JP2002069940A - 遮音壁パネル - Google Patents

遮音壁パネル

Info

Publication number
JP2002069940A
JP2002069940A JP2000260525A JP2000260525A JP2002069940A JP 2002069940 A JP2002069940 A JP 2002069940A JP 2000260525 A JP2000260525 A JP 2000260525A JP 2000260525 A JP2000260525 A JP 2000260525A JP 2002069940 A JP2002069940 A JP 2002069940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
layer
wall panel
sound absorbing
absorbing layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000260525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3629416B2 (ja
Inventor
Teruaki Kodama
輝明 児玉
Teruhisa Matsumura
輝久 松村
Norihiko Kajimura
典彦 梶村
Motoo Matsumoto
元男 松本
Yoshinobu Hoshi
芳信 星
Takumi Kawachi
巧 川地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOOTO KK
Sumitomo Metal Steel Products Inc
Original Assignee
KOOTO KK
Sumitomo Metal Steel Products Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOOTO KK, Sumitomo Metal Steel Products Inc filed Critical KOOTO KK
Priority to JP2000260525A priority Critical patent/JP3629416B2/ja
Publication of JP2002069940A publication Critical patent/JP2002069940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3629416B2 publication Critical patent/JP3629416B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路側壁等に用いる遮音壁パネルとして、内
部への騒音の入射率が高く、広い周波数範囲の騒音を効
率よく吸収減衰でき、騒音公害の防止効果に優れ、吸音
層の素材が飛散したり、吸音層に雨水等が滲み込んで吸
音性能の低下をきたす懸念のないものを提供する。 【解決手段】 パネル厚み方向に順次、パンチングメタ
ルよりなる表面板1、表面板1の開口部10…からの侵
入水を捕捉して層内を流下させる合成繊維不織布からな
る防水層2、中間空気層3、防水層2よりも層厚の大き
い合成繊維不織布からなる吸音層4、背側空気層5、及
び背面板6を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高速道路、
一般道路、鉄道等の車両走行に伴う騒音公害を防止する
ための遮音壁に使用されるパネルに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】この種の遮音壁パネルとして、
図8に示す構造のものが一般的に汎用されている。すな
わち、この遮音壁パネルは、アルミニウム等よりなるル
ーバー式表面板21の内側に、表面をポリフッ化ビニル
等の合成樹脂フィルム22aで被覆したガラス繊維不織
布(ガラスウール)からなる吸音材22を配置し、この
吸音材22と背面板23との間に空気層24を設けたも
のであり、表面板21を騒音発生側(道路側)に臨ま
せ、そのルーバー開口21a…より内部に入射した騒音
音波を吸音材22にて吸収減衰させ、もって道路等の外
側周辺に伝播する騒音を低減するようになっている。
【0003】しかしながら、上記の遮音壁パネルでは、
表面板21のルーバー21b…による遮蔽作用があるた
め、パネル内側へ入射する音波の伝播方向が限られ、騒
