JP2005169515A - 切断方法 - Google Patents

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興一 矢嶋
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Abstract

【課題】 第1チャンネルの切断による被切断物の変形を好適に防止して,第2チャンネルを正確に切断することの可能な,高圧液の噴射による切断方法を提供すること。
【解決手段】 高圧液を噴射する高圧液噴射手段と被切断物20とを相対移動させることにより,被切断物20の内側にある複数の切断ラインLxを切断する切断方法が提供される。この切断方法は,高圧液噴射手段によって第n番目の切断ラインLx1の始点から終点にかけて高圧液を噴射することにより,第n番目の切断ラインLx1を切断する切断工程と;被切断物を切断することなく,高圧液噴射手段を第n番目の切断ラインLx1の終点に対応する位置から第n+1番目の切断ラインLx2の始点に対応する位置まで相対移動させる無切断移動工程と;を含むことを特徴とする。
【選択図】 図10


Description

本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する切断方法に関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の2〜3倍という流速を有する。近年では,このウォータージェットを使用して各種の被切断物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている(特許文献1および2参照)。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。この研磨材は,ガーネット,アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなる例えば数十ミクロン程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被切断物に高速で衝突し,被切断物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被切断物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難切削材の切断にも適しているという利点もある。このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板をダイシングするために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェット切断装置による切断加工が検討されている。
実開平2−15300号公報 特開2000−246696号公報
ウォータージェットによって基板をチップ状に切断する場合には,まず,同じ方向にある全ての切断ライン(以下,第1チャンネルという。)を切断し,次いで,第1チャンネルに対して直交する方向にある全ての切断ライン(以下,第2チャンネルという。)を切断する必要がある。
ところで,ウォータージェット切断装置では,高圧ポンプ等の高圧水発生装置を用いて発生させた高圧水を噴射ノズルから噴射しているが,この高圧水発生装置を一度停止させてしまうと,再稼動させるまでに非常に時間がかかる。従って,基板の第1チャンネルを切断するときには,高圧水発生装置を連続動作させて,図12に示すように,ウォータージェットをジグザグ型の軌跡で連続的に噴射して,基板120の第1チャンネルCH1を構成する全ての切断ラインLx1〜6を一筆書きで切断することが好ましい。また,その後に第2チャンネルを切断するときも同様である。
しかしながら,図12に示したように,第1チャンネルCH1がジグザグ型に一筆書き切断された基板120では,短冊状に切断された切断部152が4辺のうち1辺のみでしか支持されていない状態となる。このため,特にパッケージされた基板などでは,例えば,樹脂モールド部分と金属フレームとの物性の相違などにより,図13(a)に示すように切断部152が垂直方向に反り返ったり,図13(b)に示すように切断部152が水平方向に横ずれしたりして,基板120が変形してしまうことがあった。従って,次の第2チャンネルの切断を正確に行えないという問題があった。
また,噴射ノズルと基板120との間隔が近いほど,高圧水の拡散を抑制して,噴射ノズルの口径に近い切断幅で基板を切断することができるので,噴射ノズルと基板120の間隔は,例えば50μm〜1mmと微小な間隔に調整される。しかしながら,上述したように,第1チャンネルの切断によって切断部152が上方に反り返っていると,噴射ノズルと基板120とが接触してしまい,第2チャンネルが切断不能となる恐れもある。
これらの問題を解決するために,第2チャンネルの切断時に,接着剤を使用して支持部材に基板を固定したり,真空吸着手段によって基板を固定したりする手法なども考えられる。しかし,第1チャンネルの切断によって切断部152が反り返ったり,横ずれしたりした基板を,元の状態に戻して固定することは,極めて困難であり,かつ多大な時間を要するという問題があった。
そこで,本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,第1チャンネルの切断による被切断物の変形を好適に防止して,第2チャンネルを正確に切断することの可能な,新規かつ改良された切断方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,高圧液を噴射する高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させることにより,被切断物の内側にある複数の切断ラインを切断する切断方法が提供される。この切断方法は,高圧液噴射手段によって第n番目の切断ラインの始点から終点にかけて高圧液を噴射することにより,第n番目の切断ラインを切断する切断工程と;被切断物を切断することなく,高圧液噴射手段を第n番目の切断ラインの終点に対応する位置から第n+1番目の切断ラインの始点に対応する位置まで相対移動させる無切断移動工程と;を含むことを特徴とする。また,上記切断工程および無切断移動工程を切断ライン数に応じて繰り返してもよい。なお,上記「n」は,切断ライン数未満の任意の自然数である。
上記無切断移動工程においては,高圧液噴射手段を,上記切断工程で既に切断された切断ラインの終点に対応する位置から,次の切断対象となる切断ラインの始点に対応する位置まで移動させる間は,被切断物を切断しないようにする。このため,上記切断方法では,被切断物の複数の切断ラインのみを切断して,切断ライン相互の間は切断しないようにできる。従って,被切断物の例えば第1チャンネルを構成する複数の切断ラインを切断すると,スリット状の切断孔が複数形成されることになり,相隣接する切断孔間の切断部は例えば4辺のうち2辺で支持された状態となる。このため,切断部が反り返ったり横ずれしたりして変形することがないので,次の例えば第2チャンネルを正確に切断することが可能になる。
また,上記無切断移動工程では,高圧液噴射手段による高圧液の噴射を停止した状態で,高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させるように構成してもよいし,或いは,上記無切断移動工程では,高圧液噴射手段と被切断物とを被切断物の切断が生じないような高速度で相対移動させるように構成してもよい。これにより,高圧液噴射手段を1つの切断ラインの終点に対応する位置から,次の切断ラインの始点に対応する位置まで移動させる間は,被切断物を切断しないことを好適に実現できる。なお,上記高速度は,被切断物の種類(材質,厚さ等)に応じて決定される。
