JP4691143B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、キーボード載置部を備える電子機器に係り、特にキーボード載置部回りの防滴構造に関する。
例えばポータブルコンピュータのような電子機器は、筐体の上壁にキーボード載置部を備える。キーボード載置部は、通常、筐体の上壁に凹部状に形成される。このため例えば誤ってコーヒーや水のような液体を電子機器の上にこぼしてしまった場合、この液体がキーボード載置部に溜まるおそれがある。
そこで、キーボード載置部に排水手段を有するコンピュータが提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のコンピュータは、キーボードの基板に形成された第1排出ホールを有する。第1排出ホールの下方には、第2排出ホールを有するガイドチャネルが設けられている。さらに、第2排出ホールの下方には、コンピュータの外部に開口する第3の排出ホールが設けられている。
特開2003−122454号公報
例えば、特許文献1に記載されている排水手段は、筐体に排水用の複数の排出ホールを形成している。この排出ホールは筐体の内部を通過しているため、排出ホールから筐体内に液体が漏れるおそれがある。
本発明の目的は、防滴性の向上を図った電子機器を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、上壁とこの上壁の縁から延びた左側壁部と上記上壁の右縁から延びた右側壁部とを有する筐体と、上記筐体の上壁に形成された底面を有するキーボード載置部と上記キーボード載置部に載置されたキーボードと、上記キーボード載置部と上記左側壁部との間に起立した第1のフレーム部と、上記キーボード載置部と上記右側壁部との間に起立した第2のフレーム部と、を具備する。上記第1のフレーム部および上記第2のフレーム部は、上記上壁と一体に形成されるとともに、それぞれ上記キーボード載置部から当該第1のフレーム部または当該第2のフレーム部を水平方向に貫通し、上記左側壁部の外表面または上記右側壁部の外表面に達した複数の貫通孔を有する。上記キーボード載置部の底面は、上記左側壁部の外表面および上記右側壁部の外表面と一体に形成されている。
この構成によれば、キーボードの上にこぼされた液体が筐体内を通らずに排出されるので、電子機器の防滴性が向上する。
以下に本発明の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図面に基づいて説明する。
図1ないし図13は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。図1に示すように、ポータブルコンピュータ1は、本体2と表示ユニット3とを備えている。
本体2は、筐体ベース4と筐体カバー5とを備える。筐体カバー5は、筐体ベース4に上方から組み合わされる。筐体ベース4と筐体カバー5とが協働することで、本体2は箱状に形成された筐体6を有する。筐体6は、上壁7、周壁8、および下壁9を有する。周壁8は、上壁7の前縁から延びる前側壁部8a、上壁7の左縁から延びる左側壁部8b、上壁7の右縁から延びる右側壁部8c、および上壁7の後縁から延びる後側壁部8dを有する。
ここで、前側壁部8a、左側壁部8b、右側壁部8c、および後側壁部8dはそれぞれ本発明でいう側部の一例である。なお側部は例えば平らな面を有しなくても良い。側部は例えば屈曲した側壁部であっても良い。
表示ユニット3は、ディスプレイハウジング10と、このディスプレイハウジング10に収容された液晶表示パネル11とを備える。液晶表示パネル11は、表示画面11aを有する。表示画面11aは、ディスプレイハウジング10の前面の開口部10aを通じて、筐体6の外部に露出している。
表示ユニット3は、一対のヒンジ部12a,12bを介して筐体6の後端部に回動可能に支持されている。そのため、表示ユニット3は、上壁7を上方から覆うように倒される閉じ位置と、上壁7を露出させるように起立する開き位置との間で回動可能である。
図2に示すように、筐体6の上壁7には、後端部側から順に、隆起部13、キーボード載置部14、並びにタッチパッド部15および一対のパームレスト部16a,16bが設けられている。キーボード載置部14にはキーボード17が載置される。キーボード載置部14は、キーボード17を下方から支持する。
キーボード17は、ベース21と、このベース21に実装された複数のキー22と、配線および電気接点などを有する配線部材(図示しない)とを有する。この配線部材には、例えばFFC(Flexible flat cable)23が電気的に接続されている。なおベース21の一例は、板金部材と、この板金部材に重ねられるとともにキー22の支持機構が取り付けられるプレート部材とを含む。
まず、図2を参照してキーボード載置部14について詳しく説明する。
キーボード載置部14は、筐体6の上壁7の左縁から右縁に亘って設けられている。キーボード載置部14は、上壁7に設けられた底面25を有する。底面25は、上壁7の中央部から筐体6の左側壁部8bまで延びるとともに、筐体6の右側壁部8cまで延びている。すなわちキーボード載置部14の底面25は、筐体6の上壁7の左縁から右縁に亘って形成されている。換言すれば、底面25は、キーボード載置部14の長手方向の両端部において筐体6の側壁部8b,8cまで延びている。
図2に示すように、キーボード載置部14は、第1の領域14aと第2の領域14bとを有する。第1の領域14aは、キーボード載置部14の中央部に形成される。第1の領域14aは、キーボード17が載置され、キーボード17の下面に対向する。第2の領域14bは、第1の領域14aと筐体6の左側壁部8bとの間、および第1の領域14aと筐体6の右側壁部8cとの間に形成される。キーボード載置部14の底面25は、第1の領域14a内に位置する底面25aと、第2の領域14b内に位置する底面25bとを有する。
図7に示すように、本実施形態に係るキーボード載置部14の場合、第2の領域14bの底面25bは、第1の領域14aの底面25aと同一面上に位置している。すなわち第2の領域14bの底面25bの高さは、第1の領域14aの底面25aの高さと同じである。換言すれば、第2の領域14bの底面25bの高さは、第1の領域14aに載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低い。なお本明細書でいう「高さ」とは、ポータブルコンピュータ1を例えば机の上のような設置面Fに置いた場合に、その設置面Fからの上方を向いた距離をいう。
図2に示すように、第2の領域14bには、例えば複数の第1の係合部31が設けられている。第1の係合部31は、キーボード載置部14の底面25から上方を向いて突出した例えば円柱状の突起である。第1の係合部31には、筐体6内に開口する第1の係合孔31aが形成されている。
図2に示すように、キーボード載置部14より手前には、タッチパッド部15とパームレスト部16a,16bとが形成されている。タッチパッド部15は、筐体6の長手方向の中央部に設けられている。図9に示すように、タッチパッド部15は、タッチパッド載置部32、タッチパッドユニット33、タッチパッドカバー34とを有する。
