JP4696620B2 - エポキシ化合物およびエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

エポキシ化合物およびエポキシ樹脂硬化物 Download PDF

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Description

本発明はエポキシ化合物およびエポキシ樹脂硬化物に関する。
例えば4−(オキシラニルメトキシ)安息香酸−1,8−オクタンジイルビス(オキシ−4,1−フェニレン)エステルや4,4’−ビフェノールグリシジルエーテル等のメソゲン基を持つエポキシ化合物とジアミノジフェニルメタン等とを硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物が知られている(例えば特許文献1および2参照。)。しかしながら、前記エポキシ化合物は、結晶性がよく、融点が高いため、使用しにくいという問題があった(例えば特許文献3参照。)。
特開平9−118673号公報 特開平11−323162号公報 特許第2551475号公報
このような状況のもと、本発明者らは、融点が低く、エポキシ樹脂硬化物の原料となり得るエポキシ化合物を開発すべく鋭意検討したところ、下記式(1)
Figure 0004696620
(式中、XおよびXはそれぞれ同一または相異なって、単結合、酸素原子または−COO−を表わす。Yは、炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基または下記
Figure 0004696620
で示される基を表わす。ここで、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜18のアルキル基を表わす。Zは、炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を表わす。ここで、前記炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基および前記炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記
Figure 0004696620
で示される基を表わす。ここで、Aは単結合を表わすか、または下記
Figure 0004696620
からなる群から選ばれるいずれかの基を表わし、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。)
で示される新規なエポキシ化合物が、融点が低く、また、硬化剤により硬化せしめることによりエポキシ樹脂硬化物を製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 0004696620
(式中、XおよびXはそれぞれ同一または相異なって、単結合、酸素原子または−COO−を表わす。Yは、炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基または下記
Figure 0004696620
で示される基を表わす。ここで、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜18のアルキル基を表わす。Zは、炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を表わす。ここで、前記炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基および前記炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記
Figure 0004696620
で示される基を表わす。ここで、Aは単結合を表わすか、または下記
Figure 0004696620
からなる群から選ばれるいずれかの基を表わし、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。)
で示される新規なエポキシ化合物等を提供するものである。
本発明の新規なエポキシ化合物は、融点が低いため、硬化温度以下で、硬化剤と溶融混合が可能となり、容易に、エポキシ樹脂硬化物が得られる。
まず、本発明の下記式(1)
Figure 0004696620
で示されるエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(1)と略記する。)について説明する。
エポキシ化合物(1)の式中、XおよびXはそれぞれ同一または相異なって、単結合、酸素原子または−COO−を表わし、酸素原子が好ましい。Yは、炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基または下記
Figure 0004696620
で示される基を表わす。ここで、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜18のアルキル基を表わす。また、前記炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。
かかる炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基としては、例えばメタンジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、オクタデカン−1,18−ジイル基、2−オキサプロパン−1,3−ジイル基、2−オキサブタン−1,4−ジイル基、2,5−ジオキサヘキサン−1,6−ジイル基、2,5−ジオキサヘプタン−1,7−ジイル基、2,5,8−トリオキサデカン−1,10−ジイル基、1−オキサエタン−1,2−ジイル基、1−オキサプロパン−1,3−ジイル基、1,4−ジオキサペンタン−1,5−ジイル基、1,4,7−トリオキサオクタン−1,8−ジイル基、1,3−ジオキサプロパン−1,3−ジイル基、1,4−ジオキサブタン−1,4−ジイル基、1,4,7−トリオキサヘプタン−1,7−ジイル基等が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜18のアルキル基が挙げられる。
かかる下記
Figure 0004696620
で示される基としては、例えば2,4−ピリジンジイル基、2,5−ピリジンジイル基、3,5−ピリジンジイル基、2,3−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基、4−メチル−2,6−ピリジンジイル基、2−メチル−4,6−ピリジンジイル基等が挙げられ、2,4−ピリジンジイル基、2,5−ピリジンジイル基、3,5−ピリジンジイル基、2,3−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基が好ましく、2,6−ピリジンジイル基がより好ましい。
