JP4694157B2 - 遮光画像付き基板及び遮光画像の製造方法、転写材料、カラーフィルター、並びに表示装置 - Google Patents

遮光画像付き基板及び遮光画像の製造方法、転写材料、カラーフィルター、並びに表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、転写材料、及びこれを用いて形成された遮光画像付き基板、カラーフィルター及びそれを用いた表示装置に関する。
特に、詳しくは、カラー液晶表示装置等に用いるカラーフィルターの表示特性向上のために、着色パターンの間隔部、周辺部分、及びTFTの外光側等に、遮光層(以下、「遮光画像」という。)を設けたカラーフィルター及びこれを用いた表示装置に関する。
本発明でいう「遮光画像」は、ブラックマトリックス(以下、「BM」ともいう。)を包含する意味で用いる。「BM」とは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、さらにTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことであり、このBMの定義は、例えば、非特許文献1に記載されている。遮光画像の例としては、有機ELディスプレー(例えば、特開2004−103507号公報)、PDPのフロントパネル(例えば、特開2003−51261号公報)、PALCではバックライトの遮光等が挙げられる。
BMは表示コントラストを向上させるため、また薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には光による電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
一方で、近年は液晶表示装置がTVへ応用されるようになってきたが、TVでは透過率が低く、かつ高い色純度カラーフィルタを使用して高輝度を得るためバックライトの輝度が高くなる傾向にあり、コントラストの低下や、周辺額縁部分の透けを防止するため、BMに高い遮光性が要求される。
更にTVは、太陽光が入射する部屋に長期間設置される事から、太陽光によるTFTの劣化が懸念され、また、(1)またODが高いことで画像の引締まり感がでること、つまりコントラストが高いこと、及び(2)外光での液晶の白さが目立たなくなることの意味でもBMに高い遮光性が要求される。
従来、BMとしてはクロム等の金属のスパッタ膜を用いたものが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。これは基板上に金属スパッタ膜を形成し、次いでその上に感光性レジスト層を塗布し、次にBM用パターンを持つフォトマスクを用いて感光性レジスト層を露光現像し、次いで金属層をエッチングし、最後に感光性レジスト層を除去するBM形成方法である。
この方法によると0.2μm程度の薄層で遮光性の高いBMを得られるが金属をエッチングするためBM製造の環境負荷が大きいという欠点がある。
製造の環境負荷の小さいBMとしてカーボンブラックやチタンブラックのような黒色顔料をポリマーバインダー中に分散したものが知られている。これは上記黒色顔料、ポリマー、モノマー、光重合開始剤などを含有する塗布液を基板上に塗布し、次にBM用パターンを持つフォトマスクを用いて塗布層を露光現像してBMを形成する方法である。
この方法では前述の金属スパッタ膜を用いる方法と異なり、環境負荷が小さい方法でBMを得ることができる。
しかしながら、カーボンブラックやチタンブラックは金属層に比べて隠蔽力が小さいので充分な遮光性(OD4以上)を持たせるためには顔料比50%で1μm以上の厚みが必要である。
1μm以上のBMの場合、段差のためこの後に設ける赤、青、緑の画素の表面が平滑にならず色むらが発生するという問題がある。色むら防止のため、赤、青、色画素を設けた後、画素表面を研磨して平滑性を確保する等の工夫がされているが、いずれの方法も非常に手間とコストがかかる。
更に、無電解メッキを用いてニッケルなどの金属を膜中に生成させるBMの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法もメッキ工程を含むので金属スパッタ膜を用いる方法と同様に、製造における環境負荷が大きい。
また、無電解メッキを用いてニッケルなどの金属の硫化物を膜中に生成させるBMの形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
この方法もメッキ工程を含むので金属スパッタ膜を用いる方法と同様に、製造における環境負荷が大きい。
また、着色層と黒層の2層構成のBMが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
この方法は、黒層を無電解メッキにより析出させた金属微粒子を含有する樹脂層で形成されている。無電解メッキで析出する金属がほぼ黒く見える事を利用した方法であり、観察者側(通常はブラックマトリックスを基板側から見る)から観察した時の黒さを補うため着色層を設けている。
しかしながら、無電解メッキにより黒を得る場合、メッキ量に上限があり、BMトータルのODは1μmあたり、4.0未満となっている。更に、無電解メッキという、環境負荷のある工程が必須となっている。
特開平5−241016号公報 特開平7−218715号公報 特開平8−146410号公報 菅野泰平著、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」、第2版、日刊工業新聞社、1996年、p.64 内田龍男、「次世代液晶ディスプレイ技術」、工業調査会、1994、p.123ページ
上記のように、従来用いられてきたクロム等のブラックマトリックスに代わる、環境負荷が小さく、薄層で、かつ高遮光性のブラックマトリックスが望まれていた。
本発明は、前述のような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、薄層で高遮光性能を有し、かつ観察者側から見た時の反射率の低い遮光画像付き基板を提供することである。
また、本発明は、薄層で高遮光性能を有し、かつ観察者側から見た時の反射率の低い遮光画像を得るための、転写材料を提供することである。
更に、本発明は、表示コントラストが高く平坦性に優れたカラーフィルター、それを用いた表示装置を提供することである。
<1> 基板と、該基板の少なくとも一方の側の、少なくとも一部に遮光画像を有する遮光画像付き基板であって、該遮光画像が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光反射層であり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光吸収層であり、前記光吸収層と前記光反射層とはこの順に前記基板側から設けられていることを特徴とする遮光画像付き基板。
<2> 前記光反射層の基板と反対の側から測定した場合の波長555nmにおける反射率が、30%〜90%であることを特徴とする上記<1>に記載の遮光画像付き基板。
<3> 前記光吸収層の波長555nmにおける透過光学濃度が、0.3〜3.0の光吸収層であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の遮光画像付き基板。
<4> 前記遮光画像の波長555nmにおける透過光学濃度が、厚さ1μmあたり4〜20の範囲であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<5> 前記遮光画像の基板側から測定した場合の波長555nmにおける反射率が、0.01〜2%であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<6> 前記遮光画像の厚さが、0.2〜0.8μmであることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<7> 前記光反射層が、金属微粒子を含有することを特徴とする、上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<8> 前記金属微粒子が銀、ニッケル、コバルト、鉄、銅、パラジウム、金、白金、スズ、亜鉛、アルミニウム、タングステン、及びチタンから成る群より選ばれた少なくとも一つで有ることを特徴とする上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<9> 前記金属微粒子が、有機金属化合物の熱還元金属微粒子を原料とすることを特徴とする上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<10> 前記金属微粒子が、焼結性粒子であることを特徴とする上記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<11> 前記光吸収層がマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化化合物、及び/又はカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<12> 前記遮光画像が、少なくとも1層の補助層を有することを特徴とする上記<1>〜<11>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<13> 前記遮光画像が、表示装置のブラックマトリックスであることを特徴とする上記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
<14> 前記光反射層が、金属微粒子と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを、少なくとも含有する感光性樹脂組成物からなる樹脂層であることを特徴とする<1>〜<13>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板
<15> 仮支持体と、少なくとも2層の樹脂層を有する転写材料であって、該樹脂層が前記仮支持体側から順に、少なくとも1層の光反射層と、少なくとも1層の光吸収層を有し、該樹脂層からなる遮光画像の形成用であることを特徴とする転写材料。
<1> 前記光反射層が、金属微粒子と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、及び光重合開始剤または光重合開始剤系とを含有することを特徴とする上記<1>に記載の転写材料。
<1> 前記光吸収層が、光吸収性物質と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを含有することを特徴とする上記<>又は<1>に記載の転写材料。
<1> 前記光反射層及び光吸収層とは別に熱可塑性樹脂層及び/または中間層を含むことを特徴とする上記<1>〜<1>のいずれか1項に記載の転写材料。
19> 前記転写材料が、表示装置のブラックマトリックスに用いられることを特徴とする上記<1>〜<1>のいずれか1項に記載の転写材料。
<2記<1>〜<14>のいずれか1項に記載の遮光画像製造に用いられることを特徴とする上記<1>〜<19>のいずれか1項に記載の転写材料。
<2> 上記<1>〜<20>のいずれか1項に記載の転写材料を用い、下記工程を含む方法で製造することを特徴とする遮光画像の製造方法。
