JP2019179745A - 印刷回路板の製造方法 - Google Patents

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剛志 八塚
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千穂 伊藤
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寛之 渡田
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Abstract

【課題】 銀粉を含む銅ペーストによって形成される導電層を有し、導電性が優れるだけでなく、高温多湿下での耐久性の優れた導電性塗膜を提供する。【解決手段】 絶縁基板上に、銀を含む銅ペーストによる銅粉末含有塗膜を形成し、該銅粉末含有塗膜を過熱水蒸気による加熱処理を施して導電層とする電性塗膜の製造方法において、該銅ペースト中、銀粉と銅粉中の銀含有量が0.2〜2重量%の範囲にあることを特徴とする印刷回路板の製造方法である。【選択図】 なし

Description

本発明は印刷により得られる多層構造の導電性および耐久性に優れた印刷回路板の製造方法に関するものである。
導電回路は近年、急速に高密度化が進んでいる。従来、導電回路の形成に用いられてきた、絶縁基板に張り合わせた銅箔をエッチングしてパターニングするサブトラクティブ法は、工程が長く複雑で、多量の廃棄物を生じる。そこで、サブトラクティブ法に代わって、導電回路の形成に導電粒子を含む導電性ペーストを用いる印刷法や塗布法が注目されている。
導電粒子として用いられる金属は導電性や経時安定性から銀が汎用的に用いられている。しかし、銀は高価であるだけでなく、資源量が少ないことや、高温高湿度下での回路間に発生するイオンマイグレーションの問題がある。銀に代わって導電粒子に用いられる金属としては銅が挙げられる。しかし、銅粉は粒子表面に酸化層を形成し易く、酸化層のため、導電性が悪くなるという欠点がある。また、酸化層の悪影響は粒子が小さくなるほど顕著になる。そこで、銅粉の酸化層を還元するために、水素等の還元性雰囲気下での300℃を超える温度での還元処理や、より高温下でバインダー樹脂を焼成させる際に酸化層を還元する処理等が必要となる。このような高温での処理により、導電性はバルク銅に近くなるが、使用できる絶縁基板がセラミックスやガラス等の耐熱性の高い材料に限定される。
高分子化合物をバインダー樹脂とする導電ペーストはポリマータイプ導電ペーストとして知られている。ポリマータイプ導電ペーストはバインダー樹脂によって、導電粒子の固着と基材との接着性を確保できるが、バインダー樹脂が導電粒子間の接触を阻害するため、導電性を悪化させる。しかし、導電粒子の比率を高め、バインダー樹脂比率を低減させると、絶縁基板との接着性の低下だけでなく、導電層の脆化や、耐屈曲性の悪化、耐久性の悪化も起り易くなる。金属粒子由来の導電層は、たとえ焼結が進んでも箔に比べ表面積が大きく、耐久性が箔に比べ一般的に劣る。銅粉は銀粉に比べ、表面活性が大きいため、耐久性の課題は大きく、バインダー樹脂比率の低減による耐久性の低下が問題となることが多くなる。
従来技術においても、ポリマータイプ導電ペーストから得られた塗膜の導電性を向上させるための提案がなされている。例えば特許文献1では粒径100nm以下の金属微粒子を用いることにより、バルク金属の融点よりもはるかに低い温度で焼結でき、導電性の優れた金属薄膜が得られることが開示されている。また、特許文献2には金属粉ペーストを用いて形成した塗膜を過熱水蒸気処理することが開示されている。特許文献3には銀粉と銀コート銅粉をフィラーとする銅ペーストおよびそれを用いたプリント配線基板が開示されている。
しかしながら、銅粉を含有する導電ペーストから得られた塗膜の導電性と耐久性はさらなる向上が望まれており、まだ不十分である。過熱水蒸気処理により銅粉の焼結が進むことにより高度な導電性が得られるが、防錆処理を施した銅粉では過熱水蒸気処理を施しても十分な導電性が得られないことがあり、また、十分な導電性をえるために過熱水蒸気処理温度を高めることが必要とされることがある。また、従来の銅ペーストでは高温多湿下での抵抗増加が顕著に起こる等の問題がある。これらの課題に対して有効な解決策が見出せていない。
特開平03−034211号公報 国際公開2010/095672号 特開2007−227156号公報
