JP4682027B2 - 燃料ガス発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物である木質チップを炭化炉において炭化物とし、ガス化炉において炭化物から可燃性ガスを発生させ当該可燃性ガスを内燃機関の燃料とする燃料ガス発生装置に関する。
従来より、下記特許文献1に開示されているように、廃棄物を乾溜して可燃性ガスを発生させ、当該可燃性ガスでエンジンを駆動することにより発電等が行われている。当該特許文献1に開示された装置は、廃タイヤ等の廃棄物を乾留炉において乾溜し、当該乾溜により得られた可燃性ガスの多くを燃焼炉において燃焼させてボイラ等で熱利用を行い、前記可燃性ガスの一部を用いてエンジンを駆動させ、発電等を行うものである。
一方、近年では、間伐材等から発生する木質チップ(バイオマス)の利用についての関心が高まっている。当該木質チップは、床材等に再利用される他、暖房機の燃料として用いられることがある。そして、この木質チップを利用して発電を行う場合、上記特許文献1に開示された装置に木質チップを投入し、前記エンジンを駆動させて発電を行うことも可能である。
しかしながら、木質チップを燃料とする場合、木質チップ自体が持つ熱量が廃タイヤ等に比べて小さいため、ボイラ等で熱利用を行う際には熱量が不足する場合がある。また、木質チップを乾溜すると水分やタールが多く発生するため、エンジンを連続運転させると、水分により点火プラグの不着火が発生したり、タールによってエンジンまでのダクトやエンジン吸気口が閉塞するため、頻繁にメンテナンスを行う必要がある。また、木質チップは、その材質の種類によって水分やタールの発生量が大きく異なるため、その材質に合わせて装置の運転制御を変更しなければならない。
さらに、特許文献1に開示される装置を含む大規模なプラントであれば、木質チップの乾留により得られた可燃性ガスを改質、清浄するための大掛かりな設備の設置も可能となるが、木質チップを利用する現場ではこのような大規模な設備を設置できるところは少ないという事情もある。
特開平2001−165420号公報
本発明は、内燃機関の燃料ガス発生装置の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、木質チップを用いて内燃機関を駆動させる際に頻繁なメンテナンスを要することなく内燃機関を連続運転することができる内燃機関用燃料ガス生成装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、比較的小規模な設備で木質チップより内燃機関の燃料ガスを発生させることができる装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置は、木質チップを炭化する炭化炉と、前記炭化炉で生成された炭化物を低酸素雰囲気下で部分燃焼させ水蒸気を加えて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉で生成された可燃性ガスを加熱することにより改質を行うガス改質炉と、前記ガス改質炉で改質された改質ガスに含まれる不純物を取り除くガス清浄手段と、前記炭化炉と前記ガス化炉と前記ガス改質炉と前記ガス清浄手段とを制御する制御装置とを備え、前記炭化炉は、炭化室と、前記炭化室を外部から加熱する高温室とを備え、前記炭化室は、金属製で天面が解放された扁平の略直方体形状であり、側壁又は底板に固定され内部に突出する金属製の伝熱板を備えていることを特徴とする。
本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置によれば、前記木質チップを乾留してその乾留ガスにより内燃機関を作動させるのではなく、一度木質チップを炭化させて炭化物とし、その炭化物を低酸素雰囲気下で部分燃焼させて可燃性ガスを生成し、さらにその可燃性ガスを改質すると共にガスを清浄し、内燃機関用の燃料ガスとするため、生成された可燃性ガスの質が安定している。これにより、内燃機関の連続運転が可能となる。また、一度木質チップを炭化させたものを燃料ガスの原料とするため、燃料ガスの生成時には水分やタール等の発生が極めて少ないため、各機器のタール等による劣化を防止することができる。従って、各機器のメンテナンスが容易となる。
また、燃料ガスの生成時にはタール等の発生が極めて少ないため、燃料ガスの精製が容易となるので、比較的小規模な設備で木質チップより内燃機関の燃料ガスを発生させることができる。尚、木質チップを炭化させて炭化物とする際にはタール等を多く含む可燃性ガスが発生するが、当該可燃性ガスは内燃機関用の燃料ガスとはならないため、焼却処理等の簡易な手段で当該可燃性ガスを処理することができる。
さらに、このように、木質チップを前記炭化室により外部から間接的に加熱することにより、木質チップの一部を燃焼させつつ可燃性ガスを生じさせる直接加熱に比べて容易に多くの炭化物を得ることができる。また、前記炭化室に前記伝熱板を設けることにより、木質チップをむらなく加熱することができるため、均質な炭化物を得ることができる。
また、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置においては、前記ガス改質炉は筒状で所定の流路面積を有しており、前記ガス清浄手段は、前記ガス改質炉よりも広い流路面積を有し、前記ガス改質炉から流入する改質ガスの流れの方向を変更させると共に所定時間前記改質ガスを滞留させる清浄滞留室と、前記清浄滞留室を通過した改質ガスをさらに清浄するフィルタ装置とを備えていることが好ましい。
