JP4690051B2 - 高圧液噴射式切断装置および高圧液噴射式切断方法 - Google Patents

高圧液噴射式切断装置および高圧液噴射式切断方法 Download PDF

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本発明は,高圧液の噴射によって被加工物を格子状に切断する高圧液噴射式切断装置および高圧液噴射式切断方法に関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の2〜3倍という流速を有する。近年では,このウォータージェットを使用して各種の被加工物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている(特許文献1,2参照)。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材(abrasive)を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。この研磨材は,ガーネット,酸化アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなり,粒径が例えば数十〜数百μm程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被加工物に高速で衝突し,被加工物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被加工物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難加工材の切断にも適しているという利点もある。このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板などをダイシングするために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェットによる切断加工が検討されている。
ウォータージェットによって基板を格子状に切断して複数のチップに分割する場合には,まず,ある同一の方向に延びる複数の切断ライン(以下「第1チャンネル」と称する。)を切断し,次いで,この第1チャンネルと直交する方向に延びる複数の切断ライン(以下「第2チャンネル」という。)を切断することが一般的である。
実開平2−15300号公報 特開2000−246696号公報
ところで,ウォータージェット切断装置では,高圧ポンプ等の高圧水発生手段を用いて発生させた高圧水を噴射ノズルから噴射しているが,この高圧水発生手段を一度停止させてしまうと,再稼動させるまでに非常に時間がかかる。従って,基板の第1チャンネルを切断するときには,高圧水発生手段を連続動作させて,基板に対してウォータージェットをジグザグ型の軌跡で連続的に作用させて,第1チャンネルの全ての切断ラインを一筆書きで切断することが好ましい(特願2003−403292号明細書参照)。また,その後に第2チャンネルを切断するときも同様である。
しかしながら,第1チャンネルがジグザグ型に一筆書き切断された基板では,短冊状に切断された切断部が4辺のうち1辺のみでしか支持されていない状態となる。このため,切断部が垂直方向に反り返ったり,水平方向に横ずれしたりして,基板が変形して歪んでしまうので,次の第2チャンネルを正確に切断できないという問題があった。
この問題を解決するため,本願発明者らは,第1チャンネルの切断時において,上述した一筆書き切断加工を行うのではなく,噴射ノズルからのウォータージェットの噴射を一時的に停止させる,或いは噴射ノズルを高速移動させることにより,第1チャンネルの相隣接する切断ラインの間の部分を切断しないようにする構成に想到した(特願2003−408676号明細書参照)。かかる構成により,第1チャンネルの切断後に,基板の切断部は,対向する2辺で支えられるようになるため,切断部が反り返ったり,横ずれしたりするといった大きな変形を抑制することができる。
しかし,基板に対してウォータージェットの圧力が作用するため,どうしても基板に歪みが生じてしまうという問題があった。特に,被加工物が,半導体基板等のようにミクロン単位の切断加工精度を要求される場合には,わずかな歪みであっても,次の第2チャンネルの切断時において,切断ラインを正確に切断できない要因となっていた。
また,切り出されるチップの大きさが小さい場合には,第1チャンネルの切断ライン間隔が狭いために,ウォータージェットが相隣接する切断ラインの間の部分を移動するときに,当該切断ラインの間の部分が切断されてしまうという問題も生じていた。
そこで,本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,第1チャンネルの切断時に生じた被加工物の歪みを矯正して,第2チャンネルを正確に切断することが可能な,新規かつ改良された高圧液噴射式切断装置および高圧液噴射式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するため,本発明のある観点によれば,高圧液噴射手段から噴射される高圧液により,被加工物の所定方向に延びる複数の第1の切断ラインからなる第1の切断ライン群(第1チャンネル)を切断した後に,第1の切断ライン群と直交する複数の第2の切断ラインからなる第2の切断ライン群(第2チャンネル)を切断することによって,被加工物を複数のチップに分割するために;被加工物の第1の切断ライン群を切断した後に,被加工物を被加工物保持手段上に載置し,少なくとも第2の切断ライン群の切断加工時には,高圧液噴射手段を,被加工物保持手段に対し,同一のX軸方向位置でY軸方向のみに相対移動させることによって,被加工物の第2の切断ライン群を切断する高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置は,被加工物保持手段上には,被加工物をX軸方向に押し出す押出部材と;押出部材によって押し出された被加工物が突き当てられ,当該被加工物を被加工物保持手段上の所定位置で係止する突き当て部材と;第2の切断ラインが切断されチップ状に分割された被加工物をY軸方向に移動させる移送手段と;を備える。なお,X軸およびY軸方向は,相互に水平方向に直交する。
かかる構成により,第2の切断ライン群の切断時には,高圧液噴射手段によって1本の第2の切断ラインを切断する度に,一列分のチップ状に分割された被加工物を移送手段によって移送した後,押出手段によって被加工物を第2の切断ライン間隔ずつX軸方向に詰め出すことで,複数の第2の切断ラインを1本ずつ順次,好適に切断することができる。この第2の切断ライン群の切断加工時には,第1の切断ライン群の切断加工によって被加工物が変形して歪んでいたとしても,押出手段と突き当て部材とによって被加工物を挟持することで,被加工物の歪みを矯正できる。従って,第2の切断ラインを1本ずつ順次,正確に切断することができる。また,被加工物は,常に,以前の第2の切断ラインの切断加工によって形成された切断溝がない状態で次の第2の切断ラインを切断されるので,切断時に当該切断溝による歪みの影響を受けることがない。
さらに,上記構成によれば,第2の切断ライン群の切断加工時に,高圧液噴射手段の噴射位置を各第2の切断ラインに対して順次,位置付ける際に,従来のように高圧液噴射手段と被加工物保持手段とをX軸方向に相対移動させるのではなく,被加工物保持手段上に設けられた押出手段を動作させて,被加工物をX軸方向に移動させるので,高圧液噴射手段をX軸方向に相対移動させる必要がない。この押出手段は,一般的に,高圧液噴射手段および被加工物保持手段と比較して,装置が小型であるため,精密な制御を行える。従って,第2の切断ライン群の各第2の切断ラインを高圧液の噴射位置に正確に位置付けて切断できる。
また,上記被加工物保持手段上に,移送手段によって移動されたチップ状に分割された被加工物を整列する整列手段;をさらに備えるようにしてもよい。これにより,移送手段によって移送されたチップ状に分割された被加工物を被加工物保持手段上で整列できるため,被加工物保持手段の面積を小さくでき,省スペース化が図れる。
また,上記被加工物保持手段上に,突き当て部材に対して突き当てられた被加工物を上方から押圧する押圧部材;をさらに備えるようにしてもよい。これにより,第2の切断ライン群の切断時に,水平方向のみならず垂直方向からも被加工物を安定して保持して,被加工物の歪みを好適に矯正できる。
