JP3583043B2 - 廃棄物の焼却処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を焼却処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃タイヤ等の廃棄物を加熱して乾留し、その乾留により発生する可燃性ガスを内燃機関にその燃料として供給して、該内燃機関を運転させる技術が例えば特許第2622052号公報に提案されている。
【0003】
この技術では、コークス等を燃焼させる燃焼室内に、廃タイヤ等の廃棄物を収容する廃棄物収容室を設け、該廃棄物収容室内の廃棄物をコークス等の燃焼熱により加熱して乾留する。そして、その乾留により発生した可燃性ガスを廃棄物収容室からガス貯蔵タンクを介して内燃機関に供給し、該内燃機関を運転させるようにしている。また、該内燃機関の駆動力により発電機を作動させ、発電を行うようにしている。
【0004】
このような技術によれば、廃棄物を処理しながら、その時に生成される可燃性ガスを利用して内燃機関の運転、ひいては発電を行うことができるため、エネルギー資源の有効活用を図ることができる。
【0005】
しかしながら、かかる技術では、廃棄物収容室内の廃棄物を、特別な燃焼制御がなされていないコークス等の燃焼熱により加熱するものであるため、可燃性ガスを安定して発生させることが難しい。このため、内燃機関の所望の運転を行う上で必要な量の可燃性ガスを十分に内燃機関に供給できないような状況も生じやすい。この結果、可燃性ガスの生成中に内燃機関やその駆動力を受ける発電機の所望の運転を安定して継続的に行うことが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、廃棄物の乾留により生じる可燃性ガスをエンジンの燃料として該エンジンに供給する場合に、エンジンの所望の運転に必要な可燃性ガスを継続的に安定してエンジンに供給することができる廃棄物の焼却処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、先に廃タイヤ等の廃棄物を焼却処理する装置として特開平2−135280号公報等に開示の装置を提案している。この装置では、ガス化炉に収容した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱により該廃棄物の他の部分を乾留して可燃性ガスを発生させる。さらに、ガス化炉で発生した可燃性ガスをガス化炉の外部の燃焼炉に導入し、該燃焼炉で燃焼させる。そして、この場合、燃焼炉内の温度を検出し、その検出温度の変化に応じてガス化炉に供給する酸素(詳しくは廃棄物の部分的燃焼に必要な酸素)の量を調整することで、該燃焼炉内の温度をあらかじめ定めた所定温度にほぼ維持するようにしている。ここで、上記所定温度は、具体的には可燃性ガスが自発的に燃焼するような温度で、例えば1000℃以上の温度である。また、この装置では、燃焼炉で可燃性ガスを燃焼させるために要する酸素の量を、該燃焼炉内の検出温度に応じて調整することで、該燃焼炉内に導入される可燃性ガスの量に適合する量の酸素を燃焼炉に供給し、これにより、該可燃性ガスが燃焼炉内で良好に燃焼するようにしている。
【0008】
このような装置によれば、燃焼炉に導入される可燃性ガスの量に適合した量の酸素を該燃焼炉に供給して可燃性ガスを燃焼させるので、燃焼炉内の温度は、ガス化炉から燃焼炉に導入される可燃性ガスの量を正しく反映するものとなる。そして、この燃焼炉の温度を前記所定温度に維持するように前記ガス化炉に前記廃棄物の部分的燃焼に必要な酸素を供給し、廃棄物の他の部分の乾留を行うので、可燃性ガスをガス化炉で継続的に安定して発生させることができる。
【0009】
そこで、本発明の廃棄物の焼却処理方法は、前記の目的を達成するために、ガス化炉に収容した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱により該廃棄物の他の部分を乾留する工程と、該乾留により発生する可燃性ガスを前記ガス化炉から燃焼器に導入して燃焼させる工程と、前記燃焼器に導入される可燃性ガスの量に応じてその燃焼に要する酸素を該燃焼器に供給して該可燃性ガスを燃焼させると共に、前記燃焼器内の温度があらかじめ設定した第1の所定温度に維持されるように該燃焼器内の温度変化に応じて前記ガス化炉に供給する酸素量を制御して、前記乾留により発生する可燃性ガスの量を調整する工程と、前記燃焼器における可燃性ガスの燃焼中に前記ガス化炉で発生した可燃性ガスを内燃機関にその燃料として供給し、該内燃機関を運転させる工程とから成り、該内燃機関への前記可燃性ガスの供給は、前記燃焼器内の温度が前記第1の所定温度にほぼ一定に維持される状態でのみ行われることを特徴としたものである。
【0010】
かかる本発明によれば、燃焼器に導入される可燃性ガスの量に応じてその燃焼に要する酸素を該燃焼器に供給して該可燃性ガスを燃焼させると共に、前記燃焼器内の温度があらかじめ設定した第1の所定温度に維持されるように該燃焼器内の温度変化に応じて前記ガス化炉に供給する酸素量を制御して、前記乾留により発生する可燃性ガスの量を調整することによって、該可燃性ガスを継続的に安定して発生させることができる。そして、内燃機関への可燃性ガスの供給は、燃焼器内の温度が第1の所定温度にほぼ一定に維持される状態でのみ行われる。このため、この可燃性ガスを前記内燃機関にその燃料として供給するようにすることで、該内燃機関の所望の運転に必要な乾留ガスを継続的に安定して該内燃機関に供給することができる。ひいては、該内燃機関の運転を継続に安定して行うことができる。
【0011】
かかる本発明では、好ましくは、前記内燃機関への前記可燃性ガスの供給は、前記燃焼器内の温度が前記所定温度の近傍温度で該所定温度よりも低い温度にあらかじめ定めた第2の所定温度に達してから開始し、該燃焼器内の温度が前記第2の所定温度以下に低下したときに終了する。