前記清浄滞留室により、前記ガス改質炉から流入する改質ガスの流れが遅くなり、その流れの方向も変更されるので、改質ガス内に含まれている煤等の固形物が改質ガスから分離される。また、前記清浄滞留室において前記改質ガスが所定時間滞留するので、改質ガスに濃淡等が生じていても当該清浄滞留室において均質化される。従って、内燃機関の燃料ガスとしての均質性が向上するため、内燃機関の円滑な連続運転が可能となる。
また、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置においては、前記炭化室は底面が開閉自在に形成され、前記炭化室の下方に炭化物を前記ガス化炉に搬送する搬送手段を備えていることが好ましい。このように、前記炭化室から前記ガス化炉に搬送する搬送手段を備えることにより、前記ガス化炉における連続運転が可能となる。このため、連続的に燃料ガスを生成することができるので、内燃機関の円滑な連続運転が可能となる。
また、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置においては、前記炭化炉は、前記高温室で前記炭化室内で発生した炭化ガスを燃焼させる炭化ガス燃焼手段と、前記高温室内の温度を検出する高温室内温度センサとを備え、前記制御装置は、前記炭化ガス燃焼手段による燃焼が行われている際に前記高温室内温度センサの検出値が所定値を所定時間下回ったときは、前記高温室内に不燃性ガスを導入することにより前記炭化ガスの燃焼を停止させる炭化停止手段を備えていることをが好ましい。前記炭化炉に前記高温室内温度センサ及び炭化停止手段を備えることにより、木質チップが炭化されたことを自動的に検出できるので、前記炭化炉の自動運転が可能となる。
また、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置においては、廃棄物を収納すると共に、前記廃棄物の一部を燃焼させつつ前記燃焼熱により前記廃棄物の未乾留部を乾留して可燃性ガスを生ぜしめる乾留炉と、前記乾留炉から導入される可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉と、前記燃焼炉における前記可燃性ガスの燃焼温度を検知するガス燃焼温度検知手段と、前記燃焼炉における可燃性ガスの自然燃焼が開始された後に前記ガス燃焼温度検知手段により検知される前記可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された設定温度に略一定に維持するように前記燃焼炉への酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の燃焼及び未乾留部の乾留に必要な酸素を前記乾留炉に供給する酸素供給手段とを備えた乾留ガス化焼却処理装置をさらに設け、前記炭化炉は、前記燃焼炉から発生する排気ガスの熱を用いて前記木質チップを炭化させるものであることが好ましい。
前記炭化炉における熱源を廃棄物の燃焼による熱源とすることで、廃棄物の有する熱量を有効に利用することができる。また、廃棄物は前記乾留炉により乾留され、その際に生じた可燃性ガスが前記燃焼炉により完全燃焼され、前記燃焼炉では前記酸素供給手段により安定した燃焼が行われるため、前記炭化炉において木質チップの安定した加熱をすることができる。
また、本発明の内燃機関用燃料ガス生成装置においては、前記ガス改質炉は、前記燃焼炉から発生する排気ガスの熱を用いて前記ガス化炉で生成された可燃性ガスを加熱することが好ましい。このように、前記改質炉においても廃棄物の燃焼による熱源を用いることにより、廃棄物の有する熱量を有効に利用することができる。
次に、本発明の内燃機関の燃料ガス発生装置の実施形態の一例について、図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態の燃料ガス発生装置は、図1に示すようにエンジンを用いて発電を行う装置に用いられており、基本構成として、炭化炉1、ガス化炉2、ガス改質炉3、ガス処理炉4、清浄滞留室5、フィルタ装置6、ガス貯蔵タンク7、及び内燃機関であるエンジン8と、エンジン8により駆動される発電機9と、各機器の制御を行う制御装置10とを有している。
炭化炉1は、炭化の対象である木質チップ11を投入するためのチップ投入口12と、木質チップ11を収納する炭化室13と、炭化室13を外部から加熱する高温室14と、高温室14内を加熱する炭化バーナ15とを備えている。また、炭化炉1は、炭化室13内にCoタンク16内に貯蔵されている二酸化炭素を導入するCoダクト17及びCo制御弁18と、炭化室13内で発生したガスを炭化バーナ15に導く炭化ガスダクト19及び炭化ガス制御弁20と、高温室14の温度を検出する炭化炉温度センサ21とを備えている。また、炭化炉1は、高温室14からの排気を排出する熱交換式煙突22と、熱交換式煙突22によって熱交換された空気を炭化バーナ15に導く空気ダクト23及び炭化空気制御弁24と、高温室14の底面に設けられたスクリューコンベア25とを備えている。
