JP4693035B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に、中間転写ベルトを用いた画像形成装置の画像形成開始タイミングの制御に関し、プリンタや複写機に応用して好適である。
従来、カラー画像形成装置では、走査型書き込み手段により被走査体に画像を形成し、画像を中間転写ベルト上に転写する工程を色毎に複数回繰り返し、画像を色毎に順次重ね合わせてカラー画像を形成している(図1参照)。
図1に示した画像形成装置は、被走査体である画像担持体1の周囲には、帯電手段2、書き込み手段3、現像手段4、1次転写手段5、クリーニング手段6が配置され、また、画像担持体1の上方には中間転写ベルト7が配置されている。また、中間転写ベルト7は、画像形成開始基準位置を示すマークを有している。
次に、この画像形成装置の画像形成工程の動作を説明する。
矢印の向きに回転する画像担持体1は、帯電手段2によりその表面が帯電される。中間転写ベルト7のマークが検出されると、書き込み手段3が画像データに基づく露光を開始し、画像担持体1に潜像が形成される。潜像は、現像手段4によりトナー像として顕像化され、中間転写ベルト7との接点において1次転写手段5により中間転写ベルト7に転写される。転写後の画像担持体1は、クリーニング手段6により、転写残トナーがクリーニングされる。
カラー(複数色)画像を形成する場合、切替え手段で現像手段を切り替える等して異なる色での現像の上記工程を、必要な色の回数分繰り返し、中間転写ベルト7に各色の画像を重ね合わせる。
中間転写ベルト7に重ね合わされた画像は、別の転写手段により紙などの記録媒体に転写され、定着された記録媒体は装置外に排出される。
ここで、各色の画像形成は、中間転写ベルト7のマークを基準に開始されるが、書き込み手段3がレーザ走査光学系を用いた走査型である場合、中間転写ベルト7のマーク検知と書き込み手段3の書き込み基準となる同期信号が非同期であるので、中間転写ベルト7のマーク基準に画像形成を開始しても各色の重ね画像にズレが生じる。
特許文献1は、中間転写ベルト上の像を最終転写媒体に転写、定着してカラー画像を得るカラー画像形成装置において、中間転写ベルトの周長を該中間転写ベルトを駆動する駆動ローラの周長の整数倍とし、かつ、前記中間転写ベルトを駆動する駆動ローラの周長をベルト状感光体を駆動する駆動ローラの周長の整数倍にするとともに、ベルト状感光体及び中間転写ベルトの各周長を、前記ベルト状感光体に対する静電潜像の書き込みピッチの整数倍とし、前記中間転写ベルトと前記ベルト状感光体の駆動源とを共通の1つにし、かつ、前記ベルト状感光体への駆動伝達系を前記中間転写ベルトの駆動伝達系よりも前記駆動源の近くに配置していて、前記中間転写ベルトにのみ表示された位置情報と、前記位置情報を検出する位置情報検出手段を有し、前記位置情報検出手段による前記位置情報の検出信号に基づいて前記ベルト状感光体上への潜像担持の開始時機を設定することとした。
これにより、ベルト状感光体や、中間転写ベルト等を支持する駆動ローラの偏心に起因する画像の重ね合わせに際しての色ずれを解消することができる。
特許第3364503号公報
しかしながら、従来の技術では、各色の画像形成開始基準となるマーク検知信号による割り込みが発生した時に、演算処理装置(CPU)が他の処理を実行中で割り込み処理を禁止している場合には、マーク検出割り込みの要求は保留され、割り込み許可になるまでベルトマーク検出処理は遅れる。このように処理が遅れた場合、マークに対し画像の形成開始が遅れることになって画像の色ずれが発生してしまうことになる。
また、LEDアレイヘッドのような、書き込みタイミングが任意に設定できる固体走査型の書き込み手段であっても、画像形成開始基準であるマーク検出がずれていると、色ずれを生じてしまう。
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、高速処理が可能な高価な演算処理装置を用いなくとも、マーク検出の遅延を補正し、それによる色ずれを抑え、画像品質の劣化を防ぐ画像形成装置を提供することを目的とする。
また、他の目的は、LEDアレイヘッドのような固体走査型の書き込み手段においても、色ずれを抑えるようにすることである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、中間転写ベルトを有し、中間ベルト上に設けたマークをマーク検知手段で検出して画像担持体への画像形成を開始し、形成した画像を中間転写ベルトに転写する工程を色毎に複数回繰り返してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写ベルト上に中間転写ベルト回転方向に配置した複数個のマークと、マーク検出遅延補正手段とを設け、前記マーク検出遅延補正手段を、マーク検出時刻を取得するマーク検出時刻取得手段と、前記マーク検出時刻取得手段で取得した複数個のマーク検出時刻を記憶保持する