JP4429044B2 - 高圧液噴射式切断装置 - Google Patents

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本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に関し,特に,高圧液噴射式切断装置において高圧液噴流を受け止めるキャッチタンクに関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の2〜3倍という流速を有する。近年では,このウォータージェットを使用して各種の被切断物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材(abrasive)を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。この研磨材は,ガーネット,アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなる例えば数十ミクロン程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被切断物に高速で衝突し,被切断物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被切断物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難加工材の切断にも適しているという利点もある。このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板などをダイシングするために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェットによる切断加工が検討されている。
ところで,ウォータージェット切断装置では,一般的に,噴射ノズルから噴射されて被切断物を貫通したウォータージェットを受け止めるためのキャッチタンクが設けられる。このキャッチタンクの大きさは,ウォータージェット切断装置の切断方式によって異なる。
詳細には,ウォータージェット切断装置の切断方式は,概略的には,被切断物を固定して噴射ノズルを移動させる切断方式1と,噴射ノズルを固定して被切断物を移動させる切断方式2と,に大別できる。切断方式1では,噴射ノズルの移動範囲全体をカバー可能な大きな受け面積を有するキャッチタンクが必要となる。勿論,噴射ノズルとともにキャッチタンクも同時に移動させる構成も考えられるが,この構成では,移動機構が複雑かつ高価になってしまい,そのメリットが少ない。一方,切断方式2では,噴射ノズルの位置が固定されているため,キャッチタンクの受け面積を大きくする必要がない。このため,キャッチタンクを小型化でき,設置スペースを小さくできるという利点がある。
ところで,ウォータージェットは,被切断物の切断後もかなりの流速を持っているため,かかるウォータージェットの衝撃(運動エネルギー)を十分に弱めなければ,キャッチタンク自体が損傷してしまうという問題があった。
そこで,かかる問題を解決するために,キャッチタンク内部に,ウォータージェットの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材を設置する手法が知られている。例えば,特許文献1,2および3には,キャッチタンク内の上部あるいは中央部に衝撃吸収部材を設置することが記載されている。また,特許文献4および5には,キャッチタンク内の底部に衝撃吸収部材を設置することが記載されている。
特公昭64−3626号公報 特開平4−256600号公報 特開平10−249800号公報 特開平2−232199号公報 実開平1−148299号公報
しかしながら,上記従来のキャッチタンクのように,単に衝撃吸収部材を設けただけでは,衝撃吸収部材の消耗が激しいので,キャッチタンクの損傷を確実に防止することができない上に,衝撃吸収部材を頻繁に交換しなければならないという問題があった。このため,切断作業効率が低下するだけでなく,衝撃吸収部材の交換コストが高価になっていた。
そこで,本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,キャッチタンクの損傷をより確実に防止できるとともに,衝撃吸収部材の消耗を抑制して交換回数を低減することの可能な,新規かつ改良されたキャッチタンクを備えた高圧液噴射式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置は,被切断物を保持する保持手段と;保持手段によって保持された被切断物に対し,研磨材入りの高圧液を噴射する高圧液噴射手段と;高圧液噴射手段から噴射され被切断物を貫通した高圧液噴流を受け止めるキャッチタンクと;を備える。さらに,上記キャッチタンク内には液体が貯留されており,キャッチタンク内の底部には上記液体中に研磨材が堆積しており,高圧液噴流の衝撃を吸収する衝撃吸収部材が,上記堆積した研磨材に埋没するように設けられていることを特徴とする。ここで,キャッチタンクに貯留されている液体は,高圧液噴射手段が噴射した高圧液と同一の液体(例えば水)である。また,衝撃吸収部材の全部が上記堆積した研磨材に埋没されてもよいし,或いは,少なくとも衝撃吸収部材の一部が上記堆積した研磨材に埋没されてもよい。
