JP4689592B2 - 泡状クリーナー用組成物,クリーナー,洗浄方法,及び泡状クリーナーの泡質改善剤 - Google Patents

泡状クリーナー用組成物,クリーナー,洗浄方法,及び泡状クリーナーの泡質改善剤 Download PDF

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Description

本発明は、トリガースプレー(トリガースプレーヤーとも言う)等の泡吐出容器を用いて噴霧することによって、泡状になる、泡状クリーナー用組成物,特に泡状メガネクリーナー用組成物及びその応用技術に関するものである。
メガネ,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンド等に付着した汚れを除去する方法としては、極細繊維を用いた織布を用いる方法,超音波洗浄等の他、中性又は弱アルカリ性洗剤で洗う方法,液状クリーナーをトリガースプレー等で霧状や泡状に噴霧する方法,及びこれらと、擦り洗浄を併用する方法等がある。
中性洗剤は、濡れ性に劣るため、擦り洗浄の併用が必要であり、弱アルカリ性洗剤は、人間の皮膚やメガネ,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンド等の、汚れを落とす対象物に対する刺激があるため、好ましくない。
液状クリーナーを用いる場合、メガネ等の対象物の汚れを落とすための洗浄性は勿論のこと、クリーナーの、汚れを落とす対象物に対する濡れ性が要求される。この濡れ性は、メガネレンズの場合に、特に要求される。この濡れ性に劣ると、噴霧した液がレンズ面に適切に拡がらず、何度も繰り返し噴霧する必要がある。また、汚れを確実に落とすためには、擦り洗浄と併用しなければならず、レンズに傷が付く原因となる。
特に、泡状に噴霧して用いる場合には、十分な泡立ちとともに、レンズに付着した泡がレンズ面にきちんと乗り、その泡の重みで流れ落ちてしまわないことが求められるため、濡れ性に対する要求は、霧状に噴霧する場合より高い。
しかも、近年のメガネレンズは、単なるガラスやプラスチックレンズであることは少なく、紫外線防止,曇り止め,装飾目的の着色等を目的とした、様々な表面処理が施されることが多くなってきている。具体的な特殊レンズとしては、例えば、マルチコートをしたガラスレンズ,ハードコートをしたプラスチックレンズ,フッ化炭素系樹脂等により特殊コーティング処理をした超撥水性プラスチックレンズ等が挙げられる。
これらの表面処理を施したレンズには、特に洗剤が乗りにくく、またその表面処理の多様性から、あらゆるレンズに対して、洗浄性と泡の濡れ性を発揮し得るメガネレンズクリーナーが無いというのが現状である。
レンズに対する濡れ性の確保のために、フッ素系界面活性剤が多く用いられているが、濡れ性は必ずしも満足行くものでは無く、また経済的にも非常に高価であると言う難点があった。
更に、従来のメガネクリーナーは、レンズ部分とメガネフレームの部分とを、同じクリーナーで洗浄することが不可能であった。
一方、コンタクトレンズ用溶液に、水溶性カチオン化ポリマーが用いられているが(特許文献1)、これはコンタクトレンズ自体を、当該溶液に浸漬して用いるためのものであって、泡状クリーナーの濡れ性を改善するものでは無い。
特開2000−347145号公報
本発明者等は、水溶性カチオン化ポリマーと両性界面活性剤を用いた泡状クリーナー用組成物が、メガネレンズやメガネフレーム,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンド等に噴霧した際の泡立ちと濡れ性に優れていることを見出し、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、起泡性,レンズその他への濡れ性に優れた、泡状クリーナー用組成物を提供するにある。
上述の目的は、下記第一の発明から第十の発明によって、達成される。
<第一の発明>
水溶性カチオン化ポリマーと両性界面活性剤を含有することを特徴とする、泡状クリーナー用組成物。
<第二の発明>
水溶性カチオン化ポリマーの含有量が、泡状クリーナー用組成物の総量に対して0.0001〜0.1重量%であることを特徴とする、第一の発明に記載の泡状クリーナー用組成物。
<第三の発明>
両性界面活性剤の含有量が、泡状クリーナー用組成物の総量に対して1〜25重量%であることを特徴とする、第一の発明又は第二の発明に記載の泡状クリーナー用組成物。
<第四の発明>
水溶性カチオン化ポリマーと両性界面活性剤の含有比率が、1:10000〜1:100であることを特徴とする、第一の発明乃至第三の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
<第五の発明>
更にカチオン界面活性剤系防腐剤を含有することを特徴とする、第一の発明乃至第四の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
<第六の発明>
pHが6〜8であることを特徴とする、第一の発明乃至第五の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
<第七の発明>
クリーナーが、メガネクリーナーであることを特徴とする、第一の発明乃至第六の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
<第八の発明>
下記、(1)及び(2)を有することを特徴とする、クリーナー。
(1)第一の発明乃至第七の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物
(2)泡吐出容器
<第九の発明>
第一の発明乃至第八の発明のいずれかに記載の泡状クリーナー用組成物を、泡状に噴霧し、汚れを落とす対象物に適用後、泡除去用溶液で洗い流すことを特徴とする、汚れの洗浄方法。
<第十の発明>
水溶性カチオン化ポリマーを含有することを特徴とする、泡状クリーナーの泡質改善剤。
本発明の泡状クリーナー用組成物は、起泡性,汚れを落とす対象物(特にメガネレンズ)への濡れ性に優れており、何度も噴霧すること無く、速やかに表面に拡がり、また、対象物から容易に流れ落ちないため、再噴霧の必要が無く、経済的である。しかも、洗浄性に優れているため、擦り洗浄をする必要が無く、レンズ等の対象物表面を傷つける心配が無いうえに、水等の泡除去用溶液で洗い流すだけで、汚れが簡単に落ちるという非常に優れた性質を持つものである。
更に、両性界面活性剤を用いているため、クリーナーのpHを中性に調整し易く、メガネフレーム等の洗浄も可能であり、従来のクリーナーには無かった、レンズとメガネフレームの両方を、一度に簡便に洗浄することができるという優れた利点を有している。
[本発明の泡状クリーナー用組成物]
本発明に用いられる水溶性カチオン化ポリマーとは、プラスに荷電した高分子の総称であり、具体的には、カチオン化セルロース,カチオン化グアーガム,カチオン化ポリビニルピロリドン,カチオン化澱粉,カチオン化タマリンド,カチオン化ポリアクリル酸,又はこれらの誘導体等が挙げられ、特に、カチオン化セルロース,カチオン化グアーガム,又はそれらの誘導体が好ましい。
尚、誘導体とは、各種の、塩,エステル,エーテル等の他、各種の置換基で置換したもの等が含まれる。
カチオン化セルロースとしては、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)等が挙げられ、カチナールLC−100,カチナールL C − 2 0 0,カチナールHC−100,カチナールHC−200等として、東邦化学工業社から、ポイズC−60H、C−150H等として、花王株式会社から、購入することができる。また、そのほかのカチオン化セルロースとしては、[セルロース,2−ヒドロキシエチル,2−{2−ヒドロキシ−3(トリメチルアンモニオ)プロポキシ }エチル2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル エーテル, クロライド]である、レオガードG、GP、MGP、MLP(ライオン株式会社製)等が挙げられる。
上記のカチオン化セルロースのうち、透明性に優れ、少量でも泡付着性が高いと言う観点からは、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが好ましく、中でもカチナールLC−100が、同量での泡付着性が特に高いため好ましい。
カチオン化グアーガムとは、グアーガムに、ヒドロキシプロピル基等の親水基を結合させてカチオン化したものである。グアーガムとは、一年生豆科植物であるグアーから得られる、植物性のガラクトマンナンであり、ヘミセルロースの一種のポリマーである。
カチオン化グアーガムとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガム)等が挙げられる。
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、具体的には、「JAGUAR(ローディア社・登録商標) C−13S」,「JAGUAR(ローディア社・登録商標) C−17」,「メイプロボンド9806(ダニスコ社製)」等として、三晶株式会社から購入することができる。
上記のカチオン化グアーガムのうち、カルボン酸型界面活性剤(特にベタイン型)と、強固なコンプレックスを形成し、泡の補強性に優れる点で、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが好ましい。
本発明の泡状クリーナー用組成物における、水溶性カチオン化ポリマーの含有量は、泡状クリーナー用組成物の総量に対して0.0001〜0.1重量%が好ましく、更に好ましくは0.001〜0.05重量%である。
0.0001重量%以上で、メガネ,電気シェーバーの刃の部分,時計金属バンド等の、汚れを落とす対象物,中でもメガネレンズやメガネフレームに対する、泡の特に良好な濡れ性が得られ、0.1重量%以下でレンズ部分等への付着が強すぎず、より適度なすすぎ性が得られ、レンズが曇り難いからである。
本発明に用いられる両性界面活性剤とは、水に溶けたときに、アルカリ性領域ではアニオン界面活性剤の性質を示し、酸性領域ではカチオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤である。
両性界面活性剤には、カルボン酸型両性界面活性剤の他、アミンオキサイド,硫酸エステル塩型両性界面活性剤,スルホン酸塩型両性界面活性剤,リン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられるが、カチオン化セルロースと併用することにより、カチオン化セルロースとのコンプレックスを形成し、レンズ面に泡がしっかりとどまり、かつ持続した泡が形成できるため、結果として洗浄効果が向上すると言う観点からは、カルボン酸型両性界面活性剤が好ましい。
カルボン酸型は、更にアミノ酸型とベタイン型に分類されるが、コンプレックスがより強固で、泡の補強性に特に優れており、かつ、クリーナー溶液の黄変が少ないため、泡状クリーナー用組成物としては、ベタイン型の方が、より好ましい。
アミノ酸型としては、具体的にはβ−アラニン型界面活性剤等が挙げられ、アンフォレックスMA−1(ヒドロキシアルキル(C12,14)ヒドロキシエチルアラニン:有効成分30重量%)等として、ミヨシ油脂製のものを入手可能である。
ベタイン型としては、具体的には脂肪族アミドプロピルベタイン等が挙げられ、アンフォレックスLB−2(ラウリルアミドプロピルベタイン:有効成分30重量%)等として、ミヨシ油脂製のものを入手可能である。
また、アミンオキサイドとしては、ゲナミノックスK−12(ラウリルジメチルアミンオキサイド:有効成分32重量%)等として、クラリアントジャパン製のものを入手可能である。
本発明の泡状クリーナー用組成物に用いる洗浄成分としては、上記の両性界面活性剤を使用することが必要である。両性であれば、皮膚や汚れを落とす対象物に対する刺激が少なく、特に、様々な材質のメガネフレームの汚れ落としにも適しており、また中性の液性で透明に溶解し、洗浄性,起泡性,及び浸透性に優れているからである。かつメガネフレーム等の汚れを落とす対象物の材質に悪影響を及ぼすことなく汚れを落とすことが出来る。
本発明の泡状クリーナー用組成物における、両性界面活性剤の含有量は、泡状クリーナー用組成物の総量に対して1〜25重量%が好ましく、更に好ましくは2〜15重量%である。
1重量%以上で、特に良好な洗浄性が得られ、25重量%以下で、十分な効果が得られ、経済的だからである。
本発明の泡状クリーナー用組成物においては、両性界面活性剤に対する水溶性カチオン化ポリマーの比率が高い程、レンズその他の汚れを落とす対象物への濡れ性と泡の強さに優れ、比率が少ない程、汚れを落とす対象物への残存が少ないという観点から、水溶性カチオン化ポリマー:両性界面活性剤の含有比率が、1:10000〜1:100であることが好ましく、更に好ましくは、1:5000〜1:1000である。
本発明の泡状クリーナー用組成物には、上記の、水溶性カチオン化ポリマーや両性界面活性剤等の効果を阻害しない範囲で、他の界面活性剤,清涼剤,保湿剤,pH調整剤,増粘剤,殺菌剤,防腐剤,抗酸化剤,香料,色素,紫外線吸収剤,顔料等を、適宜含有させることができる。
特に、クリーナー使用後の、メガネ等の汚れを落とす対象物に、清涼感,爽快感,清潔感を与えることができる点で、更に、L−メントール等の清涼剤を含むことが好ましい。
本発明の泡状クリーナー用組成物における、L−メントール等の清涼剤の含有量は、泡状クリーナー用組成物の総量に対して0.001〜0.1重量%が好ましく、更に好ましくは0.005〜0.05重量%である。
0.001重量%以上で、泡状クリーナー用組成物を使用した直後の、メガネ等の汚れを落とす対象物使用時に、特に良好な清涼感が得られ、0.1重量%以下で、十分な効果が得られるため経済的だからである。
尚、本発明の泡状クリーナー用組成物には、エタノール等の溶媒を適宜含有させることができる。エタノール等を含有させることで、清涼剤であるL−メントールの料を少量に抑えながら、清涼感を維持することができるからである。
本発明の泡状クリーナー用組成物における、エタノール等の溶媒の含有量は、泡状クリーナー用組成物の総量に対して0.4〜5.0重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜3.0重量%である。
防腐剤としては、カチオン界面活性剤系防腐剤等が好ましいものとして挙げられ、具体的には、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム),塩化(または臭化、よう化)ジアルキルジメチルアンモニウム,塩化(または臭化、よう化)トリメチルアンモニウム,トリアルキルアミン塩,ジアルキルアミン塩,モノアルキルアミン塩等が挙げられる。
アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド,塩化(または臭化、よう化)トリメチルアンモニウムの場合、除菌性に特に優れているが、洗浄性をプラスしながら除菌できるという点では、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドとしては、具体的には、炭素数12〜18のアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドが好ましく、例えば、サニゾールB、サニゾールC(花王株式会社製)等として、市販されている。
本発明の泡状クリーナー用組成物における、防腐剤の含有量は、泡状クリーナー用組成物の総量に対して有効成分量0.05〜3.0重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜1.5重量%である。尚、防腐剤,特にアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドを、0.8重量%以上加えることで、起泡性をも、更に改善することができる。
本発明の泡状クリーナー用組成物は、pHが6〜8程度であることが好ましく、更に好ましくは、7〜7.5である。この範囲であることによって、汚れを落とす対象物全体を同時に,特にメガネの場合にはレンズとともにメガネフレームも洗浄することができ、また洗浄時に、汚れを落とす対象物,特にメガネ部材やレンズの表面処理コーティングをいためず、かつ手などの人体にもやさしく、かつ万一洗浄後に当該対象物上に残っても、対象物を傷めず、洗浄後の対象物使用に際して人体への安全性が高まるからである。
本発明の泡状クリーナー用組成物は、使用した際の、泡質と泡の濡れ性等に優れているため、メガネクリーナー用の泡状クリーナー用組成物として、特に好適である。メガネレンズは、表面が様々な表面処理を施されている場合が多く、また、曲面となっているため、泡が流れ落ち易いからである。
本発明の泡状クリーナー用組成物とは、汚れを落とす対象物に適用する前に、予め、泡状にして用いるための組成物を意味している。本発明の泡状クリーナー用組成物は、泡吐出容器等によって、泡状に起泡させることができるものであれば、もとの形態は問わないが、主に、溶液状で提供される。
そのため、水,アルコールその他の適当な溶媒を含有させることが好ましい。
[本発明のクリーナー]
本発明のクリーナーは、上記の泡状クリーナー用組成物に必要な成分を、常法に従って混合し、トリガースプレー等のような、噴霧することによって内容物を起泡させることのできる泡吐出容器に封入することによって、製造することができる。具体的には、キャニオン製のトリガースプレー等として、入手することができる。
[本発明の汚れの洗浄方法]
本発明の汚れの洗浄方法で用いられる、泡除去用溶液とは、水,水に各種の添加剤を含有させた水溶液等が挙げられる。添加剤としては、防腐剤,香料,保湿剤,生理活性成分,塩類,各種溶媒等の成分を適宜含有させることもできる。
本発明の汚れの洗浄方法は、上述の本発明の泡状クリーナー用組成物を、例えばトリガースプレー等の泡吐出容器を用いて泡状に噴霧する等の手段により、メガネレンズ及び/又はメガネフレーム,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンド等の、汚れを落とす対象物に適用後、泡除去用溶液で洗い流す等して実施することができる。
この方法では、トリガースプレーを用いることで、簡単にきめ細かく、容易に崩れない泡が立つ。そして、その泡は、汚れを落とす対象物,中でも、表面処理したものを含むあらゆるメガネレンズに対する濡れ性に優れているため、泡の対象物(特にメガネレンズ面)への乗りが良く、容易に流れ落ち無いため、何度も噴霧し直す必要が無い。
しかも、洗浄性にも優れているため、擦り洗浄を併用する必要が無い上、泡除去用溶液で簡単に洗い流すことができる。
更に、本発明の泡状クリーナー用組成物は、両性界面活性剤を用いているため、メガネフレーム等の様々な材質でできている対象物の洗浄も可能であり、従来のクリーナーには無かった、レンズとメガネフレームの両方を、一度に簡便に洗浄することができるという優れた利点を有している。
[本発明の泡状クリーナーの泡質改善剤]
本発明の泡状クリーナーの泡質改善剤は、水溶性カチオン化ポリマーを含有することを特徴としている。この水溶性カチオン化ポリマーが、泡状クリーナー用組成物中の洗浄成分,例えば両性界面活性剤等と、コンプレックスを形成することによって、レンズ面に泡がしっかりとどまり、かつ持続した泡が形成できる等、泡の濡れ性及び/又は泡強度を改善することができる。本発明の泡状クリーナーの泡質改善剤には、このほか、泡質改善効果を阻害しない範囲で、一般的な添加剤を含有させることもできる。
以下、本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限られるものでは無い。
尚、実施例に先立ち、本発明の泡状クリーナー用組成物の性能を確認するための試験方法等を以下に記載する。
[試験に使用したメガネレンズ]
試験には、次の3種類のメガネレンズを使用した。
(A)マルチコートをしたガラスレンズ
(B)ハードコートをしたプラスチックレンズ
(C)フッ化炭素系樹脂を主体とする特殊コーティング処理をした超撥水性プラスチックレンズ
[起泡性試験]
キャニオン製T95トリガースプレー(φ4 フォーマータイプ吐出量0.75g)を用い200mlのメスシリンダーに試験液を10回7.5g噴射し1分間静置後泡の体積を計る。
100ml以上を○
75ml〜100ml未満を△
75ml未満を×
とする。
[泡付着性試験]
試験対象となる泡状メガネクリーナー用組成物の各々を、メガネレンズに対して、キャニオン製トリガースプレーで0.24gずつ噴霧後、メガネレンズを、180度ひっくり返し、泡がレンズ上にそのまま付着している時間を測定する。
付着時間10秒以上を◎,
5秒以上10秒未満を○,
3秒以上5秒未満を△,
3秒未満を×
とする。
[洗浄性試験]
ホホバオイルをメガネレンズ上に塗布し、赤外線吸収スペクトル測定で、1700cm−1付近にCOOH基の吸収が見られることを確認する(人工的な汚れの塗布)。
試験対象となる泡状クリーナー用組成物を、キャニオン製トリガースプレーで、各々0.24gずつ噴霧する。噴霧された泡を、水で洗い流した後、レンズ上の水分を、ティッシュペーパー等で拭き取り、その後、赤外線吸収スペクトル測定を行う。
1700cm−1付近にCOOH基の吸収が無くなったものを○,吸収の痕跡がみられるものを△、吸収がはっきり見られるものを×とした。
[すすぎ易さの試験]
上記の、洗浄性試験の際の、水による洗い流し易さを、下記の基準で判定する。
○:水で洗い流すだけで、瞬時に泡が落ちた。
△:水で洗い流せるが、多少時間がかかった。
×:水で洗い流しただけでは、泡が落ちず、擦り洗浄を必要とした。
[実施例1〜9,比較例1〜4]
下記表1に記載の処方で、実施例と比較例の泡状メガネクリーナー用組成物を製造した。
尚、実施例3,6,9は、参考例である。
Figure 0004689592
尚、表中の成分の詳細を下記に示す。
セロゲンPR:カルボキシメチルセルロース(CMC)(第一工業製薬製)
JAGUAR HP−60:未変性グアーガム(ローディア社製)
アンフォレックスLB−2:ラウリルアミドプロピルベタイン(ミヨシ油脂製:有効成分30重量%)
アンフォレックスMA−1:ヒドロキシアルキル(C12、14)ヒドロキシエチルアラニン(ミヨシ油脂製:有効成分30重量%)
ゲナミノックスK−12:ラウリルジメチルアミンオキサイド(クラリアントジャパン:有効成分32重量%)
マイドール12:アルキル(C12)ポリグルコキシド(花王株式会社製:有効成分40重量%)
表1から分かる通り、実施例1〜9の本願発明の泡状メガネクリーナー用組成物は、洗浄性,起泡性,泡付着性(濡れ性),すすぎ易さ等に優れていた。
[実施例10]
水の一部に代えてサニゾールB−50(花王株式会社製:塩化ベンザルコニウム50重量%)0.4重量%を含有させた(泡状クリーナー用組成物中の塩化ベンザルコニウム含量:0.2重量%)以外は、実施例1と同様にして、キャニオン製トリガースプレー入りの泡状メガネクリーナー用組成物を得た。
実施例10の泡状メガネクリーナー用組成物は、洗浄性,起泡性,泡付着性(濡れ性),すすぎ易さ等において、実施例1と同等の結果が得られたことに加え、除菌機能の付与されており、より衛生面で優れた性能を有していた。
[実施例11]
水の一部に代えてサニゾールB−50(花王株式会社製:塩化ベンザルコニウム50重量%)1.0重量%を含有させた(泡状クリーナー用組成物中の塩化ベンザルコニウム含量:0.5重量%)以外は、実施例1と同様にして、キャニオン製トリガースプレー入りの泡状メガネクリーナー用組成物を得た。
実施例11の泡状メガネクリーナー用組成物は、洗浄性,泡付着性(濡れ性),すすぎ易さ等において、実施例1と同等の結果が得られたことに加え、起泡性がより向上していた。更に、除菌機能の付与された、より衛生面で優れた性能を有していた。
本発明の泡状クリーナー用組成物は、起泡性,汚れを落とす対象物(特にメガネレンズ)への濡れ性に優れており、何度も噴霧すること無く、速やかに表面に拡がり、また、対象物から容易に流れ落ちないため、再噴霧の必要が無く、経済的である。しかも、洗浄性に優れているため、擦り洗浄をする必要が無く、レンズ等の対象物表面を傷つける心配が無いうえに、水等の泡除去用溶液で洗い流すだけで、汚れが簡単に落ちるという非常に優れた性質を持つものである。

Claims (7)

  1. メガネレンズ, メガネフレーム,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンドに用いる組成物であって、0.0001〜0.1重量%の水溶性カチオン化ポリマーとカルボン酸型両性界面活性剤を含有することを特徴とする、泡状クリーナー用組成物。
  2. カルボン酸型両性界面活性剤の含有量が、泡状クリーナー用組成物の総量に対して1〜25重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の泡状クリーナー用組成物。
  3. 水溶性カチオン化ポリマーとカルボン酸型両性界面活性剤の含有比率が、1:10000〜1:100であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の泡状クリーナー用組成物。
  4. 更にカチオン界面活性剤系防腐剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至いずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
  5. pHが6〜8であることを特徴とする、請求項1乃至いずれかに記載の泡状クリーナー用組成物。
  6. 下記、(1)及び(2)を有することを特徴とする、クリーナー。
    (1)請求項1乃至いずれかに記載の泡状クリーナー用組成物
    (2)泡吐出容器
  7. 請求項1乃至いずれかに記載の泡状クリーナー用組成物を、泡状に噴霧し、メガネレンズ, メガネフレーム,電気シェーバーの刃の部分,又は時計金属バンドに適用後、泡除去用溶液で洗い流すことを特徴とする、汚れの洗浄方法。
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