JP5062147B2 - ポリフェニレンスルホン繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば高温の燃焼ガスを集塵するフィルター、高温環境から身体を保護する防護衣料、高温の配管に設置するガスケット材、更にはプロトン交換容量の高い電解質膜用のセパレータ材などに好適に使用されるポリフェニレンスルホン繊維及びその製造方法に関する。
従来から高温下での耐久性が要求されるフィルターや防護衣料、ガスケット材等には耐熱性に優れ、かつ柔軟性に優れた有機繊維が広く使用されており、具体的にはフッ素樹脂系繊維、ポリイミド繊維、芳香族アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、モダアクリル繊維等がある。近年はポリアリーレンスルフィド酸化物の繊維は上述の繊維同様に耐熱性に優れた繊維であることが見出されている(例えば特許文献1)。ポリアリーレンスルフィド酸化物の繊維は融点を示さず、極めて高い耐熱性を有すること、及び耐酸性、耐アルカリ性に優れることが記載されている。また、該ポリアリーレンスルフィド酸化物の製造方法は、ポリアリーレンスルフィドからなる固体物品をその形態を保持したまま酸化反応処理し得る酸化剤および液体の組み合わせで処理する手法であり、例えば酢酸と過ホウ酸ナトリウム4水和物が例示されている。
しかしながら特許文献1で得られるポリフェニレンサルファイド酸化物の繊維はその化学構造中にスルホン酸基が結合しておらず、従ってスルホン酸基の存在によって得られる効果やスルホン酸基導入の手法についても何ら記載が無い。
一方、ポリアリーレン構造を有するポリマーのスルホン化された構造が別の発明者らによって見出されている(例えば特許文献2)。スルホン化ポリアリーレン構造のポリマー、その合成および使用について記載されており、スルホン化ポリアリーレンスルホンの顕著な利点として潜在的に高い交換容量とそれに関連した高いプロトン伝導度を示すことが記載されている。該スルホン化ポリアリーレンの製造方法は、スルホン化アリールモノマーを製造し、しかる後に該スルホン化アリールモノマーの重縮合によって製造することが記載されている。製造方法としてこの順序が重要であり、既にスルホン化されたポリアリーレンスルフィドの酸化(例えば特許文献3)では、得られるものがあらゆる既知の溶媒に不溶性、不溶解性であるため、熱加工できない物質であること、更にはいかなる膜形成性質も失われてしまうことが記載されている。
このように特許文献1〜3には、ポリフェニレンサルファイド酸化物の繊維や、スルホン化ポリアリーレン構造のポリマーは記載されているが、スルホン酸基を有するポリフェニレンスルホンの繊維ならびにその製造方法について何ら記載の無いものである。
一方、ポリパラフェニレンスルホンからなる繊維のシート状物が開示されている(例えば特許文献4)。ポリパラフェニレンスルフィド繊維からなる不織布を過酢酸で処理することで、ポリパラフェニレンスルホン繊維不織布を得ることが可能で、必要に応じてパラフェニレン残基の一部が例えばスルホン酸基などの置換基を持っていてもよいが、ポリパラフェニレンスルホンの特徴を維持するために、これらの構造単位は全体の10モル%未満であることが好ましいとしている。
しかし、パラフェニレン残基の一部にスルホン酸基が置換されて末端を形成していてもよいとの記載はあるが、繰り返し構造単位(フェニレンスルホン構造単位)中にスルホン酸基が存在すること、それによって得られる効果、あるいは繰り返し構造単位中にスルホン酸基を導入する方法については記載も示唆も無い。
特開2006−16585号公報 特表2008−533225号公報 独国特許出願公開第1938806号明細書 特開平3−260177号公報
本発明は、上記従来技術には無い、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維であって、フェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基を結合した構造を有するポリフェニレンスルホン繊維を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維であって、該フェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基が結合した構造を有することを特徴とする、ポリフェニレンスルホン繊維である。
また、上記のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法であって、カルボン酸に硫酸触媒を添加した溶剤中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行させることでフェニレンスルホン構造を導入するとともに、該フェニル基にスルホン酸基を結合させることを特徴とする、ポリフェニレンスルホン繊維の製造方法である。