炭化室13は、図2に示すように、床面積に比べて高さが低く、扁平な略直方体形状となるように形成されている。また、炭化室13内には、側壁に溶接で固定され、側壁或いは当接する底板13aから加えられる熱を内部に伝達するための伝熱板26が格子状に設けられている。また、炭化室13は底板13aが中央から左右に開いて内部の木質チップ11が炭化されて生成された炭化物27を下方のスクリューコンベア25に落下させることができるよう構成されている。スクリューコンベア25の出口の下方にはベルトコンベア28が配設され、スクリューコンベア25から押し出された炭化物27をベルトコンベア28で搬送できるようになっている。
ガス化炉2は、図1に示すように床面積に比べて高さが高い縦長の略円筒状に形成されており、上方から炭化物投入口31と、一時的に炭化物を保持する追加投入ホッパ32と、炭化物27のガス化が行われるガス化室33と、追加投入ホッパ32とガス化室33とを開閉自在に仕切る投入用ゲート34とを備えている。このガス化室33は、炭化物27から発生する可燃性ガス35が導出されるガス導出口36と、ガス導出口36から導出される可燃性ガス35の温度を検出する第1温度センサ37とが設けられている。また、ガス化室33には、ガス化炉2内の炭化物27のレベルを測定するレベルセンサ38と、炭化物27の上層部の温度を検出する第2温度センサ39と、炭化物27の下層部の温度を検出する第3温度センサ40とが設けられている。
また、ガス化室33には着火バーナ41が設けられ、ガス化室33の下方には、ロストル42と、後述する排気ガス熱交換器67により加熱された空気と水蒸気とが供給されるガス化空気供給口43とが設けられている。また、ロストル42の下方には開閉自在の灰出ゲート44と、ロストル42及び周囲の状態を監視する炉内点検口45が設けられている。ガス化空気供給口43には、ガス化空気制御弁46を有するガス化空気ダクト47が接続されており、ガス化空気ダクト47には後述する水蒸気発生器58からの水蒸気を供給する水蒸気ダクト48が接続されている。また、ガス化空気ダクト47には、ガス化空気供給口43の近傍に圧力センサ49が設けられている。本実施形態では、この圧力センサ49によって炭化物27のガス化に必要な空気量を検出している。
ガス改質炉3は、略円筒形に形成され、ガス化炉2のガス導出口36から改質用ガスダクト50を介して導入される可燃性ガス35を加熱して改質する装置であり、可燃性ガス35を導入するガス導入口51と、可燃性ガス35を加熱するための改質用熱交換器52と、改質用熱交換器52で熱交換がなされたガス処理炉4からの排気ガスを排出する排気口53とを備えている。また、ガス改質炉3には、ガス導入口51近傍の温度を検出する第4温度センサ54を備えている。
ガス処理炉4は、ガス改質炉3内を加熱して可燃性ガス35を改質する装置であり、灯油等の補助燃料で燃焼を行う補助バーナ55と、清浄滞留室5により清浄された改質ガス35’の一部を処理用ガスダクト56を介して導入する処理用ガス導入口57と、金属パイプ内で水を加熱して水蒸気を発生させる水蒸気発生器58と、ガス処理炉4内の温度を検出する第5温度センサ59とを備えている。また、水蒸気発生器58に供給される水は、流量センサ60によってその流量が計測、調整される。
清浄滞留室5は、改質用熱交換器52に比べて流路面積が広くなっており、側断面視で大略U字状に形成されている。清浄滞留室5は、このように改質用熱交換器52に比べて流路面積を広げることによりガス改質炉3によって改質された改質ガス35’の流速を低下させる。また、側断面視で大略U字状に形成することにより、改質ガス35’の流れの方向を変更させる。これにより、改質ガス35’から煤等の固形物を分離させることができる。また、清浄滞留室5は、同時に改質ガス35’を所定時間滞留させることにより、改質ガス35’の均質化を行っている。
本実施形態では、この清浄滞留室5に改質ガス35’を滞留させる時間を約10秒としている。この滞留時間は、5秒から20秒に設定することができる。改質ガス35’の均質化を考慮すると滞留時間は長い方がよいが、滞留時間が長いと清浄滞留室5の壁面に改質ガス35’に含まれる煤が付着しやすくなる傾向があるため好ましくない。従って、改質ガス35’の均質化と改質ガス35’の温度低下とを勘案すると、滞留時間は9秒から15秒にすることが好ましい。
また、この清浄滞留室5には、入口温度を検出する第6温度センサ61と、出口温度を検出する第7温度センサ62と、清浄滞留室5内の点検を行うための室内点検口63とが設けられている。また、清浄滞留室5の出口には、ガス処理炉4に送られる改質ガス35’の流量を制御する第1ガス制御弁64と、エンジン8或いはガス貯蔵タンク7に送られる改質ガス35’の流量を制御する第2ガス制御弁65とが設けられている。
本実施形態においては、上記ガス改質炉3とガス処理炉4と清浄滞留室5とが一体に組み合わされている。また、ガス改質炉3の排気口53から排出される排気ガスと送風ファン66から送風される空気との熱交換を行う排気ガス熱交換器67が設けられている。また、ガス処理炉4の補助バーナ55には、送風ファン66により送風され排気ガス熱交換器67により熱交換された空気の一部が補助バーナ用空気制御弁68及び補助バーナ用空気ダクト69を介して導入されるようになっている。また、清浄滞留室5の出口から導出される改質ガス35’の一部は第1ガス制御弁64及び処理用ガスダクト56を介してガス処理炉4の処理用ガス導入口57に導入されるようになっている。また、排気ガス熱交換器67の入口温度を計測する第8温度センサ70と、出口温度を計測する第9温度センサ71とが設けられている。
