JP4689473B2 - 直流安定化電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は、直流安定化電源回路(直流安定化電源装置)に関し、特に、出力電流の制限機能を備えた直流安定化電源回路に関する。
図5に、直流安定化電源回路の従来例の回路図(等価回路図)を示す。図5の直流安定化電源回路101(以下、単に「電源回路101」という)は、出力トランジスタQ1、ドライブ用トランジスタQ3、出力電圧Voを分圧するための分圧抵抗R1及びR2、誤差増幅器7、基準電圧源8、並びに出力電流制限回路102から構成される。
図6に、出力電流制限回路102の内部回路を具体化した電源回路101の回路図を示す。図6に示す出力電流制限回路102は、差動アンプ4、定電流源5、並びに抵抗R103及び抵抗R104から構成されている。図6において、差動アンプ4は、出力トランジスタQ1のベース電流IB1と抵抗R103の抵抗値との積で表される電位VAと、定電流源5が出力する定電流I1と抵抗R104の抵抗値との積で表される電位VBとを比較する。
電源回路101の出力電流Ioの増加に応じて出力トランジスタQ1のベース電流IB1が増え、VAがVBを上回ると、差動アンプ4は、誤差増幅器7から電流を引き抜き始め、最終的には誤差増幅器7からドライブ用トランジスタQ3のベースに供給される電流がなくなる。このようにして、出力電流制限回路102(差動アンプ4)は、出力トランジスタQ1のベース電流IB1を制限し、これによって出力電流Ioに制限を加えるように働く。
図7に、出力電流制限回路102と異なる出力電流制限回路102aを採用した電源回路201の回路図を示す。図7において、図5及び図6と同一の部分には同一の符号を付す。出力トランジスタQ1のベース電流IB1は、コレクタとベースが短絡されたトランジスタQ4と抵抗R103を介してグランドに流れこむ。電源回路201の出力電流制限回路102aは、トランジスタQ5と抵抗R103及びR104によって構成されている。
電源回路201において、トランジスタQ4とQ5はカレントミラー回路を形成しているため、トランジスタQ5のコレクタ電流はトランジスタQ4のコレクタ電流に比例して大きくなる。つまり、出力電流Ioの増加に応じて出力トランジスタQ1のベース電流IB1が増えると、トランジスタQ5は誤差増幅器7から電流を引き抜き始め、最終的には誤差増幅器7からドライブ用トランジスタQ3のベースに供給される電流がなくなる。このようにして、電源回路201における出力電流制限回路102aは、出力トランジスタQ1のベース電流IB1を制限し、これによって出力電流Ioに制限を加えるように働く。
図6の電源回路101について考察する。VA=VB、が成立する出力電流Ioの大きさ、即ち、出力電流制限回路102が出力電流Ioの増大に制限を加える閾値の電流を、出力ピーク電流(制限電流;制限値)IOPと呼ぶ。
出力電流Ioに制限が加わるときの出力トランジスタQ1のベース電流IB1の大きさは、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1に大きく依存している。一方において、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1は、製造プロセスのばらつきによってばらつくと共に、入力電圧Viの変動に応じたアーリー効果や周囲温度の変化によってもばらつく(変動する)。また、抵抗R103とR104の抵抗値も、製造プロセスのばらつきによってばらつくと共に、周囲温度の変化によってもばらつく(変動する)。
そして、出力ピーク電流IOPは、VA=VBが成立する時の出力電流Ioの大きさであるため、電流増幅率hFE1のばらつきや抵抗R103及びR104の抵抗値のばらつきの影響を受ける。つまり、出力ピーク電流IOPの値も、製造プロセスのばらつきや、入力電圧Viの変化、周囲温度の変化によって大きくばらつくことになる(変動することになる)。
例えば、製造プロセスのばらつき等に起因して電流増幅率hFE1が小さくなれば、出力ピーク電流IOPは小さくなる。また、製造プロセスのばらつきにより、抵抗R104の抵抗値が設計値(目標値)よりも小さくなった場合や、抵抗R103の抵抗値が設計値(目標値)よりも大きくなった場合、より小さいベース電流IB1にて、VA=VB、が成立するため、出力ピーク電流IOPは小さくなる。
電源回路101の出力の定格電流(或いは、電源回路101を搭載した電源用ICの定格電流)が300mAであるとした場合、通常、出力ピーク電流IOP(出力ピーク電流IOPの仕様値)は、330〜400mA程度であることが望ましい。しかしながら、従来例における出力ピーク電流IOPは、上記の如く、電流増幅率hFE1のばらつきや抵抗R103及びR104の抵抗値のばらつきに大きく依存するため、その仕様値は330〜600mA程度、或いはそれ以上となってしまう。
ところで、図6もしくは図7の電源回路、または、図6もしくは図7の電源回路から出力トランジスタQ1を除いた回路は、直流安定化電源用IC(直流安定化電源用集積回路)として、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)等に代表される記録媒体への記録や再生を行う電子機器に用いられることが多い。これらの電子機器は小型薄型化や低価格化が強く要求される。
一般的に、直流安定化電源用ICへ投入する入力電圧を立ち上げると、その直流安定化電源用ICが供給可能な最大電流(最大能力電流)、つまり出力ピーク電流IOPが瞬間的に流れる。このため、直流安定化電源用ICの前段に設けられるデバイスの電流容量を、その出力ピーク電流IOPを供給可能なものにしておく必要がある。
仮に、従来の直流安定化電源用ICを採用し、その出力電流の定格が上述したように300mAであるとした場合、出力ピーク電流IOPの仕様値は、例えば600mA以上になってしまうため、前段に設けられるデバイスの電流容量は600mA以上とする必要があるのである。このような電流容量の増大は、電子機器全体のサイズやコストを押し上げてしまう。
上記の問題を考慮し、下記特許文献1には、アーリー効果による出力トランジスタの出力ピーク電流の変動を低減する回路が提案されている。
また、下記特許文献2には、入力端子と出力トランジスタとの間に電流検出抵抗を挿入し、その電流検出抵抗に生じる電圧に基づいて出力電流の制限を行うことにより、出力ピーク電流のばらつきを低減する回路が提案されている。
特開2000−270469号公報 特開平3−136112号公報
上述したように、出力ピーク電流IOPのばらつきの拡大は、前段に設けられるデバイスの電流容量の拡大を招く。電子機器全体のコストやサイズの低減を実現するためには、その前段のデバイスの電流容量を極力小さく抑える必要がある。つまり、出力ピーク電流IOPのばらつきを低減することが重要となってくる。
また、上記特許文献1に示す回路では、製造プロセスのばらつきや温度ばらつきによる、出力トランジスタの電流増幅率のばらつきについての考慮がなされていないため、出力ピーク電流のばらつきの抑制効果は不十分である。
また、上記特許文献2に示す回路においては、電流検出抵抗の抵抗値のばらつきや、その抵抗値の温度変化が、出力ピーク電流に影響を与えてしまうため、出力ピーク電流のばらつきの抑制効果は必ずしも十分とは言えない。また、電流検出抵抗の抵抗値を十分に小さくする必要があるため、その電流検出抵抗の占有面積が非常に大きくなってしまう。従って、特許文献2の技術は、直流安定化電源用ICにとって最適な技術とは言えない。
また、バイポーラトランジスタを用いた場合の問題点を上述したが、電界効果トランジスタを用いた場合も同様の問題点が生じる。
本発明は、上記の点に鑑み、製造プロセスのばらつき等に由来する出力電流の制限のばらつきを低減することができる直流安定化電源回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る直流安定化電源回路は、入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え、前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、前記関係の製造プロセスばらつきが前記出力トランジスタと同じ傾向を有するように形成された補正用トランジスタを備え、その補正用トランジスタを用いることによって、前記関係のばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正することを特徴とする。
上記補正用トランジスタを用いれば、上記出力トランジスタにおける前記関係(電流増幅率など)の製造プロセスばらつきを相殺するといったことなどが可能となり、出力電流制限回路による上記制限のばらつきの補正(抑制)が可能となる。
また例えば、前記補正用トランジスタは、前記関係の温度依存性も前記出力トランジスタと同じ傾向を有するように形成されている。
これにより、上記出力トランジスタにおける前記関係(電流増幅率など)の温度によるばらつきに起因した、上記制限のばらつきをも補正することが可能となる。
本発明に係る他の直流安定化電源回路は、入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え、前記出力トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、製造プロセスばらつきによって前記出力トランジスタの電流増幅率が増加するに従って、自身の電流増幅率も増加するように形成された補正用トランジスタを備え、その補正用トランジスタを用いることによって、前記出力トランジスタの電流増幅率のばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正することを特徴とする
本発明に係る更に他の直流安定化電源回路は、入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え、前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、相互コンダクタンスであり、前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、製造プロセスばらつきによって前記出力トランジスタの相互コンダクタンスが増加するに従って、自身の相互コンダクタンスも増加するように形成された補正用トランジスタを備え、その補正用トランジスタを用いることによって、前記出力トランジスタの相互コンダクタンスのばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正することを特徴とする
また例えば、前記出力トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタのベース電流である検出用電流に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
また例えば、前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した検出用電流に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
そして、具体的には例えば、前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、前記差動アンプの出力を用いることによって前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
そして例えば、前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に、前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
また例えば、前記出力電流制御回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する検出用カレントミラー回路を備え、該検出用カレントミラー回路の出力電流を用いて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
これにより、電源回路の素子数の削減が期待できる。
また例えば、前記検出電位は、前記第1入力端子に接続された第1抵抗に流れる電流によって決定されると共に、前記基準電位は、前記第2入力端子に接続された第2抵抗に流れる電流によって決定される。
そして例えば、前記第1抵抗と前記第2抵抗は、同一の製造プロセスにて製造された同一の種類の抵抗にするとよい。
これにより、第1抵抗と第2抵抗は、製造プロセスのばらつきや周囲温度の影響を同様に受けるようになるため、第1抵抗と第2抵抗のばらつきの相違に起因する上記制限のばらつきの抑制が期待できる。
また例えば、前記第1抵抗と前記第2抵抗を、可変抵抗としてもよい。
これにより、第1抵抗と第2抵抗の抵抗値を設計値により近づけることが可能となる。つまり、製造プロセスのばらつき等に起因する抵抗値のばらつきを大幅に低減することが可能となり、この結果、上記制限のばらつきを更に小さく抑えることが可能となる。
また例えば、前記出力トランジスタ及び前記補正用トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタのベース電流である検出用電流と前記補正用トランジスタから得られる補正用電流とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
出力トランジスタと補正用トランジスタの電流増幅率は、ばらつき要因の影響を同様に受けるため、検出用電流だけでなく補正用電流にも基づいて出力トランジスタの出力電流を制限するようにすれば、ばらつき要因の影響の相殺等が可能となり、上記制限のばらつきが抑制される。
具体的には例えば、前記補正回路は、前記補正用トランジスタのベースに定電流を流して、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第1構成例」という)。
これにより、例えば、出力トランジスタの電流増幅率が比較的大きい方向にばらついた場合、出力トランジスタのベース電流である検出用電流は比較的小さくなる。一方、その場合、補正用トランジスタの電流増幅率も比較的大きい方向にばらつくため、補正用トランジスタの出力電流(エミッタ電流又はコレクタ電流)である補正用電流は比較的大きくなる。従って、例えば、検出用電流と補正用電流の和を利用することで、ばらつきが相殺され、上記制限のばらつきが抑制される。尚、この第1構成例に対応する回路として、後に、例えば図1の回路を例示している。
また具体的には例えば、前記補正回路は、前記補正用トランジスタの出力電流を定電流にして、前記補正用トランジスタのベース電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第2構成例」という)。
これにより、例えば、出力トランジスタの電流増幅率が比較的大きい方向にばらついた場合、検出用電流と補正用電流は共に比較的小さくなる。これらの電流増幅率のばらつきの連動性を利用することで、上記制限のばらつきを抑制可能である。尚、この第2構成例に対応する回路として、後に、例えば図2の回路を例示している。
