JP4687495B2 - バグフィルター濾布およびバグフィルター - Google Patents

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本発明は、高温下で個体と気体を分離する、耐熱集塵装置に使用される耐熱性に優れたバグフィルターに関する。特には、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラントなどの、多量の粉塵を高温ガスから分離するための耐熱バグフィルターに関する。
PPS(ポリアリーレンスルフィド)繊維は、耐熱性、耐薬品性に優れた繊維として、耐熱バグフィルター分野で広く用いられている。また、特許文献1や2に示されるように、PPS繊維を酸化処理して、PPSO(ポリアリーレンスルフィド酸化物)繊維を得ることのアイデアも公知である。さらに、特許文献3に示されるように、PPSO繊維が耐熱バグフィルターに用いることが出来ることも公知である。
しかし、これらの前例においては、現在耐熱バグフィルターに要求される高い特性を満足することは出来ない。高い特性とは具体的には、(A)機械的強度に優れ寿命の長いこと(B)熱による寸法安定性に優れること、(C)耐熱性が高く高温でも破損を生じないこと、(D)高温下での摩耗の少ないこと、(E)捕集効率が高いこと、(F)捕集効率が高くかつ圧力損失が低いこと、である。
特開平1−272863 号公報 特開平7−39735 号公報 特開平5−230760 号公報
本発明は、かかる背景技術の問題点に鑑み、バグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足するバグフィルター濾布およびバグフィルターを提供せんとするものである。
すなわち、本発明のバグフィルター濾布によれば、(A)機械的強度に優れ寿命の長いこと(B)熱による寸法安定性に優れること、(C)耐熱性が高く高温でも破損を生じないこと、(D)高温下での摩耗の少ないこと、(E)捕集効率が高いこと、(F)捕集効率が高くかつ圧力損失が低いこと、(G)堆積したダストの剥離性が良好なこと、の全ての要件を満足する優れたバグフィルター濾布を提供することができるものである。

本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のバグフィルター濾布は、融解熱量が15J/g以下のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含む不織布で構成された濾布であって、該不織布の目付が200g/m以上1000g/m以下で、見掛け密度が0.25g/cm以上0.70g/cm以下であることを特徴とするものである。また、本発明のバグフィルターは、かかるバグフィルター濾布で構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、前記したように、バグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足するバグフィルター濾布を提供することができるので、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラントなどの、多量の粉塵を高温ガスから分離するために使用される集塵装置に好適な濾布を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまりバグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足するバグフィルター濾布について、鋭意検討し、ポリアリーレンスルフィドを、さらに酸化処理して、ポリアリーレンスルフィド酸化物にしてみたところ、この酸化物は示差走査熱量計(DSC)で融解熱量を測定しても、実質的に融解ピークが観察されない化合物であることを発見し、そこでかかる特定な化合物からなる繊維で、バグフィルター濾布を作ってみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明者らは、かかるポリアリーレンスルフィド繊維を酸化処理してポリアリーレンスルフィド酸化物繊維として、この繊維で不織布を形成して、この不織布を用いてバグフィルター濾布を作ってみたところ、各種の布帛設計ができる上に、前記バグフィルターに要求される特性を全て高いレベルで満足する濾布を提供することができることを発見して、本発明に到達したものである。
すなわち、バグフィルター濾布として、機械的強度に優れ寿命が長く、熱クリープや熱収縮の生じにくく、寸法安定性がよく、耐熱性が高く、高温下でも破断が生じにくく、高温下での摩耗などの機械的強度の向上した、捕集効率が高くかつ圧力損失の低いものを提供することができ、しかも、堆積したダストの離脱性が良好な、使用中の圧力損失も上昇しにくいバグフィルター濾布を簡単容易に、かつ、確実に安定して提供することができたものである。
本発明において、ポリアリーレンスルフィド酸化物とは、
一般式(1)
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(R"は、水素、ハロゲン、脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR"同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。ただし(1)において分子中にXが1または2の繰り返し単位を含む。)で示される繰り返し単位からなるポリマー、または、主要構造単位としての上記繰り返し単位と、上記繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(2)〜(8)
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(R”は、水素、ハロゲン、脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R””は脂肪族置換基を表し、分子間のRまたはR’どうしが互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。また、R”、R””はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)で示される繰り返し単位とからなる共重合体から成る固体物品である。また、一般式(1)で示される繰り返し単位のうち、Xが0、1、2である構造単位中に占める、Xが1または2である構造単位の比率は、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは0.7以上である。
本発明における、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維とは、上記説明のポリアリーレンスルフィド酸化物から構成される繊維形状物品である。ここでは、叩解処理前の分枝構造やフィブリル構造を持たない状態での繊維と定義する。繊維の長さ/太さの比は、1以上で有ればいかなる比であっても構わないが、好ましくは10以上、さらに好ましくは100以上、特に好ましくは1000以上である。繊維の太さはいかなる太さであっても構わないが、好ましくは太さ1mm以下、さらに好ましくは太さ100μm以下、特に好ましくは太さ20μm以下、さらに好ましくは太さ5μm以下である。ここでいう太さとは、繊維の断面を見た場合に最も距離の長い部分の距離のことであり、円形断面であれば直径が、長方形断面で有れば対角線の長さが太さである。ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の断面形状は特に限定されるものでは無く、通常の円形断面のみならず、△断面、Y字断面、□断面、十字断面、中空断面、C型断面、田型断面など、いかなる異形断面も採用できる。
本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を得る方法としては、どのような方法でも構わないが、好ましくはポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を酸化処理して得られる。
ここで言うポリアリーレンスルフィド化合物とは、下記一般式(9)
Figure 0004687495
(Rは、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基の少なくともいずれか1つを表す。)で示される繰り返し単位を主要構成単位とするホモポリマー、または、上記繰り返し単位と、上記繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(10)〜(16)
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(Rは、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R’は、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基を表す。)で示される繰り返し単位とからなる共重合体からなる固体物品である。
中でも置換基RおよびR’は、水素または炭素数1〜4の脂肪族置換基が好ましく、具体例としては水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、これらの中でもより好ましいのは、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましいのは、メチル基である。
かかるポリアリーレンスルフィド化合物の具体例としては、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−トリレンスルフィド、ポリ−p−クロロフェニレンスルフィド、ポリ−p−フルオロフェニレンスルフィドなどが挙げられ、中でも好ましいのは、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−トリレンスルフィドであり、さらに好ましいのは、ポリ−p−フェニレンスルフィドである。
さらに、ポリアリーレンスルフィド化合物繊維は、結晶化度30%以上かつ重量平均分子量30000(Mw)以上の物性を有するものであることが好ましく、さらに結晶化度は50%以上であるものであることがより好ましい。また、重量平均分子量は40000(Mw)以上であることがより好ましい。
かかるポリアリーレンスルフィド化合物繊維を用いると、酸化反応処理においてもその結晶性や分子量を大きく損なわず、その結果生成するポリアリーレンスルフィド酸化物の物性面に関して良好な結果を与える。このような結晶化度及び重量平均分子量を有するポリアリーレンスルフィド化合物繊維は、例えば以下の方法により得ることができる。
すなわち、重量平均分子量30000(Mw)以上を有するポリフェニレンスルフィド化合物を得る場合、硫黄源として水硫化ナトリウムおよび有機モノマーとしてp−ジクロロベンゼンを用いて重合する際に使用する重合助剤としては酢酸ナトリウムを用い、その重合助剤を水硫化ナトリウムに対して0.04倍モル以上用い、水硫化ナトリウムに対するp−ジクロロベンゼンの過剰率が2.0モル%以上の条件で約4時間重合させることにより得ることができる。
また、結晶化度30%以上を有するポリアリーレンスルフィド化合物繊維を得る場合は、公知の方法により延伸速度、延伸倍率の制御や、延伸後の熱処理条件の制御することによりこれらを得ることができる。
かかるポリアリーレンスルフィド化合物繊維の太さ(単糸繊度)は、延伸倍率、延伸速度により異なり、特に制限はないが、通常、0.1〜10dtex、好ましくは0.5〜9dtex、さらに好ましくは1〜7dtex、特に好ましくは、2.0〜6.0dtexである。
