JP4684018B2 - 金属製箱状パネルおよびこれを用いた金属製壁 - Google Patents
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Description
その結果、本来のライフサイクルを30年と予定されている金属製箱状パネルが、10年未満でも底部がボロボロに腐蝕される事例が見られる。
また、特許文献2の図1にはパネル下隅部に排水孔10aが記載されている。しかし、段落番号[0034]の文末には、防水層2の繊維間を流下した水は、表面板1のパネル下縁に沿って並ぶ開口部である排水孔10a…より外部へ放出される、との記載が認められるのであり、その目的及び作用効果は本願発明とは明らかに異なっている。
したがって、本発明は、パネル内へ入り込んだ雪(融雪水)や雨水、粉塵類を速やかにパネル外へ排出し、それらが長期にわたり金属製箱状パネルの底部に溜まり腐蝕が進行することを可及的に回避する構成として、金属製箱状パネルの特に底部の腐蝕による問題点の解決を図るものである。
本発明の異なる目的は、道路の路側などに沿って建てた複数の支柱間に上記構成の金属製箱状パネルを複数段に積み重ねて挿入し取り付けると共に、上下の金属製箱状パネルにおける第2の水抜き部と第3の水抜き部とを上下に連通状態に位置を合致させて構築し、パネル内へ入り込んだ雪(融雪水)や雨水、粉塵類は速やかに下方へ、そして、パネル外へ排出して腐蝕を可及的に防止する構成の金属製壁又は防音壁を提供することである。
多数の開口(ガラリ4)を設けた孔明き金属板5で前面を形成され、背面は無開口の金属板6で形成されており、前面及び背面の金属板5、6並びに端面板7とで箱状に形成された金属製箱状パネルであって、
前面の孔明き金属板5の下端部は背面側へU字形状に折り返され、背面の無開口金属板6はその下端部を前面側へ折り曲げ前面側に向かって上向きに傾斜する底面部9が形成され、この底面部9の先端は再び垂直下向きに折り曲げられ、同折り曲げ部10が前記U字形状折り返し部8の溝中へ差し込まれてはぜ継ぎが行われていること、
前記U字形状折り返し部8の内側折り返し片8aの下端近くに、第1の水抜き部12’が、小さな孔12’として、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていることを特徴とする。
前面側に向かって上向きに傾斜する底面部9における背面寄りの低位置に、第2の水抜き部13が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
パネル上面の前記底面部9が重なる傾斜面に形成された上面部15において前記第2の水抜き部13と一致する位置に、第2の水抜き部13よりも口径が大きい第3の水抜き部14が設けられていることを特徴とする。
多数の開口(ガラリ4)を設けた孔明きアルミニウム板5で前面が形成され、背面は無開口の亜鉛メッキ鋼板6で形成され、前記孔明きアルミニウム板5と亜鉛メッキ鋼板6並びに端面板7とで箱状に形成された金属製箱状パネルであって、
前面の孔明きアルミニウム板5の下端部は背面側へU字形状に折り返され、背面の無開口亜鉛メッキ鋼板6はその下端部を前面側へ折り曲げ前面側に向かって上向きに傾斜する底面部9に形成され、この底面部9の先端は再び垂直下向きに折り曲げられ、同折り曲げ部10が前記U字形状折り返し部8の溝中へ差し込まれてはぜ継ぎ11が行われていること、
前記前面の孔明きアルミニウム板5の下端の前記はぜ継ぎ部分11に、第1の水抜き部12が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
前面側に向かって上向きに傾斜する底面部9における背面寄りの低位置に、第2の水抜き部13が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
パネル上面の前記底面部9が重なる傾斜面に形成された上面部15において前記第2の水抜き部13と一致する位置に、同第2の水抜き部13よりも口径が大きい第3の水抜き部14が形成されていることをそれぞれ特徴とする。
前記金属製箱状パネル3の内部に吸音材16が充填されていることを特徴とする。
第1の水抜き部12は、U字形状折り返し部8の下端部を下向きに開放する半円状切り欠きとして形成されていることを特徴とする。
第1の水抜き部は、U字形状折り返し部8の内側折り返し片8aの下端近くに小さな孔12’として、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていることを特徴とする。
道路の長手方向に間隔をあけて複数の支柱2…が建てられ、前記の各支柱2、2の間に上記請求項1〜6のいずれか一に記載した金属製箱状パネル3が複数積み重ね状態に挿入され取り付けられており、上下の金属製箱状パネル3、3における第2の水抜き部13と第3の水抜き部14とが連通する状態に位置を合致させて構築されていることを特徴とする。
前面の孔明きアルミニウム板5の下端の前記はぜ継ぎ部分11に、第1の水抜き部12を、パネルの長手方向の両端部はもとよりその中間点(又は中央部)をも含む複数箇所に設ける。前面側に向かって上向きに傾斜する底面部9における背面寄りの低位置に、第2の水抜き部13を、やはりパネルの長手方向に、その中間点をも含む複数箇所に設ける。更に、パネル上面の前記底面部9が重なる傾斜面に形成した上面部15において前記第2の水抜き部13と一致する位置にも、前記第2の水抜き部13よりも口径が大きい第3の水抜き部14を形成して金属製箱状パネル3を構成する。
図1は、コンクリート壁高欄1(又は道路の路側)の長手方向に2mピッチ、或いは4mピッチの間隔(金属製箱状パネル3の長さに等しい間隔)をあけて、例えばH形鋼等による支柱2…を必要数建て、この支柱2、2の間に金属製箱状パネル3を落とし込むように挿入して取り付けて金属製壁(又は防音壁)を構築する要領を部分的に示している。
金属製箱状パネル3のせいの高さは通例50cm程度であるから、例えば図2の要領で上下に複数段積み重ね状態に挿入して、必要な高さの金属製壁を構築することは既往技術の通りである。