また,上記被切断物の少なくとも1つ(好ましくは全て)の切断ラインの始点には,予め貫通孔が形成されていることが好ましい。これにより,切断ラインの始点に対して高圧液を噴射した際には,高圧水は貫通孔を通過して被切断物に直接作用することがない。よって,切断開始点における被切断物の割れやクラック,破断バリなどの発生を低減できるとともに,高圧液が被切断物表面に飛散することを防止できる。
また,上記切断方法は,被切断物の第1チャンネルを切断した後に前記被切断物の第2チャンネルを切断することにより,前記被切断物を複数のチップに分割する場合において,少なくとも前記第1チャンネルの切断に適用されるようにしてもよい。なお,「第1チャンネル」とは,同じ方向の全ての切断ラインであり,また,「第2チャンネル」とは,第1チャンネルに対して所定角度を有する方向(例えば略直交する方向)の全ての切断ラインをいう。かかる構成により,上記切断方法を用いて第1チャンネルを構成する複数の切断ラインを高圧液の噴射によって切断することによって,被切断物に複数の略平行に並んだスリット状の切断孔が形成され,相隣接する切断孔間の略短冊状の切断部は4辺のうち両側で支持された状態となる。このため,第1チャンネルを切断しても被切断物が変形しないため,次の第2チャンネルを正確に切断できる。
また,上記第n番目の切断ラインの切断方向と,第n+1番目の切断ラインの切断方向とは,逆方向であるように構成してもよい。これにより,切断方向を交互に反対方向に変えながら,複数の切断ラインを順次切断することができる。このため,全ての切断ラインを切断する際の高圧液噴射手段と被切断物との相対移動距離を最小にできる。従って,加工時間および高圧液の噴射量を低減できるので,切断加工の効率化が図れる。
以上説明したように本発明によれば,被切断物の第1チャンネルを切断すると,被切断物にはスリット状の複数の切断孔が並んで形成される。このため,相隣接する切断孔の間の切断部が,その4辺のうち2辺で支持された状態となるので,当該切断部の反り返り若しくは横ずれなどの変形を好適に防止できる。従って,第1チャンネル切断後に,被切断物の第2チャンネルを正確に切断することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる高圧液の噴射による被切断物の切断方法について説明する。
本実施形態にかかる切断方法は,高圧液の噴射によって被切断物の第1チャンネルを切断する場合において,噴射ノズルを,ある切断ラインの終点に対応する位置から,他の切断ラインの始点に対応する位置まで相対移動させる間は,被切断物を切断しないことを特徴としている。かかる無切断移動工程を実現するために,例えば,以下に詳述するように,噴射ノズルと被切断物とを切断が伴わないような高速度で移動させる(手法1),あるいは,噴射ノズルからの高圧水の噴射を停止させる(手法2),といういずれかの手法を採用している。そこで,以下では,まず,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置の構成について説明し,次いで,本実施形態にかかる切断方法について詳細に説明することとする。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置の概要について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,被切断物に対して高圧水を噴射することにより,被切断物を比較的自由な切断ラインで切断加工(即ち,ウォータージェット加工)することが可能な装置である。
かかるウォータージェット切断装置10は,例えば,高圧水発生装置12と,研磨材混合装置14と,噴射停止装置15と,噴射ノズル16と,保持テーブル18と,支持部材30と,テーブル移動装置40と,キャッチタンク42と,研磨材回収装置44と,から構成される。
高圧水発生装置12は,例えば,高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生・供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧水発生装置12によって発生された高圧水は,高圧水配管を通じて研磨材混合装置14に供給される。
研磨材混合装置14は,高圧水発生装置14から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材(砥粒)を混合する。この研磨材は,例えば,ガーネット,ダイヤモンド,アルミナ等の高硬度の材質からなる例えば数十ミクロン程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高めるために寄与する。本実施形態では,この研磨材として,例えば40〜100μmの酸化アルミナを使用する。かかる研磨材が混合された高圧水は,例えば,高圧配管を通って噴射停止装置15を介して噴射ノズル16に供給される。
この研磨材混合装置14のより具体的な構成について説明する。研磨材混合装置14は,例えば,2つの混合貯蔵タンク(図示せず。)と,タンク切替装置(図示せず。)とから構成できる。混合貯留タンクは,研磨材が混合された水を貯留するタンクであり,上記高圧水発生装置12から高圧水が供給されるとともに,後述する研磨材回収装置44から研磨材が供給される。タンク切替装置は,2つの混合貯留タンクのうちいずれか一方を,高圧水発生装置12および噴射ノズル16に連通させる切替バルブ等である。
かかる構成により,高圧水発生装置12から供給された高圧水の圧力によって,いずれか一方の混合貯蔵タンクに貯留されている研磨材および水を高圧で押し出して噴射ノズル16に供給するとともに,もう一方の混合貯蔵タンクでは,研磨材回収装置44によってリサイクルされた研磨材と水とを混合して貯留しておくことができる。そして,一方の混合貯留タンク内の研磨材が所定レベル以下に減少した場合には,タンク切替装置によって混合貯留タンクを切り替えて,上記と同様にして,研磨材入りの水の供給と貯留とを行う。これにより,研磨材が混合された高圧水を,噴射ノズル16に安定して連続供給することができる。
噴射停止装置15は,噴射ノズル16からの高圧液の噴射を一時停止させる装置である。この噴射停止装置15は,例えば,噴射ノズル16およびキャッチタンク42と連通された切替バルブ等で構成されており,研磨材混合装置14から供給された高圧水を,噴射ノズル16またはキャッチタンク42のいずれか一方に供給する。かかる構成により,基板20の切断加工を行う場合には,噴射停止装置15は,噴射ノズル16に対して高圧水を供給して,噴射ノズル16から高圧水を噴射させることができる。一方,基板20の切断加工を行わない場合には,噴射停止装置15は,高圧水の供給先を噴射ノズル16からキャッチタンク42に切り替えて,キャッチタンク42に高圧水を排出し,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を停止させることができる。このような噴射停止装置15を設けることにより,上記高圧水発生装置12の動作を停止させることなく,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を一時的に停止させることができる。
噴射ノズル16は,本実施形態にかかる高圧液噴射手段として構成されており,例えば,上記のようにして研磨材が混合された高圧水を,被切断物である基板20に対して上方から高速で噴射する。この噴射ノズル16は,切断加工時には,例えば,装置の基台部(図示せず。)などに対してネジ等の固定部材によって安定的に固定されている。また,加工準備時には,例えば,当該ネジを弛緩させることにより,噴射ノズル16をZ軸方向(垂直方向)に移動させることも可能である。これにより,基板20の種類,大きさに応じて,噴射ノズル16と基板20とのZ軸方向の距離を調整できる。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル16の先端部には,オリフィス162が装着されている。このオリフィス162は,高圧水の噴出径を小さくするための部材であり,オリフィスカバー164をネジ止めすることにより噴射ノズル16先端部に固定されている。
