JP2009084439A - ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】全ての原料を、室温下で、一括して溶媒に添加でき、かつ、製造反応中に反応溶液のゲル化や反応生成物の不溶化が生じることもなく、さらに、製造時のハンドリング性が良好であり、製造プロセスが容易であると共に、反応溶液を洗浄する工程においてハンドリング性のよい、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、(1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、
(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法、に係る。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、(1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、
(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法、に係る。
【選択図】なし
Description
本発明は、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法に関する。
ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂は、誘電率が低い、硬化収縮が小さい、分子設計の自由度が高い等、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の他の樹脂には見られない優れた特性を有する熱硬化性樹脂であることが知られている。
近年、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を効率的に製造するべく、その製造方法について技術的検討がなされてきている。該製造方法においては、1)反応制御による反応溶液のゲル化・反応生成物の不溶化の防止、及び、2)製造プロセスの容易化が技術的ポイントになる。
近年、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を効率的に製造するべく、その製造方法について技術的検討がなされてきている。該製造方法においては、1)反応制御による反応溶液のゲル化・反応生成物の不溶化の防止、及び、2)製造プロセスの容易化が技術的ポイントになる。
特許文献1では、フェノール類、パラホルムアルデヒド及びモノアミン類を、アルコール系溶剤中で反応させる方法が開示されている。しかしながら、この方法においては、合成時の発熱による反応の急激な進行、そして、それに伴う反応生成物の分子量の急激な増加の結果としての反応溶液のゲル化・反応生成物の不溶化を抑えるために、予め、アルコール系溶剤の中に、フェノール類及びパラホルムアルデヒドを添加し、温度調整を行った後に、モノアミン類を少しずつ添加する工程がとられている。このため、温度調整器や滴下ポンプといった設備が必要になるとともに、反応時の温度制御等のハンドリング性に難があり、製造プロセスが複雑化する。
特許文献2及び特許文献3では、斯かる問題を解決すべく、芳香族系溶媒などの非プロトン性溶剤(ジオキサンを除く)を用いる方法が開示されている。これらの方法は、全ての原料の全量を、有機溶剤と一括して仕込むことができるところに技術的特徴がある。
しかしながら、前記非プロトン性溶剤(ジオキサンは除く)は、すべてのフェノール類、アミン類等の原料を室温で溶解させることは不可能である。例えば、最終製品であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を用いて製造される樹脂の性能向上を図るべく、原料として、二官能フェノール化合物及びジアミン化合物を用いた場合、これらの原料は、前記非プロトン性溶剤(ジオキサンは除く)に室温で溶解しない場合がある。この場合、反応を円滑に進行させるために、反応開始前に前記非プロトン性溶剤を加熱して原料を溶解させる必要があり、製造プロセスが複雑化するという欠点がある。
また、前記非プロトン性溶剤(ジオキサンは除く)を用いた場合、原料添加後において、特に、反応の初期段階における反応の急激な進行による反応溶液のゲル化・反応生成物の不溶化に対し、常時、多大なる注意を払わなければならず、製造プロセス全体として見た場合にハンドリング性が悪い。実際に特許文献2及び特許文献3に開示されている手法では、原料を非プロトン性溶媒(ジオキサンを除く)に添加した後に、二段階の温度調節が行われている。
一方、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造に用いる溶媒としてクロロホルムを用いた場合は、前述のような煩雑な工程をとらずとも、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造が容易であることが知られている(非特許文献1)。しかしながら、反応系中にクロロホルム等のハロゲン化合物が含有又は混入されていると、得られる熱硬化性樹脂や最終製品である樹脂中に、ハロゲン化合物が含有された状態となる可能性がある。反応溶液を水で洗浄してハロゲン化合物を取り除く工程をおこなっても、ハロゲン化合物が完全に除去できる保証はない。その結果、イオンマイグレーションが誘発されることによる絶縁性低下を引き起こし、最終製品である樹脂の品質が低下する恐れがある。
上記事情に鑑み、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法において、溶媒として、芳香族系の非極性溶媒とアルコールの混合溶媒を用いた場合、反応溶液のゲル化及び合成物である熱硬化性樹脂の不溶化が抑制されることが、本発明者らの研究によって明らかとなった。また、芳香族系の非極性溶媒にアルコールを添加することによって、室温では溶解しがたい二官能フェノール化合物及びジアミン化合物のような原料でも溶解することができるようになることも明らかとなった。したがって、加熱して原料を溶解させるような前処理の工程を必要としないため、製造プロセスが容易になる。また、アルコール添加には、芳香族系の非極性溶媒中でのベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造反応が急速に進行することによる反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化に対し、常時、多大なる注意を払う必要がなくなるというメリットがあることも明らかとなった。
しかしながら、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法において、混合溶媒として用いるアルコールの選定によっては、塩基性水溶液による洗浄工程においてエマルジョン化してしまうことが明らかとなった。