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した検出時刻からマーク間隔を求める演算手段と、画像形成前に予め求めたマーク間隔の基準値と、前記演算手段で求めたマーク間隔とを比較することで、複数個のマークの任意の1つである画像形成開始基準マークの検出信号に遅延の有無を判定する判定手段と、前記判定手段の結果に従い前記マーク検出時刻を補正する補正手段とで構成し、前記判定手段が、複数個のマークの任意の1つである画像形成開始基準マークの検出信号に遅延有りと判定した場合、前記補正手段によって遅延を補正したマーク検出信号に基づいて画像形成を開始することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、副走査方向に配列した複数ビームを有する走査型書込み手段を有し、2色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、1色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間との差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして2色目の画像形成を開始し、1色目と2色目の、各マーク検出信号に対する画像形成開始時間の平均開始時間tc1を求め、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、前記平均画像形成開始時間tc1との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして3色目の画像形成を開始し、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と先に求めたtc1との平均画像形成開始時間tc2を求め、4色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、前記平均画像形成開始時間tc2との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして4色目の画像形成を開始するようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、1色目と2色目の平均画像形成開始時間tc1との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた3色目の画像形成開始時間が、既に形成した1,2色目の画像のマーク検出信号に対する画像形成開始時間の振れ(変動)幅から外れた場合、前記変動幅の最小値または最大値からの偏差と、前記書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた時間から、予め定まるビーム幅分副走査方向に早めるか遅らせるかした開始時間を想定し、その時の前記変動幅の最小値または最大値からの偏差とを比較し、偏差が小さくなる画像形成開始時間で画像形成を開始すると共に、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と先に求めたtc1との平均画像形成開始時間tc2を求め、平均画像形成開始時間tc2との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた4色目の画像形成開始時間が、既に形成した1〜3色目の画像のマーク検出信号に対する画像形成開始時間の変動幅から外れた場合、前記変動幅の最小値または最大値からの偏差と、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた時間から、予め定まるビーム幅分副走査方向に早めるか遅らせるかした開始時間を想定し、その時の前記変動幅の最小値または最大値からの偏差とを比較し、偏差が小さくなる画像形成開始時間で画像形成を開始するようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルト上に設ける複数のマークを3個以上としたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数個のマークを、前記中間転写ベルトの周方向の一部に集中的に設けることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルトの一部に設けた複数個のマークからなるマーク群を、該中間転写ベルトの周方向に断続的に設けたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記憶手段は、画像形成時のマーク検出時刻を少なくとも3つ以上記憶保持可能で、最新の検出時刻を保存すると共に最も古い検出時刻を破棄するよう構成し、記憶保持する画像形成時のマーク検出時刻を3つとした場合は、画像形成開始基準とするマーク(該当マーク)および該当マーク前後のマーク検出時刻を記憶保存して、該当マーク前後のマーク間隔を求めることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5、6または7に記載の画像形成装置において、個々のマーク群において、複数個のマークを一定間隔で配置したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写体と、中間転写体の移動面に対向して配置した画像形成手段を複数有し、画像形成手段は1つの画像担持体と1つの書き込み手段と、この画像担持体に書き込み手段により形成される静電潜像を現像する少なくとも2つの現像手段と、現像手段を択一的に選択して駆動する切り替え手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ベルトマーク検出遅延の判定および補正が可能となるので、中間転写ベルトのマーク検出を基準に生成される重ね合わせ画像の先頭位置ずれや色ズレを低減できる。さらに、LEDアレイヘッドのような固体走査型の書き込み手段においても有効である。
また、小型、高速、かつ低コストの画像形成装置においても、重ね合わせ画像の位置ずれ(色ズレ)を低減した、高品位な画像を形成できる。
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態について説明する。
以降に述べる各実施形態は、前述した図1に示した画像形成装置に適用したものとして説明する。
実施形態に係る画像形成装置について、ベルト上に4個のマークを等間隔に設けた場合を例にとって説明する。
この4つのマークは、図2に示すように、等間隔dmでマークm1からマークm4を配置し、ベルトの伸び等の影響を低減するために、図3に示すように可能な限り微小距離内に設ける。また、ベルトは、矢印の方向に走行するものとする。
また、図4の上段に示したように、マーク検知信号は、マーク検知手段で生成され、Pm1からPm4で示す。また、図4の下段は、マーク検知信号がCPUに割り込み信号として検出(認識)されたマーク検出信号を示している。
通常、矢印に示すよう、マーク検知信号からほぼ一定時間遅れて割り込み信号として検出される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置では、各色の画像開始位置を合わせるため、書込み系の同期信号を割り込みで処理しているとすると、マーク検知時に、マーク検知と割り込み処理レベルが同一の他の(割り込み)処理(例えば、書き込み手段の同期信号割り込み)が実行中であると、マーク検出処理は保留され、割り込み許可になるまでマーク検出(認識)時間が遅れてしまう。
即ち、マークm1の検知信号がPm1、マークm2の検知信号がPm2、マークm3の検知信号がPm3、マークm4の検知信号がPm4としたとき、マークm3の検知時に、他の処理が実行中であると、図に示すように点線の時刻で検出されるべきところが遅れてしまう。
ここでは、転写ベルトだけを駆動し、他の割り込み処理が無い状態で予めマーク間の時間を求めておく。例えば、等間隔でマークを設けている時には、平均時間t0を使ってもよい。
また、同期信号割り込みなどの予め分かっている、定期的に発生する他の(割り込み)処理によるマーク検出遅延(例えば、マークm3における遅延等)の影響が、後続のマーク(m4)の検知にまで及ばないように、マーク間隔を設定しておく。
このように設定したときに、図4のようにPm3で検出遅延が発生した場合、t1≒t0、t2>t0、t3<t0とであり、また、t2+t3≒2*t0の関係を満足する。
ここで、ベルト速度ムラで検出時間t2>t0と変化した場合には、t3<t0となることはないので、t2+t3>2*t0となり、検出遅延ではないことが容易に判断できる。
また、検出遅延による遅れ(量)はベルト速度ムラによる遅れに比べ大きいので遅れ量(Δt=t2−t1)から判断することも可能である。
従って、(方法1)書き込み開始基準(該当)マークがベルトマークm3の時、Pm3の検知信号におけるマーク間隔時間が図4に示すように、t2>t0となった場合、t2+t3≒2t0を満足するのであれば、Δt=t2−t0とすると、本来あるべきタイミング(t2−Δt)にベルトマーク検知信号を補正し、それを基準として、画像形成を開始する。
または、該当ベルトマークの直前のベルトマーク(例では、Pm2)の検知時刻に平均時間t0を加算して、本来あるべきタイミング(t1+t0)にベルトマーク検知信号を補正し、それを基準として、画像形成を開始する。
しかし、t2+t3≒2*t0を満足しないのであれば、速度ムラによる遅延とみなし、補正することなく、検出時刻そのままを画像形成開始基準とする。
マーク間距離dmを約8.8mmにすると、書き込み密度が1200dpiであれば、マーク間の走査線数は300ラインであるから、基準マークの次のマークを検出した後に画像形成する場合でも300ライン以上のオフセットを持たせることで、補正したマーク検出信号を基準として画像を形成できる。