かかる噴射ノズル16から噴射される高圧水の噴流(即ち,ウォータージェット168)の速度は,例えば音速の約2〜3倍である。また,この噴射ノズル16の先端と基板20との距離は,例えば50μm〜1mmであり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル16と基板20を近づけることで,噴射された高圧水の拡散を極力抑え,基板20の切断幅が広くなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル16の口径(オリフィス166の内径)は例えば約250μmであり,この場合,基板20の切断幅は例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル16によって研磨材を含む高圧水を基板20に噴射することにより,高圧水のエネルギーによって基板20を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに基板20に衝突して基板20の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。
保持テーブル18は,例えば,ステンレス等の硬質な金属で形成された板状部材であり,被切断物である基板20を保持・固定する被切断物保持手段として機能する。この保持テーブル18には,図2に示すように,基板20が固定される部分に,高圧液通過用の開口部であるテーブル窓182が形成されている。このテーブル窓182は,例えば,基板20に対応した形状(例えば略矩形状)を有しており,その大きさは基板20の外形よりも若干小さい。かかるテーブル窓182の部分に基板20を配置することにより,保持テーブル18は,例えば,基盤20の外周部を保持・固定することができる。また,上記噴射ノズル16が噴射した高圧水は,このテーブル窓182の部分を通過するため,高圧水によって保持テーブル18自体が切断されることはない。
支持部材30は,例えば,上記保持テーブル18のテーブル窓182の部分に装着される略矩形状の板状部材であり,その上面に載置された基板20を下方から支持する。この支持部材30の詳細については後述する。
テーブル移動装置40は,例えば,上記保持テーブル18を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させる機能を有する。このテーブル移動装置40は,図2に示すように,それぞれ,電動モータ,ギヤ等の駆動機構(図示せず。)および筐体などで構成されたY軸方向移動部402およびX軸方向移動部404からなる。Y軸方向移動部402は,例えば,保持テーブル18のテーブル窓182とは他側の一端に連結されており,保持テーブル18をY軸方向に平行移動させることができる。X軸方向移動部404は,例えば,Y軸方向移動部402の一端に連結されており,Y軸方向移動部402とともに保持テーブル18をX軸方向に平行移動させることができる。
このようなテーブル移動装置40によって保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,保持テーブル18によって保持されている基板20を噴射ノズル16に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,噴射ノズル16を基板20に対して相対移動させて,基板20上の切断ラインを連続的に切断することができる。この切断時の基板20の送り速度は,切断される基板20の厚さや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。
また,テーブル移動装置40によって保持テーブル18を高速移動させることにより,噴射ノズル16から高圧水を噴射しながらも,基板20を切断することなく,噴射ノズル16を基板20に対して相対移動させることができる。これにより,上記高圧水発生装置12の動作を停止させることなく,噴射ノズル16を基板20上のある切断ラインの終点に対応する位置から次の切断ラインの始点に対応する位置まで移動させることが可能となる。この高速移動時の基板20の送り速度は,基板20の厚さや材質等によって異なるが,例えば200mm/秒である。
なお,保持テーブル18およびテーブル移動装置40の構成は,図2の例に限定されるものではなく,保持した基盤20を水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。また,保持テーブル18を固定して,噴射ノズル16を水平方向に移動可能に構成してもよい。また,本実施形態では,上記保持テーブル18によって基板20を固定・固定しているが,かかる例に限定されず,例えば,各種の載置台,治具などによって基板20を保持・固定してもよい。
キャッチタンク42は,例えば,上記保持テーブル18の下方に設けられ,上面が開放された貯留槽である。このキャッチタンク42は,所定の高さまで研磨材を含む水を貯留しており,この水面の高さを一定に保つために水の供給及び排出が制御されている。かかるキャッチタンク42は,貯留している水を緩衝材として,上記のようにして基板20を切断して貫通した研磨材を含む高圧水の噴流(即ち,ウォータージェット168)の威力を弱めて,かかる高圧水を受け取ることができる。また,キャッチタンク42の底部からは,研磨材と水が排出される。なお,かかるキャッチタンク42の貯留水内に研磨材を投入することにより,研磨材を水に混合して,ウォータージェット切断装置10内で循環利用することができる。
研磨材回収装置44は,上記キャッチタンク42から排出された研磨材を含む水から,研磨材を回収して再利用する装置である。この研磨材回収装置44は,例えば,排出路内に配設され,適切な大きさの研磨材が通過可能な研磨材回収フィルタと,研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留して送出するホッパーと,回収された研磨材を研磨材混合装置14の混合貯留タンクに供給するための研磨材回収ポンプと,不要な水および研磨材を外部に排出するための排水ポンプ(いずれも図示せず。)とを備える。
かかる構成の研磨材回収装置44は,切断加工に適切な所定範囲の大きさの研磨材のみを回収することができる。具体的には,上記排水ポンプを用いて研磨材を含む水の流速を上げることによって,過度に小さい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過することなく水流に乗って排出される。また,過度に大きい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過できないため,これも排水とともに排出される。このため,粒径が切断加工に適切な所定範囲(例えば,研磨材の最適な粒径を約80μmとすると,粒径が40〜120μmの範囲)にある大きさの研磨材のみが,研磨材回収フィルタを通過して回収され,研磨材混合装置14に送出されて再利用される。一方,上記所定範囲外の大きさの研磨材と水は,廃液として処理される。これは,過度に小さい研磨材は再利用しても研磨に寄与できず,一方,過度に大きい研磨材は噴射ノズル16が詰まる原因となるからである。