本発明において、酸化反応処理に使用される反応溶媒の液体は、ポリアリーレンスルフィド化合物繊維の形態を保持するものであれば任意に用いることができ、酸化反応処理に用いる酸化剤を均一に溶解するものであることが好ましい。中でも、有機酸または有機酸無水物または鉱酸を含む液体であることが好ましい。また、液体は単独・混合溶媒のいずれでもよく、またそれに水が含まれていても、水単独の液体でも構わない。液体の具体例としては、水、アセトン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、ピリジン、後述する有機酸、有機酸無水物が挙げられる。有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸などが挙げられる。
かかる有機酸無水物としては、下記一般式(a)で示される酸無水物が挙げられる。
Figure 0004687495
(R1、R2は、それぞれ炭素数1〜5の脂肪族置換基、芳香族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R1およびR2は互いに連結して環状構造を形成していてもよい。)。
かかる酸無水物の具体例としては、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸、無水−クロロ安息香酸などが挙げられる。鉱酸の具体例としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸などが挙げられる。これらの酸無水物の中でも好ましいのは、水、酢酸、トリフルオロ酢酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、硫酸、塩酸であり、さらに好ましいのは、水、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸である。中でも特に好ましいのは、水および酢酸および硫酸が混合された液体である。その混合組成比としてより好ましいのは、水:5〜20重量%、酢酸:60〜90重量%、硫酸:5〜20重量%であり、この範囲の濃度において良好な結果を与える。
かかる酸化反応処理に使用される酸化剤は、上記液体に均一に溶解するものであって、本発明で規定する特性を有するポリアリーレンスルフィド酸化物を与えるものであれば任意に用いることができる。中でもポリアリーレンスルフィド繊維の形状を保持したまま酸化処理し得る酸化剤と、溶媒液体の組み合わせであることが好ましい。かかる酸化剤としては無機塩過酸化物、過酸化水素水から少なくとも1つ選ばれるものであることが好ましく、無機塩過酸化物および過酸化水素水から選択される一種以上と、有機酸および有機酸無水物から選択される一種以上との混合物から形成される過酸化物(過酸を含む)であっても構わない。酸化剤として用いる無機塩過酸化物としては、過硫酸塩類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類が好ましく挙げられる。ここで塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられるが、なかでもナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。その具体例としては、過硫酸塩としては過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸塩としては過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸アンモニウム、過炭酸塩としては過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウムなどが挙げられる。過酸化水素水と、有機酸または有機酸無水物との混合物から形成される過酸の具体例としては、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過プロピオン酸、過酪酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などが挙げられ、中でも好ましいのは、過硫酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸であり、さらに好ましいのは、過ホウ酸ナトリウム、過酢酸、トリフルオロ過酢酸である。
かかる酸化剤の濃度は工業的製法における安全性管理の上で重要で、処理効率の点からは高い濃度の方が好ましいが、ポリアリーレンスルフィド化合物繊維からなる固体物品の形態や見かけ体積などから、固体物品が酸化剤を含む溶媒液体に十分浸漬しうる濃度までであって、かつ、本発明で規定する範囲のポリアリーレンスルフィド酸化物が得られる濃度であれば、溶媒液体で希釈、あるいは安全面から濃度を下げることは任意に可能である。
かかる酸化剤の濃度は20重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは3〜8重量%である。この範囲の濃度において良好な反応結果を与え、かつ安全性の高いプロセスが構築できる。これより高いとその安定性や安全性が温度に対して非常に影響を受けやすくなり、特に20重量%を超える高濃度の酸化剤では、その安定性やプロセスの安全性の管理が難しいため好ましくない。
上記範囲の濃度において良好な反応結果を与え、かつ安全性の高いプロセスが構築できる。これより高いとその安定性や安全性が温度に対して非常に影響を受けやすくなり、特に20重量%を超える高濃度の過酸はその安定性やプロセスの安全性の管理が難しいため好ましくない。
例えば、示差走査熱量計(DSC−60:島津製作所)を用い、空気雰囲気下、サンプル量を5mg〜8mgの範囲内で秤量し、ステンレス製4.9MPa(50気圧)耐圧密閉容器にて、温度プログラムを30℃〜200℃(30℃から10℃/分昇温で200℃まで昇温)と設定して測定した時の過酢酸溶液の熱的挙動は、40%過酢酸溶液の場合が分解温度110℃、発熱量770J/gであり、酢酸および34.5%過酸化水素水を等重量用いて理論過酢酸濃度を40%に調製した平衡過酢酸の場合が分解温度133℃、発熱量704J/gであるのに対し、無水酢酸および34.5%過酸化水素水を等重量用いて理論過酢酸濃度を40%に調製した混合液体のそれは分解温度132℃、445J/gと約6割の発熱量であり、また9%のそれは分解温度110℃、230J/gと約3分の1の発熱量であり、非常に小さい。それ故に、酸化剤濃度を下げることで酸化反応処理プロセスの安全性を確保することは非常に重要である。
本酸化反応処理は、本発明で規定する特性を有するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が得られる限り特に制限はないが、使用される液体の沸点以下の温度で行われることが好ましい。沸点以上の温度では系が加圧になり、酸化剤の分解が促進されたり煩雑な設備となる場合が多く、また安全面においても厳しいプロセス管理が必要とされる傾向にある。具体的な酸化反応処理温度は、用いる液体の沸点により異なるが、液体の沸点が許容する範囲内において、0℃〜100℃の間、中でも30℃前後〜80℃の間が好ましく、特に40℃〜70℃が好ましい。例えば、液体が酢酸の場合には50℃〜70℃の酸化反応処理温度が好ましく、この範囲の温度において良好な反応結果を与える。
酸化反応処理時間は、本発明で規定した特性を有するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が得られる限り特に制限はなく、具体的な時間としても反応温度と酸化剤の濃度により左右されるため一概にはいえないが、例えば、液体が酢酸の場合には、60℃条件下、10重量%の酸化剤濃度において、約2時間である。
また、通常60℃条件下、5重量%の酸化剤濃度において、約1〜8時間である。さらに酸化剤として前記一般式(a)で示される酸無水物と過酸化水素との混合物から形成される過酸を用いる場合、安全性を確保した上で効率よく短時間で酸化反応処理を行うことが好ましい。例えば、酢酸および34.5%過酸化水素水を等重量用いて理論過酢酸濃度を40%に調製した平衡過酢酸を用いた場合の、繊維束、布帛、フェルトのいずれかを酸化処理するための時間が60℃温度条件下で約8時間であるのに対し、無水酢酸および34.5%過酸化水素水を等重量用いて理論過酢酸濃度を40%に調製した混合液体のそれは約2時間であり、非常に効率がよい。
酸化反応処理を行うための処理方式に特に制限はないが、バッチ式または連続式、あるいはそれらを組み合わせたものでも採用でき、また1段式プロセスまたは多段式プロセスのいずれでも採用できる。
ここで、バッチ式とは、任意の反応容器内にポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維および酸化剤の含まれる液体を投入し、任意の濃度、温度、時間で酸化反応処理した後、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維または液体を取り出す処理方式を意味し、連続式とは、ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維または酸化剤の含まれる液体を任意の流速を持たせて反応容器内を流通させて酸化反応処理する方式を意味する。連続式においては、任意の形態で固定化したポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維に対して、酸化剤の含まれる液体を流通または循環させて酸化反応処理する方法、あるいは、酸化剤の含まれる液体を任意の反応容器内に投入し、そこへポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を連続的に流通または循環させて酸化反応処理する方法のいずれも採用できる。
また、多段式プロセスとは、バッチ式または連続式を採用した酸化反応処理の単位工程が、複数または段階的に構築されたプロセスを意味する。具体的には、酸化反応処理を複数回に分け、各処理を行う際に、酸化反応処理を行うための酸化剤を含む液体をあらたに調製し、続く酸化反応処理を行う方法が例示される。かかる方法は酸化反応を促進できる点で好ましく、具体的には酸化反応処理時間の短縮や、より低い温度での反応が可能となる点で好ましく用いられる。特に、ポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維の形態や見かけ体積などの影響で、それが十分浸漬するよう液体で希釈したり、あるいは安全性確保のために濃度を下げたりすることにより生じ得る酸化反応処理時間の延長を抑制したり、過度の温度上昇を不要にし得る点でこの多段式プロセスが好ましく、これを採用することにより、酸化反応時間の延長や温度上昇を被ることなくかつ安全性を確保した上でプロセス構築ができる。
さらに、酸化反応処理におけるポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維と酸化剤の含まれる液体との接触方法は、酸化剤の含まれる液体中にポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を浸漬する方法、任意の形態で固定化したポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維に酸化剤の含まれる液体を散布または噴霧する方法のいずれも採用できる。
このようにポリアリーレンスルフィド化合物からなる繊維を酸化処理して得られる、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維に関して、さらに詳しく説明する。
本発明における酸化反応処理過程で生じる架橋とは、ポリアリーレンスルフィド化合物を酸化反応処理する過程でポリマー分子間で橋架け構造を形成することを意味し、繰り返し単位の構造中に含まれる炭素原子、硫黄原子、酸素原子のいずれかから選ばれる原子どうしが結合して橋架け構造を形成することを意味する。また、この架橋化度は、該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の固体NMR分析および示差熱重量(TGA)測定によりその一部を把握することができ、中でもTGA測定においては、窒素雰囲気下で熱重量変化評価後に残存する炭化物量を測定することにより、架橋構造のうち、炭素原子同士の架橋構造の割合を把握できる。例えば、示差熱重量(DTG−50:島津製作所)を用い、窒素雰囲気下、サンプル量約10mgを精秤し、白金製セル容器上にて、温度プログラムを30℃〜900℃(30℃から10℃/分昇温で900℃まで昇温)と設定して測定した時の残存する炭化物量は、ポリアリーレンスルフィド繊維(東レ社製「トルコン(登録商標)」)がほぼ定量的に熱消失して残存物が検出されないのに対し、酸化処理後に得られるポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の一例では炭化物が13.2重量%残存し、酸化処理により炭素原子同士の架橋構造を形成していることが確認できる。