また具体的には例えば、前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍させた電流を前記補正用トランジスタのベース電流とするための補正用カレントミラー回路を備え、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第3構成例」という)。
また具体的には例えば、前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍させた電流を前記補正用トランジスタの出力電流とするための補正用カレントミラー回路を備え、前記補正用トランジスタのベース電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第4構成例」という)。
第3及び第4構成例によれば、電源回路の素子数の削減をも期待できる。尚、第3及び第4構成例に対応する回路として、後に、それぞれ例えば図9及び図10の回路を例示している。
また例えば、前記出力トランジスタ及び前記補正用トランジスタは、電界効果トランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、相互コンダクタンスであり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した検出用電流と前記補正用トランジスタから得られる補正用電流とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
出力トランジスタと補正用トランジスタの相互コンダクタンスは、ばらつき要因の影響を同様に受けるため、検出用電流だけでなく補正用電流にも基づいて出力トランジスタの出力電流を制限するようにすれば、ばらつき要因の影響の相殺等が可能となり、上記制限のばらつきが抑制される。
具体的には例えば、前記補正回路は、前記補正用トランジスタのゲート電圧を定電圧にして、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第5構成例」という)。
また具体的には例えば、前記補正回路は、前記補正用トランジスタの出力電流を定電流にして、前記補正用トランジスタのゲート電圧に応じて流れる電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第6構成例」という)。
また具体的には例えば、前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する補正用カレントミラー回路を備え、該補正用カレントミラー回路の出力電流に応じた電圧を前記補正用トランジスタのゲートに与えて、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する(この構成例を、以下「第7構成例」という)。
尚、第5構成例に対応する回路として、後に、例えば図17及び図20の回路を例示している。また、第6及び第7構成例に対応する回路として、後に、それぞれ例えば図18及び図21の回路を例示している。
また具体的には例えば、第1又は第5構成例において、前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、前記補正用電流は、前記検出電位を上昇させるように流れる。
また具体的には例えば、第2又は第6構成例において、前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、前記補正用電流は、前記基準電位を上昇させるように流れる。
また具体的には例えば、第3、第4、第5又は第7構成例において、前記出力電流制御回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する検出用カレントミラー回路を備え、該検出用カレントミラー回路の出力電流を用いて、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、前記検出用カレントミラー回路を形成する前記検出用カレントミラー回路の入力側の第1抵抗に、前記検出用電流だけでなく前記補正用電流も流れる。
また例えば、前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した反映電位に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
また例えば、前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した反映電位と前記補正用トランジスタの相互コンダクタンスを反映した物理量とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する。
上記反映電位を利用することによっても、上記制限のばらつきを抑制することが可能である。尚、上記反映電位を利用した回路として、後に、例えば図26及び図27の回路を例示している。
また例えば、前記補正用トランジスタは複数の補正用トランジスタにて形成されている。
これにより、上記制限のばらつきを、より抑制することが可能となる。
また例えば、前記補正用トランジスタは複数の補正用トランジスタにて形成されていると共に、前記補正用カレントミラー回路を形成するトランジスタは複数から成り、
各補正用トランジスタに前記補正用カレントミラー回路を形成する各トランジスタが割り当てられる。
これによっても、上記制限のばらつきを、より抑制することが可能となる。また、出力電流制限時における出力電流と当該電源回路の出力電圧との関係の改善が期待できる。
また例えば、前記出力トランジスタの一方の導通電極と前記補正用トランジスタの一方の導通電極は、外部からの入力電圧を受ける前記入力端子に共通接続されている。
これにより、入力電圧が変動した場合、出力トランジスタ及び補正用トランジスタの双方の導通電極間電圧(エミッタ−コレクタ間電圧やソース−ドレイン間電圧)は、(略)同じ変動分だけ変動するため、出力トランジスタと補正用トランジスタの電流増幅率又は相互コンダクタンスは、アーリー効果の影響を同様に受ける。このため、入力電圧の変動に起因する補正用トランジスタの電流増幅率又は相互コンダクタンスの変動にて、出力トランジスタのそれを相殺等することが可能となり、入力電圧の変動に対する上記制限の変動を抑制することが可能となる。
そして、例えば、上記の何れかに記載の直流安定化電源回路を用いて電子機器を構成するようにすればよい。
上述した通り、本発明に係る直流安定化電源回路によれば、製造プロセスのばらつき等に由来する出力電流の制限のばらつきを低減することができる。このため、本発明に係る直流安定化電源回路を用いて電子機器を構成するようにすれば、電子機器全体のコストやサイズを低減することが可能となる。
<<第1実施形態>>
以下、本発明に係る直流安定化電源回路(直流安定化電源装置)の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る直流安定化電源回路1(以下、単に「電源回路1」という)の回路図である。
電源回路1は、PNP型のバイポーラトランジスタである出力トランジスタQ1と、NPN型のバイポーラトランジスタであるドライブ用トランジスタQ3と、電源回路1の出力電流Ioの大きさを制限するための出力電流制限回路2と、出力電流制限回路2によって制限される出力電流Ioの大きさのばらつきを補正する(抑制する)補正回路3と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を有して構成される。
出力電流制限回路2は、差動アンプ4と、抵抗R3及びR4と、定電流源5と、を有して構成される。補正回路3は、PNP型のバイポーラトランジスタである補正用トランジスタQ2と、定電流源6と、を有して構成される。
入力端子10には、外部から被安定化電圧である入力電圧Vi(例えば、直流の12V)が供給される。入力端子10は、補正用トランジスタQ2のエミッタと、出力トランジスタQ1のエミッタと、定電流源5の入力側に共通接続されている。
出力トランジスタQ1のコレクタは、電源回路1の出力電圧Voが出力されるべき出力端子11に接続されていると共に、分圧抵抗R1とR2とから成る直列回路を介して0V電位(GND)に保たれているグランドライン9に接続されている。誤差増幅器7において、反転入力端子(−)には分圧抵抗R1とR2との接続点の電位が与えられ、非反転入力端子(+)には基準電圧源8が出力するリファレンス電位Vrefが与えられている。
定電流源5の出力側は、抵抗R4を介してグランドライン9に接続されていると共に差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されている。定電流源5が出力する定電流(この定電流の大きさをI1とする)は、抵抗R4を介してグランドライン9に流れ込む。また、差動アンプ4の反転入力端子(−)は、ドライブ用トランジスタQ3のエミッタと抵抗R3との接続点に接続されていると共に、補正用トランジスタQ2のコレクタにも接続されている。
定電流源6の入力側は補正用トランジスタQ2のベースに接続され、定電流源6の出力側はグランドライン9に接続されている。定電流源6が出力する定電流(この定電流の大きさをI2とする)は、補正用トランジスタQ2のベース電流として、グランドライン9に流れ込む。電源回路1は、例えば、半導体基板上への各種の層のエピタキシャル成長及び不純物拡散等によって作成されるが、補正用トランジスタQ2のベース電流は定電流となっているため、該ベース電流の大きさは半導体の製造プロセスのばらつきや周囲温度の変化の影響を受けない。抵抗R4に流れる電流も定電流となっているため、同様である。
また、ドライブ用トランジスタQ3において、コレクタは出力トランジスタQ1のベースに接続されていると共にエミッタは抵抗R3を介してグランドライン9に接続されている。そして、ドライブ用トランジスタQ3のベースには、誤差増幅器7の出力と差動アンプ4の出力が与えられている。また、差動アンプ4の反転入力端子(−)の電位及び非反転入力端子(+)の電位を、それぞれ検出電位V1(単に「V1」と記すこともある)及び基準電位V2(単に「V2」と記すこともある)と呼ぶ。
出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は、n型の半導体の両側にp型の半導体を設けることによって作成されるが、それらは同一の製造プロセスによって作成されている。出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の電気的特性(電流増幅率など)は、それらを製造する製造プロセスが、バイポーラトランジスタのみを形成するプロセスであるか、BiCMOS(Bipolar Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスであるか、高耐圧トランジスタを形成するプロセスであるか等によって異なってくるが(不純物の拡散濃度や製造時における半導体基板温度、製造工程の相違等によって異なってくるが)、それらの製造プロセスの条件を同じにして(即ち、同一の製造プロセスにて)、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は作成される。このため、製造プロセスの違いに由来する出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の電気的特性(電流増幅率など)の違いは、非常に小さくなっている(理想的には、違いがない)。しかし、電流増幅率は、同一の製造プロセスにて形成していても、製造の度にばらつくことになる(製造ばらつきがある)。
そこで、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は、電流増幅率の製造プロセスのばらつき(製造ばらつき)が同じ傾向を有するように形成されている。つまり、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1と補正用トランジスタQ2の電流増幅率hFE2が、製造プロセスのばらつきによって同じ方向に同じ程度だけばらつくように、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は形成されている。
また更に、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は、電流増幅率の温度依存性(動作時の温度変化に対する電流増幅率の変化の特性)が同じ傾向を有するように形成されている。つまり、電流増幅率hFE1とhFE2が、同一の温度変化(電源回路の動作時の温度変化)に対して同じ方向に同じ程度だけ変化するように、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は形成されている。尚、ここにおける温度とは、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の周囲温度であり、電源回路1の周囲温度とも考えることができる。
上記のように「電流増幅率hFE1とhFE2の製造プロセスのばらつき及び温度依存性が同じ傾向であること」を、以下、説明の便宜上、「特性類似性α」と呼ぶ。つまり、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2は、特性類似性αを有するように形成されている、或いは、補正用トランジスタQ2は出力トランジスタQ1との関係において特性類似性αを有しているなどと表現する。
出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2が特性類似性αを有するようにするためには、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の形状を同一にすることが望ましい。ここにおける形状とは、例えば、バイポーラトランジスタを形成している半導体形状を意味する。即ち、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2との比較において、エミッタを形成する半導体領域の形状、コレクタを形成する半導体領域の形状、及びベースを形成する半導体領域の形状は、それぞれ互いに同一となっていて、且つそれらの半導体領域の位置関係も互いに同一とすることが望ましい(断面構造を同じとする)。
また更に、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2との比較において、バイポーラトランジスタを形成している半導体形状だけでなく、各半導体領域と接合される電極形状も、同一にするようにしてもよい。つまり、エミッタを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるエミッタ電極との位置関係及びそれらの大きさの関係、コレクタを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるコレクタ電極との位置関係及びそれらの大きさの関係、並びに、ベースを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるベース電極との位置関係及びそれらの大きさの関係をも含めて、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の形状を同一にするようにしてもよい。