以上のような構成のウォータージェット切断装置10は,研磨材が混合された高圧水を噴射ノズル16から噴射しながら,当該噴射ノズル16と保持テーブル18とを基板20の切断ラインに沿って相対移動させることにより,基板20の切断ラインを切断加工することができる。この切断加工時には,上述したように,高圧ポンプ等の高圧水発生装置12を一度停止させてしまうと,再稼動させるまでに非常に時間がかかるので,高圧水発生装置12を停止させることなく,同一チャンネル内の全ての切断ラインを切断することが好ましい。ただし,本実施形態にかかる切断方法では,後述するように,同一チャンネル内の各切断ラインは切断するが,切断ラインと切断ラインとの間は切断しないようにしている。
次に,図3に基づいて,本実施形態にかかる被切断物である基板20について説明する。なお,図3(a)および(b)は,本実施形態にかかる被切断物である基板20を示す平面図および正面図である。
上記のようなウォータージェット切断装置10の切断対象としては,特に限定されるものではないが,例えば,半導体素子がパッケージ化された基板(以下,パッケージ基板という。)が挙げられる。このパッケージ基板は,リード線にCu合金等が使用されているため,切削ブレードによっては材質的に切断し難い。このため,切削ブレードを使用したダイシング装置では,かかるパッケージ基板は難加工材とされていた。ところが,ウォータージェット切断装置10では,上記高圧水によって切断加工を行うため,かかるパッケージ基板をも好適に切断可能である。
本実施形態では,被切断物である基板20として,図3に示すようなQFN(Quad Flat Non−leaded Package)基板を例に挙げて説明する。QFNは,ICチップのパッケージ方法の一つであり,外部入出力用のピンが外部に現れていない点が特徴である。
図3に示すように,QFN基板である基板20は,例えば,全体として略矩形の平板形状を有しており,ベースとなる金属フレーム22と,この金属フレーム22の一側に突出形成されたパッケージ部分24とからなる。パッケージ部分24は,規則的に配列された複数の半導体素子を樹脂でモールドした部分であり,その外形は金属フレーム22の外形より小さい。
このパッケージ部分24には,パッケージ部分24を個々の半導体チップCに分割するために,例えば,2方向に複数の第1切断ラインLx1〜6および第2切断ラインLy1〜5(以下では「切断ラインL」と総称する場合もある。)が定められている。このうち,第1切断ラインLx1〜6は,例えば,第1の方向(X軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する線分であり,第1チャンネルCH1を構成している。一方,第2切断ラインLy1〜5は,例えば,上記第1の方向に対して直交する第2の方向(Y軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する線分であり,第2チャンネルCH2を構成している。
上記のような高圧水の噴射によって,まず第1チャンネルCH1の切断し,次いで第2チャンネルCH2を切断することにより,基板20のパッケージ部分24を格子状にダイシングして,略矩形状を有する複数の半導体チップCに分割することができる。なお,上記切断ラインLは,基板20表面の内側にある線分となるように定められている。換言すると,全ての切断ラインLの両端は,基板20の外縁部に至ることなく,基板20表面の内側部分に位置している。このため,いずれの切断ラインLを切断しても,基板20全体を2つに分断することはない。
また,例えば,第1および第2チャンネルCH1,2の各切断ラインLx1〜6,Ly1〜5の両端の例えば金属フレーム22の部分には,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28がそれぞれ形成されている。この始点用貫通孔26および終点用貫通孔28は,例えば,ウォータージェット切断装置10とは異なる別途の穿孔手段(図示せず。)によって切断加工前に予め穿孔されている。この始点用貫通孔26および終点用貫通孔28の径は,上記ウォータージェット168の直径よりも大径(例えば切断幅〜1mm)であり,その形状は,図示のような円形に限られず,四角等の多角形,楕円形など任意の形状であってよい。
このうち,始点用貫通孔26は,各切断ラインLの始点(切断開始点)となる位置に形成されており,当該切断ラインLの切断開始時における,ウォータージェット168の待機穴として機能する。即ち,かかる始点用貫通孔26を各切断ラインLの始点に予め形成しておくことにより,当該切断ラインLの切断開始時に,噴射ノズル16から噴射されたウォータージェット168は,始点用貫通孔26を通過して,基板20に直接作用しない。このため,各切断ラインLの始点におけるウォータージェット168と基板20との最初の衝突によって,基板20の割れ,クラック,破断バリが発生することを防止できるだけでなく,跳ね返った水や研磨材が基板20の表面上に飛散して汚染することを防止できる。
一方,終点用貫通孔28は,各切断ラインLの終点(切断終了点)となる位置に形成されており,当該切断ラインLの切断終了時における,ウォータージェット168の待機穴として機能する。即ち,かかる終点用貫通孔28を各切断ラインLの終点に予め形成しておくことにより,当該切断ラインLの始点から終点にかけて切断してきたウォータージェット168は,終点用貫通孔28を通過して,基板20に直接作用することなく待機することができる。このため,停止しているウォータージェット168と基板20とが必要以上に衝突して,基板20の割れ,クラック,破断バリが発生することを低減できる。
また,このような始点用貫通孔26および終点用貫通孔28は,例えば,同一チャンネル内の相隣接する切断ラインLにおいて,それぞれ反対側の一端に配置されている。具体的には,例えば第チャンネルCH1では,始点用貫通孔26は,切断ラインLx1,3,5の左端,第1切断ラインLx2,4,6の右端にそれぞれ配置されており,一方,終点用貫通孔28は,切断ラインLx1,3,5の右端,第1切断ラインLx2,4,6の左端にそれぞれ配置されている。これは,本実施形態では,後述するように同一チャンネル内では相隣接する切断ラインLの切断方向が反対方向になるようにして切断が行われる(例えば,第1切断ラインLx1,3,5はX軸正方向に切断され,第1切断ラインLx2,4,6はX軸負方向に切断される)からである。
このように,始点用貫通孔26と終点用貫通孔28とは,例えば,各切断ラインLの始点に位置するか終点に位置するかによって機能的に相違するのみであり,実質的には略同一の構成を有する貫通孔である。なお,各切断ラインLには,終点用貫通孔28は必ずしも形成されなくてもよく,例えば,始点用貫通孔26のみを形成してもよい。ただし,始点用貫通孔26と終点用貫通孔28とを区別することなく,全ての切断ラインLの始点および終点に貫通孔26,28を形成する方が,始点のみを選んで始点用貫通孔26を形成するよりも,穿孔作業が容易であり,基板20の生産性が高まるので好ましい。
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の支持部材30について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる第1支持部材30−1を示す平面図である。
支持部材30は,第1チャンネルCH1及び/又は第2チャンネルCH2の切断時に,基板20を下方から支持する機能を有する。本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,例えば,第1チャンネルCH1の切断時に使用可能な第1支持部材30−1と,第2チャンネルCH2の切断時に使用可能な第2支持部材(図示せず。)という2つの支持部材30を具備している。このうち,第1支持部材30−1について以下に説明する。
