JP2015026759A - 配線板の製造方法及び配線板 - Google Patents

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剛志 八塚
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
伊藤 千穂
Chiho Ito
千穂 伊藤
康男 柿原
Yasuo Kakihara
康男 柿原
小木 浩二
Koji Ogi
浩二 小木
万紀 木南
Kazunori Kinami
万紀 木南
博央 鶴脊
Hiroo Tsuruse
博央 鶴脊
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Abstract

【課題】スルーホールを有する絶縁基板上に導電性、接着性が良好な導電回路が形成された配線板を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】銅粉末含有塗膜11を下面に有する絶縁基板1にスルーホール2を形成し、スルーホール内壁面上に、銅粉末を含有する銅ペースト12を用いて銅粉末含有塗膜13を形成し、過熱水蒸気による加熱処理後、電気銅めっき層16を施すことにより、優れた特性を有する配線板を効率的に製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁基板との接着性や導電性に優れた、スルーホールを有する配線板の製造方法及びこの製造方法によって製造される配線板に関するものである。
配線板の導電回路は近年、急速に高密度化が進んでいる。導電回路の形成に導電粒子を含む導電ペーストを用いる印刷法や塗布法が注目されている。
導電粒子として用いられる金属微粒子として銅粉末が知られている。しかし、銅粉末は表面に酸化層を形成し易く、酸化層のために導電性が悪くなるという欠点がある。また、酸化層の悪影響は粒子が小さくなるほど、顕著になる。そこで、銅粉末の酸化層を還元するために、水素等の還元性雰囲気下での300℃を超える温度での還元処理や、より高温での焼結処理が必要となる。焼結処理により、導電性はバルク銅に近くなるが、使用できる絶縁基板がセラミックスやガラス等の耐熱性の高い材料に限定される。
高分子化合物をバインダー樹脂とする導電ペーストはポリマータイプ導電ペーストとして知られている。従来技術においても、ポリマータイプ導電ペーストから得られた塗膜の導電性を向上させるための提案がなされている。例えば特許文献1では金属ペーストに粒径100nm以下の金属微粒子を用いることにより、バルク金属の融点よりもはるかに低い温度で焼結でき、導電性の優れた金属薄膜が得られることが開示されている。また、特許文献2には金属粉ペーストを用いて形成した塗膜を過熱水蒸気処理することが、特許文献3には過熱水蒸気処理により得られた導電性塗膜上に金属めっきを施すことが開示されている。
しかし、配線板における導電性や基板との接着性等の特性の向上や、配線板のより効率的な製造技術は未だ十分とはいえない。
絶縁基板上にセミアディティブ法で微細回路を形成するためには、導電性に優れ、しかも、絶縁層との接着性が優れた薄層(給電層)を、絶縁層上に形成しなければならない。このような薄層の形成方法としては、スパッタリングや無電解めっきが知られている。しかし、スパッタリングによる薄層の形成にはスパッタリング装置が高価であること、スパッタリング作業がバッチ方式であるため効率が悪いという経済的な欠点がある。また、無電解めっきにより形成された薄層は触媒核のパラジウムがエッチングでも残り易く、絶縁性の低下等の問題がある。
導電回路の高密度化は、平面方向だけでなく、絶縁基板の両面に設けた回路の接続や多層間のZ方向の導体パターンの形成も必要とする。そのため、絶縁基板にスルーホールを設けて層間の回路を接続する技術が知られている。スルーホールを有する絶縁基板を用いる配線板において、スルーホール部の導電化には無電解めっきが主に用いられている。しかしながら、無電解めっきによって絶縁基板に接着性よくめっきをするためには、パラジウムを使った高価な触媒核を付与しなければならず、無電解めっきは複雑なめっき浴の管理も必要とする。
また特許文献4には、スルーホールを有する絶縁基板において、金属粒子を含む導電性インクを用いたスルーホール内部の導電化技術が示されているが、導電化処理の効率は低いものであった。
特開平03−034211号公報 国際公開第10/095672号 特開2011−60653号公報 特開2011−187764号公報
本発明の課題は、配線板のスルーホール部を効率よく導電化する方法を提供すること、さらに導電性や基板との接着性の優れた、スルーホールを有する配線板を効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りのものである。