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,上述した高圧液噴射式切断装置における高圧液噴射式切断方法が提供される。この高圧液噴射式切断方法は,(1)第1の切断ライン群の切断後に被加工物保持手段上に載置された被加工物を押出手段によってX軸方向に押し出して,突き当て部材に突き当てることによって,押出手段と突き当て部材とにより被加工物を挟持する工程と;(2)高圧液噴射手段から噴射された高圧液によって,被加工物の第2の切断ライン群のうち,突き当て部材に最も近い位置にある第2の切断ラインを切断し,被加工物をY軸方向の一列分だけチップ状に分割する工程と;(3)一列分のチップ状に分割された被加工物を,移送手段によってY軸方向に移動させる工程と;(4)上記(1)〜(3)の工程を,第2の切断ラインの全てが切断されるまで繰り返す工程と;を含むことを特徴とする。
かかる構成により,第2の切断ライン群の切断時には,高圧液噴射手段によって1本の第2の切断ラインを切断する度に,一列分のチップ状に分割された被加工物を移送手段によって移送した後,押出手段によって被加工物を第2の切断ライン間隔ずつX軸方向に詰め出すことで,複数の第2の切断ラインを1本ずつ順次,好適に切断することができる。この第2の切断ライン群の切断加工時には,第1の切断ライン群の切断加工によって被加工物が変形して歪んでいたとしても,押出手段と突き当て部材とによって被加工物を挟持することで,被加工物の歪みを矯正できる。従って,第2の切断ラインを1本ずつ順次,正確に切断することができる。また,被加工物は,常に,以前の第2の切断ラインの切断加工によって形成された切断溝がない状態で次の第2の切断ラインを切断されるので,切断時に当該切断溝による歪みの影響を受けることがない。
また,上記高圧液噴射式切断装置は,被加工物保持手段上に,移送手段によって移動された一列分のチップ状に分割された被加工物を整列する整列手段をさらに備え;上記高圧液噴射式切断方法は,少なくとも(3)の工程より前に,整列手段によって,移送手段によって既に移動された一列または複数列分のチップ状に分割された被加工物全体をX軸方向に移動させ,一列分のチップ状に分割された被加工物を収容できるスペースを形成する工程;をさらに含み,上記(3)の工程では,一列分のチップ状に分割された被加工物を,移送手段によってY軸方向に移動させて,スペースに収容するようにしてもよい。
これにより,1本の第2の切断ラインを切断する度に生成される一列分のチップ状に分割された被加工物を,移送手段によって順次整列領域に移送することができる。さらに,整列領域に移送された1又は2列以上のチップ状に分割された被加工物を,整列手段によって整列できる。
また,上記高圧液噴射式切断装置は,被加工物保持手段上に,突き当て部材に対して突き当てられた被加工物を上方から押圧する押圧部材をさらに備え;上記高圧液噴射式切断方法は,(1)の工程後に,被加工物が突き当て部材と当接する位置から突き当て部材に最も近い位置にある第2の切断ラインまでの間で,押圧部材によって被加工物を上方より押圧する工程;をさらに含むようにしてもよい。これにより,第2の切断ライン群の切断時に,水平方向のみならず垂直方向からも被加工物を安定して保持して,被加工物の歪みを好適に矯正できるとともに,一列分のチップ状に分割された被加工物がバラバラに散乱してしまうことを防止できる。
また,上記被加工物は,略矩形状を有し,被加工物の相対向する一対の縁辺が,第2の切断ライン群と略平行となり,かつ,縁辺に最も近い位置にある第2の切断ラインから縁辺までの距離が,複数の第2の切断ラインの間隔と略同一となるように,成形加工されていてもよい。これにより,被加工物の第1の切断ライン方向両側の縁辺と,第2チャンネルの切断ラインとが平行になっていない場合であっても,被加工物の縁端部を予め成形しておくことによって,上記のような第2の切断ライン群の切断加工を好適に実行できるようになる。
以上説明したように本発明によれば,第1の切断ライン群(第1チャンネル)の切断によって被加工物が変形して歪んでいたとしても,押出手段と突き当て部材とを用いて挟持することによって,被加工物の歪みを矯正できる。従って,第2の切断ライン群(第2チャンネル)の第2の切断ラインを一本ずつ正確に切断することができる。
また,第2の切断ライン群の切断時には,高圧液噴射手段と被加工物保持手段をX軸方向に相対移動させるのではなく,比較的小型の装置である押出手段によって被加工物を第2の切断ライン間隔ずつX軸方向に詰め出して切断するので,各第2の切断ラインを正確な位置で切断できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置について説明する。なお,本実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置は,例えば,以下に説明するように,研磨材が混入された高圧水の噴流(アブレシブジェット)によって被加工物を切断するウォータージェット切断装置として構成されているが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
まず,図1および図2に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の全体構成について概略的に説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の全体構成を示す概略図である。図2は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の切断加工領域周辺の構成を示す斜視図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1は,被加工物である基板35に対して,研磨材を含む高圧水を噴射することにより,基板35を比較的自由な切断ラインで高精度に切断加工(即ち,ウォータージェット加工)することが可能な切断装置である。このウォータージェット切断装置1による切断対象である基板35は,例えば,QFN(Quad Flat Non−leaded Package)基板,CSP(Chip Size Package)基板等のパッケージ化された半導体基板などであるが,かかる例に限定されない。
かかるウォータージェット切断装置1は,図1に示すように,例えば,高圧液供給手段10と,研磨材混合手段20と,噴射ノズル30と,保持テーブル40と,テーブル移動手段42と,キャッチタンク50と,研磨材回収手段60とを主に備える。
高圧液供給手段10は,例えば,後述する高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生させて供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧液供給手段10によって発生された高圧水は,高圧流体を運搬するための配管である高圧管11を介して研磨材混合手段20に供給される。
研磨材混合手段20は,後述する複数の研磨材混合液貯留タンクおよび圧力調整手段などで構成され,研磨材(砥粒)と水とが混合された研磨材混合水を貯留している。この研磨材混合手段20は,高圧液供給手段10から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材を混合し,この研磨材が混合された高圧水を噴射ノズル30に送出する。この研磨材は,例えば,ガーネット,酸化アルミナ,炭化ケイ素,ダイヤモンド等の高硬度の材質からなり,粒径が例えば数十〜数百μm程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高める機能を有する。本実施形態では,この研磨材として,例えば,粒径が40〜100μmの酸化アルミナが使用される。かかる研磨材が混合された高圧水(以下,「高圧の研磨材混合水」ともいう。)は,研磨材混合手段20から高圧管21を介して噴射ノズル30に供給される。
噴射ノズル30は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段の一例として構成されており,例えば,ノズル管31と,オリフィス32とからなる。この噴射ノズル30には,上記研磨材混合手段20から高圧管21を介して,高圧の研磨材混合水が供給される。噴射ノズル30は,例えば,この高圧の研磨材混合水を,保持テーブル40によって保持されている基板35に対して上方から高速で噴射する。この噴射ノズル30は,図2に示すように,ノズル固定部材33によって,ウォータージェット切断装置1の本体2に対して安定的に固定される。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル30のノズル管31の先端には,高圧水の噴出径を縮小化するためのオリフィス32が装着されている。このオリフィス32は,例えば,先端に所定の微細径の噴出口321が形成されたオリフィス本体322と,このオリフィス本体322を覆うように設けられ,ノズル管31の先端部にネジ止めされるオリフィスカバー323とを備える。このオリフィスカバー323をネジ止めすることにより,オリフィス本体322が噴射ノズル30の先端に固定される。