a:仮支持体上の少なくとも2層の樹脂層を基板に転写する工程。
b:該樹脂層にパターン露光する工程。
c:パターン露光後の該樹脂層を現像し未露光部分を除去する工程。
<2> 上記<1>〜<1>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
<2> 上記<1>〜<2>のいずれか1項に記載の転写材料を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
24> 上記<21>に記載の製造方法を含む工程で製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
25> 上記<1>〜<1>のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板又は上記<2>〜<24>のいずれか1項に記載のカラーフィルターを有することを特徴とする表示装置。
本発明によれば、薄層で高遮光性能を有し、かつ観察者側から見た時の反射率の低い遮光画像付き基板を提供できる。
また、本発明によれば、薄層で高遮光性能を有し、かつ観察者側から見た時の反射率の低い遮光画像を得るための、転写材料を提供でき、更に、表示コントラストが高く平坦性に優れたカラーフィルター、それを用いた表示装置を提供できる。
本発明の遮光画像付き基板は、基板と、該基板の少なくとも一方の側の、少なくとも一部に遮光画像を有し、該遮光画像が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光反射層であり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光吸収層であり、前記光吸収層と前記光反射層とはこの順に前記基板側から設けられていることを特徴とする。
基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に、前記遮光画像を有することにより、遮光画像付き基板が薄層で高遮光性能を有し、かつ観察者側から見たとき反射率の低いものとすることができる。
以下、本発明の遮光画像付き基板について説明する。
≪遮光画像付き基板≫
本発明の遮光画像付き基板は、基板と該基板の少なくとも一方の側の少なくとも一部に少なくとも光反射層と光吸収層とをこの順に有する遮光画像を有する。
<遮光画像>
前記遮光画像は、少なくとも光反射層と光吸収層とを有するが、その他の層を有することができる。
また、該遮光画像は、前述のように液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、さらにTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のブラックマトリックスとして使用できるが、このうち液晶表示装置に使用することは特に好ましい。
基板側から測定した場合の該遮光画像の波長555nmにおける反射率としては、0.01〜2%とすることが好ましく、0.1〜1.5%とすることがより好ましく、0.7〜1.0%とすることが最も好ましい。該反射率とすることで、画像の引締まり感、外光での液晶の白さを出させない傾向がある。
該遮光画像の厚みとしては、0.2〜0.8μm、より好ましくは0.3〜0.6μm、最も好ましくは、0.4〜0.5μmの範囲である。厚みが0.2μm未満になると遮光性が低下し、厚みが0.8μmを超えるとこの後設ける赤、青、緑の画素の表面が平滑にならず色むらが発生する傾向がある。
可視光域での該遮光画像の透過光学濃度は、好ましくは3.0以上7.0以下、より好ましくは3.5以上6.5以下、最も好ましくは4以上6以下である。光学濃度が3未満になるとコントラストが低下して表示品位が低下し、またバックライトによる額縁部分の透け等の問題となる場合がある。7.0以上であると膜厚が厚くなる傾向である。
この透過光学濃度(OD)範囲を実現するためには、厚さ1μmあたり波長555nmにおける透過光学濃度(OD)が、4〜20が好ましく、4〜15がより好ましく、8〜12が最も好ましい。
前記遮光画像の場合も、一般的にカラーフィルターに要求される耐熱性、耐光性、耐薬品性、表面の平滑性、硬度などの性能が求められ、これらの要求性能については、たとえば「カラーフィルターの成膜技術とケミカルズ(渡辺 順次監修、株式会社シーエムシー、1998年発行)」の189ページ、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男著 工業調査会 1994年発行)」の117ページに記載されている。必要な性能は、従来公知のBM同様、顔料/バインダー比、バインダー種、露光や熱処理条件などで制御することができる。
(光反射層)
本発明における前記光反射層は、光を吸収するカーボンブラックや顔料と異なり、光を反射させて遮蔽することで高い遮蔽効率を実現していると考えられる層である。この高い遮蔽効率の実現により遮光画像の膜厚を薄くすることができる。
該光反射層は、前記基板上に形成し、後述の光吸収層上に形成する。
−金属微粒子−
前記光反射層は、金属微粒子を含有することが好ましく、基板側(ディスプレーとしての観察者の側)から入射した光は、光吸収層を経て漏れた光を光反射層が反射して基板側に戻すが、本発明の光反射層内部の金属微粒子の表面プラズモンによる吸収(吸収係数が10E7前後)で、反射を減らし光吸収層の厚みを薄くする機能も持たせることができる。
このように光を反射する性質と光を吸収する性質を併せ持っていることで、反射率がアルミの鏡面(可視光域で99%以上)などより低いにもかかわらず、高い遮蔽力を有すると同時に、観察者側からの光の反射をある程度押さえ、比較的薄い光吸収層とともに、観察者側からの光を実用上許容できるレベルまで反射防止できると考えられる。
さらに、本発明に用いられる金属微粒子は、粒径をある程度揃えた場合は、熱処理工程で粒子同士をある割合で融着させることができ、これらの粒子群は金属膜に近い性質となって光を反射し効率的に光を遮蔽することができる。また、粒径に分布を持たせた場合や10nm以下の超微粒子を用いた場合など、熱処理なしでもある程度の金属膜的反射を得ることが出来る。
さらに本発明では、感光性の補助層を用いてフォトリソ的方法でパターニングしても良いが、金属微粒子の表面プラズモンによる吸収に、波長依存性があることを利用して、比較的光遮蔽力の弱い波長域を露光波長として利用することで、光反射層そのものに光重合系または光分解系を含ませフォトリソ的方法でパターニングすることが可能である。
より具体的には、たとえば365nmの吸収領域を使用する光硬化システムの場合、光反射率がその付近で低いことが要求される。銀の場合は、300nm付近の反射率が50%以下となるため、365nmの吸収領域を使用する光硬化システムに好適に用いられる。
この反射特性は金属の種類により異なるので、露光波長により金属の種類を適宜選択することにより対応することができる。
本発明では、金属微粒子の含有率を光反射層中の金属微粒子の体積率(%)で規定する。
本発明で言う「金属」とは、「岩波理化学辞典(第5版、岩波書店 1998年発行)の「金属」444ページに記載されたものをいう。
本発明における金属微粒子を構成する金属はナノ粒子を形成することができる金属であることが好ましく、ナノ粒子を形成する金属としては、この中で長周期周期表(IUPAC1991)の第3属から第13属の金属が好ましい。これらのうち、銀、ニッケル、コバルト、鉄、銅、パラジウム、金、白金、スズ、亜鉛、アルミニウム、タングステン、又はチタンが好ましく、中でも、銀、金、スズ、ニッケル、又はコバルトが好ましく、とりわけ銀はコスト、安定性の点から特に好ましい。本発明における金属は、単独で用いてもまた2種以上の合金であっても良い。
前記ナノ粒子とは、基本的には100nmより小さい粒径の微粒子と定義されている。
また、銀の金属膜での反射率は、400nm付近より立ち上がり500nmでは90%以上となる。
該本発明の光反射層の反射率は、含有される金属で異なるが、可視光領域の光を用いる紫外線硬化システムの場合は、前記金属の中でも、金、銀、アルミニウムなど可視光領域で高い反射率を持つものが好適に用いられる。
本発明における金属微粒子の形状には特に制限はなく、球状(断面が円、楕円)、不定形、板状、針状、さらに正6面体や正8面体(ナノロッド、ディスク、ファイバー、リング)などの多面体でもよいが、中でも、球状が好ましい。
本発明における金属微粒子の平均粒径は、膜厚を超えない限り特に制限はないが、該金属微粒子の平均粒径は、1〜5000nmの範囲が好ましく、2〜500nmの範囲がより好ましく、2〜200nmの範囲が更に好ましい。
平均粒径が、1nmの粒子は、生成が難しく、また、金属プラズモンによる吸収が大きくなり、全体にフラットな吸収でなくなり、該平均粒径の金属微粒子を用いて作製されたカラーフィルターは、その特性上、目視で茶褐色に見える点で、好ましくない場合がある。また、5000nmを超えると粒子を分散した分散物の安定性が低下して、遮光性が悪化する場合がある。
なお、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
本発明における前記金属微粒子の体積率(%)は、「(金属体積/層体積)×100=金属体積率(%)」で求める。例えば、光反射層中の金属銀微粒子の体積率は、比重10.5として金属銀の体積を求め、光反射層の全体積で除した割合となる。
前記光反射層中の金属微粒子の体積率(%)は、金属により若干異なるが、好ましくは30から95%、より好ましくは40から94%、最も好ましくは50から93%である。体積率が30%未満になると、光反射層における必要な反射率(遮光に必要な反射率)が得られなくなり、更に、黄色味を帯びてくることがあり、90%を超えると、フォトリソ時の現像性が悪くなったり、塗布膜が脆くなりピンホール故障や傷故障が起き易くなる傾向がある。また、全体の膜厚を薄くするという狙いから、あるいは粒子同士の融着を促進する狙いからも30%〜95%が好ましい。
−金属微粒子の形成方法−
本発明における金属微粒子の形成方法には特に制限はなく、代表的な方法には以下のものがあり、いずれも用いることができる。
(1)公知の方法で作成した有機金属化合物の還元などにより、金属の粒子を形成する方法(特開平10−183207)。
(2)気相法、液相法などの金属を蒸発させる公知の方法。
その他、金属微粒子の形成方法については、例えば「超微粒子の技術と応用における最新動向II(住ベテクノリサーチ株式会社 2002年発行)」に記載されており、用いることができる。
本発明における金属微粒子としては、前記有機金属化合物の熱還元金属微粒子を原料として用いることが好ましい。ここで、本明細書において、有機金属化合物とは、金属を含有する有機化合物の総称を意味するものである。
用いられる有機金属化合物としては、特に制限されず、またいずれの市販品も使用できる。例えば、オレイン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、パラトルイル酸塩、n−デカン酸塩等の脂肪酸金属塩、イソプロポキンド、エトキシド等の金属アルコキシド、上記金属のアセチルアセトン錯塩等が挙げられる。これらの中でも、特にオレイン酸塩、パラトルイル酸塩、ステアリン酸塩、又はn−デカン酸塩等の脂肪酸金属塩、金属エトキシド、或いは金属アセテルアセトネート等がより好ましく、脂肪酸金属塩が更に好ましく、直鎖脂肪酸金属塩が特に好ましく、炭素数は通常6〜30程度、より好ましくは10〜18である。
