JP4522243B2 - 高圧液噴射式切断装置 - Google Patents

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Description

本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の1〜3倍という流速を有する。この噴流のもつ圧力と流量を利用することにより,水のエネルギーをさまざまな分野に応用することができる。
近年では,このウォータージェットを使用して各種の被切断物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている(特許文献1および2参照)。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。アブレシブジェットは,高圧の水が被切断物に衝突することにより被切断物を削り取る力だけでなく,高圧の水の中に混入されている研磨材が衝突して被切断物を削り取る力も加わるため,高い切断能力を有する。この研磨材は,ガーネット,アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなる例えば直径数十〜数百μm程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被切断物に高速で衝突し,被切断物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被切断物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難切削材の切断にも適しているという利点もある。
このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板を切断するために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェット切断装置による切断加工が検討されている。
ウォータージェットによって基板をチップ状に切断する場合には,通常,まず,同じ方向にある全ての切断ライン(以下,第1チャンネルという。)を切断し,次いで,第1チャンネルに対して直交する方向にある全ての切断ライン(以下,第2チャンネルという。)を切断している。
ところで,ウォータージェット切断装置では,高圧ポンプ等の高圧水発生装置を用いて発生させた高圧水を噴射ノズルから噴射しているが,この高圧水発生装置を一度停止させてしまうと,再稼動させるまでに長時間を必要としてしまう。したがって,基板の第1チャンネルおよび第2チャンネルを切断するときには,高圧水発生装置を連続動作させて,ウォータージェットをジグザグ型の軌跡で連続的に噴射して,基板の第1チャンネルを構成する全ての切断ラインを一筆書きで切断することが好ましい。
しかし,このように,第1チャンネルがジグザグ型に一筆書き切断された基板では,短冊状に切断された切断部が4辺のうち1辺のみでしか支持されていない状態となる。このため,特にパッケージされた基板などでは,切断部が垂直方向に反り返ったり,水平方向に横ずれしたりして,基板が変形してしまうことがあった。したがって,次の第2チャンネルの切断を正確に行うことができない,という問題があった。
かかる問題を解決するために,本出願人は,第1チャンネルの切断時において,噴射ノズルが隣接する切断ライン間を移動するときに,高圧水発生装置を停止させずに高圧水を別の経路に切り換えて放出させることにより一時的に噴射ノズルからの高圧水の噴射を停止させるか,あるいは切断されない速度で噴射ノズルを移動させることによって,隣接する切断ライン間を切断しない,という方法を提案した。
この方法によれば,第1チャンネルを切断したときに,被切断物は平行に並んだスリット状の切断穴を複数持った状態となり,切断部が4辺のうち2辺で支持されるので,切断部が垂直方向に反り返ったり,水平方向に横ずれしたりすることを防止することができる。
実開平2−15300号公報 特開2000−246696号公報
上述した方法によれば,確かに,第1チャンネルの切断によって,切断部が垂直方向に反り返ったり,水平方向に横ずれしたりするというような大きな変形はなくなった。
しかしながら,基板にウォータージェットの圧力が加わるため,どうしても基板に歪みが生じてしまう。被加工物が基板のようなミクロン単位の精度を要求される場合には,わずかな歪みであっても,次の第2チャンネルの切断において,切断ラインを正確に切断できない要因となっていた,という問題があった。
また,少なくとも第2チャンネルの切断終了後には,基板がチップ状に切り離された状態となるため,それらがバラバラにならないように支持部材で支持してやる必要があるが,それを行うためには,基板と支持部材との間を接着テープまたは接着剤などの接着手段で固定しなければならない。一方で,切断されたチップを支持部材から取り外すときには,接着テープまたは接着剤から剥離させるため,その接着力を弱める工夫や工程を必要とすることや,チップや支持部材に接着剤が付着して,それを除去することにも手間がかかることが,生産効率を低下させていた,という問題もあった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,被切断物を正確にチップ状に切断するとともに,被切断物の第2チャンネルの切断時に,被切断物と支持部材とを固定するために接着手段を使用しなくてもチップ上に切断された基板を支持することが可能な,新規かつ改良された高圧液噴射式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,高圧液噴射手段から噴射される高圧液によって,被切断物の第1チャンネルおよび第2チャンネルを切断することにより,被切断物を複数のチップに分割する高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置は,第1チャンネルの切断により被切断物に形成された切断溝に係合する突起部が設けられた板状の支持部材を備え,上記突起部を上記切断溝に係合させて第1チャンネルが切断された被切断物を支持部材で支持しながら,高圧液を噴射することにより,第2チャンネルを切断することを特徴とする。
ここで,「チャンネル」とは,同一方向にある全ての切削ラインをいう。また,「第1チャンネル」とは,同じ方向の全ての切断ラインであり,「第2チャンネル」とは,第1チャンネルに対して所定角度を有する方向(例えば略直交する方向)の全ての切断ラインをいう。
かかる構成を有することから,本発明に係る高圧液噴射式切断装置においては,支持部材の表面に設けられた突起部と,第1チャンネルの切断工程により形成された切断溝とを係合させ,かつ支持部材と被切断物を密着させることにより,第1チャンネル切断工程により生じた被切断物の歪みを矯正することができる。したがって,本発明に係る高圧液噴射式切断装置は,被切断物を高精度で切断することができる。
また,第1チャンネルの切断後に第2チャンネルを切断した場合,被切断物は複数のチップに分割されることになるが,かかるチップを支持部材によって支持することにより,分割された各チップがバラバラになることを防止することができる。
さらに,上記のように,被切断物の切断溝と支持部材の突起部との係合のみによって,上記支持部材の隣接する突起部の間に,分割された各チップを挟み込んで支持固定することができるので,接着テープや接着剤を使用する必要がなくなる。さらに,接着テープや接着剤を使用しないことから,従来のように,接着テープや接着剤を付与する工程や除去する工程も不要となるので,生産効率を高めることが可能となる。
また,支持部材は,第2チャンネルの一筆書き切断に対応する位置に連続形成された貫通溝を有するように構成してもよい。
