JP4693378B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、フレキシブルプリント回路基板等の電気配線回路基板に用いられる金属積層基板と、その製造方法に関する。
従来、基板上に金属薄膜を形成する方法には、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、メッキ法、金属ペースト法等が知られていた。真空蒸着法、スパッタ法、CVD法は、いずれも高価な真空装置を必要とし、いずれも成膜速度が遅いという問題がある。
メッキ法によると、導電性を有する基材の上に、比較的容易に金属薄膜を形成することが可能であるが、絶縁基材の上に形成する場合には、導電層をはじめに形成する必要があるため、そのプロセスは煩雑なものになるという問題がある。また、メッキ法は溶液中での反応を利用するため、大量の廃液が副生し、この廃液処理に多大な手間とコストがかかるという問題がある。
金属ペースト法は、金属フィラーを分散させた溶液を基材上に塗布し、加熱処理して金属薄膜を得る方法である。この方法によると、真空装置等の特別な装置を必要とせず、プロセスが簡易であるという利点を有するが、金属フィラーを溶融するには、通常、1000℃以上の高温を必要とする。したがって、基材はセラミック基材等の耐熱性を有する基材に限られ、また、基材が熱で損傷したり、加熱により生じた残留応力により基材が損傷を受けやすいという問題もある。また、得られる金属薄膜の基板への密着性も充分ではなかった。
一方、金属フィラーの粒径を低減することによって、金属ペーストの焼成温度を低減するという技術は公知であり、例えば、特許文献1には、粒径100nm以下の金属微粒子を分散した分散体を用いて金属薄膜を形成する方法が開示されている。しかしながら、ここで必要となる100nm以下の金属粒子の製造方法は、低圧雰囲気で揮発した金属蒸気を急速冷却する方法であるために、大量生産が難しく、したがって、金属フィラーのコストが高くなるという問題を有している。
一方、金属酸化物フィラーを分散させた金属酸化物ペーストを用いて、金属薄膜を形成する方法も知られている。特許文献2には、結晶性高分子を含み、粒径300nm以下の金属酸化物を分散させた金属酸化物ペーストを加熱し、結晶性高分子を分解させて金属薄膜を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法では、300nm以下の金属酸化物を結晶性高分子中にあらかじめ分散させる必要があり、非常な手間を必要とするのに加えて、結晶性高分子を分解するのに400℃〜900℃の高温を必要とする。したがって、使用可能な基材は、その温度以上の耐熱性を必要とし、その種類に制限があるという問題がある。また、得られる金属薄膜の基板への密着性も充分ではなかった。
これらの課題を解決する金属薄膜の製造方法として、すでに本出願人は、安価な金属酸化物フィラーを分散させた分散体を基材上に塗布し、比較的低温での加熱処理によって金属薄膜を得るという方法を開示している(特許文献3)。この技術によって基板上に密着性が高く、薄い銅等の金属薄膜を容易に形成することが可能であり、ポリイミドフィルム等の上に銅膜を形成して、フレキシブル回路基板材料としても使用することが可能であるが、さらなる密着性の改善が求められていた。
特許第2561537号明細書 特開平5−98195号公報 国際特許公開公報WO03−051562
本発明の課題は、従来の金属薄膜と同等程度の導電性を有し、かつ基板との密着性の高い積層体と、その製造方法を提供することである。本発明の他の目的は、高温を必要としないで基板上に金属薄膜を形成する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有するものである。
[1]絶縁基板と、絶縁基板上に形成されたイミド結合および/またはアミド結合を有す る絶縁性樹脂層と、絶縁性樹脂層上に形成された粒子径200nm以下の金属微粒 子が互いに融着した構造を有する金属薄膜とからなる積層体。
[2]絶縁基板上に、イミド結合および/またはアミド結合を形成する絶縁性樹脂前駆体 を塗布し、次いで前駆体の一部をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶 縁性樹脂に転化する工程(1)と、前記絶縁性樹脂層の上に、一次粒子径が200 nm以下で、加熱処理によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分 散体を塗布し、加熱処理することによって、金属薄膜を形成すると共に、未転化の 絶縁性樹脂前駆体をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転 化する工程(2)とを含む積層体の製造方法。
[3]工程(1)の絶縁性樹脂前駆体のイミド結合および/またはアミド結合への転化率 が、70%以上100%未満である上記[2]に記載の積層体の製造方法。
[4]工程(2)の加熱処理を、絶縁性樹脂のTg以上の温度で行う上記[2]に記載の 積層体の製造方法。
[5]金属薄膜前駆体微粒子が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒 子からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[2]に記載の積層体の製造 方法。
[6]金属薄膜前駆体微粒子が酸化第一銅微粒子である上記[5]に記載の積層体の製造 方法。
[7]分散体が、多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含む 上記[2]に記載の積層体の製造方法。
