JPH10280702A

JPH10280702A - 仮設用防音パネル

Info

Publication number: JPH10280702A
Application number: JP9846497A
Authority: JP
Inventors: Masao Suzuki; 政夫鈴木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-04-01
Filing date: 1997-04-01
Publication date: 1998-10-20

Abstract

(57)【要約】【課題】従来の仮囲いは、安全性を重視しているた
め、吸音性能が低く、現場内で発生する騒音を吸音でき
ず、騒音が鋼板の上端で回折したり鋼板を伝って外部に
漏れ、隣人や通行人の迷惑になるうえ、騒音が鋼板で反
射し騒音源から離れている作業者にも不快感を与えるな
どの課題があった。【解決手段】略矩形状のパネル本体２内に長尺状の吸
音部材３を騒音発生側に偏位させて配置させると共に、
吸音部材３とパネル本体２内との間に設けた間隙スペー
スを干渉室９とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建設現場、工事現
場、資材置場などを仮囲いする仮設用防音パネルに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、建設現場、工事現場、資材置場な
ど（以下、現場という）では、周囲にパイプを立設し、
水平方向に枠組した支持パイプに、フック部材を介して
縦長の鋼板を固定することにより、複数の鋼板を並設し
て現場の周囲を仮囲いし、現場の側を通行する歩行者や
車両安全を確保すると共に、現場内の作業者等の作業環
境を整えていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
仮囲いは、安全性を重視しているため、吸音性能が低
く、現場内で発生する騒音を吸音できず、騒音が外部に
漏れてしまうことがあった。さらに、騒音が鋼板で反射
し、騒音源から離れている作業者にも不快感を与えるこ
ともあった。本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、環境保全に役立つ遮音性能の高い仮設
用防音パネルを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、略矩形状のパネル本体内に、長尺状の吸音
部材を騒音発生側に偏位させて配置させると共に、吸音
部材とパネル本体内との間に設けた間隙スペースを干渉
室としたので、騒音を吸音部材内で吸音して騒音の反射
や回折を防止すると共に、吸音部材を通過した騒音を吸
音部材とパネル本体内との間に設けた干渉室内で減衰さ
せ、騒音の反射を防ぐことができる。

【０００５】また、長尺断面略コ字形状のパネル本体内
に長尺状の吸音部材を嵌入し、吸音部材のパネル本体開
口側表面を薄板状の表面保護部材で覆い、パネル本体の
背面に凹凸を形成して、この背面と吸音部材との間に干
渉室を形成した場合、上記の場合同様、騒音の反射や回
折を防止すると共に、吸音部材を通過した騒音を干渉室
内で減衰させ騒音の反射を防ぎ、更に、表面保護部材
は、吸音部材の表面を保護すると共に、吸音部材のパネ
ル本体からの飛び出しを防いでいる。

【０００６】前記パネル本体の側面の一方に嵌合凸部を
形成し、他方にこれと嵌合する嵌合凹部を形成した場
合、隣接させる仮設用防音パネルの対向する嵌合凸部と
嵌合凹部とを嵌合させることによって、複数枚の仮設用
防音パネルを確実に連結することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の一形態を詳細に説明する。図において、１は本発明の
仮設用防音パネル（以下、パネルという）で、２は長尺
状のパネル本体、３はパネル本体と略同形状の吸音部
材、４は吸音部材３の表面を保護する表面保護部材、５
はパネル本体２に着脱自在なフック部材で、６は本パネ
ル１を仮設するための支持パイプ６である。

【０００８】パネル本体２は、長尺板材の平面を断面凹
凸状に形成して、長手方向に沿った断面略台形状の突条
部２ａを形成し、長手方向に沿った両端を断面略コ字形
状に折り曲げて、パネル本体２の両側に互いに対面する
側面と各側面より内側に突出する保持片２ｂを形成し、
一方側の側面の長手中央部分を外側に突出させ、筋状の
嵌合凸部２ｃを形成すると共に、他方側の側面の長手中
央部分を内側に突出させ、嵌合凸部２ｃと嵌合する形状
の筋状の嵌合凹部２ｄを形成し、さらに、各保持片２ｂ
に、略縦長楕円形状のフック取付孔２ｅを長手方向に沿
って適当数、適当間隔毎に設けて、形成されている。

【０００９】そして、このパネル本体２の突条部２ａと
保持片２ｂとの間に、騒音源側表面に当接した表面保護
部材４をパネル本体２の開口正面側（騒音減側）に向け
て、吸音部材３を表面保護部材４と共に嵌入すると、パ
ネル本体２の背面と吸音部材３の背面との間に、干渉室
９となる間隙スペースが複数形成される。

【００１０】また、このパネル本体２の上下開口端に
は、パネル本体２の断面形状と略等しい平面を有する箱
形状の天板部材７及び底板部材８をそれぞれ嵌入し、パ
ネル本体２の上端及び下端を塞いでいる。なお、底板部
材８の底面には貫通孔８ａが複数穿孔されている。

【００１１】吸音部材３は、縦横の長さがパネル本体２
と略等しく、厚さはパネル本体２の開口面と突条部２ａ
の突出面との間隔と略等しい直方体状で、粒状石を多孔
質状に固着して成形されている。この粒状石としては、
ざくろ石等の天然の無機物を用いている。また、その他
の吸音部材３としては、アルミニウムの線材を平板状に
し、更に、この平板状の線材を螺旋状に成形し圧縮した
もの、或いは、グラスウール、石綿等を用いて成形した
ものや、更に、これに撥水処理を施したものなどがあ
る。

