JP4687873B2 - 炭化装置 - Google Patents
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Description
この場合、ロータリーキルン70の外側から被処理物1を加熱する間接加熱方式では、被処理物1を乾留しながら取り出し部35に向けて移動させて炭化させるので、ロータリーキルン70内で発生した乾留ガス(熱分解ガス)をロータリーキルン70とは別の燃焼室(燃焼部)73で燃焼させる無害化処理を行うために、乾留ガスをロータリーキルン70から燃焼室73に送り込むためのダクト74をロータリーキルン70に接続して、その燃焼ガスを乾燥用ガス供給路71を通して乾燥室13に供給する必要があり、乾留ガスがダクト74内で凝縮して溜まり易いので、メンテナンスに手間がかかる欠点がある。
また、ロータリーキルン70の内側に熱風を供給して被処理物1を加熱する直接加熱方式では、被処理物1の自燃用空気をロータリーキルン70の一端側から供給して、被処理物1を自燃させながら取り出し部35に向けて移動させて炭化させるので、自燃用空気が不足して被処理物1を充分に炭化させることができなかったり、自燃用空気が過剰で被処理物が燃え尽きてしまったりしないように、自燃用空気を被処理物の移動方向に沿って適正に分布させて供給する必要があり、自燃用空気の供給が難しい欠点があるとともに、間接加熱方式と同様に、ロータリーキルン70内において発生した乾留ガス(熱分解ガス)をロータリーキルン70とは別の燃焼室(燃焼部)73で燃焼させる無害化処理を行うために、乾留ガスをロータリーキルン70から燃焼室73に送り込むためのダクト74をロータリーキルン70に接続する必要がある。
その上、間接加熱方式でも、直接加熱方式でも、乾留ガスをロータリーキルン70から別の燃焼室73に送り込むためのダクト74や、被処理物1のロータリーキルンへの供給部33、炭化物のロータリーキルン70からの取り出し部35は、ロータリーキルン70に対して相対摺動自在に設ける必要があるので、ロータリーキルン70内に摺動部を通して空気が入りやすく、ロータリーキルン70内の被処理物1の温度管理が難しい欠点がある。
そこで、従来の炭化装置では、被処理物の供給部と炭化物の取り出し部とを相対摺動自在に設ける必要がなく、従って、炭化部内の高温ガスなどが漏れだしにくい非回転式の炭化部の左右に、被処理物の供給部と被処理物から生成した炭化物の取り出し部とを設けるとともに、被処理物の自燃用空気を被処理物の移動方向に沿って適正に分布させて供給し易いように、自燃用空気の吹き出し量を被処理物の移動区間毎に調節自在な第1吹き出し部を、供給部と取り出し部との間の炭化部底部に設け、また、炭化部において発生した乾留ガスに対する燃焼用空気を吹き出す第2吹き出し部と、排ガスの排出部とを備えていて、乾留ガスを燃焼させる燃焼部を、乾留ガスなどが、燃焼部へ送り込むためのダクト内で凝縮して溜まってしまうようなことがないように、炭化部の取り出し部上方近くに設けた乾留ガスの排気部に連結している(例えば、特許文献1参照)。
そして、被処理物を炭化部内で供給部から取り出し部に向けて略水平に搬送するスクリューコンベアと、攪拌翼をスクリューコンベアとともに一体回転させて炭化部内の被処理物を攪拌する攪拌装置とを設けて、供給部から供給した被処理物を横軸周りでかき混ぜるように攪拌しながら、かつ、自燃させながらスクリューコンベアで取り出し部に向けて略水平に移動させることにより、その被処理物を炭化させて、取り出し部から炭化物を取り出し可能に構成すると共に、第2吹き出し部を炭化部との連結部に設けて、乾留ガスを完全燃焼させるに必要な燃焼用空気を燃焼部に供給するように構成している。
また、炭化部の左右に供給部と取り出し部とを設けて、供給部から供給した被処理物を取り出し部に向けて略水平に移動させるので、被処理物の移動方向に長い横長の広い設置スペースを必要とする欠点がある。
更に、乾留ガスを完全燃焼させるに必要な燃焼用空気を燃焼部に供給できるように第2吹き出し部を設けてあるので、燃焼部における酸素濃度が高くなり易く、燃焼温度が高くなるとともに、燃焼速度も速くなって、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOX)などの有害ガスの濃度が高くなり易い欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、被処理物を所望の炭化状態に炭化し易くすることに加えて、狭い設置スペースでも設置でき、しかも、燃焼部の排出部から排出する排ガス中に生成される有害ガスの濃度を低下させることができるようにすることを目的とする。