かかる噴射ノズル30から噴射される高圧水噴流(即ち,ウォータージェット)Jの流速は,例えば音速の約2〜3倍である。また,この噴射ノズル30の先端と基板35表面との距離は,例えば50μm〜1mmであり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル30と基板35を接近させることで,噴射された高圧水噴流Jの拡散を極力抑え,基板35の切断幅が広くなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル30の口径(噴出口321の径)は例えば約250μmであり,この場合,基板35の切断幅は,例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル30によって,研磨材混合水の噴流であるウォータージェットJを,基板35に対して噴射することにより,高圧水のエネルギーによって基板35を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに基板35に衝突して基板35の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。このように,本実施形態にかかるウォータージェットJは,アブレシブジェットとして構成されている。
保持テーブル40は,被加工物を保持する被加工物保持手段の一例として構成されている。この保持テーブル40は,図1および図2に示すように,例えば,ステンレス等の硬質な金属で形成された板状部材であり,被加工物である基板35を保持・固定する。なお,より詳細には,本実施形態では,基板35は,保持テーブル40に対して着脱可能な第1チャンネル切断用保持部材および第2チャンネル切断用保持部材(図1及び図2では図示せず。図3,図6等参照)を介して,保持テーブル40上に保持・固定されるが,この第1及び第2チャンネル切断用保持部材の詳細については後述する。
また,この保持テーブル40には,基板35が固定される部分に,ウォータージェットJを通過させるための開口部であるテーブル窓401が形成されている。上記噴射ノズル30が噴射したウォータージェットJは,このテーブル窓401の部分を通過するため,ウォータージェットJによって保持テーブル40自体が切断されてしまうことはない。
また,保持テーブル40上面のテーブル窓401周辺の四隅には,後述する第1チャンネル切断用保持部材および第2チャンネル切断用保持部材を正確に位置決めして取り付けるための保持部材取付用ピン402が,上方に向け突出して設置されている。
テーブル移動手段42は,例えば,基台部と電動モータ等の駆動機構などで構成されており,上記保持テーブル40を支持するとともに,保持テーブル40を水平方向(X軸およびY軸方向)および鉛直方向(Z軸方向)に移動させる。
具体的には,図2に示すように,保持テーブル40は,相互にスライド可能に連結された第1〜第4基台部411,421,431,441によって支持されている。保持テーブル40をX軸方向に水平移動させる場合には,第1電動モータ413により第1雄ねじロッド415を正又は逆方向に回転させて,第1雄ねじロッド415と係合している第2基台部421を,第1基台部411に設けられた第1ガイドレール417に沿ってX軸方向に移動させる。また,保持テーブル40をZ軸方向に垂直移動させる場合には,第2電動モータ423により第2雄ねじロッド425を正又は逆方向に回転させて,第2雄ねじロッド425と係合している第3基台部431を,第2基台部421に設けられた第2ガイドレール427に沿ってZ軸方向に昇降させる。さらに,保持テーブル40をY軸方向に水平移動させる場合には,第3電動モータ433により第3雄ねじロッド435を正又は逆方向に回転させて,第3雄ねじロッド435と係合している第4基台部441を,第3基台部431に設けられた第3ガイドレール437に沿ってY軸方向に移動させる。
このような構成のテーブル移動手段42によって,保持テーブル40を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させることにより,保持テーブル40によって保持されている基板35を噴射ノズル30に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,基板35に対するウォータージェットJの噴射位置(切断箇所)を変更して,基板35を連続的なラインで切断することができる。この切断時の基板35の送り速度は,切断される基板35の厚さや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。
また,テーブル移動手段42によって,保持テーブル40をZ軸方向に移動させることにより,基板35の種類,厚さ,表面の凹凸等に応じて,噴射ノズル30の先端と,保持テーブル40に保持された基板35との距離を調整できる。
なお,テーブル移動手段42の構成は,上記例に限定されるものではなく,基板35を少なくとも水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。例えば,保持テーブル40をZ軸方向に移動させる代わりに,噴射ノズル30をZ軸方向に移動させる昇降機構を設けるようにしてもよい。
キャッチタンク50は,例えば,上面が開放された縦長の貯水槽である。このキャッチタンク50は,例えば,上記保持テーブル40の下側であって,噴射ノズル30の直下に設けられる。このキャッチタンク50は,その内部に所定の高さまで研磨材を含む水を貯留しており,この水面の高さを一定に保つために,キャッチタンク50に対する水の供給及び排出が制御されている。
かかるキャッチタンク50は,ウォータージェットJの受け水槽として機能する。即ち,キャッチタンク50は,貯留している水を緩衝材として,上記のようにして基板35を切断して貫通したウォータージェットJを,威力を弱めて受け止めることができる。このキャッチタンク50の底部には,上記のように受け止めた研磨材混合水に含まれる研磨材が,沈降して堆積する。また,キャッチタンク50の例えば側面底部側には,配管51が接続されており,この配管51を介して,キャッチタンク50内の研磨材および水が排出され,研磨材回収手段60に移送される。
研磨材回収手段60は,上記キャッチタンク50から配管51を介して移送された研磨材混合水から,再利用可能な所定範囲の粒径(例えば,30〜100μm)の研磨材を回収して,研磨材混合手段20に移送する。この研磨材回収手段60は,上記再利用可能な粒径の研磨材を通過させる研磨材回収フィルタ(図示せず。)を備えており,この研磨材回収フィルタを通過する研磨材を回収して貯留しておき,この回収された研磨材を含む研磨材混合水を,配管61を介して研磨材混合手段20に移送する。また,上記研磨材回収フィルタを介して回収されなかった研磨材を含む研磨材混合水は,例えば,排水管62を介して外部に排出される。
以上のような構成のウォータージェット切断装置1は,噴射ノズル30からウォータージェットJを噴射しながら,当該噴射ノズル30に対して保持テーブル40をX軸及び/又はY軸方向に相対移動させることにより,基板35の第1及び第2チャンネルの切断ラインに沿って,研磨材入りのウォータージェットJを作用させて,基板35を切断加工することができる。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置では,切断加工時に,噴射ノズル30を固定して,保持テーブル40により基板35を移動させる切断方式を採用している。かかる切断方式を採用することにより,噴射ノズル30の位置が固定されているため,キャッチタンク50を小型化して,設置面積を小さくできるとともに,移動機構の構成を簡略化できるという利点がある。しかし,かかる例に限定されず,保持テーブル40を固定して,噴射ノズル30をX軸及び/又はY軸方向に水平移動させて,切断加工を行ってもよい。