そこで、本発明の目的は、全ての原料を、室温下で、一括して溶媒に添加混合でき、かつ、合成反応中に反応溶液のゲル化や反応性生物の不溶化が生じることなく、さらに、製造時のハンドリング性が良好であり、製造プロセスの容易な、高分子化されたベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法を提供するとともに、塩基性水溶液による洗浄工程においてエマルジョン化することのない、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、反応溶媒として特定のアルコール溶媒を用い、塩基性水溶液を用いて洗浄することにより、前記目的を達成し得ることの知見を得た。本発明は斯かる知見に基づくものであり、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]
(1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、
(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[2]
前記炭素数が1〜4であるアルコールがイソブタノールであることを特徴とする、[1]に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[3]
前記工程(1)が、前記二官能フェノール化合物に加え、単官能フェノール化合物を添加して反応させる工程である、[1]又は[2]に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[4]
前記芳香族系の非極性溶媒が、トルエン、キシレン又はこれらの混合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[5]
前記塩基性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[6]
前記塩基性水溶液が0.02〜0.08M(モル/リットル)であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[7]
前記混合溶媒に対する前記炭素数が1〜4であるアルコールの割合が10〜40体積%である[1]〜[6]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[8]
前記工程(1)が、前記炭素数が1〜4であるアルコールを留去しながら反応させる工程である、[1]〜[7]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[1]
(1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、
(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[2]
前記炭素数が1〜4であるアルコールがイソブタノールであることを特徴とする、[1]に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[3]
前記工程(1)が、前記二官能フェノール化合物に加え、単官能フェノール化合物を添加して反応させる工程である、[1]又は[2]に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[4]
前記芳香族系の非極性溶媒が、トルエン、キシレン又はこれらの混合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[5]
前記塩基性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、[1]〜[4]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[6]
前記塩基性水溶液が0.02〜0.08M(モル/リットル)であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[7]
前記混合溶媒に対する前記炭素数が1〜4であるアルコールの割合が10〜40体積%である[1]〜[6]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
[8]
前記工程(1)が、前記炭素数が1〜4であるアルコールを留去しながら反応させる工程である、[1]〜[7]のいずれかに記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
本発明によれば、芳香族系の非極性溶媒と特定のアルコールの混合溶媒を選択することで、合成中に反応溶液のゲル化や反応生成物の不溶化が生じることなく合成が可能であるだけではなく、塩基性水溶液での洗浄工程において、油層と水層がエマルジョン化することなく、二層に分離することができる、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法を提供することができる。
また、洗浄工程のハンドリング性が飛躍的に向上するため、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造プロセスの効率化・容易化がはかられる。
また、洗浄工程のハンドリング性が飛躍的に向上するため、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造プロセスの効率化・容易化がはかられる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明のベンゾオキサジン環構造を有する製造方法は、(1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法である。
本発明の製造方法における工程(1)としては、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で、二官能フェノール化合物、ジアミン化合物、アルデヒド化合物を添加混合して反応を行う工程である。本発明においては、溶媒として、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとを組み合わせて用いることにより、各原料を一括して添加混合することを可能とした。ここで、「一括して添加混合する」とは、各原料について、従来のように滴下ロート等を用いて分割しながら添加するのではなく、そのほぼ全量を一度に添加して混合することを意味する。
本発明において用いられる二官能フェノール化合物は、下記式(I)で示される化合物である。
式(I)
HO−Ar2−OH
(Ar2は、芳香族基である。)
式(I)
HO−Ar2−OH
(Ar2は、芳香族基である。)