本発明の課題は、絶縁基板上に、導電性良好であり、しかも高温多湿下での耐久性良好な印刷回路板の形成を、銅粉末を含有するペースト組成の改良により達成できる製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)銅粉および銀粉を金属フィラーとする導電ペーストによる金属粉含有塗膜を絶縁基板上に形成し、該金属粉含有塗膜を過熱水蒸気による加熱処理を施して導電層とする印刷回路板の製造方法において、該導電ペーストの金属フィラー中の銀の割合が0.2〜2重量%の範囲にあり、該銀粉の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする印刷回路板の製造方法である。
(2)銅粉および銀コート銅粉を金属フィラーとする導電ペーストによる金属粉含有塗膜を絶縁基板上に形成し、該金属粉含有塗膜を過熱水蒸気による加熱処理を施して導電層とする印刷回路板の製造方法において、該導電ペーストの金属フィラー中の銀の割合が0.2〜2重量%の範囲にあり、該銀コート銅粉の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする印刷回路板の製造方法である。
本発明の印刷回路板の製造方法は、少量の銀を含む銅ペーストから得られる銅粉含有塗膜を過熱水蒸気中で加熱処理を施すことにより、導電性だけでなく高温耐湿耐久性の優れた導電層を得ることができる。また、酸化を低減できるため、ミクロン銅やサブミクロン銅の酸化による変色やカールを少なくできる。
本発明の実施例1における導電性塗膜の構造を示す模式図である。(a)は印刷回路板の上面図、(b)は印刷回路板の断面図、
本発明における印刷回路板は、絶縁基板上に少量の銀を含有する銅ペーストを用いて設けられた導電層を有する。導電層上に絶縁コート層を設け、その絶縁コート層上に導電層を繰り返し設けても良い。なお、導電性塗膜は絶縁基板上の全面に設けられたものでも、導電回路等のパターン物でもかまわない。また、印刷回路は絶縁基板の片面に設けても、両面に設けてもかまわない。
まず、本発明における銅ペーストについて述べる。
本発明で用いる導電ペーストは、銅粉と銀粉および/または銀コート銅粉をバインダー樹脂とを主成分として溶剤中に分散させたものである。
本発明で用いる銅粉は、銅を主成分とする金属粒子、または銅の割合が80重量%以上の銅合金である。銅粉はその粒子表面に導電性を損なわない程度の酸化被膜を有していてもよい。銅粉の形状は、略球状、樹枝状、フレーク状等のいずれでも使用できる。銅粉または銅合金粉としては、湿式銅粉、電解銅粉、アトマイズ銅粉、気相還元銅粉等を用いることができる。
本発明で用いる銅粉は平均粒径が0.1〜20μmであることが好ましい。非球状銅粉の平均粒径が20μmより大きい場合には絶縁性基板に微細な配線パターンを形成することが困難になる。また、平均粒径が0.1μmより小さい場合には、焼結により発生する歪により導電層の脆さが顕著になる。より好ましい平均粒径は0.2〜10μmである。
本発明で用いる銅粉は異なる粒径のものを混合して使用してもかまわない。特にスクリーン印刷用銅ペーストでは、この用途に特有な流動特性の付与から0.1〜0.5μmの微細粉と1〜10μmのミクロンサイズ粉との混合が望ましい。なお、平均粒径の測定は、透過電子顕微鏡、電界放射型透過電子顕微鏡、電界放射型走査電子顕微鏡のいずれかにより粒子100個の粒子径を測定して平均値を求める方法による。
本発明で用いる銀粉は過熱水蒸気処理により銅粉の活性点で合金化し耐湿性を改善する働きをすると考えられる。銀粉は還元粉、アトマイズ粉等から選ばれ、形状は球状、フレーク状等種々の形状のものが使える。銀粉の平均粒径は0.1〜10μmの範囲から選ばれる。平均粒径が10μmを超えると高温高湿耐久性の改善効果が低下し、0.1μm未満では高価であることのほかに、銀粉表面の保護剤等により耐湿性の改善が低下することがある。
本発明で用いる銀粉の含有量は金属フィラー中0.2〜2重量%の範囲にある。銀の比率が0.2%未満では耐湿性の改善が乏しくなり、2%を超えると導電性の低下が起こることがある。好ましくは0.25〜1.8重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%である。
本発明では銀コート銅粉を銀源としてもかまわない。本発明で用いられる銀コート銅粉は銅を主成分とする金属粒子、または銅の割合が80重量%以上の銅合金の表面が銀で被覆されたものである。該銅粉末への銀の被覆は完全に被覆しても、一部の銅を露出させて被覆したものでもよい。該銀コート銅粉の平均粒径は0.1〜10μmの範囲から選ばれる。平均粒径が10μmを超えると高温高湿耐久性の改善効果が低下し、0.1μm未満では高価であることのほかに、銀コート銅粉表面の保護剤等により耐湿性の改善が低下することがある。本発明で用いられる銀コート銅粉量は該導電ペーストの金属フィラー中の銀含有量が0.2〜2重量部の範囲に成るように選ばれる。銀粉の比率が0.2%未満では耐湿性の改善が乏しくなり、2%を超えると導電性の低下が起こることがある。
