JP2022163422A - 半炭化物の製造装置、半炭化物、火力発電燃料及び発電方法 - Google Patents

半炭化物の製造装置、半炭化物、火力発電燃料及び発電方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも少ないエネルギーで半炭化物を製造できる半炭化物の製造装置の提供。【解決手段】本体部と、加熱部と、内部空間の温度を測定する温度測定部と、内部空間に酸素を供給する酸素供給部と、原料を投入する投入部と、生成物を排出する排出部と、酸素供給部と投入部と排出部との動作を制御する制御部と、を有し、投入部は原料の投入速度を制御し、排出部は生成物の排出速度を制御し、本体部と加熱部とは、本体部の中心軸と同軸に配置され且つ本体部の径方向において離間し、温度測定部は、加熱部の上方且つ原料の投入口よりも下方に設けられた第1測定部と、加熱部の頂点位置よりも下方に設けられた第2測定部と、を有し、制御部は、投入部と酸素供給部と排出部との動作を制御して、第1測定部で測定される第1温度を400℃以上800℃以下に制御し、第2測定部で測定される第2温度を第1温度よりも低い温度に制御する半炭化物の製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、半炭化物の製造装置、半炭化物、火力発電燃料及び発電方法に関する。
従来、家庭や産業分野から排出されるバイオマスを、燃料として再利用する方法が検討されている。本明細書において、「バイオマス」とは、生物由来の資源であって、化石資源を除く資源を指す。バイオマスは、カーボンニュートラルな燃料として注目されている。
上記方法においては、バイオマスを燃料としてそのまま用いるのではなく、低温で一部熱分解させることで、単位質量あたりのエネルギー密度を向上させる技術が検討されている。このような技術を、本明細書においては「半炭化」と称する。この意味において、半炭化という用語の「半」とは、半分(50%)を意味するものではなく、炭化可能な部位(有機物)を残したまま反応を終了し、炭化の処理が半ばであることを意味する。
詳細には、「半炭化」とは、バイオマスを低温で熱処理し、単位質量当たりの炭素成分の比率を高める技術である。半炭化には、200℃~300℃で熱分解することが好ましいことが知られている。
低温で熱処理することで、バイオマスから水分が除去される。さらに、バイオマスが熱分解して気体成分が生じ、バイオマスから気体成分が除去される。これにより、バイオマスの質量が減少する。
一方、上記反応により水分や気体成分が除去されたバイオマスの残部(固体)には、炭素分が多く含まれる。
その結果、低温で熱処理されたバイオマスは、熱処理前のバイオマスと比べて相対的に炭素分が増加し、単位質量あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
例えば特許文献1には、バイオマスを半炭化させる製造装置が開示されている。特許文献1に記載の製造装置は、回転駆動する円筒状のロータリーシェルを有する、いわゆるロータリーキルン型の装置である。
特開2019-045078号公報
特許文献1に記載のロータリーキルン型の装置では、大型のロータリーシェルの駆動や、内部に供給した原料の加熱のために、多くのエネルギーを必要とする。そのため、従来よりも少ないエネルギーで、半炭化物を製造可能な装置が求められていた。
また、上記半炭化物の使用用途の一つとして、石炭と混合して火力発電の燃料として用いることが想定されている。このような使用用途に半炭化物、特にバイオマス由来の半炭化物を用いると、カーボンニュートラルの考えから、発電による二酸化炭素排出量の一部を捨象して扱うことができる。一方で、発電燃料に半炭化物を用いることを考えると、上記特許文献1に記載の装置のように、半炭化物の製造に多くのエネルギーを必要とする装置は、発電に要する総エネルギーが増加する原因となる。この観点からも、従来よりも少ないエネルギーで、半炭化物を製造可能な装置が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも少ないエネルギーで半炭化物を製造できる半炭化物の製造装置を提供することを目的とする。また、発電用燃料に適した半炭化物を提供することを併せて目的とする。また、このような半炭化物を含む火力発電燃料、及びこのような火力発電燃料を燃料として用いた発電方法を提供することを併せて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
