JP2009196946A - ベンゾオキサジンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無溶媒系で、極めて量産性に優れるベンゾオキサジンの製造方法を提供する。
【解決手段】1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法において、
(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液からなる混合物を加熱したときに生じる、(i)脱水縮合反応によって生じる水、及び/又は(ii)該ホルムアルデヒド水溶液に含まれている水の気化により、1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドを撹拌することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法などを提供した。
【選択図】なし
【解決手段】1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法において、
(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液からなる混合物を加熱したときに生じる、(i)脱水縮合反応によって生じる水、及び/又は(ii)該ホルムアルデヒド水溶液に含まれている水の気化により、1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドを撹拌することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法などを提供した。
【選択図】なし
Description
本発明は、ベンゾオキサジンの製造方法に関し、より詳細には、量産性に優れるエンドレスベルトを使用したベンゾオキサジンの製造方法に関する。
ベンゾオキサジン化合物のモノマーは、フェノール化合物とアルデヒド(望ましくはホルムアルデヒド)と第一アミンの反応から生成でき、基本骨格としてベンゾオキサジン環を有している。この化合物は、加熱することにより、揮発性の副生成物を発生することなく、ベンゾオキサジン環が開環重合して硬化し、その硬化物の耐熱性および難燃性が優れていることから、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に代わる樹脂として、注目されている。
また、上記硬化物すなわちポリベンゾオキサジンは、硬く、耐熱性の良い樹脂である。特に、そのチャーイールド(炭化率)が優れることから、建築材料や構造材料などに応用が期待されている樹脂である。
しかし、電子・電気機器用途の材料として用いる場合、従来から使用されているエポキシ樹脂との性能比較では、耐熱性や機械物性などに優れるものの、エポキシ樹脂などの代替品として、大きな差別化点があるわけではなく、大きな市場は形成されていない。
また、上記硬化物すなわちポリベンゾオキサジンは、硬く、耐熱性の良い樹脂である。特に、そのチャーイールド(炭化率)が優れることから、建築材料や構造材料などに応用が期待されている樹脂である。
しかし、電子・電気機器用途の材料として用いる場合、従来から使用されているエポキシ樹脂との性能比較では、耐熱性や機械物性などに優れるものの、エポキシ樹脂などの代替品として、大きな差別化点があるわけではなく、大きな市場は形成されていない。
そこで、ベンゾオキサジン化合物およびその硬化物の性能向上や、製法の改良が図られ、提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
上記特許文献1では、ベンゾオキサジン・モノマーを低温(約−100℃〜約200℃)でカチオン重合したポリマーが同定され、このポリマーは、同じモノマーからの従来の熱重合生成物とは区別され、そしてこのカチオン重合によるコントロール可能な微細構造は特殊用途のためにポリマー構造を最適に製造する方法が開示されている。この方法では、カチオン重合開始剤が用いられ、このカチオン重合開始剤は、ベンゾオキサジン・モノマーの開環重合を開始させるのに有効であり、熱重合のための常套的な150〜300℃の温度ではなく−60℃のような低温でのベンゾオキサジン・モノマーの重合を可能にすると、開示されている。
また、特許文献2では、高い難燃性のために、ポリフェノール、ホルムアルデヒド、および芳香族一級アミンから合成される、構造中にベンゾオキサジン環を含み、ハロゲン原子を含まない、数平均分子量が600以上2000以下である、ことを特徴とする熱硬化性樹脂が開示されている。
さらに、特許文献3では、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善されるために、特定の単官能フェノール化合物と、特定のジアミン化合物、およびアルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法が開示されている。