タッチパッド載置部32は、筐体6の上壁7に形成されている。タッチパッド載置部32には、タッチパッドユニット33が取り付けられる。タッチパッドカバー34は、タッチパッドユニット33を覆うようにしてタッチパッド載置部32に取り付けられる。タッチパッドユニット33は、タッチパッドカバー34の開口部34aを通じて外部に露出される。
図2に示すように、パームレスト部16a,16bは、タッチパッド部15を挟むようにその左右に設けられている。本実施形態に係るパームレスト部16a,16bは、筐体6の上壁7と一体に形成されている。パームレスト部16a,16bは、キーボード載置部14に比べて筐体6の上方に隆起している。
キーボード載置部14とパームレスト部16a,16bとの間には、第1のホルダ載置部36が設けられている。第1のホルダ載置部36は、筐体6の長手方向に沿って延びている。第1のホルダ載置部36は、パームレスト部16a,16bの縁からキーボード載置部14の底面25に向かって傾斜している。第1のホルダ載置部36には、例えば複数の第2の係合部37が設けられている。第2の係合部37には、筐体6内に開口する第2の係合孔37aが形成されている。
図3に示すように、筐体上壁7には、左右フレーム部材41a、41bおよびキーボードホルダ43が取り付けられる。なお左右フレーム部材41a、41bは互いに略同じ構成を有する。そこでここでは左フレーム部材41aについて詳しく説明し、右フレーム部材41bについては同じ機能を有する構成に同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、左フレーム部材41a(以下、単にフレーム部材41aと略)は、互いに直交する方向に沿って別々に延びる第1の部分45と第2の部分46とを有する。第1の部分45は、本発明でいうフレーム部材の本体部の一例である。第2の部分46は、キーボード17を固定するホルダの一例である。
図3に示すように、フレーム部材41aを筐体上壁7に取り付けると、第1の部分45はキーボード載置部14の第2の領域14bに載置され、第2の部分46は第1のホルダ載置部36に載置される。第1の部分45は、キーボード載置部14の第2の領域14bと略同じ外形を有する。第2の部分46は、第1のホルダ載置部36の外形と略同じ外形を有する。
図4に示すように、第1の部分45は、天井壁部51、第1の側壁部52、および第2の側壁部53を有する。図7に示すように、フレーム部材41aが筐体上壁7に取り付けられたとき、天井壁部51は、第2の領域14bに上方から対向するとともに、第2の領域14bの底面25bとの間に空隙を空ける。第1の側壁部52は、キーボード17に臨む天井壁部51の縁部から筐体6を向いて延びるとともに、第2の領域14bの底面25bに当接する。第2の側壁部53は、筐体6の外方に臨む天井壁部51の縁部から筐体6を向いて延びるとともに、第2の領域14bの底面25bに当接する。
図4ないし図7に示すように、第1の側壁部52には、例えば複数の切欠き52aが形成されている。切欠き52aは、第1の側壁部52の下端部を凹状に切り欠く。フレーム部材41aを筐体上壁7に取り付けると、この切欠き52aがキーボード載置部14の底面25との間に空隙を形成する。図5に示すように、第1の側壁部52の切欠き52aは、例えばキーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向する位置に形成される。ただし全ての切欠き52aがキー22とキー22との間の隙間に対向する位置に形成されなくても良い。
第2の側壁部53には、例えば複数の切欠き53aが形成されている。切欠き53aは、第2の側壁部53の下端部を凹状に切り欠く。フレーム部材41aを筐体上壁7に取り付けると、この切欠き53aがキーボード載置部14の底面25との間に空隙を形成する。図5および図7に示すように、キーボード載置部14は、第1の側壁部52の切欠き52aおよび第2の側壁部53の切欠き53aを通じて筐体6の側方に連通する。したがって、キーボード載置部14の第2の領域14bには、キーボード載置部14の底面25と同じ高さを保ちながら筐体6の左側壁部8bまで延びる導水部が形成されているといえる。
図5に示すように、第2の側壁部53の切欠き53aは、第1の側壁部52の切欠き52aに対向する領域を外れて形成される。すなわち第2の側壁部53の切欠き53aは、第1の側壁部52の切欠き52aに対してオフセットした位置に形成される。
図4に示すように、フレーム部材41aの第1の部分45の天井壁部51からは、複数の係合突起55が下方を向いて突出している。図7に示すように、係合突起55は、第2の領域14bに設けられた第1の係合部31の第1の係合孔31aに挿通される。第1の係合孔31aに挿通された係合突起55の先端は、筐体6の内部で筐体6に溶着される。これにより第1の部分45が筐体6に対して固定される。
第2の部分46は、傾斜して延びる第1のホルダ載置部36に沿うように、第1の部分45に対して傾斜して延びている。第2の部分46からは、複数の係合突起56が下方を向いて突出している。図10に示すように、係合突起56は、第1のホルダ載置部36に設けられた第2の係合部37の第2の係合孔37aに挿通される。第2の係合孔37aに挿通された係合突起56の先端は、筐体6の内部で筐体6に溶着される。これにより第2の部分46が筐体6に対して固定される。
図2および図10に示すように、第1のホルダ載置部36に隣り合うキーボード載置部14の縁部には、例えば複数の第1の窪み部58が形成されている。キーボード17の前端部には、第1の窪み部58に対応する部位に第1の爪部59が形成されている。図10に示すように、第1の爪部59は、第1の窪み部58を利用して筐体上壁7とフレーム部材41a,41bの第2の部分46との間に挿入される。フレーム部材41a,41bの第2の部分46は、キーボード17の第1の爪部59をキーボード載置部14に向けて押さえる。
図8に右フレーム部材41bを示す。右フレーム部材41bも左フレーム部材41aと同様に、第1および第2の部分45,46を有する。したがってポータブルコンピュータ1は、キーボード載置部14の右端部にも、キーボード載置部14の底面25と同じ高さを保ちながら筐体6の右側壁部8cまで延びる導水部が形成されているといえる。
なお本実施形態に係る左右フレーム部材41a、41bは、第1および第2の部分45,46が一体成形されているが、第1および第2の部分45,46は別体に形成されても良い。本実施形態に係るフレーム部材41a、41bのように、第1および第2の部分45,46を一体に成形するとポータブルコンピュータ1の組立性が向上する。
図6に示すように、筐体6の左側壁部8bには、排気孔61が開口している。排気孔61は、第2の側壁部53に形成された切欠き53aの下方に位置している。図7に示すように、筐体6の下壁9には吸気孔62が開口している。さらに筐体6は、冷却ファン63を収容している。冷却ファン63は、筐体6内の空気を取り込む吸気口63aと、取り込んだ空気を吐出する排気口63bとを有する。冷却ファン63の排気口63bは、筐体6に開口した排気孔61に対向している。