本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、かかるTGA測定において、残存炭化物が実質的に認められることが好ましく、さらに、実質的に1重量%以上の残存炭化物量を有することが好ましく、特に、実質的に5重量%以上の残存炭化物量を有することが好ましい。この範囲において耐熱性、耐薬品性に関して特に優れた特性を有する。ここで言う実質的にとは、上記の示差熱重量(TGA)測定において、測定前のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の重量に対する測定後の残存炭化物量の重量%を意味する。
また、本酸化処理により得られるポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は結晶性を有する。すなわち、広角X線回折の測定における結晶化度が10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。
ここで結晶化度は、広角X線回折の測定において観測される、全回折ピーク面積に占める結晶性構造に由来するピーク面積比より算出した値である。例えば、広角X線回折装置(RINT2100:リガク)を用い、Cu線源(λ=1.5406オングストローム)にて、試料厚さ約70μmのフィルムを測定した時の結晶性構造に由来するピーク面積比より算出することができる。
本発明において、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の結晶性は、酸化反応に供するポリアリーレンスルフィド繊維として結晶性、分子量の比較的高いものを用い、このポリアリーレンスルフィド繊維の結晶性を過大に損なわない酸化条件を選択することにより高めることが可能である。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、示差走査熱量計(DSC)での測定において、融解熱量が15J/g以下であり、さらに好ましくは10J/g以下、より好ましくは5J/g以下を表し、特に好ましくは1J/g以下の融解熱量を有するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を意味し、より好ましくは実質的に融解ピークが観察されないポリアリーレンスルフィド酸化物繊維であるのがよい。この範囲において耐熱性、耐薬品性に関して特に優れた特性を有する。ここでDSC測定条件は、窒素雰囲気下、窒素流量20mL/分において、示差走査熱量計(RDC220:セイコー・インスツルメンツ)を用い、サンプル量5mg〜10mgの範囲内で、温度プログラムを30℃〜500℃(30℃から10℃/分昇温で340℃まで昇温後、2分ホールド、続いて10℃/分降温により30℃まで降温後、2分間ホールドした後、10℃/分で500℃まで再昇温)と設定し、測定した時の融解熱量である。このような融解熱量が15J/g以下のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は酸化処理条件を前記した好ましい条件とすることにより製造することができる。
かくして得られるポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、優れた耐熱性とともに、耐アルカリ性、耐硫酸性、耐硝酸性に優れており、耐熱バグフィルターとして、極めて好適な繊維である。
しかし、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、ポリアリーレンスルフィド繊維に比較して、脆く、衝撃に弱いという性質を持っている。そのため、ポリアリーレンスルフィド繊維からなるバグフィルターと比較すると、同じ目付や同じ見掛け密度でバグフィルターを製作すると、逆洗時の圧空パルスによる衝撃や、圧空パルス噴射後のリテーナへの衝突の衝撃により、繊維が機械劣化しやすく、濾布から繊維が破壊された粉体が脱落して、脱落した部分の捕集効率が悪化するということがあるので、布帛設計を、かかる性質を十分に配慮して構成することが好ましい。
すなわち、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるバグフィルター濾布は、ポリアリーレンスルフィド繊維からなるバグフィルター濾布よりも、1乃至2割程度、目付と見掛け密度を高くする必要がある。つまり、ポリアリーレンスルフィド繊維からなるバグフィルター濾布で通常設計される目付は、150g/m以上600g/m以下、見掛け密度は0.20g/cm以上0.60g/cm以下であることから、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるバグフィルター濾布は、目付が200g/m以上1000g/m以下で、見掛け密度が0.25g/cm以上0.70g/cm以下であることが肝要である。
また、バグフィルターとして使用するにあたっては、織物、編物、不織布のいずれの布帛形態でも使用することができるが、小さな粒径のダストを捕集する捕集効率という面から、本発明では、不織布の形態で使用する。織物や編物であると、織り目や編み目に必ず大きな空隙が発生し、ダストが捕集されずに通過するためである。
かかる不織布の製造方法は、特に限定されることもなく、前述のように不織布形状とされたポリアリーレンスルフィド繊維製不織布を酸化処理してポリアリーレンスルフィド酸化物繊維製不織布とすることも、全く問題ない。
ポリアリーレンスルフィド繊維にしてもポリアリーレンスルフィド酸化物繊維にしても、不織布の製造方法としては、捲縮の付与された短繊維を、カーディングして繊維を分繊かつ繊維方向を揃え、クロスラッパーで積層してウェブとし、該ウェブを交絡あるいは一体化させて不織布とすることができる。交絡の方法としては、ニードルを打って交絡させるニードルパンチ方法や、水流を与えて交絡させるウォータージェットパンチ製法などが、好ましく用いられる。あるいは一体化の方法としては、熱プレスや熱エンボスプレスによって、部分的に押し固めて一体化する方法なども用いられる。この、熱プレスや熱エンボスによる方法においては、あらかじめ熱溶融する繊維や熱軟化する繊維を混綿しておく方法も好ましく用いられる。混綿する繊維の具体的な例としては、フッ素繊維やポリアリーレンスルフィド繊維やメタアラミド繊維などが挙げられる。
また、本発明の好ましい不織布の形態としては、該不織布が、ウェブと織布とから構成されているのがよい。すなわち、バグフィルターには、捕集効率の向上と寸法安定性の向上という二つの特性が要求される。捕集効率の向上には、織布や編布では織り目や編み目の部分に大きな空隙が形成されるために、不織布が好適に用いられるものである。しかし寸法安定性という面では、不織布では引張剛性が小さいので、織布の方が好ましい。そこで本発明では、この両特性を同時に満足するために、織布とウェブを組み合わせて濾布を構成することが好ましい。ここでいうウェブとは、少なくとも布帛面内にランダムな繊維方向を有する繊維構造体を言う。織布とウェブの組合せの方法は、ウェブ/織布/ウェブの3層構造としても良いし、ウェブ/織布の2層構造としても差し支えない。かかる製造方法としては、いかなる方法でも構わないが、繊維絡合前のウェブと織布とを積層しておいて、ニードルパンチやウォータージェットパンチなどにより、ウェブの絡合と織物との一体化を達成する製造方法が好ましい。このように、バグフィルター濾布を構成するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維不織布に、織布を挿入することにより、熱クリープや熱収縮を生じにくい、寸法安定性の良いバグフィルター濾布を得ることが出来る。
また、さらに、本発明の好ましい不織布の形態として、本発明に用いる寸法安定性を高めるための織布として、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、もちろんのこと、他の素材による繊維からなる織布が好ましく用いられる。例えば、フッ素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維などが好ましく用いられる。フッ素繊維は有機繊維ではあるが極めて耐熱性が高い繊維であり、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維は無機繊維であって、やはり極めて耐熱性の高い繊維である。これらの耐熱性の高い繊維を織布として用いることにより、より高温下に暴露されるプラントのバグフィルターとして使用された場合においても、さらに耐熱性が高く、高温下でも破断の生じにくいバグフィルター濾布を得ることが出来る。何故なら、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が熱により強度劣化を生じた場合にも、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は捕集効率の向上の機能を主に分担するウェブ部分に存在するため、強度劣化は捕集効率の低下に大きく影響することなく、強度や寸法安定性の機能を分担する織布には、より耐熱性の高い素材からなる繊維が用いられているからである。
なお、上記以外の耐熱性の高い素材からなる繊維を織布に用いても差し支えなく、例えば、PBO繊維や液晶ポリエステル繊維や、m−アラミド繊維やp−アラミド繊維も用いることが出来るが、これらの繊維は耐薬品性が充分ではないので、NOやSOの発生する高温バグフィルターに用いるときには、充分な検討をした上で用いる必要がある。
なお、本発明の不織布は、ウェブをポリアリーレンスルフィド酸化物繊維100%で構成することもできるが、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維、ポリアリーレンスルフィド繊維から選ばれる少なくとも1種からなる異種繊維とポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿ウェブであってもよい。すなわち、これらの異種繊維との混綿とすることにより、摩耗などの機械的強度の向上したバグフィルター濾布を提供することが出来る。前述のように、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は、耐熱性や耐薬品性といった化学的劣化には極めて強いのであるが、機械的劣化にはきわめて強いとは言えず、脆く衝撃に弱いという性質を持っている。本発明の濾布が使用されるバグフィルターにおいては、ダストの飛来によるダストの濾布への衝突による衝撃や圧力空気による逆洗パルスによる衝撃や逆洗パルス噴射後のリテーナへの衝突による衝撃など、多くの衝撃が濾布のウェブ部分に発生する。その衝撃によりウェブ部分の繊維が劣化して脱落し、捕集効率の向上という機能を果たさなくなることを防止するために、異種繊維との混綿が好ましい。ただし、混綿される異種繊維としては、耐熱性の高い繊維である必要があり、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維の中から選択される少なくとも1種の繊維と混綿されることが好ましい。また、ポリアリーレンスルフィド繊維は、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維よりも耐熱性は高くないものの、耐衝撃性では優れているので、混綿相手の1種として好ましく用いられる。