また,上記ウォータージェット切断装置1は,研磨材混合手段20,キャッチタンク50,研磨材回収手段60などを用いて,切断加工に適切な粒径の研磨材を装置内で循環させて自動的に再利用することができる。これにより,人手をかけずに研磨材を再利用して利用効率を高めるとともに,高圧液供給手段10を停止させることなく連続した切断加工が可能となるため,切断加工を効率化し,生産コストを低減できる。
ところで,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1は,基板35の第2チャンネルの切断加工精度を高めるため,第2チャンネルの切断加工では,以下に説明するように,第1チャンネルの切断加工とは異なる特別な切断加工方式が採用されている点に特徴がある。これに伴い,第1チャンネルの切断加工時に用いられる第1チャンネル切断用保持部材と,第2チャンネルの切断加工時に用いられる第2チャンネル切断用保持部材とでは,その構成が大きく相違する。これらの第1及び第2チャンネル切断用保持部材は,基板35を好適に保持するために保持テーブル40に対して着脱自在に取り付けられ,相互に交換可能である。そこで,以下では,この第1チャンネル切断用保持部材および第2チャンネル切断用保持部材の構成,並びにこれらの保持部材を利用した切断加工方式について,それぞれ説明する。
まず,図3に基づいて,本実施形態にかかる被加工物である基板35と,第1チャンネル切断用保持部材100(以下,「第1保持部材100」という。)の構成について説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる基板35と第1保持部材100を示す斜視図である。
以下の説明では,被加工物である基板35として,図3に示すようなQFN(Quad Flat Non−leaded Package)基板を例に挙げて説明する。QFNは,ICチップのパッケージ方法の一つであり,外部入出力用のピンが外部に現れていない点が特徴である。
図3に示すように,QFN基板である基板35は,例えば,全体として略矩形の平板形状を有している。この基板35は,基台となる金属フレーム351と,この金属フレーム351の一側面に形成されたパッケージ部分353とからなる。パッケージ部分353は,規則的に配列された複数の半導体素子(回路)を樹脂でモールドした部分である。
この基板35には,規則的に配列された複数の半導体素子の集合領域である回路領域35a,35b,35cが形成されている。図3に示す基板35では,3つの回路領域35a〜cが形成された基板35の例を示しているが,この回路領域の数は3つには限られず,1つの基板35に,1つ,2つ,または4つ以上の回路領域が形成されていてもよい。
この各回路領域35a〜cには,第1及び第2の切断ライン(ストリート)357,359が格子状に配列されており,この第1の切断ライン357,359により複数の矩形領域355が区画されている。この矩形領域355の各々に半導体素子が形成されている。
格子状に配置された切断ラインのうち,第1の切断ライン357は,基板35の短手方向(図3のY軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する複数の切断ラインである。この複数の第1の切断ライン357は,第1の切断ライン群である第1チャンネルを構成している。一方,第2の切断ライン359は,基板35の長手方向(図3のY軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する複数のラインである。この複数の第2の切断ライン359は,第1の切断ライン群である第2チャンネルを構成している。第1の切断ライン357と第2の切断ライン359とは直交しており,この結果,第1チャンネル方向(図3のY軸方向)と第2チャンネル方向(図3のX軸方向)とは直交している。
上記のような高圧水の噴射によって,まず,第1チャンネルの全ての第1の切断ライン357を切断し,次いで,第2チャンネルの全ての第2の切断ライン359を切断することにより,基板35の回路領域35a〜cを格子状にダイシングして,略矩形状を有する複数のチップに分割することができる。なお,第2チャンネルを切断した後に第1チャンネルを切断することも可能であるが,本実施形態では,第1チャンネルを先に切断する手順について説明する。
次に,基板35の第1チャンネルの切断時に用いられる第1保持部材100について説明する。図3に示すように,第1保持部材100は,ステンレス等の金属材料などで形成された矩形状を有し,その上面に載置された基板35を支持する支持板102と,支持板102に対してヒンジ部材106を介して開閉可能に取り付けられたカバー部材104とから構成される。
支持板102とカバー部材104の中央部には,それぞれ,ウォータージェットJを通過させるための略矩形の窓102a,104aが貫通形成されている。また,支持板102の窓102aの内周面には,段差部102bが形成されており,かかる段差部102bに基板35の周縁部を嵌合させることで,支持板102は基板35を安定して支持することができる。また,支持板102bの四隅には,上述した保持テーブル40の保持部材取付用ピン402(図2参照)と係合する取付用貫通孔103が形成されている。また,カバー部材104の一側には止め金108が配設されており,支持板102の側面には凹部110が形成されている。この止め金108は,カバー部材104を閉じたときに凹部110係合し,カバー部材104が開かないようにする。
かかる構成の第1保持部材100は,第1チャンネルの切断時に上記基板35を保持した状態で,上記保持フレーム40に取り付けられる。具体的には,まず,基板35を段差部102bに嵌合させるようにして第1保持部材100の支持板102上に載置した後に,カバー部材104を閉じて凹部110と止め金108とを係合させる。これによって,第1保持部材100を用いて基板35を安定的に保持できる。次いで,このように基板35を保持した状態の第1保持部材100を,保持テーブル40上に載置する。この際,第1保持部材100の取付用貫通孔103に保持テーブル40の保持部材取付用ピン402を挿入することによって,第1保持部材100を保持テーブル40に対して正確に位置決めして,安定的に取り付けることができる。
次に,図4及び図5に基づいて,上記第1保持部材100および保持テーブル40によって保持された基板35の第1チャンネルを切断する方式について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる第1チャンネルの切断時において,基板35に対して作用するウォータージェットJの軌跡Tを示す平面図である。図5は,本実施形態にかかる第1チャンネルが一筆書き切断された基板35を示す平面図である。
図4に示すように,本実施形態では,第1チャンネルの切断時には,一筆書き切断方式が採用されている。この「一筆書き切断」とは,高圧液の噴射を停止することなく,被加工物を1本の切断ラインで連続的に切断することをいう。
具体的には,固定された噴射ノズル30に対して保持テーブルをX軸およびY軸方向に相対移動させながら,噴射ノズル30からウォータージェットJを第1チャンネルに沿って連続的に噴射することによって,第1チャンネルを構成する全ての第1の切断ライン357が一筆書き切断される。このとき,図4(b)に示すように,基板35に対して作用するウォータージェットJのXY平面上での軌跡Tは,第1チャンネルを構成する全ての第1の切断ライン357をその上端若しくは下端で交互に連結したジグザグ形の軌跡となる。かかる第1チャンネルの一筆書き切断加工を,基板35の全ての回路領域35a〜cに対して実行することによって,図5(a)に示すように,基板35の回路領域35a〜cには,第1の切断ライン357を一筆書きで結ぶジグザグ形の切断溝37が貫通形成され,第1チャンネルの切断加工が完了する。
このような第1チャンネルの一筆書き切断によって,各回路領域35a〜cにおいて,第2チャンネル方向(図5のX軸方向)に相隣接する矩形領域355は分断されるが,第1チャンネル方向(図5のY軸方向)に相隣接する矩形領域355は分断されない。この結果,第1チャンネル方向に配列された複数(図5では8個)の矩形領域355の集合体は,短冊形状を成し,その4辺のうち1辺(図5では上辺又は下辺)のみで支持された状態となる。よって,一筆書き切断された基板35では,上記短冊形状の部分が垂直方向に反り返ったり水平方向に横ずれしたりして,変形する場合がある。
