JPH0977973A - ポリイミドペースト - Google Patents

ポリイミドペースト

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JPH0977973A
JPH0977973A JP7235197A JP23519795A JPH0977973A JP H0977973 A JPH0977973 A JP H0977973A JP 7235197 A JP7235197 A JP 7235197A JP 23519795 A JP23519795 A JP 23519795A JP H0977973 A JPH0977973 A JP H0977973A
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JP
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polyimide
formula
paste
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polyamic acid
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Application number
JP7235197A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Hatanaka
宏文 畑中
Shigeo Makino
繁男 牧野
Kazumi Suzuki
和己 鈴木
Tatsumi Hoshino
巽 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ポリイミドを有機溶媒に溶解した溶液、及
び無機フィラーを主成分とするポリイミドペースト。該
ポリイミドは、有機溶媒(N,N-ジメチルアセトアミ
ド等)中、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンと
芳香族テトラカルボン酸二無水物{ピロメリット酸二無
水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無
水物等}とを縮合させてポリアミド酸を生成し、更に脱
水環化して得る。該ポリアミド酸の対数粘度= 0.1〜2.
0 dl/gである。無機フィラー/ポリイミド={(10/90
)〜(95/5)}(重量比)である。 【効果】このペーストは、熱可塑型であり、無機フィラ
ー/ポリイミドの割合が広くても両者の分散性が良好で
あり、このポリイミド自体が本来有する耐熱性や加工性
はもちろん、電気伝導性、熱伝導性及び低い線膨張率を
充分に満足する。これは、半導体アセンブリー、電気・
電子部品向けの接着剤として最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドペース
トに関し、より詳しくはポリイミドに無機フィラーを均
一に分散させた、特に良好な耐熱性を有するペースト型
熱可塑性接着剤に関するものである。該ポリイミドペー
ストは、半導体アセンブリー、電気・電子部品向けの接
着剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体アセンブリーを始めとする
電子部品用のペースト型接着剤としては、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等をベースとする熱硬化型が主体であ
った。しかし、これらのペーストには、リフロー工程で
ガスが発生する、耐熱性が低い(250℃程度)、補修が
容易にできない、硬化反応による収縮を吸収できない、
硬化時間が長いため工程合理化の支障になる、冷蔵庫で
の保管を要する等という多くの欠点がある。
【0003】ところで、一般に、芳香族テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンの縮合により得られるポリ
イミドは種々の優れた物性(耐熱性、接着力、加工性、
透明性、低い吸水性等)を有するため、とりわけ耐熱性
接着剤として大いに期待されている。このポリイミドの
一つとして、例えば、特公平7-65027号公報には、強い
接着力と優れた耐熱性を有する熱可塑型のものが開示さ
れている。
【0004】そこで、半導体アセンブリー、電気・電子
部品向けの接着剤に要求される性能(電気伝導性、熱伝
導性、低い線膨張率等)を満たし、上記の熱硬化型ペー
ストの欠点を避けるために、この熱可塑型ポリイミドだ
け、又はこのポリイミドをベースとするペーストを用い
ることが考えられる。しかし、このポリイミドだけで
は、耐熱性接着剤としては優れているが、上記の要求性