上記特許文献1では、ベンゾオキサジン・モノマーを低温(約−100℃〜約200℃)でカチオン重合したポリマーが同定され、このポリマーは、同じモノマーからの従来の熱重合生成物とは区別され、そしてこのカチオン重合によるコントロール可能な微細構造は特殊用途のためにポリマー構造を最適に製造する方法が開示されている。この方法では、カチオン重合開始剤が用いられ、このカチオン重合開始剤は、ベンゾオキサジン・モノマーの開環重合を開始させるのに有効であり、熱重合のための常套的な150〜300℃の温度ではなく−60℃のような低温でのベンゾオキサジン・モノマーの重合を可能にすると、開示されている。
また、特許文献2では、高い難燃性のために、ポリフェノール、ホルムアルデヒド、および芳香族一級アミンから合成される、構造中にベンゾオキサジン環を含み、ハロゲン原子を含まない、数平均分子量が600以上2000以下である、ことを特徴とする熱硬化性樹脂が開示されている。
さらに、特許文献3では、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善されるために、特定の単官能フェノール化合物と、特定のジアミン化合物、およびアルデヒド化合物、を加熱して反応させるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法が開示されている。
また、特許文献4では、1級アミン類、アルデヒド類およびフェノール類を反応させて得られるベンゾオキサジン化合物の製造方法において、反応終了後の反応液に、アルコール系溶剤を添加してベンゾオキサジン化合物を析出させることを特徴とするベンゾオキサジン化合物の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献5では、フェノール化合物、第1級アミン及びアルデヒドを含む反応体を含有する、無溶媒系でのベンゾオキサジン化合物を製造する方法であって、反応体が相互に有する溶媒力以外に前記反応体用の溶媒を含有していない反応混合物を調製し、前記反応体混合物を、該反応体が化学的に結合して前記ベンゾオキサジン化合物を生成する温度に維持することを特徴とする、ベンゾオキサジン化合物の製法が開示されている。
さらに、特許文献5では、フェノール化合物、第1級アミン及びアルデヒドを含む反応体を含有する、無溶媒系でのベンゾオキサジン化合物を製造する方法であって、反応体が相互に有する溶媒力以外に前記反応体用の溶媒を含有していない反応混合物を調製し、前記反応体混合物を、該反応体が化学的に結合して前記ベンゾオキサジン化合物を生成する温度に維持することを特徴とする、ベンゾオキサジン化合物の製法が開示されている。
しかしながら、上記提案されたものは、エポキシ樹脂の製造と同様に、通常、溶媒(溶剤)を必要とし、たとえば、特許文献4のように、所望の反応を行い、存在する溶媒から反応生成物を分離するには、通常、比較的長い時間(すなわち数時間)を要し、さらに、精製が必要である場合には、さらに時間が必要である。加えて、溶媒が存在する反応では、ベンゾオキサジンの収率は満足できるものであるが、溶媒は毒性の危険があり、多くの場合、除去のための高価な処置(たとえば、高価な溶媒回収システムの設置)を必要とする。
このような問題から、健康に対する危険及びコスト上の不利のため、過去において、特許文献5のように、無溶媒系の調製に努力が払われている。これは、溶媒を用いなくとも製造が可能であるので、プロセス費用を抑えることができるという可能性がある。
しかしながら、これまで無溶媒系で提案されたものは、量産化や工業化にはあまり適していないと考えられる。
特開2000−34339号公報
特開2001−278934号公報
特開2007−217650号公報
特開2006−335671号公報
特表平9−502452号公報(米国特許第5543516号)
このような問題から、健康に対する危険及びコスト上の不利のため、過去において、特許文献5のように、無溶媒系の調製に努力が払われている。これは、溶媒を用いなくとも製造が可能であるので、プロセス費用を抑えることができるという可能性がある。
しかしながら、これまで無溶媒系で提案されたものは、量産化や工業化にはあまり適していないと考えられる。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、無溶媒系で、極めて量産性に優れるベンゾオキサジンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ベンゾオキサジン樹脂の合成の際に発生する水が大きな意義をもつことを見出し、さらに、樹脂を大量に合成する際には、合成時の発生熱が樹脂内部に蓄積し、架橋反応が進み、固まってしまうおそれがあるため、通常は反応釜の温度制御を行い、また、均一となるように、反応釜内部の攪拌を行うのが常識とされていたものを、この発生する水の性質を利用することにより、また、エンドレスベルトを使用することにより、反応釜を用いないでベンゾオキサジンを効率よく製造できる方法を見出した。