上記式(I)におけるAr2の芳香族基とは、例えば、下記式(II)、(III)又は(IV)で表されるような基を表し、式(IV)で表される基であることが好ましい。
(*は、ヒドロキシル基への結合を意味する。Xは、結合手、酸素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族基を意味する。)
上記式(I)で示される化合物において、ヒドロキシル基に対して、オルト位に少なくとも1つ以上の水素原子を有する構造の化合物を用いることが好ましい。二官能フェノール化合物は芳香環にアルキル基等の置換基を有していてもよいが、ハロゲンが存在すると、最終的に得られる熱硬化性樹脂の絶縁性が低下するおそれがあるため、二官能フェノール化合物にはハロゲン原子が置換基として含まれていないことが好ましい。
上記二官能フェノール化合物としては、上記式(I)で示される化合物であれば特に限定されるものではないが、例えば、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールM」)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールP」)等が挙げられる。
上記二官能フェノール化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。
上記二官能フェノール化合物には、分子中に反応活性部位が二つしか存在しないので、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂は、三次元網目構造を積極的に形成することなく線状高分子化される。従って、反応中に、反応溶液がゲル化及び反応生成物が不溶化するリスクが低減される。また、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が線状高分子化されていると、その後の縮重合により得られる最終製品の樹脂骨格も、線状を維持している割合は高くなると考えられ、その結果、得られる熱硬化性樹脂の可撓性が特に向上する傾向がある。さらに、上記二官能フェノール化合物は、通常、分子中に反応活性部位を二つ有するので、熱硬化性樹脂の製造反応中に、他の反応物質と未反応の状態で残存される可能性が低い。従って、その後の縮重合により得られる最終製品の樹脂中にも、未反応の二官能フェノール化合物類が残存されている可能性は低いと考えられ、その結果、最終製品の耐熱性、電気絶縁性が特に向上する傾向がある。
本発明に用いられるジアミン化合物は、下記式(V)で示される化合物であり、脂肪族ジアミン化合物と芳香族ジアミン化合物が挙げられる。
式(V)
H2N−R1−NH2
(R1は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族基である。)
式(V)
H2N−R1−NH2
(R1は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族基である。)
本発明における脂肪族ジアミン化合物とは、式(V)におけるR1が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である場合をいい、芳香族ジアミン化合物とは、式(V)におけるR1が芳香族基である場合をいう。
上記式(V)におけるR1の脂肪族炭化水素基とは、飽和又は不飽和であってもよく、直鎖又は分岐していてよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。R1が脂肪族炭化水素基である式(V)で示される化合物としては、炭素数2〜20の直鎖アルカンジアミン化合物が好ましい。
上記式(V)におけるR1の脂環式炭化水素基とは、飽和又は不飽和であってもよいシクロアルキル基等の脂環式脂肪族炭化水素基が挙げられる。
R1が脂環式炭化水素基である式(V)で示される化合物としては、脂肪族環に直接アミノ基が結合していてもよく、脂肪族環に脂肪族炭化水素基を介してアミノ基が結合していてもよい。
また、R1が脂環式炭化水素基である式(V)で示される化合物としては、飽和橋かけ環式ジアミン化合物であてもよい。
また、R1が脂環式炭化水素基である式(V)で示される化合物としては、飽和橋かけ環式ジアミン化合物であてもよい。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、アミノ基を2つ有するビシクロ環、トリシクロ環構造を有する化合物等の縮環構造を有する脂環式ジアミン化合物であれば、特に限定はされない。
ビシクロ環、トリシクロ環構造としては、ノルボルネン骨格(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)、ジシクロペンタジエン骨格(トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン)、アダマンタン骨格(トリシクロ「3,3,1,13,7]デカン)等の縮環構造の脂環式炭化水素構造が挙げられる。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、ビシクロ環、トリシクロ環部分にアミノ基が直接結合していてもよく、また、メチレン、エチレン等のアルキレン等の脂肪族部分を介して結合していてもよい。さらに、これら縮環構造の脂環族炭化水素基の水素原子が、アルキル基等で置換されていてもよい。
飽和橋かけ環式ジアミン化合物としては、下記群Aより選択される脂環式ジアミン化合物であることが好ましい。
脂肪族ジアミン化合物としては、上記式(V)で示さる化合物(R1が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)であれば特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミン、1,3−シクロヘキシルアミン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、3(4),8(9),−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、2,5(6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、又は、1,3−ジアミノアダマンタン等が挙げられる。
上記式(V)におけるR1の芳香族基とは、例えば、下記式(II)、(III)又は(IV)で表されるような基を表し、式(IV)で表される基であることが好ましい。
(*は、アミノ基への結合を意味する。Xは、結合手、酸素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族基を意味する。)