[1]鉛直方向に延び、原料を熱処理する内部空間を有する円筒状の本体部と、前記原料を加熱する加熱部と、前記内部空間の温度を測定する温度測定部と、前記内部空間に酸素を供給する酸素供給部と、前記内部空間に前記原料を投入する投入部と、前記内部空間から前記原料が処理されて生じる生成物を排出する排出部と、前記酸素供給部と前記投入部と前記排出部との動作を制御する制御部と、を有し、前記本体部は、前記加熱部の上方において前記原料を投入する投入口と、前記内部空間の下方において前記生成物を排出する排出口と、を有し、前記投入部は、前記投入口に接続され、前記原料の投入速度を制御し、前記排出部は、前記排出口から排出される前記生成物の排出速度を制御し、前記加熱部は、上端が閉じた筒状の部材であり、前記内部空間の下方に設けられ、前記本体部と前記加熱部とは、前記本体部の中心軸と同軸に配置され且つ前記本体部の径方向において離間し、前記温度測定部は、前記加熱部の上方且つ前記投入口よりも下方に設けられた第1測定部と、前記加熱部の頂点位置よりも下方に設けられた第2測定部と、を有し、前記制御部は、前記投入部と前記酸素供給部と前記排出部との動作を制御して、前記第1測定部で測定される第1温度を400℃以上800℃以下に制御し、且つ前記第2測定部で測定される第2温度を前記第1温度よりも低い温度に制御する半炭化物の製造装置。
[2]前記本体部の内半径と前記加熱部の外半径の差が300mm以下である[1]に記載の半炭化物の製造装置。
[3]石炭と混合し、火力発電の燃料として用いられる半炭化物であって、ハードグローブ粉砕性指数が20以上50以下である半炭化物。
[4][3]に記載の半炭化物と、石炭との混合物である火力発電燃料。
[5]前記混合物における前記半炭化物の割合が、10質量%以上30質量%以下である[4]に記載の火力発電燃料。
[6][3]に記載の半炭化物と石炭とを混合し火力発電燃料を得る工程と、前記火力発電燃料を燃焼させて火力発電を行う工程と、を有する発電方法。
[7]前記火力発電燃料を得る工程においては、前記火力発電燃料における前記半炭化物の割合を、10質量%以上30質量%以下として前記半炭化物と前記石炭とを混合する[6]に記載の発電方法。
[8]前記火力発電燃料を得る工程は、前記半炭化物と前記石炭との混合物を得る工程と、前記混合物を粉砕する工程と、を有する[6]又は[7]に記載の発電方法。
本発明によれば、従来よりも少ないエネルギーで半炭化物を製造できる半炭化物の製造装置を提供することができる。また、発電用燃料に適した半炭化物を提供することができる。また、このような半炭化物を含む火力発電燃料、及びこのような火力発電燃料を燃料として用いた発電方法を提供することができる。
図1は、実施形態に係る半炭化物の製造装置1の断面図である。 図2は、製造装置1で製造する半炭化物100を示す模式図である。
以下、図1、2を参照しながら、本実施形態に係る半炭化物の製造装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[半炭化物の製造装置]
図1は、本実施形態に係る半炭化物の製造装置1の断面図である。図1に示す通り、製造装置1は、本体部10と、加熱部20と、温度測定部30と、酸素供給部40と、投入部50と、排出部と、制御部90と、を有する。製造装置1では、バイオマスを原料Mとし、バイオマスを加熱処理して半炭化物を製造する。
上述のように本明細書において、「バイオマス」とは、生物由来の資源であって、化石資源を除くものを指す。バイオマスは、例えば、間伐材、剪定枝、製材のくず、竹、及び稲わら等を含む。
また、バイオマスは、有機性の廃棄物である「有機廃棄物」を含む。有機廃棄物は、例えば、食品廃棄物、建設廃材、シュレッダーダスト、畜産廃棄物、汚泥、及び家庭から排出される一般廃棄物を含む。このような有機廃棄物は、一般には無価値と考えられることが多く、費用をかけて廃棄処理をしている。
原料Mは、製造装置1に投入される前にあらかじめ乾燥され、含水率が適正に調整されていることが好ましい。炭化効率や収率を高くすることができるからである。原料Mとして木質ペレットを用いる場合、製造装置1に投入される原料Mの含水率は、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、5質量%以上15質量%以下である。
また、原料Mは、予め不図示の前工程において粉砕しされていてもよく、ペレット化されていてもよい。
製造装置1は、投入した原料Mを熱処理し、半炭化物100を製造する。原料Mから半炭化物100を生じる過程において、製造装置1では、原料Mの「分解燃焼」と、分解燃焼で生じる固形分の部分的な「炭化」と、分解燃焼で生じる熱分解ガスの「燃焼」とが起きる。
本明細書において、「分解燃焼」とは、原料Mが一部分解し、原料Mから熱分解ガスGが分離する反応をいう。
本明細書において、「炭化」とは、分解燃焼で生じた固形分Sがさらに熱分解し、固形分Sにおける炭化物の含有率を高める反応をいう。この意味において、「半炭化」とは、固形分Sにおける炭化物の含有率が原料Mよりも高く、且つ完全な炭化物と比べると熱分解できる余地が残る状態にまで固形分Sを熱処理する反応をいう。
本明細書において、「熱分解ガス」とは、原料Mが熱分解して生じる混合ガスをいう。熱分解ガスGは、例えば、一酸化炭素、水素、炭化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物等を含む混合ガスである。熱分解ガスGは、燃焼可能である。製造装置1では、「分解燃焼」で生じた熱分解ガスGを「燃焼」させて消費する。熱分解ガスGは、燃焼されて「排ガス」になる。
