JP2015035331A - 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜 - Google Patents

導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2015035331A
JP2015035331A JP2013165674A JP2013165674A JP2015035331A JP 2015035331 A JP2015035331 A JP 2015035331A JP 2013165674 A JP2013165674 A JP 2013165674A JP 2013165674 A JP2013165674 A JP 2013165674A JP 2015035331 A JP2015035331 A JP 2015035331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
conductive coating
superheated steam
copper powder
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013165674A
Other languages
English (en)
Inventor
剛志 八塚
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
伊藤 千穂
Chiho Ito
千穂 伊藤
仁志 万谷
Hitoshi Mantani
仁志 万谷
俊仁 蜂谷
Toshihito Hachiya
俊仁 蜂谷
万紀 木南
Kazunori Kinami
万紀 木南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp, Toyobo Co Ltd filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2013165674A priority Critical patent/JP2015035331A/ja
Publication of JP2015035331A publication Critical patent/JP2015035331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】 銅ペーストを用いて、絶縁基板との接着性が良好である導電性塗膜であって、導電性塗膜とその上に形成される層との接着性も良好な導電性塗膜を提供する。【解決手段】 絶縁基板上に、銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して形成した銅粉末含有塗膜を、過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成した後、該導電性塗膜にプラズマ処理を施すことで、絶縁基板上の導電性塗膜の接着性を向上させる。【選択図】 なし

Description

本発明は、絶縁基板との接着性や導電性に優れた、導電性塗膜の製造方法及びこの製造方法によって製造される導電性塗膜に関するものである。
導電回路は近年、急速に高密度化が進んでいる。従来、導電回路の形成に用いられてきた、絶縁基板に張り合わせた銅箔をエッチングしてパターニングするサブトラクティブ法は、工程が長く複雑で、多量の廃棄物を生じる。また、銅箔をエッチングにより回路形成するこの方法では、目的としない横方向のエッチングが回路下部で起こることがあり、形成できる回路幅には限界がある。そこで、サブトラクティブ法に代わって、めっきで回路を形成するアディティブ法やセミアディティブ法が注目されている。さらに、導電回路の形成に導電粒子を含む導電ペーストを用いる印刷法や塗布法も注目されている。
導電粒子に用いられる金属としては銅が挙げられる。しかし、銅粉末は表面に酸化層を形成し易く、酸化層のため、導電性が悪くなるという欠点がある。また、酸化層の悪影響は粒子が小さくなるほど、顕著になる。そこで、銅粉末の酸化層を還元するために、水素等の還元性雰囲気下での300℃を超える温度での還元処理や、より高温での焼結処理が必要となる。焼結処理により、導電性はバルク銅に近くなるが、使用できる絶縁基板がセラミックスやガラス等の耐熱性の高い材料に限定される。
高分子化合物をバインダー樹脂とする導電ペーストはポリマータイプ導電ペーストとして知られている。従来技術においても、ポリマータイプ導電ペーストから得られた塗膜の導電性を向上させるための提案がなされている。例えば特許文献1では粒径100nm以下の金属微粒子を用いることにより、バルク金属の融点よりもはるかに低い温度で焼結でき、導電性の優れた金属薄膜が得られることが開示されている。また、特許文献2には金属粉ペーストを用いて形成した塗膜を過熱水蒸気処理することが開示されている。プラズマ処理は各種固体表面の改質や洗浄に用いられているが、特許文献3には金属皮膜に付着した樹脂異物をプラズマ処理とエッチングにより除去することが開示されている。
しかしながら、銅粉末を含有する導電ペーストから得られた塗膜の導電性はさらなる向上が望まれており、いまだ不十分である。さらに、過熱水蒸気処理では処理温度が高くなるほど、導電性の発現が良好となるが、絶縁基板との接着性が低下するという傾向がある。また、過熱水蒸気処理により得られた導電層にめっきを施すと、導電層とめっき界面の接着が弱いことがある。
特開平03−034211号公報 国際公開2010/095672号 特開2009−203507号公報
本発明の課題は、銅粉末を含有する銅ペーストを用いて絶縁基板上に導電性良好であり、過熱水蒸気処理を施しても、良好な接着性を保持する導電性塗膜の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りのものである。
(1)絶縁基板上に、銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して形成した銅粉末含有塗膜を、過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成した後、該導電性塗膜にプラズマ処理を施すことを特徴とする導電性塗膜の製造方法。
