JP2004238412A - 熱硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】残存水分や部分重合物の含有量を抑制することができ、高収率で、優れた耐熱性、機械的特性を有するオキサジン系熱硬化性樹脂を製造する。
【解決手段】a)多価フェノール化合物又は多価ナフトール化合物、b)パラホルムアルデヒド、及びc)アニリン又は置換アニリンからなる反応原料を有機溶剤中で反応させて多価のオキサジン化合物及びその部分重合物からなる熱硬化性樹脂を製造するに当たり、前記反応原料を、トルエン又はキシレンを20〜80重量%含有する有機溶剤中で、原料濃度が20〜60重量%となる範囲の濃度で、140℃以下の温度で反応を行い、反応溶液中の水分をトルエン又はキシレン溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】a)多価フェノール化合物又は多価ナフトール化合物、b)パラホルムアルデヒド、及びc)アニリン又は置換アニリンからなる反応原料を有機溶剤中で反応させて多価のオキサジン化合物及びその部分重合物からなる熱硬化性樹脂を製造するに当たり、前記反応原料を、トルエン又はキシレンを20〜80重量%含有する有機溶剤中で、原料濃度が20〜60重量%となる範囲の濃度で、140℃以下の温度で反応を行い、反応溶液中の水分をトルエン又はキシレン溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性に優れた多価オキサジン構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多価フェノール性化合物、アルデヒド類及び一級アミン類からなる反応原料を反応させて得られる多価オキサジン化合物又は樹脂は、加熱することにより分子内のオキサジン環の開裂反応と付加反応が起こり、分子間架橋が発生して架橋構造が形成され、これが耐熱性に優れた硬化オキサジン樹脂となることが知られている(特開昭49−47378号公報、独国特許2217099号公報、独国特許2613339号公報等)。
【0003】
多価オキサジン系樹脂は、多価オキサジン化合物のみからなる場合もあるが、未反応物や多価オキサジン化合物の部分重合物や反応で副生する少量の成分を含むことが多い。多価オキサジン化合物又は多価オキサジン系樹脂の製造方法としては、上記原料を使用し、反応溶剤として1,4−ジオキサンを用いた合成方法が知られている(Journal of Polymer Science, Polyner Chemistry, Vol.32, p1121−1129(1994); Polymer Physics, Vol.32, 921−927 (1994))。また、多価オキサジン化合物を合成する際に、溶剤を使用せず無溶剤反応により製造する方法も報告されている(WO95/31447号公報)。また、このようにして得られた反応粗製物を再結晶するか又はジメチルエーテルに溶解して水洗などにより精製した後、溶剤や水分の除去を行うことも知られている(米国特許明細書第5543516号)。
【0004】
また、多価フェノール性化合物、ホルマリン化合物及び一級アミン類を反応原料として反応させた後、減圧条件下で、揮発成分の除去を行うことも報告されている(特開平11−80299号公報)。更に、ジエチレングリコールジメチルエーテルを溶剤に用いることにより、脱溶剤が容易で、残存原料及びオキサジンの重合物の生成量を低く抑えることができ、オキサジン系樹脂の製造が容易となることが報告されている(特開平11−209453号公報)。
【0005】
そして、反応原料である多価フェノール性化合物、一級アミン類及びアルデヒド類の種類を変えることにより、種々の構造を有する多価オキサジン化合物又はこれを主成分とする樹脂が合成できることは上記文献から明らかである。すなわち、多価フェノール性化合物のOH基からのOと、一級アミン類(R1NH2)からのNと、アルデヒド類(R2CHO)からのCとが、環構成単位の−O−C−N−C−を作り、これが多価フェノール性化合物のベンゼン環又はナフタレン環等と縮合してオキサジン環を形成するという反応機構が知られている。そして、環構成単位の−O−C−N−C−のCにはR2が置換し、NにはR1が置換したものが得られる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭49−47378号公報
【特許文献2】
独国特許2217099号公報
【特許文献3】
独国特許2613339号公報
【特許文献4】
WO95/31447号公報
【特許文献5】
米国特許明細書第5543516号
【特許文献6】
特開平11−80299号公報
【特許文献7】
特開平11−209453号公報
【非特許文献1】
Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry, Vol.32, p1121−1129(1994)
【非特許文献2】
Polymer Physics, Vol.32, 921−927 (1994)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法により得られた多価オキサジン化合物を主成分とする樹脂は、熱硬化させることにより、硬化物の成型体を得ることができる。しかしながら、従来の方法では、反応生成物中には、主成分である多価オキサジン化合物の他に、出発物質、部分反応物、部分重合物を多く含有するため硬化物として充分な特性が得られなかった。また、従来の製造方法では、水分や反応溶剤等が完全には除去されにくく、そのまま熱硬化性樹脂原料として使用した場合、充分な硬化物特性が得られないだけでなく、成型工程で水分や残存溶剤の揮発が起こり、硬化樹脂の性能の低下をもたらすものであった。再結晶などの精製を行うことによりこれらの問題を解決することも可能であるが、不純物が多量であると精製歩留りが低下する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類及びc)一級アミン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20重量%以上含有する有機溶剤中で、140℃以下の温度で反応を行い、反応生成水をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法である。
また、本発明は、a)多価フェノール及び多価ナフトールから選択される1種以上の多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類、並びにc)アニリン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20〜80重量%含有する有機溶剤中で、前記反応原料の初期の濃度が20〜60重量%となる範囲の濃度で、140℃以下の温度で反応を行い、反応溶液中の水分をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法である。
【0009】