本発明の積層体は、導電性が従来の金属薄膜と同等程度に高く、かつ金属薄膜と基板との密着性が高い。また、本発明によると、金属の膜厚を任意にコントロールすることができ、薄膜の金属膜も容易に形成できるので、フレキシブル回路基板材料等として好適に使用することが可能である。さらに、基板上に金属薄膜を形成する際の、従来技術における前記の問題点が解決される。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体に用いられる絶縁基板は、有機材料および無機材料のいずれでもよいが、金属薄膜を形成する際に加熱処理を行うことから、耐熱性のものが好ましい。例えば、鉄、銅、アルミニウム等の金属、ポリイミドフィルム等の耐熱性樹脂、ガラス等が好適に用いられる。これら絶縁基板は、通常、電気配線回路基板に用いられている程度の絶縁性を有するものであればよく、好ましくは、表面抵抗値として1013Ωcm以上を有するものが用いられる。
本発明で、絶縁基板として特に好適に使用されるポリイミドフイルムは、ピロメリット酸又はピロメリット酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもので、例えば、カプトン(登録商標、東レ・デュポン株式会社製)、アピカル(登録商標、鐘淵化学株式会社製)等、ビフェニルテトラカルボン酸又はビフェニルテトラカルボン酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもので、例えば、ユーピレックス(登録商標、宇部興産株式会社製)等である。ポリイミドフイルムの膜厚は限定されないが、通常、25〜100μm程度のものを用途に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明では、このような基板をそのまま用いてもよいが、上に形成する絶縁性樹脂層との接着性を向上させるために、脱脂処理、酸又はアルカリによる化学処理、熱処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等、通常知られている表面処理を行なってもよい。
本発明では、上記基板上に、イミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂層が形成され、さらにその上に粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜が積層される。
絶縁性樹脂層を有するイミド結合および/またはアミド結合を有する樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が例示できる。
ポリイミド樹脂とは、イミド結合を有する樹脂であって、通常は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを縮合させることによって得られる。テトラカルボン酸二無水物成分としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パーフルオロプロパン、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド、(シクロペンタン)テトラカルボン酸二無水物、(アルキル置換シクロブタン)テトラカルボン酸無水物、トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物等が用いられ、このようなテトラカルボン酸無水物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ジアミン成分としては、 4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'- ジアミノベンゾフェノン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ) フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ) フェニル)スルホン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、 4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス(4-(4−アミノフェノキシ)フェニル)パーフルオロプロパン等の芳香族ジアミンが好適に用いられる。
このような芳香族ジアミンは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。また、エチレンジアミン等の脂肪族ジアミンや、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等のシリコン系ジアミンを一部併用して用いてもよい。
本発明のポリイミド樹脂の生成反応は、通常、有機溶媒中で実施する。この反応に用いる有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N−メチルカプロラクタム、プチロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオキサン、p−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス2−(2−メトキシエトキシ)エチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ピリジン、ピコリン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いることもできる。