筒軸芯が上下方向に沿う筒状炉体の内側を区画壁で上部炉体と下部炉体とに区画して、上部炉体に燃焼部を設けるとともに、下部炉体に、供給部を上部に備え、かつ、取り出し部と第1吹き出し部とを下部に備えた縦型の炭化部を設けて、被処理物を取り出し部に向けて自重移動可能に設け、炭化部において発生した乾留ガスを、区画壁に形成した貫通孔を通して、燃焼部に供給可能に構成してあるので、狭い設置スペースでも設置できる。
また、燃焼部と炭化部とを区画壁で上下に区画してあるので、炭化部の被処理物を、燃焼部における燃焼熱や燃焼用空気の影響を受けにくい状態で炭化できるようになり、炭化部における被処理物の炭化処理を管理し易い。
また、取り出し部からの炭化物の取り出し速度を調節可能に設け、攪拌装置を縦軸周りで旋回可能な攪拌部材を設けて構成してあるので、被処理物を所望の炭化状態に炭化し易く、かつ、炭化物の品質を安定させることができる。
つまり、炭化部に供給してからの時間が異なる被処理物どうしが混じりにくいように、縦軸周りで旋回する攪拌部材で被処理物を略水平に攪拌しながら、自燃用空気が被処理物に満遍なく行き渡るように、炭化部下部に設けた第1吹き出し部から自燃用空気を供給できるので、自燃用空気を略均整に分布させて、炭化部内の被処理物の全体を炭化部内に供給してからの時間に応じた燃焼状態で自燃させ易いとともに、炭化物の取り出し速度を調節することにより、その取り出し速度に連係して、被処理物が取り出し部に向けて自重移動する速度も調節できるので、被処理物の炭化反応速度を自在に調整でき、例えば、被処理物をゆっくり自重移動させ、これと併せて、供給する自燃用空気を少なく抑えることで、被処理物をゆっくり炭化反応させることができるなど、被処理物を所望の炭化状態に炭化し易い。
また、攪拌部材で被処理物を攪拌することで、タールが発生して被処理物どうしが固着するのを防止し、被処理物の取り出し部に向けての円滑な自重移動を可能とする。これにより、炭化物の品質を安定させることが可能になる。
更に、区画壁の燃焼部側に、貫通孔を通過した乾留ガスに排出部から排出された排ガスを混合して燃焼させる予混合燃焼部を設けて、その予混合燃焼部を通過したガスを燃焼部に供給するように構成してあるので、燃焼部の排出部から排出する排ガス中に含まれる有害ガスの濃度を低下させることできる。
つまり、炭化部において発生した乾留ガスを燃焼部で燃焼させる前に、予混合燃焼部において、燃焼部の排出部から排出された排ガス、つまり、新鮮空気に比べて酸素濃度が低くて、熱容量が大きい水蒸気の濃度が高い排ガスをその乾留ガスに混合して、窒素酸化物(NOX)などの有害ガスの発生を抑制できるように、乾留ガスを低い燃焼温度でゆっくりと燃焼させることができる。
そして、予混合燃焼部を通過したガス、つまり、未燃焼乾留ガスの濃度が低くなったガスを燃焼部に供給して燃焼させるので、この燃焼部においても、窒素酸化物(NOX)などの有害ガスの発生を抑制できるように、未燃焼乾留ガスを低い燃焼温度でゆっくりと燃焼させることができる。
貫通孔周りを囲む筒体を区画壁に設けて、その筒体の内側を予混合燃焼部に形成し、筒体の燃焼部側端部を覆う板材を、その筒体から筒軸方向に間隔を隔てて設けてあるので、予混合燃焼部において、燃焼部における燃焼熱や燃焼用空気の影響を受けにくい状態で、乾留ガスを低い燃焼温度でゆっくりと燃焼させ易いとともに、予混合燃焼部を通過したガスを板材周りに分散させる状態で燃焼部に供給して、燃焼部における未燃焼乾留ガスの濃度のばらつきを抑制することができ、燃焼部においても、未燃焼乾留ガスを低い燃焼温度でゆっくりと燃焼させ易い。
燃焼部の排出部から排出された排ガスとの熱交換で排熱を回収可能な排熱回収ボイラーを設けてあるので、排ガスの排熱を活用できるとともに、その排熱回収ボイラーを通過した排ガスを予混合燃焼部に供給するように構成してあるので、温度が低い排ガスを乾留ガスに混合して、乾留ガスを低い燃焼温度でゆっくりと燃焼させ易い。
〔第1実施形態〕