また、有機金属化合物は、単独で又は2種以上併用することができる。有機金属化合物の金属も特に制限されず、最終製品の用途等に応じて適宜選択することができる。
有機金属化合物の金属成分としては、該有機金属化合物に由来するものであれば特に限定されないが、前記の金属微粒子を構成する金属が好ましい。
本発明における金属成分としては、これらの金属単体、これらの金属の混合物、或いはこれらの金属の合金等のあらゆる状態を包含する
有機金属化合物の金属成分については、例えばそれより得られる超微粒子を金属コーティング膜用に用いる場合は、その金属成分が多くの成分として金属コーティング膜を形成することになるので、その用途等に応じて適宜選択すれば良い。
なお、例えば昇華性があったり、急激に分解する等の特性を有する有機金属化合物であっても、昇華性を押さえるために高沸点の溶剤を加える等の工夫により有効に使用することができる。
また、本発明における金属微粒子は、例えば2種以上の金属を含む有機金属化合物を予め混合することによって合金型の超微粒子として調製することも可能である。
原料としての有機金属化合物の形態は、特に制限されず、粉末状、液状等のいずれのものであっても良い。
−焼結性粒子−
本発明における前記金属微粒子は、粒子同士がつくことによる反射率増加、粒径アップによるバルク金属の特性に近づくことによるバルク金属特性(反射率)アップのため、焼結性粒子であることが好ましい。
ここで言う「焼結性粒子」とは、粒子がナノメートル単位になることにより融点降下を引き起こして、より低い温度で、お互いの金属微粒子同士が融着するようになる現象を起こす粒子を意味する。
一般的に、粒子がナノメートル単位になることによる融点降下の現象は「久保効果」として知られている。今回用いる粒子も10nm付近の金属超微粒子は、その金属微粒子及びその表面で融点降下が起こり、お互いの金属微粒子同士が融着するようになる。
また、バルク金属の融点が高いほど、融点降下の現象が起きにくくなり不利となる。金や銀の融点が1000℃近辺なので、焼結性粒子として好適に用いることが出来る。
また、粒子同士が焼結することにより、金属内の自由電子の電子移動距離が長くなり、よリバルク的な性質に変化する(即ち、バルク金属に近づく)ため、反射率が増加するものと考えられる。
−反射率−
本発明では、目の感度のピーク波長付近の555nmでの反射率を用いる。
具体的な測定方法は、法線に対し5°傾いた方向から光を入射させ、法線と反対側の反射方向(角度、法線に対して5°)で光の強度を計測して入射強度I0と反射強度Iの比率「(I/I0)×100(%)」より計算する。但し、基板表面の反射の影響がある場合は、予め基板を測定し、基板の反射を差し引いた値を用いる。また、光反射層の反射率は、基板上に単独で形成後、基板と反対の側から測定する。
光反射層の反射率は、金属微粒子同士が電子の受け渡しができる程度に接近するか、接触するほど高くなる傾向がある。例えば、小さく揃った粒径(10nm)の物は、200℃前後の比較的低い熱処理温度でも粒子同士が融着し反射率が高くなる。また大小様々な粒径の混合物(2〜80nm)では、粒子同士が膜形成の段階で接近または接触し反射率が高い傾向がある。
本発明における光反射層の反射率は、波長555nmにおいて、好ましくは30〜90%であり、より好ましくは40%〜80%、最も好ましくは50%〜70%である。この範囲以下では、充分な遮蔽力が得られないことがあり、この範囲以上では、金属微粒子の添加量が増えすぎて、フォトリソ法によるパターニングが困難となる場合がある。
本発明における光反射層は、フォトリソ法など環境負荷の小さな方法でパターン状に形成することが好ましく、該光反射層を構成する樹脂成分を含有する感光性樹脂組成物によって形成される。この感光性樹脂成分については後述する。
(光吸収層)
本発明における光吸収層は、光吸収機能を有し、基板側から観察した時の反射を低減する役割を持つ層である。
本発明の遮光画像付き基板は、基板上に光吸収層と光反射層の樹脂層を有するが、該光吸収層を樹脂層全体の最も基板側に設けた場合は、基板と樹脂層(光吸収層)との界面での反射も抑制する。
その膜厚は、均質組成膜では0.05〜0.6μmが好ましく、さらに0.1〜0.3μmが総膜厚の観点より好ましい。
該膜厚が0.05μmより薄いと光吸収の効果がなくなるおそれがあり、0.6μmより厚いとカラーフィルター形成時に支障が生じる恐れがある。
また、透過光学濃度が0.3〜3.0の範囲であり、好ましくは0.3〜2.0であり、より好ましくは0.5〜1.2であり、特に好ましくは0.6〜1.0である。
この目的のため、本発明における光吸収層は、光吸収性物質(黒色顔料、顔料、染料等の着色材料)を含有する。
該光吸収性物質としては、カーボンブラック、顔料の混合物、又は、マンガン、コバルト、鉄、及び銅の群から選ばれる少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化化合物が挙げられ、カーボンブラック、顔料の混合物、又は、マンガン、コバルト、鉄、及び銅の群から選ばれる少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化化合物の一以上を含有することが好ましく、より好ましくはカーボンブラックと、マンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化化合物とを含有することである。カーボンブラックは、適宜表面処理して用いることができる。
本発明における光吸収層に用いられる光吸収性物質(着色材料)は、感光性の樹脂層中に実質的に均一に分散されていることが好ましく、5μm以下の粒径であることが好ましく、1μm以下の粒径であることがより好ましい。カラーフィルターの作成に当たっては、0.5μm以下の粒径のものが特に好ましい。0.01μm以下になると顔料分散性の安定性が悪くなる傾向がある。
ブラック顔料(黒顔料)もしくは染料の好適な例としては、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、マンガンやコバルトの酸化物(Mn34、Co34)、鉄や銅などの金属酸化物、チタンブラックが挙げられる。
前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル、等の公知の分散機が挙げられる。
本発明における前記光吸収層の光学濃度は、前記光反射層濃度との兼ね合いで決めることが好ましい。
光吸収層は基板側から入射した光の吸収の効果と、基板側から入射した光が光吸収層を通過した光反射層からの反射光の反射を防止させる効果と両方の効果があり、光吸収層では外光の吸収が2回行われるので、通常の単層膜よりも薄くてすむ利点がある。
通常、光吸収層の光学濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製、TD−904、ビジュアルフィルター使用)で測定したとき、3以下が好ましく、0.5〜1.2がより好ましく、0.6〜1.0が特に好ましい。
光反射層の金属微粒子体積率(濃度)を40%以上とし、更に光の反射率を555nmの範囲で40%以上とさせることにより、光吸収層の光学濃度を低く設定することが、特に好ましい形態である。
本発明における光吸収層は、フォトリソなど環境負荷の小さな方法でパターン状に形成することが好ましく、これに必要な樹脂成分を含有する感光性樹脂組成物によって形成される。この感光性樹脂成分については後述する。
なお、本発明における光吸収層を最も基板に近い側に転写法で形成する場合は、本発明における光吸収層を形成するための転写材料が、少なくとも150℃以下の温度で軟化する熱可塑性若しくは粘着性になることが好ましい。公知の光重合性組成物を用いた層の大部分はこの性質を有するが、そうでない層の一部は熱可塑性結合剤の添加あるいは相溶性の可塑剤の添加によって更に改質することができる。
本発明において、光吸収層の樹脂成分としては、例えば特開平3−282404号公報に記載の公知の感光性樹脂の全てを用いることができる。
具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂、光重合性樹脂、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも、特に好ましくは光重合性樹脂である。
該光重合性樹脂としては、光重合開始剤、光重合性モノマーおよびバインダーを基本構成要素として含む。
また、ここで述べた該光重合性樹脂は、感光性樹脂組成物を基板に直接塗布する場合にも、塗布膜が安定に基板に密着する意味で含有することが好ましい。更に、ここで述べた樹脂成分は、本発明における前記光反射層や補助層にも用いることができる。
−光吸収層と光反射層の位置関係−
光吸収層は、観察者側から見た時の反射を抑制する事が目的で形成されるため、光反対層に対して観察者側に位置するよう設けることが好ましく、基板上に、光吸収層、光反射層の順に形成させる。
(補助層)
本発明における補助層とは、以下に記述するいずれかの1以上の機能を有する層であり、耐衝撃性、耐薬品性、耐溶剤性の観点から、遮光画像層中に設けることが好ましい。
1.基板と、本発明における樹脂層(光吸収層)との間の密着力を増すために、この界面に形成される層
2,基板と本発明における樹脂層との間、または本発明における樹脂層と本発明における別の樹脂層との間、に設けられ界面での反射を防止する層
3.光反射層と光吸収層との間の密着力を増すために、この界面に設けられる層
4.本発明における樹脂層上を保護するために設けられる層
5.本発明における樹脂層をフォトリソ法によりパターニングするために設けられる層
本発明における補助層を用いた具体的な層構成の例としては、基板側より、光吸収層/光反射層/補助層、光吸収層/補助層/光反射層/補助層、補助層/光吸収層/光反射層/補助層などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
≪感光性樹脂組成物≫
本発明における光反射層、光吸収層、補助層を形成する感光性樹脂組成物について説明する。
本発明における光反射層を塗布形成する場合、光反射層用の感光性樹脂組成物を用いる。
<光反射層用の感光性樹脂組成物>
光反射層用の感光性樹脂組成物は、金属微粒子と、光重合性組成物(バインダー、モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤又は光重合開始剤系)を少なくとも含有することを特徴とする。
該感光性樹脂組成物を公知の方法により基板に塗布することにより光反射層を形成できる。また、該感光性樹脂組成物を公知の方法で仮支持体に塗布することにより、転写材料の光反射層を形成することができる。
感光性樹脂組成物に用いる光重合性組成物(以下、「光重合性樹脂組成物」又は、「感光性樹脂」ともいう。)としては、アルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害防止、労働安全性の確保の観点からアルカリ水溶液現像可能な光重合性組成物が好ましい。
以下、金属微粒子、光重合性組成物、界面活性剤について詳細に説明する。
−金属微粒子−
前記感光性樹脂組成物は金属微粒子を含有するが、該金属成分としては、前記遮光画像の項の金属と同様であり、好ましい例も同様である。