ここで、有機溶剤中に、ジオキサン、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される1種以上のエーテル系溶剤又はアミド系溶剤を全溶剤量の80〜20重量%含有すること、又は、上記多価オキサジン化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物であることは好ましい態様である。
【0010】
【化4】
【化5】
【化6】
(式(1)〜(3)中、R1は炭素数1〜10の有機基、R2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、Yは存在しないか、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、−CO−、−O−、−S−、−SO2−又は−C(CF3)2−のいずれかを示し、R3は炭素数1〜20の2価の炭化水素を示し、nは1〜10の整数を示す)
【0011】
本発明の製造方法に用いられる反応原料は、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類及びc)一級アミン類である。
多価フェノール性化合物としては、2以上のOH基を有し、且つ、OH基に対し少なくとも一つのオルソ位に置換基を有しない化合物であれば、公知の化合物、例えばオルソ位の少なくとも一方に水素が結合している多官能フェノール又はナフトール類、ビスフェノール類又はビスナフトール類、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのトリスフェノール類又はトリスナフトール類等が挙げられる。好ましくは、HO−Ar−OH(但し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環)、HO−Ar−Y−Ar−OH(但し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環、Yは炭素数1〜12の2価の炭化水素基、−CO−、−O−、−S−、−SO2−又は−C(CF3)2−等)やノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。置換基としてはハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。具体的には、好ましくは、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ヘキサフルオロビスフェノールA、ビスナフトールA、フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0012】
アルデヒド類としては、R2−CHO(但し、R2は水素又は1価の脂肪族、芳香族基等の有機基)で表される化合物が使用できるが、R2は水素又は炭素数1〜12、好ましくは1〜6の低級アルキル基が好ましく例示される。より好ましくは、ホルムアルデヒドであり、ホルムアルデヒドはパラホルムアルデヒドとして使用することが有利である。ホルマリン水溶液として使用することも可能であるが、反応中に留出させる水の量が増える。
【0013】
一級アミン類としては、R1−NH2(但し、R1はアルキル基、芳香族基等の1価の有機基)で表される化合物が使用できるが、R1は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の低級アルキル基、フェニル、置換フェニル基が好ましく例示される。具体的には、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイジン、アニシジン等の芳香族アミンが挙げられるが、より好ましくはアニリン、メチルアニリン等の炭素数1〜6の低級アルキル基が置換したアルキルアニリン等のアニリン類である。
【0014】
前記多価フェノール性化合物、アルデヒド類及び一級アミン類は、それぞれ1種類あるいは2種類以上を用いることもできる。
前記反応原料の使用割合は、反応量論的には、多価フェノール性化合物のフェノール性水酸基1.0モル当たり、一級アミン類1.0モル、アルデヒド類2.0モルの割合であるが、フェノール性水酸基1.0モル当たり、一級アミン類0.8〜1.5倍モル、アルデヒド類1.8〜3.0倍モル、好ましくは一級アミン1.0〜1.2倍モル、アルデヒド2.0〜3.0倍モルである。フェノール性水酸基に対し、一級アミン類及びアルデヒド類を必要モル量又は過剰量に用いることにより、多価フェノール性化合物からなる未反応不純物及びこれから生じる反応中間物の生成を抑制することができる。
【0015】
反応はメチルベンゼン系溶剤(トルエン、キシレン又は両者を意味する)を20重量%以上含む有機溶剤中で行う。メチルベンゼン系溶剤は、反応中に発生する水分を共沸混合物として反応系外に除去するに足る量であることが好ましい。したがって、有機溶媒の使用量は、初期の反応原料濃度が20〜60重量%となる量であることが好ましい。また、反応原料中に水分が含まれる場合は、メチルベンゼン系溶剤の量をこれに応じて増やすことが望ましい。
反応の進行につれて原料が減少し、副生水が発生し、これがメチルベンゼン系溶剤と共に留出して、有機溶剤量も減少するが、初期の反応原料濃度及び有機溶剤中のメチルベンゼン系溶剤の濃度を上記範囲内とすれば、追加の供給等の必要はない。しかし、反応の途中に、反応原料、メチルベンゼン系溶剤等を必用により追加することは差し支えない。
【0016】
有機溶剤はメチルベンゼン系溶剤だけであってもよいが、反応原料に対して溶解性が優れる他の有機溶剤と併用することが好ましい。好ましい他の有機溶剤としては、メチルベンゼン系溶剤より反応原料に対して溶解性が優れること、メチルベンゼン系溶剤と水の共沸温度より高い沸点又は共沸温度を有することなどの性能を有する公知の有機溶剤がある。好ましくは、ジオキサン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンのいずれかのエーテル系溶剤又はアミド系溶剤が挙げられる。この他の有機溶剤の使用量は全有機溶剤の80〜20重量%の範囲であることがよい。この濃度範囲とすれば、有機溶剤中に生成物である多価オキサジン樹脂が溶解した均一な樹脂溶液を得ることができる。
【0017】
ジオキサンやジグライムは、エポキシ樹脂の溶解性に優れるため、反応後の溶液をそのまま用いてエポキシ樹脂と複合することも可能である。また、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンは、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミック酸又はポリイミドの溶解性に優れるため、反応後の溶液をそのまま用いてエポキシ樹脂と複合することも可能である。また、メタノールのようなプロトン性の溶剤はオキサジン樹脂の溶解性に劣るが、上記溶剤は、これらと混合が可能で、オキサジン樹脂を再沈殿させて精製する際にも有利である。
【0018】