音の入射率が低い上、吸音材22が合成樹脂フィルム2
2aに包まれていることから、該吸音材22自体への騒
音の入射率も低く、且つ吸収音波の周波数範囲も狭くな
り、もって遮音効果が不充分であり、騒音公害を確実に
防止できなかった。
【0004】また、吸音材22を被覆する合成樹脂フィ
ルム22aは、元来、雨水や洗浄水等が吸音材22中に
滲み込むのを防止する防水機能と、吸音材22のガラス
繊維が飛散するのを防ぐ飛散防止機能とを担うが、経時
的に劣化が進行すると共に、車両走行に伴う振動や洗浄
時に加わる負荷を受けるため、長期の使用中に破損する
ことが多々あり、これによって内部のガラス繊維が飛散
して環境破壊や健康被害を生じる懸念があり、また破損
部分から入った水が吸音材22中に溜まって吸音性能の
低下をきたすという問題があった。更に、表面板21
は、アルミニウム等の金属であるため、外観的に周辺環
境に対する違和感が大きく、着色塗装しても平滑な着色
面となって無機的な印象を与え、周辺環境に調和させに
くいという難点があった。
【0005】本発明は、上述の事情に鑑みて、遮音壁パ
ネルとして、内部への騒音の入射率が高い上、吸音層に
よって広い周波数範囲の騒音を効率よく吸収減衰でき、
騒音公害の防止効果に優れ、しかも吸音層の素材が飛散
したり、吸音層に雨水や洗浄水等が滲み込んで吸音性能
の低下をきたす懸念がなく、また周辺環境によく調和し
た遮音壁を構成できるものを提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る遮音壁パネルは、図面の参
照符号を付して示せば、パネル厚み方向に順次、パンチ
ングメタルよりなる表面板1、該表面板1の開口部10
…からの侵入水を捕捉して当該層内を流下させる合成繊
維不織布からなる防水層2、中間空気層3、前記防水層
2よりも層厚の大きい合成繊維不織布からなる吸音層
4、背側空気層5、及び背面板6を有してなるものとし
ている。
【0007】この遮音壁パネルPは、表面板1が騒音発
生側(道路側)に向く形で側壁用支柱等に取り付けて遮
音壁の壁面を構成するが、該表面板1がパンチングメタ
ルよりなるため、パネル内側へ入射する音波の伝播方向
を制約せず騒音の入射率が高い上、吸音層4が合成樹脂
フィルム等に被包されておらず、その合成繊維不織布に
よって広い周波数範囲の音波を効率よく吸収減衰でき、
且つ吸音層4を通り抜けた音波も背面板で反射し、再び
当該吸音層4に入射して吸収減衰されることになり、ま
た吸音層4の両側に存在する中間空気層3と背側空気層
5によって吸音効果がより向上し、もって非常に優れた
騒音防止効果を発揮する。
【0008】防水層2は入射音波に対してある程度の吸
収減衰作用を示すが、吸音層4より層厚が薄いから、入
射音波の大部分は当該防水層2を通過して吸音層4にお
いて吸収減衰されることになる。しかして、降雨時や洗
浄時には表面板1の開口部10…より水が防水層2へ入
り込むが、吸音層4は中間空気層3によって防水層2か
ら隔てられているから、防水層2から吸音層4へ水が浸
透することはなく、またパネルP内の空気の圧力が外側
からの風圧に抗するため、風によって雨水が防水層2を
越えて吸音層4まで吹き込むことはなく、入り込んだ水
は全て防水層2に捕捉されて当該防水層2の繊維間を通
って流下し、吸音層4の吸音性能が水浸透によって低下
する懸念はない。
【0009】請求項2の発明では、上記請求項1の遮音
壁パネルにおいて、防水層2が30〜70デニールの合
成繊維よりなる嵩密度0.05〜0.2g/cm3 の不
織布にて構成され、吸音層4が10〜50デニールの合
成繊維よりなる嵩密度0.03〜0.07g/cm3
不織布にて構成されたものとしている。この場合、防水
層2が適度な目の粗さを有するために雨水の捕捉性と流
下性がより向上すると共に、吸音層4も音波の吸収減衰
性に適した密度を有することから、騒音防止効果がより
向上する。
【0010】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の遮音壁パネルにおいて、防水層2の厚さが3〜20m
m、吸音層4の厚さが30〜100mmである構成を採
用していることから、薄い防水層2を通して吸音層4へ
騒音が入射し易く、且つ吸音層4が適度な厚みであるた
めに優れた吸音効果が得られる。
【0011】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
いずれかの遮音壁パネルにおいて、吸音層4が、不織布