本発明の感光性樹脂組成物において、金属微粒子の粒子濃度(金属微粒子体積率%)は、0.01〜70質量%、より好ましくは0.1〜40質量%の範囲が望ましい。濃度が0.01質量%未満になると必要な粒子の塗布量を得るために使用する感光性樹脂組成物の量が多くなり、均一に塗布できない、乾燥負荷がかかるなどの問題がおきる場合がある。また濃度が70質量%を超えると感光性樹脂組成物の保存安定性が低下する場合がある。
金属微粒子の粒径としては、金属微粒子の1次粒子径がそのまま塗布液での粒径となっていることが、塗布液安定性の観点より好ましい。
−界面活性剤−
該界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の公知の界面活性剤を使用できるが、このうちアニオン系界面活性剤が安定性の観点から好ましい。
好ましいアニオン系界面活性剤の例として、ドデンルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。
界面活性剤については、例えば「新版 界面活性剤ハンドブック(吉田 時行、新藤 信一、大垣 忠義、出中 樹好編、光学図書(株)、昭和62年発行)」に記載されている。更に界面活性剤として、C815SO2N(C25)(CH2O)14H、C817SO3Li、C715COONH4、C817SO2(C25)C24OPO(OH)2、F110、F113、F176PF、F117、F780(いずれも大日本インキ化学工業(株)製オリゴマータイプフッ素系界面活性剤)などのフッ素系界面活性剤も好ましい。
該界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の全固形分量(質量)に対して、0.1〜20質量%が一般的であるが、層間密着力、泡立ち、塗布面状適性上の観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。
−光重合性組成物−
アルカリ水溶液現像可能な光重合性組成物は、バインダー、モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤を含有する。
バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。
モノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとしてあげることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、(着色)感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。また、該モノマー又はオリゴマーと、前記バインダーとの合計含有量が、全固形分に対して、30〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。尚、モノマー又はオリゴマー/バインダー比は、0.5〜1.2が好ましく、0.55〜1.1がより好ましく、0.6〜1.0が特に好ましい。
光重合開始剤としては、ハロメチルオキサジアゾール系化合物またはハロメチル−s−トリアジン系化合物を含有する組成物を挙げることができる。
本発明における光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、特に二種類以上を用いることが好ましい。また、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
露光感度が高く、黄ばみなどの着色が少なく、表示特性の良い例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤の組み合わせが挙げられ、中でも、2−トリクロロメチル5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキンカルボニルメチル)−3−プロモフェニル]−s−トリアジンの組み合わせが最も良い。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5から20/80、より好ましくは90/10から30/70、最も好ましくは80/20から60/40である。
これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載されている。
さらに、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
感光性樹脂組成物の固形分全体に占める顔料の割合が15から25質量%付近の場合、上記光重合開始剤に、クマリン系化合物を混合することによっても、同様の効果が得られる。クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最も良い。
これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、最も好ましくは40/60から60/40である。
またそれぞれの成分の好ましい含有量は、全固形分中の質量%で表すと、顔料は10〜50%、多宮能アクリレートモノマーは10〜50%、カルボン酸基含有バインダーは20〜60%、光重合開始剤は1〜20%である。ただし、本発明に使用できる光重合性組成物はこれらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
−溶媒−
本発明の感光性樹脂組成物は、溶媒を含むことが好ましい。この溶媒としては特に制限はなく、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール−N−プロピルアルコール−1−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等種々のものを用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、前記金属微粒子、光重合性組成物、界面活性剤、及び溶媒の他に、必要に応じて、その他の添加剤などを添加してもよい。
−その他の添加剤−
本発明の感光性樹脂組成物は、顔料の分散性及び安定性アップのため分散剤を添加することができる。
分散剤としては、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アクリルアミド/アクリル酸共重合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体などの公知の分散剤を使用できる。また、ステアリン酸銀のような脂肪族銀化合物も公的に用いることができる。分散剤については例えば「顔料分散技術、技術情報協会(株)1999年発行)」に記載されているものを用いることができる。
(光吸収層用感光性樹脂組成物)
光吸収層用感光性樹脂組成物は、前記光反射層用感光性樹脂組成物における金属微粒子の代わりに、着色材料を添加する以外は同様であり、好ましい成分、組成も同様である。更に、必要に応じて、熱重合開始剤又は熱重合開始剤系、熱重合防止剤等を添加することができる。
−熱重合開始剤又は熱重合開始剤系−
本発明の光吸収層用感光性樹脂組成物は、上記成分の他に、更に熱重合開始剤又は熱重合開始剤系を含むことができる。
熱重合開始剤又は熱重合開始剤系として、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル等のラジカル開始剤、n−ブチルリチウム等のアニオン重合開始剤、SnCl2 等のカチオン重合開始剤を挙げることができる。
−熱重合防止剤−
本発明の感光性樹脂層(または感光性樹脂組成物)は、上記成分の他に、更に熱重合防止剤を含むことができる。
該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、−2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、着色感光性樹脂組成物(光吸収層用感光性樹脂)の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01から1%が一般的であり、0.02から0.7%が好ましく、0.05から0.5%が特に好ましい。
(補助層用感光性樹脂組成物)
補助層用感光性樹脂組成物は、前記光反射層用の感光性樹脂組成物における金属微粒子を添加しない以外は、同様であり、好ましい成分、組成も同様である。
更に、必要に応じて、その他の添加物を加えることができる。
本発明における光吸収層、光反射層及び補助層の感光性樹脂組成物は、前述の感光性樹脂組成物の記載成分以外に、必要に応じて、更に、黒色又は黒色以外の顔料、黒色又は黒色以外の染料、重合防止剤(禁止剤)、その他の界面活性剤、などを添加することができる。
前記顔料を用いる場合には、着色感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記黒色又は黒色以外の、顔料及び染料としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・イエロー138等が挙げられる。
こうして得られた感光性樹脂組成物を塗布液として、基板や仮支持体に塗布し乾燥して、少なくとも光反射層及び光吸収層を含む感光性樹脂層が形成され、その後の工程を経て、本発明における遮光画像が形成される。
本発明において、前記感光性樹脂組成物は、前記遮光画像の製造に用いることができるが、前述のように液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部、さらにTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のブラックマトリックスとして使用でき、このうち液晶表示装置に使用することは特に好ましい。
≪転写材料≫
本発明の転写材料は、仮支持体の上に光反射層と光吸収層の少なくとも2層をこの順に有する材料である。
本発明の転写材料は、転写層(光反射層、光吸収層)の転写性や感度改良に有効との観点より、熱可塑性樹脂層、中間層を設けることが好ましい。更に、保護層(保護フィルム)、剥離層などを設けてもよい。
(仮支持体)
本発明の転写材料に用いる仮支持体としては、ポリエステル、ポリスチレン等の公知の支持体を利用できる。中でも2軸延伸したポリエチレンテレフタレートは強度、寸法安定性、耐薬品性、コストの観点から好ましい。
該仮支持体の厚みは、15〜200μm、より好ましくは30〜150μmの範囲が望ましい。厚みが大きすぎるとコスト上不利であり、厚みが小さすぎると塗布後の乾燥工程やラミネーション工程の熱により仮支持体が変形するという不都合を生じる場合がある。
また、仮支持体は、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが好ましく、そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(保護フイルム)
転写材料の該感光性樹脂層は、貯蔵の際の汚染や損傷に対して保護するために、仮支持体から最も遠い側の外側に、例えば、光吸収層上に、薄い保護フィルムを有する事が出来る。