反応温度は、140℃以下、好ましくは60〜140℃の範囲とする。残存未反応原料を少なくし、副生成物である部分開環重合物を20%以下に抑えるためには、メチルベンゼン系溶剤としてトルエンを用いて80〜120℃の温度範囲で製造することが更に好適である。これは、低温では原料の溶解性が悪く、反応も遅くなり、熱硬化性樹脂の収率が悪くなるためであり、高温では生成した熱硬化性樹脂の部分重合物が多く生じるためである。
【0019】
本発明の製造方法では、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類、c)一級アミン類の三種類の原料を反応溶剤中に順次添加し、均一に混合溶解した後、加熱条件下で反応させる方法、あるいは、b)とc)をあらかじめ反応させた後、a)を添加し、加熱条件下で反応させる方法、又は、a)とb)をあらかじめ攪拌混合させた後、c)を添加して加熱条件下で反応させる方法などいずれの方法も用いることができる。
【0020】
反応形式には水分を共沸蒸留により留出させる以外は制限はないが、共沸混合物として水分を反応系外に効率よく除去する目的で、Dean−Schtark型の水分除去装置を設け、反応系内に窒素を導入し、窒素気流下で反応することが好ましい。また、上記反応が完了したのち、水分がなお残存する場合は、水分除去装置を取り付け、メチルベンゼン系溶剤を混合し、トルエン又はキシレンと水の共沸混合物として残存水分除去を行うこともよい。共沸混合物として水分除去を行いながら反応を進行させる方法と、反応中の水分除去は一部にとどめ、反応終了後に残存水分除去を行う方法とがあるが、適宜選択して採用することができる。
【0021】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂は、多価オキサジン化合物を主成分とするオキサジン樹脂である。この熱硬化性樹脂は、多価オキサジン化合物が部分的に重合した部分重合物を20wt%を超えて含まないことがよい。熱硬化性樹脂の物性及び反応効率の点からは部分重合物を1〜15wt%程度含むことがよい。部分重合物の含有量を低下させるには、反応温度を下げることなどの方法があるが、反応温度を低下させ過ぎると反応が十分に進行しないので、上記の温度範囲内で調整する。
【0022】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂の主成分である多価オキサジン化合物としては、前記一般式(1)〜(3)で示されるものが好ましく挙げられる。この一般式から、これを主成分とする熱硬化性樹脂の反応原料は、前記説明から容易に理解される。
すなわち、一般式(1)〜(3)で、R1は一級アミン類から、R2はアルデヒド類から持ち込まれる1価の基であり、先に説明したような基である。R1は、炭素数1〜10の有機基であるが、好ましくはアルキル基、フェニル基、置換フェニル基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、好ましくは水素原子又はアルキル基である。Yは存在しないか、2価の基であるが、実用上、−C(CH3)2−、−CO−、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CF3)2−で表される基が好ましい。R3はメチレン基又はp−キシリレン基、ジメチレンビフェニレン基又はジメチレンナフチレン基等の2価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。
【0023】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂の主成分である多価オキサジン化合物としては、具体的には、次のような化合物が例示される。しかし、これらに限定されることなく、多価フェノール性化合物等の原料を選択したり、1種又は2種以上を使用したりして各種の化合物を製造することができる。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
また、反応原料の多価フェノール性化合物として多価ナフトールを使用することによりジヒドロナフトキサジン環を有する多価オキサジン化合物を得ることができる。反応原料の多価フェノール性化合物として多価ナフトールと共に多価フェノールを使用することにより混合樹脂を製造することもできる。ジヒドロナフトキサジン環を有する多価オキサジンとしては、具体的には、次のような樹脂が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
また、フェノール樹脂を多価フェノール性樹脂として反応原料として使用する場合、フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種類あるいは2種類以上を用いて製造することもできる。これから得られる多価オキサジン化合物としては、具体的には、次のような化合物が例示される。しかし、これらに限定されることなく、相当するフェノール化合物原料を1種又は2種以上を用いて製造することができる。
【0033】
【化14】
【0034】
本発明で製造される熱硬化性樹脂は、上記式で表されるような化合物のみからなるものであってもよく、その部分重合物あるいは、BXZ樹脂の製造の際、副生する少量の不純物、部分開環物、未反応物等を含み得る。しかし、これらの合計の含有率が生成物全体の20重量%以下であることが望ましい。しかしながら、1重量%未満としても樹脂物性には悪影響があまり生じないので、1〜15重量%の範囲とすることが有利である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の樹脂の略号は、本発明の説明の項に記載した略号に対応する。その他の略号は以下のものを意味する。また、実施例及び比較例における数値はモル%を示し、表中に示した収率は原料の多価フェノール性化合物を基準とするものである。
【0036】
T:トルエン
X:キシレン(混合キシレン)
14D: 1,4−ジオキサン
DEM:ジエチレングリコールジメチルエーテル
DEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DMF:N, N−ジメチルホルムアミド
DMAc:N, N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
A:アニリン
FA:ホルムアルデヒド水溶液(ホルムアルデヒド含有量;37重量%)
PFA:パラホルムアルデヒド
BPA:ビスフェノールA
BPF:ビスフェノールF
BPS:ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
BSO:ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン
BCF:ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
15N:1,5−ナフタレンジオール
【0037】
PN1:フェノール樹脂(OH当量=200g/eq.)