芳香族ジアミン化合物としては、上記式(V)で示される化合物(R1が芳香族基である。)であれば特に限定されるものではないが、例えば、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製「BAPP」、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン(三井化学製「ビスアニリンM」、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン(三井化学製「ビスアニリンP」、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
上記ジアミン化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。
上記ジアミン化合物には、分子中に反応活性部位が二つしか存在しなく、かつ、炭化水素骨格又は芳香族骨格を有するので、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂は、三次元網目構造を積極的に形成することなく線状高分子化される。従って、反応中に、反応溶液のゲル化及び反応生成物の不溶化のリスクが低減される。また、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が線状高分子化されていると、その後の縮重合により得られる最終製品の樹脂骨格も、線状を維持している割合は高くなると考えられ、その結果、得られる熱硬化性樹脂の可撓性が特に向上する傾向にある。また、上記ジアミン化合物は、通常、分子中に反応活性部位を二つ有するので、熱硬化性樹脂の製造反応中に、他の反応物質と未反応の状態で残存される可能性が低い。従って、その後の縮重合により得られる最終製品の樹脂中にも、未反応のジアミン化合物が残存されている可能性は低いと考えられ、その結果、最終製品の耐熱性、電気絶縁性が特に向上する傾向がある。
本発明に用いられるアルデヒド化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド化合物として好ましくは、ホルムアルデヒドが挙げられ、該ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することが可能である。
本発明に用いられる芳香族系の非極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。中でも、環境及び人体の負荷が小さく、かつ、汎用性が高く安価であるため、トルエン、キシレンが好ましく、トルエンがより好ましい。芳香族系の非極性溶媒としては、単独で用いても2種類以上を併用して用いてもよい。
また、芳香族系の非極性溶媒としては、ハロゲンが含有されていない又は混入されていないのが好ましい。ハロゲンが含有されている又は混入されていると、本発明の製造方法によって得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂や最終製品である樹脂中にも、ハロゲンが含有された状態になる。その結果、イオンマイグレーションが誘発されることによる絶縁性低下を引き起こし、最終製品である樹脂の品質が低下するおそれがある。
本発明に用いられる炭素数が1〜4であるアルコールとしては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール等が好ましく、イソブタノールであることがより好ましい。これらアルコールは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法においては、芳香族系の非極性溶媒を用いることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が高分子化されても、反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化が抑制され、その結果として、製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が溶解状態を維持する可能性がより高くなる。従って、芳香族系の非極性溶媒を用いることで、より高分子化されたベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を合成することが可能となり、その後の縮重合により得られる最終製品のさらなる物性の向上が期待できる。ここで、芳香族系の非極性溶媒を用いることで、反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化が抑制される理由の一つしては、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂が、溶媒と同様に芳香環を含有しており、構造が類似しているためと推定される。
本発明の製造方法においては、炭素数が1〜4であるアルコールは、芳香族系の非極性溶媒との混合溶媒であることにより、原料である二官能フェノール化合物及びジアミン化合物との相溶性溶媒としての機能を果たしており、芳香族系の非極性溶媒単独では、室温では溶解し難い原料でも、炭素数が1〜4であるアルコールを共存させることで、室温で溶解させることが可能となる。従って、原料を溶解させるための加熱等といった前処理工程が必要とされず、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成プロセスが簡略化される。また、原料投入直後から原料を溶解させることができるので、その後のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成反応を効率的に行うことができる。
また、炭素数が1〜4であるアルコールは、その溶媒和作用により、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造反応の急激な進行を抑制する作用も有している。従って、上記芳香族系の非極性溶媒に炭素数が1〜4であるアルコールを混合させることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造反応が急激に進行することによる反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化の可能性を低減することができる。よって、特に、反応の初期段階における反応の急激な進行による反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化に対し、常時、多大なる注意を払う必要はなくなるというメリットがある。