能を満足するには不充分である。すなわち、このポリイ
ミド自体は絶縁性であり、その熱伝導性は低く、また、
その線膨張率は高いので被接着体(金属等)/ポリイミ
ドの差から反りや剥がれが生じやすい。
【0005】また、無機フィラーとこのポリイミドから
ポリイミドペーストとする場合、両者が均一に分散し、
更には長期間安定するペーストを得ることは困難であ
る。すなわち、所望のポリイミドペーストを得るには、
無機フィラー/ポリイミドの割合が余りにも狭い範囲に
限られる。無機フィラー/ポリイミドの割合が大きい
と、両者を撹拌するだけで激しく凝集し、混練すること
もできず、また、その割合が小さいと、両者を混練して
ペーストを得ることができるとしても、そのものには経
時的に分離や沈降が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機フィラ
ー/ポリイミドの割合の広い範囲にわたって両者の分散
性が良好であり、かつポリイミド自体が本来有する耐熱
性や加工性に加え、電気伝導性、熱伝導性及び低い線膨
張率を満足する新規な熱可塑型ポリイミドペーストを提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミドとし
て、特定な構造を有し、その前駆体であるポリアミド酸
の対数粘度が特定な範囲にあるものを選び、またこのポ
リイミドに無機フィラーを特定な割合で配合することが
有効であるという事実を見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、次のポリイミドを有
機溶媒に溶解した溶液、及び無機フィラーを主成分と
し、無機フィラーとポリイミド(固形分)との配合割合
が(10/90 )〜(95/5)(重量比)であることを特徴
とするポリイミドペーストである。該ポリイミドは、式
(1)(化10)
【化10】 (式中、Y1 は式(2)(化11)
【0009】
【化11】 であり、Rは式(3)(化12)
【0010】
【化12】 からなる群より選ばれる四価の基である。)で表される
繰り返し単位を有し、その末端が式(4)(化13)
【0011】
【化13】 (式中、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
表される基、又は式(5)(化14)
【0012】
【化14】 で表される基である重合体である。
【0013】また、該ポリイミドの前駆体であるポリア
ミド酸は、式(6)(化15)
【化15】 (式中、Y2 は式(7)(化16)
【0014】
【化16】 であり、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
表される繰り返し単位を有し、その末端が式(8)(化
17)
【0015】
【化17】 (式中、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
表される基、又は式(5)(化18)
【0016】
【化18】 で表される基であり、その対数粘度(溶媒N,N-ジメ
チルアセトアミド、濃度0.5g/100ml-溶媒、35℃で測
定)は 0.1〜2.0 dl/gである。
【0017】ここで、対数粘度とは次の式で算出した値
である。 対数粘度=ln(η/η0 )/C (式中、ln は自然対数、ηは溶媒のN,N-ジメチル
アセトアミド 100ml 中にポリアミド酸 0.5gを溶かし
た溶液の35℃で測定した粘度、η0 は該溶媒の35℃で測
定した粘度、及びCは該溶媒 100 ml当りポリアミド酸
のgで表された重合体の溶液濃度である。)
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本発明に用いるポリイミ
ド、すなわち、前記の式(1)で表される繰り返し単位
を有し、その末端が前記の式(4)又は式(5)で表さ
れる基である重合体は、下記する公知の方法(特公平7
-65027号公報や特開平5-306387号公報に記載)により
製造することができる。このポリイミドは、芳香族ジア
ミンとして 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
を特定し、有機溶媒中、これと芳香族テトラカルボン酸
二無水物とを縮合させてポリアミド酸を生成し、更に脱
水環化して得られるものである。
【0019】上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物と
しては、式(9)(化19)
【化19】 (式中、Rは前記式(2)中のものと同じである。)で
表されるものである。具体的には、ピロメリット酸二無