製造装置1は、バイオマスを熱処理し、半炭化させて半炭化物100を製造するために用いられる。以下、製造装置1の各構成について、順に説明する。
<本体部>
本体部10は、鉛直方向に延在し内部空間10aを有する円筒状の部材である。平面視における本体部10の断面形状は、高さによって半径が異なる円であってもよい。本体部10は、側壁の内面又は外面に凹凸を有していてもよい。
本体部10は、内部空間10aに原料Mを収容し、原料Mを熱処理して半炭化させる反応容器として機能する。
本体部10の大きさは、想定される製造装置1の稼働状況に応じて、処理する原料Mの予測量、又は製造する目的物(半炭化物100)の予測量により設定するとよい。例えば、本体部10の外径は2600mmであり、内径は2000mmである。例えば、本体部10の高さは5000mmである。
本体部10を構成する材料は、製造装置1の材料として通常用いられる材料を採用できる。材料の例には、ステンレスが含まれる。
本体部10は、投入口11、排出口12、空気供給口13a、空気供給口13b及び排気口14を有する。
(投入口)
投入口11は、原料Mを内部空間10aに投入するための構成である。投入口11は、本体部10の側壁に設けられる。投入口11には、原料Mを内部空間10aに投入する投入部50が接続している。投入部50は、単位時間当たりの原料Mの投入量を制御可能であれば特に限定されない。投入部50としては、例えば、スクリューフィーダー又はテーブルフィーダー等を挙げることができる。
原料Mは、投入口11を介して本体部10の内部空間10aに投入される。原料Mは、投入口11から連続的に投入されてもよく、断続的に投入されてもよい。また、原料Mの投入量は、内部空間10aにおける反応の様子に応じて制御可能である。
(排出口)
排出口12は、内部空間10aにおいて原料Mが処理されて生じる生成物、すなわち製造装置1で製造された半炭化物100を外部に排出するための構成である。排出口12は、本体部10の下部に設けられる。図1では、排出口12を本体部10の底部に設けることとして示している。
(空気供給口)
空気供給口13は、本体部10の側壁において投入口11よりも下方、及び投入口11よりも上方にそれぞれ設けられた貫通孔である。内部空間10aには、空気供給口13を介して、装置外部の空気(酸素)が供給される。
空気供給口13は、投入口11よりも下方に設けられた空気供給口13aと、投入口11よりも上方に設けられた空気供給口13bとを含む。空気供給口13a及び空気供給口13bはそれぞれ、本体部10の側壁に全周に亘って離散的に設けられることが好ましい。
空気供給口13aから供給される空気(酸素)は、空気供給口13aの近傍の内部空間10aにおいて、原料Mの分解燃焼を促進する。内部空間10aにおいて、原料Mの分解燃焼が促進される空間を分解燃焼ゾーンZ1と呼ぶ。
分解燃焼ゾーンZ1の温度は、400℃以上800℃以下とすることが好ましく、500℃以上600℃以下とすることがより好ましい。分解燃焼ゾーンZ1の温度が上記温度であると、投入された原料Mの分解燃焼を促進し、原料Mから揮発分を除去しやすい一方で、原料Mの表面の炭化が進みにくい。そのため、投入口11付近の温度が上記温度であると、原料Mの表面近傍だけでなく中心付近からも揮発分を除去しやすく好ましい。
分解燃焼ゾーンZ1において、原料Mは、運転初期には後述する着火部25から着火される。また、原料Mは、連続運転時には分解燃焼ゾーンZ1において既に燃焼している原料Mから着火される。さらに着火した原料Mに対し空気供給口13aから酸素が供給される。これにより、分解燃焼ゾーンZ1では、原料Mが分解燃焼し、熱分解ガスGと固形分Sとが生じる。
分解燃焼ゾーンZ1で生じる固形分Sは、製造装置1における処理が進行するに従って、内部空間10aを降下する。
分解燃焼ゾーンZ1で生じる熱分解ガスGのうち、分解燃焼ゾーンZ1で燃焼されなかった残部は、内部空間10aを上昇する。
また、分解燃焼ゾーンZ1では、熱分解ガスGの一部が燃焼(熱分解ガスGの一次燃焼)する。
空気供給口13bから供給される空気(酸素)は、空気供給口13bの近傍の内部空間10aにおいて、分解燃焼ゾーンZ1から上昇する熱分解ガスGの「燃焼」を促進する。
本明細書において、投入口11よりも上方の内部空間10aにおける熱分解ガスGの燃焼を、分解燃焼ゾーンZ1での熱分解ガスGの燃焼(一次燃焼)に対して「二次燃焼」と呼ぶことがある。また、内部空間10aの上部の空間であって、熱分解ガスGが二次燃焼する空間を二次燃焼ゾーンZ2と呼ぶ。
二次燃焼を促進するため、二次燃焼ゾーンZ2付近の温度は、800℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることがより好ましい。熱分解ガスGの燃焼熱により、二次燃焼ゾーンZ2の温度は、二次燃焼ゾーンZ2の下方よりも上方の方において高くなる。温度の上限は、製造装置1に損傷を与えない限り限定はされないが、二次燃焼ゾーンZ2の温度は、一般に1200℃以下であり、より好ましくは、1150℃以下である。
また、二次燃焼ゾーンZ2での熱分解ガスGの滞留時間を2秒以上とすると、二次燃焼が促進され、ダイオキシンの発生を低減できるため好ましい。
