JP4691753B2 - 音質調整回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は音質調整回路に関する。詳しくは、低域音質調整用としてブリッジドT型のバンドパスフィルタを使用し、高域音質調整用としてCRフィルタを使用すると共に演算増幅器を使用することによって、伝達特性切り替え時に発生するポップ音をなくすと共に、IC化するときのピン数を削減できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
ミニコンポやラジカセなどのように音響回路を有する電子機器にあっては、負荷となるスピーカの前段に低域および高域側の音質を調整できる音質調整回路が設けられている場合が多い。
【0003】
図12はその代表的な従来例を示すもので、入力信号は端子22を介してゲインが「1」に調整された演算増幅器(オペアンプ)24に供給され、その出力が演算増幅器で構成されたアンプ(正相アンプ)26の正相入力端子に供給され、端子28より出力信号が得られる。
【0004】
この正相アンプ26の正相入力端子(+)側か、逆相入力端子(−)側に選択的に若しくは同時に、伝達特性を調整するための調整手段30が接続される。音質調整手段30は、低域側および高域側をデフィート(減衰)させるデフィート部と、低域側および高域側をブーストするブースト部とで構成される。
【0005】
低域側の音質を制御する手段としてこの例ではCRフィルタ32と、高域側の音質制御手段としてこの例ではシミュレーテッドインダクタ42を含むフィルタ40が使用される。
【0006】
CRフィルタ32は一対の固定抵抗器33,34と、コンデンサ35と、フィルタのデシベル調整用の可変抵抗部36とで構成される。可変抵抗部36は図示のように直列接続された複数の抵抗器37と、これら抵抗器37を選択する複数のスイッチ38で構成される。
【0007】
また、別のフィルタ40としては、インダクタ、コンデンサおよび抵抗器で構成されるLCRのバンドパスフィルタが使用され、抵抗器43はフィルタレベルを調整する可変抵抗部となされ、インダクタ42としてはシミュレーテッドインダクタが使用される。インダクタ42は正相アンプ44とコンデンサ45とで構成される。ここで、コンデンサ46に印加する電圧に対し、正相アンプ44の出力段に設けられた抵抗器41に流れる電流が遅れることから、等価的にこの正相アンプ44を含む回路がインダクタンス素子として機能することからシミュレーテッドインダクタとが呼ばれている。
【0008】
可変抵抗部43は、上例と同じく直列接続された複数の抵抗器46と複数のスイッチ47とで構成されている。そして、この例ではCRフィルタ32と正相入力端子および逆相入力端子との間と、バンドパスフィルタ40と正相入力端子および逆相入力端子との間に、それぞれ4つの切り替えスイッチSHD,SHB,SLD,SLBが設けられ、これら切り替えスイッチの切り替え態様によって所望の伝達特性を入力信号に対して付与できる。
【0009】
例えば、スイッチSHDをオンすることで高域デフィート特性が得られるので、このCRフィルタ32は高域デフィート手段として機能し、スイッチSLDをオンすることで低域デフィート特性が得られるので、ハンドパスフィルタ40は低域デフィート手段として機能する。このときの接続関係を図13に示す。
【0010】
スイッチSHBをオンすることで高域ブースト特性が得られるので、CRフィルタ32は高域ブースト手段として機能し、そして、スイッチSLBをオンすることで低域ブースト特性が得られるので、このバンドパスフィルタ40は低域ブースト手段として機能する。このときの接続関係を図14に示す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように構成された音質調整回路にあっては、以下のような問題が指摘されいる。
(1)信号の電圧特性を調整するためにスイッチSHD〜SLBを切り替えると正相アンプ26の入出力間に発生するオフセット電圧によっていわゆるポップノイズ(ボツ音)が発生する。
(2)この音質調整回路10では、少なくとも1チャネル当たり3個のオペアンプ24,26,44が必要になるため、回路規模が増大してしまう。