水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二
無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物、及び2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物が挙げられる。これらは、単独でも、又は2種以上
混合して用いられる。
【0020】また、上記の有機溶媒としては、例えば、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチ
ルメトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,
3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラク
タム、ブチロラクタム、1,2-ジメトキシエタン、ビス
(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシ
エトキシ)エタン、ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エチ
ル)エーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、
1,4-ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルアミド等が挙げられる。これらは単独で
も、又は2種以上混合して用いても差し支えない。
【0021】上記の縮合反応において、温度は通常 10
〜60℃、好ましくは 20〜50℃であり、圧力は特に限定
されず、常圧で充分行なうことができる。反応時間は、
使用する芳香族テトラカルボン酸二無水物や有機溶剤の
種類、及び反応温度により異なるが、通常、ポリアミド
酸の生成が完了するに充分な時間、すなわち4〜24時間
である。
【0022】このような反応により、前記の式(6)で
表される繰り返し単位を有し、その末端が前記の式
(8)又は式(5)で表される基であるポリアミド酸を
得る。このポリアミド酸を 100〜300℃で2〜3時間加
熱脱水することにより、前記の式(1)で表される繰り
返し単位を有し、その末端が前記の式(4)又は式
(5)で表される基である重合体(ポリイミド)を得
る。なお、このポリイミドには、その前駆体であるポリ
アミド酸を一部含有していても差し支えない。
【0023】本発明において、上記のように得られるポ
リアミド酸の対数粘度は 0.1〜2.0dl/g、好ましくは
0.3〜1.5 dl/gの範囲であることが必要である。このポ
リアミド酸の対数粘度が 0.1 dl/g未満では、それに対
応するポリイミドの重合度が余りにも小さいため、この
ポリイミドに無機フィラーを分散させてもペースト状態
を保てず、無機フィラーの分離や沈降が著しくなる。一
方、この対数粘度が 2.0 dl/gを越えると、対応するポ
リイミドの重合度が余りにも大きくなり、その分子量も
増す。そのため、このポリイミドに無機フィラーを分散
することが困難になり、無機フィラーの量が少ないと分
散するが、その量が多くなるにつれ、無機フィラーの分
離や沈降、混練物の凝集が起きやすくなる。
【0024】次に、本発明に用いる無機フィラーとして
は、一般的に知られているもの、すなわち、金、銀、白
金、パラジウム、アルミニウム、スズ、鉛、亜鉛、ニッ
ケル、炭素、鉄、銅、ケイ素、アルミナ、窒化アルミニ
ウム、窒化ホウ素、酸化スズ、酸化鉄、酸化銅、タル
ク、雲母、カオリナイト、炭酸カルシウム、シリカ、酸
化チタン等が挙げられる。これらは単独でも又は2種以
上混合して用いても差し支えない。
【0025】ただし、ポリイミドペーストへの要求性能
(電気伝導性、熱伝導性、低い線膨張率等)の優先度合
い、及びその用途に応じて、これらの無機フィラーを選
ぶのがよい。その際に、例えば、電気伝導性の点では、
金、銀、白金、パラジウム、アルミニウム、スズ、鉛、
亜鉛、ニッケル、炭素、鉄、銅、ケイ素;熱伝導性の点
では、銀、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素;
低い線膨張率の点では、上記の全ての無機フィラーが挙
げられる。
【0026】本発明に用いる無機フィラーの量は、無機
フィラー/ポリイミド固形分(重量比)で(10/90)〜
(95/5)(0.9〜19)の範囲である。この割合が 10/90
未満では、経時的に無機フィラーの分離や沈降が発生
し、ペースト状態を保てず、また、95/5 を越えると、
ポリイミドに無機フィラーを加えて撹拌する際、凝集が
激しく、両者を分散することができない。
【0027】更に、本発明において、ポリイミドペース