また更に、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2が特性類似性αを有するようにするためには、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の上記形状のサイズ(大きさ)も同じにすることが望ましい。但し、補正用トランジスタQ2の出力電流容量は比較的小さくても良いため、形状の同一性を保ちつつも、必要な出力電流容量に応じて補正用トランジスタQ2を出力トランジスタQ1よりも小型にすることも可能である。
上記の如く、トランジスタの形状及びサイズを同一にすることが最も望ましいが、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2が特性類似性αを有するのであれば、上記形状やそのサイズを、全く同じにする必要はない。例えば、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2を縦型のPNPトランジスタにて形成する場合、電流増幅率はコレクタ拡散領域の幅(基板表面方向の幅)に依存しないので、コレクタ拡散領域の幅は互いに異なっていても構わない。
図16に、縦型のPNPトランジスタ80の断面構造例を示す。PNPトランジスタ80は、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2として採用可能である。
P型の基板81上に、比較的高濃度のN型不純物を拡散した埋め込み拡散層82が形成され、更にその上に、PNPトランジスタ80のコレクタ電流の流路となる低抵抗のP型埋め込み拡散層83が拡散工程によって形成される。そして、基板81上へのエピタキシャル成長によって形成されたN型エピタキシャル成長層に対して、不純物を拡散することにより、そのN型エピタキシャル成長層中にP型のコレクタ拡散領域85C、N型のベース拡散領域85B及びP型のエミッタ拡散領域85E(以下、拡散領域85C、85B及び85Eと略記することがある)が形成される。
各拡散領域85C、85B及び85Eは、基板81の表面方向に互いに分離して形成され、基板81の表面方向において、各拡散領域85C、85B及び85Eの間には、N型のウェル84が介在している。基板81の厚み方向において、拡散領域85Bと埋め込み拡散層83との間及び拡散領域85Eと埋め込み拡散層83との間には、ウェル84が介在しており、隣接したベース拡散領域85Bとウェル84によって、PNPトランジスタ80のベース領域が形成される。コレクタ拡散領域85Cは、拡散領域85E等と比べて深く形成され、埋め込み拡散層83と直接接触している。尚、基板81の水平方向において、出力トランジスタ80の外側には、P型の素子分離領域86及び87が形成される。
上記のように形成されたPNPトランジスタ80では、矢印88に示す如く、電流がエミッタ拡散領域85Eからウェル84を介してコレクタ領域の一部である埋め込み拡散層83に流れる。即ち、ベースを流れる電流の方向が基板81の表面に垂直であるため、PNPトランジスタ80は縦型のPNPトランジスタである。このような縦型のPNPトランジスタ80における電流増幅率は、コレクタ拡散領域85Cの基板81の表面方向の幅に依存しない。
上記のように構成された図1の電源回路1において、誤差増幅器7は、分圧抵抗R1とR2との接続点の電位がリファレンス電位Vrefと一致するように、ドライブ用トランジスタQ3のベース電流を制御することによって出力トランジスタQ1のベース電流(ベース電位)を制御する。これにより、出力電圧Voは、所定の電圧値で安定化される。
抵抗R3には、出力トランジスタQ1のベース電流と補正用トランジスタQ2のコレクタ電流が流れる。従って、出力トランジスタQ1のベース電流をIB1とし、補正用トランジスタQ2のコレクタ電流をIC2とし、更に抵抗R3の抵抗値をR3で表すと、検出電位V1は、下式(1)によって表される(但し、ドライブ用トランジスタQ3のベース電流を無視)。
V1=(IB1+IC2)×R3 ・・・(1)
また、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1及び補正用トランジスタQ2の電流増幅率hFE2を用いて表すと、上記式(1)は、下式(2)に変形される。
V1=(Io/hFE1+hFE2・I2)×R3 ・・・(2)
他方、抵抗R4の抵抗値をR4で表すと、基準電位V2は、下式(3)によって表される。
V2=I1×R4 ・・・(3)
出力電流Ioの大きさが、電源回路1が定常的に出力することができる定格電流以下である時、検出電位V1は基準電位V2より小さくなっている。一方、入力電圧Viの投入時等において一時的に上記定格電流を上回る出力電流Ioが流れ、検出電位V1が基準電位V2よりも高くなると、差動アンプ4は、誤差増幅器7から電流を引き抜き始め、最終的には誤差増幅器7からドライブ用トランジスタQ3のベースに供給される電流がなくなる。このようにして、出力電流制限回路2(差動アンプ4)は、出力トランジスタQ1のベース電流IB1を制限し、これによって、出力トランジスタQ1のコレクタ電流、すなわち出力電流Ioに制限を加えるように働く。
ここで、V1=V2、が成立する出力電流Ioの大きさ、即ち、出力電流制限回路2が出力電流Ioの増大に制限を加える閾値の電流を、出力ピーク電流(制限電流;制限値)IOPと呼ぶ。
出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は、上述のように特性類似性αを有しているため、電流増幅率hFE1及びhFE2は、半導体の製造プロセスのばらつきや周囲温度の変動の影響を同様に受ける。更に、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の各エミッタは、双方入力端子10に接続されているため、入力電圧Vinが変動すれば、(略)同じ変動分だけエミッタ−コレクタ間電圧が変動する。つまり、入力電圧Vinの変動した際、アーリー効果に由来して、電流増幅率hFE1及びhFE2は同じ様に変動する。
例えば、製造プロセスのばらつき、周囲温度の変動、入力電圧Viの変動等によって、電流増幅率hFE1が比較的小さくなれば同一の出力電流Ioに対するベース電流IB1の大きさは比較的大きくなるが、電流増幅率hFE2も同様に比較的小さくなるため、補正用トランジスタQ2のコレクタ電流IC2の大きさが比較的小さくなる。つまり、出力トランジスタQ1のベース電流IB1と補正用トランジスタQ2のコレクタ電流IC2の変動が相反するので、電流増幅率hFE1の変動に対する検出電位V1の変動は、図5及び図6に示した従来例に比べて小さくなる。
このように、電源回路1によれば、電流増幅率hFE1のばらつき(変動)に対応して生じる出力ピーク電流IOPのばらつき(定められた目標値との誤差)が補正される(抑制される)。
本実施形態において、出力トランジスタQ1のベース電流IB1は、出力電流Ioを検出するための検出用電流として機能し、補正用トランジスタQ2のコレクタ電流IC2は補正用電流として機能する。そして、出力電流制限回路2は、上記の検出用電流と補正用電流とに基づいて、出力電流Ioに制限を加える。尚、当然ではあるが、電流増幅率hFE1は、出力トランジスタQ1の制御電極であるベース電極から流出するベース電流量という物理量と、出力トランジスタQ1のコレクタ電流量(出力電流Ioの大きさ)との関係を表している。
<<第2実施形態>>
次に、本発明に係る直流安定化電源回路(直流安定化電源装置)の第2実施形態を説明する。図2は、第2実施形態に係る直流安定化電源回路1a(以下、単に「電源回路1a」という)の回路図である。図2において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路1aは、出力トランジスタQ1と、ドライブ用トランジスタQ3と、電源回路1aの出力電流Ioの大きさを制限するための出力電流制限回路2aと、出力電流制限回路2aによって制限される出力電流Ioの大きさのばらつきを補正する(抑制する)補正回路3aと、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を有している。つまり、電源回路1aは、図1の電源回路1における出力電流制限回路2及び補正回路3を、出力電流制限回路2a及び補正回路3aに置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は図1の電源回路1と一致している。以下、電源回路1との相違点に着目して説明を行い、一致点に関する説明を省略する。
補正回路3aの構成要素は図1の補正回路3と同じく、補正用トランジスタQ2と定電流源6となっている。但し、補正回路3aの補正用トランジスタQ2においては、エミッタが入力端子10に接続され、ベースが差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続され、コレクタが定電流源6の入力側に接続されている。そして、補正回路3aの定電流源6の出力側はグランドライン9に接続されている。つまり、補正用トランジスタQ2のコレクタ電流は定電流I2となっており、該コレクタ電流は半導体の製造プロセスのばらつきや周囲温度の変化の影響を受けないようになっている。
出力電流制限回路2aの構成要素は図1の出力電流制限回路2と同じく、差動アンプ4、定電流源5、抵抗R3及びR4であり、それらの接続関係も図1の出力電流制限回路2と同じとなっている。但し、図1の出力電流制限回路2においては補正用トランジスタQ2のコレクタが差動アンプ4の反転入力端子(−)に接続されていたが、上述の如く、出力電流制限回路2aにおいては、補正用トランジスタQ2のベースが差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されている。
従って、ドライブ用トランジスタQ3のベース電流を無視し、補正用トランジスタQ2のベース電流をIB2とすると、検出電位V1及び基準電位V2は、下式(4)及び(5)によって表すことができる。
V1=IB1×R3 =Io/hFE1×R3 ・・・(4)
V2=(I1+IB2)×R4=(I1+I2/hFE2)×R4 ・・・(5)
出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2は、上述のように特性類似性αを有しているため、電流増幅率hFE1及びhFE2は、半導体の製造プロセスのばらつきや周囲温度の変動の影響を同様に受ける。更に、出力トランジスタQ1及び補正用トランジスタQ2の各エミッタは、双方入力端子10に接続されているため、入力電圧Vinが変動すれば、(略)同じ変動分だけエミッタ−コレクタ間電圧が変動する。つまり、入力電圧Vinの変動した際、アーリー効果に由来して、電流増幅率hFE1及びhFE2は同じ様に変動する。
従って、例えば、製造プロセスのばらつき、周囲温度の変動、入力電圧Viの変動等によって、電流増幅率hFE1が比較的小さくなれば、同一の出力電流Ioに対するベース電流IB1の大きさは比較的大きくなって検出電位V1は高くなる。一方において、この場合、電流増幅率hFE2も同様に比較的小さくなるため、補正用電流としての補正用トランジスタQ2のベース電流IB2の大きさが比較的大きくなって基準電位V2も高くなる。つまり、電流増幅率hFE1の変動に対して検出電位V1と基準電位V2が同様に変化することになり、電流増幅率hFE1のばらつき(変動)に対応して生じる出力ピーク電流IOPのばらつき(定められた目標値との誤差)が補正される(抑制される)ことになる。
また、第1実施形態、第2実施形態及び後述する他の全ての実施形態における抵抗R3とR4を、同一の製造プロセスにて製造するようにしてもよい。例えば、電源回路1や電源回路1aの全体、或いは抵抗R3やR4を半導体基板上に作成する場合、抵抗R3及びR4は不純物の拡散等により形成されるが、その不純物の拡散量のばらつき等によって、それらの電気的特性(抵抗値や温度係数)はばらつき、また、製造工程の相違等によって、そのばらつきの程度や方向は異なってくる。
製造プロセスのばらつきに由来する抵抗の電気的特性のばらつきをゼロにすることはできないが、不純物の拡散量や製造工程等の製造プロセスを同じにして抵抗R3及びR4を製造すれば、それらは製造プロセスのばらつきや周囲温度の影響を同様に受けるようになるため、抵抗R3とR4のばらつきの相違に起因する出力ピーク電流IOPのばらつきは小さくなる。例えば、抵抗R3と抵抗R4を同一の半導体基板上に同時に形成するようにするとよい。
また更に、第1実施形態、第2実施形態及び後述する他の全ての実施形態における抵抗R3とR4を、同一の種類のものとするとよい。抵抗R3と抵抗R4を、同一の抵抗体としてもよい。例えば、電源回路1や電源回路1aの全体、或いは抵抗R3やR4を半導体基板上に作成する場合、抵抗R3及びR4は不純物の拡散等により形成されるが、その不純物の拡散量や抵抗を形成する部分の形状、大きさ等を、抵抗R3とR4とで同じにすればよい。
抵抗R3とR4を同一の種類の抵抗体とすることにより、それらは製造プロセスのばらつきや周囲温度の影響を同様に受けるようになるため、抵抗R3とR4のばらつきの相違に起因する出力ピーク電流IOPのばらつきは小さくなる。
また、第1実施形態、第2実施形態及び後述する他の全ての実施形態における抵抗R3とR4を、外部信号等に応じて抵抗値を変化させることができる可変抵抗としてもよい。抵抗R3及びR4を、そのような可変抵抗とすれば、抵抗R3及びR4の抵抗値を設計値により近づけることが可能となる。つまり、製造プロセスのばらつき等に起因する抵抗値のばらつきを大幅に低減することが可能となり、この結果、出力ピーク電流IOPのばらつきは、更に小さくなる。
図3に、図1の電源回路1における抵抗R3及びR4を可変抵抗に変形した直流安定化電源回路1b(以下、単に「電源回路1b」という)の回路図を示す。図2の電源回路1aについても、同様の変形が可能である。図3において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。電源回路1bは、図1の電源回路1の出力電流制限回路2を、出力電流制限回路2bに置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は図1の電源回路1と一致している。以下、電源回路1との相違点に着目して説明を行い、一致点に関する説明を省略する。
図1と図3の比較から分かるように、図3の電源回路1bにおいては、図1における抵抗R3が抵抗R13及びR23並びにスイッチ回路SW1に置換され、図1における抵抗R4が抵抗R14及びR24並びにスイッチ回路SW2に置換されている。
スイッチ回路SW1は、外部から供給される外部信号aの信号レベルに応じて抵抗R13又はR23を差動アンプ4の反転入力端子(−)に接続する。差動アンプ4の反転入力端子(−)は、スイッチ回路SW1によって接続された抵抗(即ち、抵抗R13又はR23)を介してグランドライン9に接続される。スイッチ回路SW2は、外部から供給される外部信号bの信号レベルに応じて抵抗R14又はR24を差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続する。差動アンプ4の非反転入力端子(+)は、スイッチ回路SW2によって接続された抵抗(即ち、抵抗R14又はR24)を介してグランドライン9に接続される。