(1) スルーホールを有する絶縁基板において、該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程とを有することを特徴とする配線板の製造方法。
(2) スルーホールを有する絶縁基板において、該絶縁基板の少なくとも片面、及び該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程とを有する(1)に記載の配線板の製造方法。
(3) スルーホールを有する絶縁基板において、該絶縁基板の少なくとも片面、及び該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜上に電気めっきレジストを形成する工程と、電気めっきレジストを形成した導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程と、電気めっきレジストを剥離する工程と、電気めっきレジスト剥離部の導電性塗膜中の銅をエッチングで除去して導電回路を形成する工程とを有する(1)、(2)に記載の配線板の製造方法。
(4) 銅粉末含有塗膜を形成する工程において、銅ペースト塗布面の反対面に吸液部を配置する(1)〜(3)のいずれかに記載の配線板の製造方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法によって製造される配線板。
本発明の配線板の製造方法は、絶縁基板に設けられたスルーホールの内壁面上に、銅粉末を含有する銅ペーストを用いて銅粉末含有塗膜を形成し、過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を得るため、スルーホールに容易に均一に塗布され導電化された薄膜を形成でき、電気めっきが可能となる。
また、スルーホールの導電化と同時にセミアディティブ法によって回路パターンを形成する場合には、電気めっきレジストを除去した後の回路パターン部以外の導電性塗膜中の銅を容易にエッチングで除去できる。従って、無電解銅めっきやスパッタリングによらずに、給電層が形成でき、スルーホール部の導通が得られるため、絶縁基板との接着性や導電性の優れた配線板を効率よく製造できる。
実施例1の製造工程の断面図 実施例2の印刷時の断面図 実施例3の銅ペーストの充填と吸引を示す断面図
まず、本発明で用いる銅ペーストについて述べる。
本発明で用いる銅ペーストは、銅粉末とバインダー樹脂を主成分として溶剤中に分散させたものである。
本発明で用いる銅粉末は、銅を主成分とする金属粒子、又は銅の割合が80重量%以上の銅合金であり、該銅粉末の表面が銀で被覆された金属粉であってもよい。該銅粉末への銀の被覆は完全に被覆しても、一部の銅を露出させて被覆したものでもよい。銅粉末はその粒子表面に過熱水蒸気処理による導電性の発現を損なわない程度の酸化被膜を有していてもよい。銅粉末の形状は、略球状、樹枝状、フレーク状等のいずれでも使用できる。銅粉末又は銅合金粉末としては、湿式銅粉、電解銅粉、アトマイズ銅粉、気相還元銅粉等を用いることができる。
本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01〜5μmであることが好ましい。銅粉末の平均粒径が5μmより大きいと、絶縁性基板に微細な配線パターンを形成することが困難になる。また、平均粒径が0.01μmより小さい場合には加熱処理時の微粒子間融着による歪の発生により、絶縁基板との接着性が低下する。銅粉末の平均粒径は0.05μm〜2μmの範囲がより好ましく、更により好ましくは0.08〜1.0μmである。銅粉末の平均粒径が上記の範囲であれば、銅粉末間の相互作用により、銅ペースト塗布時のダレや滲みが少なくなり、スルーホール内壁面上に均一な塗膜が形成可能になる。平均粒径の測定は、透過電子顕微鏡、電界放射型透過電子顕微鏡、電界放射型走査電子顕微鏡のいずれかにより粒子100個の粒子径を測定して平均値をもとめる方法による。本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01〜5μmであれば、異なる粒径のものを混合して使用してもかまわない。
本発明で用いる銅ペーストに使用される溶剤は、バインダー樹脂を溶解するものから選ばれる。有機化合物であっても水であってもよい。溶媒は、銅ペースト中で銅粉末を分散させる役割に加えて、分散体の粘度を調整する役割がある。有機溶媒の例として、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、アミド等が挙げられる。