トは、上記のポリイミドを有機溶媒に溶解した溶液、又
は有機溶媒中でポリアミド酸を生成し脱水環化させて得
たポリイミド反応液そのままを用い、これに所定の無機
フィラーを加え撹拌し、三本ロール、ニーダー等の混練
機、又はへらにて混練し、製造することができる。この
際、得られるポリイミドペーストをスクリーン印刷、デ
ィスペンサー、その他の塗布機にて使用しやすい粘度に
するために、有機溶媒で希釈することが望ましい。ポリ
イミドの溶解及びポリイミドペーストの希釈に用いる有
機溶媒としては、上記のポリイミド生成反応に用いるも
のと同様である。また、ポリイミドペーストの特性を損
なわない限り、種々の添加剤、すなわち、密着性向上剤
(シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤
等)、防錆剤、粘度調整剤、界面活性剤、着色剤、揺変
剤等を用いることは差し支えない。
【0028】上記のように得られるポリイミドペースト
は、次のように接着剤として使用される。すなわち、貼
合わすべき被接着物の一つに該ポリイミドペーストを薄
い層にて塗布した後、この被接着物を空気中で約1時
間、220℃程度に予熱して過剰の有機溶媒を除去し、薄
い層を無機フィラー入りのポリイミドの膜とする。この
膜にもう一つの被接着物を 0.01〜10Kg/cm2 の圧力、1
50〜400℃の温度で圧着させると、二つの被接着物同士
は強固に接着する。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。以下において、「部」と「%」は重量基準
である。なお、得られるポリイミドペーストの分散状態
やフィルムの物性は、次の試験や測定にて評価する。 ・分散性: ポリイミドペーストをポリプロピレン製容
器に密閉し、室温にて長期間(1ケ月程度)放置し、そ
の分散状態を目視にて観察する。 ・線膨張率: TMA引張り法。熱機械的分析装置(型
番TMA120C引張りモード、セイコー電子工業社
製)。 ・電気伝導度(電気伝導率)、抵抗率: オームメータ
ー(型番広幅ディジタルオームメーターDR-1000 、三
和電気計器社製)。 ・熱伝導率: 温度傾斜法。熱伝導率測定装置(型番A
RC-TC1型、アグネ社製)。
【0030】実施例1 反応器(撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管付き)中、
窒素雰囲気下、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン 14.6部(0.05モル)をN,N-ジメチルアセトアミド 7
6.5部に加え、これを撹拌しながらピロメリット酸二無
水物 10.9部(0.05モル)を乾燥固体のまま少量ずつ添加
した。この間、反応器内の温度を 25〜30℃に保つよう
に冷却し、ピロメリット酸二無水物を添加後、20時間
(反応時間)、窒素雰囲気下、室温で撹拌し続け、ポリ
アミド酸を得た。このポリアミド酸の対数粘度(溶媒
N,N-ジメチルアセトアミド、濃度 0.5g/100ml-溶
媒、35℃)は 1.10 dl/gであった。このポリアミド酸
を約 200℃で3時間加熱脱水し、ポリイミド反応液(固
形分25%)を得た。次に、このポリイミド反応液 100部
にフレーク状銀粉(AgC−A:商品名、福田金属箔粉
工業社製)75部(銀粉/ポリイミド固形分=75/25 重量
比)を加えて充分撹拌し、三本ロールにて分散させてポ
リイミドペースト(A-1)を得た。このポリイミドペー
ストは、均一に分散し、室温にて1ケ月間放置しても、
分離、沈降等を生じなかった。更に、このポリイミドペ
ースト(A-1)の一部を取り、ガラス板上にキャストし
た後、30分間かけて30℃から 220℃まで昇温させ、220
℃にて30分間保ち、溶媒を除去することで、厚さ 30μm
の銀/ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの線膨
張率は 26 ppm 、抵抗率は6×10-4 ohm・cm、及び熱伝
導率は 3.1 watt/m・℃であった。これらの値を表1に
まとめる。
【0031】実施例2〜6 実施例1の前半中、芳香族テトラカルボン酸二無水物と
して、表2に示す化合物を用いる以外、実施例1と全く
同様に操作し、5種類のポリアミド酸、ポリイミド反応
液、ポリイミドペースト(B〜F)、更には銀/ポリイ
ミドフィルムを得た。これらのポリイミドペースト(B
〜F)は、いずれも均一に分散し、室温にて1ケ月間放
置しても、分離、沈降等を生じなかった。また、ポリア
ミド酸の対数粘度、及び銀/ポリイミドフィルムの物性
値を表1にまとめる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例7 ,8 実施例1の前半中、ポリアミド酸生成の反応時間を8時