また、上記式(1)の式中、Zは、炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を表わし、かかる炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。かかる炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基としては、例えばエタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘプタン−1,6−ジイル基、ヘプタン−2,6−ジイル基、4−メチルヘプタン−1,7−ジイル基、オクタデカン−1,17−ジイル基、1−オキサプロパン−1,2−ジイル基、1−オキサブタン−1,2−ジイル基、1−オキサブタン−1,3−ジイル基、2−メチル−1−オキサブタン−1,4−ジイル基、2−メチル−1,4−ジオキサブタン−1,4−ジイル基、1−オキサペンタン−1,4−ジイル基、1,4−ジオキサヘキサン−1,5−ジイル基、2−メチル−1,4−ジオキサヘキサン−1,5−ジイル基、2,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサヘプタン−1,7−ジイル基等が挙げられ、Zが、−W−O−で示される基(ここで、Wは、炭素数2〜17の分枝鎖状アルキレン基を表わし、前記炭素数2〜17の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。)である基が好ましい。
また、上記式(1)の式中、ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記
Figure 0004696620
で示される基を表わし、Aは単結合を表わすか、または下記
Figure 0004696620
からなる群から選ばれるいずれかの基を表わし、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。かかるArおよびArは、製造が容易であるという点で、同一の基であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
かかる下記
Figure 0004696620
で示される基としては、例えば下記
Figure 0004696620
で示される基等が挙げられ、なかでも、下記
Figure 0004696620
で示される基が好ましい。
かかるエポキシ化合物(1)としては、例えば1,2−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]エタン、
1,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、
1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,5−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,5−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、
1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,5−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,5−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、
1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,8−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,8−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、
2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−エチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1−メチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ブタン、1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ブタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3−オキサペンタン、1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]エタン、1,4−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−1−メチル−4−オキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,8−ビス[4−{4−(8−オキシラニル−3,6−ジメチル−1,4,7−トリオキサオクチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(6−オキシラニル−1,4−ジメチル−2,5−ジオキサヘキシル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(5−オキシラニル−3−メチル−1,4−ジオキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン等が挙げられる。
続いて、エポキシ化合物(1)の製造方法について、その代表的な化合物として、Zが、−W−O−で示される基である下記式(2)
Figure 0004696620
(式中、Ar、Ar、X、X、YおよびWは、上記と同一の意味を表わす。)
で示されるエポキシ化合物を例に取り、説明する。
かかる式(2)で示されるエポキシ化合物は、下記式(3)
Figure 0004696620
(式中、Ar、Ar、X、X、YおよびWは、上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアルコール化合物と式(4)
Figure 0004696620
(式中、Lはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。)
で示される化合物とを、塩基の存在下に反応させる方法、式(3)で示されるアルコール化合物と式(5)
Figure 0004696620
(式中、Lは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアリル化合物とを、塩基の存在下に反応させ、次いで酸化剤を作用せしめる方法等により製造することができ、式(3)で示されるアルコール化合物と式(4)で示される化合物とを、塩基の存在下に反応させる前者の方法が好ましい。
式(3)で示されるアルコール化合物としては、例えば1,2−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]エタン、1,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]ブタン、
1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,8−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、
2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,2−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,2−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]エタン、1,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシカルボニル]ブタン、1,8−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシカルボニル]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ブタン、1,8−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェニルカルボキシ]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス{4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェニルカルボキシ}ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェニル}フェニルカルボキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,5−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、