【化15】
PN2:フェノール樹脂(OH当量=175g/eq.)
【化16】
【0038】
実施例1
Dean−Stark型脱水冷却装置、撹拌翼を取り付けた1LのセパラブルフラスコにN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)100gとトルエン(T)100gを入れ、室温(20℃〜30℃)に温度を保ち、ビスフェノールA(BPA)22.8g(0.1モル)、パラホルムアルデヒド(PFA)12.0g(0.4モル)、アニリン(A)18.6g(0.2モル)を投入した後、混合攪拌を1時間行った。窒素気流下で、トルエン還流が起こるまで温度を徐々に上昇させ、約110℃で、5時間反応を行った。この間に、オキサジン樹脂の生成反応により生成する水分や原料中に含まれていた水分は、トルエン/水の共沸混合物として、反応系から水分受器中に除去した。脱水が終了した後、更に、1時間撹拌を行い反応を終了させた。得られた反応溶液の溶媒をエバポレータにて真空除去することにより、生成物である(ii)を主とする樹脂(I)51.2gを得ることができた。
【0039】
生成物を塩化メチレン200mlに溶解した後、分液ロートを用いて、10重量% NaOH水溶液100mlで3回、水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム50gにて脱水した。塩化メチレンに溶解した層を取り出した後、溶媒を真空除去することにより、フェノール性水酸基を有する未反応物、部分反応物及び開環重合物を除去することができる。溶剤を除去した後、48.8gのオキサジン化合物からなる樹脂(II)が得られた。
オキサジン樹脂の純度、すなわちオキサジン化合物の含有率(重量%)は、100×[ (II)g] /[ (I)g]の式で計算すると、95%である。
また、このような方法により製造した樹脂中に含まれる水分量をカールフィッシャー水分測定装置を用いて測定を行った結果、樹脂(I)中に含まれる水分量は、0.12重量%であった。
【0040】
実施例2
実施例1と同様の水分除去装置を付設した反応装置を用いて、NMP100mlとトルエン100mlを反応溶剤として用いて、アニリン18.4g(0.2モル)及びBPFを20.0g(0.1モル)を中に溶解し、ホルムアルデヒド液(37%水溶液)32.4g(0.4モル相当量)を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、を加え、撹拌下、トルエン還流下で、5時間反応させた。これにより、反応により生成する水分及び原料中に含まれていた水分は水分受器中に除去された。反応終了後、溶媒を真空除去し、オキサジン化合物(vi)を主成分とする樹脂44.5gを得た。溶剤を真空除去した後、実施例1と同様の方法により処理した後、オキサジン化合物の純度を求めたところ、92重量%、樹脂中の水分量0.11重量%であった。
【0041】
実施例3〜実施例10
実施例1及び2と同様な方法により、オキサジン樹脂の合成を行い、オキサジン化合物の含有率を求めた。原料、反応条件及びオキサジン化合物の含有率(純度)を表1に示した。
【0042】
比較例1
1Lのセパラブルフラスコに1,4−ジオキサン(14D)200gを入れ、室温(20℃〜30℃)に温度を保ち、ビスフェノールA(0.1モル)22.8g、パラホルムアルデヒド(0.4モル)12.0g、アニリン(0.2モル)18.6gを投入した後、混合攪拌を1時間行った。窒素気流下で、110℃まで温度を徐々に上昇させ、6時間反応を行った。反応が終了した後、得られた反応溶液の溶媒を真空除去をすることにより、樹脂50.3gを得ることができた。その際、途中水分層と有機層の二層に分離し、これらの除去の際発泡や飛散が起こった。
生成物の分析は、実施例1と同様の方法を用いて行い、フェノール性水酸基を有する不純物を除去した後の樹脂(II)収量は、44.2gであった。
【0043】
比較例2〜5
比較例1と同様の方法を用いてオキサジン樹脂の合成を行い、オキサジン化合物の含有率を求めた。原料、反応条件及びオキサジン樹脂中のオキサジン化合物の含有率(純度)、収量及び水分含有率を表1に示した。
なお、この実施例及び比較例で得られる目的樹脂は、上記オキサジン樹脂であるが、これを精製して得られる樹脂又はオキサジン化合物も、本発明の製造方法を経由する場合は、本発明で得られる樹脂の一態様である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂の製造方法によれば、オキサジン系樹脂を、従来の製造方法に比べ、残存水分や部分重合物の含有量を抑制することができ、高収率で、製造することができる。得られたオキサジン系樹脂は、格別な精製又は高度の精製をしなくとも優れた耐熱性、機械的特性を有する熱硬化性樹脂となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性に優れた多価オキサジン構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、多価フェノール性化合物、アルデヒド類及び一級アミン類からなる反応原料を反応させて得られる多価オキサジン化合物又は樹脂は、加熱することにより分子内のオキサジン環の開裂反応と付加反応が起こり、分子間架橋が発生して架橋構造が形成され、これが耐熱性に優れた硬化オキサジン樹脂となることが知られている(特開昭49−47378号公報、独国特許2217099号公報、独国特許2613339号公報等)。
【0003】
多価オキサジン系樹脂は、多価オキサジン化合物のみからなる場合もあるが、未反応物や多価オキサジン化合物の部分重合物や反応で副生する少量の成分を含むことが多い。多価オキサジン化合物又は多価オキサジン系樹脂の製造方法としては、上記原料を使用し、反応溶剤として1,4−ジオキサンを用いた合成方法が知られている(Journal of Polymer Science, Polyner Chemistry, Vol.32, p1121−1129(1994); Polymer Physics, Vol.32, 921−927 (1994))。また、多価オキサジン化合物を合成する際に、溶剤を使用せず無溶剤反応により製造する方法も報告されている(WO95/31447号公報)。また、このようにして得られた反応粗製物を再結晶するか又はジメチルエーテルに溶解して水洗などにより精製した後、溶剤や水分の除去を行うことも知られている(米国特許明細書第5543516号)。