図4に示すように,第1支持部材30−1は,例えば,アルミニウム等の金属製の板状部材であり,その大きさは,上記基板20のパッケージ部分24に対応しており,例えば,長さ(X軸方向)が70mm,幅(Y軸方向)が50mm,厚さ(Z軸方向)が10mmである。
また,第1支持部材30−1には,例えば,X軸方向に延びる略直線状の6つの貫通孔32が形成されている。この貫通溝32の溝幅は,上記ウォータージェット168の直径および基板20の切断幅よりも若干大きくなるように調整されており,例えば300μm以上である。この6つの貫通孔32は,それぞれ,上記基板20の第1チャンネルCH1の第1切断ラインLx1〜6に対応する位置に形成されている。このため,第1支持部材30−1によって基板20を支持した場合には,第1切断ラインLx1〜6の下方には貫通孔32がそれぞれ配置され,基板20の各切断ラインLを切断して貫通した高圧水を下方に逃がすことができる。かかる貫通孔32を第1支持部材30−1に設けることにより,支持された基板20に対して高圧水を噴射したときに,第1支持部材30−1を切断することなく,基板20の第1チャンネルCH1(第1切断ラインLx1〜6)のみを切断することができる。
また,上記貫通孔32の両端には,例えば,ウォータージェット168の直径よりも大径の切断開始用貫通孔34および切断終了用貫通孔35が形成されている。この切断開始用貫通孔34および切断終了用貫通孔35は,上記基板20の始点用貫通孔26および終点用貫通孔28に対応する位置にそれぞれ形成されている。かかる構成により,各切断ラインLの切断開始時または終了時に,切断開始用貫通孔34または切断終了用貫通孔35を通過するようにウォータージェット168を待機させて,ウォータージェット168による支持部材30の破損を防止できる。
このような構成の第1支持部材30−1によって基板20を支持しながら切断することで,上方から高圧水の圧力が加わっても基板20が変形せず,かつ,基板20を貫通した高圧水は貫通孔32を通過して下方に逃げるので,支持部材30と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることもない。
かかる第1支持部材30−1は,保持テーブル18に対して着脱可能に構成されている。このため,第1チャンネルCH1の切断時には,第1支持部材30−1を装着して基板20を支持しながら切断してもよいし,或いは,第1支持部材30−1を装着することなく無支持で切断してもよい。
次に,図5に基づいて,上記のような基板20および支持部材30を保持テーブル18に取り付ける手法と,基板20を支持部材30によってより安定的に支持・固定するための構成について説明する。なお,図5(a)は,本実施形態にかかる保持テーブル18および支持部材30の構成を示す斜視図であり,図5(b)は,本実施形態にかかる保持テーブル18に取り付けられた支持部材30および基板20等を示す断面図である。また,以下の図5に示す支持部材30は,上記第1支持部材30−1または第2支持部材のいずれか一方若しくは双方に適用されるものである。
図5(a)に示すように,保持テーブル18は,例えば,その上面側に,カバー184と,例えば2つの係止ピン186と,が設けられている。カバー184は,基板20を上部より覆って固定する。係止ピン186は,カバー184に形成された係止ピン用貫通孔186に挿入されることで,カバー184を係止することができる。
基板20を保持テーブル18に取り付ける場合には,例えば,図5(b)に示すように,パッケージ部分24を下向きにしてテーブル窓184に嵌め込むようにして,金属フレーム22をテーブル184の周辺部分に引っ掛ける。さらに,基板20の金属フレーム22側をカバー184で覆って,カバー184の係止ピン用貫通孔186に係止ピン185を挿入する。
このようにして基板20を保持テーブル18の上部側に設置することにより,切断加工中に基板20がずれたり脱落したりしないように,基板20を保持テーブル18に固定することができる。なお,保持テーブル18上面に設けられた爪状の止め金(図示せず。)などで金属フレーム22を係止することで,基板20を保持テーブル18により強固に固定してもよい。
一方,支持部材30は,例えば,保持テーブル18の下部側からテーブル窓184内に嵌め込むようにして装着される。このとき,止め金188などの固定部材によって支持部材30の両側下部を掛止することにより,支持部材30が保持テーブル18に固定される。このようにして装着された支持部材30は,基板20のパッケージ部24を下方から支持することができる。
また,図示はしないが,支持部材30は,例えば,その上面に載置された基板20の各チップ領域を個別に真空吸着する真空吸着手段を備えるようにしてもよい。或いは,支持部材30と基板20とを粘着テープによって粘着して,基板20を支持部材30上に固定するようにしてもよい。この粘着テープとしては,例えば,通常時は比較的強力な粘着力を有するが,加熱(例えば50〜100℃)されると粘着力が低下する性質を有する熱発泡型或いは熱硬化型の両面テープや,紫外線の照射を受けることにより粘着力が低下する性質を有する紫外線硬化型の粘着テープなどを採用できる。
かかる真空吸着手段や粘着テープを採用することにより,支持部材30は,基板20の切断加工時には,基板20をより安定して支持することができるとともに,基板20の切断完了後には,各半導体チップCを個別に保持して,半導体チップCがバラバラになって支持部材30から脱落することをより確実に防止できる。さらに,半導体チップCをピックアップする際には,真空吸着を解除する,或いは粘着テープ50を加熱等して粘着力を低下させることにより,半導体チップCを支持部材30から容易にピックアップすることができる。
次に,図6〜図11に基づいて,上記構成のウォータージェット切断装置10を用いて基板20を切断する方法について詳細に説明する。なお,図6は,本実施形態にかかる切断方法を示すフローチャートである。また,図7〜11は,それぞれ,本実施形態にかかる切断方法における最初の切断ラインLx1の切断工程,無切断移動工程,次の切断ラインLx2の切断工程,第1チャンネル切断工程,第2チャンネル切断工程を説明するための工程説明図である。なお,図7〜図11において,太実線の矢印は,基板20が実際に切断されている場合の噴射ノズル16の移動軌跡を表し,太点線の矢印は,基板20が切断されていない場合の噴射ノズル16の移動軌跡を表すものとする。
図6に示すように,まず,ステップS102では,基板20および第1支持部材30−1が保持テーブル18に設置される(ステップS102)。例えば,図5で説明したようにして,基板20を保持テーブル18の上部側に取り付けて固定し,第1支持部材30−1を保持テーブル18の下部側に取り付けて固定する。これにより,基板20は,第1支持部材30−1によって下方から支持される。なお,本実施形態では,第1支持部材30−1によって基板20を支持しながら第1チャンネルCH1を切断する例について説明するが,かかる例に限定されず,第1支持部材30−1を装着しないで第1チャンネルCH1を切断してもよい。
次いで,以下のステップS104からステップS116では,基板20の第1チャンネルCH1が切断される(第1チャンネル切断工程)。本実施形態では,図10に示すように,高圧水発生装置12の動作を停止することなく,第1チャンネルCH1を構成する6つの第1切断ラインLxを,Lx1→Lx2→Lx3→Lx4→Lx5→Lx6の順に,切断方向をX軸正方向または負方向に交互に変えながら切断していく。
具体的には,まず,ステップS104では,保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,噴射ノズル16を基板20の第1チャンネルの切断開始位置の上方に配置する(ステップS104)。この第1チャンネルの切断開始位置は,例えば,第1切断ラインLx1の始点(左端)にある始点用貫通孔26である。なお,この時点では,噴射ノズル16から高圧水は噴射されていない。