ポリイミド樹脂をこれら溶媒に溶解したポリイミドワニスには、表面平滑性を出すための平滑剤、レベリング材、脱泡剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。また、溶剤の蒸発速度を調節するために、均一に溶解する範囲で芳香族炭化水素系溶媒を使用することもできる。
ポリアミド樹脂とは、アミド結合を有する樹脂である。ジカルボン酸またはジカルボン酸のハロゲン化物成分とジアミン成分を縮合させることによって得られる。また、アミド結合と、イミド結合を共に有するポリアミドイミド樹脂も使用可能である。
本発明の絶縁性樹脂層の形成は、絶縁基板上に、イミド結合および/またはアミド結合を形成する絶縁性樹脂前駆体を塗布し、次いでこの前駆体をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転化することによって行う。絶縁性樹脂前駆体とは、縮合反応によるイミド結合またはアミド結合への転化が完了していない状態の化合物であり、例えば、ポリイミド樹脂を絶縁性樹脂として用いる場合には、その前駆体であるポリアミック酸溶液等が挙げられる。絶縁性樹脂前駆体の塗布方法としては、ディップコート、バーコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート等が適宜選択されればよく、限定されるものではない。
本発明の絶縁性樹脂前駆体のイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂への転化は、次の2工程を含む方法によって行う。すなわち、絶縁基板上に塗布した絶縁性樹脂前駆体の一部をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転化する工程(1)と、前記絶縁性樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱処理によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、金属薄膜を形成すると共に、未転化の絶縁性樹脂前駆体をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転化する工程(2)とを含む方法によって行う。本発明によると、工程(1)および工程(2)の組み合わせにより、絶縁性樹脂層と金属薄膜との接着性が著しく向上する。
特に、工程(1)で、イミド結合および/またはアミド結合への転化率(R1)が、70%以上100%未満になるように調整することが好ましい。転化率をこのように調整することにより、絶縁性樹脂層と金属薄膜との接着性がさらに向上する。
ここで、イミド結合および/またはアミド結合への転化率(イミド化転化率)とは、絶縁性樹脂層中のイミド結合またはアミド結合を形成する縮合性官能基のうち、縮合している割合を表す指標である。すべての縮合性官能基が縮合し、イミド結合またはアミド結合に転化した場合を転化率100%と定義する。通常、この転化率は、硬化処理後のイミド結合またはアミド結合の量を赤外線吸収測定などの手法により測定することにより、見積もることが可能である。例えば、縮合によりイミド結合が得られる場合には、1780cm−1付近のイミド基の赤外線吸収ピークの相対強度を測定し、転化率100%のサンプルと比較することにより見積もることができる。
R1が70%未満では、絶縁性樹脂層の酸性度が高くなりすぎ、その上に金属薄膜前駆体微粒子分散体を塗布する際に、金属薄膜前駆体微粒子が凝集する等の影響がある場合がある。
また、絶縁性樹脂層の絶縁信頼性等の観点から、工程(2)の加熱処理における、イミド結合および/またはアミド結合への特に好ましい転化率(R2)は、100%である。縮合性官能基が最終的に得られる絶縁性樹脂層に残存すると、吸水等により、絶縁信頼性が低下する場合がある。
ここで、好ましい加熱処理について具体的に説明する。例えば、ポリアミック酸を用いてポリイミド膜を形成する場合には、120℃程度で予備加熱した後、200℃程度で転化反応を行うことによって、イミド化転化率R1が90%程度のポリイミド膜が得られる。このポリイミド膜上に、金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布後、350℃で加熱処理して金属薄膜前駆体微粒子を金属薄膜に形成すると同時に、ポリイミド膜中のイミド化転化率R2が100%に達し、積層体が完成する。
積層体における絶縁性樹脂層の厚さは、0.1〜5μmの範囲が好ましく、特に0.1〜2μmが好適である。膜厚が0.1μmより薄いと、均一な薄膜を形成しにくく、接着強度の向上効果も不充分となる傾向がある。膜厚が5μmを越えると、本発明の効果を妨げるものではないが、積層基板の膜厚が必要以上に厚くなるうえ、経済的でない場合が多い。
絶縁基板上にイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂層を形成することによって、絶縁基板層と金属層との接着性が著しく向上する。その理由は必ずしも明確ではないが、絶縁性樹脂中のイミド基、アミド基と、金属薄膜前駆体またはその薄膜形成物との間で何らかの化学結合を形成するからであると考えられる。
金属薄膜形成後に最終的に得られる絶縁性樹脂層は、通常、電気配線の絶縁膜として用いられている程度の絶縁性を有することが好ましく、体積抵抗率が1013Ωcm以上の絶縁性を有することが好ましい。