間(実施例7)又は 22時間(実施例8)に変える以
外、実施例1と全く同様に操作し、2種類のポリアミド
酸、ポリイミド反応液、ポリイミドペースト(A-2 ,A
-3)、更には銀/ポリイミドフィルムを得た。これらの
ポリイミドペースト(A-2 ,A-3)は、いずれも均一に
分散し、室温にて1ケ月間放置しても、分離、沈降等を
生じなかった。また、ポリアミド酸の対数粘度、及び銀
/ポリイミドフィルムの物性値を表3にまとめる。
【0035】実施例9 ,10 実施例1の中半において、フレーク状銀粉/ポリイミド
固形分(重量比)を 90/10(実施例9)又は 40/60(実
施例10)に変える以外、実施例1と全く同様に操作し、
ポリアミド酸、ポリイミド反応液を得、更には2種類の
ポリイミドペースト(A-4 ,A-5)、銀/ポリイミドフ
ィルムを得た。これらのポリイミドペースト(A-4 ,A
-5)は、いずれも均一に分散し、室温にて1ケ月間放置
しても、分離、沈降等を生じなかった。また、ポリアミ
ド酸の対数粘度、及び銀/ポリイミドフィルムの物性値
を表3にまとめる。
【0036】
【表3】
【0037】実施例11〜14 実施例1の中半において、無機フィラーとして、アルミ
ナ(Akp-30 :商品名、住友化学工業社製)(実施例
11)、窒化アルミニウム(シェイパルSH-15:商品
名、トクヤマ社製)(実施例12)、窒化ホウ素(MBN
-010:商品名、三井東圧化学社製)(実施例13)、又は
タルク(スーパータルクSG-95 :商品名、日本タルク
社製)(実施例14)を用いる以外、実施例1と全く同様
に操作し、ポリアミド酸、ポリイミド反応液を得、更に
は4種類のポリイミドペースト(A-6〜A-9)、無機フ
ィラー/ポリイミドフィルムを得た。これらのポリイミ
ドペースト(A-6〜A-9)は、いずれも均一に分散し、
室温にて1ケ月間放置しても、分離、沈降等を生じなか
った。また、ポリアミド酸の対数粘度、及び銀/ポリイ
ミドフィルムの物性値を表4にまとめる。なお、これら
の無機フィラー自体は電気伝導性でないので、得られた
無機フィラー/ポリイミドフィルムも電気伝導性でな
く、絶縁性である。
【0038】
【表4】
【0039】比較例1〜3 実施例1の前半中、ピロメリット酸二無水物の量を 6.5
部(0.03モル)、及び反応時間を8時間に変える以外、全
く同様に操作し、ポリアミド酸、更にはポリイミド反応
液(固形分25%)を得た。ポリアミド酸の対数粘度は
0.05 dl/gであった。次に、銀粉/ポリイミド固形分
(重量比)が 50/50(比較例1)、60/40(比較例2)
又は 75/25(比較例3)となるように、このポリイミド
反応液にフレーク状銀粉(AgC−A:商品名、福田金
属箔粉工業社製)を加えて充分撹拌し、三本ロールにて
分散させて3種類のポリイミドペースト(A-10 〜A-1
2 )を得た。これらのポリイミドペースト(A-10 〜A
-12 )は、いずれも室温にて2〜3日間放置すると、分
離、沈降等が著しく、実用的なものではなかった。これ
らの結果を表5にまとめる。
【0040】比較例4〜6 実施例1の前半中、ポリアミド酸生成の反応時間を 30
時間に変える以外、全く同様に操作し、ポリアミド酸、
更にはポリイミド反応液(固形分25%)を得た。ポリア
ミド酸の対数粘度は 2.4 dl/gであった。次に、銀粉/
ポリイミド固形分(重量比)が 50/50(比較例4)、又
は 60/40(比較例5)となるように、このポリイミド反
応液にフレーク状銀粉(AgC−A:商品名、福田金属
箔粉工業社製)を加えて充分撹拌し、三本ロールにて分
散させて2種類のポリイミドペースト(A-13 , A-14
)を得た。これらのポリイミドペースト(A-13 , A-
14 )では、いずれも室温にて2時間放置するだけで、
銀とポリイミドが分離し、均一なペースト状を保つこと
はできなかった。また、銀粉/ポリイミド固形分(重量
比)が 75/25(比較例6)となるように、このポリイミ
ド反応液にフレーク状銀粉を加えて撹拌し、ポリイミド
ペーストを得ようと試みた。しかし、この場合、撹拌す
る際、凝集が激しく、三本ロールにて分散せず、ペース
トを得ることはできなかった。これらの結果を表5にま
とめる。
【0041】
【表5】
【0042】比較例7 実施例1の中半において、フレーク状銀粉/ポリイミド
固形分(重量比)を 98/2に変える以外、実施例1と全
く同様に操作し、ポリアミド酸、ポリイミド反応液を
得、更にポリイミドペーストを得ようと試みた。しか
し、ポリイミド反応液に銀粉を加えて撹拌する際、凝集
が激しく、三本ロールにて分散せず、ペーストを得るこ