フィルタ装置6は、本実施形態では第1フィルタ72と、冷却器73と、第2フィルタ74と、第3フィルタ75とにより構成されている。第1フィルタ72は、木炭を用いて改質ガス35’を濾過するフィルタである。冷却器73は、大気と熱交換を行うことにより可燃性ガスを冷却する熱交換器である。また、第2フィルタ74はサイクロン式のフィルタであり、第3フィルタは繊維状のフィルタを用いた濾過式フィルタである。また、冷却器73には、入口温度を計測する第10温度センサ76と、出口温度を計測する11温度センサ77とが設けられている。
フィルタ装置6により清浄された改質ガス35’は、ガス切替弁78によって、エンジン8に供給されるか、又はガス貯蔵タンク7に貯蔵される。改質ガス35’がエンジン8に供給される際には、ガスバルブ79、エアバルブ80、及びスロットルバルブ81を介してエンジン8に供給される。エンジン8は、通常の4サイクル式のガソリンエンジンを用いており、このエンジン8により発電機9を駆動して発電を行っている。また、ガス貯蔵タンク7には、その内部の圧力を検出するガス圧センサ82が設けられている。
次に、本実施形態の燃料ガス発生装置の機能的構成について図3を参照して説明する。制御装置10には、炭化炉1の炭化炉温度センサ21、炭化ガス制御弁20、炭化空気制御弁24、Co制御弁18とが接続されている。また、ガス化炉2の着火バーナ41、レベルセンサ38、第1温度センサ37、第2温度センサ39、第3温度センサ40、ガス化空気制御弁46、圧力センサ49とが接続されている。また、制御装置10には、ガス改質炉3の第4温度センサ54、ガス処理炉4の補助バーナ55、第5温度センサ59、補助バーナ用空気制御弁68、清浄滞留室5の第6温度センサ61及び第7温度センサ62、第1ガス制御弁64及び第2ガス制御弁65、流量センサ60、送風ファン66とが接続されている。
また、制御装置10には、排気ガス熱交換器67の第8温度センサ70及び第9温度センサ71、冷却器73の第10温度センサ76及び第11温度センサ77とが接続されている。さらに、制御装置10には、ガス切替弁78、ガス圧センサ82、エンジン8、発電機9及びエンジン8の制御を行うためのガスバルブ79、エアバルブ80、及びスロットルバルブ81が接続されている。
次に、本実施形態の燃料ガス発生装置によって可燃性ガス35及び改質ガス35’を発生させ、エンジン8を駆動して発電機9により発電を行う工程について説明する。
まず、木質チップ11を炭化する工程について説明する。本実施形態においては、この木質チップ11として、廃棄処分された建材を所定の大きさに粉砕したものを使用している。この木質チップ11を炭化炉1のチップ投入口12から炭化室13内に投入する。このとき、炭化室13は伝熱板26によって格子状に仕切られているので、それぞれの区画内に均等に木質チップ11が行き渡るように投入することが好ましい。木質チップ11を炭化室13内に投入後、チップ投入口12を閉じて制御装置10の運転開始ボタン10aをオンにする。
制御装置10は、各機器に設置されている各温度センサの状態と、ガス化炉2のレベルセンサ38の状態から各機器の運転状態を把握している。現時点では、ガス化炉2内に炭化物27が投入されておらず、各機器が停止状態であるので、制御装置10は、まず炭化炉1を稼働させて木質チップ11から炭化物27を生成する。
具体的には、制御装置10は、炭化バーナ15に補助燃料を供給し、炭化空気制御弁24を開いて炭化バーナ15を点火させ、高温室14内を加熱する。この運転開始時は、炭化バーナ15を灯油等の補助燃料により燃焼させる。同時に、制御装置10によりCo制御弁18が開かれ、炭化室13内にはCoタンク16よりCoダクト17を介して二酸化炭素が供給され、炭化室13内では木質チップ11を燃焼させないようにしている。また、熱交換式煙突22において高温室14から排出される排ガスと空気との熱交換がなされ、熱交換により加熱された空気が空気ダクト23を介して炭化バーナ15に供給されるようになっている。
そして、高温室14内の熱によって炭化室13が加熱されると、木質チップ11の炭化が開始され、同時に木質チップ11から可燃性の炭化ガスが発生する。制御装置10は、炭化ガス制御弁20を開にすると共に炭化バーナ15に供給される補助燃料を徐々に減らす。このとき、制御装置10は、炭化炉温度センサ21の検出値が所定温度まで低下しないように炭化ガス制御弁20及び補助燃料の調節を行う。そして、炭化バーナ15に供給する補助燃料を停止しても炭化炉温度センサ21の検出値が所定温度まで低下しないようになったときは、炭化バーナ15をへの補助燃料の供給を停止して炭化バーナ15を停止させ、炭化室13内で発生する炭化ガスのみによって高温室14内の燃焼を持続させる。
このように、木質チップ11は、自らの発する炭化ガスによって炭化が進行し、炭化物27となる。炭化室13内の木質チップ11の大部分が炭化物27になると、炭化ガスの発生量が減少し、炭化炉温度センサ21の検出値が低下する。制御装置10は、炭化炉温度センサ21の検出値が所定の基準値を所定時間下回った場合は、炭化が終了したものとしてCo2制御弁18の開度を大とすると共に炭化空気制御弁24を閉にする。この所定温度と所定時間は、木質チップ11の材質によって異なるので、それぞれの材質にあった温度と時間を適宜決定する。
これにより、炭化室13内に供給された二酸化炭素が炭化ガスダクト19を介して高温室14に導入されるので、高温室14内の燃焼が停止される。そして、炭化炉温度センサ21の検出値が所定値まで低下した後、炭化室13の底板13aを中央から左右に開いて内部の炭化物27を下方のスクリューコンベア25に落下させる。そして、スクリューコンベア25によって炭化物27を炭化炉1から取り出し、下方のベルトコンベア28によりガス化炉2の炭化物投入口31内に炭化物27を搬送する。