本発明で用いる導電ペーストに使用される溶剤は、バインダー樹脂を溶解するものから選ばれる。有機化合物であっても水であってもよい。溶剤は、導電ペースト中で金属フィラーを分散させる役割に加えて、分散体の粘度を調整する役割がある。有機溶剤の例として、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、アミド等が挙げられる。
本発明で用いる導電ペーストに使用されるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、芳香族ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等の樹脂が挙げられる。樹脂中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合等を有するものが、銅粉の安定性から、好ましい。
本発明で用いる導電ペーストの成分の割合は金属フィラー100重量部に対し、バインダー樹脂1〜10重量部の範囲にある。銅ペースト中のバインダー樹脂量が銅粉末を100重量部に対し1重量部未満の場合、絶縁基板との接着性の低下、導電層の脆化が顕著になり、好ましくない。一方、10重量部を超えると金属フィラー間の接触機会の減少により、導電性の低下が顕著となる。より好ましいバインダー樹脂量は金属フィラー100重量部に対し、2.5〜6.5重量部の範囲にある。導電ペースト中の溶剤量は回路形成時の印刷法や塗布法に最適な粘度に調整される。
本発明で用いる導電ペーストには、必要に応じ、硬化剤を配合しても良い。本発明に使用できる硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はバインダー樹脂の1〜20重量%の範囲が好ましい。
本発明で用いる導電ペーストは、分散剤を配合してもかまわない。分散剤としてはステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、燐酸エステル、スルフォン酸エステル等が挙げられる。分散剤の使用量はバインダー樹脂の0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
導電ペーストを得る方法としては、粉末を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、銅粉と銀粉、あるいは銀コート銅粉、バインダー樹脂溶液、必要により追加の溶媒からなる混合物を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。
次に、本発明における絶縁基板について述べる。
本発明で用いる絶縁基板としては、過熱水蒸気処理の温度に耐えるものを用いる。基材としては、例えば、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルム、セラミックス、ガラスあるいはガラスエポキシ積層板等が挙げられ、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルムが望ましい。
ポリイミド系樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド系樹脂は通常の方法で重合することができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中、低温で反応させポリイミド前駆体溶液を得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中で反応させ溶剤可溶性のポリイミド溶液を得る方法、原料としてイソシアネートを用いる方法、原料として酸クロリドを用いる方法などがある。
絶縁基板としてのポリイミドフィルムやシートは、ポリイミド前駆体樹脂の場合には前駆体樹脂溶液を湿式製膜後、より高温でのイミド化反応を行う一般的な方法で得られる。溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂では溶液中で既にイミド化しているため、湿式製膜でシート化あるいはフィルム化ができる。
絶縁基板は導電層との接着性を向上させるために、基材にコロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理等の表面処理を行ったものでもよい。
本発明では絶縁基板が基材上に樹脂硬化層からなるアンカーコート層を備え、該アンカーコート層上に銅ペーストを用いて銅粉含有塗膜を形成することが望ましい。アンカーコート層とは、接着性を向上させるために絶縁基板と導電層との間に設けられる樹脂の層である。