(排気口)
排気口14は、熱分解ガスGが燃焼されて生じる排ガスを製造装置1から排出するための構成である。排気口14は、本体部10の上部に設けられる。排気口14は、空気供給口13bよりも上方に設けられる。
<加熱部>
加熱部20は、上端が閉じた筒状の部材であり、内部空間10aの下方に設けられている。加熱部20の頂点20aは、投入口11より下方に位置する。
図1に示すように、加熱部20の上部の形状は、円錐状であることが好ましい。加熱部20は、表面に凹凸を有していてもよい。加熱部20は、本体部10と同軸に設けられる。
加熱部20を構成する材料は、加熱部の材料として通常用いられる材料を採用できる。材料の例には、ステンレスが含まれる。
加熱部20は、本体部10の中心軸Lと同軸に配置されている。また、加熱部20は、本体部10の径方向において本体部10と離間している。
加熱部20は、運転初期においては、後述する着火部25によって加熱される。また、加熱部20は、連続運転時には、原料Mの分解燃焼や熱分解ガスGの燃焼で生じる熱によって加熱される。これらの加熱により、加熱部20は蓄熱し、輻射及び伝熱によって原料Mを加熱する。
加熱部20は、堆積空間10xを200℃以上400℃以下に維持可能な温度に加熱される。これにより、加熱部20は、原料Mの分解燃焼及び炭化を促進する。
加熱部20は、着火部25から得られる熱、並びに分解燃焼や燃焼で生じる熱とは別に、熱源を有していてもよい。
上述のように、内部空間10aに投入された原料Mは、分解燃焼ゾーンZ1において既に燃焼している原料Mから着火される。また、上述のように、製造装置1では、原料Mの分解燃焼や熱分解ガスGの燃焼で生じる熱によって、加熱部20が加熱される。このように、製造装置1では、連続運転時には、外部からエネルギーや燃料を投入することなく、原料Mから目的物である半炭化物100を得る過程の反応熱を利用して原料Mの分解反応を生じさせる。言い換えると製造装置1では、原料Mの一部を燃料として用い、原料Mの分解反応を生じさせる。
以下の説明においては、原料Mの一部を燃料として、原料Mの熱分解に要する熱を得る方式のことを「自燃式」と称することがある。製造装置1は、自燃式を採用するため、半炭化物100を得るための運転コストを抑えやすい。
分解燃焼ゾーンZ1で生じた固形分Sは、本体部10と加熱部20との間の堆積空間10xに堆積する。固形分Sは、徐々に堆積空間10x(内部空間10a)を降下して、排出口12から排出される。
固形分Sは、表面に着火した状態で堆積空間10xの上部に堆積する。一方、分解燃焼ゾーンZ1では、分解燃焼で酸素を消費しているため、分解燃焼ゾーンZ1の下方に位置する堆積空間10xは、酸素が欠乏した空間となっている。また、堆積空間10xは、分解燃焼ゾーンZ1に近い上方ほど高温であり、相対的に下方ほど低温の温度分布となっている。このような堆積空間10xに堆積する固形分Sは、堆積空間10xを下方に移動する過程において消火される。
また、固形分Sは、堆積空間10xにおいて加熱部20から加熱される。これにより、固形分Sには、酸素が欠乏した状態での熱分解が生じ、熱分解ガスGを生成する。固形分Sは、生じた熱分解ガスGを放出して質量を減少させる。
これにより、固形分Sは、炭化可能な部位(有機物)を残したまま反応を終了し、半炭化物100となる。
加熱部20の大きさは、本体部10の大きさに応じて設定される。本体部10の内半径と加熱部20の外半径の差(堆積空間10xの幅W)は300mm以下であり、好ましくは、200mm以下である。幅Wの下限は、特に限定はされないが、50mm以上が好ましい。より好ましくは、100mm以上である。
幅Wを小さくすることで、加熱部20から固形分Sへの熱の伝わり方のムラが抑えられ、均質な固形分Sを得ることができる。
また、加熱部20の高さHは、幅Wを小さくしたことによる堆積空間10xの容積の低下は、加熱部20の高さHを高くすることで補うことができる。また、高さHを高くすることで、堆積空間10xにおける着火した固形分Sの移動距離が長くなり、確実に消火することができる。
図1では、幅Wが一定であることとしたが、高さ位置によって幅Wが異なっていてもよい。幅Wが異なる場合、堆積空間10xの上方の幅(幅W1)が堆積空間10xの下方の幅(幅W2)よりも広い方が好ましい(W1>W2)。上述のように、堆積空間10xにおいては、固形分Sの熱分解が進行し、熱分解ガスGが生じる。熱分解ガスGの生成量は、堆積空間10xの下方よりも上方のほうが多い。そのため、堆積空間10xの幅WがW1>W2を満たすと、堆積空間10xで生じる熱分解ガスGを堆積空間10xから放出しやすく好ましい。
堆積空間10xの幅WをW1>W2とするため、加熱部20は、高さ位置によって直径を異ならせるとよい。加熱部20は、例えば円錐台状であってもよく、直径の異なる円筒が連結した形状を呈していてもよい。
加熱部20は、中心軸Lの周りを回転可能であってもよい。加熱部20は、回転することで本体部10と加熱部20との隙間に堆積する固形分Sを撹拌し、均一に反応させることができる。