かかる構成により,キャッチタンク内に進入した高圧液噴流(例えばウォータージェット)は,まず,貯留された液体に作用し,次いで,堆積した研磨材に作用した後,衝撃吸収部材に衝突する。このため,キャッチタンク内に貯留された液体,および底部に設けた衝撃吸収部材だけでなく,底部に堆積した研磨材をも緩衝材として利用して,高圧液噴流の衝撃を減衰させることができる。このため,キャッチタンクの損傷をより確実に防止できるとともに,衝撃吸収部材の消耗を抑制して交換回数を低減できる。
また,上記キャッチタンクの一側面には,研磨材を液体とともに排出するための研磨材排出口が設けられているようにしてもよい。これにより,キャッチタンクから排出された研磨材を切断加工に再利用して,生産性を向上させることができる。
また,上記キャッチタンク内の底面は,研磨材が研磨材排出口側に偏って堆積するような形状を有してもよい。これにより,研磨材が研磨材排出口の近傍に堆積するので,堆積した研磨材を研磨材排出口から効率的に排出することができる。
また,上記前記キャッチタンク内の底面は,研磨材排出口側に向かって下る第1傾斜面を含み,この第1傾斜面の面積は,キャッチタンク内の底面積の少なくとも半分以上を占めるようにしてもよい。なお,この第1傾斜面は,高圧液噴射手段からの高圧液噴流の進行方向前方に位置している。これにより,比較的簡単な底面形状により,研磨材を研磨材排出口の近傍に堆積させることができる。
さらに,上記前記キャッチタンク内の底面は,研磨材排出口とは反対側に向かって下る第2傾斜面を含み,第1傾斜面の下端と第2傾斜面の下端とが接合しているようにしてもよい。これにより,高圧液噴流の進行方向前方に,研磨材を比較的厚く堆積させることができるので,堆積した研磨材が緩衝材として好適に機能する。
また,上記衝撃吸収部材は,高圧液噴流が液体と衝突することによって生じた液体の流れを反射させて上記研磨材排出口に向かわせるような向き及び角度で配設されてもよい。これにより,衝撃吸収部材により反射され進行方向が変更された液体の流れに乗せて,研磨材を研磨材排出口に誘導することができる。このため,キャッチタンクの底部に堆積した研磨材を効率的に排出することができる。
また,上記高圧液噴射手段およびキャッチタンクの位置を固定した状態で,保持手段を移動させることによって,被切断物の切断箇所を変更するようにしてもよい。これにより,高圧液噴射手段のXおよびY軸方向の位置が固定されているので,キャッチタンクの開口面積(上面の面積)を小さくすることができる。よって,高圧液噴射式切断装置の大きさ及び設置面積を抑制できるとともに,移動機構の構成が簡単になる。
以上説明したように本発明によれば,キャッチタンク内に貯留された液体や衝撃緩衝部材のみならず,底部に堆積された研磨材をも緩衝材として利用して,高圧液噴流の衝撃を減衰して受け止めることができる。このため,キャッチタンクの破損を確実に防止できるとともに,衝撃吸収部材の消耗を抑制して,衝撃吸収部材の交換回数を低減することができる。従って,切断作業を効率化でき,衝撃吸収部材の交換コストを抑制できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかるキャッチタンクおよびこれを備えた高圧液噴射式切断装置について説明する。なお,本実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置は,例えば,以下に説明するように,研磨材が混入された高圧水の噴流(アブレシブジェット)によって被切断物を切断するウォータージェット切断装置として構成されているが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10は,被切断物20に対して高圧水を噴射することにより,被切断物20を比較的自由な切断ラインで高精度に切断加工(即ち,ウォータージェット加工)することが可能な切断装置である。このウォータージェット切断装置10による切断加工対象である被加工物20は,例えば,シリコンウェハ,パッケージ化された半導体基板(例えばCSP基板)等の各種の基板などであるが,かかる例に限定されない。
かかるウォータージェット切断装置10は,例えば,高圧水発生装置12と,研磨材混合装置14と,噴射ノズル16と,保持テーブル18と,テーブル移動装置22と,キャッチタンク30と,研磨材回収装置40と,から構成される。
高圧水発生装置12は,例えば,高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生・供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧水発生装置12によって発生した高圧水は,高圧水配管13を介して研磨材混合装置14に供給される。
研磨材混合装置14は,高圧水発生装置12から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材(砥粒)を混合する。この研磨材は,例えば,ガーネット,ダイヤモンド,アルミナ等の高硬度の材質からなる例えば数十ミクロン程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高めるために寄与する。本実施形態では,この研磨材として,例えば40〜100μmの酸化アルミナを使用する。かかる研磨材が混合された高圧水は,高圧水配管15を介して噴射ノズル16に供給される。
この研磨材混合装置14のより具体的な構成について説明する。研磨材混合装置14は,例えば,2つの混合貯留タンク(図示せず。)と,タンク切替装置(図示せず。)とから構成される。混合貯留タンクは,研磨材が混合された水を貯留するタンクであり,上記高圧水発生装置12から高圧水が供給されるとともに,後述する研磨材回収装置40からリサイクルされた研磨材が供給される。タンク切替装置は,2つの混合貯留タンクのうちいずれか一方を噴射ノズル16に連通させ,他方を研磨材回収装置40に連通させる切替バルブ等で構成される。
かかる構成により,高圧水発生装置12から供給された高圧水の圧力によって,いずれか一方の混合貯留タンクに貯留されている研磨材および水を高圧で押し出し,高圧水配管15を介して噴射ノズル16に供給することができる。また,他方の混合貯留タンクでは,研磨材回収装置40によってリサイクルされた研磨材と水とを混合して貯留しておくことができる。そして,一方の混合貯留タンク内の研磨材が所定レベル以下に減少した場合には,タンク切替装置によって混合貯留タンクを切り替えて,上記と同様にして,研磨材入りの高圧水の供給と貯留とを行う。これにより,研磨材が混合された高圧水を,噴射ノズル16に安定して連続供給することができる。
噴射ノズル16は,本実施形態にかかる高圧液噴射手段として構成されている。この噴射ノズル16は,例えば,上記のようにして研磨材が混合された高圧水を,保持テーブル18に保持されている被切断物20に対して上方から高速で噴射する。この噴射ノズル16は,切断加工時には,例えば,装置の基台部(図示せず。)などに対して,ネジ等の固定部材によって安定的に固定されている。また,加工準備時には,例えば,当該ネジを弛緩させることにより,噴射ノズル16をZ軸方向(垂直方向)に移動させることも可能である。これにより,被切断物20の種類,大きさ,厚さ等に応じて,噴射ノズル16と被切断物20とのZ軸方向の距離を調整できる。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル16の先端部には,オリフィス162が装着されている。このオリフィス162は,高圧水の噴出径を縮小化するための部材であり,所定の微細径の噴出口166を有する。このオリフィス162は,オリフィスカバー164をネジ止めすることにより,噴射ノズル16の先端部に固定されている。
かかる噴射ノズル16から噴射される高圧水噴流(即ち,ウォータージェット)168の流速は,例えば音速の約2〜3倍である。また,この噴射ノズル16の先端と被切断物20との距離は,例えば50μm〜1mmであり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル16と被切断物20を近づけることで,噴射された高圧水の拡散を極力抑え,被切断物20の切断幅が広くなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル16の口径(噴射口166の径)は例えば約250μmであり,この場合,被切断物20の切断幅は例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル16によって,研磨材入りの高圧水噴流であるウォータージェット168を,被切断物20に対して噴射することにより,高圧水のエネルギーによって被切断物20を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに被切断物20に衝突して被切断物20の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。このように,本実施形態にかかるウォータージェット168は,アブレシブジェットとして構成されている。
保持テーブル18は,本実施形態にかかる保持手段として構成されている。この保持テーブル18は,例えば,ステンレス等の硬質な金属で形成された板状部材であり,被切断物である被切断物20を保持・固定する。この保持テーブル18には,被切断物20が固定される部分に,ウォータージェット168を通過させるための開口部であるテーブル窓182が形成されている。このテーブル窓182は,例えば,被切断物20に対応した形状(例えば略矩形状)を有しており,その大きさは被切断物20の外形よりも若干小さい。かかるテーブル窓182の上部に被切断物20を配置し,被切断物20の外周部をカバー,係止爪等(図示せず。)で固定することにより,保持テーブル18に対して被切断物20が固定される。また,上記噴射ノズル16が噴射したウォータージェット168は,このテーブル窓182の部分を通過するため,ウォータージェット168によって保持テーブル18自体が切断されてしまうことはない。
なお,例えば,保持テーブル18のテーブル窓182の部分に,被切断物20を下方から支持する平板状の支持部材(図示せず。)を取り付けてもよい。この支持部材を設けることにより,切断時の高圧水の圧力による被切断物20の変形を防止して,加工精度を向上させることができる。
また,本実施形態では,上記テーブル窓182を有する保持テーブル18によって被切断物20を固定・固定しているが,かかる例に限定されず,例えば,各種の載置台,治具などの保持手段によって被切断物20を保持・固定してもよい。
テーブル移動装置22は,例えば,電動モータ,ギヤ等の駆動機構などで構成されており,上記保持テーブル18を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させる。このようなテーブル移動装置22によって保持テーブル18をX軸およびY軸方向に移動させることにより,保持テーブル18によって保持されている被切断物20を噴射ノズル16に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,被切断物20に対するウォータージェット168の噴射位置(切断箇所)を変更して,被切断物20を連続的に切断することができる。この切断時の被切断物20の送り速度は,切断される被切断物20の厚さや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。なお,テーブル移動装置22の構成は,上記例に限定されるものではなく,被切断物20を水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。
キャッチタンク30は,例えば,上面が開放された貯水槽であり,その内部に所定の水面レベル(高さ)まで水を貯留している。このキャッチタンク30は,上記保持テーブル18の下側であって,噴射ノズル16の直下に設けられる。かかるキャッチタンク30は,ウォータージェット168の受け水槽として機能する。即ち,キャッチタンク30は,貯留している水などを緩衝材として,上記のようにして被切断物20を切断して貫通したウォータージェット168を受け止めることができる。
このキャッチタンク30の一側面の底部側には,給水口342が形成されており,外部から給水管34を介して供給された水が,この給水口342からキャッチタンク30内に流入する。
さらに,この給水口342のさらに底部側には,研磨材リサイクル用排水口362が形成されている。この研磨材リサイクル用排水口362は,本実施形態にかかる研磨材排出口として構成されている。この研磨材リサイクル用排水口362から研磨材および水が排出され,排水管36を介して研磨材回収装置40に送出される。
また,このキャッチタンク30の一側面の上部側には,オーバーフロー用排水口322が形成されている。キャッチタンク30の貯留水が所定の水面レベル以上に達した場合(上記給排水の制御にもかかわらずオーバーフローした場合)には,このオーバーフロー用排水口322からオーバーフローした水が流出し,排水管32を介して外部に排出される。
このような給水口342,研磨材リサイクル用排水口362およびオーバーフロー用排水口322を利用して,キャッチタンク30内に給排水することにより,貯留水の水面レベルを一定に保つように制御することができる。なお,キャッチタンク30は本願の特徴的構成要素であり,詳細については後述する。
研磨材回収装置40は,上記キャッチタンク30の研磨材リサイクル用排水口362から排出された研磨材を含む水から,研磨材を回収してリサイクルするための装置である。この研磨材回収装置40は,例えば,排水路と,排水路内に配設され適切な大きさの研磨材が通過可能な研磨材回収フィルタと,研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留して送出するホッパーと,回収された研磨材を配管42を介して研磨材混合装置14の混合貯留タンクに供給するための研磨材回収ポンプと,不要な水および不適切な大きさの研磨材を,配管44を介して外部に排出するための排水ポンプ(いずれも図示せず。)と,を備える。
かかる構成の研磨材回収装置40は,切断加工に適切な所定範囲の大きさの研磨材のみを回収することができる。具体的には,上記排水ポンプを用いて研磨材を含む水の流速を上げることによって,過度に小さい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過することなく水流に乗って排出される。また,過度に大きい研磨材は,研磨材回収フィルタを通過できないため,これも排水とともに排出される。このため,粒径が切断加工に適切な所定範囲(例えば,研磨材の最適な粒径を約80μmとすると,粒径が40〜120μmの範囲)にある大きさの研磨材のみが,研磨材回収フィルタを通過して回収され,研磨材混合装置14に送出されて再利用される。一方,上記所定範囲外の大きさの研磨材と水は,廃液として処理される。これは,過度に小さい研磨材は再利用しても研磨に寄与できず,一方,過度に大きい研磨材は噴射ノズル16が詰まる原因となるからである。
以上のような構成のウォータージェット切断装置10は,噴射ノズル16から研磨材が混合された高圧水を噴射しながら,当該噴射ノズル16に対して保持テーブル18を相対移動させることにより,被切断物20の切断予定ラインに沿ってウォータージェット168を作用させて,被切断物20を切断加工することができる。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置では,噴射ノズル16を固定して,保持テーブル18により被切断物20を移動させる切断方式を採用している。これは,被切断物20を固定して噴射ノズル16を移動させる方式では,噴射ノズル16の移動範囲全体をカバーできる大きな受け面積のキャッチタンクを設置しなければならないからである。勿論,噴射ノズル16とともにキャッチタンクも同時に移動させる方式も考えられるが,この方式では,移動機構が複雑かつ高価になってしまい,そのメリットが少ない。
これに対し,本実施形態のように,噴射ノズル16を固定して被切断物20を移動させる切断方式では,噴射ノズル16の位置が固定されているため,キャッチタンク30の受け面積を小さくすることができる。従って,キャッチタンク30を小型化して,設置面積を小さくできるとともに,移動機構の構成を簡略化できるという利点がある。以下では,固定式の噴射ノズル16に対応した小型のキャッチタンク30の構成例について説明する。
次に,図2および図3に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置10における特徴であるキャッチタンク30について説明する。なお,図2は,本実施形態にかかるキャッチタンク30の構成を概略的に示す斜視図であり,図3は,本実施形態にかかるキャッチタンク30の構成を概略的に示す縦断面図である。
図2及び図3に示すように,キャッチタンク30は,全体としては,例えば,縦長の略直方体形状を有する貯水槽である。具体的には,キャッチタンク30の幅(X軸方向)は,例えば350mmであり,奥行き(Y軸方向)は例えば350mmであり,高さ(Z軸方向)は,例えば1000mmである。このキャッチタンク30の内部には,図3に示すように,最上部近傍(例えばキャッチタンク30の深さの10分の9以上)まで水Wが貯留されている。このように縦長で貯留水水深の深いキャッチタンク30は,貯留水Wを緩衝材として,噴射ノズル16からのウォータージェット168の衝撃を減衰させて,受け止めることができる。
このキャッチタンク30の一側面の底部側には,上記給水管34に連通した給水口342と,上記排水管36に連通した研磨材リサイクル用排水口362とが形成されている。キャッチタンク30の他面の上部側には,上記排水管32に連通したオーバーフロー用排水口362が形成されている。本実施形態にかかるキャッチタンク30では,例えば,底部側にある給水口342から給水し,一方,底部側にある研磨材リサイクル用排水口362および上部側にあるオーバーフロー用排水口322から排水することによって,貯留水Wの水位(水面の高さ)が一定となるように,キャッチタンク30内の貯水量を制御している。
また,キャッチタンク30内の底部側には,取水部材363が配設されている。この取水部材363は,例えば,略円筒形状を有する管であり,その側面には複数の取水孔が形成されている。この取水部材363は,その一端で研磨材リサイクル用排水口362と連通しており,略水平方向に延びている。かかる取水部材363の取水孔から,キャッチタンク30内に貯留されている水および研磨材が取り込まれ,研磨材リサイクル用排水口362に送出される。かかる取水部材363を設けることにより,取水部材363の内部を通って研磨材Aおよび貯留水Wが円滑に排出される。このため,研磨材Aが研磨材リサイクル用排水口362よりも上部に堆積して,研磨材リサイクル用排水口362が詰まってしまうことを防止できる。
また,このキャッチタンク30内の底部には,貯留水W中に研磨材Aが堆積している。この堆積した研磨材Aは,例えば,切断加工開始前に予め,キャッチタンク30内に投入されて沈降したものであるが,切断加工中にも,上記ウォータージェット168に含まれた状態で随時補充される。かかる研磨材Aは,キャッチタンク30内の底部に所定の深さまで堆積している。具体的には,研磨材Aは,例えば,上記研磨材リサイクル用排水口362の直下に至るレベルまで堆積している。このように,キャッチタンク30内に研磨材Aを堆積させておくことにより,切断加工中に,研磨材Aを随時,研磨材リサイクル用排水口362から排出して,上記のようにウォータージェット切断装置10内を循環させて,切断加工に再利用することができる。さらに,堆積した研磨材Aは,後述するように,貯留水Wおよび衝撃吸収部材60とともに,ウォータージェット168の衝撃を弱める緩衝材としても機能する。
さらに,キャッチタンク30内の底面は,研磨材リサイクル用排水口362の近傍に研磨材Aが堆積されるような形状を有する。具体的には,キャッチタンク30内の底面は,例えば,第1傾斜面302と第2傾斜面304とから形成されている。
このうち,第1傾斜面302は,例えば,キャッチタンク30底部の研磨材リサイクル用排水口362とは他側に配設された比較的大きい平板によって形成されている。この第1傾斜面302は,研磨材リサイクル用排水口362とは反対側(図3の左側)から研磨材リサイクル用排水口362側(図3の右側)に向かって下るように傾斜しており,その傾斜角は例えば45°である。一方,第2傾斜面304は,キャッチタンク30底部の研磨材リサイクル用排水口362側に配設された比較的小さい平板によって形成されている。この第2傾斜面304は,研磨材リサイクル用排水口362側(図3の右側)から研磨材リサイクル用排水口362とは反対側(図3の右側)に向かって下るように傾斜しており,その傾斜角は例えば45°である。この第1傾斜面302と第2傾斜面304とは略直交している。第1傾斜面302の下端部と,第2傾斜面304の下端部とは線接合しており,この第1傾斜面302と第2傾斜面304との接合部分は,キャッチタンク30のXY軸方向の中心(噴射ノズル16の直下のXY位置)よりも,研磨材リサイクル用排水口362側に偏って配置されている。
このような第1及び第2傾斜面302,304をキャッチタンク30の底部に設けることによって,研磨材Aは,第1傾斜面302と,第2傾斜面304との接合部分を最深部として,研磨材リサイクル用排水口362側に偏って堆積する。このため,研磨材Aを研磨材リサイクル用排水口362の近傍に堆積させることができるので,研磨材Aを研磨材リサイクル用排水口362から効率的に排出させることができる。また,底面が水平な平坦面である場合と比して,ウォータージェット168の衝撃力を強く受ける領域に研磨材を効率的に沈降させて,当該領域に研磨材Aを厚く堆積させることができるので,研磨材Aの緩衝材としての機能を増大できる。
また,キャッチタンク30の底部には,ウォータージェット168の進行方向前方に,衝撃吸収部材60が配設されている。この衝撃吸収部材60は,例えば,ステンレス等の硬質の金属材料などで形成された略矩形の平板である。かかる衝撃吸収部材60は,キャッチタンク30内の貯留水Wに突入したウォータージェット168の衝撃を弱める緩衝板(受け板)として機能する。
この衝撃吸収部材60は,キャッチタンク30の底部に交換可能に配設される。衝撃吸収部材60は,キャッチタンク30の底部に設けられた係止部によって,衝撃吸収部材60に形成された被係止部を係止することによって,固定される。具体的には,図3に示すように,例えば,第1傾斜面302から上方に突設された係止突起62(係止部)に対し,衝撃吸収部材60の上端部に形成された爪部64(被係止部)を引っ掛けることで,衝撃吸収部材60はキャッチタンク30の底部にある第1傾斜面302上に固定されている。
このように配設された衝撃吸収部材60は,ウォータージェット168の進行方向に対して傾斜した向きで配設されており,その傾斜角度(仰角)は例えば45°以上である。これにより,ウォータージェット168に伴う水流は,衝撃吸収部材60に対して垂直に入射せず,斜め方向に入射する。よって,衝撃吸収部材60は,ウォータージェット168の衝撃力をまともに受けずに逃がすことができるので,衝撃吸収部材60の耐久性が向上する。
さらに,衝撃吸収部材60は,その少なくとも一部が,上記のように堆積した研磨材Aに埋没するように配設されている。具体的には,衝撃吸収部材60は,例えば,上記爪部64以外の平板部分の大半が,堆積した研磨材Aの中に埋没するように配設されている。このように埋設された衝撃吸収部材60の上には,研磨材Aが比較的厚く堆積している。
かかる構成により,貯留水Wや衝撃緩衝部材60だけでなく,研磨材Aによってもウォータージェット168の衝撃を吸収することができる。具体的には,噴射ノズル16から噴射されたウォータージェット168は,まず,キャッチタンク30内の貯留水Wに突入し,この貯留水Wの抵抗力によって,その衝撃力(運動エネルギー)が弱められつつ下方に向かって進行する。次いで,ウォータージェット168の衝突に伴う水流は,キャッチタンク30の底部に達すると,まず,堆積している研磨材Aに衝突してその衝撃力がさらに弱められ,その後,硬質の衝撃吸収部材60に衝突して反射し,下方への進行が妨げられる。
このように,本実施形態にかかるキャッチタンク30では,キャッチタンク30の底部に堆積している研磨材Aをも緩衝材として利用して,ウォータージェット168の衝撃を十分に減衰させることができる。このため,キャッチタンク30の底部の損傷を好適に防止できるとともに,衝撃吸収部材60の消耗を抑制して交換回数を低減できる。
また,上記のようなキャッチタンク30の構成により,研磨材Aをキャッチタンク30の外に効率的に排出できるという利点もある。即ち,上記のように研磨材Aを緩衝材として利用することにより,キャッチタンク30内の底部に堆積した研磨材Aは,ウォータージェット168に伴う水流によって,キャッチタンク30の上部に向けて舞い上げられる。よって,研磨材Aが貯留水W内に浮遊した状態となるため,かかる研磨材Aを研磨材リサイクル用排水口362から効率的に排出することができる。また,上記のように,キャッチタンク30の底面が第1及び第2傾斜面302,304を含むことにより,研磨材Aが研磨材リサイクル用排水口362の近傍に堆積しているので,これによっても,研磨材Aを効率的に排出できる。
さらに,衝撃吸収部材60は,図3に示すように,ウォータージェット168を受け止めることによって生じた鉛直方向下方に向かう水流を,概ね,研磨材リサイクル用排水口362に向かう方向(例えば略水平方向)に反射させるような向き及び角度で配設されている。よって,ウォータージェット168を受け止めることによって貯留水W内に生じた水流は,傾斜配置された衝撃吸収部材60の表面(ウォータージェット168水流との衝突面)に所定の入射角で入射して衝突し,この衝突面によって所定の反射角で反射されて,概ね,研磨材リサイクル用排水口362に向かって進行する。
これにより,反射された水流に乗せて,研磨材Aを研磨材リサイクル用排水口362に誘導して,より効率的に排出することができる。なお,衝撃吸収部材60の衝突面の傾斜角度(仰角)および向きは,研磨材リサイクル用排水口362の位置および衝撃吸収部材60の設置位置などを考慮して,好適な向きおよび角度に調整されている。
このように,衝撃吸収部材60を傾斜配置し,その一側に研磨材Aを堆積させることによって,ウォータージェット168の衝撃力を好適に利用して,研磨材Aを効率的に排出して再利用することができる。
また,衝撃吸収部材60の交換時には,係止突起62から爪部64を外し,研磨材Aの中から衝撃吸収部材60を抜き取った後に,新たな衝撃吸収部材60を上記と同様に研磨材A内に斜めに押し込むようにして埋設するだけでのよいので,交換作業が容易かつ効率的である。
次に,キャッチタンク30の上部の構成について詳細に説明する。図3に示すように,キャッチタンク30内には,例えば,略鉛直方向に延びる平板状の部材である仕切り板306が設けられている。この仕切り板306は,キャッチタンク30内の上部〜中央部の貯水領域を,ウォータージェット受け止め領域S1と,水位調整領域S2とに区分している。
ウォータージェット受け止め領域S1は,上記のようにウォータージェット168を貯留水Wによって受け止めるための領域である。このウォータージェット受け止め領域S1では,上記のようにウォータージェット168が貯留水Wに衝突するので,貯留水Wの水面に波が発生する。一方,水位調整領域S2は,キャッチタンク30内の貯留水の水を測定および調整するための領域である。
このようにキャッチタンク30の貯水領域を区分する仕切り板306は,例えば,その上端がキャッチタンク30の最上部に位置し,一方,その下端が第1傾斜面302の近傍に位置するように配設されている。このため,キャッチタンク30内の上部では,貯水領域は完全に分割されているため,両領域S1,S2間で貯留水Wが行き交うことはない。これに対し,キャッチタンク30内の底部側では,仕切り板306の下端と第1傾斜面306との間に隙間308があるため,貯留水Wはかかる隙間308を通って両領域S1,S2間で行き交うことができる。従って,静水時には,図3に示すように,ウォータージェット受け止め領域S1の水面の高さと,水位調整領域S2の水面の高さは同一である。
水位調整領域S2には,上述した貯留水Wの水位(水面の位置)を常に一定にするための構成が設けられている。具体的には,この水位調整領域S2には,例えば,上記オーバーフロー用排水口322と,貯留水Wの水位を測定する水位測定センサ70と,が設けられている。かかる水位測定センサ70によって貯留水Wの水面が所定の高さを超えたことが検出された場合には,オーバーフロー用排水口322に設けられた弁を開いて,余分な水をキャッチタンク30の外部に排水して,水面の高さを下げる。一方,研磨材リサイクル用排水口362またはオーバーフロー用排水口322から排水され過ぎて,貯留水Wの水位が低下した場合には,供給口342から水が補給される。
このように,本実施形態にかかるキャッチタンク30では,仕切り板306を設けることによって,水位調整領域S2と上記ウォータージェット受け止め領域S1とを区分している。これによって,水位調整領域S2の水面状態を常に穏やかにして,水位測定センサ70やオーバーフロー用排水口322が,水面に発生する波の影響を受けないようにすることができる。従って,水位測定センサ70によって正確な水位を安定して検知できるとともに,オーバーフロー用排水口322からの排水量を正確に制御することができる。
以上,本実施形態にかかるキャッチタンク30,およびこれを備えたウォータージェット切断装置10について詳細に説明した。本実施形態にかかるキャッチタンク30によれば,貯留水Wおよび衝撃吸収部材60だけでなく,再利用するために底部に堆積された研磨材Aをも緩衝材として利用して,ウォータージェット168の衝撃(運動エネルギー)を減衰して,吸収することができる。このため,キャッチタンク60の損傷をより確実に防止することができる。さらに,衝撃吸収部材60の衝撃吸収負荷を低減して,衝撃吸収部材60の消耗を抑制して長寿命化を図ることができる。具体的には,衝撃吸収部材60の寿命が,従来の一般的なキャッチタンクで用いられている衝撃吸収部材の寿命に比べて,例えば約10倍以上長くなり,また,その寿命が安定する。この結果,衝撃吸収部材60の交換回数を低減できるため,切断作業の効率化,および衝撃吸収部材60の交換コストの抑制が図れる。
さらに,キャッチタンク30の底部に第1及び第2傾斜面302,304を設けて,研磨材リサイクル用排水口362近傍に研磨材Aを堆積させている。また,衝撃吸収部材60の傾斜角度を調整して,反射した水流が研磨材リサイクル用排水口362に向かうようにできる。これらによって,キャッチタンク30内に堆積した研磨材Aを研磨材リサイクル用排水口362から効率的に排出させることができる。よって,研磨材Aがキャッチタンク30中に過剰に堆積しないので,堆積した研磨材Aを計画的に人力で取り除く必要がない。
また,上記第1及び第2傾斜面302,304を設けることで,キャッチタンク30の底部のうち,ウォータージェット168の強い衝撃が伝わる箇所(噴射ノズル16の直下)に,研磨材Aを比較的厚く堆積させることができるので,堆積した研磨材Aが緩衝材として好適に機能する。
また,衝撃吸収部材60は,上記係止突起62と爪部64を利用して第1傾斜面302上に固定されつつ,研磨材A中に埋設される。かかる衝撃吸収部材60の設置手法により,衝撃吸収部材60を容易かつ迅速に交換することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,被切断物20は上記実施形態に挙げた例に限定されず,例えば,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板や,各種の半導体ウェハ,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材などであってもよい。また,被切断物20の形状は,略矩形板形状,略円盤形状など任意の形状であってよい。さらに,被切断物20の形状に合わせて,保持テーブル18やテーブル窓182等の形状を変更することもできる。
また,上記実施形態では,高圧液噴射式切断装置としてウォータージェット切断装置10を採用した例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。高圧液噴射式切断装置は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段を備え,高圧液の噴射によって被切断物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射および貯留する液体は,上記水の例に限定されず,アルコール,油などの任意の液体であっても良いし,或いは,各種の化学物質等を各種溶媒に溶解させた液体,研磨材に加えて他の固形物を溶媒に混合させた混合液,或いは粘度の高いジェル状の流体などであってもよい。