シート40を一定幅でジクザグ状に折り返して重ね、そ
の折り返し幅Wを層厚としたものからなる構成としてい
る。この場合、薄い不織布シート40を用いて厚みの大
きい吸音層4を容易に形成できると共に、該吸音層4の
厚みを自在に設定できる上、構造的に吸音層4の吸音性
能もより優れたものとなる。
【0012】請求項5の発明では、上記請求項1〜4の
いずれかの遮音壁パネルにおいて、表面板のパネル表面
側における開口面積比率が30〜75%である構成とし
ているから、表面板1の自己保持強度を充分に確保し
て、且つ高い騒音入射率が得られる。
【0013】請求項6の発明は、上記請求項1〜5のい
ずれかの遮音壁パネルにおいて、防水層2が着色されて
なる構成としている。この構成では、表面板1の開口部
11…より着色した該防水層2が露呈し、且つ表面板1
はパンチングメタルであるために目立たず、もってパネ
ル表面全体が着色した状態に視認される。
【0014】請求項7の発明では、上記請求項1〜6の
いずれかの遮音壁パネルにおいて、中間空気層3の位置
に、防水層2の背面側を押さえる押さえ手段7…を具備
する構成としているから、防水層2が表面板1の裏面側
に接合した状態に安定に保たれることになる。
【0015】請求項8の発明では、請求項7の遮音壁パ
ネルにおいて、前記押え手段7は前記表面板1と同じよ
うにその全面に開口孔7aを有する多孔板7から構成さ
れているから、表面板1の開口部から防水層2を通過し
てパネル内側に入射する騒音は押え手段7によって制約
を受けることなく吸音層4に入射させ、その音波の吸音
層4による吸収効率を減退させることはない。
【0016】請求項9の発明では、前記多孔板9に設け
られた開口孔9aと前記表面板1に設けられる開口部1
0とが略同心状に配列されるため、表面板1の開口部1
0から入射した騒音は多孔板7で反射されることなく、
その開口孔7aを通って吸音層4に効率よく入射され吸
収減衰されることになる。
【0017】請求項10の発明では、上記請求項1〜7
のいずれかの遮音壁パネルにおいて、背面板6が吸音層
4の背面に当接する内向き凸部60を有してなる構成と
しているから、この内向き凸部60による背面側からの
支持によって吸音層4の形態が安定に保持される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る遮音壁パネ
ルの一実施例について、図面を参照して具体的に説明す
る。図1は遮音壁パネルの縦断側面図、図2は該パネル
を断層的に示す斜視図、図3該パネルの平面図である。
【0019】図1〜図3に示すように、この遮音壁パネ
ルPは、正面視で横長の長方形をなし、パネル厚み方向
に順次、アルミニウム等のパンチングメタルからなる表
面板1、該表面板1の裏面側に当接した着色合成繊維の
不織布からなる防水層2、中間空気層3、前記防水層よ
りも層厚の大きい合成繊維不織布からなる吸音層4、背
側空気層5、及び背面板6を有している。
【0020】このパネルPの上下端では、後述のように
背面板6の前方延出部6a,6bに表面板1の上下の後
方延出部1a,1bが外嵌するようになっている。
【0021】表面板1は、上下の後方延出部1a,1b
を除き、パネル表面側に臨む全面に多数の円形の開口部
10…を均等に設けたものであり、パネル内への騒音の
入射面積を大きくして且つ自己保持強度を確保する上
で、パネル表面側における開口面積比率が30〜75%
程度に設定されている。なお、この表面板1の開口部1
0…の内、最下位の配列分は前面から下側の後方延出部
1bへ移行する曲がり部にかかるように配置しており、
これによってバネル下縁に沿って並ぶ排水孔10a…を
構成している。
【0022】防水層2は、着色したポリ塩化ビニリデン
繊維等の合成繊維からなる単層マット状の比較的に粗な
不織布からなり、雨水や洗浄水等の侵入水を捕捉して当
該層内で流下させることにより、内側の吸音層4に侵入
水が付着・浸透するのを防ぐ機能を担っている。しかし
て、このような防水層2としては、防水機能を確実に発
揮する上で好ましくは、不織布の合成繊維が30〜70
デニール程度、嵩密度0.05〜0.2g/cm3
度、層厚3〜20mm程度に設定される。
【0023】吸音層4は、図4に示すように、ポリ塩化
ビニリデン繊維等の合成繊維不織布のシート40を一定
幅でジクザグ状に折り返して重ねたものからなり、その
折り返し幅Wを層厚として折り線が垂直方向となる向き
でパネルP内に配置しており、入射した広い周波数範囲
の音波を効率よく吸収減衰させる機能を持っている。し
かして、この吸音層4としては、高い吸音機能を発揮さ
