JP4691430B2 - 熱成形用金属調シート - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂シートを熱成形して金属調の外観を有する立体成形物を形成するために用いられる熱成形用金属調シートに関するものである。
樹脂成形品の表面に金属光沢を持たせる技術としては、樹脂成形品の表面に金属めっきを施したり、あるいは金属含有塗料を塗装する技術がある。また、透明な熱可塑性樹脂フィルム上に蒸着やスパッタリング法により薄膜の金属層を形成し、それを、接着剤層を介して熱可塑性樹脂層またはシートにラミネート(積層)した熱成形用金属調シートを用いる技術がある(特開2002−370311号公報[特許文献1]、特許第3608956号公報[特許文献2]、及び特許第3514726号公報[特許文献3])。
特開2002−370311号公報 特許第3608956号公報 特許第3514726号公報
しかしながら、前者の技術では、樹脂成形品の表面に金属光沢を付与するためには、環境負荷物質である六価クロムの使用回避技術の確立や、溶剤を使用するための環境対策が必要になる問題がある上、製品の価格が高いという問題あった。
後者の技術が開発される以前には、金属層担持用の熱可塑性樹脂フィルムとして、アクリルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムと言う)単体を用いることが提案されていた。これら単体の熱可塑性樹脂フィルムは、そのフィルムが熱成形時の絞りに追随できるように、成形時の温度で一定以下の抗張力や一定以上の引っ張り破断伸びを有する必要がある。アクリルフィルムは、この条件を満足するが、アクリルフィルムに金属層を蒸着したものは、金属光沢が低いという問題があった。また、PETフィルム単体では、高い輝度の金属光沢を得られるものの、成形温度での抗張力が高すぎて、絞りに追随できないという欠点がある。
そこで、後者の技術すなわち特開2002−370311号や特許3608956号に示された技術では、上記条件を満足させるために、ベンゼン環とシクロヘキサン環を主鎖に共重合したポリエステル系高分子化合物のフィルムを用いている。しかしながらこの後者の熱可塑性樹脂フィルムは、真空成形などの熱成形時に、シートを所定温度以上に加熱すると、金属層を形成した熱可塑性樹脂フィルムが大きく垂れ下がって、成形できなくなる現象(ドローダウン)が発生することがある。そのため、従来の熱成形用金属調シートでは、普通より狭く制限された熱成形の条件範囲内での使用を余儀なくされていた。
また所定温度より低い温度で加熱した場合も、熱可塑性樹脂フィルムの軟化により、熱可塑性樹脂フィルムの表面の平滑性が悪くなって、いわゆる「ゆず肌」が発生し、鮮映性の良い鏡面外観が得られないという問題も発生する。
本発明の目的は、ドローダウンが発生することのない熱成形用金属調シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、成形条件範囲が広く、より鮮映性の高い金属光沢を持つ外観を示すことが可能な熱成形用金属調シートを提供することにある。
発明者は、従来の熱成形用金属調シートについて詳細な検討を行った結果、熱成形時の温度での樹脂フィルムの抗張力が高い層と低い層を併せ持つ熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、透明な熱可塑性樹脂フィルムと、前記熱可塑性樹脂フィルム上に形成された薄膜からなる金属層と、接着剤層と、熱可塑性樹脂層とが順に積層されてなる従来の熱成形用金属調シートで発生する問題を解消できることを見出した。
第1の発明では、厚み寸法が0.5〜2μmのポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層と、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層とが熱溶着により積層されて構成された熱可塑性樹脂フィルムを用いる。第1のフィルム層が熱成形時の温度で抗張力が高い層を構成し、第2のフィルム層が熱成形時の温度で抗張力が低い層を構成する。
また第2の発明で用いる熱可塑性樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層と、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層と、ポリエチレンテレフタレートからなる第3のフィルム層とが順に熱溶着により積層されて構成され、第1のフィルム層と前記第3のフィルム層の厚み寸法の合計値が0.5〜2μmとなる熱可塑性樹脂フィルムを用いる。第2の発明では、第1のフィルム層と第3のフィルム層が、熱成形時の温度で抗張力が高い層を構成し、第2のフィルム層が熱成形時の温度で抗張力が低い層を構成する。
