JP5498200B2 - ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法、及びベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 - Google Patents
ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法、及びベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂 Download PDFInfo
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Description
Scheme1:
〔1〕
二官能フェノール化合物、ジアミン化合物、及びアルデヒド化合物を、環状エステル又はラクトン溶媒を含む溶媒中で反応させる工程を含む、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔2〕
前記二官能フェノール化合物と、前記ジアミン化合物と、前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒を含む溶媒と、を混合して混合溶液を調製する工程と、
前記混合溶液に前記アルデヒド化合物をさらに添加し、反応させる工程と、
を含む、〔1〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔3〕
前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒が、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチルオクタノ−4−ラクトン、及び4−ヒドロキシ−3−ペンテン酸γ−ラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕又は〔2〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔4〕
前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒が、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔5〕
前記溶媒が、アルコールをさらに含む、〔1〕〜〔4〕の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔6〕
前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メトキシエタノール、及び2−エトキシエタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔5〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔7〕
前記溶媒において前記アルコールの割合が、0〜50体積%である、〔5〕又は〔6〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔8〕
前記溶媒が、芳香族系非極性溶媒をさらに含む、〔1〕〜〔7〕の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔9〕
前記芳香族系非極性溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、プソイドキュメン、及びメシチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、〔8〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔10〕
前記溶媒において前記芳香族系非極性溶媒の割合が、0〜50体積%である、〔8〕又は〔9〕に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔11〕
前記溶媒において前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒の割合が、50〜100体積%である、〔1〕〜〔10〕の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔12〕
前記二官能フェノールが、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(DHBP)、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)、1,4−ベンゼンジオール(ヒドロキノン)、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記ジアミン化合物が、p−フェニレンジアミン(PDA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、及び4,4’−ジアミノビフェニルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記アルデヒド化合物が、少なくともホルムアルデヒドである、〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
〔13〕
二官能フェノール化合物、ジアミン化合物、及びアルデヒド化合物を、環状エステル又はラクトン溶媒を含む溶媒中で反応させて製造される、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂。
〔14〕
〔13〕に記載の熱硬化性樹脂を含む成形体。
〔15〕
〔13〕に記載の熱硬化性樹脂を含む硬化体。
式(I):
HO−R1−OH
(R1は、ヘテロ元素を含んでいてもよい芳香族の有機基を表す。)
置換基としては、特に限定されず、例えば、炭素数1〜20の直鎖、分岐、若しくは環状の構造の脂肪族炭化水素基、又は置換、若しくは無置換フェニル基等が挙げられる。
式(1)のYは、それぞれ独立して、直接結合手又は上記有機基から選択された有機基であれば特に限定されず、同一であってもよく、異なっていてもよい。
n及びmは、それぞれ独立して、0〜10の整数を表す。
Yは、左右のフェノール性水酸基の結合位置に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれかで結合していればよく、Yの結合位置は、左右のベンゼン環において、同一の位置であってもよく、オルト位とパラ位のように異なっていてもよい。
群A:
群A’:
群B:
群B’:
式(II):
H2N−R2−NH2
(R2は、ヘテロ元素を含んでいてもよい直鎖、分岐、若しくは環状の構造の脂肪族又は芳香族の有機基を表す。)
ジアミン化合物としては、脂環式ジアミン化合物、直鎖脂肪族ジアミン化合物、及び芳香族ジアミン化合物等が挙げられる。
群C:
置換基としては、特に限定されず、炭素数1〜20の直鎖、分岐、若しくは環状の構造の脂肪族炭化水素基、又は置換若しくは無置換フェニル基等が挙げられる。
式(7)中、Y’は、それぞれ独立して、直接結合手又は上記有機基から選択される官能基であればよく、その種類は特に限定されない。
n’及びm’は、それぞれ独立して、0〜10の整数を表す。
Y’は、左右のアミノ基の結合位置に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれかで結合していればよく、Y’の結合位置は、左右のベンゼン環において、同一の位置であってもよく、オルト位とパラ位のように異なっていてもよい。
群D:
群E:
かかる成形体や硬化体は、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂組成物を、従来公知の方法により成形又は硬化して得られる。かかる成形体や硬化体は、電子部品・電子機器及びその材料として用いることができる。特に、優れた低熱線膨張率(低CTE)が要求される多層基板、積層板、封止剤、接着剤等の用途に好適である。電子機器としては、例えば、携帯電話、表示機器、車載機器、コンピュータ、通信機器等が挙げられる。電子部品としては、航空機部材、自動車部材、建築部材等の用途にも使用でき、導電材料、特に金属フィラーの耐熱性結着剤として利用して直流又は交流の電流を流すことができる回路を形成する用途に用いてもよい。電子機器としては、例えば、携帯電話、表示機器、車載機器、コンピュータ、通信機器等の材料として用いることができる。
高速液体クロマトグラフシステム、メーカー:SHIMADZU
システムコントローラー:SCL−10A VP
送液ユニット:LC−10AD
VPデガッサー:DGU−12A
示差屈折計(RI)検出器:RID−10A
オートインジェクター:SIL−10AD VP
カラムオーブン:CTO−10AS VP
カラム:SHODEX KD803(排除限界分子量70000)×2(直列)
カラム温度:50℃