(3)この音質調整回路10をIC化する場合には、図12のように少なくともCRフィルタ用コンデンサ35、バンドパスフィルタ用の2個のコンデンサ45,46を外付けする必要があるから、少なくとも4個の端子49a〜49dが要る。したがって外付け用端子ピン数が必要になり、製造コストの上昇をもたらしている。
【0012】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、スイッチ切り替え時のポップノイズの発生を抑えると共に、回路の簡略化を図れる音質調整回路を提案するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る音質調整回路では、低域音質調整用としてブリッジドT型バンドパスフィルタが使用され、高域音質調整用としてCRフィルタが使用されると共に、演算増幅器で構成され、かつ継続接続された第1および第2のアンプのうち、第1のアンプのフィードバックグループ内に、切り替えスイッチを介して少なくとも上記ブリッジドT型ハンドパスフィルタと上記CRフィルタのいずれかを介在させることによってブースト特性が得られ、上記第1のアンプの出力段に、切り替えスイッチを介して少なくとも上記ブリッジドT型ハンドパスフィルタと上記CRフィルタのいずれかを介在させることによってデフィート特性が得られるようにし、上記第1のアンプの出力段と第2のアンプの入力段との段間と、当該段間からフィードバックされた第1のアンプの逆相入力端子との間の電位差がほぼゼロである。
【0014】
この発明では、それぞれが演算増幅器(オペアンプ)で構成された第1と第2のアンプが直列接続されると共に、低域音質調整用として、ブリッジドT型バンドパスフィルタが使用され、高域音質調整用として、CRフィルタが使用されている。
【0015】
第1のアンプの出力段にバンドパスフィルタを介在させるか、CRフィルタを介在させることで、全体の伝達特性がデフィート特性となる。また、第1のアンプのフィードバック系にバンドパスフィルタ介在させるか、CRフィルタを介在させることで、全体の伝達特性がブースト特性となる。
【0016】
オペアンプを使用すると共に、ゲインが「1」であるアンプを使用している関係で、第1のアンプの出力段と第2のアンプの入力段との間、つまり段間とそのフィードバックされた逆相入力端子との間の電位差はほぼゼロである。同じく第1のアンプの入力段とその出力段との間の電位差もおほぼゼロであるから、段間と、フィードバック系のそれぞれに切り替えスイッチを接続し、この切り替えスイッチによって上述した伝達特性を切り替えても、スイッチ切り替え時にはポップのノイズは発生しない。
【0017】
バンドパスフィルタとして、ブリッジドT型バンドパスフィルタを使用しているので、このブリッジドT型フィルタを外付けしたとしてもその外付け端子ピン数は2端子だけであるので、音質調整回路をIC化したときの端子ピン数を削減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る音質調整回路の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1はこの発明にかかる音質調整回路10を適用した音響回路の系統図であって、端子54に供給された入力信号(音声信号)はこの発明にかかる音質調整回路10によって低域および高域の伝達特性(音質)がオペレータの好みに応じて調整される。調整後の入力信号はパワーアンプ12を介して負荷であるスピーカ14に供給されて入力信号である音声信号が再生される。
【0020】
一方、電子機器本体に設けられたキー操作部100からのキー信号はマイコンで構成された制御部110に供給されて、キー信号に基づいた表示信号がこの例ではグラフィックイコライザー120に供給される。これによってキー操作に応じた周波数のグラフィック表示が行われる。
【0021】
制御部110からはさらにスイッチ制御信号がコントロールレジスタ130に供給され、キー操作に応じた複数のスイッチ制御信号CS1〜CS6が生成され、このスイッチ制御信号で音質調整回路10に設けられた音質調整のための複数の切り替えスイッチ(後述する)が制御される。因みに、これらスイッチ制御信号CS1〜CS6は対応する切り替えスイッチS1〜S6を制御(オン、オフ制御)するためのものである。
