JP4686275B2 - 現金自動取引装置 - Google Patents

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本発明は、現金自動取引装置に関するものである。
複数枚の紙幣束を出し入れする現金自動取引装置において、紙幣を出し入れする通路となる入出金口部からの異物の混入を防ぎ、また装置小型化の観点からは入出金口部は小さい方が望ましいが、小さすぎると紙幣の出し入れが行いにくいという問題が発生してしまう。
特に、紙幣は繰り返し使用されると折れ癖やしわを生じ、積み重ねたときの厚さが折れ癖やしわの影響で新券を積み重ねた場合より厚くなり、その厚さが数倍程度になることもある。
さらに、このような紙幣束を挟持すると、挟持した部分の厚さは新券時の厚さに近づくが、挟持していない部分の厚さは逆に大きく膨らんでしまう。膨らんだ部分は紙幣取扱機構に出し入れする際に、入出金口部の上側ガイドまたは下側ガイド部分に接触しやすくなり、紙幣の側端部が折れやすくなる。
また、膨らんだ部分も搬送ガイドなどに押しつぶされ過大な接触抵抗力を発生し、紙幣が傾いて取り込まれたり、装置内で詰まったり、利用者が紙幣束を取り出しにくくなったりする恐れがあった。
特開2004−110289号公報
上記特許文献1では、使い古されて厚みが増えるなどの、様々な状態となった紙幣の出し入れをスムーズに行う配慮がなされていなかった。
本発明の目的は、様々な状態の紙幣束に対してスムーズに出し入れでき小型化可能な入出金口部を備えた現金自動取引装置を提供することにある。
上記目的は、紙幣束を出し入れする紙幣束の入出金口部と、この入出金口部の上面に位置し紙幣束の上側ガイド面と、前記入出金口部の下面に位置し紙幣束の下側ガイド面と有する現金自動取引装置において、前記入出金口部を左右に分割したそれぞれの領域で、前記上側ガイド面および下側ガイド面に、前記上側ガイド面と前記下側ガイド面の間隔を狭くする突起を上下略同じ幅方向の位置で設けたことにより達成される。
また、上記目的は、前記左右に設けられた突起は、前記入出金口の左右方向に広がる傾斜面で構成されていることにより達成される。
また、上記目的は、前記左右に設けられた突起同士の間隔は、紙幣の挿入方向に対して奥になるほど広くなるように構成されていることにより達成される。
本発明によれば、様々な状態の紙幣束に対してスムーズに出し入れでき小型化可能な入出金口部を備えた現金自動取引装置を提供できる。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
図1は、金融機関などに設置される現金自動取引装置100の斜視図である。
図1において、現金自動取引装置100の内部には、利用者が紙幣を投入(入金)、または、利用者へ紙幣を放出(出金)する紙幣取扱装置101と、利用者のカードを処理し取引明細票を印字して放出するカード・明細票処理装置102と、利用者の通帳に取引内容を記帳する通帳処理装置103と、利用者に案内を表示し利用者からの指示を入力する利用者操作部104と、前記各装置を監視制御する本体制御部105と、上記各構成部分に電力を供給する電源部106があり、現金自動取引装置前面にはフロントパネル110を設けている。取引時に利用者が操作する、紙幣取扱装置101、カード・明細票処理装置102、通帳処理装置103、利用者操作部104、入出金口部9は、すべてフロントパネル110に接続され、利用者はフロントパネル110内で操作する。特に、紙幣を取り扱う取引の場合、利用者はフロントパネル110に設けられた入出金口部9を介して紙幣取扱装置101へ紙幣を出し入れする。
図2は前記現金自動取引装置100の制御関係を示す制御ブロック図である。
図2において、現金自動取引装置100に収められた、紙幣取扱装置101、カード・明細票処理装置102、通帳処理装置103、および利用者操作部104は、バス107aを介して本体制御部105と接続されており、本体制御部105の制御により必要な動作を行う。本体制御部105は、上記の他に、外部にあるホストコンピュータなどと接続を行うインターフェース部107b、保守時などに係員が操作する係員操作部107c、外部記憶装置107dともバス107aで接続されており、必要なデータのやり取りを行う。106は電源部である。