本発明の積層体は、前記絶縁性樹脂層上に、粒子径200nm以下の金属微粒子が、互いに融着した構造を有する金属薄膜が形成されたものである。本発明の金属薄膜は、金属微粒子が互いに融着した構造を有するために、従来の金属薄膜と同等程度の導電性を有する。金属薄膜の中で特に好ましい金属種は、高い耐マイグレーション性を有する銅である。
粒子径200nm以下の金属微粒子が、互いに融着した構造を有する金属薄膜の形成手法としては、一次粒子径が200nm以下の、加熱によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することが好ましい。金属薄膜前駆体微粒子とは、加熱により金属薄膜に変換される化合物を指し、より好ましい一次粒子径は100nm以下、さらに好ましい一次粒子径は30nm以下である。金属薄膜前駆体微粒子の一次粒子径が200nmを超えると、得られる金属薄膜の緻密性が低下する傾向がある。
本発明で用いられる金属薄膜前駆体微粒子としては、加熱処理によって金属薄膜を形成する限りにおいて特に制限は無く、好ましくは、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅、水酸化ニッケル、水酸化コバルト等の化合物からなる微粒子を例示できるが、特に銅薄膜を与える金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅微粒子を例示することができる。
また、銅薄膜を与える金属微粒子としては、湿式法やガス中蒸発法等の手法により形成される銅微粒子が使用可能である。
微粒子の分散媒中への分散性や、加熱処理による金属薄膜形成の容易性から、特に好ましいのは金属酸化物微粒子である。金属酸化物微粒子は、加熱処理によって還元されるものであれば、いかなるものも使用可能である。例えば、酸化銅、酸化銀、酸化パラジウム、酸化ニッケル等からなる微粒子が挙げられる。加熱処理によって銅を与えることが可能な酸化銅としては、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数をもった酸化銅のいずれも使用可能である。酸化第一銅微粒子は、容易に還元が可能であるので特に好ましい。
これらの金属酸化物微粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。例えば、粒子径が100nm未満の酸化第一銅超微粒子の合成方法としては、アセチルアセトナト銅錯体をポリオール溶媒中で200℃程度で加熱して合成する方法が公知である(アンゲバンテ ケミ インターナショナル エディション、40号、2巻、p.359、2001年)。
本発明では、金属薄膜前駆体微粒子を分散媒に分散させた分散体を、基板上に塗布、焼成することによって金属薄膜を形成させるが、微粒子を均一に分散できる限りにおいて、分散媒として用いられるものに特に制限は無い。
分散体が多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、加熱処理して、金属薄膜前駆体微粒子から、金属薄膜を得るときの成膜性を向上させるので、さらに好ましい。
多価アルコールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物である。多価アルコールは、その沸点が適度に高いため揮発しにくく、これを用いると、分散体の印刷性および金属薄膜形成時の成膜性に優れるので好ましい。多価アルコールの中で好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコ−ルであり、その中でも粘度の低い、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が特に好ましい。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
多価アルコールが金属薄膜形成時の成膜性を向上させる理由は必ずしも明らかではないが、金属薄膜前駆体微粒子が金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子の場合には、多価アルコールが微粒子表面の水酸基と相互作用して粒子表面を保護し、粒子間の凝集を抑制する働きがあるものと思われる。また多価アルコールには、金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子を還元する効果もあるので好ましい。
分散体が直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、金属薄膜形成時の成膜性を向上させる効果に加えて、加熱処理して得られる金属薄膜の抵抗値が低減するので好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が成膜性を向上させ、かつ抵抗値を低減させる理由は、直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が易分解・易焼失性バインダーとして加熱処理中の金属薄膜前駆体微粒子の局所的な造粒を防ぐためと考えられる。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の好ましい平均分子量は、150〜600である。分子量がこの範囲にあると、金属薄膜形成時の成膜性が極めて高く、一方、容易に分解・焼失するので得られる金属薄膜の体積抵抗値が下がりやすい。分子量が150より小さいと、焼成して金属薄膜を得るときの成膜性が低下する傾向があり、分子量が600を超えると、得られる金属薄膜の体積抵抗値が高くなる傾向がある。