流量:1mL/分
溶離液:DMF(和光純薬工業社製、安定剤不含、HPLC用)、LiBr 10mmol/L含有
サンプル:0.1質量%
検出器:RI
上記測定条件により、Mwが、それぞれ、20000、14000、10000、8000、6000、4000、3000、2000、1500、1000、900、600、400、300、200の標準ポリエチレングリコール(純正化学社製)により検量線を作成した。そして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られたポリエチレングリコール換算値に基づいてサンプルの重量平均分子量(Mw)を測定した。
以下の測定装置及び溶媒を用い、サンプル濃度2質量%で1H−NMRを測定した。
測定装置:JEOL社製、ECX400(400MHz)
溶媒:重DMSO(シグマアルドリッチ社製、0.05体積% TMS(テトラメチルシラン)含有
SIIナノテクノロジー社製「TMA/SS6100」を用い、引っ張りモードで、窒素雰囲気下で、荷重5mN、昇温速度5℃/分で測定し、25℃から150℃の熱線膨張率の平均値(ppm/℃)を求めた。
得られたフィルムを幅4mm、長さ20mmにカットして測定サンプルとし、これをチャック間の距離が10mmとなるようにセットして、測定した。
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 200mL(和光純薬工業社製)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(以下、DHBPともいう。)17.25g(0.08mol、和光純薬工業社製)、p−フェニレンジアミン(以下、PDAともいう。)8.66g(0.08mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が115℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、パラホルムアルデヒド(以下、PFAともいう。)12.58g(0.38mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を115℃で2時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂Aを得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約4000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.44ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.61ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 200mL(和光純薬工業社製)、DHBP 25.88g(0.12mol、和光純薬工業社製)、PDA 12.99g(0.12mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が115℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 18.87g(0.58mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を115℃で3時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約5000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図2に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.45ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.61ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 200mL(和光純薬工業社製)、DHBP 25.88g(0.12mol、和光純薬工業社製)、PDA 12.99g(0.12mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が115℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に、目視で粉状物質がなくなるのを確認した後、PFA 18.87g(0.58mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を115℃で5時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られた重量平均分子量(Mw)は約6000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図3に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.44ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.61ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 160mL(和光純薬工業社製)、イソブタノール 40mL(三菱化学社製)、DHBP 17.25g(0.08mol、和光純薬工業社製)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下、MDAという。) 15.93g(0.08mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が105℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 12.58g(0.38mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を105℃で3時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂Bを得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約10000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図4に示す。
DHBP_MDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.47ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.65ppm
MDA由来のメチレンプロトンピーク:3.68ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 160mL(和光純薬工業社製)、イソブタノール40mL(三菱化学社製)、DHBP 25.88g(0.12mol、和光純薬工業社製)、MDA23.89g(0.12mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が105℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 18.87g(0.58mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を105℃で3時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約13000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図5に示す。
DHBP_MDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.47ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.65ppm
MDA由来のメチレンプロトンピーク:3.67ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 160mL(和光純薬工業社製)、イソブタノール 40mL(三菱化学社製)、DHBP 25.88g(0.12mol、和光純薬工業社製)、MDA15.93g(0.08mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が105℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA12.58g(0.38mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を105℃で3時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られた重量平均分子量(Mw)は約4000であった。