さらに,本実施形態では,次の第2チャンネルの切断加工の準備として,図5(a),(b)に示すように,上記のように第1チャンネルが切断された基板35を切断して,各回路領域35a〜cごとに分断される。このように分断された1つの回路領域35a〜cのみを含む基板35が,第2チャンネルの切断加工単位となる。
次に,図6及び図7に基づいて,本実施形態の特徴である第2チャンネル切断用保持部材200(以下,「第2保持部材200」という。)の構成について説明する。この第2保持部材200および上記保持テーブル40は,本実施形態における被加工物保持手段を構成する。なお,図6および図7は,本実施形態にかかる第2保持部材200の構成を示す斜視図である。ただし,図7では,説明の便宜上,図6に示す移送手段250の図示を省略し,基板35を図示してある。
図6および図7に示すように,第2保持部材200は,基板35の第2チャンネルの切断を行うために,基板35を保持した状態で,上記保持テーブル40に取り付けられる部材である,この第2保持部材200は,載置板210と,押出手段220と,突き当て部材230と,押圧手段240と,移送手段250と,整列手段260とを備える。
載置板210は,例えば,略矩形状を有する金属若しくは樹脂製の平板であり,その上面は平滑な平坦面となっている。この載置板210上には,図7に示すように,上記第1チャンネルが切断された後に1つの回路領域35aを切り出した基板35(図5(b)参照)が載置される。この基板35は,上記のようにして第1チャンネルの全ての第1の切断ライン357が切断され切断溝37が形成されている。かかる基板35は,載置板210上の押出手段220と突き当て部材230との間のスペース(切断領域212)に,第1チャンネル方向がX軸方向に一致するようにして載置される。載置板210は,このように載置された基板35や,後述する第2チャンネルの切断により基板35が分割されたチップを下方から支持する。ただし,これらの基板35やチップは,載置板210上に固着されるわけではないので,他の外力が働けば載置板210上を水平方向に摺動可能である。
この載置板210の上面は,大別すると,切断領域212と整列領域214とに区分される。切断領域212は,載置された基板35の第2チャンネルを切断するための領域である。一方,整列領域214は,第2チャンネルの切断によって分割された複数のチップを集合させて規則的に整列するための領域である。このような切断領域212には,押出手段220と,突き当て部材230と,押圧手段240とが設けられ,一方,整列領域214には,整列手段260が設けられている。また,移送手段250は,切断領域212と整列領域214を跨ぐようにして設けられる。
また,載置板210の四隅には,上述した保持テーブル40の保持部材取付用ピン402(図2参照)と係合する取付用貫通孔202が形成されている。この第2保持部材200を保持テーブル40に取り付ける際に,この取付用貫通孔202に保持テーブル40の保持部材取付用ピン402を挿入することによって,第2保持部材200を保持テーブル40に対して正確に位置決めして,安定的に取り付けることができる。
押出手段220は,例えば,基板35よりも厚い略矩形状の平板である押出板222と,この押出板222をX軸方向に往復動させるシリンダ機構224とを備える。また,突き当て部材230は,例えば,基板35よりも厚い略矩形の平板で構成されており,基板35を挟んで押出手段220と対向するようにして,載置板210上に固設されている。この突き当て部材230は,押出部材220によって押し出された基板35が突き当てられ,当該基板35を載置板210上の切断領域212の所定位置で係止する。なお,押出板222の前側面である押圧面222aと,突き当て部材230の後側面である当接面230aは,ともにY軸方向と平行な垂直面となっており,基板35を挟んで相互に対向している。
かかる押出手段220と突き当て部材230とによって,基板35をX軸方向両側から挟み込んで保持することができる。具体的に説明すると,押出手段220は,シリンダ機構224によって押出板222をX軸負方向に前進させて,載置板210上に載置された基板35の一側面を押圧面222aで押圧することにより,当該基板35を突き当て部材230に向けてX軸負方向に押し出して,当該基板35の他側面を突き当て部材230の当接面230aに当接させる。この結果,図8に示すように,基板35は,押出板222の押圧面222aと,突き当て部材230の当接面230aとの間に挟持された状態となる。これにより,第1チャンネルの切断加工によって基板35に生じた歪み(上述した短冊形状の部分の反り返り,横ずれ等)を矯正することができる。
また,押圧手段240は,上記押出手段220および突き当て部材230による基板35の保持動作を補助する機能を有する。この押圧手段240は,例えば,上記突き当て部材230上に設置されており,基板35の突き当て部材230側の端部を上方から押圧して保持する。かかる押圧手段240は,例えば,略矩形状の平板である押圧部材242と,この押圧部材242を保持位置と退避位置との間で移動可能に支持する支持駆動機構244とを備える。この押圧手段240は,図8に示すように,基板35が押出手段220と突き当て部材230との間に挟持された状態となると,退避位置にあった押圧部材242を保持位置に移動させ,当該押圧部材242の下端面により当該基板35の突き当て部材230側の端部を上方より押圧して,載置板210上に押さえ付けるようにして保持する。これにより,基板35は,上記押出手段220および突き当て部材230により水平方向から挟持されるだけでなく,押圧手段240によって垂直方向から保持されるので,載置板210上に基板35をより安定的に保持できる。なお,この押圧手段240は,必ずしも設置する必要はない。
以上のような構成の押出手段220,突き当て部材230および押圧手段240により基板35が保持された状態で,図7に示すように,噴射ノズル30から噴射されるウォータージェットJによって,第2チャンネルの1本の第2の切断ライン359が切断される。具体的には,第2保持部材200が取り付けられている保持テーブル40を,噴射ノズル30に対してY軸方向に相対移動させて,基板35の第2チャンネルを構成する複数の第2の切断ライン359のうち,最端(最も突き当て部材230側)にある1本の第2の切断ライン359に沿ってウォータージェットJを作用させて,当該1本の第2の切断ライン359が切断される。このとき,図7及び図8に示すように,噴射ノズル30から噴射され基板35を貫通したウォータージェットJは,載置板210にY軸方向に延びるように貫通形成された逃げ溝216を通過するので,載置板210自体が切断されることはない。なお,この逃げ溝216は,切断領域212において,突き当て部材230の当接面230aから,基板35の第2チャンネルの切断ライン間隔だけ離れた位置(X軸方向の位置)に形成されている。
このようにして,既に第1チャンネルが切断されている基板35の第2チャンネルの切断ラインのうち,突き当て部材230の最も近くに位置する1本の第2の切断ライン359を切断することにより,図9に示すように,当該第2の切断ライン359に沿って直線状の切断溝38が形成される。この結果,基板35の突き当て部材230側の端部に位置するY軸方向の一列34(即ち,基板35の突き当て部材230側の端部に位置するY軸方向に並んだ矩形領域355の一列)がチップ状に分割される。なお,この切断時には,基板35の端部に位置するY軸方向の一列34は,上記押圧手段240の押圧部材242によって上方から押圧されて固定されている。このため,Y軸方向に相対移動するウォータージェットJの水圧によって,分割されたチップがバラバラに散乱してしまうことがない。
また,図6に示すように,移送手段250は,上記一列分のチップ状に分割された基板34(以下,「一列分のチップ34」と称する。)をY軸正方向に移動させて,切断領域212から整列領域214に移送する。この移送手段250は,電動モータ等からなる駆動部252と,載置板210上方にY軸方向に延設された雄ねじロッド254およびガイドレール255と,内部で雄ねじロッド254と係合しているスライダ256と,このスライダ256の下部に連結された移送板258とを備える。
この移送手段250は,駆動部252により雄ねじロッド254を回転させて,スライダ256および移送板258をガイドレール255に沿ってY軸方向に移動させる。移送板258は,例えば,起立して配設された平板状の部材であり,そのX軸方向の厚さは,第2チャンネルの切断ライン間隔(チップ幅)未満である。また,この移送板258の下端面の高さ位置は,載置板210の上面と略同一若しくは若干上方にあるため,移送板258の側面である押圧面258aは,基板35が分割されたチップの側面に対して接触可能である。