直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物は、繰り返し単位が炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物、2元以上のポリエ−テルコポリマ−やポリエ−テルブロックコポリマ−であってもよい。
具体的には、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ルのようなポリエ−テルホモポリマ−のほかに、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ルの2元コポリマ−、エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル/エチレングリコ−ル/プロピレングリコ−ル、エチレングリコ−ル/ブチレングリコ−ル/エチレングリコ−ル等の直鎖状の3元コポリマ−が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ブロックコポリマ−としては、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルポリブチレングリコ−ルのような2元ブロックコポリマ−、さらにポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルポリブチレングリコ−ルポリエチレングリコ−ル等の直鎖状の3元ブロックコポリマ−のようなポリエ−テルブロックコポリマ−が挙げられる。
直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物の末端の構造は、微粒子の分散性や分散媒への溶解性に悪影響を与えない限り制限は無いが、少なくとも一つの末端がアルキル基であると、焼成時におけるポリエーテル化合物の分解・焼失性が向上し、得られる金属薄膜の体積抵抗値が下がるので好ましい。アルキル基の長さが長すぎると、微粒子の分散性を阻害して分散体の粘度が増大する傾向があるので、アルキル基の長さとしては、炭素数1〜4が好ましい。少なくとも一つの末端がアルキル基であることによって、焼成時の分解・焼失性が向上する理由は定かではないが、微粒子とポリエーテル化合物の間、またはポリエーテル化合物とポリエーテル化合物間の水素結合等に基づく相互作用の力が弱まることが寄与しているものと推察される。
直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物の特に好ましい構造は、一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である構造であり、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
分散体中の金属薄膜前駆体微粒子の割合に制限はないが、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは5〜90%、より好ましくは20〜80%である。分散体中の微粒子の質量がこれらの範囲にある場合には、微粒子の分散状態が良好であり、また、1回の塗布・加熱処理によって適度な厚さの金属薄膜が得られるので好ましい。
分散体中の多価アルコールの割合は、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜50%である。
分散体中の直鎖状脂肪族ポリエ−テル化合物の割合は、分散体総量に対して、質量%で、好ましくは0.1〜70%、より好ましくは1〜50%である。ポリエ−テル化合物の添加量が0.1%未満である場合には、得られる金属薄膜の緻密性が低くなる場合や、基材との密着性が低下する場合があり、一方、ポリエ−テル化合物の添加量が70%を越えると、分散体の粘度が増加する場合がある。
金属薄膜前駆体微粒子に対するポリエーテル化合物の好ましい質量比は、用いる微粒子の種類とポリエーテル化合物の種類により異なるが、通常は0.01〜10の範囲である。この範囲にあると得られる金属薄膜の緻密性が向上し、その体積抵抗値がさらに低下する。
本発明では、上記分散体に、必要に応じ、消泡剤、レベリング剤、粘度調整剤、安定剤等の添加剤を添加してもよい。
上記分散体の製造には、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、金属薄膜前駆体微粒子と分散媒と直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物等の構成原料を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。金属薄膜前駆体微粒子以外の構成物が固体である場合には、これらを液状になる温度に加熱しながら微粒子を加え、上記操作を行うことが好ましい。分散体が流動可能な固体となる場合には、ずり応力を加えながら分散を行うことが好ましく、3本ロール法、ミキサー法等が好ましい。
次に、絶縁性樹脂層を有する基板上に、上記分散体を塗布し金属薄膜を形成する方法について説明する。
絶縁性樹脂層を有する基板上に分散体を塗布する方法としては、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、バーコーティング方法、ロールコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法、スクリーン印刷方法等の手法が挙げられる。分散体の粘度にあわせ、最適な塗布手法を適宜選択すればよい。