本発明のポリフェニレンスルホン繊維によれば、耐熱性に優れた柔軟性のある繊維素材を提供できるので、例えば高温の燃焼ガスを集塵するフィルター材、高熱に暴露される作業者用の防護衣料、あるいはプロトン交換容量の高い電解質膜用の繊維セパレータを提供することが可能となる。
また本発明のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法によれば、フェニレンスルホン構造を導入すると同時に、該フェニル基にスルホン酸基を選択的に結合させることが可能であり、更にはポリフェニレンサルファイド繊維をキャリアーに入れて固定し、該キャリアーの全体にわたってカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を液流循環させてポリフェニレンスルホン繊維を得る製造方法であることから、高効率で均一にポリフェニレンスルホン繊維化することが可能となる。
本発明は、前記課題、つまり耐熱性に優れた柔軟性のあるポリフェニレンスルホン繊維について、鋭意検討した結果、該フェニル基にスルホン酸基が結合した構造とすること、カルボン酸に硫酸触媒を添加した溶剤中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行すること、更にカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を液流循環させてポリフェニレンスルホン繊維とすることで、本発明の耐熱性を有し、プロトン交換容量の高い特定のポリフェニレンスルホン繊維について想到したものである。
以下、本発明のポリフェニレンスルホン繊維について、最良の形態を説明する。
本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維であって、該フェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基が結合した構造を有することが必要である。具体的な化学構造として、ポリフェニレンスルホンは一般式(1)で表される繰り返し単位からなる構造であり(Xは1、2のいずれかである)、本発明のポリフェニレンスルホン繊維は一般式(2)で表される単位を繰り返し単位として有する繊維であることが必要であり(Xは1、2のいずれかであり、mは1、2、3、4のいずれかである)、あるいは異なる態様として本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、一般式(1)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位との共重合構造であることが必要である。
Figure 0005062147
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一般式(1)で表されるポリフェニレンスルホン構造は硫黄原子が酸素と共有結合もしくは配位結合していることから、自由電子の不安定構造が抑制されてチリルラジカル等の不安定物質の発生が減少し、ポリフェニレンサルファイド構造よりも耐熱性が飛躍的に向上する。該スルホン構造はフェニル基とのユニット比で0.5〜4.0存在することが好ましい。スルホン構造がフェニル基とのユニット比で0.5以上あることで、上述の通りポリフェニレンサルファイド構造よりも耐熱性が飛躍的に向上した繊維とすることが出来る。なおスルホン構造とフェニル基とのユニット比は、赤外分光法で測定したピーク比率を用いて評価したものであり、具体的な手法は実施例中の手法に準じた。
更にまたフェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基が結合した一般式(2)の構造について、該フェニル基のπ電子をスルホン酸基が安定化させるので、スルホン酸基はフェニル基とのユニット比で0.6〜4.0存在することが好ましい。スルホン酸基がフェニル基とのユニット比で0.6以上のポリフェニレンスルホン繊維は、チリルラジカル等の不安定物質による分子鎖の切断を極めて受けにくいので構造の安定化に寄与するので好ましい。一方でスルホン酸基がフェニル基とのユニット比で4.0以下のポリフェニレンスルホン繊維とすることで、置換されていないフェニル基が自由回転することが可能となり、スルホン酸基の有するプロトン伝導性が十分に発揮されるので好ましい。より好ましい範囲はユニット比として0.9〜3.8である。
なおスルホン酸基とフェニル基とのユニット比は、赤外分光法で測定したピーク比率を用いて評価したものであり、具体的な手法は実施例中の手法に準じた。
フェニレンスルホン構造とスルホン酸基がフェニル基に結合したフェニレンスルホン構造の両構造が上述のように存在することで、本発明のポリフェニレンスルホン繊維の耐熱性は向上する。従ってポリフェニレンサルファイド構造の融点285℃に見られる融解熱は、本発明のポリフェニレンスルホン繊維では15J/g以下であることが好ましい。