ここで、図1に示した現金自動取引装置100が例えば屋外に面して設置されるような場合、雨や塵埃などの異物を装置内へ入り込まないようにするため、現金自動取引装置100で扱う紙幣、カードや通帳などの媒体を出し入れする入出金口部9はできるだけ小さく設定されている。また入出金口部9は小さい方がフロントパネル110内のレイアウトの自由度も上がり、さらに現金自動取引装置100全体の小型化にも寄与するため製造および設置コストの削減に繋がる。しかし、入出金口部9が小さすぎると紙幣等の媒体の出し入れが行い難いという問題がる。
ところで、日本国内の銀行等に設置されている現金自動取引装置における入金は蓋付きの収納ボックスに紙幣を投函して蓋を閉めると金額の自動的に金額の確認が行っている。ところが、海外向け現金自動取引装置において、装置本体は堅牢な壁の内側に設置され、外部には入出金口部9だけが露出している。これは日本と海外の文化に違いもあるが盗難防止に関係している。
このように入出金口だけが露出している現金自動取引装置はもともと出金のみが一般的であったが近年入金機能を付加した装置が提案されるようになってきている。入金機能を付加することによる利点としては、出金のみであると常に紙幣の補充が必要であるが、入金することによって入金された紙幣を出金に使うことができるので現金自動取引装置の管理者による紙幣補充作業が大幅に低減できるという効果がある。
しかしながら、この現金自動取引装置に入金機能の付加した場合には以下のような問題が考えられる。
紙幣取扱装置101は、1枚だけの紙幣を扱うこともあるが、他の装置と異なり、最大200枚程度まで束にして取り扱う場合がある。複数枚の場合は、利用者は複数枚重ねた束の状態で、紙幣取扱装置101へ入れたり、紙幣取扱装置101から出したりする。紙幣束が新券である場合は、利用者または紙幣取扱装置101が紙幣束を挟持する前と後で、紙幣束の厚さは大きく変わらない。しかし、使い古された紙幣の場合の場合は、折れ癖やしわの影響で紙幣束の厚さが新券のものに比べて厚くなる。特に海外の紙幣は
このように使い古された紙幣束を紙幣束中央付近で挟持すると、挟持した部分の厚さは新券の場合の厚さに近づくが、挟持していない部分の厚さは逆に大きく膨らんでしまう。このような紙幣束を入れようとすると、膨らんだ部分が入出金口部9の上側ガイド面または下側ガイド面に接触し、紙幣が折れやすくなる。また、膨らんだ部分も搬送ガイドなどに押しつぶされ過大な接触抵抗力を発生し、紙幣が傾いて取り込まれたり、装置内で詰まったりして利用者が紙幣束を取り難くなったりする恐れがあった。
そこで本発明では、様々な状態の紙幣束に対してもスムーズに出し入れでき小型化可能な入出金口部を備えた現金自動取引装置を提供するものである。
次に、本発明が適用される入出金口部9について図3を用いて説明する。
図3は図1の入出金口部9の拡大斜視図であり、利用者1が紙幣束2を紙幣取扱機構101に入れる様子を示している。
図3において、上側ガイド10U、下側ガイド10D、左側ガイド10L、右側ガイド10Rは、入出金口部9の四方に設けられ、利用者1が紙幣2を出し入れする際に紙幣束2を案内する。紙幣束2を案内しやすいように、各ガイドで構成される口の大きさは、利用者1側の方が広く、紙幣取扱機構101側に近づくにつれ徐々に狭くなるように構成されている。また、上側ガイド10U、下側ガイド10Dには、利用者1が操作しやすいように窪み11が設けられている。窪み11により、利用者1は手を入れやすくなり、操作性が向上するが、必須の構成ではない。突起12は入出金口部9幅方向を左右に分割したそれぞれの領域の上側ガイド10Uおよび下側ガイド10B上に設けられ、意図的に入出金口部の高さを狭めている。
シャッター13は入出金口部9と紙幣取扱装置101の間に設けられ、取引に応じてシャッターモータ14で矢印イ矢印ロのように開閉され、入出金口部9と紙幣取扱装置101間を接続する。シャッター13は紙幣取扱装置101側に固定されていても、フロントパネル110側に固定されていても良い。
図4(a)〜(c)は、入出金口部9の高さが最小となる場所における入出金口部9の形状を示す断面図である。