次に、ガス化炉2において、炭化物27のガス化が行われる。まず、ガス化炉2が稼働していないときは、炭化物投入口31及び投入用ゲート34が開かれており、ベルトコンベア28により搬送された炭化物27は、炭化物投入口31、追加投入ホッパ32、投入用ゲート34を通過して炭化室13内のロストル42上に積載される。そして、レベルセンサ38により検出される炭化物27の積載量が所定値を越えたときは、ベルトコンベア28の運転を停止し、炭化物投入口31及び投入用ゲート34が閉じられる。
一方、ガス処理炉4においては、補助バーナ55に点火されて補助燃料によって燃焼が行われ、ガス処理炉4及び改質用熱交換器52の加熱が行われる。このとき、同時に排気ガス熱交換器67も加熱されるため、送風ファン66から送風される空気の熱交換が行われ、補助バーナ用空気制御弁68及び補助バーナ用空気ダクト69を介して加熱された空気が補助バーナ55に供給される。また、排気ガス熱交換器67によって加熱された空気の一部は、ガス化空気制御弁46及びガス化空気ダクト47を介してガス化炉2のガス化空気供給口43に供給される。
ガス化炉2においては、このようにガス化室33のロストル42の下方から加熱された空気が供給された状態で着火バーナ41によりガス化室33内部の炭化物27に着火が行われる。炭化物27に着火され、炭化物27の燃焼が行われたことが第2温度センサ39又は第3温度センサ40により検知されると、ガス処理炉4においては流量センサ60を介して水蒸気発生器58に水が供給されて水蒸気が生成され、生成された水蒸気が水蒸気ダクト48及びガス化空気ダクト47を介してガス化炉2のガス化空気供給口43に供給される。このように、ガス化室33内に水蒸気が供給されると、炭化物27の燃焼と水蒸気によって一酸化炭素及び水素を含む可燃性ガス35が発生する。発生した可燃性ガス35は、ガス導出口36より改質用ガスダクト50を介してガス改質炉3に供給される。
ガス改質炉3においては、ガス化炉2において発生した可燃性ガス35の改質が行われる。具体的には、可燃性ガス35が改質用熱交換器52内で加熱され、ガス化炉2内において反応していない炭化水素及び水蒸気が改質用熱交換器52内で反応し、一酸化炭素及び水素を含む可燃性ガスとなる。また、炭化水素が空気中の酸素及び窒素と反応して一酸化炭素、二酸化炭素及び水素等に改質される。そして、ガス改質炉3によって改質された改質ガス35’は、その下方に設けられている清浄滞留室5に導入される。
清浄滞留室5は、改質用熱交換器52に比べて流路面積が広くなっているため、清浄滞留室5内では改質ガス35’の流速が低下する。また、清浄滞留室5の大略U字状の形状によって、改質ガス35’と共に流れている煤等の固形物がガスと分離されて堆積する。そして、清浄滞留室5の出口において第1ガス制御弁64と第2ガス制御弁65によって分岐される。
第1ガス制御弁64から分岐される改質ガス35’は、処理用ガスダクト56を介してガス処理炉4の処理用ガス導入口57からガス処理炉4内に導入される。制御装置10は、補助バーナ55に供給される補助燃料を徐々に減らした場合でも第5温度センサ59の検出温度が所定温度まで低下しない状態になったときは、補助バーナ55への補助燃料の供給を停止し、改質ガス35’のみによってガス処理炉4内の燃焼を持続させる。
一方、第2ガス制御弁65から分岐される改質ガス35’は、フィルタ装置6によって清浄される。具体的には、内部に木炭が収納されている第1フィルタ72によって改質ガス35’内の水分と清浄滞留室5内では分離しなかった煤等を除去し、冷却器73によって大気と熱交換を行って改質ガス35’を冷却する。次に、サイクロン式の第2フィルタ74によりガス自身の流速により生じる遠心力によりさらに細かい煤等を除去し、繊維状のフィルタである第3フィルタ75により細かい煤等を除去する。
このように、フィルタ装置6によって清浄された改質ガス35’は、ガス切替弁78によってエンジン8又はガス貯蔵タンク7に供給される。制御装置10は、ガス圧センサ82によって検出されるガス貯蔵タンク7内の圧力が所定の基準値よりも低いときは、ガス切替弁78をガス貯蔵タンク7側に切り替えて、改質ガス35’をガス貯蔵タンク7内に貯蔵する。一方、ガス圧センサ82によって検出される圧力が所定の基準値よりも高いときは、制御装置10はガス切替弁78をエンジン8側に切り替えてエンジン8に改質ガス35’を供給する。
このとき、改質ガス35’は、ガスバルブ79によって流量を調整され、エアバルブ80によって改質ガス35’の流量に適した空気が混合され、スロットルバルブ81によってエンジンに供給される改質ガス35’と空気との混合気の量が調整されてエンジン8に供給される。そして、エンジン8に点火が行われると、エンジン8が回転し、エンジン8に接続されている発電機9も回転する。制御装置10は、発電機9の発電量に応じて、ガスバルブ79、エアバルブ80、及びスロットルバルブ81の各バルブの開度を調整し、所望の発電量を得られるようにエンジン8の制御を行う。
以上のような工程により、ガス化炉2内で炭化物27より発生し、ガス改質炉3によって改質された改質ガス35’により、エンジン8が駆動され、発電機9によって発電が行われる。そして、ガス化炉2において、ガス化室33内の炭化物27が燃焼により灰化してそのレベルが低下し、レベルセンサ38により検知される炭化物27のレベルが所定の基準値以下になったときは、制御装置10は追加投入ホッパ32を介して炭化室13内に炭化物27を投入する。