一方、図2に示すように、筐体上壁7の後端部には隆起部13が形成されている。隆起部13は、筐体上壁7から上方を向いて隆起するとともに、表示ユニット3に対向している。隆起部13は、筐体6の長手方向に沿って延びている。隆起部13には、一対の第1の凹部65a,65bが形成されている。凹部65a,65bは、隆起部13を切り欠いている。
図1に示すように、ディスプレイハウジング10の下端部からは、一対の脚部66a,66bが筐体6を向いて突出している。脚部66a,66bは、ヒンジ部12a,12bの一部である。脚部66a,66bは、隆起部13に形成された第1の凹部65a,65bに取り付けられる。ヒンジ部12a,12bは、それぞれヒンジ軸を含むヒンジ装置67を有する。ヒンジ装置67は、表示ユニット3の脚部66a,66bと筐体6の隆起部13との間に亘って設けられ、表示ユニット3を筐体6に回動可能に連結する。
図2に示すように、キーボード載置部14と隆起部13と間には、第2のホルダ載置部71が形成されている。第2のホルダ載置部71は、キーボード載置部14に対して隆起している。第2のホルダ載置部71には、それぞれ複数の第2の窪み部72と第3の係合部73とが設けられている。第2の窪み部72は、第2のホルダ載置部71の前縁から筐体6の後方を向いて窪んでいる。
第2の窪み部72に対応するキーボード17の後端部の部位には、第2の爪部74が形成されている。キーボード17は、第2の爪部74を第2の窪み部72に合わせるようにしてキーボード載置部14に載置される。図10に示すように、キーボードホルダ43は、第2のホルダ載置部71の上面に対向する上壁部76と、上壁部76の縁からキーボード載置部14を向いて延びる立壁部77と、第3の係合部73に係合する係合突起78(図3参照)とを有する。
キーボードホルダ43を第2のホルダ載置部71に載置すると、係合突起78が第3の係合部73に係合され、キーボードホルダ43が筐体6に対して固定される。キーボードホルダ43を第2のホルダ載置部71に載置すると、キーボードホルダ43の立壁部77の下端がキーボード17の第2の爪部74に上方から当接する。これにより、キーボードホルダ43は、キーボード17の後端部をキーボード載置部14に向けて押さえる。以上のように、キーボード17は、左右フレーム部材41a、41bの第2の部分46とキーボードホルダ43とによりキーボード載置部14に保持される。
図2に示すように、第2のホルダ載置部71は、隆起部13の第1の凹部65a,65bに隣り合う領域に第2の凹部81a,81bを有する。凹部81a,81bは、第2のホルダ載置部71を切り欠いている。図11に示すように、ヒンジ部12a,12bの下方に位置する筐体6の後端部には、筐体カバー5を筐体ベース4に繋げるヒンジキャップ82が取り付けられている。ヒンジキャップ82は、筐体カバー5の端部に下方から重なるとともに、筐体6の上壁7の一部を形成する。
図2に示すように、第1の凹部65a,65b、第2の凹部81a,81b、およびヒンジキャップ82により形成される筐体上壁7の一部が協働することで、筐体上壁7には、後端凹部84a,84bが形成されている。図5に筐体6の左端部に形成された後端凹部84aを代表して示す。なお右方の後端凹部84bも同様の構成を有する。
後端凹部84a,84bは、底面86と、底面86の周縁から起立する起立壁87とを有する。後端凹部84a,84bは、キーボード載置部14に臨む縁部が開放されている。このため、後端凹部84a,84bの底面86は、キーボード載置部14の底面25と連続している。後端凹部84a,84bの底面86は、キーボード載置部14の長手方向に直交する方向に沿って、キーボード載置部14の底面25と繋がっている。さらに後端凹部84a,84bは、筐体後方に臨む起立壁87にその一部を切り欠く切欠部87aを有する。
図11に示すように、後端凹部84a,84bの底面86は、キーボード載置部14の後縁から延びる第1の底面領域86a、ヒンジ部12a,12bの前半部の下方に位置する第2の底面領域86b、およびヒンジキャップ82により形成される第3の底面領域86cを有する。図5に示すように、第1の底面領域86aはキーボード載置部14のなかに一部延びている。図11に示すように、第1の底面領域86aはキーボード載置部14の底面25に比べてわずかに下方に位置している。
第2および第3の底面領域86b,86cは、第1の底面領域86aに比べて順に低くなっている。すなわち、後端凹部84a,84bの底面86の高さは、キーボード載置部14に載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低く形成されている。後端凹部84a,84bの底面86の後端縁は、筐体6の後側壁部8dまで延びている。後端凹部84a,84bの切欠部87aの側縁からは、筐体6の後側壁部8dを向いてリブ88が延びている。
図3および図11に示すように、キーボードホルダ43は、後端凹部84a,84bに対応する領域に切欠き43aを有する。キーボードホルダ43を第2のホルダ載置部71に取り付けると、この切欠き43aがキーボード載置部14の底面25との間に空隙を形成する。図11に示すように、キーボード載置部14は、キーボードホルダ43の切欠き43aおよび後端凹部84a,84bを通じて筐体6の側方(さらに言えば側方の一つである後方)に連通する。したがって、後端凹部84a,84bにより、キーボード載置部14の底面25から筐体6の後側壁部8dまで延びる導水部が形成されているといえる。
図2に示すように、キーボード載置部14には、第1および第2の開口部91,92が筐体6内に開口している。図9に示すように、タッチパッドユニット33のFFC94は、この第1の開口部91を通じて筐体6内に延びている。筐体6は、メイン回路基板95を収容している。FFC94は、メイン回路基板95に電気的に接続される。第1の開口部91は、第1の蓋96により塞がれる。第1の蓋96の一例は板金部材である。
第1の蓋96と筐体6との間には、シーリング部材97が介在される。シーリング部材97の例としては、両面テープやスポンジゴムなどが挙げられる。シーリング部材97は、第1の開口部91を取り囲む閉ループ状に形成される。第1の開口部91回りは、シーリング部材97により液密に形成される。なおシーリング部材97は、FFC94と第1の蓋96との間に設けられても良いし、筐体6とFFC94との間に設けられても良い。さらにFFC94の上下にそれぞれシーリング部材97を設けても良い。
図2に示すように、第2の開口部92は、第2の蓋98により塞がれる。第2の蓋98の一例は板金部材である。詳しくは図示しないが、キーボード17のFFC23は、第2の開口部92を通じて筐体6内に延びるとともに、メイン回路基板95に電気的に接続される。第2の開口部92回りは、閉ループ状に形成されたシーリング部材97により液密に形成される。
次に、ポータブルコンピュータ1の組立てについて説明する。
まず、左右フレーム部材41a、41bを筐体上壁7に取り付ける。具体的には、フレーム部材41a、41bの第1の部分45の係合突起55を第1の係合部31の係合孔31aに挿通させるとともに、第2の部分46の係合突起56を第2の係合部37の係合孔37aに挿通させる。こうして各係合突起55,56を係合孔31a,37aに挿通させた後、各係合突起55,56を筐体6の内部に溶着する。こうしてフレーム部材41a、41bが筐体6に取り付けられる。