次いで,ステップS106では,高圧水発生装置12を動作開始させて,噴射ノズル16から高圧水を噴射させる(ステップS106)。このようにして噴射された高圧水168(即ち,ウォータージェット168)は,第1切断ラインLx1の始点にある始点用貫通孔26およびその下方の第1支持部材30−1の切断開始用貫通孔34を通過するので,基板20および第1支持部材30−1に対して作用することはない。
さらに,ステップS108では,図7に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とをX軸方向に相対移動させることにより,第1チャンネルの最初の第1切断ラインLx1が切断される(ステップS108;最初の切断ラインの切断工程)。より詳細には,例えば,保持テーブル18をX軸負方向に所定速度(例えば20mm/秒)で移動させることにより,噴射ノズル16を第1切断ラインLx1の始点(左端)に対応する位置から,第1切断ラインLx1の終点(右端)に対応する位置に相対移動させる。これにより,噴射ノズル16によって第1切断ラインLx1の始点から終点にかけてウォータージェット168を噴射して,第1切断ラインLx1をX軸正方向に切断することができる。
かかる切断の結果,噴射ノズル16は,高圧水を噴射したままの状態で,第1切断ラインLx1の終点(右端)にある終点用貫通孔28の上方に配置される。このとき,噴射された高圧水168は,例えば,当該終点用貫通孔28およびその下方の第1支持部材30−1の切断終了用貫通孔35を通過するので,基板20および第1支持部材30−1に対して作用することはない。
次いで,ステップS110では,基板20を切断することなく,噴射ノズル16が,切断された第1切断ラインLx1の終点(右端)に対する位置から,次の切断対象である第1切断ラインLx2の始点(右端)に対応する位置に相対移動される(ステップS110;無切断移動工程)。より詳細には,保持テーブル18をY軸正方向に移動させることにより,第1切断ラインLx1の終点の上方に位置する噴射ノズル16を,保持テーブル18に対してY軸負方向に相対移動させて,第1切断ラインLx2の始点にある終点用貫通孔26の上方まで移動させる。
本実施形態では,このように,ある切断ラインLxの終点から次の切断ラインLxの始点まで噴射ノズル16を相対移動させる際に,基板20を切断しないこと(無切断移動)を特徴としている。かかる無切断移動を実現するために,例えば,基板20の切断が生じないような高速度で噴射ノズル16と基板20とを相対移動させる手法(手法1),或いは噴射ノズル16からの高圧水168の噴射を停止させる手法(手法2)を採用できる。以下に,この手法1及び手法2について詳細に説明する。
まず,手法1は,図8(b)に示すように,噴射ノズル16からの高圧水168の噴射を継続しながら,第1切断ラインLx1の終点(終点用貫通孔28)の上方から,次の第1切断ラインLx2の始点(始点用貫通孔26)の上方まで,噴射ノズル16を高速度(例えば200mm/秒)で相対移動させる手法である。このような高速移動により,高圧水168は,基板20の第1切断ラインLx1の終点と第1切断ラインLx2の始点とを結ぶラインに対して多少は噴射されるが,基板20を切断する程十分な時間作用することはない。このため,基板20は,若干切削されてしまう可能性はあるが,完全に切断されることはない。
一方,手法2は,図8(c)に示すように,第1切断ラインLx1の終点(終点用貫通孔28)の上方から,次の第1切断ラインLx2の始点(始点用貫通孔26)の上方まで,噴射ノズル16を相対移動させる間は,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を一時停止させる手法である。この場合には,上述した噴射停止装置15を用いて,高圧水発生装置12の動作を停止することなく,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を一時停止させる。このようにして高圧水168の噴射を一時停止させることにより,第1切断ラインLx1の終点と第1切断ラインLx2の始点とを結ぶラインが切断されないことは勿論,高圧水発生装置12の動作を維持することができる。
このように,手法1及び手法2では,高圧水発生装置12を停止させなくても,高圧水によって基板20が切断されないようにできる。このため,各切断ラインLxの切断毎に高圧水発生装置12を動作/停止させなくて済むため,一度停止させた高圧水発生装置12を再稼動させるまでに多大な時間がかかるという問題を回避できる。
次いで,ステップS112では,図9に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とをX軸方向に相対移動させることにより,第1チャンネルの次の切断対象である第1切断ラインLx2が切断される(ステップS112;次の切断ラインの切断工程)。より詳細には,まず,上記ステップS110で手法2が採用され,高圧水168の噴射が一時停止されている場合には,噴射停止装置15を切り替えて,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を再開させる。一方,上記ステップS110で手法1が採用された場合には,高圧水の噴射は継続されている。このようしにて噴射された高圧水168は,例えば,第1切断ラインLx2の始点(右端)にある始点用貫通孔26およびその下方の第1支持部材30−1の切断開始用貫通孔34を通過するので,基板20および第1支持部材30−1に対して作用することはない。
次いで,保持テーブル18をX軸正方向に所定速度で移動させることにより,噴射ノズル16を第1切断ラインLx2の始点(右端)に対応する位置から,第1切断ラインLx2の終点(左端)に対応する位置に相対移動させる。これにより,噴射ノズル16によって第1切断ラインLx2の始点から終点にかけてウォータージェット168を噴射して,第1切断ラインLx2をX軸負方向に切断することができる。
さらに,ステップS114では,例えばウォータージェット切断装置10の制御装置等によって,第1チャンネルCH1内の全ての第1切断ラインLx1〜6が切断されたか否かが判断される(ステップS114)。全ての第1切断ラインLx1〜6が切断されていないと判断された場合には,ステップS110に戻り,その後は,全ての第1切断ラインLx1〜6の切断が終了するまで,上記と同様にして,次の切断対象となる第1切断ラインLxの始点まで上記噴射ノズル16を無切断移動させる工程(ステップS110)と,高圧液の噴射によって当該第1切断ラインLxを切断する工程(ステップS112)とが繰り返される。
この結果,図10に示すように,第1チャンネルCH1を構成する第1切断ラインLx1〜6が,順次切断される。このとき,相隣接する第1切断ラインLxは,相互に,切断方向が反対方向になるようにして切断される。具体的には,例えば,第1切断ラインLx1,3,5はX軸正方向に切断され,第1切断ラインLx2,4,6はX軸負方向に切断される。このため,噴射ノズル16は,図10に示すような第1チャンネルCH1に沿ったジグザグ型(略矩形波形状)の移動軌跡で相対移動する。このようにして切断加工することにより,第1チャンネルCH1の全ての第1切断ラインLx1〜6を切断する際の,噴射ノズル16と保持テーブル16との相対移動距離を最小にすることができる。従って,高圧水の噴射量および加工時間を低減して,切断作業を効率化できる。