1,2−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]エタン、1,4−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,8−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(4−ヒドロキシ−1−メチル−2−オキサペンチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシ−2−メチル−3−オキサヘキシルオキシ)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(3−ヒドロキシブチル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン等が挙げられる。
まず、式(3)で示されるアルコール化合物と式(4)で示される化合物とを、塩基の存在下に反応させる方法について説明する。式(4)で示される化合物の式中、Lは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子等が挙げられ、アルキルスルホニルオキシ基としては、例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基等が、アリールスルホニルオキシ基としては、例えばフェニルスルホニルオキシ基、4−メチルフェニルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
かかる式(4)で示される化合物としては、例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メタンスルホン酸グリシジル、ベンゼンスルホン酸グリシジル、p−トルエンスルホン酸グリシジル等が挙げられる。かかる式(4)で示される化合物は、通常市販されているものが用いられる。
かかる式(4)で示される化合物の使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物に対して、通常2〜100モル倍である。また、式(4)で示される化合物が、反応条件下で液体である場合には、かかる式(4)で示される化合物を溶媒として用いてもよい。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられ、その使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物に対して、通常2〜5モル倍である。
式(3)で示されるアルコール化合物と式(4)で示される化合物との反応は、通常溶媒中、塩基の存在下に、その両者を混合することにより実施される。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシメチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。また、上記したとおり、式(4)で示される化合物を溶媒として用いてもよい。かかる溶媒の使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物に対して、通常0.1〜50重量部である。
反応は常圧条件下で実施してもよいし、減圧条件下で実施してもよい。反応温度は、通常10〜150℃である。なお、本反応は、反応の進行に伴い、水が副生する場合があるが、その場合には、副生する水を反応系外へ除去しながら反応を実施してもよい。
また、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩の共存下に反応を行ってもよい。
反応終了後、例えば反応液に水を加え、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え抽出処理することにより、式(2)で示されるエポキシ化合物を取り出すことができる。取り出した式(2)で示されるエポキシ化合物は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
続いて、式(3)で示されるアルコール化合物と式(5)で示されるアリル化合物とを、塩基の存在下に反応させ、次いで酸化剤を作用せしめる方法について説明する。式(5)で示されるアリル化合物としては、例えばアリルクロリド、アリルブロミド、メタンスルホン酸アリル、ベンゼンスルホン酸アリル、p−トルエンスルホン酸アリル等が挙げられる。かかる式(5)で示されるアリル化合物は、通常市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
かかる式(5)で示されるアリル化合物の使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物に対して、通常2〜100モル倍である。また、式(5)で示されるアリル化合物が、反応条件下で液体である場合には、かかる式(5)で示されるアリル化合物を溶媒として用いてもよい。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、例えばピリジン等の有機塩基が挙げられ、その使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物に対して、通常2〜5モル倍である。なお、反応条件下で液体である有機塩基を用いる場合は、かかる有機塩基を反応溶媒を兼ねて過剰量用いてもよい。
式(3)で示されるアルコール化合物と式(5)で示されるアリル化合物との反応は、通常溶媒中、塩基の存在下に、その両者を混合することにより実施される。溶媒としては、前記式(3)で示されるアルコール化合物と式(4)で示される化合物との反応で用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。また、前記したとおり、反応条件下で液体である有機塩基を塩基として用いる場合には、該有機塩基を反応溶媒として用いてもよいし、式(5)で示されるアリル化合物が、反応条件下で液体である場合には、かかる式(5)で示されるアリル化合物を溶媒として用いてもよい。
反応終了後、そのまま酸化剤を作用させてもよいし、例えば反応液と水を混合し、式(3)で示されるアルコール化合物と式(5)で示されるアリル化合物との反応生成物を取り出した後、酸化剤を作用させてもよい。酸化剤としては、炭素−炭素二重結合をエポキシ化可能な酸化剤であればよく、例えばm−クロロ過安息香酸等が挙げられる。かかる酸化剤の使用量は、式(3)で示されるアルコール化合物と式(5)で示されるアリル化合物との反応生成物に対して、通常2〜10モル倍である。
酸化剤を作用させた後、必要に応じて残存する酸化剤を分解処理した後、濃縮処理することにより、式(2)で示されるエポキシ化合物を取り出すことができる。
続いて、式(3)で示されるアルコール化合物の製造方法について、XおよびXが酸素原子であり、Wが、