本発明は、こうした知見に基づいて、さらに検討を重ね、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法において、(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液からなる混合物を加熱したときに生じる、(i)脱水縮合反応によって生じる水、及び/又は(ii)該ホルムアルデヒド水溶液に含まれている水の気化により、1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドを撹拌することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記フェノール化合物は、フェノール又はビスフェノールAであることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記1級アミンがアニリンであることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記1級アミンがアニリンであることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記パラホルムアルデヒドは、扁平形粒子であって、該扁平形粒子の短辺の長さが1mm以下である質量比率は、全パラホルムアルデヒド粒子に対し、99質量%以上であることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液の混合の際には、温度が脱水縮合反応温度より低い温度で混合し、かつスラリーを形成することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記スラリー形成後に、ベンゾオキサジンと本質的に接着しないベルトまたは容器に、吐出する工程を有することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液の混合の際には、温度が脱水縮合反応温度より低い温度で混合し、かつスラリーを形成することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記スラリー形成後に、ベンゾオキサジンと本質的に接着しないベルトまたは容器に、吐出する工程を有することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、前記ベルトは、フッ素樹脂及び/又はシリコン樹脂を含むことを、或いは前記ベルトの表面がフッ素樹脂又はシリコン樹脂で離形処理されていることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第6の発明において、前記ベルトがエンドレスベルトであることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1の発明において、脱水縮合反応温度が100℃以上である脱水縮合反応工程を含むことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第6の発明において、前記ベルトがエンドレスベルトであることを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1の発明において、脱水縮合反応温度が100℃以上である脱水縮合反応工程を含むことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第9の発明において、前記脱水縮合反応工程後に、さらに、冷却工程を含むことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、次の(I)〜(V)の工程からなり、アニリン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法であって、(I)アニリン、フェノール化合物及びホルムアルデヒドを50℃以下の低温で混合し、均一なスラリーを形成する工程と、(II)上記スラリーを、一定スピードで回転駆動しているエンドレスベルト上に、一定流量で吐出して、薄く広げる工程と、(III)エンドレスベルトを、100℃以上に加熱された熱板上に接触させながら駆動させる工程と、(IV)エンドレスベルトを、冷却板に接触させながら駆動させる工程と、及び(V)冷却したベンゾオキサジンの樹脂を剥離する工程とからなり、かつ、(I)〜(V)の各工程を連続的に行うことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、次の(I)〜(V)の工程からなり、アニリン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法であって、(I)アニリン、フェノール化合物及びホルムアルデヒドを50℃以下の低温で混合し、均一なスラリーを形成する工程と、(II)上記スラリーを、一定スピードで回転駆動しているエンドレスベルト上に、一定流量で吐出して、薄く広げる工程と、(III)エンドレスベルトを、100℃以上に加熱された熱板上に接触させながら駆動させる工程と、(IV)エンドレスベルトを、冷却板に接触させながら駆動させる工程と、及び(V)冷却したベンゾオキサジンの樹脂を剥離する工程とからなり、かつ、(I)〜(V)の各工程を連続的に行うことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法が提供される。