フレーム部材41a、41bを筐体6に取り付ける前、またはフレーム部材41a、41bを筐体6に取り付けた後に、タッチパッド部15を組み立てる。具体的には、タッチパッドユニット33のFFC94を第1の開口部91を通じて筐体6内に挿入し、第1の蓋96で第1の開口部91を塞ぐ。シーリング部材97が第1の蓋96と筐体6との間に介在することで、第1の開口部91回りは液密に形成される。
フレーム部材41a、41bを筐体6に取り付けた後、キーボード17をキーボード載置部14に載置する。具体的には、キーボード17のFFC23を第2の開口部92を通じて筐体6内に挿入し、第2の蓋98で第2の開口部92を塞ぐ。シーリング部材97が第2の蓋98と筐体6との間に介在することで、第2の開口部92回りは液密に形成される。その後、キーボード17の第1の爪部59を第1の窪み部58に挿入することで、第1の爪部59をフレーム部材41a、41bと筐体上壁7との間に位置させる。これによりキーボード17の前端部がフレーム部材41a、41bにより上方から支持される。
第1の爪部59をフレーム部材41a、41bの下方に挿入した後、第2の爪部74を第2の窪み部72に合わせるようにして、キーボード17をキーボード載置部14に載置する。キーボード17をキーボード載置部14に載置した後に、キーボードホルダ43を第2のホルダ載置部71に取り付ける。これにより、キーボード17の後端部がキーボードホルダ43の立壁部77により上方から支持される。以上によりキーボード17がキーボード載置部14に固定される。
次に、ポータブルコンピュータ1の作用について説明する。
図12は、本実施形態に係るポータブルコンピュータ1の作用を模式的に示す図である。例えば誤ってコーヒーや水のような液体をポータブルコンピュータ1の上にこぼしてしまった場合、こぼされた液体はキーボード17の上に降りかかる。図13に示すように、キーボード17に降りかかった液体は、キーボード17のベース21の上を流れる。
キーボード17のベース21の上を流れる液体の一部は、キーボード17を外れてキーボード載置部14の第2の領域14bに流れ込む。ここでキーボード載置部14の底面25は、筐体6の左縁および右縁まで延びている。さらに左右フレーム部材41a、41bは、キーボード載置部14の底面25との間に流路として機能する空隙を形成している。第2の領域14bに流れ込んだ液体は、フレーム部材41a、41bに形成された溝を通じて筐体6の側方へと排出される。
図12に示すように、キーボード17のベース21の上を流れる液体の一部は、キーボードホルダ43の切欠き43aを通って後端凹部84a,84bに流れ込む。後端凹部84a,84bに流れ込んだ液体は、後端凹部84a,84bの起立壁87とリブ88とに案内されるととも後端凹部84a,84bの底面86とヒンジ部12a,12bとの間の隙間を通って筐体6の後方へと排出される。
このような構成のポータブルコンピュータ1によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、キーボード載置部14の底面25が側壁部8b,8cまで延びていると、キーボード17の上にこぼされた液体は、キーボード載置部14に溜まることなく、上壁7の縁から筐体6の側方へと排出される。すなわち本実施形態に係るポータブルコンピュータ1によれば、キーボード載置部から筐体内を通過して筐体の下方に延びるダクトなどが必要無い。キーボード載置部14にこぼされた液体は、筐体6内を通過することなく、筐体6の上壁7から筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ1の防滴性が向上する。
さらに本実施形態に係るポータブルコンピュータ1によれば、上記ダクトのような排水機構を設ける必要が無いので、筐体6内のスペースを有効に利用することができる。これはポータブルコンピュータ1の小型化および設計の自由度の向上に寄与する。さらに上記ダクトのような機構を設ける必要が無いと、筐体6の構造を単純化することができる。これはポータブルコンピュータ1のコストダウンに寄与する。
キーボード載置部14の第2の領域14bの高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低いと、ベース21の上にこぼされた液体が自然と筐体6の側方に排出される。すなわちこぼされた液体がキーボード載置部14に溜まりにくく、短時間の間に液体の排出が完了しやすい。したがってポータブルコンピュータ1が乾燥するまでの時間を短縮することができ、短時間での再使用が可能となる。
第2の領域14bにフレーム部材41a,41bが取り付けられると、キーボード17、パームレスト部16a,16b、タッチパッド部15およびフレーム部材41a、41bなどで形成される本体2の上面の高さが略同じに揃う。これはポータブルコンピュータ1の見栄えを向上させる。すなわち、化粧部材として機能するフレーム部材41a、41bを取り付けることで、ポータブルコンピュータ1の見栄えを良くすることができる。
このフレーム部材41a、41bは、キーボード載置部14の底面25との間に流路として機能する空隙を形成する。したがって、例えフレーム部材41a、41bをキーボード載置部14に取り付けたとしても、キーボード載置部14の底面25を流れる液体は上記空隙を通じて筐体6の側方まで達することができる。すなわちフレーム部材41a、41bは、ポータブルコンピュータ1の液体の排出性をほとんど損なわない。
キーボード載置部14の底面25は、少なくとも側壁部8a,8b,8c,8dのいずれか一つまで延びていれば良い。本実施形態に係るキーボード載置部14の底面25は、キーボード載置部14の長手方向の両端部に対応する左右側壁部8b,8cまで延びている。このようにキーボード載置部14の底面25が、キーボード載置部14の中央部から複数の異なる側壁部8b,8cまで延びていると、こぼされた液体の排出経路が多様化し、液体の排出性がさらに向上する。
キーボード載置部14の長手方向に直交する方向に沿って、キーボード載置部14の底面25に連続するとともに筐体6の側壁部8dまで延びる他の底面86を有すると、こぼされた液体の排出経路がさらに多様化する。すなわち本実施形態の場合、キーボード17の左右および後方の三方向に液体を排出可能であるので、液体の排出性がさらに向上する。
さらに上記他の底面86の高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じか若しくは低いと、ベース21の上にこぼされた液体が自然と筐体6の側方に排出されるので、液体の排出性がさらに向上する。
本実施形態に係る上記他の底面86は、ヒンジ部12a,12bが取り付けられる凹部65a,65bに形成されている。この凹部65a,65bは、ヒンジ部12a,12bが取り付けられるために凹んで形成される部位であり、この部位を利用することで隆起部13に特別に切欠きや溝部などを設けることなく、上記他の底面86の高さを容易にキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じか若しくは低く設定することができる。
