JP4683860B2 - エアーコントロール布団 - Google Patents

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本発明は、寝床に温風等を送り込んで快適な就寝環境を作り出すことができるエアーコントロール布団に関する。
快適な就寝環境を作るには、布団内の温度及び湿度を就寝に最適な条件にコントロールする必要がある。布団内の温湿度がこの条件に適合しないと、次のような問題が発生する。
温度が高いと、発汗量が増え、汗が体温を奪って体を冷やしてしまい、逆に、温度が低いと、手足の温度が上がり難くなって寝つきが悪くなる。また、湿度が高いと、不快感を覚え、寝返りの回数が増え、熟睡できなくなるばかりでなく、雑菌繁殖の要因になったり、床ずれが生じ易くなったりする。更に、湿度が低いと、喉や肌が乾燥し、病気を併発し易くなる。
このような問題に対して、布団と送風機とをセットにして、掛け布団及び敷き布団の裾部からこれらの布団内部に温風を送風し、寝床内を就寝に適した温度として快適な就寝環境を作りだすようにした布団が既に市販され、特許文献でも紹介されている。(例えば下記特許文献1参照。)。
図5は、下記特許文献1に記載された寝床エアーコントロール装置を示す断面図であって、この装置1は、裾部から襟方向へ向けて連通した送風通路が形成された敷き布団2と、裾部から襟方向に向けて連続して温風が供給される複数の送風通路が形成された掛け布団3と、敷き布団2及び掛け布団3へ温風を供給する送風機4とを備え、温風機4から供給された温風が掛け布団2の送風通路2aと敷き布団3の送風通路3aの双方に供給されて、就寝者の全周に新鮮で一定条件の空気が供給されるようになっている。
特許第3186632号公報(図1、段落[0013]〜[0017])
しかしながら、上記特許文献に記載されている装置及び他の市販品も同じであるが、送風機出口から吹出される空気の温度を一定に制御しているため、寝床内の温度を快適な温度に制御することができないという課題がある。例えば、送風機から温風を供給する場合、温風は送風機と布団とを接続するホースで冷却される上、この度合いは室内温度によっても異なってくる。そのため、送風機から一定温度の温風を供給しても、寝床内に供給される空気温度を一定に制御することができない。さらに詳述すると、温度設定は、通常、就寝前に設定されるが、折角、快適な環境にしようと所定の温度に設定しても、春、夏、秋及び冬の四季を通じて、快適な環境を作りだすことができず、快適な温度に設定したつもりでも、季節、日及び時間帯、部屋の状況、就寝者等によって変化してしまい、快適な理想とする就寝環境を実現することが困難である。
その理由は、布団が敷かれた部屋の温度及び湿度は、季節毎の寒暖の差、1日中でも夕方、夜中、朝方で違い、さらに部屋の作り、さらに就寝者の体温によっても変化し、就寝前に快適な温度設定を行っても、これらの条件によって、変化し、快適な就寝環境が作れないからである。
そこで、本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、室内温度、送風路及び寝床状態等に左右されずに、設定した温湿度制御を可能としたエアーコントロール布団を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明に係るエアーコントロール布団は、布団内部に空気を送風して寝床内の温度制御を行うエアーコントロール布団において、前記布団端部に所定大きさの収容部を形成し、該収容部はセンサーを埋め込んだセンサーマットの収納部であると共に、送風空気を一時溜めて且つセンサーマットを通過させて前記布団内部へ送風する空気溜めとなっており、更に、前記収納部には複数本の通風路が連通しており、前記布団の表面部には前記複数本の通風路が形成され、下面部に前記収納部が形成されていることを特徴とする。
本発明のエアーコントロール布団によれば、布団の収容部に収納したセンサーにより、布団内の温度等を直に検出できるので、これらの検出値に基づいて寝床内の温度等の制御が可能になる。したがって、室温、伸縮ホースの長さ等に影響されることなく、設定した条件に基づいて快適な就寝環境を作り出すことができる。
また、収容部は、センサーマットを収納するとともに空気溜めにもなっているので、マット収納部と空気溜めを別々に形成する必要がなくなり、布団作りの工数が少なくできる。
さらに、センサーがセンサーマットに埋め込まれていることから、使用時にセンサーの移動が阻止されるので、正確な検出値を得ることができる。