本発明のベンゾオキサジンの製造方法は、たとえば、エンドレスベルトを用いた開放系の製造方法であるから、無溶媒系で、極めて量産性に優れるという効果を奏する。
また、本発明の製造方法で得られたベンゾオキサジンは、溶融粘度が低いために成形が容易であり、さらに、加熱成形して得られる成形体は、耐熱性及び機械的強度に優れているため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、プリント基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂等に好適に用いることができる。
また、本発明の製造方法で得られたベンゾオキサジンは、溶融粘度が低いために成形が容易であり、さらに、加熱成形して得られる成形体は、耐熱性及び機械的強度に優れているため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、プリント基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂等に好適に用いることができる。
以下、本発明のベンゾオキサジンの製造方法について、項目毎に詳細に説明する。
1.原料混合方法
本発明のベンゾオキサジンの製造方法は、本来、低コストでベンゾオキサジンを得ることを目的とするため、本発明で製造するベンゾオキサジンは、例えば、下記に示される3,4−dihydro−3−phenyl−1,3−benzoxazine、Bis(4−benzyl−3,4−dihydro−1,3−benzoxazinyl)isopropane(化2の反応式の生成物)、等の一般に用いられるベンゾオキサジンである。
1.原料混合方法
本発明のベンゾオキサジンの製造方法は、本来、低コストでベンゾオキサジンを得ることを目的とするため、本発明で製造するベンゾオキサジンは、例えば、下記に示される3,4−dihydro−3−phenyl−1,3−benzoxazine、Bis(4−benzyl−3,4−dihydro−1,3−benzoxazinyl)isopropane(化2の反応式の生成物)、等の一般に用いられるベンゾオキサジンである。
ベンゾオキサジンは、フェノール化合物、アミン類、ホルムアルデヒドの3つの成分を原料として合成されるものである。
上記フェノール化合物成分としては、各種フェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、フェノール、クレゾール、2,4キシレノール、そしてビスフェノールAなどが市場価格も安く、好適に用いられる。
上記フェノール化合物成分としては、各種フェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、フェノール、クレゾール、2,4キシレノール、そしてビスフェノールAなどが市場価格も安く、好適に用いられる。
また、アミン類としては、1級アミンであれば特に限定されないが、モノメチルアミン、モノエチルアミン等の脂肪族モノアミン類、エチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、アニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン類、フェニレンジアミン、フェニレントリアミン、メラミン等の芳香族ポリアミン類が挙げられ、市場価格および、スラリーを生成しやすいことから、アニリンが好適に用いられる。
さらに、ホルムアルデヒドとしては、重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形態であるホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)等を用いることができる。常温で個体であるパラホルムアルデヒドについて、パラホルムアルデヒド粒の扁平形の短辺の長さが1mmを超える質量比率が、全パラホルムアルデヒドの質量に対して1質量%以下、すなわち、扁平形粒子の短辺の長さが1mm以下である質量比率は、全パラホルムアルデヒド粒子に対し、99質量%以上であることが望ましい。短辺の長さが1mmを超えるとき、すなわちパラホルムアルデヒドの大きさが十分小さくないときには、反応が均一に行われず、ベンゾオキサジンの純度が悪くなってしまう。