【0022】
図2はこの発明にかかる音質制御回路10の実施の形態を示すもので、これは負荷であるスピーカの前段に接続されるパワーアンプの前に接続される。
【0023】
音質調整回路10は図示するように、第1のアンプ50と、第2のアンプ52を有する。これら第1および第2のアンプ50,52はそれぞれ演算増幅器が使用され、何れも正相アンプ構成であり、少なくとも第2のアンプ52のゲインは「1」に選ばれている。第1のアンプ50の正相入力端子側に設けられた端子54に入力信号(音声信号)が供給され、第2のアンプ52の出力端子56から伝達特性、換言すれば音質が調整された出力信号が得られる。
【0024】
この発明では所望の音質特性を得るべく、回路全体の伝達特性を調整するため、低域音質調整用として使用されるバンドパスフィルタとして、ブリッジドT型バンドパスフィルタ60が使用され、高域音質調整用として使用されるフィルタとして、CRフィルタ80が使用される。
【0025】
ブリッジドT型バンドパスフィルタ60は、T型構成のCR素子に対して抵抗器がブリッジされたもので、図示するように直列接続された一対のコンデンサ62a,62bと、その接続中点に接続された抵抗器64と、さらに一対のコンデンサ62a,62bの両端70a,70bに接続された可変抵抗部66とで構成される。
【0026】
可変抵抗部66はフィルタ特性(デシベル値)を調整するためのものであって、複数この例では4個の直列接続された抵抗器68a〜68dと、これら抵抗器68a〜68dの段間と線路Laとの間に接続されたスイッチSa〜Sdおよび抵抗器69a〜69dとで構成される。
【0027】
このようなブリッジドT型バンドパスフィルタ60を第1のアンプ50の出力段に接続するか、第1のアンプ50のフィードバック系に接続するかを切り替えるために4つの切り替えスイッチS1〜S4が設けられる。
【0028】
まず、第1のアンプ50の逆相入力端子(−)が切り替えスイッチS1,線路Laおよび切り替えスイッチS3を介して第2のアンプ52の正相入力端子(+)に接続される。同じく第1のアンプ50の逆相入力端子が切り替えスイッチS2、一対の直列接続された抵抗器r2,r1および切り替えスイッチS4をそれぞれ介して接続点pつまり第2のアンプ52の正相入力端子に接続される。そして、出力段(点q)側に可変抵抗部66を構成する初段の抵抗器68aが接続され、スイッチSa〜Sdが線路Laに共通に接続される。
【0029】
一方、伝達特性を決定するもう1つのフィルタとしてはCRフィルタ80が使用される。このCRフィルタ80はCR素子が使用され、固定の抵抗器82とコンデンサ84が直列接続されると共に、固定抵抗器82側には可変抵抗部86が接続される。
【0030】
可変抵抗部86はフィルタ特性を調整(デシベル値の調整)するためのもので、直列接続された複数の抵抗器、この例では4個の抵抗器88a〜88d、その段間と線路Lbとの間に接続された複数のスイッチSe〜Shと、さらに第1のアンプ50の出力点qに接続された抵抗器89とで構成される。
【0031】
このように構成されたCRフィルタ80を第2のアンプ52の正相入力端子側に接続するか、第1のアンプ50の逆相入力端子側に接続するかの切り替えが、一対の切り替えスイッチS5,S6によって行われる。この例では切り替えスイッチS5によって第2のアンプ52の正相入力端子にCRフィルタ80が切り替えられる。また別の切り替えスイッチS6によって第1のアンプ50の逆相入力端子側にCRフィルタ80が切り替えられる。
【0032】
続いてこのように構成された音質調整回路10の調整例を図3以下を参照して説明する。
(1)低域、高域ともデフィート特性とする
図3の伝達特性からも明らかなように、低域も高域も共にデフィート特性つまり減衰特性とするときには、図4のように切り替えスイッチS2,S3およびS5がそれぞれスイッチ制御信号CS2、CS3およびCS5によって制御される。
【0033】
切り替えスイッチS2によって第1のアンプ50の負帰還路が閉じる。切り替えスイッチS3によって線路Laが第2のアンプ52の正相入力端子に接続されるので、第1のアンプ50と第2のアンプ52の段間にブリッジドT型バンドパスフィルタ60が接続される。そして、切り替えスイッチS5によってCRフィルタ80が第2のアンプ52の正相入力端子に接続されたことになる。