ここで,「一筆書き切断」とは,高圧液の噴射を停止することなく,被切断物を1本の切断ラインで連続的に切断することをいう。また,「チャンネルの一筆書き切断」とは,そのチャンネルに含まれる全ての切断ラインを一筆書きで連結したラインを連続的に切断することをいう。
かかる構成により,高圧液の噴射によって第2チャンネルを切断するときに,その切断ラインに対応した貫通溝を有する支持部材によって被切断物を支持しながら,切断加工することができる。このため,被切断物が薄い場合であっても,高圧液の圧力で被切断物が変形することを防止できる。また,被切断物を貫通した高圧液の噴流を,支持部材の貫通溝を通過させて逃がすことができる。このため,高圧液の噴流が支持部材によって跳ね返って,被切断物を浮き上がらせることを防止できる。従って,被切断物の少なくとも1つのチャンネルを,高精度で切断することができる。
また,上記高圧液には,研磨材が含まれているように構成してもよい。かかる構成により,被切断物に衝突した研磨材が被切断物の一部を削り取るため,高圧液の噴射による切断効率を一層向上することができる。
また,上記第1チャンネルの切断では,高圧液噴射手段によって第1チャンネルを構成する複数の切断ラインに沿って高圧液を噴射しながら複数の切断ラインを切断し,隣り合う切断ライン間では,被切断物を切断することなく,高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させることにより,被切断物に略平行に並んだ複数の切断溝を形成するように構成してもよい。
このように,被切断物の第1チャンネルを構成する複数の切断ラインのみを切断して,隣り合う切断ライン相互の間は切断しないようにすることによって,被切断物に略平行に並んだ複数の切断溝,すなわち,スリット上の切断溝が複数形成されることになる。したがって,隣り合う切断溝間の切断部は,例えば4辺のうち2辺で支持された状態となる。このため,切断部が反り返ったり横ずれしたりして変形することがない。
また,上記のように,隣り合う切断ライン間においては,被切断物を切断することなく,高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させているが,このとき,高圧液噴射手段による高圧液の噴射を停止した状態で,高圧液噴射手段と被切断物とを相対移動させるように構成してもよいし,あるいは,上記無切断移動は,高圧液噴射手段と被切断物とを被切断物の切断が生じないような高速度で相対移動させるように構成してもよい。
以上説明したように,本発明によれば,第2チャンネルを切断する際に,支持部材を使用することにより,第1チャンネルを切断したときに被切断物に生じた歪みを矯正できるため,被切断物を正確にチップ状に切断することが可能であるとともに,被切断物と支持部材とを固定するために接着手段を使用しなくても,チップ上に切断された基板を支持することが可能な,高圧液噴射式切断装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本実施形態に係るウォータージェット切断装置の概要について説明する。なお,図1は,本実施形態に係るウォータージェット切断装置10の構成を概略的に示す説明図である。
図1に示すように,本実施形態に係るウォータージェット切断装置10は,被切断物に対して高圧水を噴射することにより,被切断物を比較的自由な切断ラインで切断加工(すなわち,ウォータージェット加工)することが可能な装置である。
かかるウォータージェット切断装置10は,例えば,高圧水発生装置12と,研磨材混合装置14と,噴射停止装置15と,噴射ノズル16と,保持テーブル18と,支持部材30と,テーブル移動装置40と,キャッチタンク42と,研磨材回収装置44と,から構成される。
高圧水発生装置12は,例えば,高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生および供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧水発生装置12によって発生させられた高圧水は,高圧水配管を通じて研磨材混合装置14に供給される。
研磨材混合装置14は,高圧水発生装置12から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材(砥粒)を混合する。この研磨材は,例えば,ガーネット,ダイヤモンド,アルミナ等の高硬度の材質からなる,例えば数十〜数百μm程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高めることに寄与する。本実施形態では,この研磨材として,例えば40〜100μmのアルミナを使用する。かかる研磨材が混合された高圧水は,例えば,高圧配管を通って噴射停止装置15を介して噴射ノズル16に供給される。
この研磨材混合装置14のより具体的な構成について説明する。研磨材混合装置14は,例えば,2つの混合貯留タンク(図示せず)と,タンク切替装置(図示せず)とから構成できる。混合貯留タンクは,研磨材が混合された水を貯留するタンクであり,上記高圧水発生装置12から高圧水が供給されるとともに,後述する研磨材回収装置44から研磨材が供給される。タンク切替装置は,2つの混合貯留タンクのうちいずれか一方を,高圧水発生装置12および噴射ノズル16に連通させる切替バルブ等である。
かかる構成により,高圧水発生装置12から供給された高圧水の圧力によって,いずれか一方の混合貯留タンクに貯留されている研磨材および水を高圧で押し出して噴射ノズル16に供給するとともに,もう一方の混合貯留タンクでは,研磨材回収装置44によってリサイクルされた研磨材と水とを混合して貯留しておくことができる。そして,一方の混合貯留タンク内の研磨材が所定レベル以下に減少した場合には,タンク切替装置によって混合貯留タンクを切り替えて,上記と同様にして,研磨材入りの水の供給と貯留とを行う。これにより,研磨材が混合された高圧水を,噴射ノズル16に安定して連続供給することができる。
噴射停止装置15は,噴射ノズル16から高圧液の噴射を一時停止させる装置である。この噴射停止装置15は,例えば,噴射ノズル16およびキャッチタンク42と連通された切替バルブ等で構成されており,研磨材混合装置14から供給された高圧水を,噴射ノズル16またはキャッチタンク42のいずれか一方に供給する。かかる構成により,基板20の切断加工を行う場合には,噴射停止装置15は,高圧水の供給先を噴射ノズル16からキャッチタンク42に切り替えて,キャッチタンク42の高圧を排出し,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を停止させることができる。このような噴射停止装置15を設けることにより,上記高圧水発生装置12の動作を停止させることなく,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を一時的に停止させることができる。
噴射ノズル16は,本実施形態にかかる高圧液噴射手段として構成されており,例えば,上記のようにして研磨材が混合された高圧水を,被切断物である基板20に対して上方から高速で噴射する。この噴射ノズル16は,切断加工時には,例えば,装置の基台部(図示せず。)などに対してネジ等の固定部材によって安定的に固定されている。また,加工準備時には,例えば,当該ネジを弛緩させることにより,噴射ノズル16をZ軸方向(垂直方向)に移動させることも可能である。これにより,基板20の種類,大きさに応じて,噴射ノズル16と基板20とのZ軸方向の距離を調整できる。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル16の先端部には,オリフィス162が装着されている。このオリフィス162は,高圧水の噴出径を小さくするための部材であり,オリフィスカバー164をネジ止めすることにより噴射ノズル16先端部に固定されている。