また、書き込み開始基準(該当)マークがベルトマークm4の時に、Pm4の検知信号におけるマーク間隔時間がt3≦t0となった場合には、Pm4のマーク検知信号をそのまま基準として、画像形成を開始する。
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図であり、同図において、画像形成装置は、CPU401と、プログラムが格納されているROM402と、各種データを格納するRAM403と、割り込みを制御する割り込みコントローラ404と、内部クロック(OSC)405をカウントするタイマー406とをバス407で接続している。
割り込みコントローラ404は、割込み信号によってCPU401に割り込み要求をし、割り込み処理を実行させる。マーク検知信号や書き込み系の同期信号が外部割込み信号として入力する。
RAM403にはレジスタが設けられ、マーク検知割り込み時にマーク検出時のタイマカウント値、書き込み系の同期信号割り込み時のタイマカウント値などが保存される。
図6は、マーク検出遅延補正手段の構成を示すブロック図である。
記憶手段501には、マーク検知時の時刻(カウント値)が記憶される。マークカウンタ(マーク検出時刻取得手段)502がマークを検知するたびに、すでに格納されているカウント値の格納場所は変更される。
該当マークの次のマークを検知すると、該当マークのカウンタ値ならびに該当マーク前後のカウンタ値を読み出し、演算手段503で該当マーク前後のマーク間隔を求める。
求めたマーク間隔を判定手段504で基準値(ここではt0)と上述のように比較し、遅延の有無を判定する。
即ち、上述の場合には、t2>t0 且つ t2+t3≒2*t0 となっているかを判定し、この条件を満足した場合、遅延があるとする。
判定手段504で遅延が有ると判定した場合には、上記(方法1)でマーク検出のカウンタ値(検出時刻)を補正手段505で補正する。
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施形態の動作について説明する。
CPU401は、割り込み禁止(ステップS1)、初期設定(ステップS2)、割り込み許可(ステップS3)を実行すると、メインループに制御を移し、処理1(ステップS4)、処理2(ステップS5)、割り込み禁止(ステップS6)、処理3(ステップS7)、割り込み許可(ステップS8)と順次処理を実行し、再びステップS4の処理1から一連の処理を実行するようにプログラムされている。
ここで、マーク検知信号が入力されると割り込みコントローラ404が割り込み要求を行う。CPU401が、割り込み許可状態であれば、現在実行中の処理を中断し、割り込み制御の処理を行う。しかし、CPU401が、割り込み禁止状態であれば、割り込み許可状態になるまで待たされる。
次に、図8のフローチャートを用いて、割り込み処理について説明する。以下では、複数(n)個のマーク群における基準(画像形成開始)マークをm番目のマークとして説明する。また、装置の電源On時の初期設定でマークカウンタ値を初期化する。
マークを検知してCPU401がマーク検出割り込み処理を開始する(ステップS11)と、マーク検知信号を受け取った時のタイマカウントを取得し(ステップS12)、この取得したカウントをRAM403に記憶保存する(ステップS13)。このとき初期化されたマークカウンタ値をインクリメントし(ステップS14)、マークカウンタ値がm以下の時(ステップS15のYES)、割り込み処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
一方、マークカウンタ値がm+1でもなくn以下であれば(ステップS16のNO,S17のNO)、割り込み処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
また、マークカウンタ値がnであれば(ステップS16のNO,S17のYES)、マークカウンタ値をクリアして、割り込み処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
また、マークカウンタ値がm+1であれば(ステップS16のYES)、m個目と(m−1)個目の時間差を算出し(ステップS19)、m個目と(m+1)個目の時間差を算出して(ステップS20)、m個目の割り込み発生が遅延しているか判定をする(ステップS21)。
この判定は、上述した(m−1)、m、(m+1)個目の時間関係から行う。または、予め求めたマーク間隔のテーブルと比較してもよい。
判定の結果、遅延が無い場合には(ステップS21のNO)、m個目のマーク検出割り込み時のタイマカウント値を画像形成開始基準のマーク検知時刻として(ステップS22)、割り込み処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
また、遅延がある場合には(ステップS21のYES)、前述した(方法1)でマーク検出時刻を補正し、それを画像形成開始基準のマーク検知時刻として(ステップS23)、割り込み処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