Figure 0004696620
で示される基(ここで、R12は炭素数1〜16の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表わし、該アルキル基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基は酸素原子に置換していてもよい。)である下記式(6)
Figure 0004696620
(式中、Ar、Ar、YおよびR12は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアルコール化合物を例に取り、説明する。
かかる式(6)で示されるアルコール化合物は、下記式(7)
Figure 0004696620
(式中、Ar、Ar、YおよびR12は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるケトン化合物を還元処理することにより製造することができる。式(7)で示されるケトン化合物を還元処理する方法としては、例えば式(7)で示されるケトン化合物と還元剤とを溶媒中で反応させる方法等が挙げられる。
かかる式(7)で示されるケトン化合物としては、例えば1,2−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}エタン、1,2−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}エタン、1,2−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}エタン、1,2−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,2−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]エタン、1,4−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ブタン、1,4−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}ブタン、1,4−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}ブタン、1,4−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,4−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ブタン、1,5−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ペンタン、1,5−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}ペンタン、1,5−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、1,5−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ペンタン、
1,5−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}−3−オキサペンタン、1,5−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}−3−オキサペンタン、1,5−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,5−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]−3−オキサペンタン、1,8−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン、
2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ピリジン、2,6−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}ピリジン、2,6−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}−4−メチルピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキサ−5−ヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシ}ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシ]ピリジン、2,4−ビス{4−(4−プロピオニルフェニル)フェノキシ}ピリジン、
1,2−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシカルボニル}エタン、1,2−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシカルボニル}エタン、1,4−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシカルボニル}ブタン、1,4−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシカルボニル]ブタン、1,8−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシカルボニル}−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス[4−{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシカルボニル}ピリジン、2,6−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシカルボニル}ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシカルボニル]−4−メチルピリジン、2,5−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシカルボニル}ピリジン、2,5−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェノキシカルボニル}ピリジン、2,4−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェノキシカルボニル]ピリジン、
1,2−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシカルボキシ}エタン、1,2−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェニルカルボキシ]エタン、1,4−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェニルカルボキシ}ブタン、1,4−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェニルカルボキシ}ブタン、1,8−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェニルカルボキシ}−3,6−ジオキサオクタン、1,8−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェニルカルボキシ]−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェニルカルボキシ}ピリジン、2,6−ビス{4−(4−ブチリルフェニル)フェニルカルボキシ}ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェニルカルボキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェニル}フェニルカルボキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェニルカルボキシ}ピリジン、2,4−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェニルカルボキシ}ピリジン、