また、センサーマットを袋部内に収納してしっかり位置決め固定ができる。また、布団を洗濯あるいは乾かすときは、センサーマットを取り外さなければならないが、開口部が開閉自在になっているのでセンサーマットを袋内から簡単に取り外すことができる。
また、センサーマットを袋部内に収納したとき、この袋部に一時滞留する空気がこのセンサーマットを通過して布団内部へ送風されるので、空気の通風がスムーズになる。
また、布団内の温度あるいは湿度を検出できるので、この検出値に基づいて布団内の温度あるいは湿度を設定値にコントロールすることが可能になる。
また、収容部は敷き布団等の足元付近の中央部に形成されており、この部分は人体に近い部分ではあるが、睡眠中の寝返りなどによる力がセンサーに加わり難い箇所であるため、センサーが移動することにより発生しがちな検出誤差をなくすことができる。
さらに、布団の収容部に収納したセンサーにより、布団内の温度や湿度を直に検出できるので、これらの検出値に基づいて寝床内の温度や湿度の制御を正確に行うことが可能になる。したがって、前記センサーの検出値に基づいて送風機から温風、あるいは冷風等を供給することにより、快適な就寝環境を作り出すことができるようになる。
以下、図面を参照して、本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのエアーコントロール布団エアーコントロール布団セットとして例示するものであって、本発明をこのエアーコントロール布団に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適用し得るものである。
図1は、本発明の実施例に係るエアーコントロール布団セットの側面図であって、布団はセンサーマット及び通風路の理解を容易にするために断面図としている。図2は、布団セットの平面図であって、図2(a)は、掛け布団の一部を切除し、敷き布団内のセンサーマットが見えるようにした状態を示した図、図2(b)は、図2(a)のセンサーマットを取外した状態を示した図、図3は、敷き布団の平面図であって、図3(a)は、図2(a)と同様にセンサーマットを見えるようした状態を示し、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図、図4は、本発明で使用するセンサーの一例の構造を分かりやすく示した概略断面図である。
エアーコントロール布団セット10は、図1、図2に示すように、それぞれ通風路を有する敷き布団41と掛け布団50とが組みになった組布団40と、各布団41、50と伸縮ホース29、30で接続され各布団41、50に温風を送風する送風機20を備え、そのうち敷き布団41にセンサーマット30を装着して、このセンサーマット30に埋め込んだ温度センサー及び湿度センサーの検出値に基づいて布団41、50で形成した寝床内の温度及び湿度をコントロールするものである。
なお、敷き布団及び掛け布団から選択される少なくとも1つは、エアーコントロール機能を有していることから、これらの布団を総称してエアーコントロール布団という。
以下、エアーコントロール布団セットを構成する送風機、センサーマット、及びエアーコントロール布団(以下、単に布団という)について説明する。
送風機20は、図1、図2、図3に示すように、一側面に吸気口22、他側面に2つの吹出口23、24を有する箱型ケース21を備え、この箱型ケース21内に、図2に示すように、それぞれヒータ25と、前記ヒータ25で加熱された空気を送風するファン26と、前記ファン26を回転されるモータ27と、ヒータ温度及びモータ回転数を制御する制御基板28とが収納されている。
前記送風機20の一側面に設けられた吸気口22には、フィルター21が装着されている。また他側面の吹出口には、上下2箇所に第1吹出口23と第2吹出口24が設けられている。第1吹出口23及び第2吹出口24には、図1に示すように、それぞれ伸縮自在で可撓性を有する伸縮ホース29、29が装着できる構造になっている。各伸縮ホース29、29は、それぞれ両端に接続継手が装着できるようになっており、一端の継手は第1吹出口23及び第2吹出口24に結合され、他端の継手は、後述する布団にそれぞれ結合される。
2本の伸縮ホース29、29は、敷き布団41に接続される伸縮ホース29内にリード線36が付設されている以外、両者は同一構造を有している。
リード線36が付設された伸縮ホース29は、コイル状の鋼線を骨組みとして蛇腹式に形成されたものである。リード線36は、ホースの内壁に埋め込んでもよく、また、外周壁に巻回してもよい。なお、各伸縮ホース、継手及びホースへのリード線の埋め込み等は、公知の技術を利用するので、詳細な説明を省略する。