本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、該スルホン酸基が結合したフェニル基同士が架橋構造を形成していることが好ましい。具体的な化学構造として本発明のポリフェニレンスルホンは一般式(3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい(n及びn’は0、1、2、3のいずれかである)。
Figure 0005062147
一般式(3)に示した架橋構造を有することでフェニル基のπ電子が安定化すること、更にはポリマーの自由運動が阻害されること、フェニル基に結合したスルホン酸基同士が近接できること等から、ポリフェニレンスルホン繊維の熱安定性が向上するとともに、スルホン酸基のプロトン伝導度を高効率に発揮できるので好ましい。
このような架橋構造を有する本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、アルカリ溶液で処理した後にも該スルホン酸基が残存する。スルホン酸基はアルカリ性物質と中和反応を生じる酸性物質であるが、本発明のポリフェニレンスルホン繊維においては、一般式(3)で表される繰り返し単位がフェニル基に結合したスルホン酸基とアルカリ物質との反応を抑制し、スルホン酸基を残存させる働きを効果的に発現するので好ましい。本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、アルカリ物質として40%苛性ソーダ中に浸漬して90℃以上に1週間保持した後のスルホン酸基とフェニル基とのユニット比が0.4〜3.6であることが好ましい。
これらの特長を有する本発明のポリフェニレンスルホン繊維は、短繊維、バラ毛、カットファイバー、長繊維、紡績糸、トウ繊維束等の形態で得ることが出来る。
次に、本発明のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法を示す。より具体的には、本発明のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法は、カルボン酸に硫酸触媒を添加した溶剤中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行させる製造方法である。
用いるカルボン酸としてはカルボキシル基を有する酸成分化合物やカルボン酸無水物ならいずれでも良く、無水酢酸、無水プロピオン酸等の無水カルボン酸、又は酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等の脂肪族カルボン酸、又は安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸等多数あるが、無水酢酸や酢酸は安定性が高く工業的に安価に入手可能であることから好適に用いることができる。
該カルボン酸溶液中に硫酸触媒を添加することで、得られる溶媒中の硫酸は過剰量存在するので、本発明のポリフェニレンスルホン繊維を得るのに必要である。得られる溶媒中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行させることが必要である。用いる酸化剤は過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸アンモニウム等の無機塩化酸化物や過酸化水素水が好適に用いられるが、中でも過ホウ酸ナトリウムや過酸化水素水が効率の良い反応が可能であることから好適に用いられる。
また、酸化剤を滴下しつつ反応を進行させることで、フェニレンスルホン構造を導入すると同時に、該フェニル基にスルホン酸基を結合させることが可能となる。本発明の手法とは異なり、酸化剤が過剰量存在する状態でポリフェニレンサルファイド繊維とカルボン酸とを接触させると、スルホン酸基の選択的な結合が進行しないばかりか、酸化剤によってポリフェニレンサルファイド繊維からチリルラジカル等の不安定物質が発生し、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維を得ることが難しい。従って、カルボン酸に硫酸触媒を添加した溶媒中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行することが必要である。更にまた、酸化剤が過剰量存在する状態でポリフェニレンサルファイド繊維とカルボン酸とを接触させることは反応熱の急激な発生を生じる恐れもあり、安全面からも酸化剤を滴下しつつ反応を進行させることが必要である。滴下する速度は使用するポリフェニレンサルファイド繊維やカルボン酸の濃度、ならびに量に応じて決まるが、ポリフェニレンサルファイド繊維の1kg重量に対して0.5〜130ml(ミリリットル)/分の滴下が安全面と効率面から可能である。またこの範囲内であれば、定量滴下を一定時間実施しても良いし、定量滴下を一定時間周期で間欠的に実施しても良い。また反応の進行に応じて滴下速度を適宜変更することが好ましい。