以上のような構成により、中間転写ベルトのマーク検出を基準に生成される重ね合わせ画像の先頭位置ずれや色ズレを低減できる。
次に、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
各色の画像形成は、中間転写ベルト7のマークを基準に開始するが、書き込み手段3がレーザ走査光学系を用いた走査型である場合、中間転写ベルト7のマーク検知と書き込み手段3の書き込み基準となる同期信号が非同期であるので、中間転写ベルト7のマークが上述の補正等により正しく検出され、それを基準に画像形成を開始しても各色の重ね画像に色ずれが生じる。
図9は、中間転写ベルト7のマークを検知することにより生成される副走査方向の画像形成開始基準のマーク検知信号(A)と、書き込み手段3の同期信号との関係を示した例である。
画像形成開始基準のマーク検知信号(A)と同期信号との時間差は、(B)、(C)に示すように最大で同期信号の周期T分ずれる。基準(1色目)画像形成を図9の(B)のタイミングの同期信号p1で行うと、基準画像外(2色目以降)の画像形成開始タイミングは補正の施しようがなくなり、(C)のタイミングで同期信号が生成した場合、同期信号p2で開始することになり、最大1走査分(Δt:斜線部)のズレが生じてしまう。
そこで、まず、画像形成開始基準のマーク検知信号検出後、ある時間が経過した後の同期信号から初回の画像形成を行うようにする。
図10は、複数ビームを2ビーム(グレービーム、白ビーム)とした際の、本発明の制御によるドット形成位置の一例である。ここで、グレービームが副走査の先行(開始)側ビームである。
副走査方向の画像形成開始(ベルトマーク)信号検知後、同期信号が3T/4以上経過して発生した場合には、その同期信号で1色目(基準)の画像形成を開始する。図10の場合、t1>3T/4であるので、初めの同期信号に同期して開始する。
2色目において図のように、マーク検知後t2の時間で同期信号p1が発生すると、1色目の書き込み開始位置との差Δt(絶対値)が最小となるよう、1走査分遅延させて同期信号p2で画像形成を開始する。この時のベルトマーク検知信号からの画像形成開始時間は、t2+Tである。
ここで、1色目と2色目の画像形成開始時間の平均tc1(重心同期1)は、tc1=(t1+t2+T)/2となる。
3色目の場合においては、1色目と2色目の平均開始時間tc1と3色目の開始時間との時間差Δtが最小となるようにビーム選択(白ビーム:L1)して画像形成を開始する。この時、選択した白ビームL1に対して、擬似同期信号(図10におけるグレービーム(Du)と白ビーム(L1)の間の点線)を想定して3色目の画像形成開始同期信号とする。
従って、3色目のマーク基準に対する画像形成開始時間はt3+T/2となる。また、tc1と3色目の画像形成時間との平均tc2(重心同期2)を求めると、tc2=(tc1+t3+T/2)/2となる。
4色目が図に示すタイミングの場合、ベルトマーク検知信号からの同期信号までの時間t4と3色目までの平均画像形成開始時間tc3との時間差Δtが、遅延またはビーム選択をした場合の時間差より小さくなるのでそのまま画像形成を開始する。
図10の例における書込み開始位置の判断基準は、時間差Δtが
・Δt≧3T/4 の場合、1走査遅延
・T/4≦Δt<3T/4 の場合、ビーム(後続)選択
・Δt<T/4 の場合、そのまま
である。
また、図11は、従来技術と本制御方式との差異の例である。マーク基準信号と同期信号との時間差が、1色目がT/4未満、2色目および3色目がT/4以上3T/4未満、4色目が3T/4以上の場合の画像形成ビーム先頭位置を示している。
グレーが従来技術で制御される先頭ビーム位置であり、各色の先頭ビームばらつき範囲が点線枠となる。
一方、本制御方式の場合、2色目および4色目の画像先頭ビームが従来技術と異なり黒丸が選択され、ばらつき範囲を実線枠で示したように小さくできる。
したがって、走査型書き込み手段を用いた画像形成装置で、中間転写ベルトのマーク検出を基準に生成される重ね合わせ画像の先頭位置ずれを低減できる。
次に、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図12は、同期信号周期Tを100とした場合の、ベルトマーク信号(一番上の信号波形)に対する各色の初めの同期信号とドット位置の関係を示す。ベルトマーク信号から初めの同期信号までの時間差を、ベルトマーク発生時を示す点線の左に示し、イタリック数字で図の左側に示し、上述した制御方法による先頭ドット形成位置(時間)をドットの右横に示している。画像は、上からC(シアン)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、K(ブラック)の順で形成される。