近年のポータブルコンピュータは、外気を筐体内部に取り込むための吸気孔を筐体の下壁に有することが多い。例えばキーボード載置部に溜まった液体を例えばダクトなどを通じて筐体の下方に排出した場合、この筐体の下方に排出された液体が冷却ファンの吸気に伴なって吸気孔から筐体内に浸入するおそれがある。
一方、本実施形態に係るポータブルコンピュータ1においては、キーボード載置部14の液体は、筐体6の側方に排出される。したがって筐体6の下壁9に開口する吸気孔62から液体が筐体6内に浸入するおそれが小さい。これはポータブルコンピュータ1の防滴性の向上に寄与する。
筐体6の側壁部8bに排気孔61が開口していると、冷却ファン63から吐出された空気が排気孔61を通じて筐体6の外部に排気される。図13に示すように、筐体6の側方に排出されようとする液体は、排気孔61から排気される空気に煽られ、筐体6から遠くへと排出される。これは筐体6に開口する排気孔61または吸気孔62から液体が筐体6内に浸入するおそれをさらに小さくする。
キーボード17の前端部と後端部とがフレーム部材41a、41bとキーボードホルダ43とにより筐体6に固定されると、キーボード17の左右側端部を固定しなくても良い。すなわちキーボード17の左右側方に、キーボード17を固定するための係合穴や窪み部を形成しなくても良い。これら係合穴などを省略できると、キーボード載置部14の底面25をさらに平らに形成することができ、液体の排出性をさらに向上させることができる。
左右フレーム部材41a、41bの第1の側壁部52の切欠き52aがキーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向すると、液体の排出性が向上する。すなわち、キーボード17の上にこぼされた液体は、キー22とキー22との間を毛細管現象の原理で流れる。したがって切欠き52aがキー22とキー22との間の隙間に対向する位置に形成されていると、キー22とキー22との間を流れてフレーム部材41a、41bに達した液体が切欠き52aからフレーム部材41a、41bの下方にそのまま流れ込む。これは液体の排出性を向上させる。
左右フレーム部材41a、41bの第1の側壁部52の切欠き52aと第2の側壁部53の切欠き53aとが互いにオフセットした位置に形成されると、ユーザーが筐体6の側面を眺めた場合にキーボード17がユーザーの目に入らない。これはポータブルコンピュータ1の見栄えの向上に寄与する。フレーム部材41a、41bの下端部に切欠き52a,53aを設けると、本体2を上方から眺めた場合に、切欠き52a,53aが目立たないのでポータブルコンピュータ1の見栄えが向上する。
例えば後端凹部84a,84bにリブ88が設けられていると、後端凹部84a,84bを流れる液体に方向性が与えられる。図5に示すように、例えば筐体6の後側壁部8dに機能部品99が設けられている場合、後端凹部84a,84bを流れる液体にこの機能部品99を避けるように流れの方向性を与えることができる。これはポータブルコンピュータ1の防滴性の向上に寄与する。機能部品99の一例はコネクタである。
なお、図14に本実施形態に係るポータブルコンピュータ1の変形例を示す。図14に示すように、キーボード載置部14の第2の領域14bの底面25bの高さを、第1の領域14aに載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じに形成しても良い。すなわち、第2の領域14bの底面25bが第1の領域14aの底面25aに比べてキーボード17のベース21の厚さ分だけ高くなっていても良い。キーボード17の上にこぼされた液体は、ベース21の上面21aを流れるので、第2の領域14bがベース21の上面21aと同じ高さ以下にあれば、こぼされた液体はベース21の上面21aから第2の領域14bに流れ込み自然と筐体6の側方へと排出されるので、液体の排出性が良い。
すなわちキーボード載置部14の第2の領域14bの底面25bの高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じであっても、十分な液体排出効果を発揮することができる。なお第2の領域14bの底面25bの高さがベース21の上面21aの高さに比べて低いと、液体の排出が促進されやすい。なお、以下に述べる全ての実施形態において、第2の領域14bの底面25b高さは、第1の領域14aに載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じでも良い。ただし、第2の領域14bの底面25bの高さがキーボード17のベース21の上面21aに比べて多少高くても、キーボード載置部14の底面25が例えば筐体側壁部8b,8cまで延びていると、ある程度の液体の排出性は期待できる。
同様に、後端凹部84a,84bの底面86の高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さと同じであっても良い。すなわち、後端凹部84a,84bの底面86が第1の領域14aの底面25aに比べてキーボード17のベース21の厚さ分だけ高くなっていても、後端凹部84a,84bは十分な液体排出効果を発揮することができる。なお本実施形態に係る後端凹部84a,84bは、高さの異なる三つの底面領域86a,86b,86cを有したが、後端凹部84a,84bは、筐体6の側部まで平らに延びていても良い。後端凹部84a,84bは、ヒンジ部12a,12bの下方とは別の領域に形成しても良い。例えばフレーム部材41a、41bは無くても良い。フレーム部材41a、41bが無くてもポータブルコンピュータ1はその防滴性能を発揮することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ101を、図15および図16を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。ポータブルコンピュータ101は、フレーム部材102の形状が第1の実施形態に係るフレーム部材41a、41bと異なる。その他の形状についてはポータブルコンピュータ1と同じである。
図15に本実施形態に係るフレーム部材102を示す。なお図15に示すのは左フレーム部材であるが、右フレーム部材についても略同様の構成を有するのでその説明を省略する。
フレーム部材102は、第1の部分45と第2の部分46とを有する。第1の部分45は、天井壁部51と、例えば複数の脚部103とを有する。天井壁部51は、第2の領域14bとの間に空隙を空ける。脚部103は、天井壁部51から筐体6を向いて突出している。換言すれば、フレーム部材102は、脚部103と脚部103との間に形成される溝部104を有する。
フレーム部材102を筐体上壁7に取り付けると、脚部103の先端が第2の領域14bの底面25bに当接する。図16に示すように、フレーム部材102を筐体上壁7に取り付けると、この溝部104がキーボード載置部14の底面25との間に空隙を形成する。キーボード載置部14は、溝部104を通じて筐体6の側方に連通する。フレーム部材102の溝部104は、例えばキーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向する位置に形成される。