アンカーコート層に用いられる樹脂としては、絶縁基板の基材との接着性が優れたものから選ばれ、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、芳香族ポリエ−テル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。樹脂中にエステル結合、イミド結合、アミド結合等を有するものが、アンカーコート層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。アンカーコート層には硬化剤を含有することもアンカーコート層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はアンカーコート樹脂重量の1〜50重量%の範囲が好ましい。
本発明で必要により設けられる樹脂硬化層(アンカーコート層)には、複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物を含有することが好ましい。複素環中に窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物は、銅箔や銅粉の防錆剤として用いられることがあるが、本発明においては、これらの化合物は加熱処理により、銅粉含有塗膜と強固な接着性を発揮する。窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物は銅に対する親和性が高く銅表面に強く吸着する。アンカーコート層中に存在する、複素環中に窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物を銅粉表面に吸着させるにはエネルギーを与えることが必要で、加熱処理が有効であり、過熱水蒸気処理が最も熱効率が高い。
複素環中に窒素を含む複素環化合物としては、例えば、ピリジン、オキサゾール、イソキノリン、インドール、チアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ビピリジル、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ピリミジン、プリン、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾグアナミン等、あるいはこれらの構造異性体も挙げられる。これらはアルキル基、フェニル基、フェノール基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、芳香環などの置換基を有してもよい。また、これらは芳香環や複素環と縮合してもよい。これらの中で、イミダゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が望ましい。
ヒドラジド化合物はヒドラジンあるいはその誘導体とカルボン酸が縮合した構造を有する化合物であり、例えば、サリチル酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジドとドデカンジカルボン酸の縮合物等が挙げられる。
本発明で必要により設けられる樹脂硬化層(アンカーコート層)には、アンカーコート用樹脂100重量部に対し複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物を1〜30重量部の範囲で含有することが望ましい。アンカーコート用樹脂100重量部に対し、複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物が、1重量部未満の場合、銅粉含有層との接着性の向上が見られず、30重量部を超える場合はアンカーコート層の物性の低下が見られることがある。
絶縁基板に樹脂硬化層(アンカーコート層)を設けるには、樹脂をフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、アンカーコート層を形成することができる。アンカーコート層は絶縁基板上に全面的に設けられたものでも、部分的に設けられたものでもよく、導電層を形成する部分に設けられていることが望ましい。
本発明で必要により設けられる、樹脂硬化層(アンカーコート層)は溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みが5μm以下、特に2μm以下が望ましい。樹脂硬化層(アンカーコート層)の厚みが5μmを超えると、加熱処理で起こる銅粉の焼結歪等により、接着性が低下することがあり、厚みが0.01μm以下では加熱処理によるバインダー樹脂の分解などにより接着性の低下が大きくなる。