また、制御基板28には、センサーからの検出値に基づいて設定された温湿度に制御する温湿度制御手段、理想的な温湿度を設定する温湿度設定手段、あるいは温風等の風量を調節する風量調節手段等が設けられており、これらの制御はマイクロコンピュータによって行われる。
センサーマット30は、図3に示すように、敷き布団41の長手方向と直交する幅より短長の幅長と、敷き布団41の厚さより薄い板厚の矩形状で通気性を有する材料からなるマット31からなり、このマット31にリード線36を収納する凹状溝32、及び3個のセンサー33〜35をそれぞれ収納する凹状溝37〜39が形成されている。本実施例ではこれら複数個のセンサー33〜35は同様の構造からなり、その構造は、図4に示すように、布団内の温度を測定する温度センサー331と、同じく湿度を測定する湿度センサー332とを有し、この2つのセンサー331、332を一体とする筐体330により覆われた形状のものであり、この筐体330には、それぞれのセンサー331、332に布団内の温度あるいは湿度が伝わるように、それぞれ通気孔333、334が設けられている。そして、温度センサー331、及び湿度センサー332のリード線は、制御基板28に接続される。なお、リード線36は、図2、3では1本で図示されているが、実際は各センサーからそれぞれ2本のリード線が導出し、合計6本となるが、図中には代表してリード線36として図示している。また、センサー33〜35内に設けられる温度センサー、湿度センサーの個数は適宜変更可能であり、更には、筐体330により温度センサー331と、湿度センサー332とを一体とせずに、筐体330を設けることなく温度センサー331及び湿度センサー332をそれぞれ所定の位置に設けるようにしてもよい。
リード線36は、一端が各センサーに接続され、他端が制御基板28に接続されている。また、リード線36の途中には電気コネクタを挿入し、切り離し自在にすることが好ましい。
また、マット31は、ハニカム状あるいは通気性があり可撓性を有する材料で形成したものが望ましい。このような材料でマットを作ることにより、通風が円滑になる。
次に、敷き布団及び掛け布団を説明する。
図3は、敷き布団を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。
敷き布団41は、図3に示すように、所定の幅長及び長さを有し、通気性がよく軽い羽毛等からなり、足元側端部に伸縮ホース30を接続するためのホース継手(図示省略)及び収容部44が設けられる。
敷き布団41は、その表面部に複数本の通風路43〜43が形成され、下面部にセンサーマット30を収納する収容部44が形成され、外周布46で全体が覆われている。この収容部44は袋状をなしていて複数本の通風路43〜43にそれぞれ連通している。この収容部44は、裾部分に設けることが好ましい。裾部分は、人体に近い部分であって、睡眠中寝返りなどによる力がセンサーに加わり難い箇所となるので、センサーが移動することにより発生しがちな検出誤差をなくすることができるからである。なお、袋部は裾部に限定されず、他の端部に設けてもよい。
収容部、すなわち袋部44は、センサーマット30を挿入できる開口部45を有し、このマット30が袋内で自由に移動できない大きさに形成され、マットを位置決め固定できる大きさになっている。また、開口部45には、開閉自在な接合手段47、例えばファスナーが設けられている。この開閉自在な接合手段47を設けることにより、敷き布団41を洗濯するときなどにセンサーマット30を簡単に取り外すことができる。
また、この袋部44は、空気溜めとなっている。そのため、接合手段47により接続された伸縮ホース29、29から送風された空気が開口部45から漏れないように、遮蔽部材48を設けることが好ましい。この遮断部材48としてはマジックテープ(登録商標名)等の固着手段を用いることが好ましい。
敷き布団41には、複数本の通風路43〜43が形成されるが、通風路の形成方法は既に公知であるので説明を省略する。また、本実施例では敷き布団として、複数本の通風路43〜43を形成したものを用いたが、通風路を形成することなく、布団内部に詰める繊維等の密度を部分的に変更、例えば密の部分と疎の部分とに区分して、これらを所定の順序で組み合わせ、疎の部分を空気が通過するようにしてもよい。
さらに、本実施例ではセンサーマット30を収容する収容部44を敷き布団41に設けたが、掛け布団50あるいは敷き布団41の下に敷く敷き部材、例えばマットレスに設けてもよい。