具体的には、投入用ゲート34を閉じた状態で炭化物投入口31を開口し、ベルトコンベア28から追加投入ホッパ32内に炭化物27を投入する。そして、炭化物投入口31を閉じた後、投入用ゲート34を開く。これにより、追加投入ホッパ32内に一時的に保持されていた炭化物27が炭化室13内に投入される。また、ガス化炉2内で炭化物27が灰化すると、その灰はロストル42の隙間を介してガス化炉2の底部に落下し、その後灰出ゲート44から外部に排出される。
一方、炭化炉1においても、炭化室13内の炭化物27をスクリューコンベア25に落下させた後、再度炭化室13の底部を閉じ、炭化室13内に木質チップ11を投入する。そして、ガス化炉2によって消費される炭化物27の量に応じて木質チップ11の投入量を調節し、ガス化炉2、エンジン8及び発電機9の連続運転の為の準備を行う。
なお、上記実施形態において、炭化炉1に木質チップ11を投入する際に、ベルトコンベア等で自動的に木質チップ11を投入するようにしてもよい。また、炭化バーナ15及び補助バーナ55においては、灯油等の補助燃料を用いているが、これに限らず、ガス貯蔵タンク7内に貯蔵された改質ガス35’を用いてもよく、炭化ガスを貯蔵して用いてもよい。また、上記実施形態では、炭化炉1による木質チップ11の炭化の終了時に炭化室13内に導入される二酸化炭素の量を多くすることにより高温室14内の燃焼を終了させているが、これに限らず、高温室14内に直接二酸化炭素や窒素ガス等の不燃性ガスを供給してもよい。
次に、本発明の他の実施形態である燃料ガス発生装置について図4を参照して説明する。他の実施形態の燃料ガス発生装置は、後述するように、廃棄物Aを乾留ガス化させる乾留炉100と、乾留炉100により発生した可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉101と、燃焼炉101の排気ガスの熱を利用して内部を加熱するロータリーキルンとを備えた乾留ガス化燃焼装置に付随して設けられている。
図4に示す乾留ガス化焼却処理装置は、廃タイヤ等の廃棄物Aを収納し、その乾留・ガス化並びに燃焼・灰化を行わしめる2基の乾留炉100,100、廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉101、燃焼炉101における可燃性ガスの燃焼温度を検知する温度センサ102、各乾留炉100に酸素(空気)を供給する酸素供給手段103及び燃焼炉101に酸素(空気)を供給する酸素供給手段104を備えている。
他の実施形態の乾留ガス化焼却処理装置は、さらに、燃焼炉101に接続され前記可燃性ガスの排気の一部を導入して、木質チップ11を炭化して炭化物27とするロータリーキルン、ロータリーキルンの排気を吸引して燃焼炉101に導入する吸引導入手段105、燃焼炉101に接続され前記可燃性ガスの排気及びロータリーキルンの排気を吸引して大気中に放出する排出手段106を備えている。
乾留炉100の上面部には、開閉自在な投入扉を有する投入口が形成され、該投入口から廃棄物Aが乾留炉100内に投入できるようになっている。そして、乾留炉100は、投入扉を閉じた状態では、その内部が実質的に外気と遮断されるようになっている。また、その底面部には、乾留炉100の内部と隔離された空室100aが形成されており、空室100aは酸素供給手段103に接続されている。そして、空室100aは酸素供給手段103から供給される酸素を乾留炉100の内部に供給するようになっている。乾留炉100の下部の側部には、点火バーナ等により構成される着火装置107が取付けられている。
前記燃焼炉101は、その基部に各乾留炉100の上部に設けられた接続部108から導出されたガス通路109が接続され、ガス通路109に設けられた切換え弁110を切り換えることにより、前記2基の乾留炉100,100のどちらか一方から廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスが導入されるようになっており、その後端部には点火バーナ等により構成される着火装置111が取付けられて前記ガス通路109から導入される可燃性ガスに着火するようになっている。
燃焼炉101の外周部には、該燃焼炉101の内部と隔離された空室101aが形成されており、空室101aは酸素供給手段104に接続されている。そして、空室101aは酸素供給手段104から供給される酸素を燃焼炉101の外周壁に設けられた複数のノズル孔を介して燃焼炉101の内部に供給するようになっている。
また、燃焼炉101の側部下方には、前記可燃性ガスの燃焼による排気の一部をロータリーキルンに供給するための排気取出口112が設けられ、また側部上方にはロータリーキルンの排気が導入される排気取入口113が設けられている。
前記ロータリーキルンは、長さ方向に沿って緩やかに傾斜した回転炉114と、該回転炉114の上方に設けられた木質チップを投入する投入口115と、下方に設けられた炭化物を取り出す取出口116とからなる。回転炉114は、その下部で前記燃焼炉101の排気取出口112に接続されており、上部にはロータリーキルンの排気を吸引して燃焼炉101に導入する吸引導入手段105が接続されている。また、前記投入口115には、モータにより駆動されるスクリューコンベア117が備えられており、投入された木質チップを回転炉114に供給するようになっている。