尚、第1実施形態や第2実施形態及び後述する他の全ての実施形態における抵抗R3とR4を、同一の製造プロセスにて製造した同一の種類の可変抵抗としてもよい。例えば、抵抗R13、R23、R14及びR24を、全て同一の製造プロセスにて製造した同一の種類の抵抗としてもよい。
ところで、図8に、図1等に用いられている定電流源5の回路例を示す。図8において、定電流源5は、4つのトランジスタQ51、Q52、Q53及びQ54と、1つの抵抗R50とから構成されている。図8において、抵抗R50の一端には、基準電圧源8が出力するリファレンス電圧Vrefが供給されており、トランジスタQ53及びQ54のエミッタには、入力電圧Viが印加される(図1等参照)。そして、トランジスタQ54のコレクタから定電流I1が抵抗R4に向かって流れる。
このように、出力電流制限回路や補正回路に定電流を用いると、電源回路全体での消費電力が大きくなると共に、電源回路を構成する素子数が増加して電源回路を備えたIC(集積回路)チップのコストアップを招く。この点に鑑み、素子数が少なく、定電流が不必要な電源回路として、以下に第3〜第5実施形態の電源回路を説明する。
<<第3実施形態>>
まず、第3実施形態に係る直流安定化電源回路(直流安定化電源装置)を説明する。図9は、第3実施形態に係る直流安定化電源回路1c(以下、単に「電源回路1c」という)の回路図である。図9において、図1等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路1cは、出力トランジスタQ1と、ドライブ用トランジスタQ3と、トランジスタQ5並びに抵抗R3及びR4とを含んで構成される出力電流制限回路2cと、補正用トランジスタQ2、トランジスタQ6及び抵抗R5を含んで構成される補正回路3cと、トランジスタQ4と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を備えている。トランジスタQ4は、出力電流制限回路2cの構成要素と考えることができ、補正回路3cの構成要素と考えることもできる。トランジスタQ4、Q5及びQ6は、NPN型のバイポーラトランジスタとなっている。上述の如く、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2は特性類似性αを有するように形成される。
入力端子10には、外部から被安定化電圧である入力電圧Vi(例えば、直流の12V)が供給される。入力端子10は、補正用トランジスタQ2のエミッタと、出力トランジスタQ1のエミッタに共通接続されている。
出力トランジスタQ1のコレクタは、電源回路1cの出力電圧Voが出力されるべき出力端子11に接続されていると共に、分圧抵抗R1とR2とから成る直列回路を介して0V電位(GND)に保たれているグランドライン9に接続されている。誤差増幅器7において、反転入力端子(−)には分圧抵抗R1とR2との接続点の電位が与えられ、非反転入力端子(+)には基準電圧源8が出力するリファレンス電位Vrefが与えられている。
ドライブ用トランジスタQ3において、コレクタは出力トランジスタQ1のベースに接続され、ベースは誤差増幅器7の出力端子とトランジスタQ5のコレクタに共通接続され、エミッタは短絡されたトランジスタQ4のコレクタとベースに接続されている。そして、トランジスタQ4、Q5及びQ6のエミッタは、それぞれ抵抗R3、R4及びR5を介してグランドライン9に接続されていると共に、トランジスタQ4、Q5及びQ6のベースは共通接続されている。
トランジスタQ4及びQ5は、カレントミラー回路の入力側の電流であるトランジスタQ4のコレクタ電流、すなわち出力トランジスタQ1のベース電流IB1を比例倍した電流を、トランジスタQ5のコレクタ電流として出力するカレントミラー回路(検出用カレントミラー回路)を構成している。
トランジスタQ4及びQ6は、カレントミラー回路の入力側の電流であるトランジスタQ4のコレクタ電流、すなわち出力トランジスタQ1のベース電流IB1を比例倍した電流を、トランジスタQ6のコレクタ電流として出力するカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)を構成している。補正用トランジスタQ2において、ベースはトランジスタQ6のコレクタに接続され、コレクタはトランジスタQ4のエミッタと抵抗R3との接続点に接続されている。
上記のように構成された電源回路1cにおいて、出力電流Ioの増加に応じて出力トランジスタQ1のベース電流IB1が増えると、トランジスタQ4とQ5がカレントミラー回路を構成しているため、トランジスタQ5は誤差増幅器7から電流を引き抜き始め、最終的には誤差増幅器7からドライブ用トランジスタQ3のベースに供給される電流がなくなる。このようにして、電源回路1cにおける出力電流制限回路2cは、出力トランジスタQ1のベース電流IB1を制限し、これによって出力電流Ioに制限を加えるように働く。
また、トランジスタQ4とQ6もカレントミラー回路を構成しているため、出力電流Ioの増加に応じて出力トランジスタQ1のベース電流IB1が増えると、トランジスタQ6のコレクタ電流すなわち補正用トランジスタQ2のベース電流が増える。これにより、補正用電流としての補正用トランジスタQ2のコレクタ電流IC2が増加し、トランジスタQ4のエミッタ電位を上昇する。この結果、トランジスタQ5(並びにQ4及びQ6)のベース電位が上昇し、トランジスタQ5が誤差増幅器7から電流をより引き抜くようになり、出力トランジスタQ1のベース電流IB1が(図7のような回路に比べて)より制限される方向に向かう。
つまり、出力電流Ioが大きくなるにつれて、補正回路3cは、出力電流Ioの増加をより制限する方向に働くため、出力電流制限回路2cが出力電流Ioの増大に制限を加える閾値の電流、すなわち出力ピーク電流は、製造プロセスのばらつきや温度変化や入力電圧Viの変動による電流増幅率hFE1のばらつきに、あまり影響を受けなくなる。このため、出力電流Ioが大きくなって電源回路1cを備えたICチップ自身や電子機器が壊れるといった危険性は非常に低くなる。
本実施形態に係る出力電流制限回路2cが出力電流Ioの増大に制限を加える閾値の電流、すなわち出力ピーク電流をIOP2とおいて、電流増幅率hFE1のばらつきと出力ピーク電流IOP2のばらつきとの関係について詳細な説明を加える。
今、トランジスタQ5のベース電位が0.9V(ボルト)になった時、誤差増幅器7からトランジスタQ3のベースに供給されていた電流(電流の一部)がトランジスタQ5側に流れて、出力電流Ioが制限されるものとする。また、この時のトランジスタQ4のエミッタ電位が0.2Vであるとする。つまり、出力電流Ioが出力ピーク電流IOP2と等しくなった時、トランジスタQ4のエミッタ電位が0.2Vになるとする。
尚、この時のトランジスタQ3のベース電流は、IB1/hFE3=(IOP2/hFE1)/hFE3、となる(但し、hFE3はトランジスタQ3の電流増幅率)。誤差増幅器7の出力電流の増大には限りがあり、出力電流Ioが増大することにより、「トランジスタQ5のコレクタ電流(第1実施形態等においては差動アンプ4が引き込む電流)とトランジスタQ3のベース電流との和」が「誤差増幅器7の出力電流の最大値」に等しくなった状態における出力電流Ioが、出力ピーク電流IOP2である。
トランジスタQ4のエミッタ電位が0.2Vである時、抵抗R3の抵抗値をR3で表すと下記式(6)が成立し、更に、トランジスタQ6のエミッタ面積がトランジスタQ4のそれの1/100であるとすると、トランジスタQ6のコレクタ電流はトランジスタQ4のコレクタ電流の1/100になるため、下記式(7)が成立する。
0.2=(IB1+IC2)×R3 ・・・(6)
0.2={IB1+(IB1/100)×hFE2}×R3 ・・・(7)
上記式(7)において、R3=40Ω(オーム)、IB1=IOP2/hFE1を代入すると、下記式(8)が得られる。
0.2={IOP2/hFE1+(IOP2×hFE2)/(hFE1×100)}×40 ・・・(8)
出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1には必ずばらつきが存在するが、hFE1が、100≦hFE1≦200の範囲内でばらつくとする。図7の従来回路例では、抵抗R103の抵抗値が100Ωであるとすると、0.2V/100Ω=2mA(ミリアンペア)より、出力ピーク電流は200〜400mAの間でばらつくことになる。
一方、図9の電源回路1cにおいては、hFE1が100≦hFE1≦200の範囲内でばらつく場合、出力トランジスタQ1と補正用トラジスタQ2が特性類似性αを有していることからhFE1=hFE2とおくと、上記式(8)より、出力ピーク電流IOP2のばらつきは、250〜約333mAの範囲内で収まることになる。
尚、トランジスタQ6のエミッタ面積に対するトランジスタQ4のエミッタ面積の比をY、誤差増幅器7からトランジスタQ3のベースに供給されていた電流(電流の一部)がトランジスタQ5側に流れる状態におけるトランジスタQ4のエミッタ電位をV3とおいて、上記式(8)を一般化して変形すると、下記式(9)が得られる。
OP2=(V3×hFE1×Y)/{R3×(Y+hFE2)} ・・・(9)
上記式(9)からも、hFE1とhFE2が同じ傾向を持つと、出力ピーク電流IOP2のばらつきが低減されることが分かる。
<<第4実施形態>>
次に、第3実施形態の変形例として、本発明の第4実施形態を説明する。図10は、第4実施形態に係る直流安定化電源回路1d(以下、単に「電源回路1d」という)の回路図である。図10において、図1及び図9等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路1dは、図9の電源回路1cにおける補正回路3cを補正回路3dに置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は、電源回路1cと一致している。以下、電源回路1cとの相違点に着目して説明を行い、一致点に関する説明を省略する。
補正回路3dは、出力トランジスタQ1との関係において特性類似性αを有する補正用トランジスタQ2と、トランジスタQ6と、抵抗R6と、を備えて構成される。補正用トランジスタQ2において、エミッタは入力端子10と出力トランジスタQ1のエミッタとに共通接続され、ベースはトランジスタQ4と抵抗R3との接続点に接続され、コレクタはトランジスタQ6のコレクタに接続されている。
トランジスタQ6において、ベースはトランジスタQ4及びQ5のベースと共通接続され、エミッタは抵抗R6を介してグランドライン9に接続されている。このように、本実施形態でも、トランジスタQ4及びQ6は、トランジスタQ4のコレクタ電流、すなわち出力トランジスタQ1のベース電流IB1を比例倍した電流を、トランジスタQ6のコレクタ電流として出力するカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)を構成している。
図10の電源回路1dの動作は、図9の電源回路1cの動作と、ほぼ同様である。つまり、出力電流Ioの増加に応じて出力トランジスタQ1のベース電流IB1が増えると、トランジスタQ6のコレクタ電流すなわちトランジスタQ2のエミッタ電流が増える。これにより、補正用電流としてのトランジスタQ2のベース電流IB2が増加し、トランジスタQ4のエミッタ電位を上昇する。この結果、トランジスタQ5(並びにQ4及びQ6)のベース電位が上昇し、トランジスタQ5が誤差増幅器7から電流をより引き抜くようになり、出力トランジスタQ1のベース電流IB1が(図7のような回路に比べて)より制限される方向に向かう。
つまり、出力電流Ioが大きくなるにつれて、補正回路3dは、出力電流Ioの増加をより制限する方向に働くため、出力電流制限回路2cが出力電流Ioの増大に制限を加える閾値の電流、すなわち出力ピーク電流は、製造プロセスのばらつきや温度変化や入力電圧Viの変動による電流増幅率hFE1のばらつきに、あまり影響を受けなくなる。
図4(a)及び(b)に、従来の電源回路(図5〜図7参照)と本発明に係る電源回路における出力ピーク電流(IOPまたはIOP2)のばらつき要因依存性を示す。図4(a)の横軸は、製造プロセスのばらつきの程度を表しており、図4(b)の横軸は、電源回路の周囲温度を表している。図4(a)及び(b)の縦軸は、出力ピーク電流(IOPまたはIOP2)を表している。
図4(a)において、実線60a、破線61a及び62aは、出力ピーク電流(IOPまたはIOP2)の製造プロセスばらつき依存性を表しており、実線60aは従来の電源回路におけるそれを、破線61aは電源回路1、1a及び1bにおけるそれを、破線62aは電源回路1c及び1dにおけるそれを表している。図4(b)において、実線60b、破線61b及び62bは、出力ピーク電流(IOPまたはIOP2)の周囲温度依存性を表しており、実線60bは従来の電源回路におけるそれを、破線61bは電源回路1、1a及び1bにおけるそれを、破線62bは電源回路1c及び1dにおけるそれを表している。
図4(a)及び(b)に示すごとく、電源回路1、1a及び1bにおける出力ピーク電流のばらつきの実力値F1及びF2は、従来の電源回路における出力ピーク電流のばらつきの実力値E1及びE2よりも小さい。また、電源回路1c及び1dにおける出力ピーク電流のばらつきの実力値G1及びG2は、上述したようにばらつき要因による影響を受けにくいため、更に小さい。よって、本発明を適用すれば、出力ピーク電流の仕様値の範囲を狭めることができ、この結果、電子機器全体のコストやサイズ低減を実現することが可能となる。尚、後述する第5及び第6実施形態の電源回路1e及び1fも、電源回路1c及び1dと同程度に(或いはそれ以上に)出力ピーク電流のばらつきは小さい。
<<第5実施形態>>
補正用トランジスタを複数の補正用トランジスタにて構成するようにしてもよく、複数の補正用トランジスタを用いた第3実施形態の変形例を、第5実施形態として説明する。図11は、第5実施形態に係る直流安定化電源回路1e(以下、単に「電源回路1e」という)の回路図である。図11において、図1及び図9等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路1eは、図9の電源回路1cにおける補正回路3cを補正回路3eに置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は、電源回路1cと一致している。以下、電源回路1cとの相違点に着目して説明を行い、一致点に関する説明を省略する。
補正回路3eは、補正用トランジスタQ2及びQ21と、トランジスタQ6及びQ7と、抵抗R7及びR8と、を備えて構成される。補正用トランジスタQ21は、補正用トランジスタQ2と同じものであり、出力トランジスタQ1との関係において特性類似性αを有するように形成されている。トランジスタQ7は、NPN型のバイポーラトランジスタである。
補正用トランジスタQ2及びQ21のエミッタは、共に入力端子10と出力トランジスタQ1のエミッタに共通接続されており、補正用トランジスタQ2及びQ21のコレクタは、共にトランジスタQ4のエミッタと抵抗R3との接続点に接続されている。補正用トランジスタQ2及びQ21のベースは、それぞれ、トランジスタQ6及びQ7のコレクタに接続されている。トランジスタQ6及びQ7のエミッタは、それぞれ、抵抗R7及びR8を介してグランドライン9に接続されている。トランジスタQ4、Q5、Q6及びQ7のベースは共通接続されている。トランジスタQ6及びQ7は、トランジスタQ4と共に、トランジスタQ4を電流の入力側としたカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)を形成している。尚、トランジスタQ6とQ7のエミッタ面積は同じであっても良いし、異なっていても良い。
図13に、出力電流Ioと出力電圧Voとの関係図を示す。曲線70、71及び72は、出力電流Ioが増加し、出力電流制限回路が動作し始めてから出力電流Ioが完全に制限されて出力電圧Voがゼロになるまでの状態を表しており、曲線70は図7の電源回路201におけるそれを、曲線71は図9の電源回路1cにおけるそれを、曲線72は図11の電源回路1eにおけるそれを表している。
図7の電源回路201において、出力電流Ioが増加すると、トランジスタQ5が、差動増幅器である誤差増幅器7の出力電流を引き抜き始める。更に出力電流Ioが或る電流量まで増加すると、誤差増幅器7の出力電流は更に大きくなって誤差増幅器7の差動のバランスが崩れ、出力電圧Voが下がり出す(反転入力端子(−)の電位が下がり出す)。そして更に出力電流Ioが増加すると、最終的には出力電圧Voがゼロとなる。図13のおけるE3は、図7の電源回路201において、出力電圧Voが下がり出してから出力電圧Voがゼロに至るまでの出力電流Ioの値の幅を表している。
図9の電源回路1cでは、出力電流Ioが増加することにより出力電圧Voが下がり出した時に、トランジスタQ6のコレクタ電流が流れ始めて補正用トランジスタQ2にコレクタ電流が流れるようになり、トランジスタQ5のコレクタ電流が図7の電源回路201と比べてより大きくなる。このため、図7の電源回路201と比べて、出力電流Ioがより少ない状態で出力電圧Vo(反転入力端子(−)の電位)がゼロになる。つまり、電源回路1cにおいては、出力電流制限回路が動作してから出力電圧Voがゼロになるまでの出力電流Ioの値の幅G3は、E3よりも狭くなる。
図11の電源回路1eでは、出力電流Ioが増加することにより出力電圧Voが下がり出した時に、例えばトランジスタQ6及びQ7のコレクタ電流が同時に流れ始めて補正用トランジスタQ2及びQ21にコレクタ電流(補正用電流)が流れるようになり、トランジスタQ5のコレクタ電流がより大きくなる。このため、図9の電源回路1cと比べて、出力電流Ioがより少ない状態で出力電圧Vo(反転入力端子(−)の電位)がゼロになる。つまり、電源回路1eにおいては、出力電流制限回路が動作してから出力電圧Voがゼロになるまでの出力電流Ioの値の幅H3は、G3よりも狭くなる。
出力電流制限回路が動作してから力電圧Voがゼロになるまでの出力電流Ioの値の幅が広いと、出力ピーク電流のばらつきが大きくなるが、上述の如く、本発明に係る電源回路によれば、その幅を狭くすることができる。
また、トランジスタQ5の機能を担う素子を複数設けることによっても、その幅を狭くすることができる。つまり、図9等において、ベースをトランジスタQ4のベースに、コレクタをドライブ用トランジスタQ3のベースに、エミッタを抵抗(不図示)を介してグランドライン9に接続した1以上のトランジスタ(不図示)を、トランジスタQ5と別に設けることによっても、その幅を狭くすることができる。
また、図11の電源回路1eのように補正用トランジスタを複数設けることにより、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1のばらつきに対して複数の補正をかけることができるため、電流増幅率hFE1のばらつきに対する出力ピーク電流のばらつきは、より低減される。
<<第6実施形態>>
複数の補正用トランジスタを用いた第4実施形態の変形例を、第6実施形態として説明する。図12は、第6実施形態に係る直流安定化電源回路1f(以下、単に「電源回路1f」という)の回路図である。図12において、図1、図9及び図11等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路1fは、図10の電源回路1dにおける補正回路3dを補正回路3fに置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は、電源回路1dと一致している。補正回路3fは、補正用トランジスタQ2及びQ21と、トランジスタQ6及びQ7と、抵抗R9及びR10と、を備えて構成される。
電源回路1fにおいて、トランジスタQ2及びQ21のエミッタは、共に、入力端子10と出力トランジスタQ1のエミッタに共通接続されており、トランジスタQ2及びQ21のベースは、共にトランジスタQ4のエミッタと抵抗R3との接続点に接続されている。補正用トランジスタQ2及びQ21のコレクタは、それぞれ、トランジスタQ6及びQ7のコレクタに接続されている。トランジスタQ6及びQ7のエミッタは、それぞれ、抵抗R9及びR10を介してグランドライン9に接続されている。トランジスタQ4、Q5、Q6及びQ7のベースは共通接続されている。電源回路1fにおいても、トランジスタQ6及びQ7は、トランジスタQ4と共に、トランジスタQ4を電流の入力側としたカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)を形成している。
上記の如く電源回路1fを構成することにより、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1実施形態においても、補正用トランジスタを複数設けるようにしてもよい。つまり例えば、図1の電源回路1において、図14に示す如く、エミッタとコレクタが補正用トランジスタQ2のそれらと共通接続された補正用トランジスタQ21を別途設けるようにし、補正用トランジスタQ21のベース電流が定電流となるように、補正用トランジスタQ21のベースに定電流源12を接続するようにする。この場合、補正用トランジスタQ2及びQ21のコレクタが、図1の差動アンプ4の反転入力端子(−)に接続されることになる。尚、図14において、補正用トランジスタQ2のベースに流れる定電流の大きさと補正用トランジスタQ21のベースに流れる定電流の大きさは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
同様に、第2実施形態においても、補正用トランジスタを複数設けるようにしてもよい。つまり例えば、図2の電源回路1aにおいて、図15に示す如く、エミッタとベースが補正用トランジスタQ2のそれらと共通接続された補正用トランジスタQ21を別途設けるようにし、補正用トランジスタQ21のコレクタ電流が定電流となるように、補正用トランジスタQ21のコレクタに定電流源12を接続するようにする。この場合、補正用トランジスタQ2及びQ21のベースが、図2の差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されることになる。尚、図15において、補正用トランジスタQ2のコレクタに流れる定電流の大きさと補正用トランジスタQ21のコレクタに流れる定電流の大きさは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1及び第2実施形態において、補正用トランジスタを複数設けることにより、出力トランジスタQ1の電流増幅率hFE1のばらつきに対して複数の補正をかけることができるため、電流増幅率hFE1のばらつきに対する出力ピーク電流のばらつきは、より低減される。尚、図14及び図15において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。
<<第7実施形態>>
第1〜第6実施形態では、出力トランジスタ等にバイポーラトランジスタを使用した電源回路例を示したが、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電界効果トランジスタを用いた場合も同様である。
第1実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51(以下、単に「電源回路51」という)を第7実施形態として説明する。図17は、電源回路51の回路図である。図17において、図1等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51は、出力トランジスタM1と、トランジスタM10と、ドライブ用トランジスタM3と、差動アンプ4、定電流源5、抵抗R3及びR4を有して構成される出力電流制限回路と、補正用トランジスタM2及び定電圧源22を有して構成される補正回路と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を備えて構成される。
出力トランジスタM1、補正用トランジスタM2及びトランジスタM10は、Pチャネル型のMOSFETであり、ドライブ用トランジスタM3は、Nチャネル型のMOSFETである。
入力端子10には、外部から被安定化電圧である入力電圧Vi(例えば、直流の12V)が供給される。入力端子10は、補正用トランジスタM2のソースと、出力トランジスタM1のソースと、トランジスタM10のソースと、定電流源5の入力側に共通接続されている。
出力トランジスタM1のドレインは、電源回路51の出力電圧Voが出力されるべき出力端子11に接続されていると共に、分圧抵抗R1とR2とから成る直列回路を介して0V電位(GND)に保たれているグランドライン9に接続されている。誤差増幅器7において、反転入力端子(−)には分圧抵抗R1とR2との接続点の電位が与えられ、非反転入力端子(+)には基準電圧源8が出力するリファレンス電位Vrefが与えられている。
定電流源5の出力側は、抵抗R4を介してグランドライン9に接続されていると共に差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されている。定電流源5が出力する定電流(この定電流の大きさはI1)は、抵抗R4を介してグランドライン9に流れ込む。また、差動アンプ4の反転入力端子(−)は、ドライブ用トランジスタM3のソースと抵抗R3との接続点に接続されていると共に、補正用トランジスタM2のドレインにも接続されている。
補正用トランジスタM2のゲートには、定電圧源22から一定電圧が与えられている。ドライブ用トランジスタM3のゲートは、共通接続された差動アンプ4と誤差増幅器7の出力端子に接続されている。出力トランジスタM1のゲートとトランジスタM10のゲートは共通接続され、トランジスタM10において、ゲートとドレインは短絡されている。そして、トランジスタM10のドレインは、ドライブ用トランジスタM3のドレインに接続されている。
出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2は、出力トランジスタQ1と補正用トランジスタQ2との関係と同様、同一の製造プロセスにて形成され、且つ、それらの相互コンダクタンス(ゲート−ソース間電圧とドレイン電流との関係)の製造プロセスのばらつき及び温度依存性(動作時の温度変化に対する相互コンダクタンスの変化の特性)が同じ傾向を有するように形成されている。
つまり、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1と補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2が、製造プロセスのばらつきによって同じ方向に同じ程度だけばらつくように、且つ、それらが同一の温度変化(電源回路の動作時の温度変化)に対して同じ方向に同じ程度だけ変化するように、出力トランジスタM1及び補正用トランジスタM2は形成される。尚、ここにおける温度とは、出力トランジスタM1及び補正用トランジスタM2の周囲温度であり、電源回路51の周囲温度とも考えることができる。
上記のように「相互コンダクタンスgm1とgm2の製造プロセスのばらつき及び温度依存性が同じ傾向であること」を、以下、説明の便宜上、「特性類似性β」と呼ぶ。つまり、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2は、特性類似性βを有するように形成されている、或いは、補正用トランジスタM2は出力トランジスタM1との関係において特性類似性βを有しているなどと表現する。
出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2が特性類似性βを有するようにするためには、出力トランジスタM1及び補正用トランジスタM2の形状を同一にすることが望ましい。ここにおける形状とは、例えば、MOSFETを形成している半導体形状を意味する。即ち、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2との比較において、ドレインを形成する半導体領域の形状、ソースを形成する半導体領域の形状、及びゲートを形成する半導体領域の形状は、それぞれ互いに同一となっていて、且つそれらの半導体領域の位置関係も互いに同一とすることが望ましい(断面構造を同じとする)。
また更に、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2との比較において、MOSFETを形成している半導体形状だけでなく、各半導体領域と接合される電極形状も、同一にするようにしてもよい。つまり、ドレインを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるドレイン電極との位置関係及びそれらの大きさの関係、ソースを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるソース電極との位置関係及びそれらの大きさの関係、並びに、ゲートを形成する半導体領域とその半導体領域に接合されるゲート電極との位置関係及びそれらの大きさの関係をも含めて、出力トランジスタM1及び補正用トランジスタM2の形状を同一にするようにしてもよい。
また更に、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2が特性類似性βを有するようにするためには、出力トランジスタM1及び補正用トランジスタM2の上記形状のサイズ(大きさ)も同じにすることが望ましい。但し、補正用トランジスタM2の出力電流容量は比較的小さくても良いため、形状の同一性を保ちつつも、必要な出力電流容量に応じて補正用トランジスタM2を出力トランジスタM1よりも小型にすることも可能である。
上記の如く、トランジスタの形状及びサイズを同一にすることが最も望ましいが、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2が特性類似性βを有するのであれば、上記形状やそのサイズを、全く同じにする必要はない。例えば、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2を半導体基板上に形成する場合において、それらを形成するドレイン領域の幅(基板表面方向の幅)を全く同じにする必要はなく、また、それらを形成するソース領域の幅(基板表面方向の幅)も全く同じにする必要はない。相互コンダクタンスは、上記のドレイン領域の幅やソース領域の幅に依存しないからである。
上記のように構成された電源回路51において、誤差増幅器7は、分圧抵抗R1とR2との接続点の電位がリファレンス電位Vrefと一致するように、ドライブ用トランジスタM3のゲート電位を制御することによって出力電流Ioを制御する。これにより、出力電圧Voは、所定の電圧値で安定化される。
出力トランジスタM1とトランジスタM10はカレントミラー回路を形成しており、出力トランジスタM1のドレイン電流、即ち電源回路51の出力電流Ioの大きさは、トランジスタM10のドレイン電流の大きさに比例する。今、トランジスタM10のドレイン電流を、検出用電流IM1と呼ぶ。検出用電流IM1は、ドライブ用トランジスタM3及び抵抗R3を介してグランドライン9に流れ込む。
差動アンプ4は、反転入力端子(−)の電位である検出電位V1と非反転入力端子(+)の電位である基準電圧V2とを比較し、検出電位V1が基準電位V2を上回ると誤差増幅器7の出力電位、即ちドライブ用トランジスタM3のゲート電位を降下させる。これによって、出力電流Ioの増加が制限される。
例えば、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1が製造プロセスのばらつき等によって比較的大きくなった場合、同一の出力電流Ioに対する出力トランジスタM1のゲート−ソース間電圧は比較的小さくなって検出用電流IM1は比較的小さくなる。しかしながら、この場合、補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2も大きくなるため、抵抗R3に流れ込む、補正用電流としての補正用トランジスタM2のドレイン電流は比較的大きくなる。これにより、検出用電流IM1の小ささが相殺され、第1実施形態と同様の効果が得られる。
尚、当然ではあるが、相互コンダクタンスgm1は、出力トランジスタM1のゲート電極(制御電極)における電圧(ソース電極を基準とした電圧)という物理量と、出力トランジスタM1のドレイン電流量(出力電流Ioの大きさ)との関係を表している。また、検出用電流IM1は、上述の説明からも明らかなように、出力トランジスタM1のドレイン電流(即ち、出力電流Io)と相互コンダクタンスgm1を反映した電流となる。
<<第8実施形態>>
次に、第2実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51a(以下、単に「電源回路51a」という)を第8実施形態として説明する。図18は、電源回路51aの回路図である。図18において、図2及び図17等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51aは、図17の電源回路51の補正用トランジスタM2及び定電圧源22を有して構成される補正回路を、補正用トランジスタM2及びトランジスタM11並びに定電流源23とを有して構成される補正回路に置換した構成となっており、その他の点における回路構成及び動作は図17の電源回路51と一致している。電源回路51aにおける、電源回路51との相違点である補正回路の部分についてのみ説明する。
トランジスタM11は、Pチャネル型のMOSFETである。電源回路51aにおいて、補正用トランジスタM2とトランジスタM11のソースは、共に入力端子10に接続されている。補正用トランジスタM2のドレインは定電流源23の入力側に接続されており、補正用トランジスタM2のドレイン電流は定電流となっている。トランジスタM11のゲートとドレインは短絡され、それらは差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されている。そして、補正用トランジスタM2とトランジスタM11のゲートは共通接続され、補正用トランジスタM2とトランジスタM11はカレントミラー回路を形成している。
例えば、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1が製造プロセスのばらつき等によって比較的大きくなった場合、同一の出力電流Ioに対する出力トランジスタM1のゲート−ソース間電圧は比較的小さくなって検出用電流IM1は比較的小さくなる。しかしながら、この場合、補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2も大きくなり、補正用トランジスタM2のドレイン電流が定電流であることからして、補正用トランジスタM2のゲート−ソース間電圧は比較的小さくなる。このため、抵抗R4に流れ込むトランジスタM11のドレイン電流も比較的小さくなって、検出用電流IM1が比較的小さくなることによる出力ピーク電流のばらつきが低減される。
また、第2実施形態にて述べたように、抵抗R3及びR4を、外部信号等に応じて抵抗値を変化させることのできる可変抵抗としてもよい。図19に、図17の電源回路51における抵抗R3及びR4を可変抵抗に変形した直流安定化電源回路51bの回路図を示す。図19において、図3及び図17と同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分の重複する説明を省略する。
<<第9実施形態>>
次に、第3実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51c(以下、単に「電源回路51c」という)を第9実施形態として説明する。図20は、電源回路51cの回路図である。図20において、図17等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51cは、出力トランジスタM1と、トランジスタM10と、ドライブ用トランジスタM3と、トランジスタM5並びに抵抗R3及びR4とを含んで構成される出力電流制限回路と、補正用トランジスタM2及び定電圧源22を含んで構成される補正回路と、トランジスタM4と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を備えて構成される。トランジスタM4は、出力電流制限回路の構成要素と考えることができ、補正回路の構成要素と考えることもできる。トランジスタM4及びM5は、Nチャネル型のMOSFETである。上述の如く、出力トランジスタM1と補正用トランジスタM2は特性類似性βを有するように形成される。
電源回路51cにおける「入力端子10、出力端子11、出力トランジスタM1、トランジスタM10、ドライブ用トランジスタM3、抵抗R1、抵抗R2、誤差増幅器7及び基準電圧源8の各素子間の接続関係」は、図17の電源回路51におけるそれと同じであるため、それらの素子間の接続関係の説明を(原則として)省略する。
トランジスタM4のドレインは、ドライブ用トランジスタM3のソースと接続されていると共に、自身のゲートと短絡されている。トランジスタM4とM5のゲートは共通接続されており、トランジスタM4とM5のソースは、それぞれ抵抗R3及びR4を介してグランドライン9に接続されている。トランジスタM5のドレインは、ドライブ用トランジスタM3のゲートと誤差増幅器7の出力端子に共通接続されている。
トランジスタM4及びM5は、カレントミラー回路の入力側の電流であるトランジスタM4のドレイン電流、すなわち検出用電流IM1を比例倍した電流を、トランジスタM5のドレイン電流として出力するカレントミラー回路(検出用カレントミラー回路)を構成している。
そして、補正用トランジスタM2のゲートには、定電圧源22から一定電圧が与えられていると共に、補正用トランジスタM2において、ソースは入力端子10に接続され、ドレインはトランジスタM4と抵抗R3との接続点に接続されている。このため、補正用トランジスタM2のドレイン電流が補正回路からの補正用電流として機能し、図17(第7実施形態)の電源回路51と同様の効果が得られる。また、電源回路51cにおいては、図17における定電流源5を使用する必要がないため、回路が簡素化されている。
<<第10実施形態>>
次に、第4実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51d(以下、単に「電源回路51d」という)を第10実施形態として説明する。図21は、電源回路51dの回路図である。図21において、図20等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51dは、出力トランジスタM1と、トランジスタM10と、ドライブ用トランジスタM3と、トランジスタM5並びに抵抗R3及びR4とを含んで構成される出力電流制限回路と、補正用トランジスタM2、抵抗R31並びにトランジスタM6及びM11を含んで構成される補正回路と、トランジスタM4と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、を備えて構成される。トランジスタM4は、出力電流制限回路の構成要素と考えることができ、補正回路の構成要素と考えることもできる。トランジスタM4、M5及びM6はNチャネル型のMOSFETであり、トランジスタM11はPチャネル型のMOSFETである。
電源回路51dにおける「入力端子10、出力端子11、出力トランジスタM1、トランジスタM10、ドライブ用トランジスタM3、抵抗R1、抵抗R2、誤差増幅器7、基準電圧源8、トランジスタM4、トランジスタM5、抵抗R3、抵抗R4の各素子間の接続関係」は、図20の電源回路51cにおけるそれと同じであるため、それらの素子間の接続関係の説明を(原則として)省略する。
電源回路51dにおいて、補正用トランジスタM2とトランジスタM11のソースは、共に入力端子10に接続されている。トランジスタM11のゲートとドレインは短絡され、それらはトランジスタM6のドレインに接続されている。そして、補正用トランジスタM2とトランジスタM11のゲートは共通接続され、補正用トランジスタM2とトランジスタM11はカレントミラー回路を形成している。
トランジスタM4、M5及びM6のゲートは共通接続されており、トランジスタM6のソースは抵抗R31を介してグランドライン9に接続されている。トランジスタM4及びM6は、カレントミラー回路の入力側の電流であるトランジスタM4のドレイン電流、すなわち検出用電流IM1を比例倍した電流を、トランジスタM6のドレイン電流として出力するカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)を構成している。このカレントミラー回路の出力電流(トランジスタM6のドレイン電流)は、トランジスタM11のドレイン電流となるため、補正用トランジスタM2のゲートにはトランジスタM4及びM6から成るカレントミラー回路(補正用カレントミラー回路)の出力電流に応じた電圧が加わることになる。
補正用トランジスタM2のドレインはトランジスタM4のソースと抵抗R3との接続点に接続されており、上記電圧(ゲート電圧)に応じた補正用トランジスタM2のドレイン電流が補正用電流として抵抗R3に流れ込む。このため、出力電流Ioに制限をかける際における電源回路51dの動作は、図10の電源回路1dと同様となり、第4実施形態と同様の効果が得られる。
<<第11実施形態>>
次に、第5実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51e(以下、単に「電源回路51e」という)を第11実施形態として説明する。図22は、電源回路51eの回路図である。図22において、図20等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51eは、図20の補正用トランジスタM2と定電圧源22とから成る補正回路を、補正用トランジスタM2及びM21と定電圧源22及び24とから成る補正回路に置換した構成となっており、その他の点のおける回路構成及び動作は、図20の電源回路51cと一致しているため、一致点の説明を省略する。
補正用トランジスタM21は、補正用トランジスタM2と同じものであり、出力トランジスタM1との関係において特性類似性βを有するように形成されている。
補正用トランジスタM2及びM21のソースは、共に入力端子10と出力トランジスタM1のソースに共通接続されており、補正用トランジスタM2及びM21のドレインは、共にトランジスタM4のソースと抵抗R3との接続点に接続されている。補正用トランジスタM2及びM21のゲートには、それぞれ、定電圧源22及び24からの一定の電圧が印加されている。定電圧源22及び24からの一定の電圧は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
図22の電源回路51eの如く補正用トランジスタを複数設けることにより、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1のばらつきに対して複数の補正をかけることができるため、相互コンダクタンスgm1のばらつきに対する出力ピーク電流のばらつきは、より低減される。
<<第12実施形態>>
次に、第6実施形態に対応する、電界効果トランジスタを用いた直流安定化電源回路51f(以下、単に「電源回路51f」という)を第12実施形態として説明する。図23は、電源回路51fの回路図である。図23において、図21及び図22等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路51fは、図21の「補正用トランジスタM2、抵抗R31並びにトランジスタM6及びM11を含んで構成される補正回路」を、「補正用トランジスタM2、抵抗R32並びにトランジスタM6及びM11と、補正用トランジスタM21、抵抗R33並びにトランジスタM7及びM22と、を含んで構成される補正回路」に置換した構成となっており、その他の点のおける回路構成及び動作は、図21の電源回路51dと一致しているため、一致点の説明を省略する。
補正用トランジスタM21は、補正用トランジスタM2と同じものであり、出力トランジスタM1との関係において特性類似性βを有するように形成されている。トランジスタM6及びM7はNチャネル型のMOSFETであり、トランジスタM11及びM22はPチャネル型のMOSFETである。
補正用トランジスタM2及びM21のソースとトランジスタM11及びM22のソースは、全て入力端子10と出力トランジスタM1のソースに共通接続されており、補正用トランジスタM2及びM21のドレインは、共にトランジスタM4のソースと抵抗R3との接続点に接続されている。トランジスタM11及びM22の夫々において、ゲートとドレインは短絡されており、トランジスタM11及びM22のドレインは、それぞれトランジスタM6及びM7のドレインに接続されている。
補正用トランジスタM2とトランジスタM11のゲートは共通接続され、補正用トランジスタM21とトランジスタM22のゲートは共通接続されている。トランジスタM4、M5、M6及びM7のゲートは全て共通接続され、トランジスタM6及びM7のソースは、それぞれ抵抗R32及びR33を介してグランドライン9に接続されている。