酸化剤の量は用いる酸化剤の種類に応じて変わるが、例えば過酸化水素水を使用する場合にはポリフェニレンサルファイド繊維の1kg重量に対して、0.6〜20l(リットル)を反応終了時までに加えることが好ましい。0.6l以上の過酸化水素水を加えることでフェニレンスルホン構造を導入することが可能となり、一般式(2)中に代表される構造中のXを80%以上、2とすることが可能となるので好ましい。また20l以下の過酸化水素水を加えることで、ポリフェニレンスルホン構造に加えて一般式(3)の架橋構造を効果的に導入し、かつポリフェニレンサルファイド繊維の劣化を最小限に留めることが出来るので好ましい。
このように用いるカルボン酸および硫酸のそれぞれの重量比率は80:20〜99:1の割合とするのが好ましい。硫酸は重量比率を増やせば反応速度が向上し、より効率的に反応させることが可能となるが、反応熱の急激な発生を招くため、上述の範囲内にすることが好ましい。またこの重量比率を採用することで、反応後に残存するカルボン酸を効果的に再利用することが可能となるので好ましい。
本発明のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法は、ポリフェニレンサルファイド繊維をキャリアーに入れて固定し、該キャリアーの全体にわたってカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を液流循環させることが好ましい。該製造方法について図面により説明する。まず図1にキャリアーの代表例を概略図として示した。キャリアーは多数の小孔を有する外周容器、あるいは網の目構造で作られた外周容器で区切られた構造であり、キャリアー全体にわたって溶媒が循環する構造を有するものであれば好適に用いることが出来、より具体的に図1の代表例のごとく、溶媒が1の矢印部分から投入された後、2の矢印が示す方向(全外周方向)に液流を構成できるものが好ましい。中でもパッケージ型染色機に用いるキャリアーは、ポリフェニレンサルファイド繊維を効率良く充填可能なこと、キャリアーの中心部から外周面に向かってカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を均一に流動させられること、更には短繊維、バラ毛、カットファイバー、長繊維、紡績糸、トウ繊維束等の様々な繊維形態であっても対応可能であることから好適に用いられる。なお、パッケージ型染色機に用いるキャリアーはステンレス製であることから硫酸による腐食が発生するので、グラスライニングするかテフロン(登録商標)コーティングする、若しくは耐硫酸性のある材質で作製することが好ましい。図2にはパッケージ型染色機の代表例を概略図として示した。上述のごとく、キャリアーに投入された繊維はパッケージ型染色機の内部に設置され、キャリアーの中心部から外周面に向かって溶媒を液流循環させることが可能であり、好適に使用できる。
該キャリアーを使用して本発明のポリフェニレンスルホン繊維を製造する際には、原料となるポリフェニレンサルファイド繊維と、カルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤で構成される溶媒との浴比は1:5〜1:30の範囲内であることが好ましい。浴比が1:5よりも大きいことでポリフェニレンサルファイド繊維と溶媒との接触が十分に達成できるので、本発明のポリフェニレンスルホン繊維を効率良く得ることが可能となるので好ましい。また浴比が1:30以下であることで、用いる溶媒を必要最小限にすることが出来るので、効率面と安全面とから好ましい。より好ましい浴比は1:5〜1:15の範囲である。
カルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を液流循環させるためには薬品の耐久性を有する通常の液流ポンプによって実施することが可能であるが、好ましい液流循環速度は10〜100l(リットル)/分であることが本発明のポリフェニレンスルホン繊維を得るのに好ましい。10l/分以上の循環速度とすることで硫酸触媒が十分にフェニル基へ結合することから好ましく、100l/分以下の循環速度とすることで反応熱が効率良く放熱して反応の安全性を維持できることから好ましい。
また本発明において原料として用いるポリフェニレンサルファイド繊維はその構成単位の90%以上が一般式(4)で表されるフェニレンサルファイド構造単位を含有する重合体からなる繊維であり、また同時に一般式(5)で表されるような架橋構造を有していても良い。
Figure 0005062147
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用いるポリフェニレンサルファイド繊維は繊維直径が1〜400μmの範囲内にあるものなら問題なく使用できるが、繊維直径が1〜30μmの範囲内にあるものはカルボン酸、硫酸、酸化剤で構成される溶媒と高効率で接触し、効率良くフェニレンスルホン構造を導入すると同時に、フェニル基にスルホン酸基を結合させることが可能となるので好ましい。
上述の製造方法で得られたポリフェニレンスルホン繊維は、使用したカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤が付着しているので、キャリアーに入った状態で十分水洗し、しかる後に遠心分離等で脱水してから乾燥することが好ましい。