なお、図2中の符号16は金属製箱状パネル3の内部に充填された吸音材であり、進入してきた騒音を減音するもの、17は前記吸音材16が進入してきた騒音を減音する機能に有用な背後空間18を形成するため背面の無開口亜鉛メッキ鋼板6に形成した屈曲部である。
なお、上記のように吸音材16を充填した金属製箱状パネル3を使用すると、防音壁を構築できる。充填材の無い金属製箱状パネル3を使用すると、金属製壁を構築することになる。
また、上記前面の孔明きアルミニウム板5の上端部を背面側へ折り曲げ、背面の無開口亜鉛メッキ鋼板6の上端部も前面側へ折り曲げて各々の折り曲げ部を折り重ね、前記底面部9がほぼぴったりと重なる傾斜面に形成された上面部15にも、前記第2の水抜き部13と丁度一致する位置に、同第2の水抜き部13よりも口径が大きい第3の水抜き部14が、例えば図3に示したように、当該金属製箱状パネル3の長手方向に、その中間点を含む複数箇所に同じく貫通孔として設けられている。
上記構成の金属製箱状パネル3を使用して、請求項7の発明に係る金属製壁(又は防音壁)を構築するにあたり、図2に示したように、上下の金属製箱状パネル3、3における第2の水抜き部13と第3の水抜き部14とが連通する状態に位置を合致させて構築することができる。かくすると、パネル内に進入した融雪剤を含む雨水や粉塵類が、はぜ継ぎ部分11から溢れるように底面部9へ至るとか、或いは勢いよくパネル内へ飛び込んだ融雪剤を含む雨水や粉塵類が直接に、又はパネル内に充填された吸音材16などを介して間接的に底面部9へ到達した場合にも、それらは同底面部9の傾斜にしたがい流動して低位置に設けられた第2の水抜き部13に向かって流れ込み、直接外部へ排出される。或いは下位の金属製箱状パネル3へと順次流れ落ちてゆき、最終的にはパネル外へ排出され、溜まったり蓄積する懸念は殆どないから、パネルの腐蝕の問題解決に寄与する。
5 孔明きアルミニウム板(前面)
6 無開口の亜鉛メッキ鋼板(背面)
7 端面板
8 U字形状折り返し部(又は溝)
8a U字形状折り返し部の内側折り返し片
9 底面部
10 底面壁先端の折り曲げ部
11 はぜ継ぎ部
12、12’ 第1の水抜き部
13 第2の水抜き部
15 上面部
16 吸音材
1 コンクリート壁高欄
2 支柱
Claims (7)
- 多数の開口を設けた孔明き金属板で前面を形成され、背面は無開口の金属板で形成されており、前面及び背面の金属板並びに端面板とで箱状に形成された金属製箱状パネルであって、
前面の孔明き金属板の下端部は背面側へU字形状に折り返され、背面の無開口金属板はその下端部を前面側へ折り曲げ前面側に向かって上向きに傾斜する底面部が形成され、この底面部の先端は再び垂直下向きに折り曲げられ、同折り曲げ部が前記U字形状折り返し部の溝中へ差し込まれてはぜ継ぎが行われていること、
前記U字形状折り返し部の内側折り返し片の下端近くに、第1の水抜き部が、小さな孔として、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
を特徴とする、金属製箱状パネル。 - 前面側に向かって上向きに傾斜する底面部における背面寄りの低位置に、第2の水抜き部が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
パネル上面の前記底面部が重なる傾斜面に形成された上面部において前記第2の水抜き部と一致する位置に、第2の水抜き部よりも口径が大きい第3の水抜き部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した金属製箱状パネル。 - 多数の開口を設けた孔明きアルミニウム板で前面を形成され、背面は無開口の亜鉛メッキ鋼板で形成されており、前記孔明きアルミニウム板と亜鉛メッキ鋼板並びに端面板とで箱状に形成された金属製箱状パネルであって、
前面の孔明きアルミニウム板の下端部は背面側へU字形状に折り返され、背面の無開口亜鉛メッキ鋼板はその下端部を前面側へ折り曲げ前面側に向かって上向きに傾斜する底面部が形成され、この底面部の先端は再び垂直下向きに折り曲げられ、同折り曲げ部が前記U字形状折り返し部の溝中へ差し込まれはぜ継ぎが行われていること、
前面の孔明きアルミニウム板の下端の前記はぜ継ぎ部分に、第1の水抜き部が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
前記前面側に向かって上向きに傾斜する底面部における背面寄りの低位置に、第2の水抜き部が、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていること、
パネル上面の前記底面部が重なる傾斜面に形成された上面部において前記第2の水抜き部と一致する位置に、第2の水抜き部よりも口径が大きい第3の水抜き部が設けられていること、
をそれぞれ特徴とする、金属製箱状パネル。 - 金属製箱状パネルの内部に吸音材が充填されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した金属製箱状パネル。
- 第1の水抜き部は、U字形状折り返し部の下端部を下向きに開放する半円状切り欠きとして形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した金属製箱状パネル。
- 第1の水抜き部は、U字形状折り返し部の内側折り返し片の下端近くに小さな孔として、パネルの長手方向に、その中間点を含む複数箇所に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載した金属製箱状パネル。
- 道路の長手方向に間隔をあけて複数の支柱が建てられ、前記支柱の間に上記請求項1〜6のいずれか一に記載した金属製箱状パネルが複数積み重ね状態に挿入され取り付けられており、上下の金属製箱状パネルにおける第2の水抜き部と第3の水抜き部とが連通する状態に位置を合致させて構築されていることを特徴とする、金属製壁。
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