(2)プラズマ処理において雰囲気が窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素及び空気のいずれかである(1)に記載の導電性塗膜の製造方法。
(3)過熱水蒸気による加熱処理において用いる過熱水蒸気の温度が150〜450℃である(1)又は(2)に記載の導電性塗膜の製造方法。
(4)プラズマ処理を施した導電性塗膜上に電気めっきを行ってめっき層を形成する(1)〜(3)いずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
(5)過熱水蒸気による加熱処理を施した導電性塗膜上にレジストパターンを形成し、電気めっきを行ってめっき層を形成する導電性塗膜の製造方法において、過熱水蒸気による加熱処理を施した後にプラズマ処理を施す(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
(6)過熱水蒸気による加熱処理を施した導電性塗膜上にレジストパターンを形成し、電気めっきを行ってめっき層を形成する導電性塗膜の製造方法において、レジストパターンを形成した後にプラズマ処理を施す(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
(7)導電性塗膜上に絶縁層を形成する(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法によって製造される導電性塗膜。
本発明の導電性塗膜の製造方法は、絶縁基板上に、銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して形成した銅粉末含有塗膜を、過熱水蒸気により加熱処理を施して導電性塗膜を形成した後、該導電性塗膜にプラズマ処理を施す工程を含む。過熱水蒸気処理により銅粉末含有塗膜に含まれていたバインダー樹脂等が一部分解し、分解物が導電性塗膜上に残留することがあるが、プラズマ処理を施すことにより、導電性塗膜表面に蓄積した分解物を除去することができる。その結果、過熱水蒸気処理により導電化した導電性塗膜上に電気めっきを施す場合は、めっきの密着性が改善できる。
また、導電性塗膜上にフォトレジスト法あるいはスクリーン印刷により電気めっきレジストを形成し、電気めっきにより回路形成を行う場合には、レジスト形成前にプラズマ処理を行うことにより、電気めっきレジストと導電性塗膜の密着性が向上することにより、めっきがレジスト下に潜り込む、いわゆる、めっきもぐりも防止できる。
また、液状レジストを該導電性塗膜上に塗布する場合、液状レジストによる回路パターン形成後にプラズマ処理を行うことにより、液状レジストが該導電性塗膜中に残留することによる接着性の低下も防止できる。
また、導電性塗膜上に絶縁コート層を設ける場合やカバーレイフィルムを接着する場合には、導電性塗膜との接着性が改善できる。
さらに、導電性塗膜中の空隙を通って、プラズマが絶縁基板表面の濡れ性を向上させる。そのため、銅ペースト中に熱反応性硬化剤を配合すると接着力が向上する。
まず、本発明で用いる銅ペーストについて述べる。
本発明で用いる銅ペーストは、銅粉末とバインダー樹脂を主成分として溶剤中に分散させたものである。銅粉末は、銅を主成分とする金属粒子、又は銅の割合が80重量%以上の銅合金であり、該銅粉末の表面が銀で被覆された金属粉であってもよい。該銅粉末への銀の被覆は完全に被覆しても、一部の銅を露出させて被覆したものでもよい。銅粉末はその粒子表面に過熱水蒸気処理による導電性の発現を損なわない程度の酸化被膜を有していてもよい。銅粉末の形状は、略球状、樹枝状、フレーク状等のいずれでも使用できる。銅粉末又は銅合金粉末としては、湿式銅粉、電解銅粉、アトマイズ銅粉、気相還元銅粉等を用いることができる。
本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01〜20μmであることが好ましい。銅粉末の平均粒径が20μmより大きいと、絶縁性基板に微細な配線パターンを形成することが困難になる。また、平均粒径が0.01μmより小さい場合には加熱処理時の微粒子間融着による歪の発生により、絶縁基板との接着性が低下する。銅粉末の平均粒径が0.02μm〜15μmの範囲がより好ましく、更により好ましくは0.05〜4μm、更により好ましくは0.1〜2μmである。平均粒径の測定は、透過電子顕微鏡、電界放射型透過電子顕微鏡、電界放射型走査電子顕微鏡のいずれかにより粒子100個の粒子径を測定して平均値をもとめる方法による。本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01〜20μmであれば、異なる粒径のものを混合して使用してもかまわない。
本発明で用いる銅ペーストに使用される溶剤は、バインダー樹脂を溶解するものから選ばれる。有機化合物であっても水であってもよい。溶媒は、銅ペースト中で銅粉末を分散させる役割に加えて、分散体の粘度を調整する役割がある。有機溶媒の例として、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、アミド等が挙げられる。
本発明で用いる銅ペーストに使用されるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドあるいはアクリル等の樹脂が挙げられる。樹脂中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合等を有するものが、銅粉末の分散安定性から、好ましい。
本発明で用いる銅ペーストは通常、銅粉末、溶剤、バインダー樹脂から成る。各成分の割合は銅粉末を100重量部に対し、溶剤10〜400重量部、バインダー樹脂3〜30重量部の範囲が好ましい。銅ペースト中のバインダー樹脂量が銅粉末100重量部に対し3重量部未満の場合、絶縁基板との接着性の低下が顕著になり、好ましくない。一方、30重量部を超えると銅粉末間の接触機会の減少により、導電性を確保できない。
本発明で用いる銅ペーストには、必要に応じ、硬化剤を配合しても良い。本発明に使用できる硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はバインダー樹脂の1〜50重量%の範囲が好ましい。