【0004】
また、多価フェノール性化合物、ホルマリン化合物及び一級アミン類を反応原料として反応させた後、減圧条件下で、揮発成分の除去を行うことも報告されている(特開平11−80299号公報)。更に、ジエチレングリコールジメチルエーテルを溶剤に用いることにより、脱溶剤が容易で、残存原料及びオキサジンの重合物の生成量を低く抑えることができ、オキサジン系樹脂の製造が容易となることが報告されている(特開平11−209453号公報)。
【0005】
そして、反応原料である多価フェノール性化合物、一級アミン類及びアルデヒド類の種類を変えることにより、種々の構造を有する多価オキサジン化合物又はこれを主成分とする樹脂が合成できることは上記文献から明らかである。すなわち、多価フェノール性化合物のOH基からのOと、一級アミン類(R1NH2)からのNと、アルデヒド類(R2CHO)からのCとが、環構成単位の−O−C−N−C−を作り、これが多価フェノール性化合物のベンゼン環又はナフタレン環等と縮合してオキサジン環を形成するという反応機構が知られている。そして、環構成単位の−O−C−N−C−のCにはR2が置換し、NにはR1が置換したものが得られる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭49−47378号公報
【特許文献2】
独国特許2217099号公報
【特許文献3】
独国特許2613339号公報
【特許文献4】
WO95/31447号公報
【特許文献5】
米国特許明細書第5543516号
【特許文献6】
特開平11−80299号公報
【特許文献7】
特開平11−209453号公報
【非特許文献1】
Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry, Vol.32, p1121−1129(1994)
【非特許文献2】
Polymer Physics, Vol.32, 921−927 (1994)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法により得られた多価オキサジン化合物を主成分とする樹脂は、熱硬化させることにより、硬化物の成型体を得ることができる。しかしながら、従来の方法では、反応生成物中には、主成分である多価オキサジン化合物の他に、出発物質、部分反応物、部分重合物を多く含有するため硬化物として充分な特性が得られなかった。また、従来の製造方法では、水分や反応溶剤等が完全には除去されにくく、そのまま熱硬化性樹脂原料として使用した場合、充分な硬化物特性が得られないだけでなく、成型工程で水分や残存溶剤の揮発が起こり、硬化樹脂の性能の低下をもたらすものであった。再結晶などの精製を行うことによりこれらの問題を解決することも可能であるが、不純物が多量であると精製歩留りが低下する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類及びc)一級アミン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20重量%以上含有する有機溶剤中で、140℃以下の温度で反応を行い、反応生成水をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法である。
また、本発明は、a)多価フェノール及び多価ナフトールから選択される1種以上の多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類、並びにc)アニリン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20〜80重量%含有する有機溶剤中で、前記反応原料の初期の濃度が20〜60重量%となる範囲の濃度で、140℃以下の温度で反応を行い、反応溶液中の水分をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法である。
【0009】
ここで、有機溶剤中に、ジオキサン、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される1種以上のエーテル系溶剤又はアミド系溶剤を全溶剤量の80〜20重量%含有すること、又は、上記多価オキサジン化合物が、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物であることは好ましい態様である。
【0010】
【化4】
【化5】
【化6】
(式(1)〜(3)中、R1は炭素数1〜10の有機基、R2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、Yは存在しないか、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、−CO−、−O−、−S−、−SO2−又は−C(CF3)2−のいずれかを示し、R3は炭素数1〜20の2価の炭化水素を示し、nは1〜10の整数を示す)
【0011】
本発明の製造方法に用いられる反応原料は、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類及びc)一級アミン類である。