加熱部20を回転させる手段は限定されないが、軸21と加熱部20とを連結し、軸21を公知の駆動手段で回転させてもよい。回転速度は、原料Mの種類、組成、大きさ又は形状等に応じて適宜調節してよい。
加熱部20は、底部にターンテーブル22を備えている。ターンテーブル22は、円錐台形であることが好ましい。ターンテーブル22は、中心軸Lの周りを回転可能に設けられている。ターンテーブル22は、加熱部20とは独立して回転可能であってもよい。
ターンテーブル22は、回転することで、原料Mが処理されて生じる生成物(半炭化物100)を排出口12に供給し、内部空間10aから排出口12を介して外部に排出する。すなわち、ターンテーブル22は、本発明における「排出部」に該当する。ターンテーブル22は、回転速度を調整することにより、半炭化物100の排出速度を制御することができる。
ターンテーブル22は、昇降可能であり、本体部10との間隔を適宜調節することができてもよい。このような構成の場合、ターンテーブル22と本体部10との間隙は、半炭化物100の大きさに応じて適宜調節することができる。
ターンテーブル22の昇降及び回転の手段は、公知の手段が用いられてもよい。
加熱部20は、本体部10の底部より取り外し可能であってもよい。製造装置1の内部には、主として溶解したシリカやカルシウム等の無機成分が冷却されてなるクリンカーが存在することがある。クリンカーは、製造装置1の性能を損なう恐れがあるため、定期的に除去される必要がある。加熱部20が取り外し可能であると、クリンカーの除去作業が容易である。加熱部20を本体部10の底部より取り外すための手段は、公知の手段が用いられてもよい。
<着火部>
着火部25は、本体部10の内壁に設けられたバーナーである。着火部25は、加熱部20を加熱し、さらに内部空間10aを温める機能も有する。原料Mの投入前に、加熱部20及び内部空間10aを加熱しておくことで、原料Mの炭化を効率よく行うことができる。内部空間10aは、原料Mの投入前に、少なくとも200℃まで温められることが好ましい。
着火部25は、加熱部20の上方を加熱することができればよいが、特に頂点20aを含むその近傍を加熱することができる位置に設けられることが好ましい。着火部25は、加熱部20の頂点20aよりも高い位置に設けられることが好ましい。また、着火部25は、投入口11より下方に設けられることが好ましい。着火部25は、一箇所だけではなく、複数箇所に設けられてもよい。
また、着火部25は、製造装置1の運転初期において、分解燃焼ゾーンZ1の原料Mに着火するために用いられる。
<温度測定部>
温度測定部30は、内部空間10aの温度を測定する。温度測定部30は、第1測定部31と第2測定部32とを有する。
第1測定部31は、加熱部20の頂点20aよりも上方且つ投入口11よりも下方に設けられ、分解燃焼ゾーンZ1の温度を測定する。第1測定部31で測定される温度を第1温度T1とする。
第2測定部32は、加熱部20の頂点20aの位置よりも下方に設けられ、堆積空間10xの温度を測定する。第2測定部32で測定される温度を第2温度T2とする。
図1では、温度測定部30は、本体部10の内壁に設けられることとしている。製造装置1においては、温度測定部30において測定した温度に基づいて、後述の制御部90により各構成をフィードバック制御している。
製造装置1は、自燃式であり、分解燃焼ゾーンZ1において原料Mに着火する必要がある。一方で、製造装置1では、原料Mが完全に炭化しないように、又は原料Mの表面が過度に炭化され原料Mの内部の熱分解が進んでいないというような偏りを生じないように、反応を制御する必要がある。そのため、製造装置1では、分解燃焼ゾーンZ1の温度が400℃以上800℃以下に制御される。
また、製造装置1においては、堆積空間10xにおいて原料Mが完全に炭化しないように制御している。そのため、製造装置1では、堆積空間10xの温度を分解燃焼ゾーンZ1よりも低い温度とし、分解燃焼ゾーンZ1よりも低い温度で固形分Sを熱分解する。一例として、原料Mが木質バイオマスである場合、原料Mの反応は、原料Mから水分が抜け、さらに木質バイオマスを構成するヘミセルロースやセルロースの一部が熱分解する程度で留めるよう制御することが好ましい。このような場合、堆積空間10xの温度は、200℃~400℃程度に制御されることが好ましい。
なお、木質バイオマスの主な構成要素は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンである。これらの分解開始温度は、それぞれ約240℃(セルロース)、約180℃(ヘミセルロース)、約420℃(リグニン)である。
温度測定部30は、通常知られた温度センサを採用することができる。
図1では、第2測定部32を1つのみ示したが、第2測定部32は複数設けられていてもよい。その場合、例えば、第2測定部32を堆積空間10xの異なる高さ位置に設け、複数の高さの温度を測定するようにしてもよい。
堆積空間10xにおいては、上方ほど温度が高く、下方ほど温度が低下する。そのため、堆積空間10xの温度を測定し、各構成をフィードバック制御する場合、堆積空間10xの1か所の温度を測定して制御するのではなく、複数個所の温度に基づいて制御することにより、より詳細な情報に基づいた制御が可能となる。