図1は、コーヒーの抽出工程において発生する残渣であるコーヒー粕を炭化させる炭化システムを示し、抽出工程において発生したコーヒー粕が被処理物1として投入される受け入れホッパー3と、被処理物1の乾燥装置4と、乾燥被処理物1(1a)を貯蔵する乾燥被処理物貯蔵タンク5と、乾燥被処理物1aを炭化処理する本発明による炭化装置Aと、炭化物2を貯蔵する炭化物貯蔵タンク7と、受け入れホッパー3の被処理物1を乾燥装置4に搬送するスクリューフィーダー8と、乾燥装置4で乾燥させた乾燥被処理物1aを乾燥被処理物貯蔵タンク5又は外部取り出し用ホッパー9に搬送可能な乾燥被処理物搬送手段10と、乾燥被処理物貯蔵タンク5の乾燥被処理物1aを炭化装置Aに供給可能な乾燥被処理物供給手段11と、炭化装置Aで炭化させた炭化物2を炭化物貯蔵タンク7に向けて略水平に搬送する、搬送速度(炭化部6からの炭化物2の取り出し速度)を調節自在な取り出し用スクリューコンベア12とを設けて構成してある。
尚、温度検出部41としては、例えば、熱電対式の温度センサを利用することが可能である。
尚、助燃バーナ56は、炭化処理の立ち上げ時に使用するのが望ましい。
尚、第2吹き出し部55は、助燃バーナ56よりも高い位置に設けても良い。
図5は炭化システムの別実施形態を示し、円筒状の乾燥装置4を炭化装置Aの上部に同芯状に一体に設け、炭化装置Aにおける燃焼炉80の排気部34を乾燥装置4の乾燥室13にダクト65で接続して、燃焼炉80の排ガスを乾燥用ガスとして乾燥装置4に供給可能な乾燥用ガス供給路66を設けるとともに、乾燥室13内の被処理物1に対して下側から乾燥用ガスを吹き付けて流動床を形成可能な乾燥用ガス吹き出し部18を設けて、被処理物1を攪拌しながら浮遊状態で乾燥可能に構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
1.本発明による炭化装置は、コーヒー粕以外の、茶殻や籾殻,おが屑,そば殻などの各種有機物を被処理物として炭化させるものであっても良い。
2.本発明による炭化装置は、炭化炉内での乾燥被処理物の燃焼温度の検出結果に基づいて、炭化炉内への自燃用空気の供給量を制御する制御装置を設けてあっても良い。
2 炭化物
6 炭化部
33 供給部
34 排出部
35 取り出し部
36 第1吹き出し部
39 攪拌装置
43 攪拌部材
55 第2吹き出し部
63 排熱回収ボイラー
80 燃焼部
81 予混合燃焼部
82 筒状炉体
83 区画壁
84 貫通孔
85 筒体
89 板材
X 縦軸
Claims (3)
- 被処理物の供給部と、前記供給部から供給した被処理物を攪拌可能な攪拌装置と、被処理物の自燃用空気を吹き出す第1吹き出し部と、前記第1吹き出し部からの空気吹き出し量を調節自在な調節手段と、被処理物から生成した炭化物の取り出し部とを備えていて、前記供給部から供給した被処理物を攪拌しながら、かつ、自燃させながら前記取り出し部に向けて移動させることにより、その被処理物を炭化させて、前記取り出し部から炭化物を取り出し可能に構成してある炭化部を設け、
前記炭化部において発生した乾留ガスに対する燃焼用空気を吹き出す第2吹き出し部と、排ガスの排出部とを備えていて、前記乾留ガスを燃焼させる燃焼部を設けてある炭化装置であって、
筒軸芯が上下方向に沿う筒状炉体の内側を区画壁で上部炉体と下部炉体とに区画し、前記上部炉体に前記燃焼部を設けるとともに、前記下部炉体に前記炭化部を設けて、前記区画壁に形成した貫通孔を通して前記乾留ガスを前記燃焼部に供給可能に構成し、
前記炭化部を、前記供給部を上部に備え、かつ、前記取り出し部と前記第1吹き出し部とを下部に備えた縦型に構成して、被処理物を前記取り出し部に向けて自重移動可能に設けるとともに、前記取り出し部からの炭化物の取り出し速度を調節可能に設け、
前記攪拌装置を縦軸周りで旋回可能な攪拌部材を設けて構成し、
前記区画壁の前記燃焼部側に、前記貫通孔を通過した乾留ガスに前記排出部から排出された排ガスを混合して燃焼させる予混合燃焼部を設けて、前記予混合燃焼部を通過したガスを前記燃焼部に供給するように構成してある炭化装置。 - 前記貫通孔周りを囲む筒体を前記区画壁に設けて、その筒体の内側を前記予混合燃焼部に形成し、
前記筒体の前記燃焼部側端部を覆う板材を、その筒体から筒軸方向に間隔を隔てて設けてある請求項1記載の炭化装置。 - 前記排出部から排出された排ガスとの熱交換で排熱を回収可能な排熱回収ボイラーを設け、
前記排熱回収ボイラーを通過した排ガスを前記予混合燃焼部に供給するように構成してある請求項1又は2記載の炭化装置。
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