本発明では、原料成分の配合比率に関して、副反応物を発生させない目的から、正確に化学的量論比に合致させる必要がある。
すなわち、フェノール化合物成分がもつ水酸基1モルに対して、アニリンを1モル、そしてホルムアルデヒド2モルを、正確に配合する必要がある。例えば、下記の反応式に示されるとおり、ベンゾオキサジンは、1級アミン、ホルムアルデヒドおよびフェノール化合物が脱水縮合することにより生成され、この反応式では、1級アミンとしてアニリン、ホルムアルデヒドとしてホルマリン、フェノール化合物としてビスフェノールAを反応させた場合の反応式である。
すなわち、フェノール化合物成分がもつ水酸基1モルに対して、アニリンを1モル、そしてホルムアルデヒド2モルを、正確に配合する必要がある。例えば、下記の反応式に示されるとおり、ベンゾオキサジンは、1級アミン、ホルムアルデヒドおよびフェノール化合物が脱水縮合することにより生成され、この反応式では、1級アミンとしてアニリン、ホルムアルデヒドとしてホルマリン、フェノール化合物としてビスフェノールAを反応させた場合の反応式である。
本発明の製造方法では、この3成分を常温で、よく混合してスラリー状態として、各成分が分離しないようにする。
パラホルムアルデヒドは、細かく粉砕された商品を入手するか、あるいは粉砕を公知の方法で行い、35メッシュのふるいを通すことにより、短辺が1mm以下の粒子を得ることができる。
パラホルムアルデヒドは、細かく粉砕された商品を入手するか、あるいは粉砕を公知の方法で行い、35メッシュのふるいを通すことにより、短辺が1mm以下の粒子を得ることができる。
スラリーの作製方法は、特殊技術を特に必要とはせず、市販の攪拌羽根付きの混合装置で、5分程度混合することで十分である。
また、スラリーの安定性を確保するために、スラリー作製は、50℃以下の低温で行うことが好ましい。冷却装置なしで行うためには、40℃以下の室温以上の温度で行うとよい。スラリーを作製してから脱水縮合反応による合成までの時間は、3時間以下、好ましくは1時間以下が望ましい。
また、スラリーの安定性を確保するために、スラリー作製は、50℃以下の低温で行うことが好ましい。冷却装置なしで行うためには、40℃以下の室温以上の温度で行うとよい。スラリーを作製してから脱水縮合反応による合成までの時間は、3時間以下、好ましくは1時間以下が望ましい。
2.定量送液方法
本発明の製造方法では、好ましい態様として、次に、上記スラリーを定量ポンプにて、エンドレスベルト上に、供給する。本発明では、エンドレスベルトに限定されず、通常のベルトまたは容器であってもよい。
また、上記定量ポンプとしては、特に限定されず、ダイヤフラム式、プランジャー式、チューブ式等の市販の定量ポンプを用いることができる。
ベルト上に供給されたスラリーは、薄く広がる。通常、広がったスラリーの厚みは、約1〜10mmとなる。
本発明の製造方法では、好ましい態様として、次に、上記スラリーを定量ポンプにて、エンドレスベルト上に、供給する。本発明では、エンドレスベルトに限定されず、通常のベルトまたは容器であってもよい。
また、上記定量ポンプとしては、特に限定されず、ダイヤフラム式、プランジャー式、チューブ式等の市販の定量ポンプを用いることができる。
ベルト上に供給されたスラリーは、薄く広がる。通常、広がったスラリーの厚みは、約1〜10mmとなる。
3.エンドレスベルトの仕様
本発明の好ましい態様として、図2に、ベンゾオキサジンの製造方法の概観を示す。
エンドレスベルトは、図示されるように、駆動ロールの回転で循環する方式であり、スラリーを運び、加熱反応させた後、冷却してベンゾオキサジン樹脂を剥離する役割をもつ。
この場合、最も重要な点は耐熱性と剥離性である。
本発明の好ましい態様として、図2に、ベンゾオキサジンの製造方法の概観を示す。
エンドレスベルトは、図示されるように、駆動ロールの回転で循環する方式であり、スラリーを運び、加熱反応させた後、冷却してベンゾオキサジン樹脂を剥離する役割をもつ。
この場合、最も重要な点は耐熱性と剥離性である。
ベンゾオキサジン樹脂が容易に剥離しやすいように、エンドレスベルトは、耐熱性、耐薬品性に加えて、良好な剥離性が必要であるので、ベルトの材質は、フッ素系樹脂であるテフロン(登録商標)樹脂やシリコン系樹脂などを用いた材料を用いる。また、加熱、冷却による熱伸縮を抑えるために、ベルトの基布として、ガラス繊維織布を用いることが好ましい。さらに、ベルトの表面がフッ素系樹脂またはシリコン系樹脂でコーティングなどの離形処理されていてもよい。
ベルトの表面に離形処理がなされていれば、ベルトの材質は、フッ素樹脂やシリコン樹脂でなくとも良い。
ベルトの表面に離形処理がなされていれば、ベルトの材質は、フッ素樹脂やシリコン樹脂でなくとも良い。