上記の如く電源回路51fを構成することにより、第5や第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、トランジスタM5の機能を担う素子を複数設けることによっても、出力電流制限回路が動作してから出力電圧Voがゼロになるまでの出力電流Ioの値の幅を狭くすることができる。つまり、図20等において、ゲートをトランジスタM4のゲートに、ドレインをドライブ用トランジスタM3のゲートに、ソースを抵抗(不図示)を介してグランドライン9に接続した1以上のMOSFET(不図示)を、トランジスタM5と別に設けることによっても、その幅を狭くすることができる。
また、第7実施形態においても、補正用トランジスタを複数設けるようにしてもよい。つまり例えば、図17の電源回路51において、図24に示す如く、ソースとドレインが補正用トランジスタM2のそれらと共通接続された補正用トランジスタM21を別途設けるようにし、補正用トランジスタM21のゲート電圧が一定電圧となるように、補正用トランジスタM21のゲートに定電圧源24を接続するようにする。この場合、補正用トランジスタM2及びM21のドレインが、図17の差動アンプ4の反転入力端子(−)に接続されることになる。尚、図24において、補正用トランジスタM2のゲートと補正用トランジスタM21のゲートに印加する定電圧の値は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
同様に、第8実施形態においても、補正用トランジスタを複数設けるようにしてもよい。つまり例えば、図18の電源回路51aにおいて、図25に示す如く、各ソースが補正用トランジスタM2のソースと共通接続された補正用トランジスタM21及びトランジスタM22を別途設けるようにし、補正用トランジスタM21のドレイン電流が定電流となるように、補正用トランジスタM21のドレインに定電流源25を接続するようにする。図25において、補正用トランジスタM21のゲートとトランジスタM22のゲートは共通接続され、トランジスタM22のドレインは自身のゲートとトランジスタM11のドレインに接続されている。この場合、トランジスタM11及びM22のドレインが、図18の差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されることになる。尚、図25において、補正用トランジスタM2のドレインに流れる定電流の大きさと補正用トランジスタM21のドレインに流れる定電流の大きさは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第7及び第8実施形態において、補正用トランジスタを複数設けることにより、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1のばらつきに対して複数の補正をかけることができるため、相互コンダクタンスgm1のばらつきに対する出力ピーク電流のばらつきは、より低減される。尚、図24及び図25において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。
<<第13実施形態>>
第7〜第12実施形態では、出力電流Ioの制限に際して、出力電流Ioと出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1とを反映した検出用電流IM1を利用しているが、これに代えて、出力電流Ioと出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1とを反映した電位を利用するようにしても構わない。例えば、この電位を、補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2を反映した物理量を用いて補正し、これによって得られる補正後の電位を用いて出力電流Ioの制限動作を行えば、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
検出用電流IM1に代えて、上記のような電位を利用して出力電流Ioの制限を行う場合、上述の各実施形態の回路構成は、適宜変更される。以下に、そのような変更を施した直流安定化電源回路の一例として第13実施形態を説明する。図26は、第13実施形態に係る直流安定化電源回路52(以下、単に「電源回路52」という)の回路図である。図26において、図1及び図18等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路52は、出力トランジスタM1と、トランジスタM10と、差動アンプ4、定電流源5、抵抗R3及びR4を有して構成される出力電流制限回路と、補正用トランジスタM2、トランジスタM11及び定電流源23を有して構成される補正回路と、分圧抵抗R1及びR2と、誤差増幅器7と、基準電圧源8と、トランジスタM31、M32、M33及びM34と、を備えて構成される。尚、トランジスタM31〜M34を出力電流制限回路の構成要素と捉えることもできる。
トランジスタM31及びM32は、Pチャネル型のMOSFETであり、トランジスタM33及びM34は、Nチャネル型のMOSFETである。
入力端子10には、外部から被安定化電圧である入力電圧Vi(例えば、直流の12V)が供給される。入力端子10は、出力トランジスタM1のソースと、補正用トランジスタM2のソースと、トランジスタM10、M11、M31及びM32のソースと、定電流源5の入力側とに共通接続されている。
出力トランジスタM1のドレインは、電源回路52の出力電圧Voが出力されるべき出力端子11に接続されていると共に、分圧抵抗R1とR2とから成る直列回路を介して0V電位(GND)に保たれているグランドライン9に接続されている。誤差増幅器7において、非反転入力端子(+)には分圧抵抗R1とR2との接続点の電位が与えられ、反転入力端子(−)には基準電圧源8が出力するリファレンス電位Vrefが与えられている。
定電流源5の出力側は、抵抗R4を介してグランドライン9に接続されていると共に差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続されている。定電流源5が出力する定電流(この定電流の大きさはI1)は、抵抗R4を介してグランドライン9に流れ込む。また、差動アンプ4の反転入力端子(−)は、トランジスタM11のドレインと抵抗R3の一端に共通接続されている。抵抗R3の他端は、出力トランジスタM1のゲート、トランジスタM10のゲート、差動アンプ4の出力端子、誤差増幅器7の出力端子及びトランジスタM34のドレインに共通接続されている。また、トランジスタM10において、ゲートとドレインは短絡されている。
トランジスタM11のドレインとゲートは短絡され、補正用トランジスタM2とトランジスタM11のゲートは共通接続されている。補正用トランジスタM2のドレインは定電流源23を介してグランドライン9に接続されているため、補正用トランジスタM2のドレイン電流は定電流となっている。
トランジスタM31とM32のゲートは共通接続されており、トランジスタM31において、ゲートとドレインは短絡されている。トランジスタM31のドレインはグランドライン9に接続されている。
トランジスタM33において、ゲートとドレインは短絡されており、ソースはグランドライン9に接続されている。そして、トランジスタM33のドレインは、トランジスタM32のドレインに接続されている。また、トランジスタM33とM34のゲートは共通接続されており、トランジスタM34のソースはグランドライン9に接続されている。
トランジスタM31とM32はトランジスタM31側を電流の入力側としたカレントミラー回路を形成しており、トランジスタM33とM34はトランジスタM33側を電流の入力側としたカレントミラー回路を形成している。
上記のように構成された電源回路52において、誤差増幅器7は、分圧抵抗R1とR2との接続点の電位がリファレンス電位Vrefと一致するように、出力トランジスタM1のゲート電位を制御することによって出力電流Ioを制御する。これにより、出力電圧Voは、所定の電圧値で安定化される。
差動アンプ4は、反転入力端子(−)の電位と非反転入力端子(+)の電位とを比較する。出力電流Ioの増加に伴って出力トランジスタM1のゲート電位が低下することによって、反転入力端子(−)の電位が非反転入力端子(+)の電位を下回ると、差動アンプ4は、誤差増幅器7の出力電位、即ち出力トランジスタM1のゲート電位を上昇させる。これによって、出力電流Ioの増加が制限される。
電源回路52において、出力トランジスタM1のゲート電位は、出力電流Ioと出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1とを反映した反映電位として機能する。
例えば、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1が製造プロセスのばらつき等によって比較的大きくなった場合、同一の出力電流Ioに対する出力トランジスタM1のゲート−ソース間電圧は比較的小さくなって出力トランジスタM1のゲート電位は比較的高くなる(即ち、出力電流Ioの制限がかかりにくい方向に向かう)。
しかしながら、この場合、出力トランジスタM1との関係において特性類似性βを有するように形成された補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2も比較的大きくなるため、補正用トランジスタM2のゲート−ソース間電圧も比較的小さくなる。この結果、抵抗R3に流れ込むトランジスタM11のドレイン電流が比較的小さくなって、抵抗R3における電圧降下が比較的小さくなる。
つまり、差動アンプ4の反転入力端子(−)の電位に着目した場合、相互コンダクタンスgm1が比較的大きくなった場合における出力トランジスタM1のゲート電位の高まりは、抵抗R3における電圧降下の減少によって相殺される。このため、本実施形態のように電源回路を構成しても、他の実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、当然ではあるが、電源回路52において、抵抗R3に流れ込むトランジスタM11のドレイン電流(補正用電流)は、補正用トランジスタM2の相互コンダクタンスgm2を反映した物理量である。そして、差動アンプ4の反転入力端子(−)の電位は、該物理量を用いて出力トランジスタM1のゲート電位(反映電位)を補正した電位と考えることができる。
また、電源回路52における「補正用トランジスタM2、トランジスタM11及び定電流源23を有して構成される補正回路」を、「補正用トランジスタM2及び定電圧源22を有して構成される補正回路」に置換するようにしてもよい。このような置換を施した変形回路としての直流安定化電源回路52a(以下、単に「電源回路52a」という)の回路図を図27に示す。上記の置換に伴って、抵抗R3の両端を短絡するようにする(図27では、両端が短絡された抵抗R3の図示は省略)。電源回路52aの補正用トランジスタM2において、ソースは入力端子10に接続され、ドレインは差動アンプ4の非反転入力端子(+)に接続され、ゲートには定電圧源22からの定電圧が与えられている。
電源回路52aにおいて、特に記述しない部分の回路構成は、図26の電源回路52のそれと同じとなっている。図27において、図1、図17及び図26等と同一の部分には同一の符号を付し、原則として同一の部分の重複する説明を省略する。
電源回路52aにおいて、例えば、出力トランジスタM1の相互コンダクタンスgm1が製造プロセスのばらつき等によって比較的大きくなった場合、同一の出力電流Ioに対する出力トランジスタM1のゲート−ソース間電圧は比較的小さくなって差動アンプ4の反転入力端子(−)の電位は比較的高くなるが、同時に補正用トランジスタM2のドレイン電流(補正用電流)が比較的大きくなって差動アンプ4の非反転入力端子(+)の電位も比較的高くなる。このため、電源回路52aにおいても他の実施形態と同様の効果が得られる。
勿論、電源回路52及び52a(図26及び図27)においても、他の実施形態と同様に、補正用トランジスタとして複数の補正用トランジスタを設けるようにしてもよいし、抵抗R3及びR4を可変抵抗にするようにしてもよい(但し、図27の電源回路52aでは、抵抗R4のみ)。
尚、電源回路52及び52aでは、トランジスタM10を設けてトランジスタM10のドレイン電流を出力電流制限回路側に流すようにしているが、このような電流を流す必要は必ずしもなく、トランジスタM10を省略する変形も可能である。
<<変形等>>
第1〜第6実施形態において、出力トランジスタQ1や補正用トランジスタQ2等を、NPN型のバイポーラトランジスタに置換しても構わない。出力トランジスタをNPN型のバイポーラトランジスタとした場合、例えば、その出力トランジスタのコレクタが入力端子10に接続される。補正用トランジスタをNPN型のバイポーラトランジスタとした場合、例えば、その補正用トランジスタのコレクタが入力端子10に接続される。出力トランジスタQ1や補正用トランジスタQ2を、NPN型のバイポーラトランジスタに置換した場合、その他の部分の回路構成も適宜変更される。
同様に、第7〜第13実施形態において、出力トランジスタM1や補正用トランジスタM2等を、Nチャネル型のMOSFETに置換しても構わない。出力トランジスタM1や補正用トランジスタM2を、Nチャネル型のMOSFETに置換した場合、その他の部分の回路構成も適宜変更される。
また、各実施形態における電源回路において、バイポーラトランジスタとMOSFET等の電界効果トランジスタとを混在させても構わない。バイポーラトランジスタとMOSFETを混在させる場合、各電源回路は、BiCMOSプロセスによって形成することも可能である。
本発明に係る直流安定化電源回路(直流安定化電源装置)は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)等に代表される記録媒体への記録や再生を行う記録媒体ドライブ装置、携帯電話機及び携帯情報端末等の電子機器などに好適である。
図28に、本発明に係る直流安定化電源回路の一例として電源回路1(図1)を備えた、電子機器としての記録媒体ドライブ装置90の外観図を示す。記録媒体ドライブ装置90に内蔵された図示されない演算処理装置等の負荷は、電源回路1の出力電圧Voを駆動源として動作する。勿論、記録媒体ドライブ装置90における電源回路1を、第2〜第13実施形態の何れかの電源回路(電源回路1a等)に置換することもできる。
また、本発明に係る直流安定化電源回路、或いは本発明に係る直流安定化電源回路から出力トランジスタを除いた回路は、例えば、直流安定化電源用IC(電源用集積回路)として、利用される。
本発明の第1実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第2実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 図1の直流安定化電源回路の変形例を示す回路図である。 従来の直流安定化電源回路と本発明に係る直流安定化電源回路における出力ピーク電流のばらつき要因依存性を示す図である。 従来の直流安定化電源回路の回路図である。 従来の直流安定化電源回路の回路図である。 従来の他の直流安定化電源回路の回路図である。 図1等の定電流源の回路図である。 本発明の第3実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第4実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第5実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第6実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 図1等における、出力電流と出力電圧との関係図である。 図1の回路の一部の変形例を示す図である。 図2の回路の一部の変形例を示す図である。 図1等の出力トランジスタ及び補正用トランジスタに採用可能なトランジスタの断面構造図である。 本発明の第7実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第8実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 図17の直流安定化電源回路の変形例を示す回路図である。 本発明の第9実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第10実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第11実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 本発明の第12実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 図17の回路の一部の変形例を示す図である。 図18の回路の一部の変形例を示す図である。 本発明の第13実施形態に係る直流安定化電源回路の回路図である。 図26の直流安定化電源回路の変形例を表す回路図である。 図1等の直流安定化電源回路を備えた記録媒体ドライブ装置の外観図である。
符号の説明
1、1a〜1f 51、51a〜51f、52、52a 直流安定化電源回路
2、2a、2b、2c 出力電流制限回路
3、3a、3c、3d、3e、3f 補正回路
4 差動アンプ
5、6 定電流源
7 誤差増幅器
8 基準電圧源
9 グランドライン
10 入力端子
11 出力端子
Q1、M1 出力トランジスタ
Q2、M2、Q21、M21 補正用トランジスタ
Q3、M3 ドライブ用トランジスタ
R1、R2 分圧抵抗
R3、R4 抵抗
Io 出力電流
V1 検出電位
V2 基準電位

Claims (30)

  1. 入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、
    前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、
    前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え
    前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、前記関係の製造プロセスばらつきが前記出力トランジスタと同じ傾向を有するように形成された補正用トランジスタを備え、その補正用トランジスタを用いることによって、前記関係のばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正する
    ことを特徴とする直流安定化電源回路。
  2. 前記補正用トランジスタは、前記関係の温度依存性も前記出力トランジスタと同じ傾向を有するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流安定化電源回路。
  3. 入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、
    前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、
    前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え、
    前記出力トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、
    前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、製造プロセスばらつきによって前記出力トランジスタの電流増幅率が増加するに従って、自身の電流増幅率も増加するように形成された補正用トランジスタを備え、
    その補正用トランジスタを用いることによって、前記出力トランジスタの電流増幅率のばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正する
    ことを特徴とする直流安定化電源回路。
  4. 入力端子と出力端子との間に出力トランジスタを備えた直流安定化電源回路において、
    前記出力トランジスタの出力電流を制限するための出力電流制限回路と、
    前記出力トランジスタの制御電極における物理量と出力電流との関係のばらつきに起因する前記出力電流の制限のばらつきを補正する補正回路と、を備え、
    前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、相互コンダクタンスであり、
    前記補正回路は、前記出力トランジスタと同一の製造プロセスにて製造され、且つ、製造プロセスばらつきによって前記出力トランジスタの相互コンダクタンスが増加するに従って、自身の相互コンダクタンスも増加するように形成された補正用トランジスタを備え、
    その補正用トランジスタを用いることによって、前記出力トランジスタの相互コンダクタンスのばらつきに起因する前記出力トランジスタの出力電流の制限のばらつきを補正する
    ことを特徴とする直流安定化電源回路。
  5. 前記出力トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタのベース電流である検出用電流に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  6. 前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した検出用電流に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  7. 前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、前記差動アンプの出力を用いることによって前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の直流安定化電源回路。
  8. 前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に、前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項7に記載の直流安定化電源回路。
  9. 前記出力電流制御回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する検出用カレントミラー回路を備え、該検出用カレントミラー回路の出力電流を用いて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の直流安定化電源回路。
  10. 前記検出電位は、前記第1入力端子に接続された第1抵抗に流れる電流によって決定されると共に、
    前記基準電位は、前記第2入力端子に接続された第2抵抗に流れる電流によって決定される
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の直流安定化電源回路。
  11. 前記第1抵抗と前記第2抵抗は、同一の製造プロセスにて製造された同一の種類の抵抗である
    ことを特徴とする請求項10に記載の直流安定化電源回路。
  12. 前記第1抵抗と前記第2抵抗は、可変抵抗である
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の直流安定化電源回路。
  13. 前記出力トランジスタ及び前記補正用トランジスタは、バイポーラトランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、電流増幅率であり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタのベース電流である検出用電流と前記補正用トランジスタから得られる補正用電流とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  14. 前記補正回路は、前記補正用トランジスタのベースに定電流を流して、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の直流安定化電源回路。
  15. 前記補正回路は、前記補正用トランジスタの出力電流を定電流にして、前記補正用トランジスタのベース電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の直流安定化電源回路。
  16. 前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍させた電流を前記補正用トランジスタのベース電流とするための補正用カレントミラー回路を備え、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の直流安定化電源回路。
  17. 前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍させた電流を前記補正用トランジスタの出力電流とするための補正用カレントミラー回路を備え、前記補正用トランジスタのベース電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項13に記載の直流安定化電源回路。
  18. 前記出力トランジスタ及び前記補正用トランジスタは、電界効果トランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流との前記関係とは、相互コンダクタンスであり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した検出用電流と前記補正用トランジスタから得られる補正用電流とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  19. 前記補正回路は、前記補正用トランジスタのゲート電圧を定電圧にして、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項18に記載の直流安定化電源回路。
  20. 前記補正回路は、前記補正用トランジスタの出力電流を定電流にして、前記補正用トランジスタのゲート電圧に応じて流れる電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項18に記載の直流安定化電源回路。
  21. 前記補正回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する補正用カレントミラー回路を備え、該補正用カレントミラー回路の出力電流に応じた電圧を前記補正用トランジスタのゲートに与えて、前記補正用トランジスタの出力電流を前記補正用電流として出力する
    ことを特徴とする請求項18に記載の直流安定化電源回路。
  22. 前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、
    前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、
    記補正用電流は、前記検出電位を上昇させるように流れる
    ことを特徴とする請求項14または請求項19に記載の直流安定化電源回路。
  23. 前記出力電流制御回路は、前記検出用電流に応じた検出電位を第1入力端子にて受け、その検出電位を第2入力端子に与えられた基準電位と比較する差動アンプを備え、
    前記差動アンプは、前記検出電位が前記基準電位によりも大きい場合に前記検出用電流に制限を加えることにより、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、
    前記補正用電流は、前記基準電位を上昇させるように流れる
    ことを特徴とする請求項15または請求項20に記載の直流安定化電源回路。
  24. 前記出力電流制御回路は、前記検出用電流を比例倍して出力する検出用カレントミラー回路を備え、該検出用カレントミラー回路の出力電流を用いて、前記出力トランジスタの出力電流を制限し、
    前記検出用カレントミラー回路を形成する前記検出用カレントミラー回路の入力側の第1抵抗に、前記検出用電流だけでなく前記補正用電流も流れる
    ことを特徴とする請求項16、請求項17、請求項19または請求項21に記載の直流安定化電源回路。
  25. 前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した反映電位に基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  26. 前記出力トランジスタは、電界効果トランジスタであって、
    制御電極における物理量と出力電流の前記関係とは、相互コンダクタンスであり、
    前記出力電流制御回路は、前記出力トランジスタの出力電流と相互コンダクタンスとを反映した反映電位と前記補正用トランジスタの相互コンダクタンスを反映した物理量とに基づいて、前記出力トランジスタの出力電流を制限する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流安定化電源回路。
  27. 前記補正用トランジスタは複数の補正用トランジスタにて形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4及び請求項13〜請求項26の何れかに記載の直流安定化電源回路。
  28. 前記補正用トランジスタは複数の補正用トランジスタにて形成されていると共に、
    前記補正用カレントミラー回路を形成するトランジスタは複数から成り、
    各補正用トランジスタに前記補正用カレントミラー回路を形成する各トランジスタが割り当てられる
    ことを特徴とする請求項16、請求項17または請求項21に記載の直流安定化電源回路。
  29. 前記出力トランジスタの一方の導通電極と前記補正用トランジスタの一方の導通電極は、外部からの入力電圧を受ける前記入力端子に共通接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4及び請求項13〜請求項28の何れかに記載の直流安定化電源回路。
  30. 請求項1〜請求項29の何れかに記載の直流安定化電源回路を用いた
    ことを特徴とする電子機器。
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