なお、上記以外の耐熱性の高い素材からなる繊維を混綿相手の繊維に用いても差し支えなく、例えば、PBO繊維や液晶ポリエステル繊維やm−アラミド繊維やp−アラミド繊維も用いることが出来るが、これらの繊維は耐薬品性が充分ではないので、NOXやSOXの発生する高温バグフィルターに用いるときには、充分な検討をした上で用いる必要がある。
また、本発明の不織布として、ウェブを複数層にし、少なくとも最表面の層のウェブを異種繊維との混綿ウェブで構成されたものも好ましく用いられる。本発明の不織布がウェブと織布からなる場合には、ウェブ/織物/ウェブの3層構造をとる場合もあり、この3層構造の場合ウェブの層は2層であり複数層となる。この3層構造のうち、織物の上流側のウェブの層をこの場合の最表面の層と呼ぶ。また、ウェブ/織物/ウェブの3層構造のうち、織物の上流側のウェブの層を2層とし、ウエブ/ウェブ/織物/ウェブの構造とする場合もあり、この場合の最表面の層とは最も上流側のウェブ層となる。さらに、織物の上流側のウェブの層を3層以上の多数の複数層としても良いが、最表面の層とは最も上流側のウェブの層を言う。一方、織物の挿入されていない不織布の場合には、ウェブだけでバグフィルター濾布が構成されるが、このウェブを複数層にしても構わず、この場合、最も上流側のウェブの層が最表面のウェブの層となる。
これらの最表面のウェブの層は、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維、ポリアリーレンスルフィド繊維から選ばれる少なくとも1種からなる異種繊維とポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿ウェブであるのがよい。すなわち、これらの異種繊維との混綿とすることにより、高温下での摩耗などの機械的強度の向上したバグフィルター濾布を提供することが出来る。このように最表面のウェブの層を異種繊維との混綿ウェブとすることにより、ダストの飛来によるダストの濾布への衝突による衝撃に対する耐久性の高いバグフィルター濾布を得ることが出来る。ただし、混綿される異種繊維は、耐熱性の高い繊維である必要があり、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維の中から選択される少なくとも1種の繊維と混綿されることが好ましい。また、ポリアリーレンスルフィド繊維は、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維よりも耐熱性は高くないものの、耐衝撃性では優れているので、混綿相手の1種として好ましく用いられる。なお、上記以外の耐熱性の高い素材からなる繊維を混綿相手の繊維に用いても差し支えなく、例えば、PBO繊維や液晶ポリエステル繊維やm−アラミド繊維やp−アラミド繊維も用いることが出来るが、これらの繊維は耐薬品性が充分ではないので、NOやSOの発生する高温バグフィルターに用いるときには、充分な検討をした上で用いる必要がある。
また、圧力空気による逆洗パルスによる衝撃や逆洗パルス噴射後のリテーナへの衝突による衝撃に対する耐久性を向上させるためには、上述で定義した最表面の反対側である最裏面のウェブ層を、異種繊維との混綿ウェブとすることが効果的であることは言うまでもない。
かかる本発明の不織布において、繊度の大きいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との、異繊度の混綿ウェブで構成されたウェブからなる不織布が好ましい。かかる不織布で構成されたバグフィルター濾布は、繊度の大きいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維のみを使用した場合に比較して、不織布を厚さ方向に貫通する穴の大きさであるポアサイズが小さいので、ダストの捕集効率が高い性能を有するものを提供することができる。かかる不織布をさらに3種類以上の繊度のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を混綿して構成することもできる。かかる不織布には織物が挿入されている不織布であっても、織物が挿入されていない不織布であっても構わない。さらには、前述の異種繊維と繊度の大きいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿であっても差し支えない。
また、かかる本発明の不織布として、ウェブを複数層にし、少なくとも最表面の層のウェブを異種繊度との混綿ウェブとする不織布も好ましく用いられる。かかる不織布が、ウェブと織布からなる場合には、ウェブ/織物/ウェブの3層構造をとる場合もあり、この3層構造の場合、ウェブの層は2層となる。この3層構造のうち、織物の上流側のウェブの層を、この場合の最表面の層と呼ぶ。また、ウェブ/織物/ウェブの3層構造のうち、織物の上流側のウェブの層を2層とし、ウェブ/ウェブ/織物/ウェブの構造とする場合もあり、この場合の最表面の層とは最も上流側のウェブ層となる。さらに、織物の上流側のウェブの層を3層以上の多数の複数層としても良いが、最表面の層とは最も上流側のウェブの層を言う。一方、織物の挿入されていない不織布の場合には、ウェブだけでバグフィルター濾布が構成されるが、このウェブを複数層にしても構わず、この場合、最も上流側のウェブの層が最表面のウェブの層となる。
バグフィルターの場合、捕集効率を左右する層は、ダストがまず最初に遭遇する最表層であるから、この最表層を捕集効率の高い異種繊度との混綿ウェブにすることが好ましい。さらには、前述の、異種繊維と繊度の大きいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿で構成するのがよい。
かかる不織布を構成する複数層のウェブのうち、少なくとも最表面の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度が、他の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度よりも小さい不織布とするのが好ましい。
例えば、本発明の不織布がウェブと織布からなる場合には、ウェブ/織物/ウェブの3層構造をとる場合もあり、この3層構造の場合ウェブの層は2層であり複数層となる。この3層構造のうち、織物の上流側のウェブの層をこの場合の最表面の層と呼ぶ。この最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、反対側のウェブの層を単糸繊度2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成することができる。また、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、反対側のウェブの層を単糸繊度7.8dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成することもできる。また、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と2.2dtexのポリアリーレンスルフィド繊維との混綿から構成し、反対側のウェブの層を単糸繊度7.8dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成することもできる。また、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、反対側のウェブの層を単糸繊度2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と7.8dtexのポリアリーレンスルフィド繊維との混綿から構成することもできる。このように、単糸繊度が一種類であろうが、二種類の混綿であろうが、3種類以上の混綿であろうが、全く構わない。
また、ウェブ/ウェブ/織物/ウェブの4層構造をとる場合には、ウェブの層は3層であり複数層となる。この4層構造のうち、織物の上流側の最も上流側のウェブの層をこの場合の最表面の層と呼ぶ。例えば、本ウェブ3層において、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、2番目の層を単糸繊度2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、織物を挟んで反対側の3番目の層も2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成しても構わない。また、本ウェブ3層において、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、2番目の層を単糸線粗2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、織物を挟んで反対側の3番目の層を7.8dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、厚さ方向に繊度勾配を付けても構わない。また、本ウェブ3層において、最表面のウェブの層を単糸繊度1.0dtexと2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の混綿から構成し、2番目の層を単糸線粗2.2dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維から構成し、織物を挟んで反対側の3番目の層を2.2dtexと7.8dtexのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の混綿から構成し、混綿のウェブを用いることも出来る。
さらには、ウェブ/ウェブ/織物/ウェブ/ウェブの5層構造であっても、さらには6層以上の構造であっても、上記と同様に、少なくとも最表面の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度が、他の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度よりも小さければ、本発明に含まれる。
また、織物が無い場合においても、ウェブを2層以上とし、上記と同様に、少なくとも最表面の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度が、他の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度よりも小さければ、本発明に含まれる。
少なくとも最表層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度を、他の層のポリアリーレンスルフィド酸化物の平均繊度より小さくしたり、ウェブに繊度勾配を設け、風上側のウェブの繊度を小さく、風下側のウェブの繊度を大きくすることにより、捕集効率が高くかつ圧力損失の低いバグフィルター濾布を得ることが出来る。何故なら、バグフィルターは、濾布であるフェルトの表面にダストケーキを堆積させ、逆洗によって、堆積したダストケーキを払い落とすことによって、清浄な濾布のフェルト面を再生することを繰り返して使用される。ダストが濾布の厚みの内部に侵入することは好ましくなく、濾布の表面に留まることが好ましい。すなわち、濾布の最表面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度を小さくして、繊維間空隙を小さく保つことにより、捕集効率を向上することが出来る。また、濾布の厚みの内部にダストが侵入することを防げるので、圧力損失を低下させることができる。
このように、濾布の最表面の層の捕集効率が充分高く、ダストが濾布の厚み内部に侵入しにくい場合には、最表面以外のウェブ層は、捕集効率に寄与する割合が極めて少なくなり、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の単糸繊度を小さくする意味合いは薄れる。むしろ、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の単糸繊度を大きくして、繊維間空隙を大きくし、圧力損失を低下させる方が好ましい。以上説明したように、少なくとも最表層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度を、他の層のポリアリーレンスルフィド酸化物の平均繊度より小さくしたり、ウェブに繊度勾配を儲け、風上側のウェブの繊度を小さく、風下側のウェブの繊度を大きくすることにより、捕集効率が高くかつ圧力損失の低いバグフィルター濾布を得ることが出来る。