また、掛け布団50は、所定の幅長及び長さを有し、通気性がよく軽い例えば羽毛布団等からなり、敷き布団より一回り大きいサイズになっている。そして、足元側端部に伸縮ホース29を接続するためのホース継手(図示省略)設けられている。
この掛け布団50にも、羽毛などの中綿が充填される空間の内部に通風路が形成され、この通風路に送風機20から温風、あるいは冷風等が送られるようになっている。
なお、本実施例の掛け布団においても敷き布団と同様に、通風路を形成したものを用いたが、通風路を形成することなく、布団内部に詰める羽毛、繊維等の密度を部分的に変更、例えば密の部分と疎の部分とに区分して、これらを所定の順序で組み合わせ、疎の部分を空気が通過するようにしてもよい。
エアーコントロール布団セット10は、上記の送風機20及び布団41、50を伸縮ホースで結合して組み立て、以下のようにして使用される。
先ず、畳あるいは床面に敷き布団41を敷き、その上を掛け布団50で覆い、各布団41、50の足元部をそれぞれ伸縮ホース29、29を介して、送風機20の吹出口23、24にそれぞれ連結する。
一方、センサーマット30は、敷き布団41の収容部44に収納し、同時に伸縮ホース29の端部を収容部に連結する。この連結の際に開口部に遮蔽部材48を介在して送風漏れがしないようにする。
このようにして布団セット10と送風機20とを連結した後に、送風機20の電源を入れ、送風機20側に設けた温湿度設定手段(図示省略)により、所定の値に設定する。前記所定の値としては、温度30〜34℃、湿度40〜55%程度が好ましく、特に、温度約32℃、湿度45〜50%程度が快適な睡眠を得るには好ましい。なお、ここでは、温度及び湿度の両者を制御するものとして記載したが、温度又は湿度のみを制御する構成としてももちろん良い。
すると、送風機20からは、図1、図2の矢印で示すルートを通り、温風等が掛け布団50及び敷き布団41の各通風路へ送風される。詳述すると、送風機20が運転されると、ファン26により吸気口22から吸い込まれた空気は、フィルター21を通りヒータ25で所定の温度に暖められて、伸縮ホース29、29を経て、敷き布団41及び掛け布団50へ送られ、図1に示すように、各布団41、50の通風路を通って室内へ放出される。
このとき、敷き布団41内へ送風された温風等は、袋部44で一時滞留し、且つセンサーマット30を通過して複数本の通風路43〜43へ送風される。
また本発明においては、センサーマット30が敷き布団41内に配設されているため、室温、あるいはホース内での温度変化等の影響を受けることがなく、布団内の状態をより正確に検出することができ、この検出値を制御基板28の温湿度制御手段に送り、設定条件に適合する温風、あるいは冷風等を布団41、50に送風することにより、寝床内を快適な就寝環境とすることができる。
本発明の実施例に係るエアーコントロール布団セットの側面図、 エアーコントロール布団セットの平面図であって、図2(a)は掛け布団の一部を切除し、敷き布団内のセンサーマットが見えるようにした状態を示した図、図2(b)は図2(a)のセンサーマットが取外された状態を示した図、 敷き布団を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図、 本発明で使用するセンサーの一例の構造を分かりやすく示した概略断面図、 特許文献1に記載のエアーコントロール装置を示す縦断面図。
10 エアーコントロール布団セット
20 送風機
21 (箱型)ケース
21 フィルター
22 吸気口
23、24 吹出口
25 ヒータ
26 ファン
27 モータ
28 制御基板
29、29 伸縮ホース
30 センサーマット
33〜35 センサー
37〜39 凹状溝
40 組布団
41 敷き布団
43〜43 敷き布団の通風路
44 収容部(袋部)
50 掛け布団

Claims (1)

  1. 布団内部に空気を送風して寝床内の温度制御を行うエアーコントロール布団において、
    前記布団端部に所定大きさの収容部を形成し、該収容部はセンサーを埋め込んだセンサーマットの収納部であると共に、送風空気を一時溜めて且つセンサーマットを通過させて前記布団内部へ送風する空気溜めとなっており、更に、前記収納部には複数本の通風路が連通しており、
    前記布団の表面部には前記複数本の通風路が形成され、下面部に前記収納部が形成されていることを特徴とするエアーコントロール布団。
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