また,上記のような第1チャンネルCH1の切断加工中は,第1支持部材30−1によって基板20を支持しているので,薄い基板20であっても,ウォータージェット168の圧力で基板20が変形することがない,さらに,基板20を貫通したウォータージェット168は,貫通孔32を通過して下方に逃げることができるので,第1支持部材30−1と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることがない。従って,第1チャンネルCH1の各第1切断ラインLx1〜6を高精度で切断加工できる。
また,第1チャンネルCH1の第1切断ラインLx1〜6は,基板20の内側にあり,かつ,相互にクロスしていない。このため,第1切断ラインLx1〜6を切断しても,基板20が分割されることはない。
以上のようにして第1チャンネルCH1の全ての第1切断ラインLx1〜6が切断された場合には,ステップS116に進む。
次いで,ステップS116では,例えば,高圧水発生装置12の動作を停止させて,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を停止させる(ステップS116)。次のステップS118において,第2支持部材を取り付けるために,本ステップでは高圧水の噴射が停止される。以上までのステップS104〜S116で,第1チャンネル切断工程が終了する。
さらに,ステップS118では,第1支持部材30−1が保持テーブル18から取り外されて,第2支持部材が保持テーブル18に取り付けられる。(ステップS118)。上記のように,第1チャンネル切断工程において基板20は分割されていないので,本ステップで第1支持部材30−1を取り外したとしても,基板20の一部或いは全部が落下してしまうことはない。
その後,ステップS120では,例えば,図11に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とを相対移動させることにより,基板20の第2チャンネルCH2が一筆書き切断される(ステップS118:第2チャンネル切断工程)。具体的には,この第2チャンネル切断工程では,上記第1チャンネル切断工程とは異なり,高圧水の噴射を維持しながら,噴射ノズル16を図11の太実線で示すようなジグザグ型(略矩形波形状)の移動軌跡で所定速度で移動させることにより,基板20の第2チャンネルCH2を構成する第2切断ラインLy1〜5の全てを一筆書き切断する。このため,ある第2切断ラインLyの終点から次の第2切断ラインLyの始点に対応する位置まで噴射ノズル26を移動させる間も,高圧水の噴射によって基板20を切断することになる。かかる一筆書き切断加工により,第2チャンネルCH2の加工速度を高めることができる。なお,このように第2チャンネルCH2を一筆書き切断する場合には,例えば,基板20に予め設けられる貫通孔26,28として,最初に切断される第2切断ラインLy1の始点(下端)にのみ始点用貫通孔26を設けておくようにしていもよい。
このようにして,第1チャンネルCH1の切断後に第2チャンネルCH2が切断されることによって,基板20が格子状にダイシングされて複数の半導体チップCに分割されることになるが,かかる半導体チップCは第2支持部材によって支持されているため,バラバラになって脱落することがない。特に,上述したような真空吸着手段による真空吸着や,粘着テープによる粘着によって,個々の半導体チップCを第2支持部材上に固定することにより,より確実に半導体チップCの脱落を防止できる。
また,第2チャンネルCH2の切断加工後に保持テーブル18から第2支持部材を取り外すと,この第2支持部材上には複数の半導体チップCが載置された状態となる。このため,複数の半導体チップCを第2支持部材ごと搬出した上で,ピックアップすることができるので,ウォータージェット装置10では,即座に次の基板20の切断加工を開始できる。
以上,本実施形態にかかる切断方法について説明した。この切断方法では,第1チャンネル切断工程において,基板20の第1切断ラインLx1〜6の部分のみを切断して,第1切断ラインLx1〜6相互の間は切断しない。つまり,上記切断工程において,各切断ラインLxを切断し,上記無切断移動工程において,噴射ノズル16を,切断された切断ラインLxの終点に対応する位置から,次の第1切断ラインLxの始点に対応する位置に移動させる間は,基板20を切断しない。
これにより,第1チャンネル切断工程後の基板20は,図11に示したように,略平行に並んだスリット状の切断孔50が複数形成され,相隣接する切断孔50間に挟まれた短冊状の領域である切断部52は,4辺のうち例えばX軸方向(左右)2辺で支持された状態となる。このため,当該切断部52が反り返ったり,横ずれしたりしないので,第1チャンネル切断工程後の基板20は変形しない。従って,次の第2チャンネル切断工程において,第2チャンネルCH2を構成する第2切断ラインLy1〜5を正確に切断することが可能になる。また,反り返った切断部52が噴射ノズル16の先端に接触することもないので,第2チャンネルCH2の切断に支障を来すことがない。
さらに,基板20の金属フレーム22を完全には切り離さないので,分割された金属フレーム22の切り屑が発生しない。また,基板20の同じ箇所を2度切りしないので,切断品質を向上させることができる。
加えて,ウォータージェット168用の待機穴である始点用貫通孔28が,全ての切断ラインLの始点に設けてあるので,任意の切断ラインLから切断加工を開始することができ,また,切断途中で切断加工を停止することもできる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,被切断物としてQFN基板などの基板20の例を挙げて説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。被切断物は,複数の切断ラインを有するものであれば,例えば,CSP基板,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板や,半導体ウェハ,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材などであってもよい。また,被切断物の形状は,略矩形に限定されず,略円盤形状など任意の形状であってよい。さらに,被切断物の形状に合わせて,テーブル窓182,支持部材30,粘着テープ50等の形状を略矩形以外の形状に変更することもでき,また,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28の形成位置も変更できる。
また,上記実施形態では,切断ラインLは直線であったが,かかる例に限定されず,曲線であってもよい。また,上記実施形態にかかる基板20では,第1チャンネルCH1と第2チャンネルCH2は直交していたが,かかる例に限定されず,所定の角度θ(0<θ<90°)で交わる場合であってもよい。
また,本実施形態にかかる基板20では,図3に示したように,第1チャンネルCH1および第2チャンネルCH2の全ての切断ラインLの始点及び終点に,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28が予め形成されていたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,各切断ラインLの始点に始点用貫通孔26を形成するのみで,その終点に終点用貫通孔28を形成しなくてもよい。