かかる構成の移送手段250は,上記一列分のチップ34の移送時には,移送板258をY軸正方向(切断領域212から配列領域214に向かう方向)に移動させることによって,移送板258の押圧面258aにより,上記一列分のチップ34を押し出して,一列分まとめて整列領域214に移動させる(後述の図12C参照)。
なお,この一列分のチップ34の移送時には,押出手段220が基板35を突き当て部材230に対して押圧する保持動作は解除されるとともに,上記押圧手段240の押圧部材242は支持駆動機構244により退避位置に退避され,さらに,噴射ノズル30から噴射されるウォータージェットJは,逃げ溝216の端部から逃げ溝216に対して直交する方向(X軸正方向)に連続形成された退避用貫通溝218(図7参照)に退避される。これにより,移送板258は,押圧部材242やウォータージェットJによって移動を邪魔されることがないので,上記一列分のチップ34の移送動作を好適に実行できる。
また,移送手段250全体は,図示しない駆動機構により,載置板210に形成された一対のガイド溝259に沿ってX軸方向に往復移動可能である。これにより,上記噴射ノズル30による第2チャンネルの第2の切断ライン359の切断時に,移送手段250をX軸負方向に移動させて逃げ溝216の上方から退避させることによって,移送手段250によりウォータージェットJの進路を妨害しないようにできる。
整列手段260は,上記移送手段250によって整列領域214に移送されてきた複数のチップを集めて整列する機能を有する。この整列手段260は,例えば,チップよりも厚い略矩形状の平板である整列板262と,この整列板262をX軸方向に往復動させるシリンダ機構264とを備える。整列板262の先端部の一側(切断領域212から遠い側)には,略矩形状の突出部262aが突出形成されている。また,整列板262の先端部において上記突出部262aが形成されていない部分の端面である押圧面262cは,Y軸方向と平行な垂直面となるよう成形されている。
かかる構成の整列手段260の整列動作について説明する。上記移送手段250によってY軸正方向に移送されてきた一列分のチップ34は,上記突出部262aの内側の端面である当接面262bに当接し,それ以上の移動を制限される(後述の図12D参照)。この結果,一列分のチップ34は,移送手段250の移送板258と整列手段260の突出部262aとによって挟まれて,Y軸方向に整列される。
さらに,整列手段260は,シリンダ機構264によって整列板262をX軸負方向に前進させて,既に整列領域262に移送されている1又は2列以上のチップ36を,整列板262の押圧面262cで押圧することにより,当該1又は2列以上のチップ36をX軸負方向に押し出す(後述の図12A参照)。この時の押出幅は,例えば,少なくとも第2の切断ライン359間隔分(チップの第1チャンネル方向の幅分)である。このように整列手段260によってチップ群をX軸方向に押し出すことにより,上記1又は2列以上のチップ36をX軸方向にも整列できる。さらに,上記のように前進させた整列板262を元の位置に引き戻すことにより,整列領域214上に,次に移送されてくる一列分のチップ34を収容するスペース219を確保できる(後述の図12B参照)。
以上,本実施形態にかかる特徴である第2保持部材200を備えたウォータージェット切断装置1の構成について説明した。
従来のウォータージェット切断装置では,基板35の第2チャンネルの切断時には,保持テーブル40をY軸方向に移動させて1本の第2の切断ライン359を切断後,保持テーブル40をX軸方向に移動させて,噴射ノズル30を次の第2の切断ライン359上に位置付けて切断していた。
これに対し,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,第2チャンネルの切断時に,噴射ノズル30および保持テーブル40を移動させずに,上記第2保持部材200上に設けられた押出手段220によって基板35をX軸方向に押し出して,次の第2の切断ライン359を噴射ノズル30の下方に位置付けて切断する。従って,噴射ノズル30と第2保持部材200(保持テーブル40)とは,X軸方向には相対移動しない構成である。一般的に,噴射ノズル30あるいは保持テーブル40と比較して,押出手段220は装置として小型となるため,精密な制御を行うことが可能である。よって,本実施形態では,従来と比べて,第2チャンネルの第2の切断ライン359をウォータージェットJの噴射位置に正確に位置付けて切断できる。
次に,図10〜12に基づいて,上記のようなウォータージェット切断装置1を用いて基板35の第1チャンネルおよび第2チャンネルを切断して,チップ状に分割する方法について詳述する。なお,図10は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1を用いた基板35の切断方法(高圧液噴射式切断方法)を示すフローチャートである。また,図11は,本実施形態にかかる第2チャンネル切断の準備工程において成形される基板35を示す平面図である。また,図12A〜Fは,本実施形態にかかる第2保持部材200を用いた第2の切断ライン群の切断工程をそれぞれ説明するための斜視図であり,説明の便宜上,押圧手段240および搬送手段250の一部等の図示を省略してある。
図10に示すように,まず,ステップS102では,被加工物である基板35の第1チャンネルが切断される(ステップS102)。具体的には,まず,第1保持部材100(図3参照)を用いて保持テーブル40に基板35を固定する。次いで,噴射ノズル30と保持テーブル40とを相対移動させて,ウォータージェットJを図4に示したような軌跡Tで,第1チャンネルの複数の第1の切断ライン357に沿って連続的に作用させる。これにより,図5に示したように,基板35の第1チャンネルが一筆書き切断されて,ジグザグ型の切断溝37が連続形成される。
次いで,ステップS104では,以下のステップS106〜S118における第2チャンネル切断工程の準備工程として,まず,第1チャンネル切断後の基板35から1つの回路領域35aを有する基板35が切り出され,さらに,当該基板35の端部が成形される(ステップS104)。
具体的には,まず,図5に示したように,第1チャンネルが切断された複数の回路領域35a〜cを有する基板35を回路領域35a〜c毎に分断して,1つの回路領域35aのみを有する基板35を切り出す。
次いで,図11に示すように,切り出した基板35の第1チャンネル方向両側にある縁端部39を切断して,基板35が成形される。以下に,この成形加工についてより詳細に説明する。
切り出された略矩形状の基板35は,図11(a)に示すように,基板35の製造品質が要因となって,基板35の第1チャンネル方向両側の相対向する一対の縁辺361と,第2の切断ライン359とが平行でなく,ずれてしまっているときがある。本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の第2保持部材200は,上述した装置構成であるため,かかる基板35の縁辺361と第2の切断ライン359とが平行でなければ,第2チャンネルを正確に切断することができない。
そこで,第2チャンネルの切断加工を開始する前に,図11(b)に示すように,基板35の第1チャンネル方向両側の縁端部39を切断して,基板35の縁辺361と,第2チャンネルの第2の切断ライン359とが平行になるように成形する。これによって,当該成形された基板35を第2の保持部材200の載置板210上に載置して,押出手段220と突き当て部材230とで挟持したときに,基板35の第1チャンネル方向両側にある一対の縁辺361と,第2チャンネルの第2の切断ライン359と,押出手段220の押圧面222aと,突き当て部材230の当接面230aとが,相互に平行になる。従って,第2保持部材200を用いて,第2の切断ライン359を正確に切断できるようになる。
さらに,この成形加工では,図11(b)に示すように,複数の第2の切断ライン359のうち,上記縁辺361に最も近い位置(図11では上端及び下端)にある第2の切断ライン359から上記縁辺361までの距離Qが,複数の第2の切断ライン359の間隔Pと同一となるように,上下2つの縁端部39を切断する。これにより,基板35の新たな縁端部39’である1列を切断して除く処理を行うだけで,上述したY軸方向の最初の1列分の切断加工を容易かつ正確に開始できるようになる。