以下、実施例と比較例とにより、本発明のポリフェニレンスルホン繊維についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等で作成したポリフェニレンスルホン繊維の評価は以下の手法を用いた。
[スルホン構造有無(スルホン構造とフェニル基とのユニット比)]
赤外分光光度計(270−30形:日立)を用いて、サンプル量を2〜3mgの範囲内で秤量し、KBrペレットを作成してから赤外スペクトルを測定した。得られたスペクトルにおいて、スルホン構造は1160cm−1、フェニル基は1470cm−1と同定し、各ピークの比率によってユニット比と算出した。
[スルホン酸基有無(スルホン酸基とフェニル基とのユニット比)]
赤外分光光度計(270−30形:日立)を用いて、サンプル量を2〜3mgの範囲内で秤量し、KBrペレットを作成してから赤外スペクトルを測定した。得られたスペクトルにおいて、スルホン酸基は1390cm−1、フェニル基は1470cm−1と同定し、各ピークの比率によってユニット比と算出した。
[融解熱有無(耐熱性能)]
示差走査熱量計(DSC−60:島津製作所)装置を用いて、サンプル量を5〜8mgの範囲内で秤量してアルミニウムパン中に密閉し、温度プログラムを30〜500℃(10℃/分昇温で500℃まで昇温)と設定して、285℃付近を中心に見られる融解熱ピークを測定した。
なお、製造方法の実施形態に応じた融解熱のバラツキを見るために、キャリアーで実施した場合には外周面付近と内周面付近とから2箇所サンプリングした。またカゴで実施した場合には中心付近と角付近とから2箇所サンプリングして測定した。
耐熱性能の評価は、送風定温恒湿器(ヤマト科学)を用いて、サンプル量として約20gを200℃の雰囲気下で3ヶ月間熱処理し、該熱処理前後の繊維強力を測定し、強力保持率を算出した。繊維強力の測定はJIS L 1015:1999 8.7.1の方法に準じて測定した。試験機の種類は定速伸長形、引張速度は20mm/分で実施し、30回の測定値の平均値を引張強力とした。
[架橋構造有無]
固体NMR(CMX−300:Chemagnetic社)装置を用いて、13C核のCP/MAS NMRスペクトルを測定した。架橋構造に由来する4級炭素のケミカルシフトは135ppmと帰属し、多重プロットにおける該ピークの有無で架橋構造の有り、無しを判断した。
(ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維)
東レ(株)製ポリフェニレンサルファイド繊維(S301 2.2T−51mm)を使用して、以下の実施例および比較例を実施した。
[実施例1]
PPS繊維を0.5kg秤量して樹脂製のキャリアーに投入して蓋をし、反応槽中に設置した。該反応槽内に浴比1:15の割合となるよう、氷酢酸(95%純度)と硫酸(98%純度)とを80:20の重量割合で投入してPPS繊維を浸漬した。その後、過酸化水素水(35%純度)を滴下しつつ循環ポンプで液流循環させ、温度を50〜70℃に維持して8時間反応させた。過酸化水素水は反応開始直後から30分間は5ml(ミリリットル)/分の滴下速度とし、その後はゆっくりと滴下速度を上昇し、8時間で最終的に滴下した過酸化水素水は1.2L(リットル)であった。得られた繊維のスルホン構造有無、スルホン酸基有無、融解熱、ならびに架橋構造の有無を表1に示す。
[実施例2]
浴比を1:8の割合、氷酢酸(95%純度)と硫酸(98%純度)とを95:5の重量割合で投入し、反応開始直後から30分間は0.5ml/分の滴下速度で過酸化水素水を滴下し、その後はゆっくりと滴下速度を下降させて最終的に滴下した過酸化水素水を0.2Lとした以外は実施例1と同様の手順・手法で反応を実施した。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られたポリフェニレンスルホン繊維を40重量%苛性ソーダ水溶液中に浸漬して90℃にて1週間保持した。その後のスルホン酸基の残存量についても表1に示した。
[実施例3]
浴比を1:10の割合、氷酢酸(95%純度)と硫酸(98%純度)とを99:1の重量割合で投入し、反応開始直後から30分間は0.7g/分で過ホウ酸ナトリウム4水和物を定量供給し、その後はゆっくりと供給速度を上昇させて最終的に過ホウ酸ナトリウム4水和物0.5kgを定量供給した以外は実施例1と同様の手順・手法で反応を実施した。得られた繊維の物性を表1に示す。
[実施例4]
PPS繊維0.5kgを樹脂製のカゴに投入して蓋をし、実施例1とは異なる反応槽中に設置した。浴比が1:40の割合となるよう、氷酢酸(95%純度)と硫酸(98%純度)とを95:5の重量割合で投入してPPS繊維を浸漬した。その後、過酸化水素水(35%純度)を滴下しつつ攪拌羽で攪拌し、温度を50〜70℃に維持して8時間反応した。反応開始直後から30分間は0.5ml/分で過酸化水素水を滴下し、その後はゆっくりと滴下速度を上昇し、最終的に滴下した過酸化水素水は0.4Lであった。得られた繊維の物性を表1に示す。