次いで、本発明において導電ペーストを用いて、絶縁基板上に、必要により樹脂硬化層(アンカーコート層)を介して導電性塗膜を形成する方法を説明する。
液状の導電ペーストを用いて、絶縁基板上に、必要により樹脂硬化層(アンカーコート層)を介して金属粉含有塗膜を形成するには、金属ペーストをフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、金属粉含有塗膜を形成することができる。一般的な銅ペーストの場合、この段階での銅粉含有塗膜は1Ω・cm以上の比抵抗で、導電回路として必要な導電性は得られていない。
金属粉含有塗膜の厚みは、主に求める導電性から決められるが、導電ペーストに含まれていた溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みが0.05〜100μmであることが好ましい。金属粉含有塗膜の厚みが0.05μm未満であると、加熱処理を施しても十分な導電性が得られない可能性があり、100μmを超えると塗膜中に溶剤が残留する可能性がある。残留した溶剤は加熱処理中に突沸する可能性があり、その場合、塗膜に欠陥ができることがある。金属粉塗膜の厚みは、より好ましくは0.2〜50μmである。
本発明では金属粉含有塗膜を過熱水蒸気処理により導電化して導電層とする。過熱水蒸気処理は加熱効率、安全性、経済性さらに得られる導電性等から望ましい。過熱水蒸気処理とは熱処理する熱源として、空気よりも熱容量、比熱が大きい過熱水蒸気を用いるもので、過熱水蒸気とは飽和水蒸気を更に加熱して温度を上げた水蒸気である。
過熱水蒸気処理条件は多くの要因により変動するが、一般的には、過熱水蒸気処理の温度は200℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは300℃以上が、少量の銀が銅粉の防錆に及ぼす効果から、望ましい。過熱水蒸気処理時間は10秒〜10分、好ましくは20秒〜5分である。加熱方式としての過熱水蒸気処理は加熱効率がよいため処理時間を短くできるため、高温での処理による接着性の低下を抑えることができるため特に好ましい。
上記の加熱処理により、金属粉含有塗膜は、導電回路として必要な導電性を持つ導電層となるように導電化される。導電層の体積固有抵抗は、好ましくは10μΩ・cm以下、より好ましくは8.0μΩ・cm以下である。
本発明では金属粉含有塗膜を過熱水蒸気処理により導電化した後、該導電層上に、絶縁コート剤を用いて絶縁コート層を設けることが望ましい。該コート剤は無機フィラーを含む熱硬化性組成物が望ましい。高温短時間で硬化できることから、硬化系は高酸価ポリエステルのエポキシ硬化系が望ましく、無機フィラーはガスバリア性や塗膜物性から板状フィラーがのぞましい。望ましい絶縁コート剤としては溶剤の他に、ポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールとテトラカルボン酸二無水物との反応物、板状無機フィラー、粒径50nm以下のフュームドシリカおよびエポキシ樹脂を含む系が挙げられる。
ポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールとテトラカルボン酸二無水物との反応とは、数平均分子量が好ましくは500〜5000、より好ましくは700〜2000のポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールの水酸基と酸無水物基との反応により、エステル結合とカルボン酸基の生成を行うものである。得られる高酸価ポリエステルの酸価は樹脂1トン当たり、好ましくは500〜2000当量、より好ましくは800〜1600当量である。また、得られる高酸価ポリエステルの好ましい分子量は数平均分子量で5000〜30000である。ポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールの分子量、該ジオール化合物の水酸基とテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との比率等により分子量や酸価が決まる。酸価を高めるため、エチレングリコールやネオペンチルグリコール等のグリコールをジオール化合物の一部として使ってもかまわない。該ジオール化合物の水酸基に対して、酸無水物基をやや過剰の条件で反応させ、所定の分子量になった後、末端の酸無水物基を1級アミノ化合物で反応停止してもかまわない。
ポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールとテトラカルボン酸二無水物との反応は、溶融状態で行ってもよいが、有機溶剤中で3級アミノ化合物の存在下で行うことが望ましい。