図12では、分かり易くするために、2ビームの内、実際の画像形成の先頭となるビーム位置だけを示している。黒の実線が同期信号を、点線が1度に走査される2つのビーム(先行ビーム、後続ビーム)の境界である。3色目のM(マゼンタ)だけが、後続のビームが選択されていることを示している。
2色目(イエロー)の1色目(シアン)に対する時間差Δtは、Δt=98−76=22(<T/4=25)なので、2色目(イエロー)はそのまま画像形成を開始する。
3色目(マゼンタ)の同期信号発生時間(t3=57)と、1色目と2色目との平均開始時間tc1=(76+98)/2=87との時間差Δt=87−57=30(>T/4)なので、後続ビームを選択して1ドット分遅らせたドット位置(107=57+T/2)を画像形成開始位置として求める。
ここで、ビーム選択した位置(107)は、先に形成したシアンとイエローのマーク基準に対する画像形成開始時間(76〜98)の範囲外であるが、ビーム選択した位置から1ドット分早めた時間は57で、先に形成した画像形成開始時間の最小値であるシアンの76との差分(19=76−57)が、ビーム選択した位置と画像形成開始時間の最大値であるイエローの98との差分(9=107−98)よりも大きいため、ビーム選択した時間で画像形成を開始する。このとき、tc1とマゼンタとの平均開始時間tc2=(87+107)/2=97となる。
4色目(ブラック)の同期信号発生時間(t4=20)と、3色目までの平均開始時間tc2=97との時間差Δtは、Δt=97−20=77(>3T/4)なので、1走査分遅延させたドット位置(120=20+T)を画像形成開始位置として求める。
ここで、1走査分遅延させたドット位置(120)は、先に形成したシアン、イエローとマゼンタのマーク基準に対する画像形成開始時間(76〜107)の範囲外となり、その最大値であるマゼンタの開始時間107との差分は13である。
しかし、1走査分遅延させたドット位置から1ドット分早めた(図の点線白丸)時間は70で、画像形成開始時間の最小値であるシアンの開始時間76との差分が6となるので、1走査分遅延させたドット位置と画像形成開始時間の最大値との差分よりも小さいため、1ドット分早めた図12の点線白丸時間で画像形成を開始する。
このように、先頭ドット位置のばらつき量を107−70=37と小さくできる。
(黒を1走査分遅延させたドット位置で形成した時の先頭ドット位置のばらつき量は、120−76=44である)
したがって、走査型書き込み手段を用いた画像形成装置でも、中間転写ベルトのマーク検出を基準に生成される重ね合わせ画像の先頭位置ずれをさらに小さくできる。
上述した実施形態では、マークを4つ設けていたが、マークの前後の間隔を求めるには、マークを少なくとも3つ設ければよく、求めた間隔から該当マーク検知信号に遅延があったか否かを判断することができる。
これにより、3つのマークを設けるだけで、ベルトマーク検出遅延の判定および補正が可能で重ね合わせ画像の先頭位置ずれを低減できる。
また、ベルトにマークを設ける工程が簡易になる。マークのコストが削減できる。
また、複数のマークを中間転写ベルト全周にわたって設けるのではなく、図3に示すように、群を形成するように一部に集中的に設ける。このようにすることで、中間転写ベルトの伸びによるマーク間隔時間の変動を低減でき、ベルト検出遅延を容易に判断することができる。
あるいは、図3に示した複数マークからなるマーク群を、図13のように複数設けるようにしてもよい。このようにすることで、中間転写ベルトを効率よく使用することができると共に、印刷サイズに応じて画像形成開始基準を複数設定することができ、印刷スピードを向上させることができる。
また、画像形成開始基準であるマーク(該当マーク)の検出遅延の有無は、図4で示したように、該当マーク前後2つの間隔を取得すれば、中間転写ベルトの回転速度とマーク間隔から予め求められる間隔と比較することで判定することができる。
従って、記憶手段としては最低3つのマーク検出時刻を記憶保持できればよく、画像形成開始位置を変更する等の理由で4つ以上のマークを設けた場合には、最新の3つの値を保持して、それ以前の検出時刻は破棄して更新するようにする。
例えば、図14に示すように3つの検出時刻を記憶し、しかも、最新のマーク検出時刻を記憶する際、現在記憶している内容をシフトダウンさせ、シフトダウンしてあふれた値は破棄するようにし、最新の3つの検出時刻だけを記憶する記憶手段を用意する。
即ち、マーク群の先頭マーク検出時のカウント値がブロックAに記憶される。後続のマークを検出すると、ブロックAのカウント値はブロックBにシフトし、ブロックAに後続のマークを検出した時刻を記憶する。さらに後続のマークを検出すると、ブロックBの値はブロックCへ、ブロックAの値はブロックBへシフトし、ブロックAに検出した時刻を記憶する。さらにマークを検出すると、ブロックCの値は破棄され、ブロックBの値はブロックCへ、ブロックAの値はブロックBへシフトを繰り返す。
また、図14の3つの記憶手段をサーキュラーとして定義し、最新の検出時刻を記憶させる場所を示すポインタを用意するようにしてもよい。