また、炭素数が1〜4であるアルコールの中でも、特に、芳香族系の非極性溶媒よりも沸点が低いアルコールを用いることで、仮に、反応中に急激な発熱が起こったとしても、混合溶液の温度は、アルコールの沸点以上には上昇することはない。つまり、アルコールは、反応時の急激な発熱に対する緩衝剤の役割を果たしている。従って、特に、特開2002−338648号公報及び特開2005−213301号公報に開示されているような、反応の初期段階における反応の急激な進行による反応溶液のゲル化及び合成物であるベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の不溶化を防止すべく、二段階の温度調節を行うといったことは必要とされない。以上のことから、芳香族系の非極性溶媒に炭素数が1〜4であるアルコールを混合させることで、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成時のハンドリング性が飛躍的に向上し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成プロセスの効率化・容易化を達成することが可能となる。
本発明の製造方法に用いられる混合溶媒中の炭素数が1〜4であるアルコールの割合は、特に限定されないが、反応させる工程において炭素数が1〜4であるアルコールの留去を行わない場合、混合溶媒全体に対して、好ましくは10〜25体積%であり、より好ましくは15〜20体積%である。炭素数が1〜4であるアルコールの割合が10体積%未満であると、二官能フェノール化合物及びジアミン化合物の混合溶媒に対する室温での溶解性が低下し、また、炭素数が1〜4であるアルコールによる反応抑制効果も小さくなるため、熱硬化性樹脂の製造時に反応が暴走するリスクが高くなり、製造時のハンドリング性が低下するおそれがある。一方、25体積%を超えると、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造に長時間を要することとなり、製造効率が低下するおそれがある。
本発明において、原料を添加混合する順序は、特に限定されないが、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒に、二官能フェノール化合物、ジアミン化合物及びアルデヒド化合物を順次一括して添加混合するのが、急激な発熱反応に伴う反応の暴走リスクを回避する観点から好ましい。また、原料の混合溶解を効率的に行うために、適宜、撹拌機、撹拌子等を使用してもよい。
本発明において、反応溶液の加温方法としては、特に限定されず、例えば、湯浴、油浴等の温度調節器を用いて、所定の温度まで一気に上昇させた後に、その温度で一定に保つことにより行われる。還流温度まで至らずに、それ以下の温度で加熱・反応させても良い。加温処理の際の所定の温度とは、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造反応の効率化が図られる温度であれば、特に限定されないが、好ましくは炭素数が1〜4であるアルコールの沸点〜炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+20℃、より好ましくは炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+5℃〜炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+15℃であり、さらに好ましくは炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+10℃〜炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+15℃である。炭素数が1〜4であるアルコールの沸点未満であると、後述する還流操作を行った場合に、炭素数が1〜4であるアルコールの還流が起こりにくくなる傾向がある。一方、炭素数が1〜4であるアルコールの沸点+20℃を超えると、炭素数が1〜4であるアルコールの留去操作を行った場合に、炭素数が1〜4であるアルコールの留去スピードが速く、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造反応の急激な進行に伴う反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化のリスクが高まるおそれがある。
混合媒体の加温処理を行っている間は、還流させるのが好ましい。炭素数が1〜4であるアルコールを還流させることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成反応時に、混合媒体中から炭素数が1〜4であるアルコールが蒸散して無くなるリスクが低減される。従って、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成反応の急激な進行に伴う反応溶液のゲル化及び製造物であるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の不溶化の可能性が低下する。
本発明の製造方法における工程(1)としては、二官能性フェノール化合物に加えて、単官能フェノール化合物を添加して反応をおこなってもよい。
単官能フェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、好ましくはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、ドデシルフェノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール等が挙げられる。
本発明の製造方法において、単官能フェノールを添加する場合、二官能フェノールとともに、反応開始前から添加してもよく、また、単官能フェノール化合物を反応の途中で添加してもよい。
上記単官能フェノール化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の製造方法において、工程(1)において、単官能フェノール化合物を添加して反応させることにより、本発明の製造方法により得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の保存安定性が増加する。ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂は、トルエン、キシレン等の芳香族系の非極性溶媒やクロロホルム等のハロゲン系溶媒に溶解させた溶液状態での安定性に劣り、早期にゲル化してしまい、保存安定性に問題があるため、単官能フェノール化合物を添加して反応を行うことで、目的の熱硬化性樹脂の保存安定性を増加させることができる。
この保存安定性に劣る点については、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の末端が、高い反応性を有するアミノメチロール基や閉環していないベンゾオキサジン構造、又はベンゾオキサジン環の重合触媒となりうるフェノール性OH等の構造になっているためだと考えられる。このような欠陥ともいえる構造は主鎖中にも存在する。
