JP4798986B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
メッキ法によると、導電性を有する基材の上に、比較的容易に金属薄膜を形成することが可能であるが、絶縁基材の上に形成する場合には、導電層をはじめに形成する必要があるため、そのプロセスは煩雑なものになるという問題がある。また、メッキ法は溶液中での反応を利用するため、大量の廃液が副生し、この廃液処理に多大な手間とコストがかかるという問題があると共に、得られる金属薄膜の基板への密着性が充分ではない。
一方、金属フィラーの粒径を低減することによって、金属ペーストの焼成温度を低減する技術は公知であり、例えば、特許文献1には、粒径100nm以下の金属微粒子を分散した分散体を用いて金属薄膜を直接、絶縁基板上に形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法で作成した金属薄膜の絶縁基板への密着性も充分ではない。さらに、ここで用いられている100nm以下の金属粒子の製造方法は、低圧雰囲気で揮発した金属蒸気を急速冷却する方法であるために、大量生産が難しく、したがって、金属フィラーのコストが高くなるという問題を有している。
本発明の他の目的は、高温を必要としないで基板上に金属薄膜を形成する方法を提供することである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂の溶液を塗布した後、脱溶剤処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させると共に、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
[2]絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させると共に、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。[3]絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前記前駆体の一部を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、熱可塑性ポリイミド系樹脂と熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させること、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させること、および前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させることを行う工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
[4]工程(2)の加熱処理を、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度以上で行うことを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[5]金属薄膜前駆体微粒子が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[6]金属薄膜前駆体微粒子が、酸化第一銅微粒子であることを特徴とする上記[5]に記載の積層体の製造方法。
本発明の積層体は、熱可塑性ポリイミド系樹脂層を表面に有する絶縁基板上に粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜が積層されている。熱可塑性ポリイミド系樹脂層を表面に有する絶縁基板は、通常は絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂層を形成することによって作成される。
本発明の積層体に用いられる絶縁基板は、有機材料および無機材料のいずれでもよいが、金属薄膜を形成する際に加熱処理を行うことから、耐熱性のものが好ましい。例えば、セラミックスやガラスなどの無機材料、熱硬化性のポリイミドフィルム等の耐熱性樹脂が好適に用いられる。
本発明で、絶縁基板として特に好適に使用される熱硬化性ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸またはピロメリット酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、カプトン(登録商標、東レ・デュポン株式会社製)、アピカル(登録商標、鐘淵化学株式会社製)等、ビフェニルテトラカルボン酸またはビフェニルテトラカルボン酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、ユーピレックス(登録商標、宇部興産株式会社製)等である。ポリイミドフィルムの膜厚は限定されないが、通常、25〜100μm程度のものを用途に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明では、熱可塑性ポリイミド系樹脂層と絶縁基板間に明確な界面があってもよいし、表面方向に絶縁基板組成から熱可塑性ポリイミド系樹脂組成に傾斜組成をもたせることにより、連続的に組成を変化させ、明確な界面がない状態であってもよい。
熱可塑性ポリイミド系樹脂は、イミド環構造を有する樹脂の総称であり、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリエステルイミド等が挙げられる。熱可塑性ポリイミド系樹脂は、低熱膨張性のものが好ましい。
熱可塑性ポリイミド系樹脂は、通常、電気配線の絶縁膜として用いられている程度の絶縁性を有することが好ましく、体積抵抗率が1013Ωcm以上の絶縁性を有することが好ましい。
ポリイミドのガラス転移温度が150℃未満になると、本発明の積層体をフレキシブルプリント配線板等に用いる際に、例えば、150℃における加熱時にポリイミド系樹脂が軟化することにより、配線加工した金属層にずれが発生する場合がある。ガラス転移温度が300℃を越えると、金属薄膜と絶縁基板の高い密着性が発揮されなくなる場合がある。
熱可塑性ポリイミド系樹脂および熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は、それぞれ単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、熱可塑性ポリイミド系樹脂層と熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体を用いた樹脂層とを設けてもよい。また、異なる熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる複数の層が形成されていてもよい。
(A)絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂を含有する溶液を塗布した後、脱溶剤処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる方法。
(B)絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる方法。
(C)絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前記前駆体の一部を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、熱可塑性ポリイミド系樹脂と熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる第一の工程、次いで、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させる第二の工程からなる方法。