分散体を絶縁性樹脂層上に塗布した後に、これを加熱処理して、金属前駆体微粒子を融着させ、金属薄膜を形成する。金属薄膜を形成する際の好ましい加熱処理温度は、絶縁性樹脂のTg以上の温度である。絶縁性樹脂のTg以上の温度で加熱処理することにより、金属薄膜と絶縁性樹脂層との間の接着性がさらに向上する。この接着性向上のメカニズムは必ずしも明らかではないが、金属薄膜前駆体微粒子の一次粒子径が200nm以下と小さく、Tg以上の温度で柔軟化した絶縁性樹脂層の表面で接触面積が大きくなる等の効果ではないかと考えられる。更に好ましい加熱処理温度は、100℃以上400℃以下の温度である。これらの加熱処理には、遠赤外線、赤外線、マイクロ波、電子線等の放射線加熱炉や、電気炉、オーブン等の加熱手段を適宜選択して使用すればよい。
金属薄膜の形成は、酸化の影響を受けない金属であるならば、大気中で行ってよいが、酸化されやすい金属種を含む場合には、不活性雰囲気での加熱処理が好ましい。また、還元性雰囲気での焼成によって、加熱処理温度が低減できる場合もあり、加熱処理温度を低減したい場合には好ましく用いられる。ここで不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気を指し、還元性雰囲気とは、水素や一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。これらのガス中には、酸化に寄与しない程度ならば、微量の酸素を含んでいてもかまわない。その際の酸素濃度は、好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。 塗布する分散体の膜厚を調整することによって、最終的に得られる金属薄膜の膜厚を調整することが可能である。通常は、塗布する分散体の膜厚が0.1〜100μm程度であり、得られる金属薄膜の膜厚は0.05〜50μm程度である。
このようにして得られる積層基板は、そのままでも、あるいは防錆処理等を施してプリント配線板等の製造に使用可能である。また、金属薄膜上に電解メッキ等の方法で、さらに同種の金属膜を厚付けして用いることも可能である。また上記積層基板上に別種の金属膜を電解メッキ等の手法により積層して用いることももちろん可能である。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。金属薄膜前駆体微粒子の粒子径、金属薄膜の体積抵抗率、接着性・接着強度、およびイミド化転化率は以下のように測定した。
(1)金属薄膜前駆体微粒子の粒子径
カーボン蒸着された銅メッシュ上に、溶解・希釈した微粒子分散体を1滴たらし、減圧乾燥したサンプルを作成する。(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡(JEM−4000FX)を用いて観察し、視野の中から、粒子径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被測定物の粒子径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、一番多数存在すると思われる粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、倍率をかけて一次粒子径を算出する。これらの値の平均値を粒子径とする。
(2)金属薄膜の体積抵抗率
低抵抗率計「ロレスタ−(登録商標)」GP(三菱化学株式会社製)を用いて測定した。
(3)テープ剥離試験及び接着強度測定(90度剥離試験)
テープ剥離試験は、得られた金属薄膜上にスコッチテープ(登録商標、住友スリーエム株式会社製)を貼り、これを剥がす際に、金属薄膜がスコッチテープに付着して基板から剥がれたか否かで判定する。
接着強度測定のための試料は、次のようにして作成する。得られた金属薄膜上に電気メッキにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約15μmにした後、カッターナイフで幅10mm、長さ50mmの切れ込みを入れる。90度剥離試験は、幅10mmの側面の一方を少し剥離してアルミテープを貼り、このテープ部分を剥離試験機に固定し、90℃方向に引き上げて、剥離するに必要な力を測定して、接着強度(kgf/cm)とする。
(4)イミド化転化率
ポリアミック酸を塗布し、ポリイミド膜を形成する場合について説明する。ポリアミック酸加熱処理後において、表面の赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近のイミド基ピーク強度(A1)とイミド化反応によって変化しない1500cm−1付近のピーク強度(B1)を計算し、これらからイミド基の相対強度C1=A1/B1を導出する。次に、比較試料として、350℃で4時間加熱処理を行い、100%イミド化転化を行った試料を準備し、1780cm−1及び1500cm−1のピーク強度(A0,B0)を測定し、相対強度C0=A0/B0を導出する。このときの相対強度C0を100とし、C1と比較することで、加熱処理によるイミド化転化率は、(100×C1/C0)%と計算して求める。
[実施例1]
(金属薄膜前駆体微粒子および分散体の調整)
無水酢酸銅(和光純薬工業株式会社製)8gに精製水70mlを加えた。25℃で攪拌しながらヒドラジン対酢酸銅のモル比が1.2になるように64重量%のヒドラジン抱水物2.6mlを加えて反応させ、粒子径20nmの酸化第一銅微粒子を得た。得られた酸化第一銅3gに対し、ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量350、アルドリッチ製)2gと、ジエチレングリコール7gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅分散体を得た。