本発明のバグフィルター濾布を構成する不織布として、該ウェブが、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含むことが好ましい。異形断面とは、丸断面以外の繊維のことを言い、扁平断面、三角断面、Y型断面、十字断面、5本の枝を有する断面、6本の枝を有する断面、7本以上の枝を有する断面および、湿式紡糸時に自然発生する定形を持たない断面を含む。すなわち、異形断面とは、丸断面の時と同一断面積である場合に、断面の外周周長が丸断面の時よりも大きくなる断面を言う。
かかる異形断面の繊維は、丸断面の繊維に比較して、同一重量で濾布フェルトを製造した場合に同一重量当たりの繊維表面積が大きくなり、ダストの捕集効率が高くなるという効果を発揮する。これは、ダストの捕集には、濾布フェルトの空隙の小ささが寄与するふるい効果とともに、濾布フェルトを構成する繊維の一本一本にダストが吸引吸着されるブラウン拡散効果を有するからである。このブラウン拡散効果は、ダスト重量の小さい、非常に細かいダストの捕集効率向上に対して効果が大きい。以上のように、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含むことにより、濾布フェルトの捕集効率上昇の効果を得ることが出来る。
ウェブを構成するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維に、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を用いるに当たっては、異形断面繊維のみを用いても構わないし、異形断面繊維と丸断面繊維との混綿であっても構わない。
さらには、前述の異種繊維と繊度の大きいポリアリーレンスルフィド繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド繊維と異形断面ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿であっても差し支えない。
本発明のバグフィルター濾布において、かかる異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を、該不織布の少なくとも最表面の層のウェブに含ませることが好ましい。すなわち、前述の異種繊維を用いる場合や異繊度のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を用いる場合と同様に、最表面のウェブの層に、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を用いることが好ましい。該最表面のウェブの層を構成する繊維は、異形断面繊維のみを用いても構わないし、異形断面繊維と丸断面繊維との混綿であっても構わないし、さらには、異種繊維と繊度の大きいポリアリーレンスルフィド繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド繊維と異形断面ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との混綿であっても差し支えない。
少なくとも最表層のウェブに異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を用いることにより、捕集効率が高くかつ圧力損失の低いバグフィルター濾布を得ることが出来る。
さらに本発明のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるバグフィルター濾布を、効果的に使用する好ましい形態として、該不織布の最表面の少なくとも片側に、フッ素繊維からなるウェブが積層されていることがあげられる。
ここでいう、該不織布の最表面の少なくとも片側に積層するという意味は、これまで説明したポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるバグフィルター濾布を構成する種々のウェブからなる不織布に加えてさらにその表面側に積層する、という意味である。すなわち、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の単一成分からなる不織布の表面に積層しても良いし、異種繊維や、繊度の違うポリアリーレンスルフィド酸化物繊維や、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を用いた、あるいは混綿したウェブ層を有する不織布の表面に積層しても差し支えない。
バグフィルターとは、逆洗により濾布表面に堆積したダストケーキを剥離脱落させて、清浄な濾布面を繰り返し再生して使用されるので、ダストの剥離のしやすさは、長期間にわたり低圧損のまま集塵機を運転するための、重要な性質となる。ダストの剥離のしやすさを左右する一因として、濾布表面の粘着性があげられる。粘着性の高い濾布表面であれば、パルス圧力空気噴射や空気の逆流付与や機械的振動の付与などの逆洗作用によっても、ダストの一部は濾布表面に残留し、集塵機の圧力損失上昇をもたらす。粘着性の低い濾布表面であれば、逆洗作用によって、ほとんどのダストは剥離してしまい、集塵機は低圧損のまま運転できる。フッ素ポリマーは極めて粘着性の低いポリマーとして有名であり、従って、不織布の表面をフッ素ポリマーからなる層にすることが好ましい。さらに好ましいのは、フッ素繊維からなる層とすることであり、特に好ましいのはフッ素ポリマーからなるウェブ層とする、すなわち不織布層とすることである。不織布には捕集効率を向上させ、ダストを濾布表面に堆積させ、ダストを濾布の厚み方向の内部に侵入させにくいという効果があるからである。
フッ素ポリマーには種々の種類があるが、本発明のバグフィルター濾布、特に高温下で運転されるバグフィルター濾布に用いるためには、耐熱温度の高いフッ素ポリマーである事が好ましく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが好ましく、特に好ましいのはPTFEである。
PTFE繊維からなるウェブの好ましい形態は、不織布状態であることはすでに述べたが、該不織布を構成するPTFE繊維の形状は、断面形状が四角であっても、丸であっても、また不定形であっても構わない。繊維径もどのような繊度であっても構わないが、好ましくは20dtex以下、さらに好ましくは10dtex以下、もっと好ましくは5dtex以下、特に好ましくは3dtex以下である。この様な細い繊度の繊維状態を得るために、PTFE繊維は分枝構造やフィブリル構造を有していても構わない。
本発明のバグフィルター濾布において、該不織布の最表面の少なくとも片側に、フッ素製微多孔膜が積層されている構成が好ましい。かかるフッ素製微多孔膜としては、フッ素フィルムを延伸するなどして得られる、小さな空隙を多数有するフィルム状のフッ素ポリマー膜が使用される。
前述のフッ素繊維からなるウェブと同様に、フッ素製微多孔膜を該不織布の最表面に積層する事により、粘着性の低い濾布表面を作り、逆洗作用によって、ほとんどのダストは剥離させ、集塵機を低圧損のまま運転できるという効果を発揮する。
かかるフッ素ポリマーには種々の種類があるが、本発明のバグフィルター濾布、特に高温下で運転されるバグフィルター濾布に用いるためには、耐熱温度の高いフッ素ポリマーである事が好ましく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが好ましく、特に好ましいのはPTFEである。
PTFE微多孔膜の空隙の大きさは、種々の大きさが得られるが、バグフィルターの濾布に適用するに当たっては、平均空隙径で、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下の、微多孔膜が使用される。
以上説明した、種々の好ましい態様を有するバグフィルター濾布を縫製して、バグフィルターを得ることが出来る。縫製方法としては、縫い糸を用いた文字通りの縫製が好ましい。ただし、縫い糸には注意を有し、少なくとも耐熱性の良好な縫い糸を用いる必要があり、m−アラミド繊維からなる縫い糸、ポリアリーレンスルフィド繊維からなる縫い糸、ポリイミド繊維からなる縫い糸などを用いることが出来るが、好ましくは、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなる縫い糸やPTFEからなる縫い糸が用いられる。
また、縫い糸を用いない場合の縫製方法として、超音波や電気的高周波や熱板による溶融縫製、いわゆるウェルダーも好ましく用いられる。ただし、ウェルダー縫製をする場合には、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維は融点を有しないので、融点を有する繊維を混綿するなどの工夫が必要であることは言うまでもない。
以下、本発明を、実施例を用いてより判りやすく説明する。ただし、下記する実施例は本発明のほんの一部であって、本発明の全体を表したものでは無い。なお、本実施例、比較例においては、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維のことをPPSO繊維、ポリアリーレンスルフィド繊維のことPPS繊維と略して記載する。
[測定方法]
(1)示差熱重量(TGA)(残存炭化物量))
示差熱・熱重量同時測定装置(DTG−50(島津製作所))を用い、窒素雰囲気下、不織布から繊維を抜き取ったサンプル約1mgを精秤し、白金製セル容器上にて、温度プログラム:30℃から900℃まで10℃/分で昇温した時のTGAカーブより、熱重量変化を測定、残存炭化物量を算出した。
(2)広角X線回折(結晶化度)
不織布から繊維を抜き取って試料とし、X線回折装置(RINT2100(リガク))を用い、Cu線源(λ=1.5406オングストローム)にてX線回折を測定し、観測される全回折ピーク面積に占める結晶性構造に由来するピーク面積比(%)により、結晶化度を算出した。
(3)示差走査熱量(DSC)(融解熱量)
示差走査熱量測定装置(RDC220(セイコー・インスツルメンツ))を用い、窒素雰囲気下、窒素流量20mL/分とし、不織布から繊維を抜き取ったサンプル量5mgを秤量し、温度プログラム:30℃から340℃まで10℃/分で昇温後、2分間ホールドし、340℃から30℃まで10℃/分で降温後、2分間ホールドした後、30℃から500℃まで10℃/分で昇温した時のDSCカーブより、融解熱量を測定した。
(4)目付
JIS L 1906:2000 5.2に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(5)不織布の見掛け密度
(不織布の厚さ)
JIS L 1906:2000で準用するJIS L 1096:1999に準じて、試料の幅1m当たり10か所について、厚さ測定機を用いて、直径22mmの加圧子による2kPaの加圧下、厚さを落ち着かせるために10秒間待った後に厚さを測定し、平均値を算出した。
(見掛け密度)
上記で得た目付および厚さから、次式によって見掛け密度(g/cm)を求めた。
=S/(1000×t)
ここに、A:見掛け密度(g/cm
:目付(g/m
t:厚さ(mm)
(4)耐熱強度保持率
不織布もしくはバグフィルター濾布を、熱風循環型乾燥機において、250℃で3ヶ月間暴露した。暴露後の不織布もしくはバグフィルター濾布を常温に戻し、常温の状態で引張試験をした。暴露前の試験片の破断強度と、暴露後の試験片の破断強度との比を100分率で求め、耐熱強度保持率(%)とした。なお、引張試験は200mm/minの定速引張で実施し、試験片の幅は50mm、チャック間距離は200mmとした。
(5)摩耗強さ