得られた該熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図6に示す。
DHBP_MDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.47ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.65ppm
MDA由来のメチレンプロトンピーク:3.67ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 120mL(和光純薬工業社製)、トルエン 80mL(和光純薬工業社製)、DHBP21.57g(0.10mol、和光純薬工業社製)、PDA 10.83g(0.10mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が105℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に、目視で粉状物質がなくなるのを確認した後、PFA 15.62g(0.48mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を105℃で5時間反応させた。このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。
析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約3000であった。
この化合物の1H−NMRスペクトルを図7に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.45ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.61ppm
室温において、500mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 240mL(和光純薬工業社製)、イソブタノール 60mL(三菱化学社製)、4,4’−ビフェノール27.90g(0.15mol、本州化学工業社製)、PDA 16.23g(0.15mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が100℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA23.42g(0.72mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を100℃で6時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約4000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図8に示す。
4,4’−ビフェノール_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.34ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.57ppm
室温において、500mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 240mL(和光純薬工業社製)、イソブタノール 60mL(三菱化学社製)、4,4’−ビフェノール 27.90g(0.15mol、本州化学工業社製)、MDA 29.87g(0.15mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が100℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に、目視で粉状物質がなくなるのを確認した後、PFA 23.42g(0.72mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、反応溶液の温度を100℃で3.5時間反応させた。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥し、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約2000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図9に示す。
4,4’−ビフェノール_MDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.38ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.61ppm
MDA由来のメチレンプロトンピーク:3.68ppm
室温において、三方コック、コック付きの等圧滴下ロートがセットされた300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 130mL(和光純薬工業社製)、DHBP 77.66g(0.36mol、和光純薬工業社製)、PDA 40.41g(0.37mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量100mL/分)。
反応溶液温度23℃の前記フラスコ内に、メチルヘミホルマール溶液102.75g(ホルムアルデヒド分46.4%、メタノール分45.0%、広栄化学工業社製、製品名「コーエイホルミット M」)を滴下した。滴下終了後、前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度60℃で5時間反応させた時点で、前記フラスコ内に、γ−ブチロラクトン 20mL(和光純薬社製)にフェノール2.53g(0.027mol、和光純薬工業社製)を溶解させた溶液を添加した。その後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度60℃で8時間反応させた。このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、生成物であるベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が溶解している溶液を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約17000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図10に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.46ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.64ppm
フェノール_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.53ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.75ppm
室温において、三方コック、コック付きの等圧滴下ロートがセットされた300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン130mL(和光純薬工業社製)、DHBP77.66g(0.36mol、和光純薬工業社製)、PDA 40.41g(0.37mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量100mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度が45℃となった前記フラスコ内に、メチルヘミホルマール溶液 102.75g(ホルムアルデヒド分46.4%、メタノール分45.0%、広栄化学工業社製、製品名「コーエイホルミット M」)を滴下した。滴下終了後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度75℃で1時間反応させた。その時点で、前記フラスコ内に、γ−ブチロラクトン 20mL(和光純薬工業社製)にフェノール 2.53g(0.027mol、和光純薬工業社製)を溶解させた溶液を添加した。その後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度80℃で1時間反応させた。このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、生成物であるベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が溶解している溶液を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約11000であった。