1,2−ビス{4−(4−アセチルフェノキシカルボニル)フェノキシ}エタン、1,2−ビス{4−(4−ブチリルフェノキシカルボニル)フェノキシ}エタン、1,4−ビス{4−(4−ブチリルフェノキシカルボニル)フェノキシ}ブタン、1,4−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ブタン、1,5−ビス{4−(4−アセチルフェノキシカルボニル)フェノキシ}−3−オキサペンタン、1,8−ビス{4−(4−ブチリルフェノキシカルボニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン、2,6−ビス{4−(4−アセチルフェノキシカルボニル)フェノキシ}ピリジン、2,6−ビス{4−(4−ブチリルフェノキシカルボニル)フェノキシ}ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(3−オキサヘキサノイル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]ピリジン、2,6−ビス[4−{4−(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フェノキシカルボニル}フェノキシ]−4−メチルピリジン、2,5−ビス{4−(4−アセチルフェノキシカルボニル)フェノキシ}ピリジン、2,4−ビス{4−(4−ブチリルフェノキシカルボニル)フェノキシ}ピリジン等が挙げられる。
還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等の水素化ホウ素化合物、例えば水素化アルミニウムリチウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等の水素化アルミニウム化合物等が挙げられ、その使用量は、式(7)で示されるケトン化合物に対して、通常1〜10モル倍である。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。その使用量は、式(7)で示されるケトン化合物に対して、通常0.1〜50重量部である。
反応温度は、通常−20〜150℃である。
また、例えば塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化リチウム等の無機塩の共存下に反応を実施してもよい。
反応終了後、例えば反応液と、塩酸等の酸の水溶液とを混合した後、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、式(6)で示されるアルコール化合物を取り出すことができる。取り出した式(6)で示されるアルコール化合物は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
なお、式(7)で示されるケトン化合物は、例えば溶媒中、塩基の存在下に、式(8)
Figure 0004696620
(式中、ArおよびR12は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(9)
Figure 0004696620
(式中、ArおよびR12は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(10)
Figure 0004696620
(式中、Yは上記と同一の意味を表わし、X’はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。)
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。かかる式(8)で示される化合物および式(9)で示される化合物としては、例えば4−ヒドロキシ−4’−アセチルビフェニル、4−ヒドロキシ−4’−プロピオニルビフェニル、4−ヒドロキシ−4’−ヘキサノイルビフェニル等が挙げられる。かかる式(8)で示される化合物および式(9)で示される化合物は、例えば特開平10−265436号公報等の公知の方法に準じて製造することができる。
式(10)で示される化合物の式中、X’はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表わし、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
かかる式(10)で示される化合物としては、例えば1,2−ジブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,8−ジクロロオクタン、ビス(2−クロロエチル)エーテル、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン、1,2−ビス(メチルスルホニルオキシ)エタン、1,2−ビス(フェニルスルホニルオキシ)エタン、1,4−ビス(メチルスルホニルオキシ)ブタン、ビス{2−(メチルスルホニルオキシ)エチル}エーテル、1,2−ビス{2−(メチルスルホニルオキシ)エトキシ}エタン、2,6−ジブロモピリジン等が挙げられる。かかる式(10)で示される化合物は、例えば市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とが同一の場合のその使用量は、式(10)で示される化合物に対して、通常1〜2.4モル倍である。式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とが異なる場合の式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物の使用量は、式(10)で示される化合物に対して、それぞれ通常0.5〜1.2モル倍である。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられ、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。かかる塩基の使用量は、式(10)で示される化合物に対して、通常2〜10モル倍である。
反応温度は、通常30〜150℃程度、好ましくは50〜120℃程度である。
有機溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればよく、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシメチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、中でも非プロトン性極性溶媒が好ましい。かかる有機溶媒の使用量は、式(8)で示される化合物または式(9)で示される化合物に対して、通常0.5〜50重量倍である。
反応は、通常、溶媒中で、式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物と式(10)で示される化合物と塩基とを混合することにより実施される。式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とが同一の場合には、その混合順序は特に制限されないが、式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とが異なる場合は、収率よく目的とするアルコール化合物を得るために、式(8)で示される化合物と式(10)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させた後、式(9)で示される化合物をさらに反応させるか、あるいは式(9)で示される化合物と式(10)で示される化合物とを塩基の存在下に反応させた後、式(8)で示される化合物をさらに反応させることが好ましい。
また、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩や、例えばヨウ化銅、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン銅錯体等の銅化合物の共存下に反応を行ってもよい。
反応終了後、例えば反応液と水とを混合し、濾過処理することにより、式(7)で示されるケトン化合物を取り出すことができる。取り出した式(7)で示されるケトン化合物は、例えば再結晶等通常の精製手段により精製してもよい。
また、XおよびXが単結合であるアルコール化合物は、例えばTetrahedron Lett.,27,4331(1986)等に記載の公知の方法に準じて製造することができる。
続いて、本発明のエポキシ組成物について説明する。本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ化合物(1)と硬化剤とを含んでなるエポキシ組成物である。かかるエポキシ組成物は、エポキシ化合物(1)と硬化剤をそのままもしくは溶媒中で混合することにより得られる。組成物は、一種のエポキシ化合物(1)と硬化剤を含んでいてもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物(1)と硬化剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、例えば酢酸ブチル等のエステル系溶媒、例えばプロピレングリゴールモノメチルエーテル等のグリコール系溶媒等が挙げられる。
硬化剤としては、エポキシ化合物(1)を硬化せしめるものであればよく、例えばアミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、触媒系硬化剤等が挙げられ、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤または触媒系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数2〜20の脂肪族多価アミン、例えばp−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン等の芳香族多価アミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環式多価アミン、例えばジシアンジアミド等が挙げられ、芳香族多価アミンやジシアンジアミドが好ましく、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,5−ジアミノナフタレン、p−フェニレンジアミン、ジシアンジアミドがより好ましい。
フェノール系硬化剤としては、例えばフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂、ポリオキシスチレン樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂としては、例えばアニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、例えばジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂等の特殊フェノール樹脂等が挙げられ、ポリオキシスチレン樹脂としては、例えばポリ(p−オキシスチレン)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
触媒系硬化剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
かかる硬化剤の使用量は、用いる硬化剤の種類に応じて適宜選択すればよく、アミン系硬化剤やフェノール系硬化剤であれば、例えば該硬化剤中のエポキシ基と硬化反応し得る官能基の総量が、エポキシ化合物(1)中のエポキシ基の総量に対して、通常0.5〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.1倍となる量が用いられる。
本発明のエポキシ組成物は、エポキシ化合物(1)および硬化剤以外に、前記したように前記溶媒を含んでいてもよいし、また、エポキシ組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を妨げない限り、他のエポキシ化合物を含んでいてもよく、また、各種添加剤を含んでいてもよい。他のエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、オルソクレゾール型エポキシ化合物、例えばビフェノールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(3,4−エポキシブテン−1−イロキシ)フェニルベンゾエート、ナフタレンジグリシジルエーテル、α−メチルスチルベン−4,4’−ジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が挙げられる。添加剤としては、例えば溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、二次凝集シリカ粉末等のシリカ粉末、例えばアルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、ガラス繊維等の充填材、例えばトリフェニルホスフィン、1,8−アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の硬化促進剤、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、例えばカーボンブラック等の着色剤、例えばシリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、例えば天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩、パラフィン等の離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。かかる他のエポキシ化合物や添加剤の含量は、本発明のエポキシ組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物の所望の性能を損なわない量であれば特に問題ない。
続いて本発明のエポキシ樹脂硬化物について説明する。本発明のエポキシ樹脂硬化物は、前記エポキシ化合物(1)と硬化剤を含んでなるエポキシ組成物を硬化せしめることにより製造することができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、一種のエポキシ化合物と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよいし、異なる二種以上のエポキシ化合物と硬化剤とを硬化せしめたエポキシ樹脂硬化物であってもよい。
エポキシ組成物を硬化せしめる方法としては、例えばエポキシ組成物をそのまま加熱して硬化させる方法、エポキシ組成物を加熱溶融して金型等に注ぎ、該金型をさらに加熱して成形する方法、エポキシ組成物を溶融し、得られる溶融物をトランスファー成形機で予め加熱された金型に注入し硬化する方法、エポキシ組成物をB−ステージと呼ばれる部分硬化し、得られる部分硬化物を粉砕してなる粉末を金型に充填し、該充填物を溶融成形する方法、エポキシ組成物を必要に応じて溶媒に溶解し、攪拌しながらB−ステージ化し、得られた溶液をキャストした後、溶媒を通風乾燥等で乾燥除去し、必要に応じてプレス機等で圧力をかけながら所定時間加熱する方法等が挙げられる。
最後に本発明のエポキシ組成物を基材に含浸もしくは塗布せしめ、半硬化せしめてなるプリプレグについて説明する。本発明のエポキシ組成物を、必要に応じて溶媒で希釈した後、基材に含浸もしくは塗布せしめ、含浸もしくは塗布された基材を加熱し、該基材中のエポキシ化合物を半硬化せしめることにより、プリプレグを製造することができる。基材としては、例えばガラス繊維織布等の無機質繊維の織布もしくは不織布、例えばポリエステル等の有機質繊維の織布もしくは不織布等が挙げられる。かかるプリプレグを用い、通常の方法により、積層板等を容易に製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、エポキシ化合物の製造における分析には、高速液体クロマトグラフィー(以下、LCと略記する。)法を用いた。
参考例1 <アルコール化合物の製造例 その1>
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、4−ヒドロキシ−4’−アセチルビフェニル20g、ジメチルスルホキシド160gおよび水酸化ナトリウム9.4gを仕込み、内温80℃で30分攪拌、保持した。その後、ジメチルスルホキシド40gに1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタン13.2gを溶解させた溶液をゆっくり滴下し、同温度で8時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水80gをゆっくり注加した。その後、室温で1時間攪拌、保持した。析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄し、1,8−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン10.5gを得た。見掛収率40%。
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、前記で得られた1,8−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}−3,6−ジオキサオクタン10g、テトラヒドロフラン100gおよび水素化ホウ素ナトリウム1.8gを仕込み、内温50℃に昇温した。メタノール20gを、内温50〜55℃を保ちながらゆっくり滴下した。その後、同温度で1時間攪拌、反応させた。反応液を室温まで冷却し、10重量%塩酸68gをゆっくり滴下し、さらに1時間攪拌、保持した。析出した結晶を濾取し、50重量%メタノール水で洗浄し、1,8−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン8.5gを得た。見掛収率85%。
H−NMR(DMSO−d,TMS基準,単位:ppm)
δ7.51〜7.56(8H,m),7.37(4H,d),6.99(4H,d),5.17(2H,br),4.73(2H,q),4.09〜4.12(4H,m),3.74〜3.77(4H,m),3.58(4H,s),1.33(6H,d)
参考例2 <アルコール化合物の製造例 その2>
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、4−ヒドロキシ−4’−アセチルビフェニル9g、ジメチルスルホキシド75g、ヨウ化銅2g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1.8gおよび水酸化ナトリウム2.5gを仕込み、内温80℃で30分攪拌、保持した。その後、ジメチルスルホキシド25gに2,6−ジブロモピリジン5gを溶解させた溶液をゆっくり滴下し、同温度で3時間攪拌、反応させた。さらに、内温100℃で11時間、次いで内温120℃で10時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水100gをゆっくり注加した。その後、室温で1時間攪拌、保持した。析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄し、粗2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ピリジン12.6gを得た。これを、クロロホルムから再結晶させ、2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ピリジンの精製品7.6gを得た。見掛収率72%。
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、前記で得られた2,6−ビス{4−(4−アセチルフェニル)フェノキシ}ピリジンの精製品5g、テトラヒドロフラン50gおよび水素化ホウ素ナトリウム0.95gを仕込んだ。メタノール10gを、内温20〜30℃を保ちながらゆっくり滴下した。その後、同温度で1時間攪拌、反応させた。反応液に、10重量%塩酸37gをゆっくり滴下した後、酢酸エチル45gを加えて分液処理した。得られた有機層を3重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄処理した後、減圧条件下で濃縮処理し、2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン3gを得た。見掛収率59%。
H−NMR(DMSO−d,TMS基準,単位:ppm)
δ7.90(1H,t),7.54(4H,d),7.46(4H,d),7.37(4H,d),7.19(4H,d),6.75(2H,d),5.19(2H,d),4.76(2H,q),1.36(6H,d)
参考例3 <アルコール化合物の製造例 その3>
前記参考例1において、1,2−ビス(2−クロロエトキシ)エタンに代えて、1,5−ジブロモペンタンを用いた以外は参考例1と同様に実施して、1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ペンタンを得た。融点:192℃。
実施例1 <エポキシ化合物の製造例 その1>
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、前記参考例1で得られた1,8−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン4g、エピクロルヒドリン50gおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.48gを仕込み、内温50℃に昇温した。同温度で1時間毎に水酸化ナトリウム0.3gを10回加え、反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、水50gを加え、分液処理した。得られた有機層を減圧条件下で濃縮処理し、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン3.6gを白色紛体として得た。見掛収率75%、純度:98%(LC面積百分率値)、融点:65℃。