吸引導入手段105は、前記ロータリーキルンの回転炉114の上部と、前記燃焼炉101の排気取入口113とを接続し、図示しない吸引ファンによりロータリーキルンの内部の圧力が常に燃焼炉101の内部圧力より低くなるようにロータリーキルンの排気を吸引するとともに、燃焼炉101に導入される排気の圧力が燃焼炉101の内部圧力より高くなるようにしている。
当該他の実施形態では、図4に示すように、上記実施形態のガス処理炉4に代えて、燃焼炉101を利用しており、水蒸気発生器58はこの燃焼炉101により加熱される。また、ガス改質炉3の改質用熱交換器52もこの燃焼炉101により加熱される。また、ロータリーキルンの取出口116から取り出された炭化物27は、ガス化炉2に導入されるようになっている。その他の構成において、上記実施形態と同様の構成を有するものは、図1と同様の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
次に、当該他の実施形態において、廃棄物Aを燃焼させ、その排熱を利用して木質チップ11を炭化物27とし、燃料ガス発生装置によって可燃性ガス35及び改質ガス35’を発生させ、エンジン8を駆動して発電機9により発電を行う工程について説明する。
まず、一方の乾留炉100の投入扉を開いて、廃棄物Aを投入口115から該乾留炉100内に投入する。次いで、投入扉を閉じた後に、前記着火装置107を所定時間作動させることにより、乾留炉100内の廃棄物Aに着火し、該廃棄物Aの部分的燃焼を開始させる。
前記廃棄物Aの部分的燃焼が開始されると、該廃棄物Aの下層部が徐々に燃焼していき、その燃焼熱により、該廃棄物Aの上層部が乾留を開始すると共に、その乾留により可燃性ガスを発生し始め、この可燃性ガスは、乾留炉100内からガス通路109を介して燃焼炉101に導入される。そして、前記着火装置111が所定時間作動されることにより、可燃性ガスに着火され、該可燃性ガスの自然燃焼が開始される。前記可燃性ガスの燃焼温度は前記温度センサにより検出され、検知信号が前記酸素供給手段103及び前記酸素供給手段104に出力される。
このとき、前記酸素供給手段103は、温度センサ102から入力される前記検知信号に従って、前記可燃性ガスの燃焼温度が該可燃性ガスが自然燃焼し得ると共にその燃焼による窒素酸化物等の発生が少ないものとなる燃焼温度として予め定められた設定温度に略維持されるように、その開度を自動的に調整して前記可燃性ガスの発生量を制御する。酸素供給手段の自動的調整は、具体的には、燃焼温度が前記設定温度よりも小さくなると、乾留炉100への酸素供給量を増加させ、廃棄物Aの下層部の燃焼を促進して前記可燃性ガスの発生を助長し、逆に、燃焼温度が前記設定温度よりも大きくなると、乾留炉100への酸素供給量を減少させ、廃棄物Aの下層部の燃焼が抑制して前記可燃性ガスの発生が抑制するように行われる。
また、前記酸素供給手段104は、温度センサから入力される前記検知信号に従って、前記可燃性ガスの燃焼温度に応じて、導入される可燃性ガスの完全燃焼に必要な酸素を燃焼炉101に供給するように、その開度を自動的に調整する。酸素供給手段104の自動的調整は、具体的には、廃棄物Aの乾留の初期段階においては、燃焼炉101に導入される可燃性ガスの量が増大してその燃焼温度が上昇するに伴って燃焼炉101への酸素供給量を増加させ、廃棄物Aの乾留が安定に進行する段階では、可燃性ガスの燃焼温度の若干の増減に伴って開度を増減させて、燃焼炉101への酸素供給量を調整し、これにより、燃焼炉101に導入される可燃性ガスが完全燃焼し得る量の酸素を該可燃性ガスに混合する。
前記のようにして乾留炉100内で廃棄物Aの乾留ガス化が安定に進行するようになると、それに伴い乾留炉100から燃焼炉101に導入される可燃性ガスの燃焼も安定に進行するようになり、該可燃性ガスが燃焼された排気の一部が排気取出口112からロータリーキルンに導入され、加熱処理に供される。
ロータリーキルンでは、木質チップ11が前記のように長さ方向に沿って緩やかに傾斜した回転炉114の上方の投入口115から投入され、次第に下方の取出口116方向に移動している。そこで、前記可燃性ガスの排気が該回転炉114の下部から導入され、前記のように投入口115から取出口116方向に移動している前記木質チップ11を炭化させる。そして、該木質チップ11の炭化を行った排気及び該木質チップ11の炭化により生じた気体が、ロータリーキルンの排気として図示しない吸引ファンに吸引され、燃焼炉101の排気取入口113から燃焼炉101内に導入される。
ロータリーキルンにより木質チップ11が炭化されて炭化物27となると、取出口116から取り出され、図示しないベルトコンベアによってガス化炉2に運ばれる。ガス化炉2においては、上記実施形態と同様の処理により、炭化物27に補助バーナ55により点火し、徐々に燃焼させながら水蒸気発生器58から水蒸気を供給すると共にガス化空気ダクト47からガス化用の空気が導入されて炭化物27のガス化が行われる。
ガス化炉2によって発生した可燃性ガス35は、ガス改質炉3の改質用熱交換器52により改質され、清浄滞留室5、フィルタ装置6を介してエンジン8用の燃料ガスとしてエンジン8又はガス貯蔵タンク7に供給される。このように、当該他の実施形態においては、廃棄物Aの燃焼排熱を利用して、木質チップ11の炭化を行い、ガス化炉2で発生した可燃性ガス35の改質を行っている。従って、廃棄物Aの有する熱量を有効に利用することができると共に、安定した運転が可能な乾留ガス化焼却処理装置によって安定した熱を得ることができるので、エンジン8に燃料ガスを安定して供給することができる。