また、本発明では、熱可塑性ポリイミド系樹脂の代わりに、熱可塑性ポリイミド系樹脂に変換可能な熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体溶液を使用する(B)または(C)の方法を採用することもできる。
(B)の方法によると、熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体溶液を塗布後、熱処理により溶剤が除去され、脱水縮合反応によりイミド閉環が行われる。この熱処理に関して、脱溶剤処理およびイミド閉環処理は同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。熱処理は低温から徐々に高温まで上昇させながら熱処理するのが望ましい。
複数のポリイミド前駆体を用いて多層構造を形成する場合、各ポリイミド系樹脂層間に十分な接着力を付与するためには、複数の前駆体溶液の多層塗工を行い、イミド閉環反応温度以下での脱溶剤処理の後、前駆体のポリイミドへの加熱変換を一括して行うのが好ましい。
(C)の方法の場合、第一の工程で熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の熱可塑性ポリイミド系樹脂への転化率を70%以上、100%未満になるよう調整することが好ましい。第一の工程での転化率をこのように調整することにより、次に形成される金属薄膜との接着性がさらに向上する。転化率とは、熱可塑性ポリイミド系樹脂層中のイミド結合を形成する縮合性官能基のうち、縮合している割合を表す指標である。すべての縮合性官能基が縮合し、イミド結合に転化された場合を転化率100%と定義する。通常、この転化率は、硬化処理後のイミド結合の量を赤外線吸収測定などの手法により測定することにより、見積もることが可能である。例えば、縮合によりイミド結合が得られる場合には、1780cm−1付近のイミド基の赤外線吸収ピークの相対強度を測定し、転化率100%のサンプルと比較することにより見積もることができる。
未転化の熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体を、第二の工程において熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させる。積層体中に未転化の前駆体が残ると、吸水等により絶縁信頼性が低下しやすくなるので、熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は100%転化させることが好ましい。
絶縁基板上への前記溶液の塗工方法は限定されるものではなく、例えば、ディップコート、バーコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート等が用いられる。
本発明の積層体における熱可塑性ポリイミド系樹脂層の厚さは、0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。膜厚が0.1μmより薄いと、均一な薄膜を形成しにくく、接着強度の向上効果が十分に発揮されない場合がある。膜厚が5μmを越えても本発明の効果を妨げるものではないが、積層基板の膜厚が必要以上に厚くなるうえ、経済的でない場合が多い。
加熱処理によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子とは、この前駆体微粒子を含む分散体を膜状に塗布し、加熱することによって金属微粒子同士が相互に接合して、見かけ上、連続した金属層で形成された薄膜を形成する微粒子である。この金属層表面を顕微鏡で観察すると、各金属間の界面が観察される箇所と、連続層として観察される箇所が混在する。
本発明で用いられる金属薄膜前駆体微粒子としては、加熱処理によって金属薄膜を形成する限り制限は無く、好ましくは、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子が挙げられる。
金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅、水酸化ニッケル、水酸化コバルト等の化合物からなる微粒子を例示できるが、特に銅薄膜を与える金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅微粒子が好ましい。
金属微粒子としては、湿式法やガス中蒸発法等の手法により形成される銅微粒子が好ましい。
金属酸化物微粒子は、分散媒中への分散性や、加熱処理による金属薄膜形成の容易性から、特に好ましい。金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化銅、酸化銀、酸化パラジウム、酸化ニッケル等が挙げられる。加熱処理によって銅を与えることが可能な酸化銅としては、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数をもった酸化銅のいずれも使用可能である。酸化第一銅微粒子は、容易に還元が可能であるので特に好ましい。
これらの金属酸化物微粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。例えば、粒子径が100nm未満の酸化第一銅超微粒子の合成方法としては、アセチルアセトナト銅錯体をポリオール溶媒中で200℃程度で加熱して合成する方法が公知である(アンゲバンテ ケミ インターナショナル エディション、40号、2巻、p.359、2001年)。
する方法として、例えば、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、バーコーティング方法、ロールコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法、スクリーン印刷方法等が挙げられる。分散体の粘度にあわせ、最適な塗布手法を適宜選択すればよい。
塗布する分散体の膜厚を調整することによって、最終的に得られる金属薄膜の膜厚を調整することが可能である。通常は、塗布する分散体の膜厚は0.1〜100μmであり、得られる金属薄膜の膜厚は0.05〜50μmである。
加熱処理の目的は、(1)熱可塑性ポリイミド樹脂を可塑化させる、(2)粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜層を形成させる、(3)未転化の熱可塑性ポリイミド樹脂前駆体が残っている場合には、転化を完了させる、ことである。(1)〜(3)は、通常、同時に行われるが、逐次的に行ってもよい。
加熱は、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましく、ガラス転移温度より40〜100℃高い温度がより好ましく、通常は、200℃以上400℃以下の温度で行われる。
加熱処理には、遠赤外線、赤外線、マイクロ波、電子線等の放射線加熱炉や、電気炉、オーブン等の加熱手段が用いられる。
本発明によると、絶縁基板上で熱可塑性ポリイミド系樹脂(および、場合により、熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体)と金属薄膜(および、場合により、金属薄膜前駆体)とが熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度よりも高い温度で界面を接することにより、熱可塑性ポリイミド系樹脂と金属薄膜との接着性が著しく向上する。この接着性向上のメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のように推定される。