本発明で用いる銅ペーストに使用されるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドあるいはアクリル等の樹脂が挙げられる。樹脂中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合等を有するものが、銅粉末の分散安定性から、好ましい。
本発明で用いる銅ペーストは通常、銅粉末、溶剤、バインダー樹脂から成る。各成分の割合は銅粉末を100重量部に対し、溶剤10〜400重量部、バインダー樹脂3〜30重量部の範囲が好ましい。銅ペースト中のバインダー樹脂量が銅粉末100重量部に対し3重量部未満の場合、絶縁基板との接着性の低下が顕著になり、好ましくない。一方、30重量部を超えると銅粉末間の接触機会の減少により、導電性を確保できない。
本発明で用いる銅ペーストには、必要に応じ、硬化剤を配合しても良い。本発明に使用できる硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はバインダー樹脂の1〜50重量%の範囲が好ましい。
本発明で用いる銅ペーストは、スルフォン酸塩基やカルボン酸塩基等の金属への吸着能力のある官能基を含有するポリマーをバインダー樹脂として含んでもよい。さらに分散剤を配合してもかまわない。分散剤としてはステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、燐酸エステル、スルフォン酸エステル等が挙げられる。分散剤の使用量は有機バインダーの0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
次に、銅ペーストの製造方法について述べる。
銅ペーストを得る方法としては、粉末を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、銅粉末とバインダー樹脂溶液、必要により追加の溶媒からなる混合物を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。
次に、配線板の製造方法について述べる。
本発明の配線板は、スルーホールを有する絶縁基板において銅ペーストを用いて導電性塗膜を形成し、電気銅めっきを施して製造される。
本発明で用いる絶縁基板としては、過熱水蒸気処理の温度に耐えるものを用いる。例えば、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルム、セラミックス、ガラスあるいはガラスエポキシ積層板等が挙げられ、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルムが望ましい。
該ポリイミド系樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド系樹脂は通常の方法で重合することができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中、低温で反応させポリイミド前躯体溶液を得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを高温の溶液中で反応させ溶剤可溶性のポリイミド溶液を得る方法、原料としてイソシアネートを用いる方法、原料として酸クロリドを用いる方法などがある。
本発明においては、絶縁基板上とスルーホール内壁面上に銅ペーストを用いて導電性塗膜を同時に形成できるが、スルーホール内壁面上に銅ペーストを塗布する際には絶縁基板の少なくとも片面に銅粉末含有塗膜を形成した基板、あるいは絶縁基板の少なくとも片面に銅粉末含有塗膜を形成した基板を過熱水蒸気処理により導電性塗膜とし導電層を形成した基板を用いることが望ましい。また、あらかじめ、絶縁基板の少なくとも一面に銅箔を貼り合わせたもの、あるいは銅箔上にポリイミド系樹脂あるいは熱硬化性樹脂溶液をキャストしたものでもかまわない。銅箔を導電層として使う場合は、エッチングによる回路形成時やスルーホール部の電気めっき時に、回路部やスルーホールめっき部に起こるエッチングや電気めっきの悪影響を防ぐために、通常行われるレジスト処理を施すことが必要になる。
絶縁基板上に銅粉末含有塗膜を形成するにあたっては、絶縁基板と銅粉末含有塗膜間に樹脂硬化層をアンカーコート層として設けることが好ましい。絶縁基板上に設けられる樹脂硬化層としては、樹脂と硬化剤の反応物、反応性官能基を樹脂中に含有する樹脂の自己硬化物、光架橋物等が挙げられる。樹脂硬化層を設けることにより、過熱水蒸気処理後の接着性がより優れた導電性塗膜を得ることができる。