【0034】
このようにオペアンプの正相入力端子側にフィルタを接続すると、全体の伝達特性はデフィート特性となるから、ブリッジドT型バンドパスフィルタ60によって低域側がデフィート特性となり、CRフィルタ80によって高域側がデフィート特性となる。
【0035】
そして、ブリッジドT型バンドパスフィルタ60では、可変抵抗部66によってそのデフィート特性が調整できる。つまり図2に示すスイッチSa〜Sdをオンすることでデフィート特性のデシベル値が変化する。この例では1つのスイッチオンで2dBづつ変化するように抵抗器68a〜68d,69a〜69dが選ばれている。たとえばスイッチSaをオンすると2dB下がり、スイッチSdをオンすると8dB減衰するようなデフィート特性となる。これらのスイッチ制御は何れも図1に示したキー操作部100からのキー信号によって行われる。
【0036】
CRフィルタ80でもその抵抗可変部86によって高域伝達特性が制御される。この例では図2に示すように、4個の抵抗器88a〜88dを使用して、2dBづつアップするような伝達特性が得られる。因みにスイッチSeをオンすると4dBアップし、スイッチShをオンすると10dBアップするような伝達特性となる。
【0037】
ここで、段間の点p,qの電位は同じであり、第1のアンプ50の負帰還路における点qとrとの間もほぼ同じ電位となる。これは第1のアンプ50におけるバイアス電流が微少電流であるため、点qとrとの間には極めて僅かな電位差(数100マイクロボルト程度)しか発生せず、動作状態のときにはこの電位差は無視できるからである。
【0038】
このように、点p,q,r間の電位差がほぼゼロであるので、切り替えスイッチS2,S3,S5を切り替えても、切り替え前後での電位変動がないためスイッチ切り替え時のポップノイズの発生を抑えることができる。このようにポップノイズを抑制できる効果は、以下に説明する他の伝達特性を得るときでも同じである。
【0039】
(2)高域側をブースト特性とし、低域側をデフィート特性とする
図5のように低域側をブースト特性となるように調整し、高域側は逆にデフィート特性となるように調整するには、切り替えスイッチS2,S3およびS6を使用する。
【0040】
切り替えスイッチS2によって第1のアンプ50の負帰還路が抵抗器r2を介して閉じられ、また切り替えスイッチS6によって第1のアンプ50の逆相入力端子にCRフィルタ80が接続される。そして、切り替えスイッチS3によって図4の場合と同じくブリッジドT型バンドパスフィルタ60が段間に接続されたことになる。
【0041】
オペアンプの逆相入力端子にフィルタが接続されると、オペアンプの作用で伝達特性は逆特性となり、したがって、この場合にはCRフィルタ80が逆相入力端子側に接続されることになるので、高域側がブースト特性となる。低域側は図4の場合と同じであるためデフィート特性である。
【0042】
(3)低域側をブースト特性とし、高域側をデフィート特性とする
図7のように、低域側をブースト特性とし、高域側をデフィート特性となるように調整するには、図8に示すように、切り替えスイッチS1,S4およびS5を使用する。
【0043】
切り替えスイッチS1によって第1のアンプ50の負帰還路に線路Laが接続されると共に、この負帰還路にブリッジドT型バンドパスフィルタ60が接続される。また切り替えスイッチS4によって線路Laが抵抗器r1を介して第2のアンプ52の正相入力端子側に接続される。そして、切り替えスイッチS5を閉じることによって、第2のアンプ52の正相入力端子にCRフィルタ80が接続されたことになる。
【0044】
オペアンプの逆相入力端子にフィルタが接続されると、オペアンプの作用で伝達特性は逆特性となり、したがって、この場合にはブリッジドT型バンドパスフィルタ60が第1のアンプ50の逆相入力端子側に接続されることになるので、低域側がブースト特性となる。高域側は第2のアンプ52の正相入力端子側に接続されるから高域デフィート特性となる。
【0045】
(4)低域側も、高域側も共にブースト特性とする