このような構成のポータブルコンピュータ101によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、キーボード載置部14が側壁部8b,8cまで延びていると、キーボード17の上にこぼされた液体は、キーボード載置部14に溜まることなく、上壁7の縁から筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ101の防滴性を向上させることができる。
第2の領域14bにフレーム部材102が取り付けられると、第1の実施形態と同様の理由でポータブルコンピュータ101の見栄えが向上する。フレーム部材102をキーボード載置部14に取り付けたとしても、キーボード載置部14の底面25を流れる液体は溝部104を通じて筐体6の側方まで達することができる。すなわちフレーム部材102は、液体の排出性をほとんど損なわない。
フレーム部材102の溝部104が、キーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向するように形成されていると、第1の実施形態と同様の理由で、液体の排出性が向上する。
なお左右フレーム部材の構成および形状は、キーボード17から上壁7の縁を向いて流れる液体の流れを阻害しないものであれば、特定の構成および形状に限定されない。例えば、キーボード載置部14の底面から突起を突出させ、板状に形成したフレーム部材を持ち上げて支持することで、フレーム部材とキーボード載置部の底面との間に空隙を形成しても良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ111を、図17および図18を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。ポータブルコンピュータ111は、第1の実施形態に係る左右フレーム部材41a、41bに代えて、筐体6と一体に形成されたフレーム部112を有する。その他の形状についてはポータブルコンピュータ1と同じである。
キーボード載置部113は、筐体上壁7に形成された底面113aを有する。本実施形態に係るキーボード載置部113は、上壁7の左縁および右縁まで達していない。図17,18に示すように、キーボード載置部113と筐体6の左側壁部8bとの間およびキーボード載置部113と筐体6の右側壁部8cとの間には、フレーム部112が上方を向いて起立している。フレーム部112は、筐体上壁7と一体に成形されている。フレーム部112は、例えば水平方向に貫通する複数の孔114が開口している。
図18に示すように、孔114は、キーボード載置部113の底面113aの延伸方向に沿ってフレーム部112を貫通している。孔114の内周面の下端114aの高さの一例は、キーボード載置部113に載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて同じか若しくは低い。本実施形態に係る孔114の下端114aの高さは、例えばキーボード載置部113の底面113aの高さと同じであり、キーボード載置部113に載置されたベース21の上面21aに比べて低い。フレーム部112の孔114は、例えばキーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向するように位置に形成されている。図18に示すように、筐体6の側壁部8bには、冷却ファン63に対向する排気孔61が開口している。
このような構成のポータブルコンピュータ111によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、フレーム部112に孔114が開口していると、キーボード17の上にこぼされた液体は、キーボード載置部113に溜まることなく、フレーム部112の孔114を通じて筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ111の防滴性を向上させることができる。
フレーム部112が形成されていると、キーボード17、パームレスト部16a,16b、タッチパッド部15およびフレーム部112などで形成される本体2の上面の高さが略同じに揃う。これはポータブルコンピュータ111の見栄えを向上させる。
孔114の内周面の下端114の高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低いと、ベース21の上にこぼされた液体が自然と筐体6の側方に排出される。なお、図19に示すように孔114の下端114aは、キーボード載置部113の底面113aに比べて低くても良い。図20に示すように孔114は、筐体6の外側に向かうに伴なって低くなるように傾斜していても良い。図19または図20に示すような孔114によれば、液体の排出性が向上する。ただし、孔114の下端114aの高さがベース21の上面21aの高さに比べて多少高くても、フレーム部112に孔114が形成されていると、ある程度の液体の排出性は期待できる。
フレーム部112の孔114は、キーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向するように配置されていると、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同様の理由で、液体の排出性が向上する。筐体6の側壁部8bには、冷却ファン63に対向する排気孔61が開口していると、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同様の理由で防滴性が向上する。
次に、本発明の第4の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ121を、図21および図22を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。ポータブルコンピュータ121は、左右フレーム部材41a、41bを有しない。
第4の実施形態に係るキーボード122の長手方向の幅は、筐体上壁7の長手方向の幅と略一致する。すなわちキーボード122をキーボード載置部14に載置すると、キーボード122の縁が筐体6の左右側壁部8b,8cに達する。
このような構成のポータブルコンピュータ121によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、キーボード載置部14が側壁部8b,8cまで延びていると、キーボード122の上にこぼされた液体は、キーボード載置部14に溜まることなく、上壁7の縁から筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ121の防滴性を向上させることができる。
キーボード122の縁が筐体6の左右側壁部8b,8cまで達していると、フレーム部材41a、41bまたはフレーム部112を設ける必要が無く、筐体6の形状を単純化することができる。これはポータブルコンピュータ121のコストダウンに寄与する。
次に、本発明の第5の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ131を、図23および図25を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
タッチパッド載置部132は、筐体上壁7に形成された底面132aを有する。図23および図24に示すように、タッチパッド載置部132の底面132aは、キーボード載置部14の底面25に連続するとともに、キーボード載置部14の底面25と同一面上に位置する。すなわちタッチパッド載置部132の底面132aの高さは、キーボード載置部14に載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低く形成されている。なお、タッチパッド載置部132の底面132aの高さがキーボード載置部14に載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さと比べて同じか若しくは低いと、ポータブルコンピュータ131の防滴性が向上する。
タッチパッド載置部132の底面132aは、キーボード載置部14の前縁から筐体6の前側壁部8aまで延びている。タッチパッド載置部132の底面132aからは、例えば複数のリブ133が上方を向いて起立している。リブ133は、キーボード載置部14から筐体6の前側壁部8aを向く方向に沿って延びている。
図24に示すように、リブ133にはタッチパッドユニット33が取り付けられる。タッチパッドユニット33は、ポインティングディバイスの一種であるタッチパッド134と、クリックスイッチが実装されたスイッチ基板部135とを有する。タッチパッドカバー136は、タッチパッドユニット33を覆うようにしてタッチパッド載置部132に取り付けられる。タッチパッドカバー136には、スイッチ基板部135に対向する押しボタン137が取り付けられている。
図23および図24に示すように、タッチパッドカバー136は、後端部に第1の側壁部52を有するとともに、前端部に第2の側壁部53を有する。第1の側壁部52には、切欠き52aが形成されている。第2の側壁部53には切欠き53aが形成されている。これにより、タッチパッドカバー136がタッチパッド載置部132に取り付けられると、タッチパッドカバー136とタッチパッド載置部132の底面132aとの間には流路として機能する空隙が形成される。
図23および図25に示すように、パームレスト部材141,141は、筐体6とは別体に形成されている。筐体上壁7には、一対のパームレスト載置部142,142の底面142a形成されている。パームレスト載置部142の底面142aは、キーボード載置部14の底面25に連続するとともに、キーボード載置部14の底面25と同一面上に位置する。すなわちパームレスト載置部142の底面142aの高さは、キーボード載置部14に載置されたキーボード17のベース21の上面21aの高さに比べて低く形成されている。なお、パームレスト載置部142の底面142aの高さがキーボード17のベース21の上面21aの高さと比べて同じか若しくは低いと、ポータブルコンピュータ131の防滴性が向上する。パームレスト載置部142の底面142aは、キーボード載置部14の前縁から筐体6の前側壁部8aまで延びている。
図25に示すように、パームレスト載置部142にはパームレスト部材141が取り付けられる。パームレスト部材141は、後端部に第1の側壁部52を有するとともに、前端部に第2の側壁部53を有する。第1の側壁部52には、切欠き52aが形成されている。第2の側壁部53には切欠き53aが形成されている。これにより、パームレスト部材141がパームレスト載置部142に取り付けられると、パームレスト部材141とパームレスト載置部142の底面142aとの間には流路として機能する空隙が形成される。タッチパッドカバー136の切欠き52a,53aおよびパームレスト部材141の切欠き52a,53aは、それぞれキーボード17のキー22とキー22との間の隙間に対向した位置に形成される。
ポータブルコンピュータ131の一例は、ポータブルコンピュータ131を設置面Fに載置すると、本体2の前端部がその後端部に比べて低くなるように形成されている。すなわちポータブルコンピュータ131を設置面Fに載置すると、キーボード載置部14からタッチパッド載置部132およびパームレスト載置部142に向かうに伴って底面25,132a,142aが低くなるように傾斜している。
このような構成のポータブルコンピュータ131によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、キーボード載置部14が側壁部8b,8cまで延びていると、キーボード17の上にこぼされた液体は、キーボード載置部14に溜まることなく、上壁7の縁から筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ131の防滴性を向上させることができる。
さらにタッチパッド載置部132の底面132aとパームレスト載置部142の底面142aとがキーボード載置部14の底面25に連続するとともに筐体側壁部8aまで延びていると、キーボード17の上にこぼされた液体が、タッチパッド載置部132およびパームレスト載置部142を通って筐体6の側方(さらに言えば側方の一つである前方)に排出される。これは液体の排出経路を多様化し、液体の排出性を向上させる。
さらにタッチパッドカバー136とパームレスト部材141が切欠き52a,53aを有すると、例えタッチパッドカバー136やパームレスト部材141を筐体上壁7に取り付けたとしても、液体の排出性をあまり損なわない。
例えばキーボード載置部14が前下がりに傾斜するようなポータブルコンピュータ131においては、キーボード載置部14の前方に位置するタッチパッド載置部132の底面132aおよびパームレスト載置部142の底面142aをキーボード載置部14の底面25に連続させることは、液体の排出性を大きく向上させる。
なお、タッチパッド載置部132およびパームレスト載置部142のどちらか一方だけに流路を形成しても良い。また、ポータブルコンピュータ131は、必ずしも前下がりに傾斜するように形成されていなくても良い。タッチパッド載置部132またはパームレスト載置部142に流路を有するポータブルコンピュータ131によれば、こぼされた液体の排出経路が多様化するので液体の排出性が向上する。
次に、本発明の第6の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ151を、図26および図27を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図26に示すように、ポータブルコンピュータ151は、このポータブルコンピュータ151を設置面Fに載置すると、本体2の前端部がその後端部に比べて低くなるように形成されている。すなわちポータブルコンピュータ151を設置面Fに載置すると、キーボード載置部14の前端部がその後端部に比べて低くなるように傾斜している。
図27に示すように、キーボード載置部14の前端部に対向する左右フレーム部材41a、41bの領域には、切欠き152,153が形成されている。切欠き152,153は、左右フレーム部材41a,41bに形成される他の切欠き52a,53aに比べて大きく開口している。