<酸素供給部>
酸素供給部40は、空気供給口13に設けられた送風手段である。酸素供給部40は、ファン41と、本体部10において空気供給口13が設けられた位置の外壁面を覆うカバー42とを有する。ファン41の送風口41aは、カバー42に覆われた空間を介して空気供給口13に接続している。
酸素供給部40は、内部空間10aへの空気(酸素)の供給量を制御する。すなわち、空気供給口13aに設けられた酸素供給部40aは、分解燃焼ゾーンZ1への空気(酸素)の供給量を制御する。また、空気供給口13bに設けられた酸素供給部40bは、分解燃焼ゾーンZ1への空気(酸素)の供給量を制御する。
これらの酸素供給部40をそれぞれ独立に制御することで、内部空間10aにおける原料Mの燃焼、固形分Sの反応の状態を制御することができる。
<制御部>
制御部90は、温度測定部30の測定温度に基づいて、分解燃焼ゾーンZ1及び堆積空間10xの温度が予め定めた反応温度となるように各構成を制御する。具体的には、制御部90は、酸素供給部40と投入部50とターンテーブル22の少なくともいずれか1つの動作を制御して、第1測定部31で測定される第1温度T1を400℃以上800℃以下に制御する。
制御部90は、第1温度T1を500℃以上に制御することが好ましい。また制御部90は、第1温度T1を600℃以下に制御することが好ましい。第1温度T1の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
また、制御部90は、酸素供給部40と投入部50とターンテーブル22の少なくともいずれか1つの動作を制御して、第2測定部32で測定される第2温度T2を第1温度T1よりも低い温度に制御する。
制御部90は、酸素供給部40の動作を制御し、内部空間10aへの空気(酸素)の単位時間当たりの供給量を制御する。これにより、内部空間10aの各部位、特に分解燃焼ゾーンZ1において生じる反応熱を制御し、主として分解燃焼ゾーンZ1の温度を調整することができる。
制御部90は、投入部50における原料Mの投入速度(単位時間当たりの原料Mの投入量)を制御する。これにより、分解燃焼ゾーンZ1における反応を制御し、主として分解燃焼ゾーンZ1の温度を調整することができる。
制御部90は、ターンテーブル22(排出部)の回転速度を制御し、内部空間10aの半炭化物100の排出速度(単位時間当たりの半炭化物100の排出量)を変更する。これにより、主として堆積空間10xの温度を調整することができる。
製造装置1は、制御部90によりこれらを制御することにより、分解燃焼ゾーンZ1の温度(第1温度T1)及び堆積空間10xの温度(第2温度T2)を制御することができる。これにより、製造装置1は、固形分Sの反応状態を制御し、所望の半炭化物100を得ることができる。
制御部90としては、上記のような制御が可能であれば、シーケンス制御により、予め定めた測定温度(第1温度T1、第2温度T2)の基準値に従って、酸素供給部40と投入部50とターンテーブル22の少なくともいずれか1つの動作を制御する構成であってもよい。このような制御部90は、PLC(Programmable Logic Controller)と称される。このような制御部90では、測定温度に従って、各構成の自動制御が可能となる。
また、制御部90としては、測定温度(第1温度T1、第2温度T2)に基づいて作業者が各構成の制御条件を入力する構成であってもよい。
このような製造装置1は、次のように動作する。
まず、製造装置1の運転初期には、着火部25により加熱部20が加熱される。また、投入部50により内部空間10aに投入される原料Mも、着火部25により着火される。これらにより、分解燃焼ゾーンZ1が加熱され、原料Mが分解燃焼し始める。原料Mの分解燃焼で生じる熱は、分解燃焼ゾーンZ1を熱する熱源として利用される。
また、製造装置1の連続運転時には、分解燃焼ゾーンZ1にさらに投入された原料Mは、着火部25により着火することなく、分解燃焼ゾーンZ1において燃焼している原料Mから燃え移り着火する。
分解燃焼ゾーンZ1において原料Mは、着火し分解燃焼するとともに、原料Mの中心まで加熱される。
分解燃焼して生じる固形分Sは、着火した状態で分解燃焼ゾーンZ1から堆積空間10xに移動し、堆積する。堆積空間10xにおいて、固形分Sは加熱部20から加熱され、分解燃焼が進行する。固形分Sは、堆積空間10xを降下しながら分解燃焼し、熱分解ガスGを放出する。生じた熱分解ガスGは、堆積空間10xから分解燃焼ゾーンZ1に上昇し、分解燃焼ゾーンZ1において一部燃焼する。熱分解ガスGの分解燃焼で生じる熱は、分解燃焼ゾーンZ1を熱する熱源として利用される。
分解燃焼ゾーンZ1では、分解燃焼で酸素を消費している。そのため、分解燃焼ゾーンZ1の下方である堆積空間10xには、分解燃焼ゾーンZ1の上方に位置する酸素供給部40aから酸素が供給されにくい。これにより、堆積空間10xは、下方ほど酸素が欠乏した空間となっている。また、堆積空間10xは、分解燃焼ゾーンZ1に近い上方ほど高温であり、相対的に上方よりも下方の方が低温の温度分布となっている。