図9のように、低域側も、高域側も共にブースト特性となるように調整するには、切り替えスイッチS1,S4およびS6を次のように切り替えることでそのような伝達特性を達成できる。
【0046】
まず切り替えスイッチS1をオンすることによって第1のアンプ50の負帰還路に線路Laが接続されると共に、この負帰還路にブリッジドT型バンドパスフィルタ60が接続される。また切り替えスイッチS4によって線路Laが抵抗器r1を介して第2のアンプ52の正相入力端子側に接続される。そして、切り替えスイッチS6を閉じることによって、第1のアンプ50の逆相入力端子にCRフィルタ80が接続されたことになる。
【0047】
オペアンプの逆相入力端子側にフィルタが接続されると、オペアンプの作用で伝達特性は逆特性となる。したがって、図10のように、この場合にはブリッジドT型バンドパスフィルタ60と、CRフィルタ80が共に第1のアンプ50の逆相入力端子側に接続されることになるので、低域側も、高域側も共にブースト特性となる。
【0048】
以上(1)から(4)まで説明したように、切り替えスイッチS1〜S6を使用すれば、所望の伝達特性を入力信号に対して付与することができる。
【0049】
また、図2に示すように構成すれば、従来のシミュレーテッドインダクタに代えてブリッジドT型バンドパスフィルタ60を使用することができる。ブリッジドT型バンドパスフィルタ60を使用した場合には、この音質調整回路10をIC化するとき、外付けするのは図2に示すように一対のコンデンサ62a,62bでよいので、2端子ピンで済む。
【0050】
シミュレーテッドインダクタを使用すると、少なくとも3つの外付け端子を必要とするから、L,Rの2チャネル構成ではトータル2端子ピンだけピン数を削減できる。したがって、この発明の構成によれば、IC回路のコストダウンを図ることができる。
【0051】
さて、図11はこの発明の他の実施の形態を示す図2と同様な接続図である。図2との相違点のみ説明するならば、この図11の実施の形態は切り替えスイッチS1〜S4と、スイッチSa〜Sdの関係を変更したものである。
【0052】
図2の場合には切り替えスイッチS1とスイッチS3を用いて線路Laへの接続および第1のアンプ50の負帰還路への接続を行い、さらにフィルタ特性(dB調整)をスイッチSa〜Sdで行っている。そのため、例えば切り替えスイッチS1とスイッチSaとは直列接続された関係にあるのに対し、図11の場合にはこれらが1つのスイッチ(S1+Sa)で代用できる構成となっている。他のスイッチ構成も同様である。
【0053】
切り替えスイッチS3とスイッチSa〜Sdの関係も同じであって、例えば図2では、スイッチS3とScとが直列接続された構成となっているが、図11の場合にはこれらが1つのスイッチ(S3+Sa)で代用できるような構成となっている。
【0054】
これらスイッチS1〜S4およびSa〜Sdは何れもトランジスタなどのスイッチング素子が使用されることになるが、トランジスタを使用した場合にはそのオン抵抗のばらつきが起こる。このばらつきはトランジスタを直列接続したときよりも並列接続したときの方が、その影響が少なくなる。したがって、図11の構成ではスイッチの数は2個だけ多くなるが、オン抵抗のばらつきによる伝達特性への影響が少なくなるという特徴を有する。図11におけるその他の構成は図2の場合と同じであるので、その説明は割愛する。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明ではそれぞれが演算増幅器で構成された第1と第2のアンプを直列接続し、低域音質調整用としてブリッジドT型バンドパスフィルタを使用し、高域音質調整用としてCRフィルタを使用して構成したものである。そして、第1のアンプの出力段にバンドパスフィルタを介在させるか、CRフィルタを介在させることで、特定の伝送帯域における伝達特性をデフィート特性とし、また第1のアンプのフィードバック系にバンドパスフィルタを介在させるか、CRフィルタを介在させることで、特定の伝送帯域における伝達特性をブースト特性とするようにしたものである。
【0056】
これによれば、第1のアンプの出力段と第2のアンプの入力段との間、つまり段間とそのフィードバックされた逆相入力端子との間の電位差をほぼゼロにすることができると共に、第1のアンプの入力段とその出力段との間の電位差もほぼゼロにすることができるから、切り替えスイッチによって伝達特性を切り替えても、スイッチ切り替え時にはポップのノイズは発生しない。