樹脂硬化層に用いられる樹脂としてはポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエ−テル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドあるいはアクリル等が挙げられる。樹脂中にエステル結合、イミド結合、アミド結合等を有するものが、樹脂硬化層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。
具体的な樹脂硬化層が得られる例としては次のものが挙げられる。高酸価ポリエステルとエポキシ化合物、ビスフェノールAやレゾルシノール骨格を有するポリエステルと熱硬化フェノール樹脂(レゾール樹脂)、高水酸基含有ポリウレタンとポリイソシアネート化合物、ポリエステルとエポキシ化合物及びテトラカルボン酸二無水物の組み合わせ等が挙げられる。また、反応性官能基を樹脂中に含有する樹脂の自己硬化物も樹脂硬化層を形成することができる。例えば、オキセタン基とカルボキシル基を有するオキセタン含有樹脂、樹脂中にアルコキシシラン基を含有する樹脂、オキサゾリン含有樹脂等が挙げられる。また、ポリイミド前駆体のポリアミック酸に(メタ)アクリロイル基をエステル結合を介して導入した感光性ポリイミドや(メタ)アクリロイル基を持つアミン化合物をポリアミック酸に添加し、アミノ基とカルボキシル基をイオン結合させた感光性ポリイミド等の可視光やUV光で硬化する化合物からも容易に樹脂硬化層が得られる。
絶縁基板上に形成される樹脂硬化層は有機溶剤溶液あるいは水分散体を絶縁基板に塗布し、乾燥、必要により熱処理あるいは光照射で形成できる。
樹脂硬化層の溶剤可溶分は20重量%以下、特に15重量%以下が望ましい。溶剤可溶分が20重量%を超えると、過熱水蒸気処理による接着性の低下が著しい。また、溶剤可溶分が20重量%を超える塗膜上に銅ペーストを塗布すると、銅ペーストの溶剤により樹脂硬化層が侵され、接着性や導電性が悪化することがある。なお、溶剤可溶分は、樹脂硬化層を、溶解に使用した溶剤に25℃で1時間浸漬し、溶剤に溶け出した割合をいう。
絶縁基板上に必要により形成される樹脂硬化層は厚みが5μm以下、特に2μm以下が望ましい。5μmを超えると、樹脂硬化層に発生する硬化歪等により、接着性が低下し、過熱水蒸気処理による接着性の低下が著しい。厚みが0.01μm以下では過熱水蒸気処理による接着性の低下が大きくなる。
本発明で用いる絶縁基板はスルーホールを有する。スルーホールの穿設は絶縁基板の片面に銅粉末含有塗膜を形成後に行う場合、絶縁基板の両面に銅粉末含有塗膜を形成後に行う場合、スルーホールの穿設を行った後に絶縁塗膜の片面あるいは両面に銅粉末含有塗膜を形成する場合などがある。
本発明で用いる銅ペーストを用いて、絶縁基板上又は絶縁基板上に必要により設けられる樹脂硬化層上に銅粉末含有塗膜を形成する方法を説明する。なお、銅粉末含有塗膜は絶縁基板上に全面に設けられたものでも、導電回路等のパターン物でもかまわない。
液状の銅ペーストを用いて、絶縁基板上又は必要により設けられる樹脂硬化層上に銅粉末含有塗膜を形成するには、銅ペーストをフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、銅粉末含有塗膜を形成することができる。一般的に、銅粉末の場合、この段階での銅粉末含有塗膜は1Ω・cm以上の比抵抗で、導電回路として必要な導電性は得られていない。
スルーホールの内壁への銅粉末含有塗膜の形成は、過熱水蒸気処理前に行えばよく、絶縁基板の少なくとも片面に銅粉末含有塗膜を形成する前でも後でもかまわないが、望ましい順序としては、絶縁基板の片面に銅粉末含有塗膜を設けたものにスルーホールを穿設した後、銅粉末含有塗膜の反対面への印刷とスルーホール内壁への銅粉末含有塗膜の形成を同時に行うことが挙げられる。
絶縁基板上及びスルーホール内壁面上に同時に銅ペーストを塗布するには、スルーホールを有する絶縁基板に対して前述の銅粉末含有塗膜を形成する方法を用いればよい。スルーホール内壁の全面に均一に塗布するためには、スルーホールに銅ペーストが十分に注入される方法が好ましい。
また、絶縁基板の両面にあらかじめ銅粉末含有塗膜や導電層が形成されている基板のスルーホール内壁面上に銅ペーストを塗布するには、スルーホールに銅ペーストを直接注入する方法が好ましい。
スルーホールに銅ペーストを塗布する場合、反対面からの銅ペーストの滲み出しが起こりえる。また、不均一に銅ペーストが内壁に付着すると、局部的な歪を生じ、歪は断線の原因になりえる。さらに、後述のめっきによる導電層の形成を均一に行うためには、スルーホールは、スルーホール内壁の全面に銅粉末含有塗膜が形成された貫通孔であることが望まれる。銅ペーストが滲み出してスルーホール部付近を汚染することや不均一に残留することを避けるため、銅ペースト塗布面の反対面に吸液部を配置して、均一に内壁に付着した銅ペースト以外の過剰の銅ペーストを取り除くことが好ましい。