図4(b)を例に説明すると、入出金口部9の左右それぞれ位置する突起12頂点部における上側ガイド10Uと側ガイド10Dの間隔T1は入出金口部9の全幅に対して最小としている。突起外側部の最大間隔T2は、突起部間隔T1より大きく、突起12の頂点に対し上側ガイド10Uおよび下面10Bが上下に退避しているため、紙幣束2は接触しにくくなる。また、突起内側部の最大間隔T3も同様にT1より大きく、突起12の頂点に対し上側ガイド10Uおよび10Bが上下に退避している。これも、紙幣を接触しにくくするが、主に利用者操作性向上のための窪み11によって寸法が定まる。このとき、突起12の内側部の最小間隔はT1と等しくなるが、T1が上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの最小間隔であることに変わりは無い。10Lは左側ガイドであり、10Rは右側ガイドである。
図4(a)は窪み11を設けていない例であるが入出金口部の高さを小型化できる利点がある。図4(b)は、図(a)に窪み11を設けたもので、利用者が手を入れやすくなり、紙幣の操作性が向上する。図4(c)は突起12の外側の上側ガイド10Uおよび上側ガイド10Bの間隔が外側ほど広くなる形状にしたもので、紙幣束を挟持したときに膨らんでしまう紙幣側端がより確実に接触しないようになっている。また、紙幣が明らかに接触しない突起12の根元部で無意味な空間があかないようにしている。このとき、突起外側部の上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの最小間隔はT1と等しくなるが、T1が上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの最小間隔であることに変わりは無い。
図5(a)(b)は入出金口部9周辺の上面図である。
図5(a)において、突起12は紙幣束2を出し入れする方向に対して略平行に設けているが、図5(b)に示すように、左右に設けられた突起12の間隔について、紙幣を入れる方向に対して奥になるほど広くなるように設けても良い。このような突起に紙幣束2が接触しながら入れられると、紙幣側端が上側ガイド10U、下側ガイド10B(図示せず)に接触し折れそうな場合に、紙幣束2の前端は突起12の接触部が徐々に外側に変わるため、紙幣側端を外側へ戻そうとする力が働き、図5(a)に比べ更に紙幣側端折れ防止効果が望める。
シャッター13は入出金口部9(図示せず)と紙幣取扱装置101の間に設けられ、取引に応じてシャッターモータ14で矢印イ矢印ロ(図に示す)のように開閉され、入出金口部9と紙幣取扱装置101間を接続する。シャッター13は紙幣取扱装置101側に固定されていても、フロントパネル110側に固定されていても良い。


入出金口部9は、シャッター13の手前または後ろで、紙幣取扱装置101と脱着可能に接続されている。メンテナンスの際など、必要に応じて、紙幣取扱装置101は入出金口部9と切り離され現金自動取引装置100(図示せず)から引き出されるようになっている。
なお、本実施例で入出金口部9はフロントパネル110に設けられている例を示したが、入出金口部9は紙幣取扱装置101に設けても良い。その場合、フロントパネル110と入出金口部9が脱着可能に接続され、紙幣取扱装置101を現金自動取引装置100から引き出す時には、入出金口部9は紙幣取扱装置101とともに引き出される。
次に、入出金口部9を介して紙幣を出し入れする現金自動取引装置100の取引動作を図1と図3を使って説明する。
最初に、利用者操作部104に実行可能な取引について案内表示を行う。利用者は利用者操作部104から行いたい取引を指示する。まず、預け入れが選択された場合について説明する。利用者により預け入れが選択されると、カードや通帳をカード・明細票処理装置102や通帳処理装置103へ挿入するよう利用者操作部104に案内する。カードや通帳を受け付けると、図3に示すシャッターモータ14を駆動しシャッター13を矢印イ方向へ開き、紙幣の投入を待つ。利用者は上側ガイド10U、下側ガイド10B、左側ガイド10L、右側ガイド10Rに沿って紙幣束2を入出金口部9に入れる。このとき紙幣束2は主に突起12の頂点部に接触し、紙幣側端は上側ガイド10U、下側ガイド10Bになるべく接触しないようなっている。紙幣が入れられたことを検出したら、シャッターモータ14を駆動し、シャッター13を矢印ロの方向に閉め、紙幣取扱装置101は紙幣束を1枚ずつあるいは一括して取りこみ、その後の入金処理を行う。入金処理が完了すると、取引き結果に応じてカード・明細票処理装置102はカード・明細票を処理し、通帳処理装置103は通帳に記帳し、利用者へ放出する。以上で預け入れ取引は終了する。