せる上で好ましくは、不織布の合成繊維が10〜50デ
ニール程度、嵩密度0.03〜0.07g/cm3
度、層厚3〜100mm程度に設定される。
【0024】背面板6は、上下方向中間部に左右方向全
長にわたる内向き凸部60を有し、該凸部60が背面側
に当接することによって後述のように前記吸音層4をパ
ネルP内で安定に保持している。
【0025】また防水層2の背面側には押え部材7が設
けられ、該押え部材7は、図2に示すように防水層2の
背面側全域に当接する多孔板7からなり、該多孔板7の
全域に均等に開口孔7aが設けられ、これらの開口孔7
aは表面板1の開口部10と同心状に設けられている。
また多孔板7の上下方向略中央位置に吸音層4に向かっ
て突出する凸部70が形成される。また多孔板7の上下
端部7b,7cは中間空気層3を囲繞するように略コ字
状に折曲され、その先端部7dが更に吸音層4側にL字
状に折曲している。
【0026】しかして、表面板1の背面側に防水層2を
当接配設し、しかるのちに押え手段7である多孔板を防
水層2に当接させ、且つ多孔板7の上下コ字状端部7
b,7cを表面板1の後方延出部1a,1bの裏面側に
当接させた状態で、後方延出部1a,1bとコ字状端部
7b,7cとを図示のようにスポット溶接9によって一
体化し、これによって防水層2は、その表面側の表面板
1と、背面側の押え手段7である多孔板7とに挟持され
て強固に保持される。
【0027】次に、背面板6の内側に吸音層4を、その
上下端部が背面板6の前方延出部6a,6bの段部6a
1 ,6b1 に当接し、且つその中央部が背面板6の凸部
60に当接するようにして取り付け、この状態で多孔板
7及び防水層2が前述のように一体的に取り付けられた
表面板1を、その上下端部の後方延出部1a,1bの段
部1a1 ,1b1 が背面板6の前方延出部6a,6bの
段部6a1 ,6b1 を乗り越えるように外嵌して取り付
ける。これによって、吸音層4の上下端部表面側に多孔
板7のコ字状端部7b,7cの先端部7dが、またその
中央部表面側に前記凸部70が図示のように夫々若干食
い込むように当接する。
【0028】この状態で表面板1の上下の後方延出部1
a,1bと背面板6の前方延出部6a,6bとを背面寄
りでリベットS1 で固着することによって、吸音層4は
多孔板7を介して表面板1と背面板6との間で強固に保
持され、該吸音層4と多孔板7との間に所定の間隔の中
間空気層3が形成され、吸音層4と背面板6との間も所
定の間隔の背側空気層5が形成され、なお且つ多孔板7
の凸部70が吸音層4の表面側に、また背面板6の凸部
60が吸音層4の背面側に当接することによって両板
7,6によって吸音層4が変形することがなく保持され
ると共に、前述の中間空気層3及び背側空気層5はその
間隔が変化することなく維持される遮音壁パネルPの完
成をみるのである。
【0029】また、遮音壁パネルPの左右両側には、図
5に示すように、パネル表面側に位置して上下方向略全
長にわたる突縁部11と、パネル背面側の上部に位置し
て該突縁部11に対向する支柱取付片12aとが設けて
ある。そして、突縁部11は、防水層2の延長端部と、
該防水層2の延長端部を挟んで表面側から裏面側に折曲
形成された表面板1の側方延長部と、表面板1の裏面側
に当接する側板8の張出片8aにて構成される。一方、
支柱取付片12aは、側板8と、側板8の張出片8a及
び表面板1とに夫々ねじS2 ,S3 によって固着された
コ字枠形金具12の側片部より構成され、その上縁より
後方へ突出する孔付き突片12bを備えている。
【0030】図6は上記構成の遮音壁パネルPを用いて
構築した道路遮音壁の一例を示す。この道路遮音壁は、
道路のコンクリート側壁13上に所定間隔置きに立設さ
れた横断面H型の各支柱14,14間に、複数枚の遮音
壁パネルP…を表面板1が道路側に臨む向きで上下に段
積みした形で取り付けることにより、連続した壁面を構
成している。しかして、図7(イ)(ロ)に示すよう
に、各支柱14は側片部14a,14bが壁面方向に沿
う向きに配置しており、遮音パネルPは、左右の突縁部
11,11をそれぞれ支柱14の道路側の側片部14a
の外面側に被さるように配置し、支柱取付片12aに保
持させた板ばね材からなる固定金具15を当該側片部1
4aの内面側に弾接させることにより、両側一対の支柱
14,14に固定されている。
【0031】なお、図7(ロ)に示すように、固定金具
15は帯状の板ばね材を二重の楔形に曲成したものであ
り、孔付き基端部15bが支柱取付片12aの孔付き突