JIS L 1906:2000 5.6で準用するJIS L 1096:1999 8.17.3 C法(テーバ形法)式摩耗試験に準じて、質量の減量を求めた。
標準状態に調整した試料から、直径13cmの円形試験片を5枚採取し、各試験片の中心に直径約6mmの孔を開け、テーバ形摩耗試験機を用い、試験片の表面を上にして試料ホルダのゴムマット上に取り付けた。
次に、摩耗輪(No.CS−10、荷重4.90N)を試験片の上に載せて70回/minで1000回、回転摩擦した。回転摩擦した後の質量(mg)を量り、次の式によって減量を求め、5回の平均値を算出し、整数位に丸めた。
=W―W’
ここに、W:質量の減量(mg)
W:摩擦前の質量(mg)
W’:1000回摩擦後の質量(mg)。
(6)耐熱クリープ
5cm幅、30cm長さのサンプルを用意し、9N/5cmの荷重をかけた。この状態で試験片の長さ方向に200mm間隔でマークを入れた。この試験片を荷重をかけたまま210℃の熱風循環型乾燥機で1時間処理した。処理後の試験片のマークの間隔を、荷重がかかった状態で読みとった。200mmを越えた長さを、200mmで除した比を100分率で求め、耐熱クリープ(%)とした。
(7)高温下引張強力保持率
5cm幅、30cm長さのサンプルを用意し、200℃の雰囲気下で引張試験を行った。200℃雰囲気下での破断強度と、常温での破断強度との比を100分率で求め、高温下引張強力保持率(%)とした。なお、引張試験は200mm/minの定速引張で実施し、試験片の幅は50mm、チャック間距離は200mmとした。
(8)集塵性能
JIS Z 8909−1:2005に基づいて、同規定における試験装置を用い、初期およびエージング・安定化処理後の、出口ダスト濃度および残留圧力損失を測定した。
濾布の試験片を450mm×450mmに3枚切り取り、試験片の両端に1kgのおもりによって張力を与えながらサンプル濾布ホルダに装着し、秤量した。次にホルダからはみ出している濾布部分を切り取り、切り取った濾布の質量を差し引いて、濾布を含むサンプル濾布ホルダの質量とした。
JIS Z 8122に規定するHEPAフィルタを秤量して、HEPAフィルタホルダへ装着した。
試験室の条件は、温度23℃、相対湿度45%、大気圧1005hPaであった。
ダストとしては、JIS Z 8901に規定された試験用粉体第10種を110℃で3時間乾燥し、デシケータ内で1時間以上静置したものを使用した。
(濾布の初期集塵性能測定)
入口ダスト濃度を5g/m、濾過速度を2m/minとし、1000Paの払落し圧力損失制御のもとで、集塵と払落し(パルス用圧縮エアータンク圧力500kPa、パルス噴射時間50ms)を30回行った。
試験装置の送風機及びダスト供給機を同時に停止し、垂直管内にダストがなくなるまで待った。その後吸引を再開して残留圧力損失を測定した。
試験装置からHEPAフィルタを取り出して秤量し、次の式から出口ダスト濃度(Cout)を求めた。
out=(C―C’)/B
ここに、Cout:出口ダスト濃度(g/m
C’:試験前のHEPAフィルタの質量(g)
C :試験後のHEPAフィルタの質量(g)
B :試験機に供給されたガス量(m)。
(エージング処理及び安定化処理)
上記測定で使用した濾布及びHEPAフィルタを装着したそのままの状態で、エージング処理として払落しを5秒間隔で5000回繰り返した。
続いて、エージング後の濾布の集塵性能を安定化させるため、1000Paの払落し圧力損失制御のもとで払落しを10回繰り返した。
(エージング・安定化処理をした濾布の集塵性能測定)
エージング・安定化処理をした濾布を含むサンプル濾布ホルダ及び新規に装着したHEPAフィルタの質量を秤量した。
前記と同様にして払落しを30回行い、前記と同様にして残留圧力損失及び出口ダスト濃度を求めた。
n数3の試験片について上記処理・測定を行い、平均値を算出した。
尚、以降において、濾布の初期集塵性能測定における残留圧力損失及び出口ダスト濃度をそれぞれ「初期圧力損失」、「初期出口ダスト濃度」とも呼び、エージング・安定化処理をした濾布の集塵性能測定における残留圧力損失及び出口ダスト濃度をそれぞれ「最終圧力損失」、「最終出口ダスト濃度」とも呼んでいる。
(パルス付与後の濾布の様子)
エージング・安定化処理をした濾布の集塵性能測定後、濾布サンプルを取りだし、サンプルの表面状態を目視で観察した。
n数3の試験片のいずれにも大きな異常が認められない場合には○とし、1枚にでもリテーナの当たる部分などに部分的に、多少のももけや磨り減りの形跡が認められる場合には△とし、1枚にでもリテーナの当たる部分などに部分的に、かなりのももけや磨り減りの形跡が認められ、裏面が透けて見えていたり、スクリムが露出しかけている場合には×として評価した。
(9)引裂強さ
JIS L 1906:2000 5.4 a)トラペゾイド法に準じて測定した。
試料からヨコ方向5cm×タテ方向25cmの試験片を、3枚採取した。
次に、試験片の幅5cmを高さ方向として、短底辺10cm、長底辺15cmの等脚台形の印を付け、この印の短辺の中央に短底辺と直角に1cmの切れ目を入れ、定速伸長形引張試験機を用い、試験片のつかみ間隔を10cmとして台形の短底辺は張り、長底辺は緩めて印に沿ってつかみ具に取り付けた。
引張速度は10cm/minとし、引き裂くときに示す最大荷重を測定し、平均値を求めた。
尚、バグフィルターは通常、不織布のタテ方向を長手方向として筒形状に縫製したものを垂下させて用いるので、付着したダストの重さ及び自重による引き裂き、すなわちタテ方向の張力によるヨコ方向への引き裂きに対する引裂強さを本実施例では測定・評価する。
<実施例1>
ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維(以下、PPSO繊維)の原料として、単繊維繊度6.6dtexのPPS未延伸糸トウを、80℃で3倍に延伸し、140℃で熱セットした後、押し込み法によって捲縮を付与し、ECカッター法によりカットした、東レ株式会社製PPS繊維“トルコン”(R)ステープル繊維S301―(単繊維繊度)2.2dtex−(繊維長)51mmを用意した。
酢酸800L (関東化学社製)、過ホウ酸ナトリウム4水和物 46.16kg(0.30mol;三菱ガス化学社製) を反応容器に投入し、60℃で攪拌・溶解させた。次に、PPS繊維4.03kgをその反応溶液に浸漬させて60℃、10時間酸化反応処理したところ、重量は24.3%増加し、5.01kgのPPS酸化物からなる繊維であるPPSO繊維を得た。得られたPPSO繊維は、重量増加があるので繊度は大きくなっているのだが、本発明の実施例中では原料であるPPS繊維の繊度呼称をそのまま用いて、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmと呼称する。
得られたPPSOステープル繊維を、通常の方法に従って、カード、クロスラッパー、ニードルパンチの各工程を経て、目付250g/m、見掛け密度0.35g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。表1中においてdtexをTと略して表記する。本濾布は、バグフィルター濾布として使用できるだけの性質を備えていた。特筆すべき性質として耐熱強度保持率が47%と高く、長期耐熱性に優れる濾布であった。また不満の残る点として、摩耗減量が35mgと大きいことと、パルス付与後のウェブの様子が△とが挙げられる。これは、PPSO繊維が衝撃に弱く摩耗しやすいことを示していた。
また、作製した不織布から繊維を抜取り、広角X線解析による結晶化度を測定したところ、68%の結晶化度であった。本不織布の引裂強さは245Nであり、機械的強度に極めて優れた不織布であった。
また、作製した不織布から繊維を抜取り、示差走査熱量計(DSC)にて融解熱量を測定したところ、PPS繊維の融点(285℃)付近の融解ピークが消失し、融解熱量は0J/gであった。示差熱重量(TGA)を測定した結果、残存炭化物量はPPSO繊維に対して10.2重量%であった。本不織布に火の点いた煙草を押し付けたところ、炭化はするものの溶融による穴あきは全く見られないままに煙草が消火され、極めて耐熱性の高い不織布であった。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。得られたPPSOステープル繊維を用いて、通常の方法に従って、カード、スライバー、粗紡、精紡の各工程を経て、20番手のPPSO紡績糸を得た。得られたPPSO紡績糸を用いて、通常の織布工程を経て、目の粗い目付130g/mの平織りのPPSO織布を得た。
PPSOステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSOウェブを得た。
PPSOウェブ/PPSO織布/PPSOウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付530g/m、見掛け密度0.40g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、耐熱クリープが2.0%と、実施例1(15%)から大きく改善している濾布であった。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。
織布として、ゴア社の“ラステックス”(R)織布(ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと呼称)製フィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
PPSOステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSOウェブを得た。
PPSOウェブ/PTFE織布/PPSOウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、耐熱強度保持率が82%と、実施例2(52%)から大きく改善している濾布であった。また、耐熱クリープが1.1%と、実施例2(2.0%)から大きく改善している濾布であった。
<実施例4>
実施例2と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。
PTFEステープル繊維として、東レ株式会社製“トヨフロン”(R)7.4dtex−50mmを用意した。
PPSOステープル繊維とPTFEステープル繊維を50:50の重量比で混綿し、通常の方法に従って、カード、スライバー、粗紡、精紡の各工程を経て、16番手の混紡紡績糸を得た。得られた混紡紡績糸を用いて、通常の織布工程を経て、目の粗い目付170g/mの平織りのPPSO織布を用意した。
実施例2と同様に、PPSOステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSOウェブを得た。
PPSOウェブ/PPSO+PTFE混紡紡績糸織布/PPSOウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付570g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、耐熱強度保持率が66%と、実施例2(52%)から改善している濾布であった。また、耐熱クリープが1.5%と、実施例2(2.0%)から改善している濾布であった。
<実施例5>
実施例3と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。ガラス繊維として、6μm直径、長さ50mmのガラス繊維を用意した。
織布として、実施例3と同じ、ゴア社の“ラステックス”(R)織布(PTFEフィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
PPSOステープル繊維とガラス繊維を50:50の重量比で混綿し、通常の方法に従って、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSO+ガラス混綿ウェブを得た。