多価フェノール性化合物としては、2以上のOH基を有し、且つ、OH基に対し少なくとも一つのオルソ位に置換基を有しない化合物であれば、公知の化合物、例えばオルソ位の少なくとも一方に水素が結合している多官能フェノール又はナフトール類、ビスフェノール類又はビスナフトール類、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのトリスフェノール類又はトリスナフトール類等が挙げられる。好ましくは、HO−Ar−OH(但し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環)、HO−Ar−Y−Ar−OH(但し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環又はナフタレン環、Yは炭素数1〜12の2価の炭化水素基、−CO−、−O−、−S−、−SO2−又は−C(CF3)2−等)やノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。置換基としてはハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。具体的には、好ましくは、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ヘキサフルオロビスフェノールA、ビスナフトールA、フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0012】
アルデヒド類としては、R2−CHO(但し、R2は水素又は1価の脂肪族、芳香族基等の有機基)で表される化合物が使用できるが、R2は水素又は炭素数1〜12、好ましくは1〜6の低級アルキル基が好ましく例示される。より好ましくは、ホルムアルデヒドであり、ホルムアルデヒドはパラホルムアルデヒドとして使用することが有利である。ホルマリン水溶液として使用することも可能であるが、反応中に留出させる水の量が増える。
【0013】
一級アミン類としては、R1−NH2(但し、R1はアルキル基、芳香族基等の1価の有機基)で表される化合物が使用できるが、R1は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の低級アルキル基、フェニル、置換フェニル基が好ましく例示される。具体的には、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、トルイジン、アニシジン等の芳香族アミンが挙げられるが、より好ましくはアニリン、メチルアニリン等の炭素数1〜6の低級アルキル基が置換したアルキルアニリン等のアニリン類である。
【0014】
前記多価フェノール性化合物、アルデヒド類及び一級アミン類は、それぞれ1種類あるいは2種類以上を用いることもできる。
前記反応原料の使用割合は、反応量論的には、多価フェノール性化合物のフェノール性水酸基1.0モル当たり、一級アミン類1.0モル、アルデヒド類2.0モルの割合であるが、フェノール性水酸基1.0モル当たり、一級アミン類0.8〜1.5倍モル、アルデヒド類1.8〜3.0倍モル、好ましくは一級アミン1.0〜1.2倍モル、アルデヒド2.0〜3.0倍モルである。フェノール性水酸基に対し、一級アミン類及びアルデヒド類を必要モル量又は過剰量に用いることにより、多価フェノール性化合物からなる未反応不純物及びこれから生じる反応中間物の生成を抑制することができる。
【0015】
反応はメチルベンゼン系溶剤(トルエン、キシレン又は両者を意味する)を20重量%以上含む有機溶剤中で行う。メチルベンゼン系溶剤は、反応中に発生する水分を共沸混合物として反応系外に除去するに足る量であることが好ましい。したがって、有機溶媒の使用量は、初期の反応原料濃度が20〜60重量%となる量であることが好ましい。また、反応原料中に水分が含まれる場合は、メチルベンゼン系溶剤の量をこれに応じて増やすことが望ましい。
反応の進行につれて原料が減少し、副生水が発生し、これがメチルベンゼン系溶剤と共に留出して、有機溶剤量も減少するが、初期の反応原料濃度及び有機溶剤中のメチルベンゼン系溶剤の濃度を上記範囲内とすれば、追加の供給等の必要はない。しかし、反応の途中に、反応原料、メチルベンゼン系溶剤等を必用により追加することは差し支えない。
【0016】
有機溶剤はメチルベンゼン系溶剤だけであってもよいが、反応原料に対して溶解性が優れる他の有機溶剤と併用することが好ましい。好ましい他の有機溶剤としては、メチルベンゼン系溶剤より反応原料に対して溶解性が優れること、メチルベンゼン系溶剤と水の共沸温度より高い沸点又は共沸温度を有することなどの性能を有する公知の有機溶剤がある。好ましくは、ジオキサン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンのいずれかのエーテル系溶剤又はアミド系溶剤が挙げられる。この他の有機溶剤の使用量は全有機溶剤の80〜20重量%の範囲であることがよい。この濃度範囲とすれば、有機溶剤中に生成物である多価オキサジン樹脂が溶解した均一な樹脂溶液を得ることができる。
【0017】
ジオキサンやジグライムは、エポキシ樹脂の溶解性に優れるため、反応後の溶液をそのまま用いてエポキシ樹脂と複合することも可能である。また、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンは、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミック酸又はポリイミドの溶解性に優れるため、反応後の溶液をそのまま用いてエポキシ樹脂と複合することも可能である。また、メタノールのようなプロトン性の溶剤はオキサジン樹脂の溶解性に劣るが、上記溶剤は、これらと混合が可能で、オキサジン樹脂を再沈殿させて精製する際にも有利である。
【0018】
反応温度は、140℃以下、好ましくは60〜140℃の範囲とする。残存未反応原料を少なくし、副生成物である部分開環重合物を20%以下に抑えるためには、メチルベンゼン系溶剤としてトルエンを用いて80〜120℃の温度範囲で製造することが更に好適である。これは、低温では原料の溶解性が悪く、反応も遅くなり、熱硬化性樹脂の収率が悪くなるためであり、高温では生成した熱硬化性樹脂の部分重合物が多く生じるためである。
【0019】
本発明の製造方法では、a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類、c)一級アミン類の三種類の原料を反応溶剤中に順次添加し、均一に混合溶解した後、加熱条件下で反応させる方法、あるいは、b)とc)をあらかじめ反応させた後、a)を添加し、加熱条件下で反応させる方法、又は、a)とb)をあらかじめ攪拌混合させた後、c)を添加して加熱条件下で反応させる方法などいずれの方法も用いることができる。
【0020】
反応形式には水分を共沸蒸留により留出させる以外は制限はないが、共沸混合物として水分を反応系外に効率よく除去する目的で、Dean−Schtark型の水分除去装置を設け、反応系内に窒素を導入し、窒素気流下で反応することが好ましい。また、上記反応が完了したのち、水分がなお残存する場合は、水分除去装置を取り付け、メチルベンゼン系溶剤を混合し、トルエン又はキシレンと水の共沸混合物として残存水分除去を行うこともよい。共沸混合物として水分除去を行いながら反応を進行させる方法と、反応中の水分除去は一部にとどめ、反応終了後に残存水分除去を行う方法とがあるが、適宜選択して採用することができる。
【0021】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂は、多価オキサジン化合物を主成分とするオキサジン樹脂である。この熱硬化性樹脂は、多価オキサジン化合物が部分的に重合した部分重合物を20wt%を超えて含まないことがよい。熱硬化性樹脂の物性及び反応効率の点からは部分重合物を1〜15wt%程度含むことがよい。部分重合物の含有量を低下させるには、反応温度を下げることなどの方法があるが、反応温度を低下させ過ぎると反応が十分に進行しないので、上記の温度範囲内で調整する。
【0022】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂の主成分である多価オキサジン化合物としては、前記一般式(1)〜(3)で示されるものが好ましく挙げられる。この一般式から、これを主成分とする熱硬化性樹脂の反応原料は、前記説明から容易に理解される。
すなわち、一般式(1)〜(3)で、R1は一級アミン類から、R2はアルデヒド類から持ち込まれる1価の基であり、先に説明したような基である。R1は、炭素数1〜10の有機基であるが、好ましくはアルキル基、フェニル基、置換フェニル基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、好ましくは水素原子又はアルキル基である。Yは存在しないか、2価の基であるが、実用上、−C(CH3)2−、−CO−、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CF3)2−で表される基が好ましい。R3はメチレン基又はp−キシリレン基、ジメチレンビフェニレン基又はジメチレンナフチレン基等の2価の基を示し、nは1〜10の整数を示す。
【0023】
本発明の製造方法で得られる熱硬化性樹脂の主成分である多価オキサジン化合物としては、具体的には、次のような化合物が例示される。しかし、これらに限定されることなく、多価フェノール性化合物等の原料を選択したり、1種又は2種以上を使用したりして各種の化合物を製造することができる。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
また、反応原料の多価フェノール性化合物として多価ナフトールを使用することによりジヒドロナフトキサジン環を有する多価オキサジン化合物を得ることができる。反応原料の多価フェノール性化合物として多価ナフトールと共に多価フェノールを使用することにより混合樹脂を製造することもできる。ジヒドロナフトキサジン環を有する多価オキサジンとしては、具体的には、次のような樹脂が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
また、フェノール樹脂を多価フェノール性樹脂として反応原料として使用する場合、フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種類あるいは2種類以上を用いて製造することもできる。これから得られる多価オキサジン化合物としては、具体的には、次のような化合物が例示される。しかし、これらに限定されることなく、相当するフェノール化合物原料を1種又は2種以上を用いて製造することができる。
【0033】
【化14】
【0034】
本発明で製造される熱硬化性樹脂は、上記式で表されるような化合物のみからなるものであってもよく、その部分重合物あるいは、BXZ樹脂の製造の際、副生する少量の不純物、部分開環物、未反応物等を含み得る。しかし、これらの合計の含有率が生成物全体の20重量%以下であることが望ましい。しかしながら、1重量%未満としても樹脂物性には悪影響があまり生じないので、1〜15重量%の範囲とすることが有利である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の樹脂の略号は、本発明の説明の項に記載した略号に対応する。その他の略号は以下のものを意味する。また、実施例及び比較例における数値はモル%を示し、表中に示した収率は原料の多価フェノール性化合物を基準とするものである。
【0036】
T:トルエン
X:キシレン(混合キシレン)
14D: 1,4−ジオキサン
DEM:ジエチレングリコールジメチルエーテル
DEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DMF:N, N−ジメチルホルムアミド
DMAc:N, N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
A:アニリン
FA:ホルムアルデヒド水溶液(ホルムアルデヒド含有量;37重量%)
PFA:パラホルムアルデヒド
BPA:ビスフェノールA
BPF:ビスフェノールF
BPS:ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
BSO:ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン
BCF:ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
15N:1,5−ナフタレンジオール
【0037】
PN1:フェノール樹脂(OH当量=200g/eq.)
【化15】
PN2:フェノール樹脂(OH当量=175g/eq.)
【化16】
【0038】
実施例1
Dean−Stark型脱水冷却装置、撹拌翼を取り付けた1LのセパラブルフラスコにN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)100gとトルエン(T)100gを入れ、室温(20℃〜30℃)に温度を保ち、ビスフェノールA(BPA)22.8g(0.1モル)、パラホルムアルデヒド(PFA)12.0g(0.4モル)、アニリン(A)18.6g(0.2モル)を投入した後、混合攪拌を1時間行った。窒素気流下で、トルエン還流が起こるまで温度を徐々に上昇させ、約110℃で、5時間反応を行った。この間に、オキサジン樹脂の生成反応により生成する水分や原料中に含まれていた水分は、トルエン/水の共沸混合物として、反応系から水分受器中に除去した。脱水が終了した後、更に、1時間撹拌を行い反応を終了させた。得られた反応溶液の溶媒をエバポレータにて真空除去することにより、生成物である(ii)を主とする樹脂(I)51.2gを得ることができた。
【0039】
生成物を塩化メチレン200mlに溶解した後、分液ロートを用いて、10重量% NaOH水溶液100mlで3回、水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム50gにて脱水した。塩化メチレンに溶解した層を取り出した後、溶媒を真空除去することにより、フェノール性水酸基を有する未反応物、部分反応物及び開環重合物を除去することができる。溶剤を除去した後、48.8gのオキサジン化合物からなる樹脂(II)が得られた。
オキサジン樹脂の純度、すなわちオキサジン化合物の含有率(重量%)は、100×[ (II)g] /[ (I)g]の式で計算すると、95%である。
また、このような方法により製造した樹脂中に含まれる水分量をカールフィッシャー水分測定装置を用いて測定を行った結果、樹脂(I)中に含まれる水分量は、0.12重量%であった。
【0040】
実施例2
実施例1と同様の水分除去装置を付設した反応装置を用いて、NMP100mlとトルエン100mlを反応溶剤として用いて、アニリン18.4g(0.2モル)及びBPFを20.0g(0.1モル)を中に溶解し、ホルムアルデヒド液(37%水溶液)32.4g(0.4モル相当量)を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、を加え、撹拌下、トルエン還流下で、5時間反応させた。これにより、反応により生成する水分及び原料中に含まれていた水分は水分受器中に除去された。反応終了後、溶媒を真空除去し、オキサジン化合物(vi)を主成分とする樹脂44.5gを得た。溶剤を真空除去した後、実施例1と同様の方法により処理した後、オキサジン化合物の純度を求めたところ、92重量%、樹脂中の水分量0.11重量%であった。
【0041】
実施例3〜実施例10
実施例1及び2と同様な方法により、オキサジン樹脂の合成を行い、オキサジン化合物の含有率を求めた。原料、反応条件及びオキサジン化合物の含有率(純度)を表1に示した。
【0042】
比較例1
1Lのセパラブルフラスコに1,4−ジオキサン(14D)200gを入れ、室温(20℃〜30℃)に温度を保ち、ビスフェノールA(0.1モル)22.8g、パラホルムアルデヒド(0.4モル)12.0g、アニリン(0.2モル)18.6gを投入した後、混合攪拌を1時間行った。窒素気流下で、110℃まで温度を徐々に上昇させ、6時間反応を行った。反応が終了した後、得られた反応溶液の溶媒を真空除去をすることにより、樹脂50.3gを得ることができた。その際、途中水分層と有機層の二層に分離し、これらの除去の際発泡や飛散が起こった。
生成物の分析は、実施例1と同様の方法を用いて行い、フェノール性水酸基を有する不純物を除去した後の樹脂(II)収量は、44.2gであった。
【0043】
比較例2〜5
比較例1と同様の方法を用いてオキサジン樹脂の合成を行い、オキサジン化合物の含有率を求めた。原料、反応条件及びオキサジン樹脂中のオキサジン化合物の含有率(純度)、収量及び水分含有率を表1に示した。
なお、この実施例及び比較例で得られる目的樹脂は、上記オキサジン樹脂であるが、これを精製して得られる樹脂又はオキサジン化合物も、本発明の製造方法を経由する場合は、本発明で得られる樹脂の一態様である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂の製造方法によれば、オキサジン系樹脂を、従来の製造方法に比べ、残存水分や部分重合物の含有量を抑制することができ、高収率で、製造することができる。得られたオキサジン系樹脂は、格別な精製又は高度の精製をしなくとも優れた耐熱性、機械的特性を有する熱硬化性樹脂となる。
Claims (4)
- a)多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類及びc)一級アミン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20重量%以上含有する有機溶剤中で、140℃以下の温度で反応を行い、反応生成水をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法。
- a)多価フェノール及び多価ナフトールから選択される1種以上の多価フェノール性化合物、b)アルデヒド類、並びにc)アニリン類からなる反応原料を、有機溶剤中で反応させて多価オキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を製造するに当たり、トルエン及びキシレンから選択される1種以上のメチルベンゼン系溶剤を全溶剤量の20〜80重量%含有する有機溶剤中で、前記反応原料の初期の濃度が20〜60重量%となる範囲の濃度で、140℃以下の温度で反応を行い、反応溶液中の水分をメチルベンゼン系溶剤と伴に共沸混合物として反応系外に留出させることを特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法。
- 有機溶剤中に、ジオキサン、ジグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される1種以上のエーテル系溶剤又はアミド系溶剤を全溶剤量の80〜20重量%含有する請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂の製造方法。
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