また,上記実施形態にかかる第2チャンネル切断工程では,第2チャンネルCH2を一筆書き切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,第2チャンネル切断工程においても,上記第1チャンネル切断工程と同様に,第2切断ラインLyの切断工程と無切断移動工程とを繰り返して,第2チャンネルCH2を切断してもよい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,各第1切断ラインLx1〜6の切断方向をX軸正方向または負方向に交互に変えて,各第1切断ラインLx1〜6を順次切断する構成を採用し,この結果,噴射ノズル16の移動軌跡は図10に示したように,ジグザグ型(略矩形波形状)となったが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,第1チャンネルCH1の全ての第1切断ラインLx1〜6を同一方向(例えばX軸正方向)に切断するようにして,噴射ノズル16の移動軌跡を略鋸歯状にしてもよい。この場合には,2つの第1切断ラインLx間で噴射ノズル16を相対移動させるときに基板20の表面のチップ領域を高圧水で切削しないように,上記手法2を使用することが好ましい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,第1チャンネルCH1の第1切断ラインLx1〜6を,Lx1→Lx2→…→Lx6の順に切断したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,Lx6→Lx5→…→Lx1の順,Lx1→Lx3→Lx5→Lx2→Lx4→Lx6の順など,第1切断ラインLx1〜6の順序順序は任意の順序であってよい。
また,上記実施形態では,切断装置としてウォータージェット切断装置10を採用した例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。切断装置は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段を備え,高圧液の噴射によって被切断物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射する高圧液は,上記高圧水の例に限定されず,任意の液体であってもよい。また,高圧液中には必ずしも研磨材(砥粒)を混合しなくてもよく,高圧液の衝突エネルギーのみで被切断物を切断してもよい。
また,1台の切断装置に複数の高圧液噴射手段を設けて,1つの被切断物のうちの複数箇所,或いは,複数の被切断物を同時に切断加工できるように構成してもよい。この構成は,例えば,1つの金属フレーム22上に複数のパッケージ部分24が形成されているパッケージ基板などを切断する際に適用できる。
また,上記ウォータージェット切断装置10では,噴射ノズル16を固定して,基板20を保持する保持テーブル18を移動させることにより,基板20を切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,保持テーブル18上に固定された基板20に対して,噴射ノズル16を移動させることにより,基板20を切断してもよい。
また,上記実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,基板20を略垂直に切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,噴射ノズル16または基板20を傾けることにより,基板20を斜めに切断してもよい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,基板20を第1支持部材30−1によって支持しながら第1チャンネルCH1を切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,基板20が高圧水の圧力で変形しない程度に厚い場合などには,基板20を第1支持部材30−1によって支持することなく,保持テーブル18のみで保持した状態で,第1チャンネルCH1を切断してもよい。
本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する切断方法に適用可能であり,特に,切削ブレードを備えたダイシング装置では切断しにくいQFN基板等の難加工材を,高圧液の噴射によって切断する切断方法に適用できる。
本発明の第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置の構成を示す概略図である。 同実施形態にかかる保持テーブルおよびテーブル移動装置の構成を示す斜視図である。 同実施形態にかかる被切断物である基板を示す平面図(a)および正面図(b)である。 同実施形態にかかる第1支持部材を示す平面図である。 図5(a)は,同実施形態にかかる保持テーブルおよび支持部材の構成を示す斜視図であり,図5(b)は,同実施形態にかかる保持テーブルに取り付けられた基板および支持部材を示す断面図である。 同実施形態にかかる切断方法を示すフローチャートである。 同実施形態にかかる切断方法における最初の切断ラインの切断工程を説明するための工程説明図である。 同実施形態にかかる切断方法における無切断移動工程を説明するための工程説明図である。 同実施形態にかかる切断方法における次の切断ラインの切断工程を説明するための工程説明図である。 同実施形態にかかる切断方法における第1チャンネル切断工程を説明するための工程説明図である。 同実施形態にかかる切断方法における第2チャンネル切断工程を説明するための工程説明図である。 従来の第1チャンネルが一筆書き切断された基板を示す平面図である。 従来の一筆書き切断された基板の切断部が,反り返った状態(a)と,横ずれした状態(b)を示す部分拡大図である。
符号の説明
10 : ウォータージェット切断装置
12 : 高圧水発生装置
14 : 研磨材混合装置
15 : 噴射停止装置
16 : 噴射ノズル
18 : 保持テーブル
20 : 基板
22 : 金属フレーム
24 : パッケージ部分
26 : 始点用貫通孔
28 : 始点用貫通孔
30 : 支持部材
32 : 貫通溝
40 : テーブル移動装置
42 : キャッチタンク
44 : 研磨材回収装置
50 : 切断孔
52 : 切断部
168 : ウォータージェット
182 : テーブル窓
C : 半導体チップ
Lx : 第1切断ライン
Ly : 第2切断ライン
CH1 : 第1チャンネル
CH2 : 第2チャンネル

Claims (5)

  1. 高圧液を噴射する高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させることにより,前記被切断物の内側にある複数の切断ラインを切断する切断方法であって:
    前記高圧液噴射手段によって第n番目の切断ラインの始点から終点にかけて高圧液を噴射することにより,前記第n番目の切断ラインを切断する切断工程と;
    前記被切断物を切断することなく,前記高圧液噴射手段を前記第n番目の切断ラインの終点に対応する位置から第n+1番目の切断ラインの始点に対応する位置まで相対移動させる無切断移動工程と;
    を含むことを特徴とする,切断方法。
  2. 前記無切断移動工程では,
    前記高圧液噴射手段による高圧液の噴射を停止した状態で,前記高圧液噴射手段と前記被切断物とを相対移動させることを特徴とする,請求項1に記載の切断方法。
  3. 前記無切断移動工程では,
    前記高圧液噴射手段と前記被切断物とを前記被切断物の切断が生じないような高速度で相対移動させることを特徴とする,請求項1に記載の切断方法。
  4. 前記被切断物の少なくとも1つの切断ラインの始点には,予め貫通孔が形成されていることを特徴とする,請求項1,2または3のいずれかに記載の切断方法。
  5. 前記被切断物の第1チャンネルを切断した後に前記被切断物の第2チャンネルを切断することにより,前記被切断物を複数のチップに分割する場合において,少なくとも前記第1チャンネルの切断に適用されることを特徴とする,請求項1,2,3または4のいずれかに記載の切断方法。

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