片12b上に重なるように、楔形の本体部15aを支柱
取付片12aと支柱14の側片部14aとの間に上方か
ら圧入させる。しかして、重なった孔付き突片12bと
孔付き基部15bの孔には、上下に段積みした複数枚の
遮音壁パネルP…にわたってワイヤー16を挿通し、更
に該ワイヤー16を隣接する壁面の遮音壁パネルP…に
同様に挿通するようにして、所要区間の遮音壁パネルP
…の全体を一体化させている。
【0032】このような遮音壁では、遮音壁パネルPの
表面板1がパンチングメタルよりなり、その開口部10
には従来のルーバー式表面板21におけるルーバー21
b(図8参照)のような遮蔽部がないため、パネル内側
へ入射する音波の伝播方向が制約されず、騒音の入射率
が高くなる上、吸音層4が合成樹脂フィルム等に被包さ
れておらず、音波が直接に該吸音層4の合成繊維不織布
に到達することから、この吸音層4によって広い周波数
範囲の音波が効率よく吸収減衰され、且つ吸音層4を通
り抜けた音波も背面板6で反射し、再び当該吸音層4に
入射して吸収減衰されることになり、しかも吸音層4の
両側に存在する中間空気層3と背側空気層5によって吸
音効果がより向上することから、車両走行に伴う騒音を
効果的に吸収し、もって非常に優れた騒音防止効果を発
揮する。
【0033】なお、中間空気層3については、これを設
けていないパネル構成に比較し、吸音効果(遮音効果)
が10%以上向上することが実験的に確認されている。
また、防水層2もやはり合成繊維不織布からなるために
入射音波に対してある程度の吸収減衰作用を示すが、吸
音層4より低密度で層厚も薄いから、入射音波の大部分
は当該防水層2を通過して吸音層4において吸収減衰さ
れることになる。
【0034】一方、降雨時や洗浄時には表面板1の開口
部10…より水が防水層2へ入り込むが、吸音層4は中
間空気層3によって防水層2から隔てられているため、
防水層2から吸音層4へ水が浸透することはなく、また
パネル背面側は背面板6によって封鎖されてパネル背面
への空気の抜け道がなく、パネルP内の空気の圧力が外
側からの風圧に抗することになるため、風によって雨水
が防水層2を越えて吸音層4まで吹き込むこともなく、
入り込んだ水は全て防水層2に捕捉されて当該防水層2
の繊維間を通って流下する。従って、吸音層4の吸音性
能が水浸透によって低下する懸念はない。また、防水層
2の繊維間を流下した水は、表面板1のバネル下縁に沿
って並ぶ開口部である排水孔10a…より外部へ放出さ
れる。
【0035】また、このような遮音壁では、遮音壁パネ
ルPの表面板1の開口部10a…より着色した該防水層
2が露呈し、且つ表面板1はパンチングメタルであるた
め、それ自体の金属部分の面積が小さくて目立たないた
め、ある程度の距離を置いて見た場合にパネル表面全体
が着色した状態に視認される。従って、防水層2の色合
いを適当に選択することにより、周辺環境によく調和し
た遮音壁とすることができる。
【0036】なお、本発明では、吸音層4として、単層
マット状の合成繊維不織布や、複数枚のマット状の不織
布を積層した不織布も使用可能であるが、上記実施例の
ように合成繊維不織布のシート40を一定幅でジクザグ
状に折り返して重ねた構造が特に吸音性能に優れること
が判明している。
【0037】防水層2を表面板1の裏面側に接合した状
態で安定に保持するための押さえ手段としては、上記実
施例では押さえ部材7して多孔板を用いているが、これ
に代えて防水層2の背面側に、例えば表面板1と同様の
パンチングメタルを当該表面板1と孔の位置が合致する
ように配置したり、金属や合成繊維のネットを当接させ
たり、ピアノ線、針金、ワイヤー、樹脂線、紐等の線材
を張り巡らす等、他の種々の手段を採用できる。
【0038】その他、本発明の遮音壁パネルにおいて
は、表面板1と背面板6及び側板8の形状と相互の連結
構造、表面板1のパンチングメタルの孔形状、背面板6
の内向き凸部60の形態と数及び形成位置、支柱14に
対する取付構造、パネル上下面及び左右側面の構成等、
細部構成については実施例以外に種々設計変更可能であ
る。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、遮音壁パネル
として、パンチングメタルからなる表面板の裏面に合成
繊維不織布からなる防水層が当接すると共に、内奥に配
置する合成繊維不織布からなる吸音層の前後に空気層を
有する構成であり、パネル内部への騒音の入射率が高い
上、吸音層によって広い周波数範囲の騒音を効率よく吸
収減衰できることから、騒音公害の防止効果に優れ、し