【0057】
またバンドパスフィルタとして、ブリッジドT型バンドパスフィルタを使用しているので、このフィルタを外付けしたとしてもその外付け端子数は2端子であるので、音質調整回路をIC化したときの端子ピン数を削減できるなどの特徴を有する。
【0058】
したがってこの発明に係る音質調整回路は、ミニコンポなどの音響回路系に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる音質調整回路を適用した音響回路の実施の形態を示す系統図である。
【図2】この発明にかかる音質調整回路の実施の形態を示す接続図である。
【図3】伝達特性の調整例(その1)を示す図である。
【図4】 この伝達特性を得るときの複数のスイッチ切り替え例を示す簡略化した接続図である。
【図5】伝達特性の調整例(その2)を示す図である。
【図6】 この伝達特性を得るときの複数のスイッチ切り替え例を示す簡略化した接続図である。
【図7】伝達特性の調整例(その3)を示す図である。
【図8】 この伝達特性を得るときの複数のスイッチ切り替え例を示す簡略化した接続図である。
【図9】伝達特性の調整例(その4)を示す図である。
【図10】 この伝達特性を得るときの複数のスイッチ切り替え例を示す簡略化した接続図である。
【図11】この発明の他の実施の形態を示す図2と同様な接続図である。
【図12】従来の音質調整回路の接続図である。
【図13】この音質調整回路における伝達特性の調整例(その1)を示す図である。
【図14】この音質調整回路における伝達特性の調整例(その2)を示す図である。
【符号の説明】
10 音質調整回路
50,52 アンプ
60 ブリッジドT型バンドパスフィルタ
66,86 可変抵抗部
80 CRフィルタ
S1〜S6 伝達特性調整用の切り替えスイッチ
Sa〜Sh フィルタ特性切り替え用のスイッチ
Claims (7)
- 低域音質調整用としてブリッジドT型バンドパスフィルタが使用され、
高域音質調整用としてCRフィルタが使用されると共に、
演算増幅器で構成され、かつ継続接続された第1および第2のアンプのうち、第1のアンプのフィードバックグループ内に、切り替えスイッチを介して少なくとも上記ブリッジドT型ハンドパスフィルタと上記CRフィルタのいずれかを介在させることによってブースト特性が得られ、
上記第1のアンプの出力段に、切り替えスイッチを介して少なくとも上記ブリッジドT型ハンドパスフィルタと上記CRフィルタのいずれかを介在させることによってデフィート特性が得られるようにし、
上記第1のアンプの出力段と第2のアンプの入力段との段間と、当該段間からフィードバックされた第1のアンプの逆相入力端子との間の電位差がほぼゼロである音質調整回路。 - 上記ブリッジドT型バンドパスフィルタ及びCRフィルタには、フィルタ特性を調整するための可変抵抗部が設けられた請求項1記載の音質調整回路。
- 上記可変抵抗部は、直列接続された複数の抵抗器と、それを選択する複数のスイッチとで構成された請求項2記載の音質調整回路。
- 上記第1のアンプと第2のアンプの段間に、上記ブリッジドT型バンドパスフィルタと上記CRフィルタとを接続することで、低域デフィート特性と高域デフィート特性とが得られるようにした請求項1記載の音質調整回路。
- 上記第1のアンプのフィードバック系に上記CRフィルタを、上記段間に上記ブリッジドT型バンドパスフィルタを接続することで、低域デフィート特性と高域ブースト特性が得られるようにした請求項1記載の音質調整回路。
- 上記第1のアンプのフィードバック系に上記ブリッジドT型バンドパスフィルタを、上記段間に上記CRフィルタを接続することで、低域ブースト特性と、高域デフィート特性が得られるようにした請求項1記載の音質調整回路。
- 上記第1のアンプのフィードバック系に上記ブリッジドT型バンドパスフィルタと上記CRフィルタとを接続することで、低域ブースト特性と高域ブースト特性が得られるようにした請求項1記載の音質調整回路。
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