また、図4に示す乾留ガス化焼却処理装置では、一方の乾留炉100の乾留が終了に近づくと、前記と同様にして他方の乾留炉100に新しい廃棄物Aを投入、着火し、焼却処理を開始する。そして、最初の乾留炉100における可燃性ガスの発生が停止したならば、直ちに切換え弁110によりガス通路109を他方の乾留炉100に接続するように切換え、燃焼炉101における可燃性ガスの燃焼が途切れないようにする。このように、2基の乾留炉100,100を交互に切り換えて前記廃棄物の焼却処理を行うことにより、前記ロータリーキルンを休止させることなく、連続運転することができる。尚、前記2基の乾留炉100,100の切換えは、廃棄物Aの焼却処理が行われている乾留炉100内の温度を着火直後から経時的に追跡することにより、円滑に行うことができる。
尚、当該他の実施形態の乾留ガス化焼却処理装置は、本願出願人による特開平8−334218号に開示されたものと同様であるため、その他の乾留ガス化焼却処理装置に関する詳細な説明は省略している。
本発明の燃料ガス発生装置が用いられている発電装置の全体構成を示す説明図。 炭化炉内に設置される炭化室の構成を示す説明図。 図1の発電装置の機能的構成を示す説明図。 本発明の他の実施形態の発電装置の構成を示す説明図。
符号の説明
1…炭化炉、2…ガス化炉、3…ガス改質炉、5…清浄滞留室(ガス清浄手段)、6…フィルタ装置(ガス清浄手段)、10…制御装置。

Claims (6)

  1. 木質チップを炭化する炭化炉と、前記炭化炉で生成された炭化物を低酸素雰囲気下で部分燃焼させ水蒸気を加えて可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉で生成された可燃性ガスを加熱することにより改質を行うガス改質炉と、前記ガス改質炉で改質された改質ガスに含まれる不純物を取り除くガス清浄手段と、前記炭化炉と前記ガス化炉と前記ガス改質炉と前記ガス清浄手段とを制御する制御装置とを備え、
    前記炭化炉は、炭化室と、前記炭化室を外部から加熱する高温室とを備え、
    前記炭化室は、金属製で天面が解放された扁平の略直方体形状であり、側壁又は底板に固定され内部に突出する金属製の伝熱板を備えていることを特徴とする内燃機関用燃料ガス生成装置。
  2. 前記ガス改質炉は筒状で所定の流路面積を有しており、
    前記ガス清浄手段は、前記ガス改質炉よりも広い流路面積を有し、前記ガス改質炉から流入する改質ガスの流れの方向を変更させると共に所定時間前記改質ガスを滞留させる清浄滞留室と、
    前記清浄滞留室を通過した改質ガスをさらに清浄するフィルタ装置とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料ガス生成装置。
  3. 前記炭化室は底面が開閉自在に形成され、前記炭化室の下方に炭化物を前記ガス化炉に搬送する搬送手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用燃料ガス生成装置。
  4. 前記炭化炉は、前記高温室で前記炭化室内で発生した炭化ガスを燃焼させる炭化ガス燃焼手段と、前記高温室内の温度を検出する高温室内温度センサとを備え、
    前記制御装置は、前記炭化ガス燃焼手段による燃焼が行われている際に前記高温室内温度センサの検出値が所定値を所定時間下回ったときは、前記高温室内に不燃性ガスを導入することにより前記炭化ガスの燃焼を停止させる炭化停止手段を備えていることを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1項に記載の内燃機関用燃料ガス生成装置。
  5. 廃棄物を収納すると共に、前記廃棄物の一部を燃焼させつつ前記燃焼熱により前記廃棄物の未乾留部を乾留して可燃性ガスを生ぜしめる乾留炉と、前記乾留炉から導入される可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉と、前記燃焼炉における前記可燃性ガスの燃焼温度を検知するガス燃焼温度検知手段と、前記燃焼炉における可燃性ガスの自然燃焼が開始された後に前記ガス燃焼温度検知手段により検知される前記可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された設定温度に略一定に維持するように前記燃焼炉への酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の燃焼及び未乾留部の乾留に必要な酸素を前記乾留炉に供給する酸素供給手段とを備えた乾留ガス化焼却処理装置をさらに設け、
    前記炭化炉は、前記燃焼炉から発生する排気ガスの熱を用いて前記木質チップを炭化させるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用燃料ガス生成装置。
  6. 前記ガス改質炉は、前記燃焼炉から発生する排気ガスの熱を用いて前記ガス化炉で生成された可燃性ガスを加熱することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用燃料ガス生成装置。
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