かも吸音層の素材が飛散したり、吸音層に雨水や洗浄水
等が滲み込んで吸音性能の低下をきたす懸念がないもの
が提供される。
【0040】請求項2の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルにおいて、防水層及び吸音層が特定太さの合成繊維
からなる特定の嵩密度の不織布であることから、パネル
内側へ侵入した雨水や洗浄水等の防水層による捕捉性及
び流下性と、吸音層による音波の吸収減衰性がよく、騒
音防止効果がより向上する。
【0041】請求項3の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルにおいて、防水層と吸音層の厚さが特定範囲に設定
されていることから、より優れた吸音効果が得られる。
【0042】請求項4の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルにおいて、吸音層が不織布シートを一定幅でジクザ
グ状に折り返して重ねたものであることから、厚みの大
きい吸音層を容易に形成できると共に、該吸音層の厚み
を自在に設定でき、且つ吸音層の吸音性能もより優れた
ものになる。
【0043】請求項5の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルにおいて、表面板のパネル表面側における開口面積
比率が特定範囲にあることから、該表面板の自己保持強
度を充分に確保して、且つ高い騒音入射率が得られる。
【0044】請求項6の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルとして、防水層が着色され、パネル表面全体が着色
した状態に視認されることから、周辺環境によく調和し
た遮音壁を構成できるものが提供される。
【0045】請求項7の発明によれば、上記の遮音壁パ
ネルにおいて、防水層の背面側を押さえる押さえ手段を
具備することから、層厚の薄い防水層が表面板の裏面側
に接合した状態に安定に保たれるという利点がある。
【0046】請求項8の発明によれば、前記押え手段は
前記表面板と同じようにその全面に開口孔を有する多孔
板から構成されているから、表面板の開口部から防水層
を通過してパネル内側に入射する騒音は押え手段によっ
て制約を受けることなく吸音層に入射させ、その音波の
吸音層による吸収効率を減退させることはない。
【0047】請求項9の発明によれば、前記多孔板に設
けられた開口孔と前記表面板に設けられる開口部とが略
同心状に配列されることによって表面板の開口部から入
射した騒音は多孔板で反射されることなく、その開口孔
を通って吸音層に効率よく入射され吸収減衰されること
になる。
【0048】請求項10の発明によれば、上記の遮音壁
パネルにおいて、背面板が吸音層の背面に当接する内向
き凸部を有することから、吸音層の形態が安定に保持さ
れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る遮音壁パネルの縦断
側面図である。
【図2】 同遮音壁パネルの内部構造を断層的に示す斜
視図である。
【図3】 同遮音壁パネルの平面図である。
【図4】 同遮音壁パネル内の吸音層の横断面図であ
る。
【図5】 同遮音壁パネルの側端部を示す一部破断平面
図である。
【図6】 同遮音壁パネルを用いた遮音壁の平面図であ
る。
【図7】 同遮音壁の支柱に対する遮音壁パネルの取付
部を示し、(イ)は横断平面図、(ロ)は縦断側面図で
ある。
【図8】 従来の遮音壁パネルの縦断側面図である。
【符号の説明】
P 遮音壁パネル 1 表面板 2 防水層 3 中間空気層 4 吸音層 5 背側空気層 6 背面板 7 押さえ手段(多孔板) 7a 開口孔 70 凸部 10 開口部 40 不織布シート 60 内向き凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 輝久 大阪府大阪市北区堂島1丁目6番20号 日 本道路公団関西支社内 (72)発明者 梶村 典彦 兵庫県尼崎市扶桑町1番21号 住友金属建 材株式会社内 (72)発明者 松本 元男 兵庫県尼崎市扶桑町1番21号 住友金属建 材株式会社内 (72)発明者 星 芳信 兵庫県尼崎市扶桑町1番21号 住友金属建 材株式会社内 (72)発明者 川地 巧 香川県木田郡三木町下高岡3222 株式会社 コート内 Fターム(参考) 2D001 AA01 BA02 BB01 CA02 CB02 CD03 5D061 AA06 AA23 BB02 BB21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル厚み方向に順次、パンチングメタ