とはできなかった。これらの結果を表6にまとめる。
【0043】比較例8 実施例1の中半において、フレーク状銀粉/ポリイミド
固形分(重量比)を5/95 に変える以外、実施例1と全
く同様に操作し、ポリアミド酸、ポリイミド反応液を
得、更にはポリイミドペースト(A-15 )を得た。しか
し、このポリイミドペースト(A-15 )は、経時的に無
機フィラーの分離や沈降が発生し、ペースト状態を保つ
ことができなかった。これらの結果を表6にまとめる。
【0044】比較例9 実施例1の中半において、フレーク状銀粉を加えないこ
と以外、実施例1と全く同様に操作し、ポリアミド酸、
ポリイミド反応液を得、更にはポリイミドフィルムを得
た。ポリアミド酸の対数粘度、及びポリイミドフィルム
の物性値を表6にまとめる。なお、このポリイミドフィ
ルムは絶縁性のもので、電気伝導性を有しない。
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、無機フィラー/ポリイ
ミドの割合が広い範囲{(10/90)〜(95/5)}にわた
っても両者が良好に分散し、このポリイミド自体が本来
有する耐熱性や加工性に加え、電気伝導性、熱伝導性及
び低い線膨張率を充分に満足する熱可塑型ポリイミドペ
ーストを得ることができる。したがって、このポリイミ
ドペーストは、半導体アセンブリー、電気・電子部品向
けの接着剤として最適である。
【0047】更に、このポリイミドペーストは熱可塑型
であり、特定な構造のポリイミドを有するので、従来の
熱硬化型ペーストと比べて次のような長所が挙げられ
る。すなわち、該ポリイミドペーストは本硬化が不要
で、かつ容易に補修できる。 該ポリイミド自体は高純度な原料からなり、その吸水
性が低く、その骨格のイオン求引性が強いので、ポリイ
ミドペースト中の水抽出イオン性不純物が微量となる。
該ポリイミドペーストは、半導体のアセンブリー、及び
超微細パターンや移行(migration)信頼性を要求する
分野に適する。 電気伝導性の無機フィラーを用いる場合、該ポリイミ
ド自体も優れた耐電圧性や周波数特性を持っていること
と重なり、該ポリイミドペーストは、一般の半導体には
もちろん、GHz オーダーの高周波用途にも適する。 該ポリイミド自体のシェルフライフが半永久的である
ので、該ポリイミドペーストには敢えて分散用添加剤は
不要であり、その保管が容易である。 該ポリイミド自体は耐熱性の高い骨格からなるので、
該ポリイミドペーストの耐熱性も高く(400℃以上)、
リフロー工程でガスも発生しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 巽 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドを有機溶媒に溶解した溶液、
    及び無機フィラーを主成分とするポリイミドペースト。
  2. 【請求項2】 該ポリイミドが、式(1)(化1) 【化1】 (式中、Y1 は式(2)(化2) 【化2】 であり、Rは式(3)(化3) 【化3】 からなる群より選ばれる四価の基である。)で表される
    繰り返し単位を有し、その末端が式(4)(化4) 【化4】 (式中、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
    表される基、又は式(5)(化5) 【化5】 で表される基である重合体であることを特徴とする請求
    項1に記載のポリイミドペースト。
  3. 【請求項3】 該ポリイミドの前駆体であるポリアミド
    酸が、式(6)(化6) 【化6】 (式中、Y2 は式(7)(化7) 【化7】 であり、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
    表される繰り返し単位を有し、その末端が式(8)(化
    8) 【化8】 (式中、Rは上記式(2)中のものと同じである。)で
    表される基、又は式(5)(化9) 【化9】 で表される基であり、その対数粘度(N,N-ジメチル
    アセトアミド溶媒、濃度0.5g/100ml-溶媒、35℃で測
    定)が 0.1〜2.0 dl/gであることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載のポリイミドペースト。
  4. 【請求項4】 無機フィラーとポリイミド(固形分)と
    の配合割合が(10/90)〜(95/5)(重量比)であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のポリイミドペースト。
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