保護フィルムは、仮支持体と同一か又は同様の材料からなっても良いが、光吸収層(光性樹脂層)から容易に分離されねばならないとの観点から、保護フィルム材料としては、シリコーン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオルエチレンシートが好ましく、中でも、ポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムが特に好ましい。
保護シートの厚みは、約5〜100μmが好ましく、特に好ましくは10〜30μmである。
(転写層)
−光反射層、光吸収層、補助層を構成する成分−
本発明の転写材料は、前記の通り、光反射層、光吸収層の少なくとも2層を有するが、更に、必要に応じてその他の層として補助層を含むことができる。
該転写層の含有成分及び添加量としては、前記感光性樹脂組成物の項の場合と同様であり、好ましい例も同様である。
こうして得られた感光性樹脂組成物を塗布液として、基板や仮支持体に塗布し乾燥して、少なくとも光反射層及び光吸収層を含む感光性樹脂層が形成され、その後の工程を経て、本発明における遮光画像が形成される。
−塗布、乾燥−
本発明の感光性樹脂組成物の塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができる。
塗布方法としては特に制限されるものではなく、例えば、特開平5−224011号公報記載のスピンコート法、特開平9−323472号公報記載のダイコート法などを用いることができる。また、例えば「コーティング工学(原崎 勇次著、朝倉書店、昭和47等発行)」に記載されている方法も用いることができる。
これらの中でも、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79168号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
これらのノズルやコーターにより、仮支持体に本発明の感光性樹脂組成物を塗布することにより、本発明の転写材料を得ることができる。
(熱可塑性樹脂層)
本発明の転写材料は、熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体.ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
これらの樹脂は、以下のように2種頬(樹脂Aと樹脂B)を混合して用いる事が好ましい。
樹脂Aとしては、重量平均分子量が5万〜50万で、且つガラス転移温度(Tg)が0〜140℃の範囲、更に好ましくは重量平均分子量が6万〜20万で、且つガラス転移温度(Tg)が30〜110℃の範囲の樹脂が好ましい。
これらの樹脂の具体例としては、特開昭63−147159号明細書に記載されたメタクリル酸−2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
樹脂Bとしては、重量平均分子量が3千〜3万で、且つガラス転移温度(Tg)が30〜170℃の範囲、更に好ましくは重量平均分子量が4千〜2万で、且つガラス転移温度(Tg)が60〜140℃の範囲の樹脂が好ましい。
好ましい具体例として、特開平5−241340号明細書に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂Aの重量平均分子量が5万未満、又はガラス転移温度(Tg)が0℃未満では、レチキュレーションの発生や、転写中に熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して仮支持体を汚染する場合がある。
また、樹脂Aの重量平均分子量が50万を越え、又はガラス転移温度(Tg)が140℃を越えるとラミネート適性が低下する場合がある。
熱可塑性樹脂の厚みは、1〜50μmが好ましく、2〜20μmの範囲がより好ましい。
厚みが1μm未満であるとラミネート適性が低下し、50μmを超えるとコスト、製造適性の観点から好ましくないことがある。
本発明における熱可塑性樹脂層の塗布液としては、この層を構成する樹脂を溶解する限り特に制限なく使用でき、例えばメチルエチルケトン、n−プロパノール、i−プロパノール等を使用できる。
(中間層<酸素遮断層>)
本発明の転写材料は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層(例えば、光反射層)の間に、塗布時の両層の層混合を防止するためのアルカリ可溶な中間層(以下、「酸素遮断層」ともいう。)を設けることが好ましい。また、この層は開始効率が上がり感度アップさせる機能も有する。
中間層を構成する樹脂としては、アルカリ可溶であれば特に制限はない。
このような樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体を挙げることができる。また、ポリエステルのように通常はアルカリ可溶性でない樹脂に、カルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合してアルカリ可溶性にした樹脂も用いることができる。
これらの中で好ましいものは、ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましく、83〜98%のものがさらに好ましい。
中間層を構成する樹脂は、2種類以上を混合して使用することが好ましく、特にポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して使用することが好ましい。両者の質量比はポリビニルピロリドン/ポリビニルアルコール=1/99〜75/25が好ましく、さらに好ましくは10/90〜50/50の範囲内である。上記質量比が1/99未満であると、中間層の面状の悪化や、中間層上に塗設する光反射層との密着不良といった問題が生じる場合がある。また、上記質量比が75/25を超えると、中間層の酸素遮断性が低下して感度が低下する場合がある。
中間層の厚みは、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜3μmの範囲内がさらに好ましい。上記厚みが0.1μm未満であると酸素遮断性が低下する場合があり、上記厚みが5μmを超えると現像時の中間層除去時間が増大してしまう。
中間層の塗布溶媒としては、上記の樹脂を溶解することができれば特にその他の限定はないが、水を用いるのが好ましく、水に水混和性有機溶剤(例えば、アルコール類、類等)を混合した混合溶媒も好ましい。
中間層の塗布溶媒として好ましい具体例としては、次のようなものがある。水、水/メタノール=90/10、水/メタノール70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5(質量比)である。
(感光性樹脂転写材料の作製方法)
本発明の感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に前記熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層(感光性樹脂層塗布液)を中間層を溶解しない溶剤からなる感光性樹脂層用塗布液で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層(光吸収層、光反射層)を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。
また、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フィルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
本発明の転写材料は、種々の用途に用いることができるが、中でも前記遮光画像、後述の表示装置のブラックマトリックスの作成、後述のカラーフィルターに好適に用いられる。
≪遮光画像の製造方法≫
<転写材料を用いた遮光画像の製造方法>
本発明の転写材料を基板に転写する方法について述べる。
(転写)
転写は、仮支持体上の少なくとも2層の樹脂層(光吸収層、光反射層)を基板を密着させてラミネートする方法が好ましい。
ラミネートは公知の方法を用いることができる。例えば、ラミネーター、真空ラミネーターなどを使い60〜150℃の温度、0.2〜20Kg/cm2の圧力、0.05〜10m/分のライン速度の範囲で行うことができる。本発明ではラミネートの後、仮支持体を剥離することが好ましい。
(他の色の形成)
また、本発明によりカラーフィルタを形成するには、基板上に黒色以外の着色材料を有する感光性樹脂層を形成し露光して現像することを、色の数だけ繰り返す方法など、公知の方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界を遮光画像で区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)着色材料を含有する感光性樹脂組成物を公知の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
−ラミネーターによる貼り付け−
前述の感光性樹脂転写材料を用い、フイルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に、加熱及び/又は加圧したローラー、又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。
具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
(基板)
本発明に使用される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。
該カップリング処理としては、特開2000−39033記載の方法が好適に用いられる。
(露光)
本発明における遮光画像作成における露光は、感光性樹脂層(光反射層)上に更に酸素遮断機能のある中間層を設けた状態で露光することが好ましく、これにより、露光感度をアップすることができる。
露光に使用される光源は、遮光性の転写層(光吸収層、光反射層)の感光性に応じて選択される。例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザー等の公知の光源を使用することができる。特開平6−59119号公報に記載のように、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用しても良い。
露光方法は、基板全面を1回で露光する一括露光でもよいし、また、基板を分割して何回かに分けて露光する分割露光でもよい。更に、レーザーを用いて基板表面をスキャンしながら行う露光方法も用いることができる。また、画像パターンを有する石英露光マスク等の露光マスクを用いることが好ましい。
(現像)
現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いても良い。
適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類(例、テトラメチルアンモニウムヒドロキンド)または燐酸三ナトリウムを挙げることができる。
アルカリ性物質の濃度は、0.01質量%〜30質量%であり、pHは8〜14が好ましい。
また、転写層(光吸収層・光反射層)の酸化等の性質に応じて、例えば、現像液のpH等を変化させて、本発明の膜状脱離による現像を行なえるように調整することができる。