    ルよりなる表面板、該表面板の開口部からの侵入水を捕
    捉して当該層内を流下させる合成繊維不織布からなる防
    水層、中間空気層、前記防水層よりも層厚の大きい合成
    繊維不織布からなる吸音層、背側空気層、及び背面板を
    有してなる遮音壁パネル。
  2. 【請求項2】 防水層が30〜70デニールの合成繊維
    よりなる嵩密度0.05〜0.2g/cm3 の不織布に
    て構成され、吸音層が10〜50デニールの合成繊維よ
    りなる嵩密度0.03〜0.07g/cm3 の不織布に
    て構成された請求項1記載の遮音壁パネル。
  3. 【請求項3】 防水層の厚さが3〜20mm、吸音層の
    厚さが30〜100mmである請求項1又は2に記載の
    遮音壁パネル。
  4. 【請求項4】 吸音層が、不織布シートを一定幅でジク
    ザグ状に折り返して重ね、その折り返し幅を層厚とした
    ものからなる請求項1〜3のいずれかに記載の遮音壁パ
    ネル。
  5. 【請求項5】 表面板のパネル表面側における開口面積
    比率が30〜75%である請求項1〜4のいずれかに記
    載の遮音壁パネル。
  6. 【請求項6】 防水層が着色されてなる請求項1〜5の
    いずれかに記載の遮音壁パネル。
  7. 【請求項7】 中間空気層の位置に、防水層の背面側を
    押さえる押さえ手段を具備してなる請求項1〜6のいず
    れかに記載の遮音壁パネル。
  8. 【請求項8】 前記押え手段は、前記表面板と同じよう
    にその全面に開口孔を有してなる多孔板からなる請求項
    7に記載の遮音壁パネル。
  9. 【請求項9】 前記多孔板に設けられる開口孔は前記表
    面板に設けられる開口部と略同心状に配列されてなる請
    求項8に記載の遮音壁パネル。
  10. 【請求項10】 背面板が吸音層の背面に当接する内向
    き凸部を有してなる請求項1〜9のいずれかに記載の遮
    音壁パネル。
JP2000260525A 2000-08-30 2000-08-30 遮音壁パネル Expired - Fee Related JP3629416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000260525A JP3629416B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 遮音壁パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000260525A JP3629416B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 遮音壁パネル

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003073187A Division JP3824595B2 (ja) 2003-03-18 2003-03-18 遮音壁パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002069940A true JP2002069940A (ja) 2002-03-08
JP3629416B2 JP3629416B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=18748518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000260525A Expired - Fee Related JP3629416B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 遮音壁パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3629416B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006226082A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吸音装置
JP2006241966A (ja) * 2005-02-04 2006-09-14 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 金属製箱状パネルおよびこれを用いた金属製壁
