JP4695951B2 - イオンミリング加工方法、及びイオンミリング加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオンビームによる加工位置の容易な視覚化法に関するものである。
イオンミリングは、加速したイオンを試料表面に衝突させたときに、原子や分子がはじき飛ばされるスパッタリング現象を利用して試料を削り取る加工法であるが、機械研磨により試料表面に生じた傷や変形の除去が可能である。このため、イオンミリングは走査型電子顕微鏡観察用の試料を作成する加工手段として多用されている。例えば配線接合部,メッキ膜,ハンダ接合部等の断面試料を走査型電子顕微鏡で観察する際に、予めイオンミリングにより試料を加工しておくと、エレクトロンマイグレーションや空隙等の不良解析、さらには金属の結晶粒界の観察を行うことができる。
イオンミリングにより走査型電子顕微鏡観察用の試料を作成するためには、直径1mm程度のイオンビームを試料の所望の領域に照射する必要がある。この加工位置の調整にはイオンビームの偏向、あるいは試料の微動操作が用いられるが、所望の領域を正確に加工するには、精度の高い加工位置の確認技術が必要である。
図1は、樹脂包埋試料の断面を機械研磨により露出した後に、イオンミリング加工により機械研磨で生じた表面の傷や金属界面の変形を除去する加工手順を示したものである。図1に示されるように、加工位置の確認はイオンビーム照射後に走査型電子顕微鏡を利用して行う。このとき、試料表面に機械研磨により生じた傷が残っているか、金属材料中の結晶粒界が観察できなければ、加工不十分と見なされ、再度イオンビーム照射と走査型電子顕微鏡による観察確認を繰り返し行う。なお、イオンミリング装置には光学顕微鏡や
CCDカメラ等が備えられているが、イオンビームは上記装置を用いても確認することが難しく、また加工が進行しない限り、加工状況を認識することさえ困難である。
イオンミリング加工は一般に長時間の煩雑な作業を必要とするため、作業効率の改善を目的として、特許文献1には、試料にレーザ光を照射し試料上の電子顕微鏡にて観察すべき領域の反射光の画像データを得、その領域での光強度を観察することによって終点を決定することが説明されている。
更に、特許文献2には、光ビームが透過する試料をイオン研磨する際、光ビームおよび光センサを用いてイオンビームの照射を自動的に停止可能にすることが説明されている。
また、特許文献3には、加工装置に加速電極電流,減速電極電流,加速電極電圧,減速電極電圧,シャッター開閉信号、その他の加工条件を検出する検出装置を設置し、この測定値からエッチング量推定し表示することが説明されている。
また、目視でイオンミリングの状態を直接的に確認する技術として、特許文献4には、操作者が観察窓を通して試料の表面を観察し、材質による色の変化を見て終点検出を判断する方法や、イオンミリング加工中に試料が発するスペクトルを利用する方法が提案されている。
特開2000−21851号公報 特開平10−62323号公報 特開2002−113353号公報 特開平10−140348号公報
しかしながら、上記各特許文献に開示の技術では樹脂包埋された試料をイオンビームによりエッチングする過程において、イオンビームの目視確認ができないため、ある程度加工を進めるか、あるいはイオンビーム照射後に試料を走査型電子顕微鏡で観察しないと、実際の加工位置が観察確認できないという問題があった。
また、従来のイオンミリング装置を使用して試料の所望の領域を加工するには、適当な時間イオンミリングを行った後、試料をイオンミリング装置から取り出して、試料表面上における実際の加工位置を測定し、再度試料をイオンミリング装置内に装着し、試料位置あるいはイオンビーム軸の修正を行った後にイオンミリングを行うという作業を、所望の領域の加工が終了するまで繰り返すものであったため、その間に真空を破り再度真空引きする作業を繰り返さなくてはならないため、長時間の煩雑な作業を必要としていた。さらに、上記一連の作業は人手により行わなければならないため、試料の作製コストが増大していた。なお、このような問題は、試料の作成時間および作業者がイオンミリング装置を監視する時間を大幅に短縮できるようにした上記特許文献に開示の手法を用いても基本的に解決されていない。
本発明の目的は、イオンビームが照射されている個所と、加工目的位置とを一致するのに好適なイオンミリング加工方法、及びイオンミリング加工装置の提供にある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、試料上に形成された薄膜にイオンを衝突させ、このイオンの衝突によって薄膜が削り取られる位置を確認して、イオンの衝突位置を補正するイオンミリング加工方法、及び装置を提案する。
以上のような構成によれば、薄膜が削り取られる位置と、加工目的個所との位置関係を確認することができる。
本発明の他の構成、及び実施例については、以下の発明の実施の形態の欄で詳述する。
本発明によれば、イオンミリング中においても目的の部位にビーム軸が位置しているか目視で確認できるため、加工中においても容易にイオンビーム照射位置を調整することが可能になる。
樹脂包埋試料のイオンミリング加工法において、イオンミリング加工位置を目視,光学顕微鏡下、デジタル映像装置を備えた画像処理装置で認識し、操作者が加工を行いたい目的の試料位置と、実際の加工位置のずれを手動あるいは自動で修正する目的を、最小の工程数で、断面試料の光学性能を損なうことなく実現した。図2は具体的な実施形態を示した説明図であり、1は試料、2は包埋樹脂、3は試料ホルダー、4は薄膜、5はイオンビームによる加工領域である。薄膜4がイオンビームによってエッチングされることにより、円形あるいは楕円形のイオンビームによる加工領域5が出現する。操作者は目視,光学顕微鏡下、デジタル映像装置を備えた画像処理装置で試料1とイオンビームによる加工領域5のずれX−Yを認識し、そのずれを修正することによって、目的の試料位置のイオンビームを照射することができる。
図3は、本発明によるイオンミリング法により、試料を加工する手順を示した説明図である。断面を観察したい試料を樹脂中に埋め込み、機械研磨により断面を露出する。ただし、試料が十分に大きければ樹脂中に包埋する必要はなく、機械研磨のみ行って断面を露出する。図4は樹脂包埋した試料の形態を示したものであり、1−3は図2と同様である。試料ホルダーは可動式であることが望ましいが、本発明の主体はイオンミリングにおける加工領域の視覚化法にあるので機構系の説明は省略する。
露出した試料表面に、本発明の核となる可視光線を透過する薄膜を形成する。薄膜の素材は金属の他、ITO,カーボンが可能であるが、好ましくはカーボン,パラジウム,金,白金の蒸着薄膜である。ただし、可視光線を透過する性質を有し、且つ有色であれば薄膜の素材はどんな物でも良い。さらに、金属であっても膜厚が十分に薄ければ可視光線を透過するため使用することができる。薄膜の形成手法としては、イオンスパッタ,真空蒸着,化学蒸着(CVD),噴霧,塗布が可能であるが、好ましくはイオンスパッタおよび真空蒸着法である。図5は図4の樹脂包埋試料に薄膜を形成した形態であり、1−4は図3と同様である。操作者は薄膜を通して、樹脂中に包埋された試料の形状,位置を目視で観察確認することができる。
薄膜形成後にアルゴンイオンビームを照射し、試料表面を加工する。このとき、ミリング速度が十分であれば1−5分でビーム照射位置の薄膜が消滅し、薄膜により着色された試料表面に円形あるいは楕円形の加工領域が浮かび上がる。図6は、樹脂包埋試料をビーム照射により加工した状態の説明図である。1−5は図2と同様であり、6はイオンビームである。イオンビーム照射位置に円形あるいは楕円形の加工領域が形成されていることが、目視あるいは光学顕微鏡下で観察確認できる。加工領域内に所望の部位が位置していれば、操作者は加工位置にずれがないと判断でき、規定の時間イオンビーム照射を行った後に加工を終了することができる。一方、加工領域と目的の部位にずれがある場合には、操作者は偏向装置を用いてイオンビーム軸を調整するか、試料取付け位置を調整することでイオンビーム照射位置を修正する。操作者は、目的の部位が加工されていることを目視あるいは光学顕微鏡下で観察確認した後、規定の時間イオンビーム照射を行い、加工を終了することができる。
イオンミリングの加工終了後に走査型電子顕微鏡で加工状態の確認を行うが、機械研磨による傷が残っているか、金属試料の結晶粒界が観察できない場合には、再度イオンミリング操作を繰り返す必要がある。しかしながら、本発明の方法により、同一の素材の試料を再度イオンミリングにより加工する場合には、同一の加工条件でのミリングが可能になるため、前回加工時に要した加工時間を規定として、走査型電子顕微鏡での観察確認を行うことなくイオンミリングを終了できる。この他、従来技術である色の変化を見て終点検出を判断する方法や、イオンミリング加工中に試料が発するスペクトルを利用する方法を活用してイオンミリング加工の終点を検出できる。
本発明で規定する方法では、目的の試料位置と、蒸着膜の穴との間の相対的なずれを画像処理等によって認識し、ステージ駆動やビームの偏向器等にフィードバックし、ビーム照射位置を自動的に修正する装置を用いることもできる。図7に加工手順を示すが、この方法でも、実施例1と同様に、機械研磨により樹脂包埋試料の断面を露出した後に、本発明の核となる可視光線を透過する薄膜を試料断面に形成する。操作者は、図8に示す、ビーム照射位置を自動的に修正する装置を用いてイオンミリングの自動加工を行う。
図8中、1−4は図5と同様であり、7は映像入力装置であり、8は目視確認用の光学顕微鏡であり、9は照明装置であり、10は観察窓であり、11は真空チャンバであり、
12はイオンビーム軸の偏向機能を備えたイオンビーム照射装置であり、13はX軸試料微動装置であり、14はY軸試料微動装置であり、15はデジタル映像装置から画像処理装置に画像を入力するケーブルであり、16は画像処理装置であり、17は画像処理装置用モニタであり、18は画像処理装置からビームの偏向器に出力するケーブルであり、
19は画像処理装置からX軸試料微動装置に出力するケーブルであり、20は画像処理装置からY軸試料微動装置に出力するケーブルである。映像入力装置7として、光学顕微鏡に搭載したデジタル画像入力装置の他、CCDデジタルカメラ,ビデオも使用できる。
イオンミリング装置は、実用に供されている装置内の試料ホルダーにX軸,Y軸微動装置、あるいはステージ駆動装置を備えることで、使用することができる。さらに、イオンビーム銃にビーム偏向装置が備わっていても良い。操作者は、光学顕微鏡8により加工中の試料の状態を観察確認できるが、画像処理装置用モニタ17で観察することも可能である。画像処理装置16には映像入力装置7から、ケーブル15を経て画像データが入力されるが、ケーブルの代わりに無線を使用してもよく、さらに画像処理装置はイオンミリング装置に内蔵されていても良い。画像処理装置により、加工領域が認識され、目的の加工位置と交わるようにステージ駆動やビームの偏向器等にフィードバック信号を出力するが、目的の加工位置の位置情報については操作者が予め入力しておくことが望ましい。規定の時間,目的の位置にイオンビームを照射した後にイオンミリングの自動加工は終了する。
また、上記画像処理装置16は、図示しない制御装置に接続されており、画像処理装置16によって、薄膜が削り取られる位置と試料上の加工目的部位の位置を検出し、両者のずれを補正するように、イオンビーム照射装置12内に内蔵された偏向器、及び/又はX軸試料微動装置13、或いはY軸試料微動装置14へ、信号を供給するように構成されている。なお、画像処理装置は、制御装置と一体であっても、別体であっても構わない。
以下に具体的な操作手法の一例を記述するが、これは金配線接合部を搭載したプリント基盤の断面をイオンミリング装置で加工する操作において、本発明を実施する一例であり、本発明の形態は下記に限定されるものではない。本実施例ではPd,Pt,Pd−Pt,Auを薄膜として使用する実施形態について説明する。
金配線接合部を搭載したプリント基盤を切断した後にエポキシ系樹脂,アクリル系樹脂,ポリエステル系樹脂で包埋する。樹脂が硬化した後に、包埋樹脂ごとプリント基板を機械研磨し、金配線接合部の断面を、包埋樹脂断面中に露出する。このとき、走査型電子顕微鏡で金配線接合部を観察すると、金と基盤の間の界面にだれが生じている様子や、無数の研磨傷が確認できる。また、機械研磨時に生じた試料表面の変形により、金の結晶粒界の観察確認はできない。
機械研磨の後、金配線接合部の断面を含む包埋樹脂断面に、イオンスパッタ法により膜厚50−100nmのPd,Pt,Pd−Pt,Auの薄膜を形成する。この操作により金配線接合部の断面を含む包埋樹脂断面は着色される。薄膜としてPd,Pt,Pd−
Ptを用いれば試料表面は灰色−茶色に着色し、Auを用いれば、金色−黄色に着色する。膜厚50−100nmのPd,Pt,Pd−Pt,Au薄膜は十分に透明であるため、図1に示すように操作者は薄膜を通して樹脂中に包埋された金配線接合部の位置を容易く確認することができる。このとき、薄膜形成による試料への着色が確認できれば膜圧が
50nm以下であってもよく、また薄膜が十分に透明であれば100nm以上の膜厚でもよい。また、走査型電子顕微鏡を用いても、薄膜を通して金配線接合部を観察確認できる。このとき、薄膜形成前に比較し、チャージアップ現象が軽減されるため、高分解,高解像での走査型電子顕微鏡観察を行うことができる。
次に、試料をイオンミリング装置に装着し、図6に示すようにビームを照射すると、図2に示すようにビーム照射位置の薄膜が消滅し、着色された試料表面に1−2mm程度の円形あるいは楕円形の加工領域が浮かび上がる。加工領域の形状や大きさはイオンビーム径やイオンビーム軸と試料表面の角度によって変化する。このとき、加工領域内に所望の加工対象となる金配線接合部の断面が位置していれば、操作者は規定の時間イオンビーム照射を行い、加工を終了することができる。図2は、目的の試料位置1とイオンビームによる加工領域5がずれている形態を示したものであるが、この場合、操作者は試料位置あるいはイオンビーム軸を操作することで加工位置を調整する。具体的には、目視,光学顕微鏡下で目的の金配線接合部と蒸着膜に形成された加工領域のずれX−Yを測定し、そのずれX−Yの量だけ、試料あるいはイオンビーム軸を修正させればよい。この調整はビーム照射中に行うことができる。ビーム照射位置のみ、試料あるいは樹脂本来の色に脱色されることから、加工領域の視認は容易である。さらに実施例2に示すイオンミリングの自動加工を用いれば、操作者は目的の加工位置の位置情報を予め入力しておくだけでよく、規定の時間,イオンビームを照射した後に、操作者はイオンミリング加工を終了し、電子顕微鏡下で加工面の観察分析を行うことができる。イオンミリングの終点は実施例1に示した方法により判断できる。
樹脂包埋法は、プリント基板等の試料を円柱状のエポキシ系樹脂,アクリル系樹脂,ポリエステル系樹脂に封入した後に、機械研磨により断面試料を作成するものである。一般に、包埋に用いる樹脂には導電性がないために、チャージアップ現象が電子顕微鏡による観察の障害となる。しかしながら、この方法では樹脂包埋試料の断面に導電性の白金薄膜が蒸着されていることから、電子顕微鏡観察時のチャージアップを軽減する効果がある。
樹脂包埋試料の表面に形成する薄膜として、高分子薄膜あるいは高分子フォルムを用いることも可能である。以下に具体的な操作手法の一例を記述するが、これは金配線接合部を搭載したプリント基盤の断面をイオンミリング装置で加工する操作において、本発明を実施する一例であり、本発明の形態は下記に限定されるものではない。
高分子薄膜としては有機系材料が可能であるが、好ましくはポリエステル,ポリプロピレン,ポリエチレン,ナイロン,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,トリアセチルセルロース,ポリメタクリル酸メチル,塩化ビニルに代表される高分子フィルムである。試料表面に高分子薄膜あるいは高分子フィルムを形成する手法としては、噴霧,塗布,溶液コーティング,押出コーティング,ラミネート,貼付が可能であるが、好ましくは貼付である。
実施例3に示したように、金配線接合部を搭載したプリント基盤を樹脂中に包埋した後、機械研磨により断面を露出する。機械研磨の後、試料表面に膜厚50−100nmのポリエステルフィルムを貼付する。このとき、顔料を含むポリエステルフィルムを貼付すれば、操作者は着色された薄膜を通して、樹脂中に包埋された金配線接合部の位置を容易く確認することができる。さらに顔料としてアンチモンドープ酸化錫や金属粉末を使用すれば導電性も得られ、電子顕微鏡での観察時のチャージアップを軽減することができる。
次に、試料をイオンミリング装置に装着し、ビームを照射すると、図2に示すようにビーム照射位置の薄膜が消滅し、着色された金配線接合部の断面を含む包埋樹脂断面に円形あるいは楕円形の加工領域が浮かび上がる。このとき、加工領域内に目的の加工対象となる金配線接合部の断面が位置していれば、操作者は規定の時間イオンビーム照射を行い、加工を終了することができる。目的の金配線接合部が加工領域外に位置していれば、操作者は試料位置あるいはイオンビーム軸を操作することで加工位置を調整する。具体的には目視,光学顕微鏡下で目的の金配線接合部と蒸着膜に形成された加工領域のずれを測定し、そのずれの量だけ、試料あるいはイオンビーム軸を修正させればよい。この調整はビーム照射中に行うことができる。ビーム照射位置のみ、試料あるいは樹脂本来の色に脱色されることから、加工領域の視認は容易である。さらに実施例2に示すイオンミリングの自動加工を用いれば、操作者は目的の加工位置の位置情報を予め入力しておくだけでよい。規定の時間,イオンビームを照射した後に、操作者はイオンミリング加工を終了し、電子顕微鏡下で加工面の観察分析を行うことができる。イオンミリングの終点は実施例1に示した方法により判断できる。
包埋樹脂断面に露出した金属断面は、通例では速やかに腐食,酸化されるが、高分子フィルムで保護されることで、加工位置以外の金属表面が腐食,酸化することを防止できる。このため、樹脂包埋試料の機械研磨を行ってから長期間経過した後でも、高分子フィルムで保護された断面をイオンミリング加工することで、新鮮な加工面を観察することができる。
従来のイオンミリング加工法の手順を示した説明図である。 本発明実施例のイオンミリング加工位置の視覚化法を示した説明図である。 本発明実施例によるイオンミリング加工法の手順を示した説明図である。 試料断面が露出した包埋樹脂の形態を示した説明図である。 包埋樹脂断面に薄膜を形成した形態を示した説明図である。 薄膜を形成した包埋樹脂断面にイオンビームを照射した形態を示した説明図である。 自動加工によるイオンミリングの手順を示した説明図である。 ビーム照射位置を自動的に修正するイオンミリング加工装置の説明図である。
符号の説明
1…試料、2…包埋樹脂、3…試料ホルダー、4…薄膜、5…イオンビームによる加工領域、6…イオンビーム、7…映像入力装置、8…目視確認用光学顕微鏡、9…照明装置、10…観察窓、11…真空チャンバ、12…イオンビーム軸の偏向機能を備えたイオンビーム照射装置、13…X軸試料微動装置、14…Y軸試料微動装置、15…デジタル映像装置から画像処理装置に画像を入力するケーブル、16…画像処理装置、17…画像処理装置用モニタ、18…画像処理装置からビームの偏向器に出力するケーブル、19…画像処理装置からX軸試料微動装置に出力するケーブル、20…画像処理装置からY軸試料微動装置に出力するケーブル。

Claims (10)

  1. イオンの照射方向及び/または試料の位置を操作することで、イオンを試料表面の加工目的位置に衝突させて、試料を削り取るイオンミリング加工方法において、
    前記試料のイオンの衝突個所を含む前記試料領域の表面に、薄膜を形成し、当該薄膜を形成した試料領域において、前記イオンを部分的に衝突させ、
    当該イオンの衝突位置の薄膜を削り取ることによって前記イオンの円形または楕円形の跡を生じさせ、
    前記円形または楕円形の跡の位置に基づいて前記イオンの衝突位置を識別することを特徴とするイオンミリング加工方法。
  2. 請求項1において、
    前記薄膜は、可視光線を透過する部材であることを特徴とするイオンミリング加工方法。
  3. 請求項1において、
    前記薄膜は、VIII族−IB族の遷移金属、或いはIVA族の典型非金属であることを特徴とするイオンミリング加工方法。
  4. 請求項1において、
    前記薄膜は、高分子フィルムであることを特徴とするイオンミリング加工方法。
  5. 請求項4において、
    前記高分子フィルムは、ポリエステル,ポリプロピレン,ナイロン,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,トリアセチルセルロース,ポリメタクリル酸メチル、或いは塩化ビニルであることを特徴とするイオンミリング加工方法。
  6. 請求項4において、
    前記高分子フィルムは、アンチモンドープ酸化錫あるいはIA−VIA族の金属元素を導電性顔料として含むことを特徴とするイオンミリング加工方法。
  7. 請求項1において、
    前記薄膜は、エポキシ系,アクリル系、或いはポリエステル系の樹脂であることを特徴とするイオンミリング加工方法。
  8. 請求項7において、
    前記樹脂は、アンチモンドープ酸化錫或いはIA−VIA族の金属元素を導電性顔料として含むことを特徴とするイオンミリング加工方法。
  9. イオンを試料表面に衝突させて、試料を削り取るイオンミリング加工方法において、
    予めイオンの衝突個所を含む前記試料領域の表面に形成された薄膜に前記イオンを部分的に衝突させ、当該イオンの衝突によって前記薄膜が削り取られる部分の位置を特定し、当該薄膜が削り取られる部分の位置と、前記試料上の加工目的部位が異なっている場合、前記薄膜が削り取られる部分の位置を、前記試料上の加工目的部位に位置付けるように、前記イオンの衝突位置を変更することを特徴とするイオンミリング加工方法。
  10. イオンビーム照射装置と、当該イオンビーム照射装置からイオンが照射される試料を保持する試料ホルダーを備えたイオンミリング加工装置において、
    前記イオンが照射される部分の画像を検出する映像装置と、当該光学顕微鏡によって検出される前記試料の表面に形成された薄膜が削り取られる部分の位置と、前記試料上の加工目的部位との違いを検出する画像処理装置と、
    前記薄膜が削り取られる部分の位置を、前記加工目的部位に位置付けるように、前記イオンの衝突位置を変更する偏向器、或いは試料移動装置を備えたことを特徴とするイオンミリング装置。
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