このようにして,基板35の縁辺361と第2の切断ライン359とが平行になっていない場合であっても,第2チャンネルの切断加工前に予め基板35を成形加工しておくことにより,第2保持部材200を用いた第2チャンネルの切断を正確に実行できるようになる。
なお,上記ステップS104における切り出し加工および成形加工は,ウォータージェット切断装置1を用いてもよいし,別途の切断装置を用いてもよい。また,本ステップS104の切り出し加工及び/又は成形加工は,上記ステップS102の第1チャンネルの切断工程よりも前に行っておいてもよい。
次いで,図10に戻り,ステップS106では,上記第1チャンネルが切断された基板35が,第2保持部材200の載置板210上に載置される(ステップS106)。具体的には,まず,保持テーブル40上の第1保持部材100を第2保持部材200に交換して固定する。次いで,この第2保持部材200の載置板210の切断領域212上に,上記のように第1チャンネルの切断後に1つの回路領域35aが切り出されて成形加工された基板35が載置される。このとき,当該基板35は,第1チャンネル方向が押出手段220の押出方向(X軸方向)に一致する向きで載置される。
その後,ステップS108では,載置板210上に載置された基板35を,押出手段220の押出板222によってX軸方向に押し出して,突き当て部材230に突き当てる。これによって,押出板222と突き当て部材230とによって,基板35をX軸方向両側から挟持する(ステップS108)。
さらに,基板35がテープなどで保持されていない場合などには,押圧手段240を用いて基板35の端部を保持する。具体的には,押圧手段240の押圧部材242を保持位置に移動させて,上記挟持された基板35の突き当て部材230側の端部を上方より押圧して,載置板210上に押さえ付けるようにして保持する。この結果,押出手段220,突き当て部材230および押圧手段240によって,基板35を載置板210上に安定的に保持できる。
次いで,ステップS110では,図12Aに示すように,ウォータージェットJを噴射する噴射ノズル30と,第2保持部材200が取り付けられた保持テーブル40とをY軸方向に相対移動させて,上記挟持された基板35に対してウォータージェットJを噴射する。これによって,第2チャンネルの複数の切断ラインのうち最も突き当て部材230側に位置する1本の第2の切断ライン359を切断し,基板35のY軸方向の一列34をチップ状に分割する(ステップS110)。なお,図12Aでは,切断前の基板35の端部から数えて第4本目の第2の切断ライン359を切断するときの状態を示してある。
この第2チャンネルの切断加工では,チップ状に分割された基板35の一列34は,依然として押圧手段240によって上方から押圧されて保持されているので,ウォータージェットJの水圧で横ずれしたり,散乱したりすることがない。また,基板35を貫通したウォータージェットJは,第2の切断ライン359の直下に位置する逃げ溝216を通過するため,ウォータージェットJが載置板210で跳ね返ることがない。従って,下方からの水圧で基板35が浮き上がってしまうことがないので,第2の切断ライン359を正確に切断できる。
さらに,ステップS112では,図12Aに示すように,整列手段260の整列板262をX軸負方向に第2チャンネルの切断ライン間隔P(図11参照)分だけ前進させた後に,図12Bに示すように,当該整列板262を元の位置までX軸正方向に引き戻す。これにより,既に整列領域214に移送済みの2列分のチップ36を第2チャンネルの切断ライン間隔P分だけ押し出して,X軸方向に整列するとともに,整列領域214上に,次に移送されてくる一列分のチップ34を収容するスペース219(整列板262の押圧面262cと2列分のチップ36との隙間)が空けられる(ステップS112)。なお,このステップS112は,次のステップS114の移送工程より前工程であればよく,上記ステップS108またはS110より前に行われてもよい。
その後,ステップS114では,図12Cに示すように,移送手段250の移送板258によって,上記ステップS110の切断で分割された一列分のチップ34を押し出して,Y軸方向に移動させる(ステップS114)。これにより,当該一列分のチップ34は,切断領域212から整列領域214に移送され,上記ステップS112で空けられたスペース219に収容される。さらに,図12Dに示すように,移送された一列分のチップ34は,整列板262の突出部262aの当接面262bに当接して,それ以上の移動を制限される。これにより,移送された一列分のチップ34は,移送板258と突出部262aとによって挟まれて,Y軸方向に整列される。
次いで,ステップS116では,図12Eに示すように,噴射ノズル30および搬送板258が元の位置に戻される(ステップS116)。
さらに,ステップS118では,例えばウォータージェット切断装置1の制御部(図示せず。)によって,第2チャンネルの全ての切断ライン259が切断されたか否かが判断される(ステップS118)。この結果,全ての切断ライン259が切断されていないと判断された場合には,ステップS108に戻り,上記と同様にステップS108〜S116を繰り返して,次の1本の切断ライン259が切断される。
具体的には,再びステップS108では,図12Fに示すように,切断領域212上において,上記ステップS114で移動された一列分のチップ34が存在していたスペース221を埋めるようにして,押出手段220の押出板222によって,残りの基板35をX軸負方向に再び押し出して,突き当て部材230に当接させる。これにより,押出板222と突き当て部材230とによって,残りの基板35を再び挟持する(ステップS108)。次いで,第2チャンネルの次の第2の切断ライン359をウォータージェットJにより切断し(ステップS110),その後は,上記と同様なステップS112〜S118を行う。
このようなステップを繰り返すことにより,第2チャンネルの全ての切断ライン259が切断されたと判断された(ステップS118)場合には,全ての工程を終了する。
以上,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1およびこれを用いた切断方法について説明した。かかるウォータージェット切断装置1および切断方法によれば,第1チャンネルの切断加工によって基板35が歪んでいたとしても,第2保持部材200の押出手段220と突き当て部材230とで挟み込んで保持することで,Y軸方向については,基板35の歪みを矯正することができる。また,従来の切断方式では,第2の切断ラインの切断加工によって被加工物に切断溝が形成され,その切断溝が歪むことによって,後の第2の切断ラインの切断加工精度に悪影響を与えていたが,本実施形態にかかる切断方式では,被加工物12に過去の切断溝38が存在しない状態で,次の第2の切断ライン359を切断することができる。従って,第2チャンネルの切断ライン259を正確に切断することができる。
また,第2チャンネルの切断時において,噴射ノズル30あるいは保持テーブル40をX軸方向に移動させずに,押出手段220によって基板35をX軸方向に移動させる。通常,噴射ノズル30あるいは保持テーブル40と比較して,押出手段220は装置として小型となるため,精密な移動制御を行うことができ,切断精度を向上させ得る。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,被加工物は,上記QFN基板35の例に限定されず,各種の半導体ウェハ,CSP基板,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板等の半導体基板などであってよい。また,被加工物は,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材,或いは,磁気ヘッド,レーザダイオードヘッド等を形成するための電子材料基板,などであってもよい。
また,上記実施形態では,高圧液噴射式切断装置として,ウォータージェット切断装置1を採用した例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。高圧液噴射式切断装置は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段を備え,高圧液の噴射によって被加工物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射および貯留する液体は,上記水の例に限定されず,アルコール,油などの任意の液体であっても良いし,或いは,各種の化学物質等を各種溶媒に溶解させた液体などであってもよい。また,研磨材混合液も,上記研磨材混合水の例に限定されない。