本発明の金属薄膜前駆体微粒子分散体に用いる分散媒は、微粒子を均一に分散できるものであれば制限は無い。
多価アルコールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物である。多価アルコールは、その沸点が適度に高いため揮発しにくく、これを用いると、分散体の印刷性および金属薄膜形成時の成膜性に優れるので好ましい。多価アルコールの中で好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコ−ルであり、その中でも粘度の低い、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が特に好ましい。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
分散体が直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、金属薄膜形成時の成膜性を向上させる効果に加えて、加熱処理して得られる金属薄膜の抵抗値が低減するので好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が成膜性を向上させ、かつ抵抗値を低減させる理由は、直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が易分解・易焼失性バインダーとして加熱処理中の金属薄膜前駆体微粒子の局所的な造粒を防ぐためと考えられる。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、繰り返し単位が炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、繰り返し単位が1種類であるホモポリマーでもよいし、繰り返し単位が2種類以上のコポリマーやブロックコポリマーであってもよい。
ブロックコポリマーとしては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールのような2元ブロックコポリマー、さらにポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールポリエチレングリコール等の直鎖状の3元ブロックコポリマーのようなポリエーテルブロックコポリマーが挙げられる。
分散体中の金属薄膜前駆体微粒子の割合に制限はないが、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5〜90%、より好ましくは20〜80%である。分散体中の微粒子の重量がこれらの範囲にある場合には、微粒子の分散状態が良好であり、また、1回の塗布・加熱処理によって適度な厚さの金属薄膜が得られるので好ましい。
分散体中の多価アルコールの割合は、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜50%である。
金属薄膜前駆体微粒子に対するポリエーテル化合物の好ましい重量比は、用いる微粒子の種類とポリエーテル化合物の種類により異なるが、通常は0.01〜10の範囲である。この範囲にあると得られる金属薄膜の緻密性が向上し、その体積抵抗値がさらに低下する。
上記分散体の製造には、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、金属薄膜前駆体微粒子と分散媒と直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物等の構成原料を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。金属薄膜前駆体微粒子以外の構成物が固体である場合には、これらを液状になる温度に加熱しながら微粒子を加え、上記操作を行うことが好ましい。分散体が流動可能な固体となる場合には、ずり応力を加えながら分散を行うことが好ましく、3本ロール法、ミキサー法等が好ましい。
金属薄膜前駆体微粒子の粒子径、金属薄膜の体積抵抗率、接着性・接着強度、およびイミド化転化率の測定法は以下のとおりである。
カーボン蒸着された銅メッシュ上に、溶解・希釈した微粒子分散体を1滴たらし、減圧乾燥したサンプルを作成する。(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡(JEM?4000FX)を用いて観察し、視野の中から、粒子径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被測定物の粒子径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、一番多数存在すると思われる粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、倍率をかけて一次粒子径を算出する。これらの値の平均値を粒子径とする。
低抵抗率計「ロレスター(登録商標)」GP(三菱化学株式会社製)を用いて測定する。
(3)テープ剥離試験および接着強度測定(90度剥離試験)
テープ剥離試験は、得られた金属薄膜上にスコッチテープ(登録商標、住友スリーエム株式会社製)を貼り、これを剥がす際に、金属薄膜がスコッチテープに付着して基板から剥がれたか否かで判定する。
接着強度測定のための試料は、次のようにして作成する。得られた金属薄膜上に電気メッキにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約15μmにした後、カッターナイフで幅10mm、長さ50mmの切れ込みを入れる。90度剥離試験は、幅10mmの側面の一方を少し剥離してアルミテープを貼り、このテープ部分を剥離試験機に固定し、90℃方向に引き上げて、剥離するに必要な力を測定して、接着強度(kgf/cm)とする。
ポリアミック酸を塗布し、その一部を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させる場合について、イミド化転化率の見積もり方法について説明する。ポリアミック酸加熱処理後において、表面の赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近のイミド基ピーク強度(A1)とイミド化反応によって変化しない1500cm−1付近のピーク強度(B1)を計算し、これらからイミド基の相対強度C1=A1/B1を導出する。次に、比較試料として、350℃で4時間加熱処理を行い、100%イミド化転化を行った試料を準備し、1780cm−1及び1500cm−1のピーク強度(A0,B0)を測定し、相対強度C0=A0/B0を導出する。このときの相対強度C0を100とし、C1と比較することで、加熱処理によるイミド化転化率は、(100×C1/C0)%と計算して求める。
(金属薄膜前駆体微粒子および分散体の調製)
無水酢酸銅(和光純薬工業株式会社製)8gに精製水70mlを加えた。25℃で攪拌しながらヒドラジン対酢酸銅のモル比が1.2になるように64重量%のヒドラジン抱水物2.6mlを加えて反応させ、粒子径20nmの酸化第一銅微粒子を得た。得られた酸化第一銅3gに対し、ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量350、アルドリッチ製)2gと、ジエチレングリコール7gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅分散体を得た。