このような構成のポータブルコンピュータ151によれば、防滴性の向上を図ることができる。すなわち、キーボード載置部14が側壁部8b,8cまで延びていると、キーボード17の上にこぼされた液体は、キーボード載置部14に溜まることなく、上壁7の縁から筐体6の側方へと排出される。したがって液体が筐体6内で漏れる可能性がほとんど無く、ポータブルコンピュータ151の防滴性を向上させることができる。
例えばキーボード載置部14が前下がりに傾斜するようなポータブルコンピュータ151においては、キーボード17の上にこぼされた液体がキーボード載置部14の前端部に流れ込み、キーボード載置部14の前端部に溜まろうとする。このキーボード載置部14の前端部に対応する領域に大きな切欠き152,153を有すると、キーボード載置部14の前端部に集まった液体が効率良く筐体6の側方に排出される。これは液体の排出性を向上させ、ポータブルコンピュータ151の防滴性の向上に寄与する。
以上、第1ないし第6の実施形態に係るポータブルコンピュータ1,101,111,121,131,151について説明したが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。第1ないし第6の実施形態に係る各構成要素は、適宜組み合わせて適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを分解して示す斜視図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを分解して示す他の斜視図。 第1の実施形態に係るフレーム部材の斜視図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを一部断面で示す平面図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの側面図。 図5中に示されたポータブルコンピュータのF7−F7線に沿う断面図。 第1の実施形態に係る別のフレーム部材の斜視図。 図1中に示されたポータブルコンピュータのF9−F9線に沿う断面図。 図1中に示されたポータブルコンピュータのF10−F10線に沿う断面図。 図1中に示されたポータブルコンピュータのF11−F11線に沿う断面図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの作用を模式的に示す図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの変形例の断面図。 本発明の第2の実施形態に係るフレーム部材の斜視図。 第2の実施形態に係るポータブルコンピュータを一部断面で示す平面図。 本発明の第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。 第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの断面図。 第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの変形例の断面図。 第3の実施形態に係るポータブルコンピュータの他の変形例の断面図。 本発明の第4の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。 第4の実施形態に係るポータブルコンピュータを一部分解して示す斜視図。 本発明の第5の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。 第5の実施形態に係るタッチパッド載置部回りの断面図。 第5の実施形態に係るパームレスト部材回りの断面図。 本発明の第6の実施形態に係るポータブルコンピュータの側面図。 第6の実施形態に係るポータブルコンピュータを一部断面で示す平面図。
符号の説明
1,101,111,121,131,141,151…ポータブルコンピュータ、6…筐体、7…上壁、8a〜8d…側壁部、12a,12b…ヒンジ部、13…隆起部、14,113…キーボード載置部、14a…第1の領域、14b…第2の領域、17,122…キーボード、21…ベース、22…キー、25…キーボード載置部の底面、33…タッチパッドユニット、41a,41b,102…フレーム部材、43…キーボードホルダ、45…第1の部分、46…第2の部分、52a,52b,152,153…切欠き、61…排気孔、63…冷却ファン、65a,65b…凹部、84a,84b…後端凹部、86…後端凹部の底面、112…フレーム部、114…孔、132…タッチパッド載置部、141…パームレスト部材、142…パームレスト載置部。

Claims (5)

  1. 上壁と、上記上壁の縁から延びた左側壁部と、上記上壁の右縁から延びた右側壁部とを有する筐体と、
    上記筐体の上壁に形成された底面を有するキーボード載置部と
    上記キーボード載置部に載置されたキーボードと、
    上記キーボード載置部と上記左側壁部との間に起立した第1のフレーム部と、
    上記キーボード載置部と上記右側壁部との間に起立した第2のフレーム部と、を具備し、
    上記第1のフレーム部および上記第2のフレーム部は、上記上壁と一体に形成されるとともに、それぞれ上記キーボード載置部から当該第1のフレーム部または当該第2のフレーム部を水平方向に貫通し、上記左側壁部の外表面または上記右側壁部の外表面に達した複数の貫通孔を有し、
    上記キーボード載置部の底面は、上記左側壁部の外表面および上記右側壁部の外表面と一体に形成されていることを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、
    上記キーボードは、複数のキーと、この複数のキーが実装されたベースとを有し上記第1のフレーム部の貫通孔の内周面の下端および上記第2のフレーム部の貫通孔の内周面の下端は、上記キーボード載置部に載置された上記キーボードのベースの上面の高さに比べて同じ若しくは低い位置に形成されていることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項に記載の電子機器において、
    上記筐体に収容された冷却ファンを備え、
    上記第1のフレーム部の貫通孔または上記第2のフレーム部の貫通孔の下方に位置する上記筐体の左側壁部または右側壁部には上記冷却ファンに対向する排気孔が開口していることを特徴とする電子機器。
  4. 請求項に記載の電子機器において、
    上記第1のフレーム部の貫通孔は、上記キーボードのキーとキーとの間の隙間に対向する位置に形成されていることを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1に記載の電子機器において、
    上記キーボードは、複数のキーと、この複数のキーが実装されたベースとを有し、
    上記筐体は、後側壁部を有し、
    上記隆起部は、上記キーボード載置部の底面に連続する他の底面を有した凹部を有し、この他の底面は、上記キーボード載置部の縁から上記筐体の後側壁部まで延び、この他の底面の高さは、上記キーボード載置部に載置された上記キーボードのベースの高さと比べて同じ若しくは低いことを特徴とする電子機器。
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