本発明で用いる銅ペーストは、スルフォン酸塩基やカルボン酸塩基等の金属への吸着能力のある官能基を含有するポリマーをバインダー樹脂として含んでもよい。さらに分散剤を配合してもかまわない。分散剤としてはステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、燐酸エステル、スルフォン酸エステル等が挙げられる。分散剤の使用量は有機バインダーの0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
次に、銅ペーストの製造方法について述べる。
銅ペーストを得る方法としては、粉末を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、銅粉末とバインダー樹脂溶液、必要により追加の溶媒からなる混合物を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。
本発明で用いる絶縁基板としては、過熱水蒸気処理の温度に耐えるものを用いる。例えば、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルム、セラミックス、ガラスあるいはガラスエポキシ積層板等が挙げられ、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルムが望ましい。
該ポリイミド系樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド系樹脂は通常の方法で重合することができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中、低温で反応させポリイミド前躯体溶液を得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを高温の溶液中で反応させ溶剤可溶性のポリイミド溶液を得る方法、原料としてイソシアネートを用いる方法、原料として酸クロリドを用いる方法などがある。
絶縁基板と銅粉末含有塗膜間に樹脂硬化層をアンカーコート層として設けることが好ましい。絶縁基板上に必要により設けられる樹脂硬化層としては、樹脂と硬化剤の反応物、反応性官能基を樹脂中に含有する樹脂の自己硬化物、光架橋物等が挙げられる。樹脂硬化層を設けることにより、過熱水蒸気処理後の接着性がより優れた導電性塗膜を得ることができる。
樹脂硬化層に用いられる樹脂としてはポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエ−テル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドあるいはアクリル等が挙げられる。樹脂中にエステル結合、イミド結合、アミド結合等を有するものが、樹脂硬化層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。
具体的な樹脂硬化層が得られる例としては次のものが挙げられる。高酸価ポリエステルとエポキシ化合物、ビスフェノールAやレゾルシノール骨格を有するポリエステルと熱硬化フェノール樹脂(レゾール樹脂)、高水酸基含有ポリウレタンとポリイソシアネート化合物、ポリエステルとエポキシ化合物及びテトラカルボン酸二無水物の組み合わせ等が挙げられる。また、反応性官能基を樹脂中に含有する樹脂の自己硬化物も樹脂硬化層を形成することができる。例えば、オキセタン基とカルボキシル基を有するオキセタン含有樹脂、樹脂中にアルコキシシラン基を含有する樹脂、オキサゾリン含有樹脂等が挙げられる。また、ポリイミド前駆体のポリアミック酸に(メタ)アクリロイル基をエステル結合を介して導入した感光性ポリイミドや(メタ)アクリロイル基を持つアミン化合物をポリアミック酸に添加し、アミノ基とカルボキシル基をイオン結合させた感光性ポリイミド等の可視光やUV光で硬化する化合物からも容易に樹脂硬化層が得られる。
絶縁基板上に必要により形成される樹脂硬化層は有機溶剤溶液あるいは水分散体をポリイミド系絶縁基板に塗布し、乾燥、必要により熱処理あるいは光照射で形成できる。樹脂硬化層の溶剤可溶分は20重量%以下、特に15重量%以下が望ましい。溶剤可溶分が20重量%を超えると、過熱水蒸気処理による接着性の低下が著しい。また、溶剤可溶分が20重量%を超える塗膜上に銅ペーストを塗布すると、銅ペーストの溶剤により樹脂硬化層が侵され、接着性や導電性が悪化することがある。なお、溶剤可溶分は、樹脂硬化層を、溶解に使用した溶剤に25℃で1時間浸漬し、溶剤に溶け出した割合を言う。
絶縁基板上に必要により形成される樹脂硬化層は厚みが5μm以下、特に2μm以下が望ましい。5μmを超えると、樹脂硬化層に発生する硬化歪等により、接着性が低下し、過熱水蒸気処理による接着性の低下が著しい。厚みが0.01μm以下では過熱水蒸気処理による接着性の低下が大きくなる。
本発明で用いる銅ペーストを用いて、絶縁基板上又は絶縁基板上に必要により設けられる樹脂硬化層上に、銅粉末含有塗膜を形成する方法を説明する。なお、銅粉末含有塗膜は絶縁基板上に全面に設けられたものでも、導電回路等のパターン物でもかまわない。また、銅粉末含有塗膜は絶縁基板の片面に設けても、両面に設けてもかまわない。
液状の銅ペーストを用いて、絶縁基板上又は必要により設けられる樹脂硬化層上に銅粉末含有塗膜を形成するには、銅ペーストをフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、銅粉含有塗膜を形成することができる。一般的に、銅粉末の場合、この段階での銅粉末含有塗膜は1Ω・cm以上の比抵抗で、導電回路として必要な導電性は得られていない。
銅粉末含有塗膜は、銅ペーストに含まれていた溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みが0.05μm〜100μmであることが好ましい。銅粉末含有塗膜の厚みが0.05μm未満であると、過熱水蒸気処理を施しても十分な導電性が得られない可能性があり、100μmを超えると塗膜中に溶剤が残留する可能性があり、残留した溶剤は過熱水蒸気処理中に突沸する可能性があり、その場合塗膜表面に欠陥ができることがある。銅粉末含有塗膜の厚みは、より好ましくは0.2μm〜50μmである。