3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応によって得られる溶剤可溶性ポリイミドの樹脂濃度20wt%のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液(新日本理化株式会社製リカコートPN−20)をNMPを加えて10wt%溶液に希釈し、ポリイミド樹脂溶液を調製した。この熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は270℃であった。
10cm角のガラス基板上に同サイズで切り出したポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンフィルム、膜厚50μm)を両面テープで貼り合わせた後、ミカサ株式会社製スピンコーター(1H−D7型)にセットした。このポリイミドフィルム上に上記ポリイミド樹脂溶液を500rpm×5秒のプレスピンの後、2000rpm×10秒の条件でスピンコートを行った。スピンコート塗布した基板を、ホットプレート上で90℃×10分、120℃×10分、150℃×10分、180℃×10分、250℃×60分、300℃×60分の条件で加熱し、熱可塑性ポリイミド系樹脂を表面に有するポリイミド基板を得た。
上記ポリイミド基板を再びスピンコーターにセットし、前述の酸化第一銅分散体を2mL滴下した後、500rpm×15秒の条件でスピンコートして塗布を行った。次に、この塗布膜を、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら上記ポリイミド膜のガラス転移温度(270℃)よりも高い温度で焼成した。すると、粒子径20nm以下の銅微粒子が互いに融着し、大きな銅グレインとなった構造の薄膜が得られた。銅薄膜の体積抵抗値は、3.5×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、1.0kgf/cmと非常に高かった。
2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニルプロパン1.0モルと3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物1.0モルの比率となるように秤量し、NMPを固形分濃度が10wt%になるように加え、50℃で10時間攪拌溶解し、熱可塑性ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を得た。この熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は260℃であった。このポリアミド酸溶液をポリイミドフィルム上に500rpm×5秒のプレスピンの後、2000rpm×10秒の条件でスピンコートを行った。スピンコート塗布した基板を、ホットプレート上で120℃×30分、200℃×10分、250℃×60分、300℃×60分の条件で加熱し、熱可塑性ポリイミド系樹脂を表面に有するポリイミド基板を得た。実施例1と同様の酸化第一銅分散体をスピンコート塗布したのち、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら焼成した。実施例1と同様に、融着した構造の銅薄膜が得られた。得られた銅薄膜の体積抵抗値は、3.3×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、1.2kgf/cmであった。
実施例2で得たポリアミド酸溶液をポリイミドフィルム上に500rpm×5秒のプレスピンの後、2000rpm×10秒の条件でスピンコートを行った。スピンコート塗布した基板を、ホットプレート上で120℃×30分、200℃×30分の条件で加熱し、イミド化転化率が91%である熱可塑性ポリイミド系樹脂を表面に有するポリイミド基板を得た。実施例1と同様の酸化第一銅分散体をスピンコート塗布したのち、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら焼成したところ、融着した構造の銅薄膜が得られた。また、焼成後の熱可塑性ポリイミド系樹脂層のイミド化転化率は100%であった。得られた銅薄膜の体積抵抗値は、3.9×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、1.3kgf/cmであった。
熱可塑性ポリイミド系樹脂を形成しないポリイミド基板に対して、実施例1と同様の手法で銅薄膜を形成したが、形成した銅薄膜はテープ剥離試験ですべて剥がれた。
[比較例2]
市販の酸化第一銅(和光純薬工業株式会社製)を粉砕して得た平均一次粒子径1.2μmの酸化第一銅を用いる以外は、実施例1と同様の手法でポリイミド膜を有するポリイミド基板上に酸化第一銅分散体を塗布し、加熱処理を行ったが、銅表面には多数の亀裂が発生し、銅薄膜としては不完全なものしか得られなかった。
Claims (6)
- 絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂の溶液を塗布した後、脱溶剤処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させると共に、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
- 絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させると共に、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
- 絶縁基板上に熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前記前駆体の一部を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、熱可塑性ポリイミド系樹脂と熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、次いで、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子、多価アルコール及び一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させること、前記熱可塑性ポリイミド系樹脂を可塑化させること、および前記熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させることを行う工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
- 工程(2)の加熱処理を、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度以上で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 金属薄膜前駆体微粒子が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 金属薄膜前駆体微粒子が、酸化第一銅微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
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