したがって、本発明のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を主鎖中に有する熱硬化性樹脂の製造方法における、二官能フェノール化合物とジアミン化合物、アルデヒド化合物を反応させる工程において、単官能フェノール化合物を添加して反応させることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の主鎖伸長をキャッピングすることが可能となり、それにより、保存安定性を有する熱硬化性樹脂を得ることが可能となる。
したがって、本発明のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を主鎖中に有する熱硬化性樹脂の製造方法における、二官能フェノール化合物とジアミン化合物、アルデヒド化合物を反応させる工程において、単官能フェノール化合物を添加して反応させることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の主鎖伸長をキャッピングすることが可能となり、それにより、保存安定性を有する熱硬化性樹脂を得ることが可能となる。
過剰に添加した単官能フェノール化合物等の未反応原料を取り除くために、塩基性水溶液で洗浄する必要があるが、本発明の製造方法における下記洗浄工程をおこなうことにより、未反応原料を取り除くことが可能である。また、塩基性水溶液洗浄に次いで、水で数回洗浄することにより、十分にナトリウムイオン等の塩基性水溶液由来のカチオンを取り除くことができることも可能である。
本発明の製造方法においては、工程(1)において、炭素数が1〜4であるアルコールを留去しながら反応させてもよい。炭素数が1〜4であるアルコールを留去させることで、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の合成反応時間を短縮することが可能となり、反応の効率化を図ることができる。炭素数が1〜4であるアルコールの留去は、例えば、コック付きの等圧滴下ロート、ジムロート冷却器等を用いることで行うことができる。
工程(1)において、炭素数が1〜4であるアルコールを留去しながら反応させる場合には、留去前の混合溶媒中の炭素数が1〜4であるアルコールの割合は、混合溶媒全体に対して、好ましくは10〜40体積%であり、より好ましくは20〜35体積%である。炭素数が1〜4であるアルコールの割合が10体積%未満であると、二官能フェノール化合物及びジアミン化合物の芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールの混合溶媒に対する室温下での溶解性が低下し、また、炭素数が1〜4であるアルコールによる反応抑制効果も小さくなり、熱硬化性樹脂の合成反応時に反応が暴走するリスクが高くなるため、製造時のハンドリング性が低下するおそれがある。一方、40体積%を超えると、炭素数が1〜4であるアルコールを留去する時間が長くなり、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造の効率性が低下するおそれがある。
本発明の製造方法における工程(2)としては、反応終了後、反応溶液を塩基性溶液で洗浄する工程である。本発明においては、塩基性水溶液で洗浄することにより、残存する二官能性フェノール化合物や単官能フェノール化合物を除去することができるとともに、エマルジョン化することなく油層と水層の2層に分離させることができる。
本発明に用いられる塩基性水溶液としては、塩基性化合物を水に溶解させた水溶液が用いられる。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物である塩基性化合物が挙げられる。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物である塩基性化合物が挙げられる。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
塩基性水溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、反応用液を該塩基性溶液で洗浄する際に、油層と水層に分離することなくエマルジョン化してしまうため、0.02〜0.08M(mol/l)であることが好ましく、より好ましくは0.03M〜0.06Mの濃度の塩基性溶液を用いることが好ましい。
本発明において、0.02M未満の塩基性溶液を用いた場合には、残存する単官能フェノール化合物及び二官能フェノール化合物等の未反応原料を十分に除去することができないため、本発明の製造方法により得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂中に該未反応原料が残存してしまうため好ましくない。
また、0.08Mを超える塩基性水溶液を用いて反応溶液を洗浄した場合には、水層と油層とに分離することなくエマルジョン化してしまう。
本発明において、0.02M未満の塩基性溶液を用いた場合には、残存する単官能フェノール化合物及び二官能フェノール化合物等の未反応原料を十分に除去することができないため、本発明の製造方法により得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂中に該未反応原料が残存してしまうため好ましくない。
また、0.08Mを超える塩基性水溶液を用いて反応溶液を洗浄した場合には、水層と油層とに分離することなくエマルジョン化してしまう。
本発明に用いる塩基性水溶液の量としては、特に限定されるものではないが、反応溶液の量に対して0.5〜1.5の割合で用いれば、エマルジョン化することなく水層と油層とに分離することができる。
本発明の洗浄する工程(2)において、塩基性水溶液と反応溶液を分液処理は、例えば、分液漏斗等に塩基性水溶液と反応溶液を注ぎ入れて、両液が混和するように十数回分液漏斗を振ることにより行うことができる。振った後に、分液漏斗を静置することにより、油層と水層とに分離させることができる。
また、反応溶液を冷却後、反応容器中に塩基性水溶液を添加して攪拌することにより洗浄を行った後に、分液漏斗に注ぎ入れて静置することにより油層と水層を分離させることができる。
また、反応溶液を冷却後、反応容器中に塩基性水溶液を添加して攪拌することにより洗浄を行った後に、分液漏斗に注ぎ入れて静置することにより油層と水層を分離させることができる。
本発明における塩基性水溶液による洗浄は、特に限定されるものではないが、1回以上行うことで、未反応原料を除去することができる。
塩基性水溶液により洗浄した後は、塩基性水溶液由来のカチオンを除去するために、水で洗浄することが好ましい。
該水での洗浄は、上記カチオンを除去することができれば特に限定されるものではないが、2回以上行うことが好ましく、3回以上行うことがより好ましい。
該水での洗浄は、上記カチオンを除去することができれば特に限定されるものではないが、2回以上行うことが好ましく、3回以上行うことがより好ましい。
本発明の洗浄する工程後に得られる油層を、ロータリーエバポレーター等により真空乾燥することで、本発明の製造方法により得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を得ることができる。
本発明におけるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂とは、二官能フェノール化合物、ジアミン化合物、アルデヒド化合物を混合溶媒中で加熱して反応させることにより製造されるものである。
本発明におけるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂とは、主鎖中にベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂を意味し、下記式(VI)で示される構造を主鎖中に有する熱硬化性樹脂である。
式(VI)
〔式(VI)において、
Ar1は、4価の芳香族基を示し、
R1は、ジアミン化合物の残基であり、
A及びBは、結合手、NH2を表すか、単官能フェノール化合物又は二官能フェノール化合物とのベンゾオキサジン環構造であり、A及びBは、互いに同じでも異なっていてもよく、
nは、2〜500の整数を示す。〕
式(VI)
Ar1は、4価の芳香族基を示し、
R1は、ジアミン化合物の残基であり、
A及びBは、結合手、NH2を表すか、単官能フェノール化合物又は二官能フェノール化合物とのベンゾオキサジン環構造であり、A及びBは、互いに同じでも異なっていてもよく、
nは、2〜500の整数を示す。〕
上記式(VI)におけるA及びBとしては、好ましくは、単官能フェノール化合物とのベンゾオキサジン環構造であり、単官能フェノール化合物がフェノールである場合には、A−R1及びB−R1部分の構造は、下記式(VII)で示される構造である。
式(VII)
式(VII)
上記式(VI)において、Ar1は4価の芳香族基を表すが、例えば、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールM」、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製「ビスフェノールP」、等の二官能フェノール化合物のOH基及びオルト位がジヒドロベンゾオキサジン環に組み込まれた構造の残基が挙げられる。
上記式(VI)において、R1はジアミン化合物の残基であり、例えば、ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミン、1,3−シクロヘキシルアミン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、3(4),8(9),−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、2,5(6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、又は、1,3−ジアミノアダマンタン等の脂肪族(脂環式を含む)ジアミンの残基、メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミンの残基が挙げられる。
本発明の製造方法により得られたベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂は、その化学構造がより線状に近く、かつ、高分子化されているため、その後の縮重合により得られる最終製品の物性の向上が期待できる。
本発明の製造方法により得られるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化促進剤、難燃剤、無機充填材、離型剤、接着性付与剤、界面活性剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤、その他の熱硬化性樹脂等を添加して、熱硬化性樹脂組成物とすることができる。本発明おけるベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂組成物は、縮重合反応させることより、積層板や半導体封止材等のエレクトロニクス材料、摩擦材や砥石等の結合材として好適に用いることができる。
以下に本発明における代表的な実施例を示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
〔GPCによる測定〕
島津製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、THFを展開媒として、カラム温度40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「RID−10A」を用い、カラムはShodex製「KF−804L」(排除限界分子量400,000)を2本直列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー製「TSKスタンダードポリスチレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、500のものを使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
上記測定と同条件にて、実施例で用いる二官能フェノール化合物、単官能フェノール化合物のTHF溶液をカラムに通して溶出時間の確認を行い、各濃度を変えて検量線を作成し、本発明における熱硬化性樹脂中の二官能フェノール化合物及び単官能フェノール化合物の残存量を測定した。
島津製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、THFを展開媒として、カラム温度40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「RID−10A」を用い、カラムはShodex製「KF−804L」(排除限界分子量400,000)を2本直列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー製「TSKスタンダードポリスチレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、500のものを使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
上記測定と同条件にて、実施例で用いる二官能フェノール化合物、単官能フェノール化合物のTHF溶液をカラムに通して溶出時間の確認を行い、各濃度を変えて検量線を作成し、本発明における熱硬化性樹脂中の二官能フェノール化合物及び単官能フェノール化合物の残存量を測定した。
トルエン(99.5%)170ml、イソブタノール30mlを還流管、コック付きの等圧滴下ロート及びジムロート冷却器がセットされた500mlのフラスコ内に、室温下で一括添加混合させ、その後、ビスフェノールA(三井化学製、99.98%)18.27g(0.08mol)、フェノール2.28g(0.024mol)、1,12―ジアミノドデカン9.09g(和光純薬製、0.044mol)、3(4)、8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカントリシクロデカン(東京化成製、99.28%)8.61gを前記フラスコ内に室温下で一括添加混合させた。その後、パラホルムアルデヒド(91.60%)17.3g(0.53mol)を、前記フラスコ内に、室温下で一括添加混合させ、前記混合溶液が混入されたフラスコの溶媒混合部位を、温度が120℃に設定されたオイルバス中に、前記フラスコを浸し、投入している撹拌子とスターラーにて溶液を穏やかに撹拌して、反応を進行させた。還流開始から6時間経過後に、前記フラスコをオイルバス中から開放し、得られた反応溶液を室温まで冷却させた。前記反応溶液と、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液200mlを分液ロートにいれ、十数回振とうすることにより洗浄し、水層と油層が分離するまで数分静置した後、油層を分離した。つづいて、前記油層と水200mlを分液ロートにいれ、十数回振とうすることにより洗浄し、水層と油層が分離するまで数分静置した後、油層を分離した。前記のように洗浄操作を3回行った。油層を真空乾燥して溶媒を留去することで、黄色粉末状のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。該熱硬化性樹脂中のビスフェノールA、フェノールの残存量は、共に0.1重量%以下となった。
[比較例1]
イソブタノールの代わりにメタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
イソブタノールの代わりにメタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
[比較例2]
イソブタノールの代わりにエタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
イソブタノールの代わりにエタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
[比較例3]
イソブタノールの代わりに2−ブタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
イソブタノールの代わりに2−ブタノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.03Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
[比較例4]
洗浄に用いる水酸化ナトリウム水溶液を0.01Mにした以外は、実施例1と同様に行った。得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を、GPCにて分析したところ、残存フェノールが存在していることが明らかとなり、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液では、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を十分に洗浄できないことがあきらかとなった。
洗浄に用いる水酸化ナトリウム水溶液を0.01Mにした以外は、実施例1と同様に行った。得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を、GPCにて分析したところ、残存フェノールが存在していることが明らかとなり、0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液では、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を十分に洗浄できないことがあきらかとなった。
[比較例5]
洗浄に用いる水酸化ナトリウム水溶液を0.1Mにした以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
洗浄に用いる水酸化ナトリウム水溶液を0.1Mにした以外は、実施例1と同様の方法により、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成をおこなった。得られた反応溶液を室温まで冷却後、実施例1の方法と同様にして、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したところ、エマルジョン化したため、一昼夜静置した。一昼夜静置した後もエマルジョン化したままで、水層と油層の分離が困難であったため、洗浄操作を中断した。
Claims (8)
- (1)二官能フェノール化合物と、ジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、芳香族系の非極性溶媒と炭素数が1〜4であるアルコールとの混合溶媒中で反応させる工程と、
(2)反応終了後、反応溶液を塩基性水溶液で洗浄する工程とを含む、ベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。 - 前記炭素数が1〜4であるアルコールがイソブタノールであることを特徴とする、請求項1に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記工程(1)が、前記二官能フェノール化合物に加え、単官能フェノール化合物を添加して反応させる工程である、請求項1又は2に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記芳香族系の非極性溶媒が、トルエン、キシレン又はこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記塩基性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記塩基性水溶液が0.02〜0.08M(モル/リットル)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記混合溶媒に対する前記炭素数が1〜4であるアルコールの割合が10〜40体積%である請求項1〜6のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記工程(1)が、前記炭素数が1〜4であるアルコールを留去しながら反応させる工程である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
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