本発明のように、トータル厚み寸法が0.5〜2μmとなるポリエチレンテレフタレートにより抗張力が高い層を構成すると、従来より熱成形時の加熱温度を上げたとしても、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層においてドローダウンが発生することを防止できる。また熱成形時の温度で抗張力が高い層(第1のフィルム層、第3のフィルム層)と低い層(第2のフィルム層)とを併せ持つ熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、特に第2のフィルム層により熱成形時の絞り追随性を付与し、その結果、本発明によれば、ドローダウンの発生を防止して、しかも成形条件範囲が広く、より鮮映性の高い金属光沢を持つ外観を示すことが可能な熱成形用金属調シートを得ることができる。よって本発明の熱成形用金属調シートは上記の特有の構成により、真空成形、圧空成形、シートインサート射出成形などの三次元形状の熱成形に応用されたときに、展開倍率が大きい形状であった場合でも、成形条件幅の広い、鮮映性の高い金属光沢を付与することができ、成形設計の自由度をあげることが可能になる。
なお第2の発明のように第2のフィルム層を第1及び第3のフィルム層で挟む構造を採用すると、熱可塑性樹脂フィルムの表裏を気にせずに、金属層が形成ができるので製造が容易になる。また熱成形の際における、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層の表面形態の変化を最小なものとすることができ、鮮映性をさらに高めることができる。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、20〜50μmであることが好ましい。これは20μm以下では、厚みが薄すぎて、成形形状によっては、熱成形時の延伸に追随できない場合が発生し、フィルム層に破れが生じやすくなるからである。また、50μm以上では、成形形状によって、熱可塑性樹脂層をシート状にラミネートするときに、皺が発生しやすくなり、シートの生産性が損なわれることがあるからである。
金属層は、熱可塑性樹脂フィルムの表面または裏面のいずれに形成してもよい。しかしながら表面の平滑性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層の上に、金属層を形成するのが好ましい。このようにするとより高い鮮映性と輝度を持つ金属調外観を得ることができる。
また第2のフィルム層を形成するために用いる共重合したポリエステル系高分子化合物としては、どのようなものを用いてもよい。しかし共重合したポリエステル系高分子化合物として、ポリエチレンテレフタレートに他のエステル形成性単量体を共重合して得られるポリエステル系高分子化合物を用いると、従来用いられていたベンゼン環とシクロヘキサン環を主鎖に共重合したポリエステル系高分子化合物を用いる場合と比べて、鮮映性をより高いものとすることができる。なおエステル形成性単量体は、特に特定のものに限定されない。
なお熱可塑性樹脂フィルムの外側に位置する片面には、透明なアクリル樹脂層等の保護層を更に積層してもよい。このような保護層を設けると、表面への印刷等が容易になる上、更にその上に保護用の層を接着により重ねることが可能になる。
本発明によれば、ドローダウンの発生を防止して、しかも成形条件範囲が広く、より鮮映性の高い金属光沢を持つ外観を示すことが可能な熱成形用金属調シートを得ることができる。
以下図面を参照して、本発明の熱成形用金属調シートの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の熱成形用金属調シートの実施の形態の一例の層構造を示す概略図である。この熱成形用金属調シート1は、透明な熱可塑性樹脂フィルム2と、この熱可塑性樹脂フィルム2上に形成された薄膜からなる金属層3と、接着剤層4と、熱可塑性樹脂層5とが順に積層された構造を有している。
透明な熱可塑性樹脂フィルムとしては、図2に示す2層構造の熱可塑性樹脂フィルム22または図3に示す3層構造の熱可塑性樹脂フィルム32とを用いることができる。図2の熱可塑性樹脂フィルム22は、厚み寸法が0.5〜2μmのポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層22Aと、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層22Bとが熱溶着により積層されて構成された熱可塑性樹脂フィルム22を用いる。この例では、第1のフィルム層22Aが、熱成形時の温度において抗張力が高い層を構成し、第2のフィルム層22Bが熱成形時の温度において抗張力が低い層を構成している。ポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層22Aの厚みが0.5μmより薄くなると、ドローダウン防止機能が失われ、2μmより熱くなると、型追随性が悪くなる。なお熱可塑性樹脂フィルム2の全体の厚みは、通常20〜50μmが望ましい。これは成形形状によっては、20μm以下では、厚みが薄すぎて、熱成形時の延伸に追随ができず、フィルム層に破れが生じやすくなるからである。また50μm以上では、熱可塑性樹脂層5をシート状にラミネートするときに、皺が発生しやすくなり、シートの生産性が損なわれるからである。なお第2のフィルム層22Bの厚み寸法は、熱可塑性樹脂フィルム22の全体の厚み寸法から、第1のフィルム層22Aの厚み寸法を除いた厚みとなる。
共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層22Bとしては、どのようなものを用いてもよい。しかし共重合したポリエステル系高分子化合物として、ポリエチレンテレフタレートに他のエステル形成性単量体を共重合して得られるポリエステル系高分子化合物を用いると、従来用いられていたベンゼン環とシクロヘキサン環を主鎖に共重合したポリエステル系高分子化合物を用いる場合と比べて、鮮映性をより高いものとすることができる。なおエステル形成性単量体は、特に特定のものに限定されない。使用可能なエステル形成性単量体には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコール成分、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分、多官能ポリエステル形成成分等がある。
なお熱可塑性樹脂フィルム22の融点(Tm)は、通常240〜250℃であることが好ましい。融点が240℃未満であると、加熱により軟化しやすくドローダウンが生じやすくなる。また融点が250℃を超える場合、成形温度での抗張力が高くなり、絞りに追従しにくくなる。
薄膜の金属層3を形成するための金属は、アルミニュウム、インジュウム、クロム、亜鉛、ニッケル、錫、銀、金などから選択して用いることができる。中でも、インジュウム、錫は深絞りの熱成形を行う場合に有利であり、特にインジュウムであることが望ましい。
そして金属層3の厚みとしては、20〜50nmが望ましい。これは金属層3の厚さが、20nm以下であると深絞りしたとき成形物に十分な金属光沢付与できない場合があり、また50nmを超えると製造コストの上昇で経済的ではないからである。金属層3は、透明樹脂フィルムに蒸着、スパッタリング法などの薄膜形成技術を用いて、被形成面上に密着した状態で形成することができる。金属層3は、第1のフィルム層22Aの上に形成するのが好ましいが、第2のフィルム層22Bの上に形成してもよい。第2のフィルム層22の上に形成する場合には、アクリル樹脂層等の公知の保護層を熱可塑性樹脂フィルム2の上に積層すればよい。なお金属層3と、熱可塑性樹脂フィルム2との密着性を向上させるためには、フィルム基材表面(第1のフィルム層22Aまたは第2のフィルム層22Bの表面)にプラズマ処理、コロナ処理などの前処理を行うことも効果的である。
また接着剤層4は、金属層3と熱可塑性樹脂層5との間に配置されている。現状では、この接着剤層4がないと、金属層3の上に熱可塑性樹脂層5を積層することができず、熱成形用金属調シートを完成することができない。接着剤層4を構成する接着剤としては、金属層3と熱可塑性樹脂層5との接着性に優れていることが必要であるとともに、金属層3に温水劣化、耐候性劣化などの影響を与えないことが必要である。また、接着剤層4が、熱成形時に深絞りに追随できることも必要条件となる。このような接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系などの中から選ばれた接着剤を用いることができる。中でも、熱成形時の深絞り追随性がよく、金属層への上記影響の少ないポリエステル系接着剤が望ましい。これら接着剤は使用にあたっては、適宜溶剤を用いてリバースコーター、グラビアコーター、ロールコーターなどの手段により金属層に塗布し、必要により乾燥される。
次に熱可塑性樹脂層5としては、熱成形時の温度に耐えられるものであることが必要である。その材質としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリウレタン系などの樹脂から、適宜に選択することができる。この熱可塑性樹脂層5は押出し成形シートとして得られ、このシート押出しと同時に、上記透明な熱可塑性樹脂フィルム2、金属層3、接着剤層4を順に重ねたものと熱可塑性樹脂層5はラミネートされる。