過剰の銅ペーストを取り除く方法としては、紙、布や不織布等ではみ出した銅ペーストを吸収することや、スルーホールの入口と出口で圧力差を生じるように空気を入口から吹き込む、又は出口で吸引することが挙げられる。スルーホールの出入り口に圧力差を設ける場合は圧力差を10〜10N/mの範囲とすればよい。また、紙、布や不織布等による銅ペーストの吸収と、スルーホールの出入り口での空気の吹き込み又は吸引の両方を行えば、過剰の銅ペーストを取り除くとともに、内壁面上の銅ペーストをより均一に塗布することができ、好ましい。
例えば、スクリーン印刷によって銅粉末含有塗膜を形成する際、銅ペーストをスルーホールにスキージして充填し、スキージの反対からペーストを吸引する、あるいは反対面に置いた紙、布や不織布に過剰のペーストを吸収すること等が挙げられる。
本発明の製造方法では、銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する。過熱水蒸気による処理は赤外線や遠赤外線乾燥と併用してもかまわない。本発明の製造方法では加熱処理する熱源として、空気よりも熱容量、比熱が大きい過熱水蒸気を用いる。過熱水蒸気とは飽和水蒸気をさらに加熱して温度を上げた水蒸気である。過熱水蒸気による加熱処理は加熱効率に優れ、乾燥能力が高いため、短時間の処理でスルーホール内壁面上に塗布された銅ペースト由来の溶剤を蒸発させることができ、均一な導電性塗膜を得ることができる。
用いる過熱水蒸気の温度は導電性の目標範囲や銅粒子やバインダー樹脂により最適範囲は異なるが、150〜450℃、好ましくは200〜400℃の範囲にする。150℃未満では十分な効果が得られない恐れがある。450℃を超える場合では樹脂の劣化の恐れもある。過熱水蒸気はほぼ完全な無酸素状態ではあるが、乾燥熱処理時には150℃以上の高温になるため、空気の混入が起こる場合には、必要により酸素濃度を下げることが必要となる。銅粉末の場合には、高温では酸素により容易に酸化が起こり、導電性が悪化する。そのため、酸素濃度を1%以下、好ましくは0.1%以下に下げることが望ましい。
次いで、導電性塗膜に電気銅めっきを行う。電気銅めっきは、通常のプリント配線板で使用される硫酸銅めっきやピロリン酸銅めっきが使用できる。めっき厚みは導電回路の使用目的や要求特性によりきめられるが、1〜100μmの範囲が好ましい。
本発明の製造方法は過熱水蒸気処理後、セミアディティブ法による回路形成にも容易に適用できる。この場合、銅粉末含有塗膜を過熱水蒸気により加熱処理して導電化した導電性塗膜上の、スルーホール部と導電回路部以外の個所に電気めっきレジストを形成した後に電気銅めっきを行う。電気めっきレジストの形成はフォトレジスト法でもスクリーン印刷等による印刷法でもかまわない。電気めっきレジストは液状レジストでもドライフィルムでもかまわない。
セミアディティブ法により回路形成を行った場合には、めっき終了後、電気めっきレジストの剥離を通常のレジスト剥離液を用いて行う。次に、電気めっきレジスト剥離部の導電性塗膜中の銅の除去をエッチングにより行う。使用するエッチング液は硫酸や硝酸等の酸と過酸化水素を主成分とするものが、エッチング速度と、めっき部と導電性塗膜中の銅のエッチング速度差から望ましい。
また、電気めっきに先立ち、めっき前処理を行うことが望ましく、前処理は界面活性剤を含む酸性水溶液での処理がより望ましい。
上記の製造方法によって導電回路が形成された配線板を得ることができる。
さらに、導電回路上に防錆剤のコート、ニッケル/金めっき、カバーレイフィルムの貼り合わせや、ソルダーレジストのコート等、通常配線板の保護で行われる工程を加えてもかまわない。
上記製造方法によって得られた配線板は、絶縁基板と基板平面上及びスルーホール内壁面上の導電回路との接着性に優れ、高い導電性を示す。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
表面抵抗:三菱化学社製低抵抗率計ロレスターGPとASPプローブを用いて測定した。
スルーホール部抵抗:抵抗計でスルーホールの両端の直流抵抗を測定した。
接着性:導電性塗膜を形成した試験片に下記のめっき前処理を行った後、下記のめっき浴中で導電性塗膜に15μmの電気銅めっきを施し、1日後にめっき層の剥離強度を測定した。剥離強度の測定は試験片のめっき層の一端をはがし、めっき層が180度折れ曲がる方向に引っ張り速度100mm/分で引き剥がして行った。
めっき前処理
奥野製薬工業社製「酸性脱脂剤DP−320クリーン」50℃で3分間前処理
めっき浴(1L中)
硫酸銅・5水和物 200g/L
硫酸 60g/L
食塩 0.1g/L