上記水と混和性のある好適な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1〜30質量%が一般的である。
現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
現像液は、溶液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。転写層の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去するには、現像液中に回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧した際の噴霧圧を利用する方法が好ましい。
現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が好ましい。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能である。
熱可塑性樹脂層の処理液と感光性樹脂層の現像液が周一である必要はなく、処方が異なっていても良い。
(ベーク)
現像工程の後、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。この処理により、露光により硬化した感光性樹脂層(遮光層)を加熱して硬化を進め、耐溶剤性や耐アルカリ性を高めることができる。
加熱方法は、現像後の基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する方法、赤外線ランプで加熱する方法などが挙げられる。加熱温度や加熱時間は、感光性樹脂層(遮光層)の組成や厚みによるが、120℃〜250℃で10〜300分間、より好ましくは180〜240℃で30〜200分間の範囲が好ましい。
(ポスト露光)
また、現像工程の後、加熱処理をする前に、硬化促進のため露光を行ってもよい。この露光も前述の1回目の露光と同様の方法で行うことができる。
(パターニング)
本発明では、画素の形状を得ることをパターニングと呼び、感光性樹脂層を露光、現像により行われる。このようなパターニング方法は、フォトリソグラフィーまたはフォトリソ法と呼ぶ。
<感光性樹脂組成物を用いた遮光画像の製造方法>
本発明の前記感光性樹脂組成物を用いた遮光画像の製造方法について述べる。
まず、前記光吸収層用の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥し、更に、光反射層の感光性樹脂組成物を前記光吸収層上に塗布して、少なくとも2層の樹脂層(光吸収層、光反射層)を形成する。続いて、該樹脂層に露光マスクを用いて画像パターン露光をする。画像パターン露光後の樹脂層を現像して未露光部分を除去して遮光画像を基板上に形成する。
ここで、基板、露光、現像等については、前記転写材料を用いた場合に記載した内容と同様である。また、塗布、乾燥については、転写材料の作製方法における条件等を採用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物は、目的に応じて種々の用途に用いられるが、好適には前記遮光画像、前記遮光画像付き基板、前記転写材料、後述のカラーフィルター、及び表示装置におけるBMに用いられる。
≪カラーフィルター≫)
本発明のカラーフィルターは、前記遮光画像付き基板に、更に2色以上の色を呈する画素群、例えば赤、青及が緑色の画素群、を設けたものである。
画素群の形成方法には、特に制限はない。フォトリソ法、エッチング法、印刷法などの公知の方法を用いることができる。これらの方法についてはたとえば「カラーフィルターの成膜技術とケミカルズ(渡辺 順次監修、株式会社シーエムシー、1998年発行)」に記載されている。
これらの方法のうちフォトリソ法は好ましい。具体的な方法としては次のようなものがある。
第一は、顔料や染料を含有する感光性樹脂組成物(レジスト液)を用いる方法である。
まず、感光性樹脂組成物(レジスト液)を基板に塗布、乾燥した後、フォトマスクを介して露光してから現像する操作を、目的の色相数の数だけ繰り返して、カラーフイルターを作成する。
第二は、顔料や染料を含有する感光性樹脂層(転写層)を有する転写材料を用いる方法である。
この方法ではまず、転写材料を基板にラミネートした後フォトマスクを介して露光してから現像する操作を、目的の色相数の数だけ繰り返して、カラーフィルターを作成する。
本発明のカラーフィルターの画素群の配置方法(RGB画素パターン)には特に制限はなく、ストライプ型、ブロック型、市松型などの配置方法を用いることができる。また、該画素の形成方法は、凹凸の形状であるTFT型にも使用できる。これらの配置方法については、例えば前述の「カラーフィルターの成膜技術とケミカルズ(渡辺 順次監修、株式会社シーエムシー、1998年発行)」の14ページに記載されている。
本発明のカラーフィルターの色度域についても、従来のカラーフィルターと同様である。色度域およびこれに関係するバックライトについても例えば前述の「カラーフィルターの成膜技術とケミカルズ(渡辺 順次監修、株式会社シーエムシー、1998年発行)」の15ページに記載されている。
本発明のカラーフィルターの場合も、遮光画像のところで述べた耐熱性、耐光性、耐薬品性、表面の平滑性、硬度などの性能が必要である。
本発明のカラーフィルターの作製の具体例としては、特願2003−113610号明細書、特願2003−113611号明細書、特願2004−113612号明細書、特願2004−30854号明細書、特願2003−393838号明細書、特願2004−105200号明細書、特願2003−27154号明細書、特願2003−177759号明細書に記載されているものの中から選ぶことができる。
(表示装置)
本発明の表示装置としては、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。
表示装置の定義や各表示装置の説明は、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、隅工業調査会 1990毎発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順幸著、産業図書側 平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置は、前記カラーフィルターを有する表示装置であり、その中でも、液晶表示装置であることが特に好ましい。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、側工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明の表示装置(液晶表示装置)には特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらの中でも、特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。
カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
本発明の表示装置は、前記カラーフイルター以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ.視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどさまざまな部材から一般的に構成される。本発明における遮光画像はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉 (株)富士キメラ総研 2003等発行)」に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、及びR−OCB等が挙げられる。
本発明の遮光画像付き基板は、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限無く適用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
≪遮光画像付き基板の作製≫
<転写材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、乾燥厚みが5μmになるように下記の処方H1からなる熱可塑性樹脂層塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
次に、下記処方P1から成る中間層塗布液を上記で作製した熱可塑性樹脂層の上に乾燥厚みが1.5μmになるようにスリットコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
さらに、下記処方A1より得られる金属微粒子を内部に含有する光反射層塗布液を光学濃度が3.4になるようにスリットコーターを用いて上記で作製した中間層の上に塗布して、さらにその上に下記処方B1より得られる光吸収層塗布液を光学濃度が0.6となるようにスリットコーターを用いて塗布を行い、100℃で3分間乾燥した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層、中間層(酸素遮断膜)、光反射層と光吸収層が一体となったフィルムを作成し、その上に保護フイルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着させ、転写材料とした。
(H1:熱可塑性樹脂層塗布液処方)
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(共重合体組成比<モル比>54/12/5/29、重量平均分子量80000) 58部
スチレン/アクリル酸(70/30の共重合体、重量平均分子量7000) 136部
BPE−500(新中村化学(株)製、多官能アクリレート) 90部
F780F(大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤30%の2−ブタノン溶液) 1部
メチルエチルケトン 541部
1−メトキシ−2−プロパノール 63部
メチルアルコール 111部
(P1:中間層塗布液処方)
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA205) 3.0部
ポリビニルピロリドン(GAFコーポレーション(株)裂 PVK30) 1.5部
蒸留水 50.5部
メチルアルコール 45.0部
(A1:光反射層塗布液処方)
A液* 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA(日本化薬社製)、76%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液) 0.19部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート(0.2%トルエン希釈溶液) 0.1部
F780F(大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤20%)の0.2%トルエン希釈溶液 0.14部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比=60/40、数平均分子量35000)(2.5%MEK希釈溶液) 0.4部