また、合成されるベンゾオキサジン樹脂は、冷却に伴い、収縮を起こす。一方、エンドレスベルトは、前記ベンゾオキサジン樹脂ほどは収縮しないので、界面に応力を生じることになる。また、ベンゾオキサジン樹脂は、フッ素系樹脂であるテフロン(登録商標)樹脂やシリコン系樹脂との接着性が低いために、樹脂が冷却された場合に、自発的な剥離が起こる。
さらに、(A)ベルト−ベンゾオキサジン樹脂との接着強度と、(B)加熱合成時から冷却したときのベルトの熱膨張係数とヤング率、ベンゾオキサジンの熱膨張係数とヤング率の相違によって生じる熱応力とにおいて、(A)が(B)より小さいことが必要である。
さらに、(A)ベルト−ベンゾオキサジン樹脂との接着強度と、(B)加熱合成時から冷却したときのベルトの熱膨張係数とヤング率、ベンゾオキサジンの熱膨張係数とヤング率の相違によって生じる熱応力とにおいて、(A)が(B)より小さいことが必要である。
4.エンドレスベルト上の反応条件
ベンゾオキサジンの合成反応は、樹脂温度を100℃程度に制御すれば、3分間程度で終了する反応である。
しかし、反応時の発熱が蓄積して、樹脂温度が100℃以上に上がってしまった場合には、架橋反応(熱硬化反応)までが進行して、急激に樹脂の粘度が上昇し、熱可塑性を失う。
ベンゾオキサジンの合成反応は、樹脂温度を100℃程度に制御すれば、3分間程度で終了する反応である。
しかし、反応時の発熱が蓄積して、樹脂温度が100℃以上に上がってしまった場合には、架橋反応(熱硬化反応)までが進行して、急激に樹脂の粘度が上昇し、熱可塑性を失う。
ところが、ベンゾオキサジンの合成に伴う副生成物として、水が発生するので、水の蒸発により、樹脂温度は、一定時間は約100℃に保たれる。約3分間を過ぎると、発生する水が少なくなり、樹脂の温度が急激に上がり、ゲル化(不溶化)を起こす危険がある。
そこで、ベルトの駆動速度、熱板の温度、熱板の長さは、相互関係として重要となる。
ベルトが接触しながら駆動される熱板の温度は、120℃〜180℃に制御することが好ましい。熱板の温度が120℃未満では、加熱効果が小さいために、反応を完了させるために、ベルト駆動速度がいたずらに遅くなってしまう。一方、熱板の温度が180℃を超えると、反応の制御が難しい。
また、熱板の長さには、特に制限はないが、短すぎると、反応を完了させるためにベルト駆動速度がいたずらに遅くなる。また、長すぎるのは、装置コストがいたずらに高くなりすぎるので、2m〜10mの範囲が好ましい長さである。
ベルトが接触しながら駆動される熱板の温度は、120℃〜180℃に制御することが好ましい。熱板の温度が120℃未満では、加熱効果が小さいために、反応を完了させるために、ベルト駆動速度がいたずらに遅くなってしまう。一方、熱板の温度が180℃を超えると、反応の制御が難しい。
また、熱板の長さには、特に制限はないが、短すぎると、反応を完了させるためにベルト駆動速度がいたずらに遅くなる。また、長すぎるのは、装置コストがいたずらに高くなりすぎるので、2m〜10mの範囲が好ましい長さである。
具体的に、熱板の温度を150℃、長さを5mとした場合を例にとると、樹脂温度が100℃に上昇してから、約3分の加熱時間を確保するためのベルト駆動速度としては、1〜1.5m/分が目安となる。
ベンゾオキサジン樹脂の合成には、一般的に、攪拌が重要とされている。
ところが、本発明の製造方法では、攪拌は必要としない。その理由は、水によるバブリング効果である。すなわち、ベルト上におかれたスラリーを加熱してゆくと、反応が始まり、同時に発生する水の沸騰(または気化)によるバブリングで、樹脂は十分に攪拌されていることになる(実施例参照。)。該水としては、(i)脱水縮合反応によって生じる水や、(ii)ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)に含まれている水が挙げられる。
ところが、本発明の製造方法では、攪拌は必要としない。その理由は、水によるバブリング効果である。すなわち、ベルト上におかれたスラリーを加熱してゆくと、反応が始まり、同時に発生する水の沸騰(または気化)によるバブリングで、樹脂は十分に攪拌されていることになる(実施例参照。)。該水としては、(i)脱水縮合反応によって生じる水や、(ii)ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)に含まれている水が挙げられる。
5.エンドレスベルト上の冷却条件
ベンゾオキサジンの反応が終了した後は、樹脂を速やかに冷却する必要がある。過度の加熱は、架橋反応につながり、樹脂は、熱可塑性を失ってしまう。そうなると、製品の重要な性質のひとつである成形性を損なうことになる。
そこで、溶融粘度が低いことが、以後の製品成形に重要となる。したがって、熱板との接触が終わった後には、速やかに、冷却板と接触駆動させることにより、樹脂を冷却しなければならない。また、樹脂の冷却は、ベルトからの剥離を上げるために、少なくとも50℃以下に下げる必要がある。通常、冷却板には、0〜10℃の水を流して、冷却する方式がとられる。冷却板の長さは、2〜10mが好適な範囲となる。
ベンゾオキサジンの反応が終了した後は、樹脂を速やかに冷却する必要がある。過度の加熱は、架橋反応につながり、樹脂は、熱可塑性を失ってしまう。そうなると、製品の重要な性質のひとつである成形性を損なうことになる。
そこで、溶融粘度が低いことが、以後の製品成形に重要となる。したがって、熱板との接触が終わった後には、速やかに、冷却板と接触駆動させることにより、樹脂を冷却しなければならない。また、樹脂の冷却は、ベルトからの剥離を上げるために、少なくとも50℃以下に下げる必要がある。通常、冷却板には、0〜10℃の水を流して、冷却する方式がとられる。冷却板の長さは、2〜10mが好適な範囲となる。
6.エンドレスベルトからの樹脂の剥離
本発明の製造方法では、好ましい態様として、上記したように、樹脂は冷却されると、自発的にベルトより剥離されるが、ベルト表面に傷等があると、剥離しない場合がある。その場合には、剥離用のロールをエンドレスベルトに接触させてもよい。
本発明の製造方法では、好ましい態様として、上記したように、樹脂は冷却されると、自発的にベルトより剥離されるが、ベルト表面に傷等があると、剥離しない場合がある。その場合には、剥離用のロールをエンドレスベルトに接触させてもよい。
7.剥離後の処理
本発明において、剥離されたベンゾオキサジン樹脂は、塊状またはシート状となる。また、ベンゾオキサジン樹脂は、脆性であるので、市販の粉砕機等を用いて、取り扱いの容易な粉体状に、加工してもよい。
本発明において、剥離されたベンゾオキサジン樹脂は、塊状またはシート状となる。また、ベンゾオキサジン樹脂は、脆性であるので、市販の粉砕機等を用いて、取り扱いの容易な粉体状に、加工してもよい。
本発明の製造方法で得られたベンゾオキサジンは、溶融粘度が低いため、成形が容易であり、そして、得られた成形体は、耐熱性及び機械的強度に優れているため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂等に好適に用いることができる。
本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下に記載の実施例によって限定されるものではない。なお、以下に示す実施例において、用いた物性等の測定方法は、以下の通りである。
(1)核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)
Varian Inova社製、1H−NMR(600MHz)
重水素ジメチルスルホキシド使用、256回積算、緩和時間10秒
(1)核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)
Varian Inova社製、1H−NMR(600MHz)
重水素ジメチルスルホキシド使用、256回積算、緩和時間10秒
[実施例1]
原料として、ビスフェノールA:22.8g、アニリン:18.6g、パラホルムアルデヒド:12gを、フラスコ中で、攪拌羽根を用いて混合してスラリーを作製した。その際、攪拌は常温で行った。
次に、表面温度を150℃に制御したヒートプレート上にテフロン(登録商標)ベルトを設置した(三ツ星ベルト(株)、NEOFLEXSTART−T、NS10FG−P)。
原料として、ビスフェノールA:22.8g、アニリン:18.6g、パラホルムアルデヒド:12gを、フラスコ中で、攪拌羽根を用いて混合してスラリーを作製した。その際、攪拌は常温で行った。
次に、表面温度を150℃に制御したヒートプレート上にテフロン(登録商標)ベルトを設置した(三ツ星ベルト(株)、NEOFLEXSTART−T、NS10FG−P)。
上記テフロン(登録商標)ベルト上に、上記スラリーを流しこみ、そのまま放置した。約1分の誘導時間を経て、反応が開始され、反応の副生成物の水によるバブリングが激しくみられた。バブリングは、約3分間継続し、ほぼバブリングが見られなくなった4分で、テフロン(登録商標)ベルトを、表面温度5℃に制御した冷却板上に、スライドさせて移動し、そのまま5分放置して、完全に冷却させた。ベンゾオキサジン樹脂は、シート状となり、ベルトより簡単に剥離できた。
得られたベンゾオキサジンの純度を、NMRを用いて測定した(図1参照。)。
図1によれば、4.6ppmおよび5.4ppmに、ベンゾオキサジンに特徴的な2本の積分値の等しいピークが見られる(それぞれ、ベンゼン環−CH2−N、O−CH2−Nのメチレンに相当)。1.6ppmのピークは、bisフェノールAのイソプロピルの水素に相当する。合成は、攪拌なしの状態においても、1.6ppmの積分値を1としたときに、5.4ppmのピークが0.65である(100%反応が進んだときの理論値は0.667)ことより、収率は、0.65/0.667×100=97.5%と、ほぼ定量的に進んでいることがわかる。