即ち、最初のマーク検出時刻はブロックAに、2つ目のマーク検出時刻はブロックBに、3つ目のマーク検出時刻はブロックCに記憶される。4つ目のマーク検出時刻はブロックAに上書きされる。5つ目のマーク検出時刻はブロックBに上書きされる。
つまり、最初の(最も古い)マーク検出時刻は破棄され、常に最新のマーク検出時刻が保存される構成である。
また、上述のように、マーク群のマーク間隔を一定間隔にすることで、予め求めたマーク間隔値として平均値を用いることができるので、記憶手段を小さくできるだけでなく、判定および補正手段の構成が簡易になる。
図15は、中間転写ベルト7の下方に2つの画像形成手段(ステーション1、ステーション2)を有する画像形成装置に、上述した本発明に係る、マーク検出信号の遅延補正ならびに、先頭位置合わせ制御を適用した例である。
各々の画像形成手段は、1つの画像担持体1と、書き込み手段3と、この画像担持体上に書き込み手段により形成される静電潜像を現像する少なくとも2つの現像手段4と、現像手段4を択一的に選択して駆動する切替え手段(図示しない)と、帯電手段2と、1次転写手段5と、クリーニング手段6と、2次転写手段12と、中間転写ベルトのクリーニング手段13で構成される。
したがって、小型、高速、かつ低コストの画像形成装置においても、重ね合わせ画像の位置ずれ(色ズレ)を低減した、高品位な画像を形成できる。
走査型書き込み手段により被走査体に画像を形成し、画像を中間転写ベルト上に転写する工程を色毎に複数回繰り返し、画像を色毎に順次重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置の基本構成の一例を示す図である。 ベルトに配置された4つのマークの位置関係を説明するための図である。 ベルトへのマークの配置を説明するための図である。 マーク検知信号とマーク検出信号との関係を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。 マーク検出遅延補正手段の構成を示すブロック図である。 本実施形態の動作を示すフローチャートである。 割り込み処理の動作を示すフローチャートである。 中間転写ベルトのマークを検知することにより生成される副走査方向の画像形成開始基準のマーク検出信号と、書き込み手段の同期信号との関係を示した例である。 複数ビームを2ビームとした際のドット形成位置を説明する図である。 従来技術と本発明とにおけるビーム制御の差異を説明する図である。 同期信号周期Tを100とした場合の、ベルトマーク信号に対する各色の初めの同期信号とドット位置の関係を示した図である。 中間転写ベルトに複数のマーク群を配置した例を説明する図である。 マーク検出時刻を記憶する記憶手段の構成を示す図である。 2ステーションを有する画像形成装置に、本発明を適用した例である。
符号の説明
1…画像担持体、2…帯電手段、3…書き込み手段、4…現像手段、5…1次転写手段、6…クリーニング手段、7…中間転写ベルト、12…2次転写手段、13…クリーニング手段、401…CPU、402…ROM、403…RAM、404…割り込みコントローラ、405…内部クロック(OSC)、406…タイマー、407…バス、501…記憶手段、502…マークカウンタ、503…演算手段、504…判定手段、505…補正手段、CLK…クロック、m1〜m4…ベルトマーク、dm…マークの間隔、Pm1〜Pm3…マーク検知信号、p1,p2…同期信号、T…同期信号の周期。

Claims (9)

  1. 中間転写ベルトを有し、中間ベルト上に設けたマークをマーク検知手段で検出して
    画像担持体への画像形成を開始し、形成した画像を中間転写ベルトに転写する工程を色毎
    に複数回繰り返してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写ベルト上
    に中間転写ベルト回転方向に配置した複数個のマークと、マーク検出遅延補正手段とを設け、前記マーク検出遅延補正手段を、マーク検出時刻を取得するマーク検出時刻取得手段と、前記マーク検出時刻取得手段で取得した複数個のマーク検出時刻を記憶保持する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した検出時刻からマーク間隔を求める演算手段と、画像形成前に予め求めたマーク間隔の基準値と、前記演算手段で求めたマーク間隔とを比較することで、複数個のマークの任意の1つである画像形成開始基準マークの検出信号に遅延の有無を判定する判定手段と、前記判定手段の結果に従い前記マーク検出時刻を補正する補正手段とで構成し、前記判定手段が、複数個のマークの任意の1つである画像形成開始基準
    マークの検出信号に遅延有りと判定した場合、前記補正手段によって遅延を補正したマーク検出信号に基づいて画像形成を開始することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、副走査方向に配列した複数ビームを