H−NMR(DMSO−d,TMS基準,単位:ppm)
δ7.54〜7.59(8H,m),7.36(4H,d),7.04(4H,d),4.52(2H,q),4.11〜4.14(4H,m),3.76〜3.79(4H,m),3.64(4H,s),3.52〜3.63(2H,m),3.05〜3.19(4H,m),2.68〜2.72(2H,m),2.46〜2.53(2H,m),1.37(6H,d)
実施例2 <エポキシ化合物の製造例 その2>
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、前記参考例2で得られた2,6−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ピリジン1g、エピクロルヒドリン20gおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.12gを仕込み、内温60℃に昇温した。同温度で1時間毎に水酸化ナトリウム0.1gを15回加え、反応させた。反応終了後、反応液を減圧条件下で濃縮処理し、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン0.8gを白色紛体として得た。見掛収率54%、純度:98%(LC面積百分率値)、融点:76℃。
H−NMR(DMSO−d,TMS基準,単位:ppm)
δ7.90(1H,t),7.56〜7.63(8H,m),7.35(4H,d),7.19(4H,d),6.73(2H,d),4.55(2H,q),3.55〜3.65(2H,m),3.07〜3.19(4H,m),2.68〜2.75(2H,m),2.48〜2.56(2H,m),1.39(6H,d)
実施例3 <エポキシ化合物の製造例 その3>
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた四つ口フラスコに、前記参考例3で得られた1,5−ビス[4−{4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル}フェノキシ]ペンタン4g、エピクロルヒドリン40gおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.52gを仕込み、内温60℃に昇温した。同温度で1時間毎に水酸化ナトリウム0.3gを15回加え、反応させた。反応終了後、反応液を減圧条件下で濃縮処理し、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、1,5−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ペンタン4gを白色紛体として得た。見掛収率82%、純度:98%(LC面積百分率値)、融点:58℃。
実施例4〜実施例7 <エポキシ組成物およびエポキシ樹脂硬化物の製造例>
エポキシ化合物として、前記実施例1で得られた1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタンを用い、1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタン100重量部に対して、下記表1に示した硬化剤をそれぞれ所定量混合し、エポキシ組成物を調製した。さらに、調製したエポキシ組成物を、下記表1に示した硬化温度条件で硬化せしめ、エポキシ樹脂硬化物を得た。
Figure 0004696620
実施例8〜実施例10 <エポキシ組成物およびエポキシ樹脂硬化物の製造例>
エポキシ化合物として、前記実施例2で得られた2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジンを用い、2,6−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]ピリジン100重量部に対して、下記表2に示した硬化剤をそれぞれ所定量混合し、エポキシ組成物を調製した。さらに、調製したエポキシ組成物を、下記表2に示した硬化温度条件で硬化せしめ、エポキシ樹脂硬化物を得た。
Figure 0004696620
実施例11 <本発明のプリプレグの製造例>
前記実施例1で得られた1,8−ビス[4−{4−(3−オキシラニル−1−メチル−2−オキサプロピル)フェニル}フェノキシ]−3,6−ジオキサオクタンと、硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルメタンと、溶剤としてメチルエチルケトンとを混合することにより、エポキシ組成物が得られる。該エポキシ組成物を、ガラス繊維織布に含浸させ、加熱、乾燥させることにより、プリプレグが得られる。得られるプリプレグを所定枚数重ね、所定温度、所定圧力で加熱加圧成形することにより、積層板を作製することができる。

Claims (6)

  1. 式(1)
    Figure 0004696620
    (式中、XおよびXはそれぞれ同一または相異なって、単結合、酸素原子または−COO−を表わす。Yは、炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基または下記
    Figure 0004696620
    で示される基を表わす。ここで、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜18のアルキル基を表わす。Zは、炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を表わす。ここで、前記炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基および前記炭素数2〜18の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。ArおよびArはそれぞれ同一または相異なって、下記
    Figure 0004696620
    で示される基を表わす。ここで、Aは単結合を表わすか、または下記
    Figure 0004696620
    からなる群から選ばれるいずれかの基を表わし、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。)
    で示されるエポキシ化合物。
  2. 式(1)で示されるエポキシ化合物のうち、ArおよびArが同一または相異なって、下記
    Figure 0004696620
    (式中、R、R、R10およびR11はそれぞれ同一または相異なって、水素原子またはメチル基を表わす。)
    で示される基である請求項1に記載のエポキシ化合物。
  3. Zが、−W−O−で示される基(ここで、Wは、炭素数2〜17の分枝鎖状アルキレン基を表わし、前記炭素数2〜17の分枝鎖状アルキレン基を構成する一つもしくは隣接しない二つ以上のメチレン基が酸素原子に置換していてもよい。)である請求項1または請求項2に記載のエポキシ化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ化合物と硬化剤とを含んでなるエポキシ組成物。
  5. 請求項4に記載のエポキシ組成物を硬化せしめてなるエポキシ樹脂硬化物。
  6. 請求項4に記載のエポキシ組成物を基材に含浸もしくは塗布せしめた後、半硬化せしめてなるプリプレグ。
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