*A液は、ステアリン酸銀を熱還元して得られた銀粒子濃度30%の銀粒子含有のへプタン分散物(平均粒径30nm、分布5nm〜50nm、大研化学工業株式会社製NAG−09)に、トルエンを4倍量加えて30分間撹拌したものである。このときのA1光反射層塗布液の固形分に対する金属銀の占める体積(率)は60%である。
(B1:光吸収層塗布液処方)
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27、粘度=0.12、重量平均分子量38000) 37.9部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 29.1部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 1.7部
カーボンブラック(黒色)(NIPX35、デグサ社製) 30.1部
メチルセロソルブアセテート 560部
メチルエチルケトン 280部
<転写材料を用いた転写による遮光画像付き基板の作成(転写法)>
上記で得られた転写材料の保護層を剥離した後、転写材料の光吸収層がガラス基板(厚さ1.1mm)と接するように、ガラス基板と重ね合わせ、ラミネーター(大阪ラミネーター(株)製VP−II)を用いて圧力0.8Pa、温度130℃で貼り合わせた。次いで、ポリエチレンテレフタレート仮支持体を剥離した。
続いて、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング製)で、マスク(画像パターンを有す石英露光マスク)と該マスク側が前記熱可塑性樹脂層となるようにガラス基板とを並行に垂直に立てた状態で、該露光マスク面と該感光性樹脂層(光吸収層/光反射層)の間の距離を200μmに設定し、塗布面側から露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
水にトリエタノールアミン系現像液にて30℃58秒、フラットノズル圧力6.15/0.02MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂と中間層とを除去した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、光反射層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ社製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。
引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、遮光画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理して、遮光画像付き基板を得た。ブラックマトリックスパターンは、画面サイズ10インチで、画素数は480×640であった。また、ブラックマトリックス幅は、24μmで画素部の開口は86μm×304μmであった。
<スリット状ノズルを用いた塗布法による遮光画像付き基板の作製>
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水中で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用ローター(エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)にて、前記光吸収層塗布液B1を塗布して、該当する光吸収層を作製した。
引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして、さらに前記光反射層塗布液A1を前記光吸収層塗布液B1と同様に行なって光反射層を形成し、感光性樹脂基板を作成した。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層(光反射層)の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm 2 でパターン露光し、遮光パターン画像を得た。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層(光反射層)の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、遮光画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理して、遮光画像付き基板を得た。遮光画像の膜厚は0.46μmであった。
[実施例2]
実施例1(転写法)において、光吸収層の光学濃度を1.2になるように膜厚を変更した以外は同じ処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例3]
実施例1(転写法)において、光反射層のバインダー、モノマー、開始剤を含まない処方に変更することにより、光反射層作製における処方A1の金属体積率を90%に変更した以外は同じ処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例4]
実施例1(塗布法)において、熱可塑性樹脂層を形成せずに、直接ガラス基板上に処方B1からなる光吸収層を塗布し、その上に処方A1からなる光反射層を塗布し、さらにその上に処方Ρ1からなる酸素遮断層を形成する方法で遮光画像付き基板を作製した。塗布方法として、下記スリット&スピンコーター法を用いた。
−スリット&スピンコーターを用いる塗布方法−
まず、スリットノズルから上記処方B1の塗布液をガラス基板に塗布した後、このガラス基板を回転させて膜厚を均一にし、乾燥して塗布層の流動性を無くした後、不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして光吸収層を形成した。
続いて、上記処方A1から成る光反射層塗布液を上記で作製した光吸収層の上に乾燥厚みが0.20μmになるようにスリット&スピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
更に、続いて、上記処方P1から成る酸素遮断層塗布液を上記で作製した光吸収層の上に乾燥厚みが1.6μmになるようにスリット&スピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させた。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層(光反射層)の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm 2 でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層(光反射層)の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、遮光画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理して、遮光画像付き基板を得た。このときの光吸収層の膜厚は0.26μmで、光反射層の膜厚は0.2μmであった。
[実施例5]
実施例1(転写法)において、光吸収層作製における処方B1の顔料カーボンブラック(黒色)をナノテックMn酸化物(シーアイ化成株式会社製)に変更した以外は同じ処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例6]
実施例1(転写法)において、中間層塗布液を塗布しない以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例7]
実施例1(転写法)において、作製された遮光画像付き基板に、下記処方B2からなる補助層用塗布液を12μmポリプロピレンフィルム上にスリットコーターを用いて塗布し光学濃度が0.6となるように膜厚を調整し100℃で3分間乾燥した膜を、ラミネーターを用いて貼り合わせた。
続いて、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該補助層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm 2 でパターン露光し、パターン画像を得た。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該パターン画像の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像した。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、引き続き、220℃で30分間熱処理して、補助層付き遮光画像付き基板を作製した。
(B2:補助層用塗布液処方)
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27、粘度=0.12) 37.9部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 29.1部
ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート 1.7部
カーボンブラック(黒色) 30.1部
メチルセロソルブアセテート 560部
メチルエチルケトン 280部
[実施例8]
実施例1(転写法)において、前記実施例3記載の方法と同様にして処方A1からなる光反射層の金属体積率を90%とし、光学濃度が4.4になるように膜厚を変更した以外は、同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例9]
実施例1(転写法)において、処方A1の大研化学製NAG−09をAgナノメタルインクAg1T(真空冶金(株)製、30wt%、平均粒径5nm、分布2〜10nm)に変更した。また、銀層単独のベーク前は黄褐色をしており、ベーク後に銀鏡が発生するため反射率はベーク後に測定した。それ以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[比較例l]
実施例1(転写法)において、光反射層を作製しない以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[比較例2]
実施例1(転写法)において、光吸収層を作製しない以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
[実施例10]
実施例1(転写法)において、処方B1からなる光吸収層の光学濃度が3.2になるよう膜厚を変更し、処方A1からなる光反射層の金属体積率を20%、光学濃度が0.8になるよう膜厚を変更した以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
前記金属体積率は、バインダー、モノマー、開始剤の比率が一定になるように実施例1と同様の方法で調整した。
[実施例11]
実施例1(転写法)において、処方B1からなる光吸収層の光学濃度が0.2になるよう膜厚を変更し、処方A1からなる光反射層の金属体積率を70%、光学濃度が3.4になるよう膜厚を変更した以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
前記金属体積率は、バインダー、モノマー、開始剤の比率が一定になるように実施例1と同様の方法で調整した。