かかる噴射ノズル16から噴射される高圧水の噴流(即ち,ウォータージェット168)の速度は,例えば音速の約1〜3倍である。また,この噴射ノズル16の先端と基板20との距離は,例えば50μm〜1mmであり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル16と基板20を近づけることで,噴射された高圧水の拡散を極力抑え,基板20の切断幅が広くなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル16の口径(オリフィス166の内径)は例えば約250μmであり,この場合,基板20の切断幅は例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル16によって研磨材を含む高圧水を基板20に噴射することにより,高圧水のエネルギーによって基板20を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに基板20に衝突して基板20の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。
保持テーブル18は,例えば,ステンレス等の硬質な金属で形成された板状部材であり,被切断物である基板20を保持・固定する被切断物保持手段として機能する。この保持テーブル18の詳細については後述する。
支持部材30は,第2チャンネルの切断の際に使用され,例えば,上記保持テーブル18のテーブル窓182の部分に装着される略矩形状の板状部材であり,基板20を下方から支持する。この支持部材30の詳細については後述する。
テーブル移動装置40は,例えば,上記保持テーブル18を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させる機能を有する。このテーブル移動装置40は,それぞれ,電動モータ,ギヤ等の駆動機構(図示せず。)および筐体などで構成されたY軸方向移動部およびX軸方向移動部(ともに図示せず。)からなる。Y軸方向移動部は,例えば,保持テーブル18のテーブル窓182とは他側の一端に連結されており,保持テーブル18をY軸方向に平行移動させることができる。X軸方向移動部は,例えば,Y軸方向移動部の一端に連結されており,Y軸方向移動部とともに保持テーブル18をX軸方向に平行移動させることができる。
このようなテーブル移動装置40によって保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,保持テーブル18によって保持されている基板20を噴射ノズル16に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,噴射ノズル16を基板20に対して相対移動させて,基板20上の切断ラインを連続的に切断することができる。この切断時の基板20の送り速度は,切断される基板20の厚みや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。
また,テーブル移動装置40によって保持テーブル18を高速移動させることにより,噴射ノズル16から高圧水を噴射しながらも,基板20を切断することなく,噴射ノズル16を基板20に対して相対移動させることができる。これにより,上記高圧水発生装置12の動作を停止させることなく,噴射ノズル16を基板20上のある切断ラインの終点に対応する位置から次の切断ラインの始点に対応する位置まで移動させることが可能となる。この高速移動時の基板20の送り速度は,基板20の厚みや材質等によって異なるが,例えば200mm/秒である。
なお,保持テーブル18およびテーブル移動装置40の構成は,上述した例に限定されるものではなく,保持した基板20を水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。また,保持テーブル18を固定して,噴射ノズル16を水平方向に移動可能に構成してもよい。また,本実施形態では,上記保持テーブル18によって基板20を固定・固定しているが,かかる例に限定されず,例えば,各種の載置台,治具などによって基板20を保持・固定してもよい。
キャッチタンク42は,例えば,上記保持テーブル18の下方に設けられ,上面が開放された貯留槽である。このキャッチタンク42は,所定の高さまで研磨材を含む水を貯留しており,この水面の高さを一定に保つために水の供給及び排出が制御されている。かかるキャッチタンク42は,貯留している水を緩衝材として,上記のようにして基板20を切断して貫通した研磨材を含む高圧水の噴流(即ち,ウォータージェット168)の威力を弱めて,かかる高圧水を受け取ることができる。また,キャッチタンク42の底部からは,研磨材と水が排出される。なお,かかるキャッチタンク42の貯留水内に研磨材を投入することにより,研磨材を水に混合して,ウォータージェット切断装置10内で循環利用することができる。
研磨材回収装置44は,上記キャッチタンク42から排出された研磨材を含む水から,研磨材を回収して再利用する装置である。この研磨材回収装置44は,例えば,排出路内に配設され,適切な大きさの研磨材が通過可能な研磨材回収フィルタと,研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留して送出するホッパーと,回収された研磨材を研磨材混合装置14の混合貯留タンクに供給するための研磨材回収ポンプと,不要な水および研磨材を外部に排出するための排水ポンプ(いずれも図示せず。)とを備える。
かかる構成の研磨材回収装置44は,切断加工に適切な所定範囲の大きさの研磨材のみを回収することができる。具体的には,上記排水ポンプを用いて研磨材を含む水の流速を上げることによって,過度に小さい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過することなく水流に乗って排出される。また,過度に大きい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過できないため,これも排水とともに排出される。このため,粒径が切断加工に適切な所定範囲(例えば,研磨材の最適な粒径を約80μmとすると,粒径が40〜120μmの範囲)にある大きさの研磨材のみが,研磨材回収フィルタを通過して回収され,研磨材混合装置14に送出されて再利用される。一方,上記所定範囲外の大きさの研磨材と水は,廃液として処理される。これは,過度に小さい研磨材は再利用しても研磨に寄与できず,一方,過度に大きい研磨材は噴射ノズル16が詰まる原因となるからである。
以上のような構成のウォータージェット切断装置10は,研磨材が混合された高圧水を噴射ノズル16から噴射しながら,当該噴射ノズル16と保持テーブル18とを基板20の切断ラインに沿って相対移動させることにより,基板20の切断ラインを切断加工することができる。この切断加工時には,上述したように,高圧ポンプ等の高圧水発生装置12を一度停止させてしまうと,再稼動させるまでに非常に時間がかかるので,高圧水発生装置12を停止させることなく,同一チャンネル内の全ての切断ラインを切断することが好ましい。ただし,本実施形態にかかる第1チャンネルの切断方法では,後述するように,同一チャンネル内の各切断ラインは切断するが,切断ラインと切断ラインとの間は切断しないようにしている。
次に,図2に基づいて,本実施形態に係る被切断物である基板20について説明する。なお,図2(a)および(b)は,本実施形態に係る被切断物である基板20を示す平面図および正面図である。
上記のようなウォータージェット切断装置10の切断対象としては,特に限定されるものではないが,例えば,半導体素子がパッケージ化された基板(以下,パッケージ基板という。)が挙げられる。
本実施形態では,被切断物である基板20として,図2に示すようなQFN(Quad Flat Non−leaded Package)基板を例に挙げて説明する。QFNは,ICチップのパッケージ方法の一つであり,外部入出力用のピンが外部に現れていない点が特徴である。
図2に示すように,QFN基板である基板20は,例えば,全体として略矩形の平板形状を有しており,ベースとなる金属フレーム22と,この金属フレーム22の一側に突出形成されたパッケージ部分24とからなる。パッケージ部分24は,規則的に配列された複数の半導体素子を樹脂でモールドした部分であり,その外形は金属フレーム22の外形より小さい。
パッケージ部分24には,図2に示したように,複数の半導体チップCが規則的に配列形成された領域である回路領域24−1,24−2,24−3(図2(a)の実線で囲んだ領域)が形成されている。本実施形態においては,回路領域が3つ形成される例を示しているが,回路領域の数は3つには限られず,1つのパッケージ部分24に,1つ,2つ,または4つ以上形成されていてもよい。なお,3つの回路領域24−1,24−2,24−3は,いずれも同一の構成を有しているので,以下,中央に配置された回路領域24−2を例に挙げて説明する。
回路領域24−2には,回路領域24−2を個々の半導体チップCに分割するために,例えば,2方向に複数の第1切断ラインLx1〜6および第2切断ラインLy1〜5(以下では「切断ラインL」と総称する場合もある。)が定められている。このうち,第1切断ラインLx1〜6は,例えば,第1の方向(X軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する線分であり,第1チャンネルCH1を構成している。一方,第2切断ラインLy1〜5は,例えば,上記第1の方向に対して直交する第2の方向(Y軸方向)に延びる略平行で略同一の長さを有する線分であり,第2チャンネルCH2を構成している。
上記のような高圧水の噴射によって,まず第1チャンネルCH1を切断し,次いで第2チャンネルCH2を切断することにより,基板20の回路領域24−1,24−2,24−3を格子状にダイシングして,略矩形状を有する複数の半導体チップCに分割することができる。なお,上記切断ラインLは,基板20表面の内側にある線分となるように定められている。換言すると,全ての切断ラインLの両端は,基板20の外縁部に至ることなく,基板20表面の内側部分に位置している。このため,いずれの切断ラインLを切断しても,基板20全体を2つに分断することはない。
また,例えば,第1および第2チャンネルCH1,2の各切断ラインLx1〜6,Ly1〜5の両端の例えば金属フレーム22の部分には,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28がそれぞれ形成されている。この始点用貫通孔26および終点用貫通孔28は,例えば,ウォータージェット切断装置10とは異なる別途の穿孔手段(図示せず。)によって切断加工前に予め穿孔されている。この始点用貫通孔26および終点用貫通孔28の径は,上記ウォータージェット168の直径よりも大径(例えば切断幅〜1mm)であり,その形状は,図示のような円形に限られず,四角等の多角形,楕円形など任意の形状であってよい。
このうち,始点用貫通孔26は,各切断ラインLの始点(切断開始点)となる位置に形成されており,当該切断ラインLの切断開始時における,ウォータージェット168の待機孔として機能する。即ち,かかる始点用貫通孔26を各切断ラインLの始点に予め形成しておくことにより,当該切断ラインLの切断開始時に,噴射ノズル16から噴射されたウォータージェット168は,始点用貫通孔26を通過して,基板20に直接作用しない。このため,各切断ラインLの始点におけるウォータージェット168と基板20との最初の衝突によって,基板20の割れ,クラック,破断バリが発生することを防止できるだけでなく,跳ね返った水や研磨材が基板20の表面上に飛散して汚染することを防止できる。
一方,終点用貫通孔28は,各切断ラインLの終点(切断終了点)となる位置に形成されており,当該切断ラインLの切断終了時における,ウォータージェット168の待機穴として機能する。即ち,かかる終点用貫通孔28を各切断ラインLの終点に予め形成しておくことにより,当該切断ラインLの始点から終点にかけて切断してきたウォータージェット168は,終点用貫通孔28を通過して,基板20に直接作用することなく待機することができる。このため,停止しているウォータージェット168と基板20とが必要以上に衝突して,基板20の割れ,クラック,破断バリが発生することを低減できる。
このように,始点用貫通孔26と終点用貫通孔28とは,例えば,各切断ラインLの始点に位置するか終点に位置するかによって機能的に相違するのみであり,実質的には略同一の構成を有する貫通孔である。なお,各切断ラインLには,終点用貫通孔28は必ずしも形成されなくてもよく,例えば,始点用貫通孔26のみを形成してもよい。ただし,始点用貫通孔26と終点用貫通孔28とを区別することなく,全ての切断ラインLの始点および終点に貫通孔26,28を形成する方が,始点のみを選んで始点用貫通孔26を形成するよりも,穿孔作業が容易であり,基板20の生産性が高まるので好ましい。
次に,図3に基づいて,上記のような基板20および支持部材30を保持テーブル18に取り付ける手法と,基板20を支持部材30によって安定的に支持・固定するための構成について説明する。なお,図3は,本実施形態に係る保持テーブル18および支持部材30の構成を概略的に示す斜視図である。
図3に示すように,保持テーブル18には,基板20および支持部材30が固定される部分に,高圧液通過用の開口部であるテーブル窓182が形成されている。このテーブル窓182は,例えば,支持部材30に対応した形状(例えば略矩形状)を有しており,その大きさは支持部材30の外形よりも若干小さい。かかるテーブル窓182の部分に,分離保持部材184または支持部材30を介して基板20を配置することにより,保持テーブル18は,例えば,基盤20の外周部を保持・固定することができる。また,上記噴射ノズル16が噴射した高圧水は,このテーブル窓182の部分を通過するため,高圧水によって保持テーブル18自体が切断されることはない。
また,保持テーブル18は,テーブル窓182に対して着脱可能に構成された分離保持部材184を有している。分離保持部材184は,第1チャンネルCH1の切断の際に基板20を保持テーブル18に保持するために使用される。分離保持部材184は,例えば,その内部に,基板20が挿入される開口部184aと,上面側に,カバー184bと,例えば2つの係止ピン184cと,が設けられている。カバー184bは,基板20を上部より覆って固定する。係止ピン184cは,カバー184bに形成された係止ピン用貫通孔184dに挿入されることで,カバー184bを係止することができる。
また,支持部材30は,第2チャンネルCH2の切断の際に基板20を下方から支持しながら保持テーブル18に保持するために使用される。支持部材30は,例えば,その上面側に,基板20の内側に略平行に並んで形成された複数の切断溝20aに係合する複数の突起部32と,第2チャンネルCH2の一筆書き切断に対応する位置に連続形成された貫通溝34と,が設けられている。本実施形態においては,切断溝20aおよび突起部32は,ともに,1つのパッケージ基板につき6本ずつ,計18本形成されているが,かかる例には限られない。また,貫通溝34は,上述した基板20に形成された5本の切断ラインLy1〜5に沿って一筆書き切断できるようにジグザグ型に連続形成されている。
第1チャンネルの切断の際に基板20を保持テーブル18に取り付ける場合には,以下のようにする。まず,例えば,図3に示すように,基材20をパッケージ部分24を下向きにして分離保持部材184の開口部184aに挿入し,基板20の金属フレーム22側をカバー184bで覆って,カバー184bの係止ピン用貫通孔184dに係止ピン184cを挿入する。そして,基板20を保持した状態の分離保持部材184をテーブル窓182に嵌め込むようにして保持テーブル18に装着する。
このような構成の分離保持部材184によって基板20を保持しながら切断することで,上方から高圧水の圧力が加わっても基板20が変形せず,かつ,基板20を貫通した高圧水は開口部184aを通過して下方に逃げるので,分離保持部材184と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることもない。
かかる分離保持部材184は,上述したように,保持テーブル18に対して着脱可能に構成されている。このため,第1チャンネルCH1の切断時には,分離保持部材184を装着して基板20を支持しながら切断する。なお,分離保持部材184を保持テーブル18と一体化してもよい。
また,第2チャンネルCH2の切断の際には,例えば,図3に示すように,第1チャンネルCH1の切断により基板20に形成された複数(本実施形態においては18本)の切断溝20aに,該切断溝20aと同一の本数の突起部32を係合させて,支持部材30により基板20を支持する。そして,基板20を支持した状態の第2保持部材30をテーブル窓182に嵌め込むようにして保持テーブル18に装着する。ここで,本実施形態においては,切断溝20aと突起部32の本数が同一のものの例について説明しているが,同一の場合に限られず,突起部32の数が切断溝20aの数よりも少ない場合であってもよい。ただし,切断溝20aと突起部32の本数が同一の場合の方が,第2保持部材30が基板20をより強固に支持することができるため,好ましい。
このようにして基板20を支持した支持部材30を保持テーブル18に設置することにより,切断加工中に基板20がずれたり脱落したりしないように,基板20を保持テーブル18に固定することができる。
次に,図4〜6に基づいて,本発明の特徴部分である支持部材30についてさらに詳細に説明する。なお,図4,5および6は,それぞれ,本実施形態に係る支持部材30の斜視図,上面図および側断面図である。ここで,図6のみ,支持部材30により基板20が支持された状態を示している。
図4〜6に示すように,支持部材30は,例えば,アルミニウム等の金属または塩化ビニル等の樹脂のような材質でできた板状部材であり,その大きさは,基板20のパッケージ部分24に対応しており,分離保持部材184と略同一の大きさを有している。
支持部材30には,例えば,その上面側に,X軸方向に延びる板状の18個の突起部32が形成されている。この突起部32の幅(Y軸方向の長さ)は,第1チャンネルCH1切断工程で形成された基板20の切断溝20aの幅よりも若干小さくなるように形成されている。また,突起部32の長さ(X軸方向の長さ)は,基板20の切断溝20aの長さよりも若干短くなるように形成されている。この18個の突起部32は,それぞれ,上記基板20の第1チャンネルCH1の第1切断ラインLx1〜6に対応する位置に形成されている。かかる構成により,18個の突起部32を,被切断物である基板20の内側に平行に並んで形成された18本の切断溝20aと係合させることができる。
このように,基板20の複数の切断溝20aのそれぞれに支持部材30の複数の突起部32を係合させ,かつ支持部材30の上面と基板20のパッケージ部分24の表面とを密着させることにより,第1チャンネルCH1の切断工程においてウォータージェット168の圧力により生じた基板20の歪みを矯正することができる。したがって,本実施形態に係るウォータジェット切断装置10は,第2チャンネルCH2の切断の際に支持部材30を使用することにより,被切断物である基板20を正確に複数の半導体チップCに分離することができる。
また,第1チャンネルCH1の切断後に第2チャンネルCH2を切断した場合,基板20は複数の半導体チップCに分割されることになるが,かかる半導体チップCを支持部材30によって支持することにより,分割された各半導体チップCがバラバラになることを防止することができる。具体的には,支持部材30は,複数の突起部32のうち隣接する突起部32の間に,第2チャンネルCH2切断工程で分割された各半導体チップCを挟み込んで支持固定することにより,分割された各半導体チップCがバラバラにならないように保持することができる。すなわち,各半導体チップCは,4辺のうち相対向する2辺が支持部材30の突起部32により支持されることとなる。
さらに,上記のように,基板20の複数の切断溝20aと支持部材30の複数の突起部32との係合のみによって,支持部材30の隣接する突起部32の間に,切断された基板20を挟み込んで支持固定することができるので,接着テープや接着剤などの接着手段を使用しなくても,分離された各半導体チップCがバラバラになることはない。このように,接着手段を使用する必要がなくなることから,従来のように,接着テープや接着剤を付着させる工程や除去する工程も必要でなくなるため,生産効率を著しく高めることが可能となる。
また,支持部材30には,貫通溝34がジグザグ型に連続して形成されている。この貫通溝34は,板状の支持部材30をZ軸方向に貫通して形成されており,基板20を切断して貫通した高圧水を下方に逃がすことができる。この貫通溝34の溝幅は,上記ウォータージェット168の直径及び基板20の切断幅よりも若干大きくなるように調整されており,例えば300μm以上である。
この貫通溝34は,図4および5に示すように,支持部材30によって基板20を支持した場合に,上記第2チャンネルCH2を構成する第2切断ラインLy1〜5を一筆書き切断できるように,ジグザグ型に連続形成されている。換言すると,貫通溝34は,支持部材30によって基板20を支持した場合に,上記第2チャンネルCH2の一筆書き切断のラインに対応するような位置に連続形成された略矩形波形状の貫通溝である。
また,この貫通溝34は,上記複数の突起部32と略直角に交差しており,突起部32の貫通溝34との交差部分には,貫通溝34の溝幅と同じ幅の分断部32aが形成されている。本実施形態においては,この分断部32aは,基板20の切断ラインLy1〜5の数に対応して,各突起部32に例えば5つずつ形成されている。
なお,この貫通溝34は,通常,基板20の切断ラインLy1〜5に合わせてウォータージェット切断装置10によって形成されるが,支持部材30の作成時に一体的に形成してもよい。
このような構成の貫通溝34を支持部材30に設けることにより,支持部材30で支持された基板20に高圧水を噴射したときに,支持部材30を切断することなく,基板20の第2チャンネルCH2(第2切断ラインLy1〜5)のみを一筆書き切断することができる。特に,突起部32に分断部32aが存在することにより,基板20の第2チャンネルCH2の際に突起部の破損を防止することができる。このとき,基板20は支持部材30によって下方から支持されているので,上方から高圧水の圧力が加わっても変形せず,かつ,基板20を貫通した高圧水は貫通溝34を通過して下方に逃げるので,支持部材30と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることもない。さらに,第1チャンネルの切断後に第2チャンネルを一筆書き切断した場合,基板20は複数の半導体チップCに分割されることになるが,かかる半導体チップCは支持部材30によって支持されているので,バラバラになることもない。
また,上記貫通溝34の両端には,例えば,ウォータージェット168の直径よりも大径の第2切断開始用貫通孔36および第2切断終了用貫通孔38が形成されている。このうち第2切断開始用貫通孔36は,上述した基板20の第2始点用貫通孔26に対応する位置に設けられている。かかる構成により,第2チャンネルCH2の一筆書き切断加工の開始時または終了時に,第2切断開始用貫通孔36または第2切断終了用貫通孔38を通過するようにウォータージェット168を待機させて,ウォータージェット168による支持部材30の破損を防止できる。
上述したような支持部材30の材質としては,基板20を支持するに足る程度の硬度を有していればどんなものであってもよいと考えられる。ただし,例えばアルミニウムなどの金属を用いると加工が行いやすくなるため,加工性の面からみると,アルミニウムのような金属が好ましい。一方,例えば塩化ビニル等の樹脂を使用すると,被切断物である基板20と支持部材30との摩擦力が大きくなるため,基板20と支持部材30との密着性の面からみると,塩化ビニルのような樹脂が好ましい。支持部材30の材質は,被切断物の種類によって選択される。
次に,図7〜図12に基づいて,上記構成のウォータージェット切断装置10を用いて基板20を切断する方法について詳細に説明する。
まず,図7〜図9を参照しながら,第1チャンネルCH1切断工程について説明する。なお,図7は,本実施形態に係る第1チャンネルCH1切断工程における切断方法を示すフローチャートであり,図8は,本実施形態に係る第1チャンネルCH1切断工程を説明するための工程説明図であり,図9は,第1チャンネルCH1切断後の基板20の状態を示す平面図である。また,図8において,太実線の矢印は,基板20が実際に切断されている場合の噴射ノズル16の移動軌跡を表し,点線の矢印は,基板20が切断されていない場合の噴射ノズル16の移動軌跡を表すものとする。また,以下の説明では,基板20における3つの回路領域24−1,24−2,24−3のうち,中央に配置された回路領域24−2を例に挙げて説明する。
図7に示すように,まず,分離保持部材184により保持された基板20が保持テーブル18に設置される(S102)。なお,本実施形態では,分離保持部材184によって基板20を保持しながら第1チャンネルCH1を切断する例について説明するが,かかる例に限定されず,分離保持部材184を装着しないで第1チャンネルCH1を切断してもよい。
次いで,以下のステップS104〜S118では,基板20の第1チャンネルCH1が切断される(第1チャンネル切断工程)。本実施形態では,図8に示すように,高圧水発生装置12の動作を停止することなく,第1チャンネルCH1を構成する6つの第1切断ラインLxを,Lx1→Lx2→Lx3→→Lx4→Lx5→Lx6の順に,切断方向をX軸正方向または負方向に交互に変えながら切断していく。
具体的には,まず,保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,噴射ノズル16を基板20の第1チャンネルの切断開始位置の上方に配置する(S104)。この第1チャンネルの切断開始位置は,例えば,第1切断ラインLx1の始点(右端)にある始点用貫通孔26である。なお,この時点では,噴射ノズル16から高圧水は噴射されていない。
次いで,高圧水発生装置12の動作を開始させて,噴射ノズル16から高圧水を噴射させる(S106)。このようにして噴射された高圧水(ウォータージェット)168は,第1切断ラインLx1の始点にある始点用貫通孔26および分離保持部材184の開口部184aを通過するので,基板20および分離保持部材184に対して作用することはない。
さらに,図8に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とをX軸負方向に相対移動させることにより,第1チャンネルの最初の第1切断ラインLx1が切断される(S108:最初の切断ラインの切断工程)。
かかる切断の結果,噴射ノズル16は,高圧水を噴射したままの状態で,第1切断ラインLx1の終点(左端)にある終点用貫通孔28の上方に配置される。このとき,噴射された高圧水168は,例えば,当該終点用貫通孔28および分離保持部材184の開口部184aを通過するので,基板20および分離保持部材184に対して作用することはない。
次いで,基板20を切断することなく,噴射ノズル16が,切断された第1切断ラインLx1の終点(左端)に対する位置から,次の切断対象である第1切断ラインLx2の始点(左端)に対応する位置まで相対移動される(S110:無切断移動工程)。
本実施形態では,上記のように,ある切断ラインLx(n)の終点から次の切断ラインLx(n+1)の始点まで噴射ノズル16を相対移動させる際に,基板20を切断しない(無切断移動)を特徴としている。かかる無切断移動を実現するために,例えば,基板20の切断が生じないような高速度で噴射ノズル16と基板20とを相対移動させる手法や,あるいは上述した噴射停止装置15を用いて噴射ノズル16からの高圧水168の噴射を停止させる手法を採用できる。
このように,本実施形態では,高圧水発生装置12を停止させなくても,高圧水によって基板20が切断されないようにすることができる。このため,各切断ラインLxの切断ごとに高圧水発生装置12を動作および停止させなくて済むため,一度停止させた高圧水発生装置12を再稼動させるまでに多大な時間がかかるという問題を回避できる。
次いで,図8に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とをX軸正方向に相対移動させることにより,第1チャンネルCH1の次の切断対象である第1切断ラインLx2が切断される(S112:次の切断ラインの切断工程)。具体的には,最初の切断ラインの切断工程(S108)の場合と同様であるので,詳細な説明は省略する。
さらに,例えば,ウォータージェット切断装置10の制御装置等によって,第1チャンネルCH1内のすべての切断ラインLx1〜6が切断されたか否かが判断される(S1114)。すべての第1切断ラインLx1〜6が切断されていないと判断された場合には,ステップS108に戻り,その後は,すべての第1切断ラインLx1〜6の切断が終了するまで,上記と同様にして,次の切断対象となる第1切断ラインLxの始点まで上記噴射ノズル16を無切断移動させる工程(S110)と,高圧液の噴射によって当該第1切断ラインLxを切断する工程(S112)とが繰り返される。
この結果,第1チャンネルCH1を構成する第1切断ラインLx1〜6が順次切断される。このとき,相隣接する第1切断ラインLxは,相互に,切断方向が反対方向(例えば,X軸の正方向と負方向)になるようにして切断される。このため,噴射ノズル16は,図8に示すような第1チャンネルCH1に沿ったジグザグ型(略矩形波形状)の移動軌跡で相対移動する。このようにして切断加工することにより,第1チャンネルCH1のすべての第1切断ラインLx1〜6を切断する際の,噴射ノズル16と保持テーブル18との相対移動距離を最小にすることができる。したがって,高圧水の噴射量および加工時間を低減して,切断作業を効率化できる。
また,上記のような第1チャンネルCH1の切断加工中は,分離保持部材184によって基板20を保持しているので,薄い基板20であっても,ウォータージェット168の圧力で基板20が変形することがない。さらに,基板20を貫通したウォータージェット168は,開口部184aを通過して下方に逃げることができるので,分離保持部材184と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることがない。したがって,第1チャンネルCH1の各第1切断ラインLx1〜6を高精度で切断加工できる。
また,第1チャンネルCH1の第1切断ラインLx1〜6は,基板20の内側にあり,かつ,相互に交差していない。このため,第1切断ラインLx1〜6を切断しても,基板20が分割されることはない。
以上のようにして第1チャンネルCH1のすべての第1切断ラインLx1〜6が切断された場合には,ステップS116に進む。
次いで,例えば,高圧水発生装置12の動作を停止させて,噴射ノズル16からの高圧水の噴射を停止させる(S116)。次の第2チャンネルCH2切断工程において,第2次部材30を取り付けるために,本ステップでは高圧水の噴射が停止される。さらに,分離保持部材184が保持テーブル18から取り外される(S118)。以上までのステップS104〜S118で,第1チャンネル切断工程が終了する。
上記第1チャンネル切断工程が終了すると,図9に示したように,基板20には,各回路領域24−1,24−2,24−3に対して,それぞれ,例えば略平行に並んだ6本の切断溝20aが形成される。
次に,図10〜図12を参照しながら,第2チャンネルCH2切断工程について説明する。なお,図10は,本実施形態に係る第2チャンネルCH2切断工程における切断方法を示すフローチャートであり,図11は,第1チャンネルCH1切断後の基板20を本実施形態に係る支持部材30で支持する方法を説明するための説明図であり,図12は,本実施形態に係る第2チャンネルCH2切断工程を説明するための工程説明図である。
図10に示すように,まず,支持部材30が保持テーブル18に取り付けられる(S202)。支持部材30を保持テーブル18に取り付ける際には,以下のようにして行う。すなわち,例えば,図11において破線の矢印で示したように,第2保持部材30の内側に略平行に並んで形成されている突起部32を,対応する基板20の切断溝20aに係合させる。さらに,突起部32を切断溝20aに係合させた後に,基板20と支持部材30とを密着させることにより,基板20は,第1チャンネルCH1の切断工程においてウォータージェット168の圧力により生じた歪みが矯正された状態で,支持部材30により下方から支持される。
次いで,ステップS204では,例えば,図12に示すように,噴射ノズル16によって高圧水を噴射しながら,噴射ノズル16と基板20とを相対移動させることにより,基板20の第2チャンネルCH2が一筆書き切断される(第2チャンネル切断工程)。本実施形態では,第2チャンネルCH2を構成する5つの第2切断ラインLyを,Ly1→Ly2→Ly3→→Ly4→Ly5の順に,一筆書き切断する。
具体的には,この第2チャンネル切断工程では,上記第1チャンネル切断工程とは異なり,高圧水を噴射を維持しながら,噴射ノズル16を図12の太実線で示すようなジグザグ型(略矩形波形状)の移動軌跡で所定速度で移動させることにより,基板20の第2チャンネルCH2を構成する第2切断ラインLy1〜5のすべてを一筆書き切断する。このため,ある第2切断ラインLyの終点から次の切断ラインLyの始点に対応する位置まで噴射ノズル16を移動させる間も,高圧水を噴射によって基板20を切断することになる。かかる一筆書き切断加工により,第2チャンネルCH2の加工速度を高めることができる。なお,このような第2チャンネルCH2を一筆書き切断する場合には,例えば,基板20に予め設けられる貫通孔26,28として,最初に切断される第2切断ラインLy1の始点にのみ始点用貫通孔26を設けておくようにしてもよい。
上記のような基板20の第2チャンネルCH2の一筆書き切断加工は,上記第2チャンネル用一筆書き切断ラインに対応した貫通溝34に沿って行われる。このため,基板20を貫通したウォータージェット168は,貫通溝34を通過して下方に逃げることができるので,支持部材30と衝突して跳ね返って基板20を浮き上がらせることがない。さらに,切断加工中は,支持部材30によって基板20を支持しているので,高圧水の圧力で基板20が変形することもない。したがって,第2チャンネルCH2を高精度で切断加工できる。
このようにして,第1チャンネルCH1の切断後に第2チャンネルCH2が切断されることによって,基板20が格子状に切断されて複数の半導体チップCに分割されることになるが,かかる半導体チップCは支持部材30によって支持されているため,バラバラになって脱落することがない。なお,例えば,支持部材30に真空吸着手段を設けることによって,個々の半導体チップCを真空吸着して支持部材30上に密着させることによって,より確実に半導体チップCの脱落を防止することも可能である。
また,本実施形態においては,基板20の複数の切断溝20aと支持部材30の複数の突起部32との係合のみによって,支持部材30の隣接する突起部32の間に,切断された基板20を挟みこんで支持固定することができるので,接着テープや接着剤などの接着手段を使用しなくても,分離された各半導体チップCがバラバラになることはない。このように,接着手段を使用する必要がなくなることから,接着テープや接着剤を付着させる工程や除去する工程も必要でなくなるため,生産効率を著しく高めることが可能となる。
次いで,支持部材30が保持テーブル18から取り外される(S206)。取り外された支持部材30上には,複数の半導体チップCが載置された状態となる。このため,複数の半導体チップCを支持部材30ごと搬出することができるので,ウォータージェット切断装置10では,即座に次の基板20の切断加工を開始できる。
さらに,所定のピックアップ手段(図示せず)によって,半導体チップCが支持部材30からピックアップされる(S208)。本実施形態においては,上記のように,接着手段等を用いることなく,基板20の複数の切断溝20aと支持部材30の複数の突起部32との係合のみによって,第2チャンネルCH2の切断により形成された半導体チップCが支持固定された状態となっているので,支持部材30上から半導体チップCを容易にピックアップすることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,被切断物としてQFN基板などの基板20の例を挙げて説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。被切断物は,複数の切断ラインを有するものであれば,例えば,CSP基板,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板や,半導体ウェハ,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材などであってもよい。また,被切断物の形状は,略矩形に限定されず,略円盤形状など任意の形状であってよい。さらに,被切断物の形状に合わせて,テーブル窓182,支持部材30等の形状を略矩形以外の形状に変更することもでき,また,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28の形成位置も変更できる。
また,上記実施形態では,切断ラインLは直線であったが,かかる例に限定されず,曲線であってもよい。また,上記実施形態にかかる基板20では,第1チャンネルCH1と第2チャンネルCH2は直交していたが,かかる例に限定されず,所定の角度θ(0<θ<90°)で交わる場合であってもよい。