PPSO+ガラス混綿ウェブ/PTFE織布/PPSO+ガラス混綿ウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.4g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、摩耗減量が21mgと、実施例3(35mg)から改善している濾布であった。また、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.26mg/mと0.012mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から改善している濾布であった。さらに、パルス付与後のウェブの様子が○であり、実施例3(△)から改善している濾布であった。
<実施例6>
実施例5と同様の方法で、目付約200g/mの交絡無しのPPSO+ガラス混綿ウェブを用意した。
実施例5と同様の方法で、織布として、“ラステックス”(R)織布(PTFEフィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
実施例3と同様の方法で、目付約200g/mの交絡無しのPPSOウェブを用意した。
PPSO+ガラス混綿ウェブ/PTFE織布/PPSOのみのウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.4g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、初期圧力損失と最終圧力損失がそれぞれ0.07kPaと0.28kPaであり、実施例5(0.09kPaと0.35kPa)から改善している濾布であった。
<実施例7>
実施例5と同様の方法で、目付約100g/mの目付の小さい交絡無しのPPSO+ガラス混綿ウェブを用意した。
実施例3と同様の方法で、目付約100g/mの目付の小さい交絡無しのPPSOのみのウェブを用意した。
実施例3と同様の方法で、織布として、“ラステックス”(R)織布(PTFEフィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
実施例3と同様の方法で、目付約200g/mの交絡無しのPPSOのみのウェブを用意した。
PPSO+ガラス混綿ウェブ(100g/m)/PPSOのみのウェブ(100g/m)/PTFE織布/PPSOのみのウェブ(200g/m)の順に4層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、摩耗減量が21mgと、実施例3(35mg)から改善している濾布であった。また、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.25mg/mと0.012mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から改善している濾布であった。さらに、パルス付与後のウェブの様子が○であり、実施例3(△)から改善している濾布であった。
<実施例8>
PPSO繊維の原料として、東レ株式会社製PPS繊維“トルコン”(R)ステープル繊維の細繊度タイプS301―1.0dtex−51mmを用意した。酢酸800L (関東化学社製)、過ホウ酸ナトリウム4水和物 46.16kg(0.30mol;三菱ガス化学社製) を反応容器に投入し、60℃で攪拌・溶解させた。次に、PPS繊維4.03kgをその反応溶液に浸漬させて60℃、10時間酸化反応処理したところ、重量は24.3%増加し、5.01kgのPPS酸化物からなる繊維であるPPSO繊維を得た。得られたPPSO繊維は、重量増加があるので繊度は大きくなっているのだが、本発明の実施例中では原料であるPPS繊維の繊度呼称をそのまま用いて、PPSOステープル繊維1.0dtex−51mmと呼称する。
実施例1と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex―51mmを用意した。
得られた、1.0dtexのPPSOステープル繊維と2.2dtexのPPSOステープル繊維を50:50の重量比で混綿し、通常の方法に従って、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSOの1.0dtex+2.2dtex混綿ウェブを得た。
実施例3と同様の方法で、織布として、“ラステックス”(R)織布(PTFEフィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
PPSOの1.0dtex+2.2dtex混綿ウェブ/PTFE織布/PPSOの1.0dtex+2.2dtex混綿ウェブの順に3層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.26mg/mと0.014mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から改善している濾布であった。
<実施例9>
実施例8と同様の方法で、PPSOステープル繊維1.0dtex―51mmを用意した。
実施例8と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex―51mmを用意した。
PPSO繊維の原料として、東レ株式会社製PPS繊維“トルコン”(R)ステープル繊維の細繊度タイプ7.8dtex−51mmを用意した。酢酸800L (関東化学社製)、過ホウ酸ナトリウム4水和物 46.16kg(0.30mol;三菱ガス化学社製) を反応容器に投入し、60℃で攪拌・溶解させた。次に、PPS繊維4.03kgをその反応溶液に浸漬させて60℃、10時間酸化反応処理したところ、重量は24.3%増加し、5.01kgのPPS酸化物からなる繊維であるPPSO繊維を得た。得られたPPSO繊維は、重量増加があるので繊度は大きくなっているのだが、本発明の実施例中では原料であるPPS繊維の繊度呼称をそのまま用いて、PPSOステープル繊維7.8dtex−51mmと呼称する。
実施例8と同様に、織布として、“ラステックス”(R)織布(PTFEフィラメント織布、目付200g/m)を用意した。
実施例8と同様の工程により、1.0dtexのPPSOステープル繊維と2.2dtexのPPSOステープル繊維を50:50の重量比で混綿し、通常の方法に従って、カード、クロスラッパーを経て目付約100g/mの目付の小さい交絡無しのPPSOの1.0dtex+2.2dtex混綿ウェブを得た。
実施例7と同様の工程により、目付約100g/mの目付の小さい交絡無しのPPSO2.2dtexのみのウェブを用意した。
PPSO7.8dtexステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの交絡無しのPPSO7.8dtexウェブを得た。
PPSOの1.0dtex+2.2dtex混綿ウェブ(100g/m)/PPSOの2.2dtexのみのウェブ(100g/m)/PTFE織布/PPSOの7.8dtexのみのウェブの順に4層を積層し、ニードルパンチ工程を得て、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.28mg/mと0.015mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から改善している濾布であった。さらに、本濾布は、初期圧力損失と最終圧力損失がそれぞれ0.02kPaと0.16kPaであり、実施例3(0.06kPaと0.23kPa)からも、実施例8(0.07kPaと0.30kPa)からも、改善している濾布であった。
<実施例10>
実施例3と同じ、PPSO2.2dtexウェブ/PTFE織布/PPSO2.2dtexウェブの順に3層を積層された、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を準備した。
ダイキン工業株式会社製“ポリフロンウェブ”(R)目付50g/mを用意した。“ポリフロンウェブ”(R)は、PTFEフィルムを割線して得られる短繊維からなるウェブで、該短繊維には、分枝やループを含むことを特徴とする。
PPSOの不織布に、最表面層として“ポリフロンウェブ”(R)を積層し、水圧20MPaで、速度2m/minのウォータージェットパンチ工程を経て、絡合一体化した。“ポリフロンウェブ”(R)のPTFE短繊維は、水圧により、さらにフィブリル化していた。
この不織布に最表面層を積層したものをバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.19mg/mと0.009mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から大きく改善している濾布であった。
<実施例11>
実施例3と同じ、PPSO2.2dtexウェブ/PTFE織布/PPSO2.2dtexウェブの順に3層を積層された、目付600g/m、見掛け密度0.45g/cmの不織布を準備した。
ゴア社のPTFE微多孔膜“ゴアテックス”(R)を用意した。
PPSOの不織布に、最表面層として“ゴアテックス”(R)を積層し、ドット柄の熱エンボス工程を経て、接着一体化した。
この不織布に最表面層を積層したものをバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布は、初期出口ダスト濃度と最終出口ダスト濃度がそれぞれ0.16mg/mと0.007mg/mであり、実施例3(0.46mg/mと0.037mg/m)から大きく改善している濾布であった。
<比較例1>
東レ株式会社製ポリアリーレンスルフィド繊維(以下、PPS繊維)“トルコン”(R)ステープル繊維S301−2.2dtex−51mmをそのまま用い、実施例1と同様の工程を経て、実施例1と同一目付(250g/m)、同一見掛け密度(0.35g/cm)の不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布の耐熱強度保持率は5%以下であり、実施例1の47%と比較すると、長期耐熱性において極めて劣っていると言わざるを得ない。
作製した不織布から繊維を抜取り、示差走査熱量計(DSC)にて融解熱量を測定したところ、PPS繊維の融点(285℃)付近の融解ピークが見られ、融解熱量は37.1J/gであった。示差熱重量(TGA)を測定した結果、残存炭化物量は繊維に対して0.0重量%であった。本不織布に火の点いた煙草を押し付けたところ、煙草が消火する前に煙草の大きさ以上の溶融による穴あきが見られ、実用上問題があり、火の粉が発生する場合には実用に適さない不織布であった。
<比較例2>
実施例1と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。得られたPPSOステープル繊維を、実施例1と同様の工程を経て、目付150g/mと小さく、実施例1と同一見掛け密度(0.35g/cm)の不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布の摩耗減量は38mgと大きく、しかもパルス付与後のウェブの様子が×であり、実施例1の濾布より大きく劣っているものであった。
<比較例3>
実施例1と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。得られたPPSOステープル繊維を、実施例1と同様の工程を経て、実施例1と同一目付(250g/m)であるが、見掛け密度が0.15g/cmと小さい不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布の摩耗減量は45mgと大きく、しかもパルス付与後のウェブの様子が×であり、実施例1の濾布より大きく劣っているものであった。
<比較例4>
東レ株式会社製ポリアリーレンスルフィド繊維(以下、PPS繊維)“トルコン”(R)ステープル繊維S301−2.2dtex−51mmをそのまま用い、実施例2と同様の工程を経て、20番手のPPS紡績糸を得た。得られたPPS紡績糸を用いて、実施例2と同様の工程を経て、目の粗い目付130g/mの平織りのPPS織布を得た。
PPSステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSウェブを得た。