図1によれば、4.6ppmおよび5.4ppmに、ベンゾオキサジンに特徴的な2本の積分値の等しいピークが見られる(それぞれ、ベンゼン環−CH2−N、O−CH2−Nのメチレンに相当)。1.6ppmのピークは、bisフェノールAのイソプロピルの水素に相当する。合成は、攪拌なしの状態においても、1.6ppmの積分値を1としたときに、5.4ppmのピークが0.65である(100%反応が進んだときの理論値は0.667)ことより、収率は、0.65/0.667×100=97.5%と、ほぼ定量的に進んでいることがわかる。
本発明のベンゾオキサジンの製造方法によれば、無溶媒系で、極めて量産性に優れるため、産業上の利用可能性が高い。また、本発明の製造方法から得られたベンゾオキサジンは、溶融粘度が低いために、成形が容易であり、さらに、加熱成形して得られる成形体は、耐熱性及び機械的強度に優れているため、電気・電子部品、自動車部品、銅張り積層基板、プリント基板、耐火コーティング、複合材マトリクス樹脂等、種々の分野に、好適に用いることができる。
Claims (11)
- 1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法において、
(a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液からなる混合物を加熱したときに生じる、(i)脱水縮合反応によって生じる水、及び/又は(ii)該ホルムアルデヒド水溶液に含まれている水の気化により、1級アミン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドを撹拌することを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法。 - 前記フェノール化合物は、フェノール又はビスフェノールAであることを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記1級アミンがアニリンであることを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記パラホルムアルデヒドは、扁平形粒子であって、該扁平形粒子の短辺の長さが1mm以下である質量比率は、全パラホルムアルデヒド粒子に対し、99質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- (a)1級アミン、(b)フェノール化合物ならびに(c)パラホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド水溶液の混合の際には、温度が脱水縮合反応温度より低い温度で混合し、かつスラリーを形成することを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記スラリー形成後に、ベンゾオキサジンと本質的に接着しないベルトまたは容器に、吐出する工程を有することを特徴とする請求項5に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記ベルトは、フッ素樹脂及び/又はシリコン樹脂を含むことを、或いは前記ベルトの表面がフッ素樹脂又はシリコン樹脂で離形処理されていることを特徴とする請求項6に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記ベルトがエンドレスベルトであることを特徴とする請求項6に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 脱水縮合反応温度が100℃以上である脱水縮合反応工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 前記脱水縮合反応工程後に、さらに、冷却工程を含むことを特徴とする請求項9に記載のベンゾオキサジンの製造方法。
- 次の(I)〜(V)の工程からなり、アニリン、フェノール化合物およびホルムアルデヒドの混合物を加熱して脱水縮合反応により合成されるベンゾオキサジンの製造方法であって、
(I)アニリン、フェノール化合物及びホルムアルデヒドを50℃以下の低温で混合し、均一なスラリーを形成する工程と、
(II)上記スラリーを、一定スピードで回転駆動しているエンドレスベルト上に、一定流量で吐出して、薄く広げる工程と、
(III)エンドレスベルトを、100℃以上に加熱された熱板上に接触させながら駆動させる工程と、
(IV)エンドレスベルトを、冷却板に接触させながら駆動させる工程と、及び
(V)冷却したベンゾオキサジンの樹脂を剥離する工程とからなり、かつ、
(I)〜(V)の各工程を連続的に行うことを特徴とするベンゾオキサジンの製造方法。
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- 2008-02-22 JP JP2008041033A patent/JP2009196946A/ja active Pending
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