ポリエステルジオールおよび/またはポリカーボネートジオールをテトラカルボン酸二無水物との反応に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、水素添加ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物が望ましい。テトラカルボン酸二無水物は単一種類でも混合して用いてもかまわない。
本発明で用いる絶縁コート剤は、さらに、板状無機フィラー、粒径50nm以下のフュームドシリカおよびエポキシ樹脂を含む系が望ましい。
板状無機フィラーにより絶縁コート層の力学的補強効果が得られる。板状無機フィラーとフュームドシリカとを併用することにより、フュームドシリカ表面のシラノール基と板状無機フィラーとの相互作用により弾性率、引張り強さ、靭性、耐熱性がさらに向上する。
板状無機フィラーの粒径は10μm〜0.2μmの範囲が好ましく、アスペクト比は5.0以上、好ましくは10.0以上である。板状無機フィラーとしてはタルク、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカ、板状アルミナ等が挙げられ、タルク、マイカ、カオリンが望ましい。板状無機フィラーの添加量は本発明で用いられる高酸価ポリエステルを100重量部とすると5〜150重量部、好ましくは30〜80重量部の範囲である。
また、フュームドシリカの粒径は50nm以下であり、好ましくは30nm以下である。フュームドシリカの配合量は、本発明で用いられる高酸価ポリエステルを100重量部とすると0.5〜8重量部、好ましくは2〜5重量部の範囲である。
板状無機フィラーやフュームドシリカの配合量が上記の範囲より少ない場合には力学的補強効果が劣り、上記の範囲より多いと絶縁コート層の伸びが減少し急激に脆くなることがある。
導電層上に絶縁コート層を形成するには、樹脂をフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、絶縁コート層を形成することができる。
本発明における絶縁コート層は、導電層の表面を覆う絶縁コート膜として働く。また、絶縁コート層に開口部を設けて、絶縁コート層の開口部で一番目の導電層と繋がった二番目の導電層を絶縁コート層上に設けてもかまわない。この場合、絶縁コート剤がパターン形成できるように、ダレ防止材等を添加することが望ましい。さらに、導電層上に開口部を設けた絶縁コート層を繰り返すことで、多層の導電層を設けることが、印刷を繰り返すことで可能となる。
本発明で設けられる絶縁コート層の厚みは樹脂の種類や要求する特性等から設定されるが、絶縁性、耐久性等から溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みで3〜50μmが望ましい。樹脂層の厚みが3μm未満では高温多湿下での耐久性に劣る可能性があり、50μmを超えると残留溶剤によるブロッキング等が起る可能性がある。樹脂層の厚みはより好ましくは5〜30μmである。
本発明で設けられる絶縁コート層は塗布乾燥後、硬化処理をすることが望ましい。硬化処理としては、過熱水蒸気処理が熱処理効率や導電層の酸化が防止できることから望ましい。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定や使用材料は以下の方法によって測定、あるいは製造したものである。
電気抵抗:三和電気計器社製デジタルマルチメータにより電気抵抗を測定した。
高温多湿下耐久性:図1に示した、絶縁基板上に導電層と絶縁コート層とが設けられた導電性塗膜(長さ100mm、幅150μm、厚み15μm)を、導電性塗膜を温度85℃、相対湿度85%で1000時間放置した後の電気抵抗を測定し、電気抵抗の増加率を算出した。なお端子部は、あらかじめ、はんだ接合しておいた。
○−−−電気抵抗の増加率10%未満。
△−−−電気抵抗の増加率10以上、50%未満。
×−−−電気抵抗の増加率50%以上。
用いた銅粉
銅粉1:水中にて、硫酸銅(II)水溶液を水酸化ナトリウムによりpH12.5に調整し無水ブドウ糖で亜酸化銅に還元後、さらに水和ヒドラジンにより銅粉まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.21μmの球状の粒子である。
銅粉2:酒石酸を含有する水に亜酸化銅を懸濁させ、水和ヒドラジンにより銅粉まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径1.2μmの球状粒子である。
銅粉3:福田金属箔粉工業社製電解銅粉「FCC−CO−XO」(非球状、平均粒径5.3μm)
用いた銀粉
銀粉1:福田金属箔粉工業社製シルコートAgC−74SE(還元粉、平均粒径4.2μm)
銀粉2:福田金属箔粉工業社製シルコートAgC−161T(還元粉、平均粒径1.5μm)
銀粉3:福田金属箔粉工業社製ナノメルトAg−XF301K(フレーク粉、平均粒径4.0μm)
用いた銀コート銅粉
銀コート銅粉1:アトマイズ銅粉に銀めっきを銀量で10重量%の割合で施した。平均粒径5μmの球状粒子である。
銀コート銅粉2:フレーク銅粉に銀めっきを銀量で10重量%の割合で施した。平均粒径5μmの球状粒子である。
アンカーコート層付きポリイミドフィルム
AC−1、2:表―1に記載したように、ポリアミドイミド(東洋紡社製「HR−11NN」)溶液に硬化剤として三菱化学社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂「152」、硬化触媒としてトリフェニルフォスフィン、希釈溶剤としてポリアミドイミド溶液の2倍量のテトラヒドロフラン、さらに添加剤として2−フェニルイミダゾール、城北化学社製ベンゾトリアゾール系化合物「BT−3700」を表1に記載の固形分配合比で加えた。この組成物をカネカ社製ポリイミドフィルム「アピカルNPI厚み25μm」に乾燥後の厚みで0.5μmになるように塗布し、200℃で5分間乾燥・熱処理をした。
銅ペースト用バインダー樹脂
ポリエステル1:温度計、撹拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器にテレフタル酸ジメチル140部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8.9部、1,3−プロピレングリコール122部、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート82部およびテトラブトキシチタネート0.1部を仕込み、150〜230℃で180分間加熱し、エステル交換を行った後、セバシン酸50.5部を追加しエステル化反応を200〜220℃で60分間行った。反応系を30分で270度まで昇温し、系を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHgとした。この条件で120分間反応し、ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は数平均分子量43000、硫黄濃度0.36重量%、酸価5当量/トンであった。
ポリエステル2:東洋紡社製ポリエステル樹脂RV−300を使用した。
高酸価ポリエステル樹脂1
数平均分子量2000のポリエステル樹脂100重量部(東洋紡社製「RV−220」)のイソホロン溶液と、旭化成社製ポリカーボネートジオール「デュラノールT−5651」100重量部、反応触媒としてトリエチルアミン3重量部を含有する溶液にテトラカルボン酸二無水物として3,3‘,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)48重量部、80℃で6時間反応させ、高酸価ポリエステル樹脂を得た。高酸価ポリエステル樹脂は固型分濃度50%のイソホロン溶液に調整した。
絶縁コート剤1
高酸価ポリエステル樹脂溶液100重量部、板状無機フィラーとしてヤマグチマイカ社製「マイカA−11」25重量部、フュームドシリカとしてトクヤムマ社製「レオロシールQS−30」(粒径7μm)5重量部を3本ロールで分散した。使用前に硬化剤としてエポキシ樹脂(828:三菱化学社製ビスフェノールA型エポキシ)を配合した。
実施例1
下記の配合割合の組成物をミキサーで混錬後、エグザクト・テクノロジーズ社製3本ロール「M−50」を用いて分散した。得られた銅ペーストを、表1に記載のアンカーコート層付きポリイミドフィルム(AC−1)のアンカーコート層上に、スクリーン印刷により図1に示したパターンを乾燥後の厚み15μm、長さ100mm、線幅150μmになるように調整して片面印刷し、100℃で15分熱風乾燥して銅粉含有塗膜を得た。
分散液組成
ポリエステル−1の溶液 8.6部
(ブチルカルビトールアセテートの35重量%溶液)
銅粉1(平均粒径 0.21μm) 50部
銅粉2(平均粒径 1.2μm) 49部
銀粉1(平均粒径 4.2μm) 1部
エチルカルビトールアセテート 2.8部
得られた銅粉含有塗膜の過熱水蒸気処理を350℃2分間実施した。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給した。得られた導電層の評価結果を表3に示す。
得られた導電層上に絶縁コート剤1を図1に示すとおり導電層のうち端子は露出するように、スクリーン印刷法により乾燥後の厚みで15μmに調整し印刷した。100℃10分間乾燥後、250℃で1分間過熱水蒸気処理を行って絶縁コート層を備えた導電性塗膜を得た。処理後、端子部接点には、はんだを接合した。得られた導電性塗膜の端子間の電気抵抗を測定した後、高温多湿下での耐久試験を実施した。評価結果を表−2に示す。
実施例2〜7、9〜13
実施例1と同様に、ただし、銅粉、銀コート銅粉、バインダー樹脂、過熱水蒸気処理温度を表−2に示したように変更して実施し、評価した。結果を表2に示す。実施例7、12、13の金属フィラー中の銀の含有量は、ぞれぞれ、1重量%、1.5重量%、1.5重量%であった。
実施例8
下記の配合割合の組成物をミキサーで混錬後、エグザクト・テクノロジーズ社製3本ロール「M−50」を用いて分散した。得られた銅ペーストを、表1に記載のアンカーコート層付きポリイミドフィルム(AC−2)のアンカーコート層上に、スクリーン印刷により図1に示したパターンを乾燥後の厚み15μm、線幅150μm、長さ100mmになるように調整して塗布し、100℃で15分熱風乾燥して金属粉含有塗膜を得た。
分散液組成
ポリエステル−2の溶液 11.4部
(ブチルカルビトールアセテートの35重量%溶液)
銅粉1(平均粒径 0.21μm) 40部
銅粉2(平均粒径 1.2μm) 30部
銅粉3(平均粒径 5.3μm) 29部
銀粉1(平均粒径 4.2μm) 1部
エチルカルビトールアセテート 4.2部
得られた銅粉含有塗膜の過熱水蒸気処理を350℃2分間実施した。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給した。得られた導電層の評価結果を表2に示す。
得られた導電層上に絶縁コート剤4を図1に示すとおり導電層のうち端子は露出するように、スクリーン印刷法により乾燥後の厚みで15μmに調整し印刷した。100℃10分間乾燥後、250℃で1分間過熱水蒸気処理を行って絶縁コート層を備えた導電性塗膜を得た。処理後、端子部接点には、はんだを接合した。得られた導電性塗膜の端子間の電気抵抗を測定した後、高温多湿下での耐久試験を実施した。評価結果を表2に示す。実施例8の金属フィラー中の銀の含有量は1.5重量%であった。
比較例1
実施例1と同様に実施した。ただし銀粉1は使用しなかった。
比較例2〜6
実施例1と同様に実施した。ただし比較例2では銀粉1を使用せず、過熱水蒸気処理温度を実施例4と同じにした。比較例3では銀粉1の使用量を範囲外にした。比較例4では銀粉を含まない。比較例5では銀粉の使用量が範囲外である。比較例6で使用した銀粉は平均粒径が10μmを超えるフレーク銀粉を用いた。
Figure 2019179745
Figure 2019179745
Figure 2019179745
表2に示すとおり、本発明の製造方法によって得られた導電性塗膜は電気抵抗値が低く導電性に優れるとともに高温多湿下の耐久性に優れることが明らかである。また、表3から明らかなとおり、比較例1、2及び4では高温多湿下の耐久性が不十分であった。比較例3は銅粉末の混合割合が近いものである実施例1に対して電気抵抗が高いものであった。また、比較例5は銅粉末の混合割合が近いものである実施例9〜10に対して電気抵抗が高いものであった。
本発明の製造方法で得られる印刷回路板は、導電性を低下させることなく、銅粉の高温多湿下での耐久性の改善に有効である。これらの導電性塗膜は、金属/樹脂積層体、電磁シールド金属薄膜等の金属薄膜形成材料、金属配線材料、導電材料等に用いられる。
1:絶縁基板
2:樹脂硬化層(アンカーコート層)
3:導電層
4:絶縁コート層

Claims (2)

  1. 銅粉および銀粉を金属フィラーとする導電ペーストによる金属粉含有塗膜を絶縁基板上に形成し、該金属粉含有塗膜を過熱水蒸気による加熱処理を施して導電層とする印刷回路板の製造方法において、該導電ペーストの金属フィラー中の銀の割合が0.2〜2重量%の範囲にあり、該銀粉の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする印刷回路板の製造方法。
  2. 銅粉および銀コート銅粉を金属フィラーとする導電ペーストによる金属粉含有塗膜を絶縁基板上に形成し、該金属粉含有塗膜を過熱水蒸気による加熱処理を施して導電層とする印刷回路板の製造方法において、該導電ペーストの金属フィラー中の銀の割合が0.2〜2重量%の範囲にあり、該銀コート銅粉の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする印刷回路板の製造方法。
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