図3に示した3層構造の透明な熱可塑性樹脂フィルム32は、ポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層32Aと、共重合したポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層32Bと、ポリエチレンテレフタレートからなる第3のフィルム層32Cとが順に熱溶着により積層されて構成されている。第1のフィルム層32Aと第3のフィルム層32Cの厚み寸法の合計値が0.5〜2μmとなるように、第1及び第3のフィルム層32A及び32Cの厚みが定められている。そして第2のフィルム層32Bの厚みは、先の例と同様に、熱可塑性樹脂フィルム32の全体の厚み寸法から、第1及び第3のフィルム層32A及び32Cの厚み寸法を除いた厚み寸法となる。この例では、第1のフィルム層32Aと第3のフィルム層32Cが、熱成形時の温度で抗張力が高い層を構成し、第2のフィルム層32Bが熱成形時の温度で抗張力が低い層を構成する。図3の熱可塑性樹脂フィルム32は、3層構造である点を除いて、各層を構成する材料は、図2の熱可塑性樹脂フィルム22と同じである。この熱可塑性樹脂フィルム32を用いる場合には、第1のフィルム層32Aまたは第3のフィルム層32Cのいずれの上に金属層3を形成してもよい。したがって金属層3の形成が容易になる。
以下に本発明の実施の形態の熱成形用金属調シート及び、それを用いた成形品について具体的な実施例を示す。実施例を説明する前に、実施例において用いた測定方法及び評価法について説明する。
(ポリエステルフィルムの融点の測定方法)
ポリエステルフィルムを約5mgとり、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製RDC220型)により、20℃/分の昇温速度で熱特性を測定し、融解のピーク温度を融点(Tm)とした。融解のピークが2つ以上ある場合は最もピークの大きいものを融点Tmとした。
(深絞り評価用金型及び評価法)
深絞りがどの程度可能かをみるため、評価用金型を作成した。図4にその形状(断面図)を示した。長さ220mm、幅75mm、深さ50mmのヨット舟艇型で、あり、展開倍率が最大4倍である型である。
この金型を用いて真空成形を行った際に、成形品のコーナーアールを測定し、型追随性を判定した。コーナーアールが20mm以上を×、10〜20mmを△、5〜10mmを0.5mm以下を◎とした、すなわち、成形品のコーナーアールが小さい程型追随性がよい。
ドローダウン性は、シート加熱時にシートが大きく垂れて成形できなくなる状態を「有り」とし、垂れが小さく成形できる場合を「無し」とした。
輝度は、JIS K7105に従って成形品の反射率を測定した。鮮映性については、外観が樹脂メッキ外観に近い状態から順に、◎、○、△、×の評価を目視に基づいて行った。
(実施例及び比較例)
表1には、使用した透明な熱可塑性樹脂フィルム(図1の符号2で示すフィルム)の種類について示した(符号F1〜F6)。F1〜F3の熱可塑性樹脂フィルムは、従来から用いられている熱可塑性樹脂フィルムである。F4及びF5の熱可塑性樹脂フィルムは、今回新たに使用した図2及び図3に示した積層構造の熱可塑性樹脂フィルムである。F4及びF5の熱可塑性樹脂フィルムで用いた共重合PETは、ポリエチレンテレフタレートにエステル形成性単量体を共重合して得たものである。F6は、F5の熱可塑性樹脂フィルムの片面にアクリル樹脂フィルムを配置した熱可塑性樹脂フィルムである。
真空成形に供した熱成形用金属調シートは、表1のフィルムの片面に、金属層としてインジュウムを約30nmスパッタリングし、接着剤層としてポリエステル系接着剤を3〜5μmとなるように塗布し、それを、ABS樹脂シート押出し時にラミネートして作成した。表2は、実施例1乃至7と比較例1乃至5の評価条件を示しており、表3は表2の各実施例と比較例についての評価結果を示している。なお表1乃至表2において、共重合PETとは、共重合したポリエステル系高分子化合物からなるフィルム層であることを意味している。
Figure 0004691430
Figure 0004691430
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上記表2、表3により、本発明の熱成形用金属調シートの実施例1〜7では、いずれもコーナーアール追随性、ドローダウンの有無、輝度、鮮映性ともに従来技術(比較例1〜4)に係る熱成形用シートに比べて、より高品質の外観を持つ熱成形が可能であることがわかる。
特に、比較例2と比較例3で見られるように、同じシート厚み1.5mmであっても、従来の特開2002−370311号公報に記載のシートで用いられている共重合ポリエステルの単層フィルムでは、成形時表面温度が高くなる(220℃になる)とドローダウンが発生して成形ができなくなる。これに対して、実施例5及び6のシートのように、成形時表面温度を高くしても(220℃,240℃)、また実施例3及び4のシートのようにシートの厚みを厚くしても、ドローダウンは発生しない。したがって本発明の実施例によれば、広い成形条件幅で、高品質の金属外観が得られることがわかる。