PPSウェブ/PPS織布/PPSウェブの順に3層を積層し、実施例2と同様の工程を経て、目付530g/m、見掛け密度0.40g/cmの不織布を得た。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布の耐熱強度保持率は5%以下であり、実施例2の52%と比較すると、長期耐熱性において極めて劣っていた。
<比較例5>
実施例2と同様の方法で、PPSOステープル繊維2.2dtex−51mmを得た。実施例2と同様の工程を経て、20番手のPPSO紡績糸を得た。得られたPPSO紡績糸を用いて、実施例2と同様の工程を経て、目の粗い目付130g/mの平織りのPPSO織布を得た。
PPSOステープル繊維を用いて、カード、クロスラッパーを経て目付約200g/mの2枚の交絡無しのPPSOウェブを得た。
PPSOウェブ/PPSO織布/PPSOウェブの順に3層を積層し、実施例2と同様の工程を経て、不織布を得た。得られた不織布は、目付530g/mと実施例2と同じであるが、見掛け密度は0.15g/cmと小さい不織布とした。
この不織布をバグフィルター濾布として、性能評価を行った。得られた結果を、表1に記載する。本濾布の摩耗減量は48mgであり、実施例2の33mgより大きく劣っていた。パルス付与後のウェブの様子も×であり、実施例2よりも大きく劣っていた。
<実施例12>
PPSO繊維の原料として、東レ株式会社製PPS繊維の未延伸糸(単繊維繊度6.6dtex)のトウを用意し、この未延伸糸を常温で3倍に延伸し、熱セットを実施せずに、捲縮を通常の押し込み法によって付与し、通常のECカッターによって51mm長さにカットし、PPSステープル繊維を得た。
上記PPSステープル繊維を用い、実施例1と同様にして酸化反応処理を実施し、PPSOステープル繊維を得た。
上記PPSOステープル繊維を用い、実施例1と同様にして目付け250g/m、見かけ密度0.30g/cmの不織布を得た。
この不織布から繊維を抜取り、広角X線解析による結晶化度を測定したところ、5%の結晶化度であった。本不織布の引裂強さは183Nであり、実用上優れた機械的強度を有するものの、実施例1よりは機械的強度に劣る不織布であった。
<実施例13>
PPSO繊維の原料として、東レ株式会社製PPS繊維の未延伸糸(単繊維繊度6.6dtex)のトウを用意し、この未延伸糸トウを常温で3倍に延伸し、熱処理を100℃で実施し、捲縮を通常の押し込み法によって付与し、通常のECカッターによって51mm長さにカットし、PPSステープル繊維を得た。
上記PPSステープル繊維を用い、実施例1と同様にして酸化反応処理を実施し、PPSOステープル繊維を得た。
上記PPSOステープル繊維を用い、実施例1と同様にして目付け250g/m、見かけ密度0.32g/cmの不織布を得た。
この不織布から繊維を抜取り、広角X線解析による結晶化度を測定したところ、33%の結晶化度であった。本不織布の引裂強さは218Nであり、実用上優れた機械的強度を有し、かつ実施例12よりも機械的強度に優れる不織布であった。
<実施例14>
PPSからPPSOへの酸化反応処理における処理時間を、実施例1の10時間に対して、本実施例では8時間とやや短くした。それ以外は実施例1と同様にして目付け250g/m、見かけ密度0.35g/cmの不織布を得た。
この不織布から繊維を抜取り、示差走査熱量計(DSC)にて融解熱量を測定したところ、PPS繊維の融点(285℃)付近の融解ピークが見られ、融解熱量は3.1J/gであった。示差熱重量(TGA)を測定した結果、残存炭化物量はPPSO繊維に対して7.6重量%であった。本不織布に火の点いた煙草を押し付けたところ、煙草の大きさの溶融穴は生じずに煙草が消えてしまい、優れた耐熱性を有する不織布であった。ただし、溶融による極めて小さな穴あきが見られ、実施例1よりは耐熱性に劣る不織布であった。
<実施例15>(参考例)

PPSからPPSOへの酸化反応処理における処理時間を、実施例1の10時間に対して、4時間とさらに短くした。それ以外は実施例1と同様にして目付け250g/m、見かけ密度0.35g/cmの不織布を得た。
この不織布から繊維を抜取り、示差走査熱量計(DSC)にて融解熱量を測定したところ、PPS繊維の融点(285℃)付近の融解ピークが見られ、融解熱量は17.0J/gであった。示差熱重量(TGA)を測定した結果、残存炭化物量はPPSO繊維に対して2.7重量%であった。本不織布に火の点いた煙草を押し付けたところ、煙草の大きさの溶融穴は生じずに煙草が消えてしまい、優れた耐熱性を有する不織布であった。ただし、溶融による小さな穴あきが見られ、実施例14よりは耐熱性に劣る不織布であった。
<実施例16>(参考例)
PPSからPPSOへの酸化反応処理における処理時間を、実施例1の10時間に対して、3時間とさらに短くした。それ以外は実施例1と同様にして目付け250g/m、見かけ密度0.35g/cmの不織布を得た。
この不織布から繊維を抜取り、示差走査熱量計(DSC)にて融解熱量を測定したところ、PPS繊維の融点(285℃)付近の融解ピークが見られ、融解熱量は22.0J/gであった。示差熱重量(TGA)を測定した結果、残存炭化物量はPPSO繊維に対して0.0重量%であった。本不織布に火の点いた煙草を押し付けたところ、煙草の大きさの溶融穴は生じずに煙草が消えてしまい、優れた耐熱性を有する不織布であった。ただし、溶融によるやや大きな穴あきが見られ、実施例15よりは耐熱性に劣る不織布であった。
Figure 0004687495
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Figure 0004687495

Claims (18)

  1. ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含む不織布で構成された濾布であって、該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の融解熱量が15J/g以下であり、該不織布の目付が200g/m以上1000g/m以下で、見掛け密度が0.25g/cm以上0.70g/cm以下であることを特徴とするバグフィルター濾布。
  2. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位からなるポリマーで構成されているものである請求項1に記載のバグフィルター濾布。
    Figure 0004687495
    (R"は、水素、ハロゲン、脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR"同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。ただし(1)において分子中にXが1または2の繰り返し単位を含む。)
  3. 前記一般式(1)で示される繰り返し単位において、Xが0、1、2である構造単位中に占める、Xが1または2である構造単位の比率が、0.5以上である請求項2に記載のバグフィルター濾布。
  4. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、前記繰り返し単位を主要構造単位とし、かつ、該繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下の一般式(2)〜(8)で示される繰り返し単位とからなる共重合体で構成されているものである請求項2または3に記載のバグフィルター濾布。
    Figure 0004687495
    (R”は、水素、ハロゲン、脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R””は、脂肪族置換基を表し、分子間のR”またはR'''どうしが互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。また、R”、R””はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖でもよい。R'”はポリアリーレンスルフィド酸化物からなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)
  5. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、実質的に1重量%以上の残存炭化物量を有する、請求項1〜4のいずれか記載のバグフィルター濾布。
  6. 該ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維が、広角X線回折の測定における結晶化度が10%以上である、請求項1〜5のいずれか記載のバグフィルター濾布。
  7. 該不織布が、ウェブと織布からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  8. 該織布が、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維および炭素繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維からなる請求項7に記載のバグフィルター濾布。
  9. 該不織布が、ポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と、ガラス繊維、シリカ繊維、フッ素繊維、炭素繊維およびポリアリーレンスルフィド繊維から選ばれた少なくとも1種の異種繊維との混綿ウェブであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維からなるバグフィルター濾布。
  10. 該不織布が、複数層のウェブで構成されており、かつ、その少なくとも最表面の層のウェブが、異種繊維との混綿ウェブであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  11. 該不織布が、繊度の大きいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維と繊度の小さいポリアリーレンスルフィド酸化物繊維との、異繊度の混綿ウェブで構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  12. 該異繊度の混綿ウェブが、該不織布の少なくとも最表面の層を構成するものであることを特徴とする請求項11に記載のバグフィルター濾布。
  13. 該複数層のウェブで構成された該不織布において、少なくとも最表面の層のウェブを構成するポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度が、他の層のウェブのポリアリーレンスルフィド酸化物繊維の平均繊度よりも小さいことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  14. 該不織布が、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  15. 該複数層のウェブで構成された該不織布において、少なくとも最表面の層のウェブが、異形断面のポリアリーレンスルフィド酸化物繊維を含むことを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  16. 該不織布の最表面の少なくとも片側に、フッ素繊維からなるウェブが積層されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  17. 該不織布の最表面の少なくとも片側に、フッ素製微多孔膜が積層されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のバグフィルター濾布。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載のバグフィルター濾布で構成されていることを特徴とするバグフィルター。
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