本発明によれば、絶縁基板上に直接銅ペーストを塗布し乾燥した場合でも、両者間の接着は強固になるが、絶縁基板としてポリイミド系樹脂を用いる場合には、ポリイミド前駆体溶液の一次乾燥品やポリイミド溶液やポリアミドイミド溶液の一次乾燥品に、必要により樹脂硬化層を形成した後、乾燥を完結させてもよいし、又は、さらに銅ペーストを塗布した後に乾燥を完結してもよい。ポリイミド系前駆体溶液やポリイミド系溶液の一次乾燥品に10〜30重量%の溶剤を残留させた状態のままで、必要により樹脂硬化層形成後、銅ペーストを塗布し乾燥を完結することにより、ポリイミド系樹脂層と樹脂硬化層及び樹脂硬化層と銅粉含有塗膜との接着がより強固になる。ポリイミド系前駆体溶液やポリイミド系溶液の溶剤は一般的にアミド系溶剤が使われる。アミド系溶剤は乾燥性が悪いため乾燥温度を150℃以上に上げることが必要になる。銅ペーストを塗布した基板を乾燥させる場合には、銅粉末の酸化を抑制するために、窒素等の不活性ガスあるいは過熱水蒸気のような無酸素状態での加熱が望ましい。
本発明の製造方法では、過熱水蒸気処理をする前に、銅粉末含有塗膜を有機酸あるいは有機酸塩で処理してもかまわない。有機酸又は有機酸塩で処理することにより、銅酸化物の還元以外に、銅粉表面の銅酸化物の除去あるいは減少や、バインダー樹脂との親和性を改善する効果がある。銅酸化物は高温時、有機物を分解する作用を示すことがあり、銅酸化物の除去あるいは減少は、過熱水蒸気処理や高温保存時にバインダー樹脂の分解を抑制する。その結果、過熱水蒸気処理により得られる導電性塗膜は導電性が優れるだけでなく、基材との接着性や高温保存下での接着力の低下が抑制できることがある。
有機酸あるいは有機酸塩での処理は、銅粉末含有塗膜を有機酸又は有機酸塩と接触させることができればよく、有機酸又は有機酸塩の水溶液あるいは有機溶剤溶液に銅粉含有塗膜を浸漬る方法、有機酸又は有機酸塩の水溶液あるいは有機溶剤溶液を吹き付ける方法、銅粉末含有塗膜を有機酸あるいは有機酸塩の蒸気に晒す方法等がある。有機酸あるいは有機酸塩の水溶液に浸漬する方法が望ましい。
本発明で必要により用いられる有機酸又は有機酸塩処理において、有機酸としてはカルボン酸類、スルフォン酸類、スルフィン酸類等が挙げられる。有機酸塩としては前記の有機酸即ち、カルボン酸類、スルフォン酸類、スルフィン酸類等の金属塩あるいはアンモニウム塩が挙げられる。具体的な化合物としては有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、イタコン酸、テレフタル酸、ブタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシ酸、メタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸等のスルフォン酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸等のスルフィン酸、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸等のラクトン構造を持つ天然物等が挙げられる。有機酸塩は列挙した有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。特に酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸等の果実酸、ロッシェル塩、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム等の果実酸塩が望ましい。
有機酸あるいは有機酸塩による処理条件は用いる化合物により異なる。果実酸水溶液を用いる浸漬処理は、例えば、水溶液の濃度は1〜50%、好ましくは2〜20%、水溶液の温度は10〜80℃、好ましくは20〜60℃、浸漬時間は1〜600秒、好ましくは10〜100秒で行えばよい。
有機酸あるいは有機酸塩による処理後、過熱水蒸気による加熱処理をする前に、銅粉末含有塗膜を洗浄及び乾燥することが好ましい。銅粉末含有塗膜に有機酸又は有機酸塩が残留した状態では、過熱水蒸気処理後にプラズマ処理を行っても、有機酸又は有機酸塩が残留することがあり、銅粉末含有塗膜の接着性が低下する。また、銅粉末含有塗膜を未乾燥で過熱水蒸気処理を行うと、導電性が場所により変動することがある。
本発明の製造方法では熱処理する熱源として、空気よりも熱容量、比熱が大きい過熱水蒸気を用いる。過熱水蒸気とは飽和水蒸気をさらに加熱して温度を上げた水蒸気である。過熱水蒸気の温度は、導電性の目標範囲や銅粉末やバインダー樹脂により最適範囲は異なる。
過熱水蒸気による処理は赤外線や遠赤外線乾燥と併用してもかまわない。用いる過熱水蒸気の温度は150〜450℃、好ましくは200〜400℃の範囲にする。150℃未満では十分な効果が得られない恐れがある。450℃を超える場合では樹脂の劣化の恐れもある。過熱水蒸気はほぼ完全な無酸素状態ではあるが、乾燥熱処理時には150℃以上の高温になるため、空気の混入が起こる場合には、必要により酸素濃度を下げることが必要となる。銅粉末の場合には、高温では酸素により容易に酸化が起こり、導電性が悪化する。そのため、酸素濃度を1%以下、好ましくは0.1%以下に下げることが望ましい。
過熱水蒸気による処理によって得られた導電性塗膜の導電性は過熱水蒸気処理条件や用いる銅ペーストの特性等により異なるが、電気抵抗はバルク銅の10倍程度まで下げることが可能である。
導電性塗膜は、厚みが0.05μm〜100μmであることが好ましい。導電性塗膜の厚みが0.05μm未満であると、十分な導電性が得られない可能性があり、100μmを超えるとプラズマ処理による接着性改善の効果が低下することがある。導電性塗膜の厚みは好ましくは0.2μm〜50μmである。
本発明の製造方法では過熱水蒸気処理後、導電性塗膜にプラズマ処理を行う。プラズマ処理は減圧下あるいは大気圧で対向する電極間に高周波電圧を印加して放電させ、雰囲気ガスをプラズマ状態とし、処理を行うものである。プラズマ処理の条件としては、例えば以下のものが挙げられる。雰囲気ガスとしては、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、酸素、空気等のガスを用いることができる。特に安全性や価格から、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや、酸素、空気等の酸化性ガスを用いることが好ましい。本発明においては、前述の過熱水蒸気による処理によって銅粉末含有塗膜が導電性塗膜となるため、プラズマ処理時に還元性ガスを用いることを必要としない。そして、プラズマ処理を行う装置の内圧を0.1〜1.1×10Paに保持した状態で、電極間に0.1〜10kVの直流あるいは交流電流を印加してグロー放電させることによりプラズマを発生させ、0.01〜100秒程度処理する。
本発明に係る導電性塗膜は銅粉末を含む銅ペーストを用いて形成されるため、塗膜中に銅粉末の粒子間隙に由来する空隙を有する塗膜構造を有する。本発明においては、空隙を有する導電性塗膜にプラズマ処理を施すことにより、高い接着性改善効果を得ることができる。
本発明の製造方法では、プラズマ処理を施した導電性塗膜上に電気めっきを行ってめっき層を形成してもよい。
導電性塗膜にプラズマ処理を施すことにより、導電性塗膜表面に蓄積した樹脂の分解物を除去することができる。その結果、過熱水蒸気処理により導電化した導電性塗膜上に電気めっきを施す場合は、めっきの密着性が改善できる。
また、導電性塗膜上に電気めっきレジストパターンを形成し、電気めっきにより回路形成を行うことがある。電気めっきレジストの形成は、液状レジストの塗布やフィルム状レジストの貼り付けを行い露光、現像するフォトレジスト法、あるいは液状レジストのスクリーン印刷によって行うことができる。この場合には、過熱水蒸気による加熱処理を施した後、電気めっきレジスト形成前に導電性塗膜にプラズマ処理を施すことで、電気めっきレジストと導電性塗膜の密着性が向上することにより、めっきがレジスト下に潜り込む、いわゆる、めっきもぐりを防止することができる。
また、液状レジストを該導電性塗膜上に塗布して回路パターンを形成する場合には、導電性塗膜が有する空隙に液状レジストが侵入することがあるが、液状レジストによるレジストパターン形成後にプラズマ処理を施すことによって、露出した導電性塗膜の部分に残存する液状レジストをも除去することができ、接着性の低下も防止できる。
導電性塗膜上にレジストパターンを形成し、電気めっきを行って回路形成を行う場合には、レジストパターン形成の前及び後の両方でプラズマ処理を行ってもよい。
さらに、導電性塗膜上に絶縁樹脂のコートやカバーレイフィルムを接着により絶縁層を形成する場合にも、導電性塗膜にプラズマ処理を施すことによって、絶縁層と導電性塗膜との接着性が改善できる。
また、空隙を有する導電性塗膜にプラズマ処理を行うことにより、導電性塗膜の下層の絶縁基板にも絶縁基板表面の濡れ性を向上させる表面改質の効果が及ぶ。従って、回路材で要求される絶縁基板と導電性塗膜との接着性や高温耐久性の向上には有効に働く場合がある。
従って、本発明の製造方法によれば、プラズマ処理によって、絶縁基板と導電性塗膜との接着性及び導電性塗膜とその上に形成される各種の層との接着性を一挙に改善することができる。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
表面抵抗:三菱化学社製低抵抗率計ロレスターGPとASPプローブを用いて測定した。
めっき接着性:導電層を形成した試験片に下記のめっき浴中で導電層に20μmの電気銅めっきを施した。1日後にめっき層の剥離強度を測定した。また、耐熱試験としてめっき後の試験片を150℃で一週間放置した後にめっき層の剥離強度を測定した。剥離強度の測定は試験片のめっき層の一端をはがし、めっき層が180度折れ曲がる方向に引っ張り速度100mm/分で引き剥がして行った。
めっき浴(1L中)
硫酸銅・5水和物 200 g/L
硫酸 60 g/L
食塩 0.1 g/L
カバーレイ接着性:導電層を形成した試験片にカバーレイフィルムを接着し、剥離強度を測定した。また、耐熱試験としてカバーレイフィルムを接着した試験片を150℃で一週間放置した後にカバーレイフィルムの剥離強度を測定した。剥離強度の測定は試験片のカバーレイフィルムの一端をはがし、カバーレイフィルムが180度折れ曲がる方向に引っ張り速度100mm/分で引き剥がして行った。
めっきもぐり発生率:めっきもぐりとはめっきレジストを除去した部分にめっきされた銅が存在することである。レジストを除去した境界部1cm幅を100点顕微鏡で観察し、境界から5μm以上のめっきの浸入がある場合をめっきもぐりとして、めっきもぐり発生率を調べた。
用いた銅粉末
銅粉末1:水中にて、硫酸銅(II)水溶液を水酸化ナトリウムによりpH12.5に調整し無水ブドウ糖で亜酸化銅に還元後、さらに水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.18μmの球状の粒子である。
銅粉末2:酒石酸を含有する水に亜酸化銅を懸濁させ、水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.62μmの球状の粒子である。
樹脂硬化層付きポリイミドフィルム
AC−1:使用したポリエステル(Pes−1)は次のようにして重合した。東洋紡社製ポリエステルジオールRV220(芳香族系ポリエステル、分子量2000)とベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び反応触媒としてトリエチルアミンを、溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(1/1/1重量比)用いて70℃で反応させ、酸価1000当量/トンのポリエステル(Pes−1)溶液を得た。室温まで冷却後、三菱化学社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂「152」をPes−1の20重量%、トリフェニルフォスフィン(TPP)をPes−1の1重量%加え、カネカ社製ポリイミドフィルム「アピカルNPI厚み25μm」に乾燥後の厚みで0.2μmになるように塗布し、220℃で1分間乾燥・熱処理をした。
AC−2:ビスフェノールA骨格含有ポリエステル(Pes−2:テレフタル酸/イソフタル酸//ビスフェノールA含有ジオール/エチレングリコール50/50//70//30モル比)のメチルエチルケトン/トルエン(1/1重量比)溶液と熱硬化性フェノール樹脂(群栄化学社製レヂトップPL−2407)をPes−2の30重量%、反応触媒としてp−トルエンスルフォン酸(p−TS)をPes−2の0.5重量%からなる組成物をポリイミドフィルムに塗布し、200℃で2分間乾燥・熱処理した。樹脂硬化層の厚みは0.2μmであった。Pes−2はポリエステルのジオール成分としてビスフェノールAの各水酸基にエチレンオキサイドが1分子付加したジオールを含有する。
実施例1
下記の配合割合の組成物をミキサーで混錬後、エグザクト・テクノロジーズ社製3本ロール「M−50」を用いて分散した。得られた銅ペーストをMEK/トルエン(1/1重量比)で希釈し、グラビアロールにより、樹脂硬化層付きポリイミドフィルム(AC−1)の樹脂硬化層上に、乾燥後の厚みが2μmになるように片面に塗布し、120℃で5分熱風乾燥して銅粉末含有塗膜を得た。
分散液組成
共重合ポリエステルの溶液 10.8部
(イソホロンの35重量%溶液)
銅粉末1(平均粒径0.18μm) 50部
γ−ブチロラクトン(希釈溶剤) 2.5部
オキセタン 1.6部
(共重合ポリエステル:東洋紡積社製「RV290」
オキセタン:東亜合成社製「OXT−221」)
得られた銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムに、過熱水蒸気処理を350℃で2分間施した。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給して行った。得られた導電性塗膜付きポリイミドフィルムの導電性塗膜面にプラズマ処理を行った。プラズマ処理は積水化学工業社製常圧プラズマ表面処理装置「AP−TO3」を用いて窒素流量30L/分、処理強度1000W/cm、フィルム処理速度2m/分にて行った。得られた導電性塗膜に電気銅めっきを施し、接着性を評価した。また、めっき品を150℃で一週間放置後接着力を測定し、耐熱耐久性を評価した。評価結果を表−1に示す。
実施例2〜3
実施例1と同様にして電気銅めっき品を得た。ただし実施例2〜3では、過熱水蒸気処理条件を表−1に記載したように、実施例2では330℃で5分間、実施例3では300℃で5分間に変更した。評価結果を表−1に示す。
比較例1
実施例1で得た銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムに過熱水蒸気処理を施すことなく、実施例1と同様にプラズマ処理を行った。得られた銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムの表面抵抗は1.0×10Ω/□以上であった。
比較例2〜4
実施例1と同様に、ただし過熱水蒸気処理後にプラズマ処理を施すことなしに、電気銅めっきを行った。実施例1と同様に接着性を測定した。評価結果を表−1に示す。なお、比較例2では過熱水蒸気処理を350℃で2分間、比較例3では330℃で5分間、比較例4では300℃で5分間行った。
実施例4
実施例1と同様にして過熱水蒸気処理により得た導電性塗膜上に太陽インキ社製現像型エッチングレジスト「IMAGEFINER TER−20K27」を乾燥後の厚みで15μmコートし100℃で10分加熱乾燥後、フォトマスクを介して紫外線を50mJ/cmで露光した。さらに、1.1wt%の炭酸ナトリウム溶液を噴射し選択的にエッチング除去した。得られたパターン付き導電性塗膜に、実施例1と同様にプラズマ処理を行った後、電気めっきを施した。実施例1と同様に導電性塗膜とめっき間の接着性を評価した。評価結果を表−1に示す。
比較例5
実施例4と同様に、ただしパターン付き導電性塗膜にプラズマ処理を施すことなしに、電気めっきを施した。実施例4と同様に導電性塗膜とめっき間の接着性を評価した。評価結果を表−1に示す。
Figure 2015035331
実施例5
下記の配合割合の組成物をサンドミルにいれ、800rpmで、2時間分散した。メディアは半径0.2mmのジルコニアビーズを用いた。得られた銅ペーストをグラビア印刷により、樹脂硬化層付きポリイミドフィルム(AC−2)の樹脂硬化層上に、乾燥後の厚みが2μmになるように片面に塗布し、120℃で5分熱風乾燥して銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムを得た。得られた銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムの過熱水蒸気処理を330℃で5分間、行った。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給して行った。得られた導電性塗膜付きポリイミドフィルムの導電性塗膜面にプラズマ処理を行った。プラズマ処理は積水化学工業社製常圧プラズマ表面処理装置「AP−TO3」を用いて窒素流量30L/分、処理強度100W/cm、フィルム処理速度3m/分にて行った。次いで、プラズマ処理面に、25μmのアクリル系ドライフィルムレジストをラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール送り速度1m/分の条件でラミネートし、フォトマスクを介して紫外線を50mJ/cmで露光した。さらに、1.1wt%の炭酸ナトリウム溶液を噴射し選択的にエッチング除去した。得られたパターン付き導電性塗膜に電気めっきを施した後、めっきレジストを水酸化ナトリウム水溶液からなる剥離液で除去した。得られたパターンめっき品のめっき部の接着性とめっきもぐりを評価した。接着性評価は150℃で一週間放置後の耐熱耐久試験も行った。評価結果を表−2に示す。
分散液組成
共重合ポリエステルの溶液 2.5部
(トルエン/シクロヘキサノン=1/1(重量比)の40重量%溶液)
銅粉末2(平均粒径0.62μm) 9部
γ−ブチロラクトン(希釈溶剤) 3.5部
メチルエチルケトン(希釈溶剤) 5部
ブロックイソシアネート 0.2部
(共重合ポリエステル:東洋紡積社製「バイロン300」
ブロックイソシアネート:日本ポリウレタン社製「コロネート2546」)
比較例6
実施例4と同様に、ただし過熱水蒸気処理後のプラズマ処理を行うことなく、めっきレジスト形成、電気銅めっき、めっきレジスト剥離を行い、接着性とめっきもぐりを評価した。評価結果を表−2に示す。