この結果からは、共重合したPET層を配することで、型追随製を付与し、また、2μm以下のPET層を配することで、ドローダウンを防止して、成形条件幅を大きく広げることができたこと示している。なおこのことから、比較例2乃至4で用いているベンゼン環とシクロヘキサン環を主鎖に共重合したポリエステル系高分子化合物のフィルムを共重合したPET層として用いる場合であっても、ドローダウンを防止することができることが分かる。
また、PET面に蒸着した実施例2〜7では良好な鮮映性が得られているのに対して共重合面に蒸着した実施例1及び比較例2〜4では、鮮映性が低下している。このことは、蒸着面にPET層を配したことの効果を示している。
さらに特に表1の熱可塑性樹脂フィルムF4乃至F6を用いた熱成形用金属調シート(実施例1乃至7)は、従来の熱成形用金属調シートに比べて、より深絞りの成形品であっても、表面の白濁、輝度低下などの問題を引き起こさない、成形性範囲の広い熱成形用金属調シートであることが分かる。
本発明の熱成形用金属調シートの一例の構造を示すモデル断面図である。 本発明で用いる透明な熱可塑性樹脂フィルムの一例を示す、2種2層のモデル断面図である。 本発明で用いる透明な熱可塑性樹脂フィルムの他の例を示す、2種3層のモデル断面図である。 本発明の実施例で用いた成形性評価用のヨット舟艇型金型の断面図である。
1 熱成形用金属調シート
2,22,32 熱可塑性樹脂フィルム
3 金属層
4 接着剤層
5 熱可塑性樹脂層
22A,32A 第1のフィルム層
22B,32B 第2のフィルム層
32C 第3のフィルム層

Claims (5)

  1. 透明な熱可塑性樹脂フィルムと、前記熱可塑性樹脂フィルム上に形成された薄膜からなる金属層と、接着剤層と、熱可塑性樹脂層とが順に積層されてなる熱成形用金属調シートであって、
    前記熱可塑性樹脂フィルムは、厚み寸法が0.5〜2μmのポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層と、ポリエチレンテレフタレートに他のエステル形成性単量体を共重合して得られるポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層とが熱溶着により積層されて構成されていることを特徴とする熱成形用金属調シート。
  2. 透明な熱可塑性樹脂フィルムと、前記熱可塑性樹脂フィルム上に形成された薄膜からなる金属層と、接着剤層と、熱可塑性樹脂層とが順に積層されてなる熱成形用金属調シートであって、
    前記熱可塑性樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなる第1のフィルム層と、ポリエチレンテレフタレートに他のエステル形成性単量体を共重合して得られるポリエステル系高分子化合物からなる第2のフィルム層と、前記ポリエチレンテレフタレートからなる第3のフィルム層とが順に熱溶着により積層されて構成され、前記第1のフィルム層と前記第3のフィルム層の厚み寸法の合計値が0.5〜2μmとなることを特徴とする熱成形用金属調シート。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムの厚みが、20〜50μmである請求項1または2に記載の熱成形用金属調シート。
  4. 前記第1のフィルム層の上に前記金属層が形成されている請求項1または2に記載の熱成形用金属調シート。
  5. 前記エステル形成性単量体が、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールから選ばれるポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSから選ばれる芳香族グリコール成分、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸から選ばれる芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸から選ばれる脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキンジカルボン酸の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸のオキシカルボン酸成分、または多官能ポリエステル形成成分である請求項1または2に記載の熱成形用金属調シート。
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