また,本実施形態にかかる基板20では,第1チャンネルCH1および第2チャンネルCH2の全ての切断ラインLの始点及び終点に,始点用貫通孔26および終点用貫通孔28が予め形成されていたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,各切断ラインLの始点に始点用貫通孔26を形成するのみで,その終点に終点用貫通孔28を形成しなくてもよい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,隣接する各切断ライン間の切断をしない無切断工程を含む例について説明したが,本発明は係る例に限定されない。例えば,第1チャンネル切断工程においても一筆書き切断により基板を切断してもよい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,各第1切断ラインLx1〜6の切断方向をX軸正方向または負方向に交互に変えて,各第1切断ラインLx1〜6を順次切断する構成を採用し,この結果,噴射ノズル16の移動軌跡は,ジグザグ型(略矩形波形状)となったが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,第1チャンネルCH1の全ての第1切断ラインLx1〜6を同一方向(例えばX軸正方向)に切断するようにして,噴射ノズル16の移動軌跡を略鋸歯状にしてもよい。
また,上記実施形態では,支持部材が略平行に並んで形成された複数の突起部を有する例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,基板の第1チャンネルが一筆書き切断される場合には,支持部材は,その一筆書き切断に対応する位置にジグザグ型に連続形成された1つの突起部を有するように構成してもよい。
また,上記実施形態では,第2チャンネル切断工程においては,一筆書き切断により基板の第2チャンネルを切断する例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,第2チャンネル切断工程においても,隣接する切断ライン間を切断しない無切断工程を含む方法で切断してもよい。
また,上記実施形態では,高圧液噴射式切断装置としてウォータージェット切断装置10を採用した例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。高圧液噴射式切断装置は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段を備え,高圧液の噴射によって被切断物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射する高圧液は,上記高圧水の例に限定されず,任意の液体であってもよい。また,高圧液中には必ずしも研磨材(砥粒)を混合しなくてもよく,高圧液の衝突エネルギーのみで被切断物を切断してもよい。
また,1台の切断装置に複数の高圧液噴射手段を設けて,1つの被切断物のうちの複数箇所,或いは,複数の被切断物を同時に切断加工できるように構成してもよい。この構成は,例えば,上記実施形態のように,1つの金属フレーム22上に複数の回路領域24−1,24−2,24−3が形成されているパッケージ基板などを切断する際には,各回路領域を同時に切断することができる。
また,上記ウォータージェット切断装置10では,噴射ノズル16を固定して,基板20を保持する保持テーブル18を移動させることにより,基板20を切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,保持テーブル18上に固定された基板20に対して,噴射ノズル16を移動させることにより,基板20を切断してもよい。
また,上記実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,基板20を略垂直に切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,噴射ノズル16または基板20を傾けることにより,基板20を斜めに切断してもよい。
また,上記実施形態では,第1チャンネル切断工程において,基板20を分離保持部材184によって支持しながら第1チャンネルCH1を切断したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,基板20を下方から支持することが可能な治具等で支持した状態で,第1チャンネルCH1を切断してもよい。
本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に利用可能である。
本実施形態に係るウォータージェット切断装置の構成を概略的に示す説明図である。 図2(a)は,本実施形態に係る被切断物である基板を示す平面図であり,図2(b)は,本実施形態に係る被切断物である基板を示す正面図である。 本実施形態に係る保持テーブルおよび支持部材の構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態に係る支持部材の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る支持部材の構成を示す上面図である。 本実施形態に係る支持部材の構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る第1チャンネル切断工程における切断方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1チャンネル切断工程を説明するための工程説明図である。 本実施形態に係る第1チャンネル切断後の基板の状態を示す平面図である。 本実施形態に係る第2チャンネル切断工程における切断方法を示すフローチャートである。 第1チャンネル切断後の基板を本実施形態に係る支持部材で支持する方法を説明するための説明図である。 本実施形態に係る第2チャンネル切断工程を説明するための工程説明図である。
符号の説明
10 ウォータージェット切断装置
12 高圧水発生装置
14 研磨材混合装置
15 噴射停止装置
16 噴射ノズル
18 保持テーブル
20 基板
22 金属フレーム
24 パッケージ部分
24−1,24−2,24−3 回路領域
30 支持部材
32 突起部
34 貫通溝
40 テーブル移動装置
42 キャッチタンク
44 研磨材回収装置
50 切断溝
168 ウォータージェット
182 テーブル窓
184 分離保持部材
C 半導体チップ
Lx 第1切断ライン
Ly 第2切断ライン
CH1 第1チャンネル
CH2 第2チャンネル

Claims (3)

  1. 高圧液噴射手段から噴射される高圧液によって,被切断物の第1チャンネルおよび第2チャンネルを切断することにより,前記被切断物を複数のチップに分割する高圧液噴射式切断装置において:
    前記第1チャンネルの切断により前記被切断物に形成された切断溝に係合する突起部が設けられた板状の支持部材を備え,前記突起部を前記切断溝に係合させて前記第1チャンネルが切断された前記被切断物を前記支持部材で支持しながら,高圧液を噴射することにより,前記第2チャンネルを切断することを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  2. 前記支持部材は,前記第2チャンネルの一筆書き切断に対応する位置に連続形成された貫通溝を有することを特徴とする,請求項1に記載の高圧液噴射式切断装置。
  3. 前記第1チャンネルの切断では,
    前記高圧液噴射手段によって前記第1チャンネルを構成する複数の切断ラインに沿って高圧液を噴射しながら前記複数の切断ラインを切断し,
    隣り合う切断ライン間では,前記被切断物を切断することなく,前記高圧液噴射手段と前記被切断物とを相対移動させることにより,
    前記被切断物に略平行に並んだ複数の前記切断溝を形成することを特徴とする,請求項1または2に記載の高圧液噴射式切断装置。

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