冷熱サイクル試験:得られた配線板の冷熱サイクル試験を株式会社ヒュウテック社製高速温度サイクル試験装置を用いて、次の2水準で行った。各温度間の移行には25分を要した。
冷熱サイクル試験−1:−30℃×30分 → 85℃×30分を500回
冷熱サイクル試験−2:−50℃×30分 → 120℃×30分を500回
冷熱サイクル試験の評価は以下のようにした。
冷熱サイクル試験後に、JIS C5016に準じて測定したスルーホール部抵抗の値が100mΩ以上の場合を断線とした。
○:25個のスルーホール部に断線なし。
×:25個のスルーホール部に1個以上で断線があった。
銅粉末A:水中にて、硫酸銅(II)水溶液を水酸化ナトリウムによりpH12.5に調整し無水ブドウ糖で亜酸化銅に還元後、さらに水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.18μmの球状の粒子である。
銅粉末B:酒石酸を含有する水に亜酸化銅を懸濁させ、水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.62μmの球状の粒子である。
銅粉末C:三井金属鉱業社製湿式銅粉「1110」(平均粒径3.7μm)
実施例 1
絶縁基板1として、樹脂硬化層付きポリイミドフィルムを使用した。
樹脂硬化層付きポリイミドフィルム:東洋紡社製ポリエステルジオールRV220(芳香族系ポリエステル、分子量2000)とベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)及び反応触媒としてトリエチルアミンを、溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(1/1/1重量比)用いて70℃で反応させ、酸価1000当量/トンのポリエステル(Pes−1)溶液を得た。室温まで冷却後、三菱化学社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂「152」をPes−1の20重量%、トリフェニルフォスフィン(TPP)をPes−1の1重量%加え、カネカ社製ポリイミドフィルム「アピカルNPI厚み25μm」に乾燥後の厚みで0.2μmになるように塗布し、220℃で1分間乾燥・熱処理をした。反対面にも乾燥後の厚みで0.2μmになるように塗布し、220℃で1分間乾燥・熱処理をして樹脂硬化層付きポリイミドフィルムを得た。
下記の配合割合の組成物をミキサーで混錬後、エグザクト・テクノロジーズ社製3本ロール「M−50」を用いて分散した。得られた銅ペーストをMEK/トルエン(1/1重量比)で希釈し、グラビアロールにより、樹脂硬化層付きポリイミドフィルム(絶縁基板1)の樹脂硬化層上に、乾燥後の厚みが2μmになるように片面だけに塗布し、120℃で5分熱風乾燥して図1(a)に示すように銅粉末含有塗膜11が形成されたポリイミドフィルムを得た。
分散液組成
共重合ポリエステルの溶液 10.8部
(イソホロンの35重量%溶液)
銅粉末A(平均粒径0.18μm) 50部
γ−ブチロラクトン(希釈溶剤) 2.5部
オキセタン 1.6部
(共重合ポリエステル:東洋紡積社製「RV290」
オキセタン:東亜合成社製「OXT−221」)
得られた銅粉末含有塗膜付きポリイミドフィルムに、図1(b)に示すように孔径0.3mmのスルーホール2を、縦5列横5列の計25個、1cmの間隔をあけてレーザーを用いて穿設した。銅粉末含有塗膜11の反対面とスルーホール2の内壁面上に、希釈前の上記銅ペースト12をスクリーン印刷して絶縁基板1の平面への銅ペーストの塗布とスルーホールへの銅ペーストの充填を同時に行った。絶縁基板1の平面への銅ペーストの塗布は、乾燥後の厚みが2μmになるようにした。また、絶縁基板11の平面への銅ペースト12の塗布は、スクリーン印刷によって所望の回路形状となるように行った。なお、図1(c)に示すように、スクリーン印刷を行った面と反対の面に濾紙100を接触させて銅ペーストを吸収し、スルーホール2に過剰の銅ペーストが残存しないようにした。120℃でさらに5分間熱風乾燥して図1(d)に示すように、銅粉末含有塗膜13が形成されたポリイミドフィルムを得た。ここで、銅粉末含有塗膜11と銅粉末含有塗膜13はいずれも銅ペーストが塗布され乾燥された塗膜となり、一体として後の処理を施すことができる。次いで、過熱水蒸気処理を330℃で2分間施して導電性塗膜14を形成した(図1(e))。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給して行った。得られた導電性塗膜14が形成されたポリイミドフィルムの表面抵抗を測定した。このときの表面抵抗は0.08Ω/□であった。