Figure 2015035331
実施例6
実施例1で得られた銅ペーストを用いて、スクリーン印刷により樹脂硬化層付きポリイミドフィルム(AC−1)の樹脂硬化層上に、乾燥後の厚みで10μmの銅粉末含有塗膜を形成し120℃で10分間熱風乾燥した後、過熱水蒸気処理を350℃で2分間行った。得られた導電性塗膜に、実施例1と同様にプラズマ処理を行った後、ニッカン工業社製カバーレイ用フィルム「ニカフレックスCISV」を150℃で30分間4MPaの圧力で加圧接着した。導電性塗膜とカバーレイフィルムとの接着性を、耐熱耐久試験を含めて評価した。評価結果を表−3に示す。
実施例7、8
実施例6と同様にしてカバーレイフィルムを接着した導電性塗膜付きポリイミドフィルムを得た。ただし過熱水蒸気処理の条件を実施例7では330℃で5分間、実施例8では300℃で5分間行った。評価結果を表−3に示す。
比較例7〜9
実施例6と同様に、ただし過熱水蒸気処理後にプラズマ処理を施すことなしに、カバーレイフィルムの接着を行った。実施例6と同様に接着性を測定した。評価結果を表−1に示す。なお、比較例7では過熱水蒸気処理を350℃で2分間、比較例8では330℃で5分間、比較例9では300℃で5分間行った。評価結果を表−3に示す。
Figure 2015035331
本発明で得られる導電性塗膜は、絶縁基板に銅粉末含有層を積層して過熱水蒸気による処理を施して容易に得ることができ、導電性と絶縁基板との接着性が優れるだけでなく、導電層にめっきを施しても、導電層に保護層を接着あるいはコートしても導電層との接着性が優れている。これらの導電性塗膜は、金属/樹脂積層体、電磁シールド金属薄膜等の金属薄膜形成材料、金属配線材料、導電材料等に用いられる。

Claims (8)

  1. 絶縁基板上に、銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して形成した銅粉末含有塗膜を、過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成した後、該導電性塗膜にプラズマ処理を施すことを特徴とする導電性塗膜の製造方法。
  2. プラズマ処理において雰囲気が窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素及び空気のいずれかである請求項1に記載の導電性塗膜の製造方法。
  3. 過熱水蒸気による加熱処理において用いる過熱水蒸気の温度が150〜450℃である請求項1又は2に記載の導電性塗膜の製造方法。
  4. プラズマ処理を施した導電性塗膜上に電気めっきを行ってめっき層を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
  5. 過熱水蒸気による加熱処理を施した導電性塗膜上にレジストパターンを形成し、電気めっきを行ってめっき層を形成する導電性塗膜の製造方法において、過熱水蒸気による加熱処理を施した後にプラズマ処理を施す請求項1〜4のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
  6. 過熱水蒸気による加熱処理を施した導電性塗膜上にレジストパターンを形成し、電気めっきを行ってめっき層を形成する導電性塗膜の製造方法において、レジストパターンを形成した後にプラズマ処理を施す請求項1〜5のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
  7. 導電性塗膜上に絶縁層を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の導電性塗膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって製造される導電性塗膜。
JP2013165674A 2013-08-09 2013-08-09 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜 Pending JP2015035331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013165674A JP2015035331A (ja) 2013-08-09 2013-08-09 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013165674A JP2015035331A (ja) 2013-08-09 2013-08-09 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015035331A true JP2015035331A (ja) 2015-02-19

Family

ID=52543725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013165674A Pending JP2015035331A (ja) 2013-08-09 2013-08-09 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015035331A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019029668A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 旭化成株式会社 導電性パターンの製造方法、及びプラズマ処理装置
US10444001B2 (en) 2015-04-17 2019-10-15 Wacom Co., Ltd. Electromagnetic induction position detection sensor
JP2020113850A (ja) * 2019-01-09 2020-07-27 戸田工業株式会社 積層アンテナ及び積層アンテナの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1053892A (ja) * 1996-08-12 1998-02-24 Canon Inc 基板のパターン電気めっき装置及び電気メッキ方法
