006143007A JP4821434B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 複リンク式可変圧縮比エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006143007A JP4821434B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 複リンク式可変圧縮比エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007315191A JP2007315191A (ja) 2007-12-06
JP4821434B2 true JP4821434B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=38849297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006143007A Expired - Fee Related JP4821434B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 複リンク式可変圧縮比エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4821434B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4915370B2 (ja) * 2008-03-13 2012-04-11 トヨタ自動車株式会社 可変圧縮比内燃機関の空燃比制御装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0633725B2 (ja) * 1992-10-22 1994-05-02 日本碍子株式会社 エンジン部品およびその製造法
JP2000073803A (ja) * 1998-06-16 2000-03-07 Nissan Motor Co Ltd 筒内噴射ガソリンエンジン
JP3613023B2 (ja) * 1998-08-26 2005-01-26 マツダ株式会社 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP2003106177A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Mazda Motor Corp 火花点火式直噴エンジン
JP2003232233A (ja) * 2001-12-06 2003-08-22 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP4116397B2 (ja) * 2002-11-07 2008-07-09 株式会社日本自動車部品総合研究所 可変圧縮比機構を有する内燃機関
JP4387770B2 (ja) * 2003-11-19 2009-12-24 日産自動車株式会社 内燃機関
JP2005264768A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関
JP4400379B2 (ja) * 2004-09-06 2010-01-20 日産自動車株式会社 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007315191A (ja) 2007-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4677935B2 (ja) NOx排出低減装置
JP4924275B2 (ja) 非平衡プラズマ放電式の点火装置
US7159543B2 (en) Controlling an engine with a multi link-type piston crank mechanism
JP6320882B2 (ja) 内燃機関の可変燃焼システム
JP5114046B2 (ja) 可変膨張比エンジン
JP4696977B2 (ja) 可変圧縮比エンジン
JP2009036123A (ja) 非平衡プラズマ放電式エンジン
JP5119855B2 (ja) エンジンの点火装置
JP4905175B2 (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP2007292060A (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP2007292065A (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP2008121429A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP5251746B2 (ja) 成層圧縮着火式エンジン及びエンジンの制御装置
JP2007292059A (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP2007239550A (ja) 圧縮比可変エンジン
JP2007146704A (ja) 副室式エンジン
JP4821434B2 (ja) 複リンク式可変圧縮比エンジン
JP4725531B2 (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP2007285273A (ja) 副室式エンジン
JP2006161666A (ja) エンジンの吸排気制御装置
JP2009103037A (ja) 内燃機関
JP2013151911A (ja) 内燃機関
JP4229795B2 (ja) 予混合圧縮着火エンジン及びその運転制御方法
JP2009041388A (ja) 内燃機関
JP2007239489A (ja) 可変圧縮比エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110628

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4821434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees