JP4689190B2 - 内視鏡装置および内視鏡用アダプタ - Google Patents
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Description
内視鏡装置は、一般に、白色光を観察対象物に照射し、その反射光を撮像することにより観察を行う。白色光を照射する方法としては、生体や機械の外部に位置するキセノン光源等の白色光源からの白色光を、生体内部や機械内部に挿入される挿入部に設けられた光ファイバにより伝播し、挿入部先端に配置した照明レンズによって照射する方法や、挿入部の先端に配置した白色発光ダイオードにより白色光を照射する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、先端に白色発光ダイオードを配置する方法は、光ファイバ内の伝播効率の問題はないが、白色発光ダイオードの発熱の問題がある。白色発光ダイオードの発熱はキセノン光源等と比較して少ないが、挿入部の先端が微細であるため、冷却装置を付けることもできず、その熱が挿入部先端に溜まってしまうことになる。特に、生体内部を観察する内視鏡装置の場合には、挿入部先端の発熱は問題である。また、発熱を低減するためには出力を抑える必要があり、十分な出力の照明を得ることができないという不都合がある。
本発明は、所定の波長の励起光を発生する光源と、観察対象物の内部に挿入される挿入部と、該挿入部内に配置され、前記光源からの励起光を伝播する光ファイバと、前記挿入部の先端に配置され、励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、該蛍光部材と前記光ファイバの出射端との間に配置され、励起光を透過して蛍光を反射する蛍光反射膜とを備え、前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に粒状の蛍光体を混合してなる内視鏡装置を提供する。
また、蛍光体から発せられた蛍光は高屈折率媒体内を伝播して、前方から出射されるが、高屈折率媒体が空気よりも高い屈折率を有するので、全反射条件を満たした一部の蛍光を全反射させて、側面から漏れる蛍光量を抑えることができる。粒状の蛍光体を混合することにより、波長の異なる蛍光を発生する蛍光体を適当に分布させることができ、色むらの少ない略白色光を発生することが可能となる。
光ファイバから出射された励起光を凸面に入射させると、凸面により集光されるので、効率よく蛍光体に照射することができる。また、凸面を球面、放物面またはテーパ面により構成することで、発生した蛍光の内の一部を凸面内において全反射させて、前方に向けて効率よく出射させることができる。
蛍光反射膜を透過させて蛍光部材の内部に入射させた励起光によって蛍光部材内部において発生した蛍光を、蛍光反射膜によって、より確実に反射して、前面以外の面から漏れ出ることを防止し、蛍光反射膜のない前面から出射される蛍光量を増加させることができる。
反射膜として蛍光を反射する機能を有する任意の膜、例えば金属膜を蛍光部材の側面に配置して、側面から漏れ出る蛍光を低減することにより照明光として利用される蛍光量を増加させることができる。
蛍光体の粒径を波長の10倍より大きくすることにより、蛍光体における励起光のミー散乱を抑えて、前方散乱を増加させ、より前方に配されている蛍光体に励起光を当てることができ、励起光を効率的に利用することができる。また、20μmより小さくすることで、発生した複数波長の蛍光を均一に混合して、色むらを低減することができる。
本発明によれば、励起光が、周辺媒体の後方から入射されると、該周辺媒体の略球面によって集光され、高屈折率媒体に効率よく入射させられる。高屈折率媒体内に入射した励起光は、内部の蛍光体を励起して蛍光を発生させる。発生した蛍光体は高屈折率媒体から種々の方向に出射されるが、高屈折率媒体からなる蛍光部材は、周辺媒体に対して前方に偏心しているので、出射された蛍光は前方から効率的に出射されることになる。
また、本発明に係る内視鏡用アダプタによれば、挿入部の先端に容易に接続でき、しかも、発熱の問題もなく高い出力の照明を得ることができるという効果を奏する。
本実施形態に係る内視鏡装置1Aは、図1に示されるように、例えば、波長405nmのレーザ光(励起光)L1を発生するレーザダイオード2と、該レーザダイオード2から発せられたレーザ光L1を光ファイバ3の端面に集光する集光レンズ4とを備える光源装置5と、生体や機械等の観察対象物内部に挿入される挿入部6と、挿入部6内に配置され前記集光レンズ4により集光して入射されたレーザ光L1を挿入部6の先端まで伝播する光ファイバ3とを備えている。
本実施形態に係る内視鏡装置1Aによれば、光源装置5の作動により、レーザダイオード2からレーザ光L1が発せられると、レーザ光L1は集光レンズ4によって光ファイバ3の端面に集光され、光ファイバ3内に入射される。光ファイバ3内に入射されたレーザ光L1は、光ファイバ3内を伝播することにより、挿入部6の先端まで導かれる。