JP2012521924A (ja) * 2009-03-30 2012-09-20 エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー 断熱および防音のための絶縁システムを有する航空機
JP2015165069A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 首都高メンテナンス東東京株式会社 カバー体
JP2016050405A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社栗本鐵工所 道路用吸音板

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101112444B1 (ko) * 2011-07-11 2012-02-22 주식회사 태창닛케이 흡음블록을 이용한 방음판넬

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241966A (ja) * 2005-02-04 2006-09-14 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd 金属製箱状パネルおよびこれを用いた金属製壁
JP4684018B2 (ja) * 2005-02-04 2011-05-18 日鐵住金建材株式会社 金属製箱状パネルおよびこれを用いた金属製壁
JP2006226082A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吸音装置
JP2012521924A (ja) * 2009-03-30 2012-09-20 エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー 断熱および防音のための絶縁システムを有する航空機
JP2015165069A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 首都高メンテナンス東東京株式会社 カバー体
JP2016050405A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社栗本鐵工所 道路用吸音板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3629416B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3629417B2 (ja) 遮音壁
JPH1165572A (ja) 吸音用部材
JP3824595B2 (ja) 遮音壁パネル
KR200252277Y1 (ko) 방음판
JP2002069940A (ja) 遮音壁パネル
JP3103511B2 (ja) 防音壁
FR2462522A1 (fr) Panneau d'isolation acoustique industrielle
JP3521577B2 (ja) 吸音材
JP7175734B2 (ja) 吸音パネル
RU2266997C1 (ru) Шумоизолирующая и шумопоглощающая акустическая сэндвич-панель (варианты)
RU2222662C1 (ru) Защитный экран для придорожного шумопоглощения
JP2002146727A (ja) 透光性防音板および防音壁
KR200412515Y1 (ko) 방음문 설치구조
JP2000303412A (ja) 透光性防音板及びこれを用いた防音壁
JP3151924U (ja) 防音ルーバ
JP3587823B2 (ja) 防音壁ユニット
JP3159667B2 (ja) 道路用吸音構造体
JP2009144414A (ja) 吸音型緑化パネル及び該パネルによる被施工面の施工法
JP4452195B2 (ja) 吸音装置
JP2975925B1 (ja) 吸音パネル
JPH10280702A (ja) 仮設用防音パネル
FI117209B (fi) Meluesteaita
JP4445412B2 (ja) 吸音体
JPH11247546A (ja) 竪型防音防水ル―バ
JP7401194B2 (ja) 吸音パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees