JP4683249B2 - ポリフェノ−ル化合物とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジアミン化合物(A)とカルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)を反応させることを特徴とするアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造方法、更には、半導体封止材、プリント配線基板に用途の硬化剤やエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂の原料、半導体用フォトレジスト等の感光性材料の原料、ポリカ−ボネ−ト樹脂やポリエステル樹脂の原料などに用いられる多価フェノ−ル化合物として有用な一般式(2)
【化3】
(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2 は炭素数5若しくは6のシクロアルキル基を示し、R3 はフェニル基を示し、R4は炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を示し、mは0〜3の整数を示し、n及びkはそれぞれ、0〜2の整数を示し、m+n+k≦3であり、Xは2価の有機基である。)で表される新規なアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体封止材、プリント配線基板に用途の硬化剤やエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂の原料、半導体用フォトレジスト等の感光性材料の原料、ポリカ−ボネ−ト樹脂やポリエステル樹脂の原料などに用いられる多価フェノ−ル化合物の中で、優れた耐熱性が期待されるアゾメチン骨格をもつ4価フェノ−ル化合物は未だ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は新規なアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物とその製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、分子中にアゾメチン基を含有する4価フェノ−ル化合物を得るべく鋭意研究した結果、ジアミン化合物とカルボニル基含有ビスフェノ−ル化合物を反応させることで、新規なアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物を得る方法と、新規なアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物を見出し、本発明に至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明は、
▲1▼ジアミン化合物(A)とカルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)を反応させることを特徴とするアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造方法、
▲2▼カルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)がアルデヒド基含有多価フェノ−ル化合物である前記▲1▼記載の製造方法、
▲3▼ジアミン化合物(A)が芳香族ジアミン化合物である前記▲1▼または▲2▼に記載の製造方法、
▲4▼アルデヒド基含有ビスフェノ−ル類(B)が一般式(1)
【化4】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数5若しくは6のシクロアルキル基を示し、R3はフェニル基を示し、R4は炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を示し、mは0〜3の整数を示し、n及びkはそれぞれ、0〜2の整数を示し、m+n+k≦3である。)
で表される化合物である前記▲2▼または▲3▼に記載の製造方法、
▲5▼一般式(2)
【化5】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数5若しくは6のシクロアルキル基を示し、R3はフェニル基を示し、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を示し、mは0〜3の整数を示し、n及びkはそれぞれ、0〜2の整数を示し、m+n+k≦3であり、Xは2価の有機基である。)
で表わされるアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物、
▲6▼一般式(2)中のXが、メチレンビスフェニル基、または2価のナフタレン基である前記▲5▼記載のアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物、
▲7▼一般式(2)中のR1がメチル基であり、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基である前記▲5▼または▲6▼記載のアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物、
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造方法は、必要に応じて、反応溶剤中、ジアミン化合物(A)、例えば、下記一般式(3)
【化6】
(式中、Xは2価の有機基である。)
で表される化合物とカルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)とを脱水縮合反応させて得られることができる。
【0007】
本発明によるアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造において、上記一般式(3)で表されるジアミン化合物としては、1分子中に2個のアミン基を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、3、3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4,4'−メチレンジ−o−トルイジン、4,4'−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4'−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、3,3'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3'−ジアミノジフェニルエ−テル、ベンジジン、3,3'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシベンジジン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノ−t−ブチルフェニル)エ−テル、ビス(p−メチル−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1、3,4−オキサジアゾ−ル、1,4−ジアミノシクロヘキサン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルフォンなどを挙げることができる。中でも、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、3,3'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3'−ジアミノジフェニルエ−テルが挙げられる。その中でもさらに、4,4'−ジアミノジフェルメタンが、反応性、コストの点からより好ましい。上記のジアミンは、単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0008】
また、更に、ジアミン化合物(A)としては、上記一般式(3)の構造を持たないピペラジンやイミダゾリジンのような2官能の2級アミンも挙げられる。
【0009】
またカルボニル基含有多価フェノール(B)としては,1分子中に2個のフェノ−ル性水酸基と1個以上のカルボニル基またはアルデヒド基の両方を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例示するならば、化学式(4)に示されるような化合物が挙げられる。
【化7】
【0010】
これらの化合物の中でも、ジアミンとの反応性からアルデヒド基を有するものが好ましく、また、入手の容易さから考えるとフェノ−ル類とグリオキザ−ルとの反応によって得られるものが好ましく、更に、下記の化学式(5)で表される化合物がが特に好ましい。
【化8】
【0011】
上記のジアミン化合物とアルデヒド基含有ビスフェノ−ル化合物と反応において、アルデヒド基含有ビスフェノ−ル化合物は、ジアミン化合物1モルに対して、通常、0.3〜5.0モルの範囲で用いるが、収率を考慮すると、1.8〜2.2モルの範囲が好ましい。
【0012】
上記のジアミン化合物とカルボニル基含有ビスフェノ−ル化合物との反応において、必要に応じて、反応溶剤を用いてもかまわない。反応溶剤を用いる場合、例えば、脂肪族アルコ−ル、芳香族炭化水素又はこれらの混合溶剤が用いられる。前述の脂肪族アルコ−ルとしては、用いる反応原料、得られる生成物の溶解度、反応条件、反応の経済性等を考慮して、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、t−ブチルアルコ−ル、イソブチルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル等を挙げることができる、また、芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン等を挙げることができる。このような溶剤は、通常、用いるジアミン化合物とアルデヒド基含有ビスフェノ−ル化合物の合計100重量部に対して、20〜500重量部の範囲で用いられるが、これに限定されるものではない。
【0013】
この反応は、通常、20〜200℃、好ましくは、50〜150℃の温度にて、攪拌しながら2〜50時間程度、通常は5〜24時間程度おこなえばよい。反応終了後、目的物質が結晶化して析出している場合は、得られた反応混合物を濾別して、次いで適当な有機溶剤、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトン、トルエン、ジオキサン、ヘキサンなどを用いて洗浄精製した後に、乾燥させることによって、目的のアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物を得ることができる。
【0014】
また目的物質が溶解している場合は、反応溶媒を濃縮して得られた粗物質を再沈殿或いは再結晶などで精製することによって、目的のアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物を得ることができる。
【0015】
本発明によるアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物は、上記一般式(2)
【化9】
(式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2 は炭素数5若しくは6のシクロアルキル基を示し、R3 はフェニル基を示し、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基を示し、mは0〜3の整数を示し、n及びkはそれぞれ、0〜2の整数を示し、m+n+k≦3であり、Xは2価の有機基である。)で表わされる。
【0016】
上記一般式(2)において、Xは、2価の有機基であれば特に限定されないが、例えば、前記ジアミン化合物(A)のアミノ基を除いた残基を構造としてもつものが好ましい。
【0017】
上記の一般式(2)で表されるアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の具体例としては、下記の構造式(6)および(7)で表される化合物が挙げられる。
【化10】
【0018】
【実施例】
以下に実施例を挙げて以下に本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
撹拌装置と加熱装置が付いた500ミリリットル四つ口フラスコに、4、4´−ジアミノジフェニルメタン9.9g(0.05モル)と化学式(5)
【化11】
であらわされるアルデヒド基含有ビスフェノ−ル化合物(旭有機材株式会社製:製品名BIS25X−DF)28.4g(0.1モル)とイソプロピルアルコール200gを仕込み、窒素ガスを流しながら、還流状態まで加熱して、20時間撹拌を続けた。反応終了後、イソプロピルアルコールをエバポレーターで蒸留除去して黒色結晶を得た。その結晶を再結晶することにより下記一般式(6)で表される化合物28.9gを得た。元素分析はC%;H%;N%=80.78;6.62;3.79(理論値 80.52;6.89;3.83)と良好な一致を示した。赤外吸収スペクトル(KBr)は、1615cm-1付近にアゾメチン基特有なピークと3200〜3500cm-1付近に水酸基特有なピークが観察された。また重量分析値もM+=730を示し理論値と一致した。
【化12】
実施例2
4、4´−ジアミノジフェニルメタンを1、5−ジアミノナフタレン7.9g(0.05モル)に代えた以外は、実施例1と同様にして下記一般式(7)で表される化合物24.8gを得た。元素分析はC%;H%;N%=80.12;6.60;4.00(理論値 79.97;6.71;4.05)と良好な一致を示した。赤外吸収スペクトル(KBr)は、1619cm-1付近にアゾメチン基特有なピークと3200〜3500cm-1付近に水酸基特有なピークが観察された。また重量分析値もM+=690を示し理論値と一致した。
【化13】
【0019】
【発明の効果】
本発明による新規なアゾメチン骨格含有の新規4官能フェノール化合物は、分子中に窒素原子を有し、優れた耐熱性を有する。
Claims (3)
- ジアミン化合物(A)とカルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)を反応させるアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造方法であって、
ジアミン化合物(A)が芳香族ジアミン化合物であり、カルボニル基含有多価フェノ−ル化合物(B)が一般式(1)
で表される化合物であることを特徴とするアゾメチン基含有多価フェノ−ル化合物の製造方法。 - 一般式(2)中のR1がメチル基であり、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはフェニル基である請求項2記載のアゾメチン基含有4価フェノ−ル化合物。
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DE19813979A1 (de) * | 1998-03-28 | 1999-09-30 | Univ Schiller Jena | Verfahren zum Nachweis von Wasserstoffperoxid, wasserstoffperoxidbildenden Systemen, Peroxidasen und Oxidasen bzw. peroxidatisch wirksamen Substanzen |
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