なお、本実施形態においては、蛍光反射膜8を光ファイバ3の出射端3aと蛍光部材7との間に配置したが、これに代えて、光源装置5内に配されている光ファイバ3の入射端側に配置しても、光ファイバ3を介して戻る蛍光L2を反射して、効率的に利用することができる。
本実施形態の説明において、第1の参考例としての実施形態に係る内視鏡装置1Aと構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
励起光反射膜20は、蛍光体16a〜16cから発せられる蛍光L2は透過して、光ファイバ3の出射端3aから蛍光部材7内に入射されたレーザ光L1を反射するように構成されている。
その結果、レーザ光L1の一部が蛍光L2を発生させるために機能することなく無駄に蛍光部材7を透過してしまうことが防止され、透過しようとするレーザ光L1を再度蛍光部材7内に戻して蛍光体16a〜16cに当たる機会を増やすことにより、発生する蛍光L2の量を増大させることができるという利点がある。
本実施形態の説明において、第1、第2の参考例としての実施形態に係る内視鏡装置1A,1Bと構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
すなわち、蛍光部材7内において蛍光L2を発生させることなく無駄に通過しようとする励起光L1を反射して蛍光体16a〜16cに当たる機会を増加させることで、蛍光L2の量を増大させるとともに、光ファイバ3側から外部に出ようとする蛍光L2を前面側に反射して戻すことにより、蛍光部材7の前面側から出射される蛍光L2、すなわち照明光を増加させることができる。
本実施形態の説明において、上記各実施形態に係る内視鏡装置1A〜1Cと構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係る内視鏡装置1Dにおいては、高屈折率媒体22は、光ファイバ3の出射端3aに対向する面が光ファイバ3に向かって凸な略球面状に形成され、光ファイバ3の出射端3aから出射されるレーザ光L1が高屈折率媒体22の凸面22aに入射されるようになっている。また、高屈折率媒体22の前面22bは平坦に形成されている。
また、図10に示されるように、蛍光反射膜8に代えて、例えば、アルミニウム等の金属皮膜からなる反射膜23を高屈折率媒体22の側面全周に設けることにしてもよい。
本実施形態の説明において、上記各実施形態に係る内視鏡装置1A〜1Dと構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施形態に係る内視鏡装置1Eは、蛍光部材24の構造において、上記各実施形態と相違している。
また、略球体状の周辺媒体25は、光ファイバ3の光軸に対して直交する平面内に縦横に複数配列されるとともに、光軸に沿う方向に複数段重ねて配列されている。
本実施形態の説明において、上記各実施形態に係る内視鏡装置1A〜1Eと構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を簡略化する。
蛍光部材7は、例えば、図5に示した内視鏡装置1Cの場合と同様に、該蛍光部材7に隣接して光ファイバ3側に蛍光反射膜8、前面側に励起光反射膜20を備えている。また、蛍光反射膜8および励起光反射膜20のさらに外側にはこれらの反射膜8,20を保護する透明な材質からなる保護カバー34が設けられている。
例えば、上述した窓部33に代えて、倍率を有するレンズを備えた内視鏡用アダプタ30と交換することで、画角の異なる画像を容易に取得することができるという利点がある。
L1 レーザ光(励起光)
L2,L2a 蛍光
2 光源
3 光ファイバ
3a 出射端
6 挿入部
7,21,24 蛍光部材
8 蛍光反射膜
15,22 高屈折率媒体
16a〜16c 蛍光体
20 励起光反射膜
22a 凸面
23 反射膜
25 周辺媒体
30 内視鏡用アダプタ(アダプタ)
Claims (13)
- 所定の波長の励起光を発生する光源と、
観察対象物の内部に挿入される挿入部と、
該挿入部内に配置され、前記光源からの励起光を伝播する光ファイバと、
前記挿入部の先端に配置され、励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材と前記光ファイバの出射端との間に配置され、励起光を透過して蛍光を反射する蛍光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に粒状の蛍光体を混合してなる内視鏡装置。 - 所定の波長の励起光を発生する光源と、
観察対象物の内部に挿入される挿入部と、
該挿入部内に配置され、前記光源からの励起光を伝播する光ファイバと、
前記挿入部の先端に配置され、励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材の前方に配置され、蛍光を透過して励起光を反射する励起光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に蛍光体を混合してなる内視鏡装置。 - 所定の波長の励起光を発生する光源と、
観察対象物の内部に挿入される挿入部と、
該挿入部内に配置され、前記光源からの励起光を伝播する光ファイバと、
前記挿入部の先端に配置され、励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材と前記光ファイバの出射端との間に配置され、励起光を透過して蛍光を反射する蛍光反射膜と、
前記蛍光部材の前方に配置され、蛍光を透過して励起光を反射する励起光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に蛍光体を混合してなる内視鏡装置。 - 前記凸面が球面、放物面またはテーパ面である請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡装置。
- 前記蛍光部材の側面に蛍光を反射する反射膜を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の内視鏡装置。
- 前記粒状の蛍光体の粒径が、励起光の波長の10倍より大きく、20μmより小さい請求項1から請求項5のいずれかに記載の内視鏡装置。
- 所定の波長の励起光を発生する光源と、
観察対象物の内部に挿入される挿入部と、
該挿入部内に配置され、前記光源からの励起光を伝播する光ファイバと、
前記挿入部の先端に配置され、励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を空気よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体内に混合してなる蛍光部材とを備えるとともに、
該蛍光部材が略球状に形成され、
該蛍光部材を内包し、前記高屈折率媒体より高い屈折率の略球状の周辺媒体を備え、
前記蛍光部材が、前記周辺媒体に対して、前方に偏心している内視鏡装置。 - 前記蛍光部材と周辺媒体との偏心量が、前記周辺媒体の直径の1/4以上である請求項7に記載の内視鏡装置。
- 前記挿入部の先端に着脱可能なアダプタを備え、
該アダプタに前記蛍光部材が固定されている請求項1から請求項8のいずれかに記載の内視鏡装置。 - 観察対象物の内部に挿入される挿入部の先端に着脱可能に取り付けられる内視鏡用アダプタであって、
挿入部の先端に取り付けられた状態で、挿入部内を光ファイバにより伝播されてきた励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材の光ファイバ側に配置され、励起光を透過して蛍光を反射する蛍光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に粒状の蛍光体を混合してなる内視鏡用アダプタ。 - 観察対象物の内部に挿入される挿入部の先端に着脱可能に取り付けられる内視鏡用アダプタであって、
挿入部の先端に取り付けられた状態で、挿入部内を光ファイバにより伝播されてきた励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材を挟んで光ファイバとは逆側に配置され、蛍光を透過して励起光を反射する励起光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に粒状の蛍光体を混合してなる内視鏡用アダプタ。 - 観察対象物の内部に挿入される挿入部の先端に着脱可能に取り付けられる内視鏡用アダプタであって、
挿入部の先端に取り付けられた状態で、挿入部内を光ファイバにより伝播されてきた励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光部材と、
該蛍光部材の光ファイバ側に配置され、励起光を透過して蛍光を反射する蛍光反射膜と、
前記蛍光部材を挟んで光ファイバとは逆側に配置され、蛍光を透過して励起光を反射する励起光反射膜とを備え、
前記蛍光部材が、空気よりも屈折率が高く前記光ファイバの出射端側に凸面を有する高屈折率媒体内に粒状の蛍光体を混合してなる内視鏡用アダプタ。 - 観察対象物の内部に挿入される挿入部の先端に着脱可能に取り付けられる内視鏡用アダプタであって、
挿入部の先端に取り付けられた状態で、挿入部内を光ファイバにより伝播されてきた励起光を受けて複数波長の蛍光を発する蛍光体を空気よりも高い屈折率を有する高屈折率媒体内に蛍光体を混合してなる蛍光部材を備えるとともに、
該蛍光部材が略球状に形成され、
該蛍光部材を内包し、前記高屈折率媒体より高い屈折率の略球状の周辺媒体を備え、
前記蛍光部材が、前記周辺媒体に対して、前方に偏心している内視鏡用アダプタ。
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