また,1台の高圧液噴射式切断装置に,高圧液噴射手段(噴射ノズル16等)とキャッチタンク30とを複数組設けることによって,1つの被切断物20のうちの複数箇所,或いは,複数の被切断物20を同時に切断加工できるように構成してもよい。この構成は,例えば,1つの金属フレーム上に複数のパッケージ部分が形成されているパッケージ基板などを切断する際に適用できる。
キャッチタンク30の全体形状は,上記実施形態のような縦長の略直方体形状に限定されず,例えば,横長の略直方体形状,略立方体形状,略円筒形状,略楕円筒形状,略多角柱形状,略カップ形状,略円推形状,略角錐形状など,任意の形状であってよい。
また,キャッチタンク30の底面は,上記実施形態のような第1傾斜面302,304を含む形状に限定されず,研磨材リサイクル用排水口362(研磨材排出口)の近傍に研磨材Aが堆積されるような形状であれば,多様に設計変更可能である。例えば,第2傾斜面304を設けずに,第1傾斜面302のみを設けてもよい。また,第1傾斜面302及び/又は第2傾斜面304を平面でなく曲面とし,例えばすり鉢型の底面形状としてもよい。また,キャッチタンク30内の底部の最深部が,キャッチタンク30の中心(噴射ノズル16の直下)に位置するような底面形状としてもよい。
また,研磨材リサイクル用排水口362(研磨材排出口)の形成位置は,上記実施形態の例に限定されず,キャッチタンク30の側面又は底面の任意の場所に形成してもよい。また,1つのキャッチタンク30に2つ以上の研磨材リサイクル用排水口362を形成してもよい。また,研磨材リサイクル用排水口362に装着される取水部材363は,必ずしも設けなくてもよい。
また,仕切り版306,水位測定センサ70,オーバーフロー用排水口322などは,必ずしも設けなくてもよい。
本発明は,高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置に適用可能であり,特に,高圧液に混合される研磨材を再利用する高圧液噴射式切断装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置の構成を示す概略図である。 同実施形態にかかるキャッチタンクの構成を概略的に示す斜視図である。 同実施形態にかかるキャッチタンクの構成を概略的に示す縦断面図である。
符号の説明
10 : ウォータージェット切断装置
12 : 高圧水発生装置
14 : 研磨材混合装置
16 : 噴射ノズル
18 : 保持テーブル
20 : 被切断物
22 : テーブル移動装置
30 : キャッチタンク
40 : 研磨材回収装置
60 : 衝撃吸収部材
62 : 係止突起
64 : 爪部
70 : 水位測定センサ
168 : ウォータージェット
302 : 第1傾斜面
304 : 第2傾斜面
306 : 仕切り版
322 : オーバーフロー用排水口
342 : 給水口
362 : 研磨材リサイクル用排水口
A : 堆積した研磨材(研磨材溜まり)
W : 貯留水

Claims (6)

  1. 高圧液の噴射によって被切断物を切断する高圧液噴射式切断装置であって:
    前記被切断物を保持する保持手段と;
    前記保持手段によって保持された前記被切断物に対し,研磨材入りの高圧液を噴射する高圧液噴射手段と;
    前記高圧液噴射手段から噴射され前記被切断物を貫通した高圧液噴流を受け止めるキャッチタンクと;
    を備え,
    前記キャッチタンク内には,液体が貯留されており,
    前記キャッチタンク内の底部には,前記液体中に前記研磨材が堆積しており,前記高圧液噴流の衝撃を吸収する衝撃吸収部材が,前記堆積した研磨材に埋没するように設けられていることを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  2. 前記キャッチタンクの一側面には,前記研磨材を前記液体とともに排出するための研磨材排出口が設けられていることを特徴とする,請求項1に記載の高圧液噴射式切断装置。
  3. 前記キャッチタンク内の底面は,前記研磨材が前記研磨材排出口側に偏って堆積するような形状を有することを特徴とする,請求項2に記載の高圧液噴射式切断装置。
  4. 前記キャッチタンク内の底面は,前記研磨材排出口側に向かって下る傾斜面を含み,
    前記傾斜面の面積は,前記キャッチタンク内の底面積の少なくとも半分以上を占めることを特徴とする,請求項3に記載の高圧液噴射式切断装置。
  5. 前記衝撃吸収部材は,前記高圧液噴流が前記液体と衝突することによって生じた前記液体の流れを反射させて前記研磨材排出口に向かわせるような向き及び角度で配設されることを特徴とする,請求項2,3または4のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
  6. 前記高圧液噴射手段および前記キャッチタンクの位置を固定した状態で,前記保持手段を移動させることによって,前記被切断物の切断箇所を変更することを特徴とする,請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
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