次に、払い戻しが選択された場合について説明する。
利用者により払い戻しが選択されると、カードや通帳をカード・明細票処理装置102や通帳処理装置103へ挿入するように利用者操作部104に案内する。カードや通帳を受け付けると、利用者操作部に暗証番号を入力するように案内する。利用者が暗証番号を入力し認証されると、続いて払い戻し金額を入力する様案内する。
その後、紙幣取扱装置101は、取引に必要な紙幣をシャッター13の手前で集積し、シャッターモータ14を駆動しシャッター13を矢印イ方向に開く。利用者は入出金口部9を介して紙幣束を取り出す。このとき、紙幣束は主に突起12の頂点で接触しているため、上側ガイド10U、下側ガイド10Bの接触抵抗は低くすることができ、利用者はスムーズに紙幣束2を取り出すことができる。利用者が紙幣束を取り出したことを確認したら、シャッターモータ14を駆動し、シャッター13を矢印ロ方向に閉める。以上で、出金動作は完了する。その後、取引き結果に応じてカード・明細票処理装置102はカード・明細票を処理し、通帳処理装置103は通帳に記帳し、利用者へ放出する。以上で払い戻し取引は終了する。
なお、本実施例では紙幣束を略水平方向に出し入れする構成を示したが、紙幣束を略垂直方向や斜めに出し入れする構成であっても良い。
以上説明した構成により、挟持したときに挟持していない部分が大きく膨らむような紙幣束であっても入出金口部を出し入れする際に、上側ガイド面または下側ガイド面に接触しづらくし、紙幣が折れ、斜行しての取込や、装置内での詰まりを防ぐことができる。また、利用者もスムーズに紙幣束の出し入れを行える小型化可能な入出金口部を備えた現金自動取引装置を提供できる。
本発明の一実施例を適用した現金自動取引装置の斜視図である。 本発明の一実施例を適用した現金自動取引装置の制御ブロック図である。 本発明の一実施例を説明する入出金口部の拡大斜視図である。 本発明の特徴を説明する入出金口部の断面図である。 本発明の特徴を説明する入出金口部周辺の上面図である。
符号の説明
1…利用者、2…紙幣束、9…入出金口部、10U…上側ガイド、10B…下側ガイド、10L…左側ガイド、10R…右側ガイド、11…窪み、12…突起、13…シャッター、14…シャッターモータ、100…現金自動取引装置、101…紙幣取扱装置、110…フロントパネル、T1…突起12頂点部の上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの間隔、T2…突起12外側における上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの最大間隔、T3…突起12内側における上側ガイド10Uと下側ガイド10Bの最大間隔。

Claims (3)

  1. 紙幣束を出し入れする紙幣束の入出金口部と、この入出金口部の上面に位置し紙幣束の上側ガイド面と、前記入出金口部の下面に位置し紙幣束の下側ガイド面と有する現金自動取引装置において、
    前記入出金口部を左右に分割したそれぞれの領域で、前記上側ガイド面および下側ガイド面に、前記上側ガイド面と前記下側ガイド面の間隔を狭くする突起を上下略同じ幅方向の位置で設けたことを特徴とする現金自動取引装置。
  2. 請求項1記載の現金自動取引装置において、
    左右に設けられた前記突起は、前記入出金口部の左右方向に広がる傾斜面で構成されていることを特徴とする現金自動取引装置。
  3. 請求項1若しくは2のいずれかに記載の現金自動取引装置において、
    左右に設けられた前記突起同士の間隔は、紙幣の挿入方向に対して奥になるほど広くなるように構成されていることを特徴とする現金自動取引装置。
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