(表面処理された基板の作成)
ビス(4−アミノフェニル)エ−テル20.2g(0.10モル)をN−メチルピロリドン(NMP)250gに溶解した。この溶液に3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.1g(0.10モル)の粉末を添加し、5℃で8h攪拌することによって、ポリアミック酸のNMP溶液を得た。さらに本ポリアミック溶液10gに、NMPを7g加えて10重量パーセント濃度に希釈した。
10cm角のガラス基板上に同サイズで切り出したポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンフィルム、膜厚50μm)を両面テープで貼り合わせた後、ミカサ株式会社製スピンコ−タ−(1H−D7型)にセットした。希釈した上記ポリアミック酸を滴下し、500rpm×5秒のプレスピンの後、2000rpm×10秒の条件でスピンコ−トを行なった。スピンコート塗布した基板を、ホットプレート上で120℃×30分、200℃×30分の条件で加熱し、ポリイミド膜を形成したポリイミド基板を得た。このポリイミド膜のイミド化転化率R1は90%であった。
(金属薄膜の形成)
上記ポリイミド基板を再びスピンコーターにセットし、前述の酸化第一銅分散体を2mL滴下した後、500rpm×15秒の条件でスピンコ−トして塗布を行った。次にこの塗布膜を、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら(熱硬化後の上記ポリイミド膜のTg(278℃)よりも高い温度で)焼成した。すると、粒子径20nm以下の銅微粒子が互いに融着し、大きな銅グレインとなった構造の薄膜が得られた。また、ポリイミド膜中のイミド化転化率R2を分析すると100%であった。銅薄膜の体積抵抗値は、3.5×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、0.6kgf/cmと非常に高かった。
[実施例2]
絶縁性樹脂層として用いるポリイミド膜として、ビス(4−アミノフェニル)エ−テルと無水ピロメリト酸から得られるポリアミック酸を用いる以外は、実施例1と同様の手法で、ポリイミドフィルム上にポリイミド膜を形成した。このポリイミド膜のイミド化転化率R1は90%であった。実施例1と同様の酸化第一銅分散体をスピンコート塗布したのち、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら(熱硬化後の上記ポリイミド膜のTg(417℃)よりも低い温度で)焼成した。実施例1と同様に、融着した構造の銅薄膜が得られた。また、ポリイミド膜中のイミド化転化率R2を分析すると100%であった。得られた銅薄膜の体積抵抗値は、3.2×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、0.1kgf/cmであった。
[比較例1]
ポリイミド膜を形成しないポリイミド基板に対して、実施例1と同様の手法で銅薄膜を形成したが、形成した銅薄膜はテープ剥離試験ですべて剥がれた。
[比較例2]
市販の酸化第一銅(和光純薬工業株式会社製)を粉砕して得た平均一次粒子径1.2μmの酸化第一銅を用いる以外は、実施例1と同様の手法でポリイミド膜を有するポリイミド基板上に酸化第一銅分散体を塗布し、加熱処理を行ったが、銅表面には多数の亀裂が発生し、銅薄膜としては不完全なものしか得られなかった。
本発明の積層体は、従来の金属薄膜と同等程度の高い導電性を有し、かつ金属薄膜と基板との密着性が高い。また、金属膜の膜厚を任意にコントロールすることができ、薄膜の金属膜も容易に形成できるので、フレキシブル回路基板材料等として特に好適に使用することが可能である。また、絶縁性樹脂層を形成した絶縁基板上に、金属薄膜前駆体微粒子分散体を用いて、インクジェット法等で配線パターン形状を直接描画し、これを加熱処理することによって、接着性の高い金属配線を形成することが可能である。従って、プリント配線板の回路形成だけでなく、プラズマディスプレイパネルや液晶パネル等のフラットパネルディスプレイ製造におけるガラス基板上に形成されたバス電極、アドレス電極の製造にも使用することができる。

Claims (3)

  1. 絶縁基板上に、イミド結合および/またはアミド結合を形成する絶縁性樹脂前駆体を塗布し、次いで塗布した絶縁性樹脂前駆体の一部をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転化し、この絶縁性樹脂前駆体のイミド結合および/またはアミド結合への転化率を、70%以上100%未満とした絶縁性樹脂層を形成する工程(1)と、該絶縁性樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱処理によって互いに融着する酸化第一銅微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、薄膜を形成すると共に、未転化の絶縁性樹脂前駆体をイミド結合および/またはアミド結合を有する絶縁性樹脂に転化する工程(2)とを含む積層体の製造方法。
  2. 工程(2)の加熱処理を、絶縁性樹脂のTg以上の温度で行う請求項に記載の積層体の製造方法。
  3. 分散体が、多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含む請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
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