【００１２】表面保護部材４としては、吸音部材３の騒
音源側表面と略同形状、同面積の金網が用いられ、使用
する金網の網目は、吸音部材３の大きさや粒状石の大き
さなどに応じて適宜決定される。また、表面保護部材４
の素材としては、例えば、鋼、アルミ、ステンレス等あ
るが、耐腐食性を有するものが好ましい。なお、金網の
ほか、板状、線状のものなどでも良く、この場合には、
吸音部材３の騒音源側表面に、吸音部材３の短手方向に
沿って梯子状に複数当接したり、略Ｘ字形状に複数当接
すると良い。

【００１３】フック部材５は、支持パイプ６に掛けるフ
ック部５１と、フック取付孔２ｅの縁を挟持する挟持部
５２とで構成されている。挟持部５２は、保持片２ｂの
表側に当接される当接部５２ａと、保持片２ｂの裏側に
当接される挿入部５２ｃとからなり、当接部５２ａは、
フック取付孔２ｅよりも大きい円板状に形成され、挿入
部５２ｂは、フック取付孔２ｅと同形状の略長楕円形状
に形成され、かつ、長楕円の長手方向が支持パイプ６架
設時に、フック取付孔２ｅの長手方向と交叉するように
形成され、フック取付孔２ｅに挿入部５２ｃを挿入して
９０度回転させると、フック取付孔２ｅの縁を挿入部５
２ｃと当接部５２ａとが挟持して、パネル本体２の保持
片２ｂにフック部材５が固定される。なお、フック部材
５を取り外す場合は、９０度更に回転させるか、又は逆
に回転させることによって、フック取付孔２ｅから挿入
部５２ｃを引き抜けば良い。

【００１４】上述のように構成したパネル１は、図２に
示すように、現場の周囲に立設したパイプに水平に枠組
した支持パイプ６にフック部材５を介して着脱自在に取
り付けられ、隣接させるパネル１，１の対向する嵌合凸
部２ｃと嵌合凹部２ｄとを嵌合させることによって、支
持パイプ６に沿って複数枚のパネル１を容易かつ確実に
連結される。

【００１５】そして、現場を囲って立設したパネル１の
現場側に露出固定された吸音部材３は、表面保護部材４
を通過する騒音や、表面保護部材４に沿って伝わる騒音
を吸音して、騒音の反射や回折を防止し、さらに、吸音
部材３を通過した騒音も、吸音部材３とパネル本体２と
の間に設けた干渉室９内で減衰させ、騒音の反射を防ぐ
ことができる。また、表面保護部材４は、吸音部材３の
表面を保護すると共に、吸音部材３のパネル本体２から
の飛び出しを防ぎ、かつ、網目を通過する騒音を回折さ
せて減衰させることができる。

【００１６】さらに、吸音部材３を、粒状石を多孔質状
に固着して成形したので、雨水、雪などによって内部に
水が侵入しても、吸収することなく下に流れ出すため、
重量の増加を防ぐと共に、吸音効率の低下を防ぎ、か
つ、産業廃棄物として扱う必要がないため、自然環境を
害することなく処分でき、さらに、リサイクルも可能と
なる。

【００１７】また、パネル本体２の底面を塞ぐ底板部材
８に貫通孔８ａを穿孔しているので、吸音部材３やパネ
ル本体２内に入った雨水などを排水し、パネル１の重量
の増加を防ぐことができる。

【００１８】なお、本パネル１は、防音性能が高く比較
的軽量であるため、上記の現場以外の場所にも適宜使用
できる。例えば、道路、軌道、陸橋、高架橋などに沿っ
て立設し、車両走行により発生する騒音を吸音して、周
辺の環境を向上させることができる。

【００１９】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、騒音を効率良く吸音し、かつ、連結したパネル
とパネルの間から騒音が漏れてしまうことがないので、
通行人や隣人の迷惑となる騒音を低減することができる
と共に、現場内の作業者の作業環境を改善することがで
きる。さらに、この吸音部材は水分を吸収することがな
いので、重量増加による破損、損傷を防止することがで
き、かつ、産業廃棄物として処分する必要が無いので、
低コストで処分できると共にリサイクルも可能で環境に
良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の仮設用防音パネルの実施の一形態を示
す概略斜視図である。

【図２】上記仮設用防音パネルを立設した状態を示す概
略斜視図である。

【図３】上記仮設用防音パネルの一部切欠斜視図であ
る。

【図４】上記仮設用防音パネルの断面図である。

【図５】上記仮設用防音パネルの底面図である。

【図６】上記仮設用防音パネルの正面図である。

【図７】上記仮設用防音パネルの背面図である。

【符号の説明】

１仮設用防音パネル２パネル本体２ｃ嵌合凸部２ｄ嵌合凹部３吸音部材９干渉室

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】略矩形状のパネル本体内に、長尺状の吸
音部材を騒音発生側に偏位させて配置させると共に、吸
音部材とパネル本体内との間に設けた間隙スペースを干
渉室としたことを特徴とする仮設用防音パネル。
【請求項２】長尺断面略コ字形状のパネル本体内に、
長尺状の吸音部材を嵌入し、吸音部材のパネル本体開口
側表面を薄板状の表面保護部材で覆い、パネル本体の背
面に凹凸を形成して、この背面と吸音部材との間に干渉
室を形成したことを特徴とする仮設用防音パネル。
【請求項３】前記パネル本体の側面の一方に嵌合凸部
を形成し、他方にこれと嵌合する嵌合凹部を形成した請
求項１又は２記載の仮設用防音パネル。