[実施例12]
実施例1(転写法)において、処方B1からなる光吸収層の光学濃度が3.2になるよう膜厚を変更し、処方A1からなる光反射層の金属体積率を20%、光学濃度が3.4になるよう膜厚を変更した以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
前記金属体積率は、バインダー、モノマー、開始剤の比率が一定になるように実施例1と同様の方法で調整した。
[実施例13]
実施例1(転写法)において、処方B1からなる光吸収層の光学濃度が3.2になるよう膜厚を変更し、処方A1からなる光反射層の金属体積率を10%、光学濃度が3.4になるよう膜厚を変更した以外は同様の処方、工程で遮光画像付き基板を作製した。
前記金属体積率は、バインダー、モノマー、開始剤の比率が一定になるように実施例1と同様の方法で調整した。
≪評価≫
上記により得られた実施例及び比較例のサンプルについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<膜厚測定>
膜厚は非接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて、ベーク後の形成されたそれぞれの画像について測定した。
<透過光学濃度測定>
ベーク後の膜の光学濃度は以下の方法で測定した。
ガラス基板上に塗設された微粒子含有層(光反射層)の透過光学濃度を分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途ガラス基板の透過光学濃度を同様の方法で測定した(OD0)。ODからOD0を差し引いた値を膜の透過光学濃度とした。
また、同様の方法で光吸収層の透過光学濃度も測定した。全体の透過光学濃度(光吸収層+光反射層)はベーク後、同様に測定した。
<色調測定>
試料をガラス基板側(塗布膜の形成されている面の反対側)から室内蛍光灯下で目視観察した。
<反射率測定>
スペクトロフォトメーターV−560(日本分光(株)製)と組み合わせた、絶対反射率測定装置ARV−474(日本分光(株)製)を用いて、全体の基板の反射率はガラス基板側(塗布膜の形成されている面の反対側)の絶対反射率を測定した。また、光反射層の反射率は、基板の反対側(塗布膜の形成されている面側)の絶対反射率を測定した。
測定角度は、垂直方向から5度、波長は555nmである。
<金属微粒子>
−銀体積率測定−
銀体積率は、銀の比重を10.5として計算し、(銀体積/全体体積)*100=銀体積率(%)で計算をおこなった。
−燒結性測定−
実施例1〜8、実施例9、及び12、比較例2についての金属微粒子を、TEM(JEM−2010)(倍率200000倍)(日本電子(株)製)を用いて観察したところ、粒子同士がくっつきあい/又は大粒子に変化していることが認められ焼結性を確認した。
Figure 0004694157
Figure 0004694157
表1及び2の結果から明らかなように、実施例1〜10は遮光画像付きの基板の光学濃度が4.0以上、反射率が1%以下と遮光画像基板としては極めて優れたものであった。特に、実施例8は基板側の波長555nmにおける反射率が1%以下、単位膜厚当たりの光学濃度が11.9と良好であった。
一方比較例は、実施例と同等の光学濃度を得ようとすると、比較例1においては、膜厚が大きくなり、比較例2においては基板側からの反射率が著しく高く不良であった。
[実施例14]
≪カラーフィルター、及び液晶表示装置の作製≫
実施例1で作製した遮光画像つき基板上に、下記表3の処方を有する赤色(R層用)の感光性樹脂組成物を該遮光画像付き基板の光吸収層上にスリットコーターにて塗布し、100℃、3分間で乾燥させた。
続いて、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm 2 でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムアーチ)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、引き続き、220℃で30分間熱処理して、赤色パターン画像を形成した。
更に、前記赤色(R層用)の感光性樹脂組成物の代わりに、下記表3の緑色(G層用)の感光性樹脂組成物を用いる以外は、前記赤色パターン画像の作成方法と同様な作業を繰り返し、前記赤色パターン画像上に緑色(G層用)パターン画像を作成した。
続いて、前記赤色(R層用)の感光性樹脂組成物の代わりに、下記表3の青色(B層用)の感光性樹脂組成物を用いる以外は、前記赤色パターン画像作成方法と同様な作業を再度繰り返しして、前記緑色パターン画像上に青色(B層用)パターン画像を作成して、本発明の遮光画像を有するカラーフィルターを形成した。前記各着色画像の乾燥膜厚は、それぞれ2μmであった。
Figure 0004694157
上記より得られたカラーフィルターは画素の欠落がなく、下地との密着性が良好で、更に汚れも無かった。
このカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製したところ表示コントラストは十分満足のいくものであった。

Claims (25)

  1. 基板と、該基板の少なくとも一方の側の、少なくとも一部に遮光画像を有する遮光画像付き基板であって、該遮光画像が、少なくとも2層の樹脂層からなり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光反射層であり、該樹脂層のうちの少なくとも1層が光吸収層であり、前記光吸収層と前記光反射層とはこの順に前記基板側から設けられていることを特徴とする遮光画像付き基板。
  2. 前記光反射層の基板と反対の側から測定した場合の波長555nmにおける反射率が、30%〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の遮光画像付き基板。
  3. 前記光吸収層の波長555nmにおける透過光学濃度が、0.3〜3.0の光吸収層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光画像付き基板。
  4. 前記遮光画像の波長555nmにおける透過光学濃度が、厚さ1μmあたり4〜20の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  5. 前記遮光画像の基板側から測定した場合の波長555nmにおける反射率が、0.01〜2%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  6. 前記遮光画像の厚さが、0.2〜0.8μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  7. 前記光反射層が、金属微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  8. 前記金属微粒子が銀、ニッケル、コバルト、鉄、銅、パラジウム、金、白金、スズ、亜鉛、アルミニウム、タングステン、及びチタンから成る群より選ばれた少なくとも一つで有ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  9. 前記金属微粒子が、有機金属化合物の熱還元金属微粒子を原料とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  10. 前記金属微粒子が、焼結性粒子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  11. 前記光吸収層がマンガン、コバルト、鉄、銅の少なくとも一種類の金属元素を含有する酸化化合物、及び/又はカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  12. 前記遮光画像が、少なくとも1層の補助層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  13. 前記遮光画像が、表示装置のブラックマトリックスであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  14. 前記光反射層が、金属微粒子と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを、少なくとも含有する感光性樹脂組成物からなる樹脂層であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板。
  15. 仮支持体と、少なくとも2層の樹脂層を有する転写材料であって、該樹脂層が前記仮支持体側から順に、少なくとも1層の光反射層と、少なくとも1層の光吸収層を有し、該樹脂層からなる遮光画像の形成用であることを特徴とする転写材料。
  16. 前記光反射層が、金属微粒子と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、及び光重合開始剤または光重合開始剤系とを含有することを特徴とする請求項15に記載の転写材料。
  17. 前記光吸収層が、光吸収性物質と、バインダーと、モノマーまたはオリゴマーと、光重合開始剤または光重合開始剤系とを含有することを特徴とする請求項15又は16に記載の転写材料。
  18. 前記光反射層及び光吸収層とは別に熱可塑性樹脂層及び/または中間層を含むことを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の転写材料。
  19. 前記転写材料が、表示装置のブラックマトリックスに用いられることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の転写材料。
  20. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の遮光画像製造に用いられることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の転写材料。
  21. 請求項15〜20のいずれか1項に記載の転写材料を用い、下記工程を含む方法で製造することを特徴とする遮光画像の製造方法。
    a:仮支持体上の少なくとも2層の樹脂層を基板に転写する工程。
    b:該樹脂層にパターン露光する工程。
    c:パターン露光後の該樹脂層を現像し未露光部分を除去する工程。
  22. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
  23. 請求項15〜20のいずれか1項に記載の転写材料を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
  24. 請求項21に記載の製造方法を含む工程で製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
  25. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の遮光画像付き基板又は請求項22〜24のいずれか1項に記載のカラーフィルターを有することを特徴とする表示装置。
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