JP2008016801A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Jesagi Hankook Ltd 印刷回路基板の製造方法
JP2012174375A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Toda Kogyo Corp 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
WO2012157704A1 (ja) * 2011-05-18 2012-11-22 戸田工業株式会社 銅粉末、銅ペースト、導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
WO2012157701A1 (ja) * 2011-05-18 2012-11-22 戸田工業株式会社 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1053892A (ja) * 1996-08-12 1998-02-24 Canon Inc 基板のパターン電気めっき装置及び電気メッキ方法
JP2008016801A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Jesagi Hankook Ltd 印刷回路基板の製造方法
JP2012174375A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Toda Kogyo Corp 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
WO2012157704A1 (ja) * 2011-05-18 2012-11-22 戸田工業株式会社 銅粉末、銅ペースト、導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
WO2012157701A1 (ja) * 2011-05-18 2012-11-22 戸田工業株式会社 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10444001B2 (en) 2015-04-17 2019-10-15 Wacom Co., Ltd. Electromagnetic induction position detection sensor
JP2019029668A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 旭化成株式会社 導電性パターンの製造方法、及びプラズマ処理装置
JP2020113850A (ja) * 2019-01-09 2020-07-27 戸田工業株式会社 積層アンテナ及び積層アンテナの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5971242B2 (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP6322885B2 (ja) プリント配線板の製造方法
KR20050085331A (ko) 적층체, 인쇄 배선판 및 이들의 제조 방법
JP5962816B2 (ja) 金属薄膜積層体の製造方法
JP5521099B1 (ja) キャリア付銅箔、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法
TWI808062B (zh) 層間絕緣膜及其製造方法
JPWO2014132961A1 (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP5470493B1 (ja) 樹脂基材、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板及びプリント配線板の製造方法
WO2014017606A1 (ja) キャリア付銅箔
JP2015035331A (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP5556097B2 (ja) 銅薄膜製造方法および銅薄膜
JP2011060653A (ja) 金属薄膜製造方法および金属薄膜
JP2011060654A (ja) 銅薄膜製造方法および銅薄膜
JP2015059233A (ja) 金属薄膜の製造方法、金属薄膜樹脂基板およびプリント回路基板
JP2015026759A (ja) 配線板の製造方法及び配線板
JP6547748B2 (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP2877993B2 (ja) 配線板用接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板
JP2012174375A (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP4677703B2 (ja) ポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板の製造方法
JP7484938B2 (ja) プリント配線板用基板
JP6940805B2 (ja) 印刷回路板の製造方法
JP2019179745A (ja) 印刷回路板の製造方法
JP2016181562A (ja) 配線板の製造方法及び配線板
JP2017126473A (ja) 導電性塗膜の製造方法
JP2019179744A (ja) 印刷回路板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170830

A603 Late request for extension of time limit during examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A603

Effective date: 20171106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180613