得られた熱硬化性樹脂の1H−NMRスペクトルを図11に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.46ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.64ppm
フェノール_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.53ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.75ppm
室温において、三方コック、コック付きの等圧滴下ロートがセットされた300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 130mL(和光純薬工業社製)、DHBP 77.66g(0.36mol、和光純薬工業社製)、PDA 40.41g(0.37mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量100mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度が45℃となった前記フラスコ内に、メチルヘミホルマール溶液 102.75g(ホルムアルデヒド分46.4%、メタノール分45.0%、広栄化学工業社製、製品名「コーエイホルミット M」)を滴下した。滴下終了後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度75℃で1時間反応させた。その時点で、前記フラスコ内に、γ−ブチロラクトン 20mL(和光純薬工業社製)に2−ナフトール 3.88g(0.027mol、和光純薬工業社製)を溶解させた溶液を添加した。その後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度80℃で1.5時間反応させた。このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、生成物であるベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が溶解している溶液を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約12000であった。
得られた熱可塑性樹脂の1H−NMRスペクトルを図12に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.46ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.64ppm
2−ナフトール_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.52ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.88ppm
室温において、三方コック、コック付きの等圧滴下ロートがセットされた300mLのフラスコ内に、γ−ブチロラクトン 130mL(和光純薬工業社製)、DHBP 77.66g(0.36mol、和光純薬工業社製)、PDA 32.37g(0.30mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)、MDA 14.88g(0.075mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量100mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度が45℃となった前記フラスコ内に、メチルヘミホルマール溶液 102.89g(ホルムアルデヒド分46.4%、メタノール分45.0%、広栄化学工業社製、製品名「コーエイホルミット M」)を滴下した。滴下終了後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度75℃で1時間反応させた。その時点で、前記フラスコ内に、γ−ブチロラクトン 20mL(和光純薬工業社製)にフェノール 2.63g(0.028mol、和光純薬工業社製)を溶解させた溶液を添加した。その後、前記フラスコ内を減圧し0.09MPaとして、反応溶液温度80℃で1時間反応させた。このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、生成物であるベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が溶解している溶液を得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約9000であった。
得られた熱可塑性樹脂の1H−NMRスペクトルを図13に示す。
DHBP_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.46ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.64ppm
DHBP_MDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.50ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.69ppm
MDA由来のメチレンプロトンピーク:3.67ppm
フェノール_PDAのオキサジン環
オキサジン環2位のメチレンプロトンピーク:5.51ppm
オキサジン環4位のメチレンプロトンピーク:4.69ppm
室温において、300mLのフラスコ内に、N,N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcともいう。)200mL(和光純薬工業社製)、DHBP 17.25g(0.08mol、和光純薬工業社製)、PDA 8.66g(0.08mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度の温度が120℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に、目視で粉状物質がなくなるのを確認した後、PFA 12.58g(0.38mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加した。PFA添加後、反応溶液がゲル化したため、反応を中断した。
室温において、300mLのフラスコ内に、シクロペンタノン 200mL(和光純薬工業社製)、DHBP 17.25g(0.08mol、和光純薬工業社製)、PDA 8.66g(0.08mol、大新化成工業社製、製品名「パラミン」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液温度の温度が100℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 12.58g(0.38mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加した。PFA添加後、反応溶液がゲル化したため、反応を中断した。
室温において、500mLのフラスコ内に、ジオキサン 250mL(和光純薬工業社製)、DHBP 21.56g(0.10mol、和光純薬工業社製)、MDA 19.91g(0.10mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を、前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が80℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 19.86g(0.60mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加した。PFA添加後、反応溶液がゲル化したため、反応を中断した。
室温において、500mLのフラスコ内に、トルエン 250mL(和光純薬工業社製)、DHBP 21.56g(0.10mol、和光純薬工業社製)、MDA 19.91g(0.10mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を、前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が90℃になってから、1時間攪拌したが、DHBPとMDAが溶解しなかった。
室温において、500mLのフラスコ内に、クロロホルム 250mL(和光純薬工業製)、DHBP 21.56g(0.10mol、和光純薬工業社製)、MDA 19.91g(0.10mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を、前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が40℃になってから、1時間攪拌したが、DHBPとMDAが溶解しなかった。