このような空間に堆積する固形分Sは、堆積空間10xを下方に移動する過程において消火されるとともに熱分解する。これにより、固形分Sは、半炭化物100となる。
半炭化物100は、ターンテーブル22の回転により移動し、排出口12から排出される。
連続運転中の製造装置1において、分解燃焼ゾーンZ1における原料Mの分解燃焼は、分解燃焼ゾーンZ1の温度により制御される。分解燃焼ゾーンZ1の温度は、投入部50による原料Mの投入速度と、酸素供給部40aによる空気の供給量とにより制御される。
堆積空間10xにおける固形分Sの分解燃焼は、堆積空間10xの温度により制御される。堆積空間10xの温度は、堆積空間10xに供給される固形分Sの供給速度(すなわち、投入部50による原料Mの投入速度)と、ターンテーブル22による半炭化物100の排出速度とにより制御される。
製造装置1においては、分解燃焼ゾーンZ1の温度及び堆積空間10xの温度を上述のように制御することにより、好適に半炭化物100を製造することができる。
堆積空間10xでは200℃~400℃程度の低温雰囲気で固形分Sを熱分解させ、炭化を進めている。通常、このような温度で固形分Sを熱分解させると、煤やタールが分解生成物として生じる。このような分解生成物は、配管の閉塞を生じさせる原因となり得るため、従来の設備では、上述のような低温雰囲気での炭化は困難であった。
これに対して製造装置1は自燃式を採用し、分解燃焼ゾーンZ1や二次燃焼ゾーンZ2において熱分解ガスGを燃焼させている。そのため、上記煤やタールは、分解燃焼ゾーンZ1や二次燃焼ゾーンZ2において燃焼して消費される。これにより、製造装置1においては、分解生成物による配管の閉塞を抑制することができる。
このような製造装置1において、半炭化物100を得るための反応熱の多くは、原料Mの燃焼及び熱分解ガスの燃焼によって生じた熱を利用している。そのため、従来のロータリーキルン型の製造装置と比べ、反応に必要なエネルギーを少なく抑えることができる。
したがって、以上のような構成の製造装置1においては、従来よりも少ないエネルギーで半炭化物を製造できる半炭化物の製造装置となる。
[半炭化物]
図2は、製造装置1で製造する半炭化物100の一例を示す模式図であり、概略断面図である。図2では、説明を容易にするために半炭化物100の断面形状を円形としているが、これに限らない。半炭化物100の形状は、原料Mの形状に基づいて種々の形状を採用し得る。
図2に示すように、半炭化物100は、原料よりは熱分解が進んでいるが炭化可能な有機物が残存するコア100aと、主として炭化物で構成されたシェル100bとを有する。本実施形態の半炭化物100は、上述した製造装置1で製造される。製造の過程において一度原料の表面が着火し、その後消火するため、半炭化物100は、表面ほど炭化が進み、内部ほど有機物が残存するという構成となっている。
シェル100bは、コア100aを完全に覆っていてもよい。また、シェル100bは、コア100aの一部を覆い、コア100aの残部がシェル100bから露出していてもよい。
シェル100bが炭化物であるため、半炭化物100は原料Mと比べると水をはじき易く、吸湿し難い。そのため、半炭化物100は、燃料として保存しやすく、燃焼を阻害する水分を含みにくい。そのため、半炭化物100は、屋外に放置したとしても、原料Mと比べると雨や霜に由来する水分を吸収し難く、取り扱いが容易である。
例えば、原料Mとして、おが粉を固めた木質ペレットを用いる場合、原料Mのままでは水分を含むと原料Mが膨張して崩壊し、おが粉に戻ってしまうおそれがある。一方で、木質ペレットから得られる半炭化物100では、水分を吸収し難く、型崩れを抑制できる。
図2では、半炭化物100について、コア100aとシェル100bとが明確に分離する構成として示しているがこれに限らない。半炭化物100は、シェル100bを有さず、コア100aのみであってもよい。この場合、表面から中心に向けて均一に半炭化されていてもよい。また、半炭化物100は、中心よりも表面ほど炭化処理が進み、中心から表面に向けて炭化状態に勾配を有する状態であってもよい。
半炭化物100は、原料と比べて質量が減少しており、エネルギー密度が向上している。例えば、原料Mが木質チップの場合、原料Mのエネルギー密度は10MJ/kg程度、原料Mが木質ペレットの場合、原料Mのエネルギー密度は15MJ/kg程度である。一方、これらの木質の原料を上述の製造装置1で熱処理し、原料の質量の20~30%を減少させると、得られた半炭化物100では、エネルギー密度が19~23MJ/kgにまで高まる。
原料Mに対する半炭化物100の質量減少率は、原料Mの材料と、半炭化物100の目標エネルギー密度と、に基づいて適宜設定するとよい。
半炭化物100は、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)が20以上50以下である。HGIは、JIS M 8801に準拠して測定することができる。