[比較例1]
PPS繊維を0.5kg秤量して実施例4と同様の樹脂製のカゴに投入して蓋をし、実施例4と同様の反応槽中に設置した。該反応槽内に浴比1:40の割合となるよう、氷酢酸(95%純度)と硫酸(98%純度)とを99:1の重量割合で投入してPPS繊維を浸漬した。その後、更に過酸化水素水(純度35%)を攪拌しながら一度に0.2L加えた後、攪拌羽で攪拌しつつ温度を50〜70℃に維持して8時間反応した。得られた繊維にはスルホン酸基が結合していなかった。それら物性を表1に示す。
[比較例2]
比較例1と同様のカゴにPPS繊維を0.5kg投入して蓋をし、比較例1と同様の反応槽中に設置した。該反応槽内に浴比が1:5の割合となるよう氷酢酸(95%純度)と過ホウ酸ナトリウム4水和物とを95:5の重量割合で投入してPPS繊維を浸漬した。この状態で、攪拌羽で攪拌しつつ温度を50〜70℃に維持して8時間反応した。得られた繊維にはスルホン酸基や架橋構造が存在しないものであった。得られた繊維の物性を表1に示す。
また得られた繊維を40重量%苛性ソーダ水溶液中に浸漬して90℃にて1週間保持した。その後のスルホン酸基の残存量についても表1に示した。
[比較例3]
比較例1と同様のカゴにPPS繊維を0.5kg投入して蓋をし、比較例1と同様の反応槽中に設置した。該反応槽内に浴比が1:20の割合となるよう氷酢酸(95%純度)と過酸化水素水(純度35%)とを99:1の重量割合で投入してPPS繊維を浸漬した。その後、硫酸(純度98%)を滴下しつつ攪拌羽で攪拌し、温度を50〜70℃に維持して8時間反応した。滴下した硫酸は0.05Lであった。得られた繊維にはスルホン酸基が結合していなかった。得られた繊維の物性を表1に示す。
[比較例4]
比較例1と同様のカゴにPPS繊維を0.5kg投入して蓋をし、比較例1と同様の反応槽中に設置した。該反応槽内に浴比が1:15の割合となるよう氷酢酸(95%純度)のみを投入してPPS繊維を浸漬した。その後、過ホウ酸ナトリウム4水和物を滴下(定量供給)しつつ攪拌羽で攪拌し、温度を50〜70℃に維持して8時間反応した。反応開始直後から30分間は0.5g/分で定量供給し、その後はゆっくりと供給速度を上昇し、最終的に滴下(供給)した過ホウ酸ナトリウム4水和物は0.4kgであった。得られた繊維にはスルホン酸基が結合していなかった。得られた繊維の物性を表1に示す。
以上の実施例と比較例の結果を纏めたのが次の表1である。
Figure 0005062147
表1の結果から明らかなように、スルホン構造が存在して融解熱が少ないポリフェニレンスルホン繊維で、スルホン酸基が存在しているのは実施例のポリフェニレンスルホン繊維のみであり、比較例の繊維においては、スルホン構造はあるものの融解熱が高いために耐熱性が劣るものであったり、スルホン構造は存在して融解熱は低いが、スルホン酸基が結合していないものであることから、フィルターや防護衣料、ガスケット材、セパレータ材用途に用いられないことは明らかである。
本発明は、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維であって、該フェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基が結合した構造を有するポリフェニレンスルホン繊維であり、スルホン構造とスルホン酸基とを選択的に結合してなる構造とすることで、高温における耐久性が必要なフィルター用途やプロトン交換容量の高い電解質膜用セパレータ材に特に好適に用いることが出来るが、その応用範囲はこれに限定されるものではない。
本発明にかかるキャリアーの一例を示す概略図である。 本発明にかかる液流循環させる装置の一例を示す概略図である。 実施例4及び比較例で用いた装置を示す概略図である。
符号の説明
1 溶媒の侵入路
2 溶媒の循環経路
3 繊維を詰め込んだキャリアー
4 反応槽
5 循環ポンプ
6 滴下装置
7 繊維を詰め込んだカゴ
8 反応槽
9 攪拌羽
10 滴下装置

Claims (3)

  1. カルボン酸に硫酸触媒を添加した溶剤中にポリフェニレンサルファイド繊維を浸漬した状態で、酸化剤を滴下しつつ反応を進行させることを特徴とする、フェニレンスルホン構造を主構造に持つポリマーからなる繊維であって、該フェニレンスルホン構造のフェニル基にスルホン酸基が結合した構造を有するポリフェニレンスルホン繊維の製造方法。
  2. ポリフェニレンサルファイド繊維をキャリアーに入れて固定し、該キャリアーの全体にわたってカルボン酸、硫酸触媒及び酸化剤を液流循環させることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法。
  3. ポリフェニレンスルホン繊維が、スルホン酸基が結合したフェニル基同士が架橋構造を形成していることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリフェニレンスルホン繊維の製造方法。
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