室温において、500mLのフラスコ内に、メチルエチルケトン 250mL(和光純薬工業社製)、DHBP 21.56g(0.10mol、和光純薬工業社製)、MDA 19.91g(0.10mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を、前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が60℃になってから、1時間攪拌した。反応溶液中に粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA 19.86g(0.60mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加した。PFA添加後、反応溶液がゲル化したため、反応を中断した。
室温において、500mLのフラスコ内に、酢酸エチル 250mL(和光純薬工業社製)、DHBP 21.56g(0.10mol、和光純薬工業社製)、MDA 19.91g(0.10mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を、前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が60℃になってから、1時間攪拌したが、DHBPとMDAが溶解しなかった。
室温において、300mLのフラスコ内に、トルエン 200mL(和光純薬工業社製)、4,4’−ビフェノール 14.88g(0.08mol、本州化学工業社製)、MDA 15.93g(0.08mol、保土谷化学工業社製、製品名「DAM」)を投入し、系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が100℃になってから、1時間攪拌したが、4,4’−ビフェノールとMDAが溶解しなかった。
室温において、コック付きの等圧滴下ロート及びジムロート冷却器がセットされた500mLのフラスコ内に、トルエン190mL及びイソブタノール10mLを、室温条件下で添加混合した。
その後、ビスフェノールA(以下、BisAという。)41.6g(0.120mol、日本ジーイープラスチックス社製)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPという。)51.3g(0.125mol、和歌山精化工業社製、製品名「BAPP」)、フェノール0.9g(0.0096mol)を前記フラスコ内に室温下で添加混合した。この時点から系内へ窒素ガスパージを開始した(流量15mL/分)。
前記フラスコを油浴に浸し、反応溶液の温度が65℃になってから粉状物質がなくなるのを目視で確認した後、PFA19.7g(0.6mol、三菱ガス化学社製、純度91.60%)を、前記フラスコ内に添加し、還流させて2時間反応させた。
その後、反応中に生成した水を、トルエン、イソブタノールと共沸させることで系外に留去しながら反応させた。留去開始後、6時間還流を行った。
このようにして得られた反応溶液を室温まで冷却し、ろ過した後、1Lのメタノール中に注ぎ入れ、生成物を沈殿析出させた。析出した沈殿固体を減圧乾燥することで、ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂Cを得た。
得られたベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は約16000であった。
ガラス容器中で、ジメチルホルムアミド5gに、実施例1で作製した熱硬化性樹脂Aを7g溶解させ、紫色の粘調液を得た。
この粘調液を、ポリイミド(以下、PIという。)フィルム上にアプリケータを用いて塗工し、80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、180℃で30分、200℃で30分、220℃で30分、240℃で30分、260℃で1時間それぞれ保持し、オーブン中で熱硬化させて、フィルム状の硬化物(フィルムA)が得られた。この硬化物は赤色透明であり、厚さは45μmであった。
ガラス容器中で、ジメチルホルムアミド5gに、実施例4で作製した熱硬化性樹脂Bを6g溶解させ、黄色の粘調液を得た。
この粘調液を、PIフィルム上にアプリケータを用いて塗工し、80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、180℃で30分、200℃で30分、220℃で30分、240℃で30分、260℃で1時間それぞれ保持し、オーブン中で熱硬化させて、フィルム状の硬化物(フィルムB)が得られた。この硬化物は黄色透明であり、厚さは45μmであった。
ガラス容器中で、ジメチルホルムアミド5gに、製造例1で作製した熱硬化性樹脂Cを5g溶解させ、黄色の粘調液を得た。
この粘調液を、PIフィルム上にアプリケータを用いて塗工し、80℃で10分、100℃で10分、150℃で10分、180℃で30分、200℃で30分、220℃で30分、240℃で1時間それぞれ保持し、オーブン中で熱硬化させて、フィルム状の硬化物(フィルムC)が得られた。この硬化物は黄色透明であり、厚さは51μmであった。
Claims (11)
- 二官能フェノール化合物、ジアミン化合物、及びアルデヒド化合物を、環状エステル又はラクトン溶媒を含む溶媒中で反応させる工程を含み、
前記ジアミン化合物が、芳香族ジアミンであり、
前記環状エステル又はラクトン溶媒が、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、及び3−メチルオクタノ−4−ラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。 - 前記二官能フェノール化合物と、前記ジアミン化合物と、前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒を含む溶媒と、を混合して混合溶液を調製する工程と、
前記混合溶液に前記アルデヒド化合物をさらに添加し、反応させる工程と、
を含む、請求項1に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。 - 前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒が、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記溶媒が、アルコールをさらに含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メトキシエタノール、及び2−エトキシエタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記溶媒において前記アルコールの割合が、0〜50体積%である、請求項4又は5に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記溶媒が、芳香族系非極性溶媒をさらに含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記芳香族系非極性溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレン、プソイドキュメン、及びメシチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記溶媒において前記芳香族系非極性溶媒の割合が、0〜50体積%である、請求項7又は8に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記溶媒において前記環状エステル又は前記ラクトン溶媒の割合が、50〜100体積%である、請求項1〜9の何れか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
- 前記二官能フェノールが、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(DHBP)、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)、1,4−ベンゼンジオール(ヒドロキノン)、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記ジアミン化合物が、p−フェニレンジアミン(PDA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、及び4,4’−ジアミノビフェニルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記アルデヒド化合物が、少なくともホルムアルデヒドである請求項1〜10のいずれか一項に記載のベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の製造方法。
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