半炭化物100は、シェル100bが炭化物であり、原料と比べて水分や油分が減少しているため、表面が炭化していない原料(例えば、木質バイオマス)と比べると硬く、脆い。このような半炭化物100は、通常知られたミルで粉砕可能である。
通常、火力発電の燃料として用いられる石炭のHGIは、40~70程度である。石炭火力発電では、石炭を効率よく燃焼させるため、ボイラーに投入する前の石炭を、100μm程度にまでミル粉砕して用いている。上述のように半炭化物100を石炭と混合して火力発電の燃料とする場合、半炭化物100についても、石炭と同様に粉砕可能であることが求められる。
本実施形態の半炭化物100は、HGIが20以上50以下である。このようなHGIを有する半炭化物100は、石炭を粉砕する既存設備で粉砕可能である。そのため、半炭化物100は、半炭化物100と石炭との混合物を、通常用いられる石炭粉砕用のミルで石炭と同等の操作にて粉砕することができる。このような性質から、半炭化物100は、既存設備を有効利用して粉砕可能であり、火力発電の燃料として好適に採用可能となる。
以上のような構成の半炭化物100は、発電用燃料に適した燃料となる。
[火力発電燃料]
本実施形態の火力発電燃料は、上述の半炭化物100と石炭の混合物である。火力発電燃料は、混合物における半炭化物100の割合が、10質量%以上30質量%以下である。
[発電方法]
本実施形態の発電方法は、上述の半炭化物100と石炭とを混合し上述の火力発電燃料を得る工程と、得られた火力発電燃料を燃焼させて火力発電を行う工程と、を有する。
火力発電燃料を得る工程においては、得られる火力発電燃料における半炭化物100の割合を、10質量%以上30質量%以下として半炭化物100と石炭とを混合することとしてもよい。
火力発電燃料を得る工程では、半炭化物100と石炭との混合物を得る工程と、混合物を粉砕する工程と、を有することとしてもよい。
以上のような構成の火力発電燃料及び発電方法によれば、化石燃料に由来する二酸化炭素排出量を減らし、カーボンニュートラルに近づけることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計、仕様等に基づき種々変更可能である。
1…製造装置、10…本体部、10a…内部空間、12…排出口、20…加熱部、20a…頂点、21…軸、30…着火部、40,40a,40b…酸素供給部、50…温度測定部、90…制御部、100…半炭化物、L…中心軸、M…原料

Claims (8)

  1. 鉛直方向に延び、原料を熱処理する内部空間を有する円筒状の本体部と、
    前記原料を加熱する加熱部と、
    前記内部空間の温度を測定する温度測定部と、
    前記内部空間に酸素を供給する酸素供給部と、
    前記内部空間に前記原料を投入する投入部と、
    前記内部空間から前記原料が処理されて生じる生成物を排出する排出部と、
    前記酸素供給部と前記投入部と前記排出部との動作を制御する制御部と、を有し、
    前記本体部は、前記加熱部の上方において前記原料を投入する投入口と、前記内部空間の下方において前記生成物を排出する排出口と、を有し、
    前記投入部は、前記投入口に接続され、前記原料の投入速度を制御し、
    前記排出部は、前記排出口から排出される前記生成物の排出速度を制御し、
    前記加熱部は、上端が閉じた筒状の部材であり、前記内部空間の下方に設けられ、
    前記本体部と前記加熱部とは、前記本体部の中心軸と同軸に配置され且つ前記本体部の径方向において離間し、
    前記温度測定部は、前記加熱部の上方且つ前記投入口よりも下方に設けられた第1測定部と、
    前記加熱部の頂点位置よりも下方に設けられた第2測定部と、を有し、
    前記制御部は、前記投入部と前記酸素供給部と前記排出部との動作を制御して、前記第1測定部で測定される第1温度を400℃以上800℃以下に制御し、且つ前記第2測定部で測定される第2温度を前記第1温度よりも低い温度に制御する半炭化物の製造装置。
  2. 前記本体部の内半径と前記加熱部の外半径の差が300mm以下である請求項1に記載の半炭化物の製造装置。
  3. 石炭と混合し、火力発電の燃料として用いられる半炭化物であって、
    ハードグローブ粉砕性指数が20以上50以下である半炭化物。
  4. 請求項3に記載の半炭化物と、石炭との混合物である火力発電燃料。
  5. 前記混合物における前記半炭化物の割合が、10質量%以上30質量%以下である請求項4に記載の火力発電燃料。
  6. 請求項3に記載の半炭化物と石炭とを混合し火力発電燃料を得る工程と、
    前記火力発電燃料を燃焼させて火力発電を行う工程と、を有する発電方法。
  7. 前記火力発電燃料を得る工程においては、前記火力発電燃料における前記半炭化物の割合を、10質量%以上30質量%以下として前記半炭化物と前記石炭とを混合する請求項6に記載の発電方法。
  8. 前記火力発電燃料を得る工程は、前記半炭化物と前記石炭との混合物を得る工程と、
    前記混合物を粉砕する工程と、を有する請求項6又は7に記載の発電方法。
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