得られた導電性塗膜14が形成されたポリイミドフィルムを、奥野製薬社製めっき前処理剤「DP−320クリーン」を用いて、50℃で2分間浸漬処理して脱脂した。次に導電性塗膜14上に、日立化成工業社製ドライフィルムフォトレジストRY−3025をラミネートしフォトツールを用いて所定のパターンに露光、現像し図1(f)に示すように電気めっきレジスト15を形成した。電気めっきレジスト15が形成されたポリイミドフィルムを、硫酸銅浴を用いて液温20℃、電流密度1A/dmの条件で、絶縁基板1の両平面とスルーホール2の内壁面上に形成された導電性塗膜14上に厚さ15μmの銅めっきを行ってめっき層16を形成した(図1(g))。めっき層16は、電気めっきレジスト15を形成した部分を除き、銅ペースト12の塗布時に印刷した回路形状を含む導電性塗膜14の形状どおりに形成された。めっき後、ニチゴー・モートン社製レジスト剥離液HTOを用いて電気めっきレジスト15の除去を行った(図1(h))。レジスト剥離部の導電性塗膜中の銅を奥野製薬工業社製、硫酸・過酸化水素水系エッチング液「OPC−450ソフトエッチ」を用いて除去して導電回路が形成された配線板を得た(図1(i))。得られた配線板の評価結果を表―1に示す。
実施例 2
実施例1と同様に、ただし、実施例1での銅ペースト12のスクリーン印刷の際、図2に示すように絶縁基板1のスクリーン印刷を行った面と反対の面にはガラス板200を接触させて銅粉末含有塗膜を形成し、配線板を製造した。得られた配線板の評価結果を表−1に示す。
比較例 1
実施例1と同様に、ただし、過熱水蒸気処理を施さずにめっき前処理及び電気銅めっきを施したが、導電性不良のため、めっきはできなかった。
実施例 3
絶縁基板1として、200μmの日東シンコー社製エポキシガラスクロスプリプレグ「EGL−7」を、離型フィルムとしてフッ素樹脂フィルムと重ね合わせ200℃1時間加熱キュアーしたエポキシガラスクロスを使用した。
下記の配合割合の組成物をサンドミルにいれ、800rpmで、2時間分散した。メディアは半径0.2mmのジルコニアビーズを用いた。得られた銅ペーストをアプリケーターにより、上記エポキシガラスクロス(絶縁基板1)に乾燥後の厚みが5μmになるように、両面に塗布し、120℃で5分熱風乾燥して銅粉末含有塗膜21が形成されたエポキシガラスクロスを得た。
分散液組成
共重合ポリエステルの溶液 2.5部
(トルエン/シクロヘキサノン=1/1(重量比)の40重量%溶液)
銅粉末B(平均粒径0.62μm) 9部
γ−ブチロラクトン(希釈溶剤) 3.5部
メチルエチルケトン(希釈溶剤) 5部
ブロックイソシアネート 0.2部
(共重合ポリエステル:東洋紡積社製「バイロン300」
ブロックイソシアネート:日本ポリウレタン社製「コロネート2546」
得られた銅粉末含有塗膜付きエポキシガラスクロスに孔径0.3mmのスルーホール2を縦5列横5列の計25個、1cmの間隔をあけてドリルを用いて穿設したのち、実施例1と同様の銅ペースト22をディスペンサーを用いて充填した(図3(a))。充填時に充填を行った面と反対の面から濾紙100を通して0.3m3/分の吸引を行うと、ただちに、図3(b)に示すように余剰の銅ペースト23が濾紙に吸収され、スルーホール2の内壁に銅ペースト22が均一に塗布された。120℃5分間乾燥して図3(c)に示すように銅粉末含有塗膜24が形成されたエポキシガラスクロスを得た。ここで、銅粉末含有塗膜21と銅粉末含有塗膜24はいずれも銅ペーストが塗布され乾燥された塗膜となり、一体として後の処理を施すことができる。次いで、過熱水蒸気処理を300℃で2分間施して導電性塗膜を形成した。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給して行った。得られた導電性塗膜が形成されたエポキシガラスクロスの表面抵抗を測定した。
得られた導電性塗膜が形成されたエポキシガラスクロスに、実施例1と同様に、めっき前処理、ドライフィルムフォトレジストによる電気めっきレジスト形成、電気銅めっき、電気めっきレジスト除去を行って導電回路が形成された配線板を得た。得られた配線板の評価結果を表−1に示す。
実施例 4
実施例3で用いたエポキシガラスクロスの代わりに、樹脂硬化層付きエポキシガラスクロスを絶縁基板1として用いた他は、実施例3と同様にして配線板を得た。得られた配線板の評価結果を表−1に示す。