    有する走査型書込み手段を有し、2色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、1色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間との差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして2色目の画像形成を開始し、1色目と2色目の、各マーク検出信号に対する画像形成開始時間の平均開始時間tc1を求め、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、前記平均画像形成開始時間tc1との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして3色目の画像形成を開始し、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と先に求めたtc1との平均画像形成開始時間tc2を求め、4色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と、前記平均画像形成開始時間tc2との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択をして4色目の画像形成を開始するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、1色目と2色目の平均画像形成開始時間tc1との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた3色目の画像形成開始時間が、既に形成した1,2色目の画像のマーク検出信号に対する画像形成開始時間の振れ(変動)幅から外れた場合、前記変動幅の最小値または最大値からの偏差と、前記書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた時間から、予め定まるビーム幅分副走査方向に早めるか遅らせるかした開始時間を想定し、その時の前記変動幅の最小値または最大値からの偏差とを比較し、偏差が小さくなる画像形成開始時間で画像形成を開始すると共に、3色目のマーク検出信号に対する画像形成開始時間と先に求めたtc1との平均画像形成開始時間tc2を求め、平均画像形成開始時間
    tc2との時間差が最小となるように、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた4色目の画像形成開始時間が、既に形成した1〜3色目の画像のマーク検出信号に対する画像形成開始時間の変動幅から外れた場合、前記変動幅の最小値または最大値
    からの偏差と、書込みタイミングの遅延またはビーム選択制御により求めた時間から、予め定まるビーム幅分副走査方向に早めるか遅らせるかした開始時間を想定し、その時の前記変動幅の最小値または最大値からの偏差とを比較し、偏差が小さくなる画像形成開始時間で画像形成を開始するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルト上に設ける複数のマークを3個以上としたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数個のマークを、前記中間転写ベルトの周方向の一部に集中的に設けることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルトの一部に設けた複数個のマークからなるマーク群を、該中間転写ベルトの周方向に断続的に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記記憶手段は、画像形成時のマーク検出時刻を少なくとも3つ以上記憶保持可能で、最新の検出時刻を保存すると共に最も古い検出時刻を破棄するよう構成し、記憶保持する画像形成時のマーク検出時刻を3つとした場合は、画像形成開始基準とするマーク(該当マーク)および該当マーク前後のマーク検出時刻を記憶保存して、該当マーク前後のマーク間隔を求めることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5、6または7に記載の画像形成装置において、個々のマーク群において、複数個のマークを一定間隔で配置したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写体と、中間転写体の移動面に対向して配置した画像形成手段を複数有し、画像形成手段は1つの画像担持体と1つの書き込み手段と、この画像担持体に書き込み手段により形成される静電潜像を現像する少なくとも2つの現像手段と、現像手段を択一的に選択して駆動する切り替え手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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