また,上記実施形態では,第1チャンネルを一筆書き切断加工したが,本発明はかかる理恵に限定されず,第1チャンネルを他の切断方式で切断してもよい。例えば,噴射ノズルからのウォータージェットの噴射を一時的に停止させる,或いは噴射ノズルを高速移動させることにより,第1チャンネルの相隣接する第1の切断ライン357の間の部分を切断しないようにして,第1の切断ライン357だけを切断するように切断加工して,略平行な複数の切断溝を形成してもよい。
本発明は,高圧液の噴射によって被加工物を切断加工する高圧液噴射式切断装置および高圧液噴射式切断方法に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置の全体構成を示す概略図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置における切断加工領域周辺の構成を示す斜視図である。 同実施形態にかかる基板と第1保持部材を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第1チャンネルの切断時において,基板に対して作用するウォータージェットの軌跡を示す平面図である。 同実施形態にかかる第1チャンネルが一筆書き切断された基板を示す平面図である。 同実施形態にかかる第2保持部材の構成を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材の構成を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材によって保持された基板を示す縦断面図である。 同実施形態にかかる第2チャンネルの1本の第2の切断ラインが切断された基板を示す平面図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置を用いた基板の切断方法を示すフローチャートである。 同実施形態にかかる第2チャンネル切断の準備工程において成形される基板を示す平面図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた1本の第2の切断ラインの切断工程を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた整列工程を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた移送工程を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた移送工程を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた噴射ノズル等を戻す工程を示す斜視図である。 同実施形態にかかる第2保持部材を用いた次の第2の切断ラインの切断工程を示す斜視図である。
符号の説明
1 : ウォータージェット切断装置
30 : 噴射ノズル
34 : チップ状に分割された基板の一列(1列分のチップ)
35 : 基板(被加工物)
35a〜c : 回路領域
36 : 既に移送された1又は2列以上のチップ
37 : 第1の切断ライン群の切断溝
38 : 第2の切断ラインの切断溝
40 : 保持テーブル
100 : 第1チャンネル切断用保持部材(第1保持部材)
200 : 第2チャンネル切断用保持部材(第2保持部材)
210 : 載置板
212 : 切断領域
214 : 整列領域
216 : 逃げ溝
220 : 押出手段
230 : 突き当て部材
240 : 押圧手段
242 : 押圧部材
250 : 移送手段
260 : 整列手段
357 : 第1の切断ライン
359 : 第2の切断ライン
J : ウォータージェット

Claims (7)

  1. 高圧液噴射手段から噴射される高圧液により,被加工物の所定方向に延びる複数の第1の切断ラインからなる第1の切断ライン群を切断した後に,前記第1の切断ライン群と直交する複数の第2の切断ラインからなる第2の切断ライン群を切断することによって,前記被加工物を複数のチップに分割するために,
    前記被加工物の前記第1の切断ライン群を切断した後に,前記被加工物を被加工物保持手段上に載置し,少なくとも前記第2の切断ライン群の切断加工時には,前記高圧液噴射手段を,前記被加工物保持手段に対し,同一のX軸方向位置でY軸方向のみに相対移動させることによって,前記被加工物の前記第2の切断ライン群を切断する高圧液噴射式切断装置であって:
    前記被加工物保持手段上には,
    前記被加工物をX軸方向に押し出す押出部材と;
    前記押出部材によって押し出された前記被加工物が突き当てられ,当該被加工物を前記被加工物保持手段上の所定位置で係止する突き当て部材と;
    前記第2の切断ラインが切断されチップ状に分割された前記被加工物をY軸方向に移動させる移送手段と;
    を備えることを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  2. 前記被加工物保持手段上に,前記移送手段によって移動された前記チップ状に分割された被加工物を整列する整列手段;をさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載の高圧液噴射式切断装置。
  3. 前記被加工物保持手段上に,前記突き当て部材に対して突き当てられた前記被加工物を上方から押圧する押圧部材;をさらに備えることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
  4. 請求項1に記載の高圧液噴射式切断装置における高圧液噴射式切断方法であって:
    (1)前記第1の切断ライン群の切断後に前記被加工物保持手段上に載置された前記被加工物を前記押出手段によってX軸方向に押し出して,前記突き当て部材に突き当てることによって,前記押出手段と前記突き当て部材とにより前記被加工物を挟持する工程と;
    (2)前記高圧液噴射手段から噴射された高圧液によって,前記被加工物の前記第2の切断ライン群のうち,前記突き当て部材に最も近い位置にある前記第2の切断ラインを切断し,前記被加工物をY軸方向の一列分だけチップ状に分割する工程と;
    (3)前記一列分のチップ状に分割された被加工物を,前記移送手段によってY軸方向に移動させる工程と;
    (4)前記(1)〜(3)の工程を,前記第2の切断ラインの全てが切断されるまで繰り返す工程と;
    を含むことを特徴とする,高圧液噴射式切断方法。
  5. 前記高圧液噴射式切断装置は,前記被加工物保持手段上に,前記移送手段によって移動された前記一列分のチップ状に分割された被加工物を整列する整列手段をさらに備え;
    前記高圧液噴射式切断方法は,少なくとも前記(3)の工程より前に,
    前記整列手段によって,前記移送手段によって既に移動された前記一列または複数列分のチップ状に分割された被加工物全体をX軸方向に移動させ,前記一列分のチップ状に分割された被加工物を収容できるスペースを形成する工程;
    をさらに含み,
    前記(3)の工程では,
    前記一列分のチップ状に分割された被加工物を,前記移送手段によってY軸方向に移動させて,前記スペースに収容することを特徴とする,請求項4に記載の高圧液噴射式切断方法。
  6. 前記高圧液噴射式切断装置は,前記被加工物保持手段上に,前記突き当て部材に対して突き当てられた前記被加工物を上方から押圧する押圧部材をさらに備え,
    前記高圧液噴射式切断方法は,前記(1)の工程後に,
    前記被加工物が前記突き当て部材と当接する位置から前記突き当て部材に最も近い位置にある前記第2の切断ラインまでの間で,前記押圧部材によって前記被加工物を上方より押圧する工程;
    をさらに含むことを特徴とする,請求項4または5のいずれかに記載の高圧液噴射式切断方法。
  7. 前記被加工物は,略矩形状を有し,前記被加工物の相対向する一対の縁辺が,前記第2の切断ライン群と略平行となり,かつ,前記縁辺に最も近い位置にある前記第2の切断ラインから前記縁辺までの距離が,前記複数の第2の切断ラインの間隔と略同一となるように,成形加工されていることを特徴とする,請求項4〜6のいずれかに記載の高圧液噴射式切断方法。

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