樹脂硬化層付きエポキシガラスクロス:ビスフェノールA骨格含有ポリエステル(Pes−2:テレフタル酸/イソフタル酸//ビス−A含有ジオール/エチレングリコール50/50//70//30モル比)のメチルエチルケトン/トルエン(1/1重量比)溶液と熱硬化性フェノール樹脂(群栄化学社製レヂトップPL−2407)をPes−2の30重量%、反応触媒としてp−トルエンスルフォン酸(p−TS)をPes−2の0.5重量%からなる組成物を日東シンコー社製エポキシガラスクロスプリプレグ「EGL−7」の両面に乾燥後の厚み0.2μになるように塗布し、200℃で1分間乾燥硬化させてエポキシガラスクロスプリプレグ上に樹脂硬化層を形成後、離型フィルムとしてフッ素樹脂フィルムと重ね合わせ200℃1時間加熱キュアーして樹脂硬化層付きエポキシガラスクロスを得た。なお、Pes−2はポリエステルのジオール成分としてビスフェノールAの各水酸基にエチレンオキサイドが1分子付加したジオールを含有する。
得られた銅粉末含有塗膜付きエポキシガラスクロスに、図1(b)に示すように孔径0.3mmのスルーホール2を、縦5列横5列の計25個、1cmの間隔をあけてレーザーを用いて穿設した。
実施例 5〜7
日東シンコー社製エポキシガラスクロスプリプレグ「EGL−7」の両面に厚さ25μmの電解銅箔を重ね合わせ、180℃1時間、1MPaで加圧接着して、両面銅張積層板を得た。得られた積層板を5cm角に切断後、積層板1個に0.2mmのスルーホールを縦5列横5列の計25個、1cmの間隔をあけてレーザーを用いて穿設した。実施例1で用いた銅ペーストを同量のMEK/トルエン(1/1重量比)で希釈した分散液中に、スルーホールを有する積層板を1分間浸漬した後、120℃で5分間乾燥後、過熱水蒸気処理を330℃で2分間、行った。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super−Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給して行った。
得られたスルーホールに導電性塗膜が形成された両面銅張積層板に、実施例1と同様に、めっき前処理及び電気銅めっきを行った。スルーホール部を中心に約半径1cmの円柱状に銅張積層板を切り取り、スルーホール部の電気抵抗の測定、冷熱サイクル試験を行った。なお、銅ペーストには、実施例5では銅粉末Aを、実施例6では銅粉末Bを、実施例7では銅粉末Cを使用した。得られた配線板の評価結果を表−2に示す。
本発明で得られる配線板は、スルーホール内壁面に銅粉末含有層を形成した構造物に、過熱水蒸気による処理を施すことにより、導電性が優れるだけでなく、絶縁基板との接着性も向上した配線板を効率よく作成できる。これらの配線板は電気配線材料等に用いられる。
1 絶縁基板
2 スルーホール
11 銅粉末含有塗膜
12 銅ペースト
13 銅粉末含有塗膜
14 導電性塗膜
15 電気めっきレジスト
16 めっき層
21 銅粉末含有塗膜
22 銅ペースト
23 余剰の銅ペースト
24 銅粉末含有塗膜
100 濾紙
200 ガラス板

Claims (5)

  1. スルーホールを有する絶縁基板において、該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程とを有することを特徴とする配線板の製造方法。
  2. スルーホールを有する絶縁基板において、該絶縁基板の少なくとも片面、及び該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程とを有する請求項1に記載の配線板の製造方法。
  3. スルーホールを有する絶縁基板において、該絶縁基板の少なくとも片面、及び該スルーホールの内壁面上に銅粉末、バインダー樹脂及び溶剤を主成分とする銅ペーストを塗布し、乾燥して銅粉末含有塗膜を形成する工程と、該銅粉末含有塗膜に過熱水蒸気による加熱処理を施して導電性塗膜を形成する工程と、該導電性塗膜上に電気めっきレジストを形成する工程と、電気めっきレジストを形成した導電性塗膜に電気銅めっきを施す工程と、電気めっきレジストを剥離する工程と、電気めっきレジスト剥離部の導電性塗膜中の銅をエッチングで除去して導電回路を形成する工程とを有する請求項1又は2に記載の配線板の製造方法。
  4. 銅粉末含有塗膜を形成する工程において、銅ペースト塗布面の反対面に吸液部を配置する請求項1〜3のいずれかに記載の配線板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造される配線板。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018148005A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 戸田工業株式会社 印刷回路板の製造方法
WO2023145577A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 電装品、及び電装品の製造方法

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