【0012】
このようにすることで、燃焼器内の温度が実際にほぼ一定に維持されるような状況、すなわち、ガス化炉における可燃性ガスの発生が確実に安定して行われる状況においてのみ、内燃機関に可燃性ガスを供給するので、該内燃機関の所望の運転を確実に行うことができる。
【0013】
また、本発明では、前記ガス化炉に供給する酸素や前記燃焼器に供給する酸素を、前記燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱することが好ましい。さらに、前記ガス化炉を空冷式のガス化炉とし、該ガス化炉にその空冷のために供給する空気を、前記燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱することが好ましい。
【0014】
すなわち、前記内燃機関の稼動効率を高める上では、該内燃機関に継続的に安定して可燃性ガスを供給し得る期間、すなわち、燃焼器内の温度が前記第1の所定温度にほぼ一定に維持されるような期間ができるだけ長いことが好ましい。この場合、例えばガス化炉内の廃棄物の量を多くすれば、上記の期間を長くすることは可能であるが、ガス化炉が大型化してしまう。
【0015】
このために、本発明では、前述のように、ガス化炉に供給する酸素や、ガス化炉の空冷(過熱防止)のために該ガス化炉に供給する空気、燃焼器に供給する酸素を、前記燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱する。
【0016】
このようにすることで、ガス化炉にあっては、該ガス化炉における廃棄物の部分的燃焼により発生する熱エネルギーのうち、ガス化炉に供給される酸素や空冷用の空気によって吸収されるエネルギー量を少なくすることができる。このため、廃棄物の部分的燃焼により発生する熱エネルギーのうちの多くが該廃棄物の他の部分(燃焼部分以外の部分)の乾留に供されることとなる。さらに燃焼器にあっては、前記可燃性ガスの燃焼により発生する熱エネルギーのうち、該燃焼器に供給される酸素によって吸収されるエネルギー量が少なくなる。このため、燃焼器内の温度を高温に維持するために要する可燃性ガスの量が少なくて済む。
【0017】
この結果、ガス化炉内の廃棄物の総量や、燃焼部分を比較的少ないものとしつつ、燃焼器内の温度をほぼ前記所定温度に維持させ得る量の可燃性ガスを比較的長い時間にわたって継続することが可能となる。換言すれば、燃焼器内の温度を、比較的長い時間にわたって、前記第1の所定温度でほぼ一定に維持することが可能となる。ひいてはそのような比較的長い時間にわたって、安定して可燃性ガスをガス化炉で発生させることができる。これにより、比較的小型なガス化炉を使用しつつ、比較的に長時間にわたって、内燃機関に十分な量の可燃性ガスを安定に供給することができ、該内燃機関の稼動効率を高めることができる。
【0018】
また、ガス化炉に供給する酸素や、ガス化炉の空冷用の空気、燃焼器に供給する酸素を前記燃焼器における可燃性ガスの燃焼後の廃ガスにより加熱することで、前記酸素等を加熱する専用的な加熱源を必要とすることなく、燃焼器における可燃性ガスの燃焼により発生する熱エネルギーを有効に活用することができる。
【0019】
尚、本発明では、前記燃焼器は、ガス化炉で発生する可燃性ガスの全てを燃焼させるためのものではなく、基本的には、ガス化炉での可燃性ガスの発生状態をコントロールするためにガス化炉内で発生する可燃性ガスの一部を燃焼させるものである。従って、前記燃焼器は、本願出願人が特開平2−135280号公報等に先に開示した装置の燃焼炉のような比較的大きなものを使用する必要はなく、可燃性ガスを前記第1の所定温度で燃焼させ得る程度の容量を有するものであればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施形態で用いる廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置のシステム構成図、図2は図1の装置が備える気液分離装置の横断面図、図3は図1の装置のガス化炉内の温度及び燃焼器内の温度の経時変化を示すグラフである。
【0021】
本実施形態における廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置は、図1示のように、廃タイヤ等の廃棄物Aを収容するガス化炉1と、このガス化炉にガス通路2を介して接続された燃焼器3と、ガス化炉1で後述のように発生する可燃性ガスを燃料として作動するエンジン4(内燃機関)とを備える。
【0022】
ガス化炉1の上面部には、開閉自在な投入扉5を備える投入口6が形成され、この投入口6から廃棄物Aをガス化炉1内に投入可能とされている。そして、ガス化炉1はその投入扉5を閉じた状態では、その内部が実質的に外部と遮断される。
【0023】
ガス化炉1の外周部には、該ガス化炉1を空冷する(ガス化炉1の過熱を防止する)ための空気が供給されるエアジャケット7がガス化炉1の内部と隔離されて形成されている。このエアジャケット7は、ガス化炉1及び燃焼器3の外部の空気供給源としての送風ファン8から導出された主空気供給路9に空冷空気供給路10を介して接続され、送風ファン8から主空気供給路9に送り出される空気が空冷空気供給路10を介して供給される。
【0024】
尚、エアジャケット7に供給される空気は、エアジャケット7の外壁に形成された図示しないエア抜き孔を介して大気中に放出される。また、本実施形態では、前記送風ファン8は、ガス化炉1の空冷用の空気をエアジャケット7に供給するものであると同時に、ガス化炉1における廃棄物Aの部分的燃焼や燃焼器3における後述の可燃性ガスの燃焼等に必要な燃焼用酸素(詳しくは該酸素を含む空気)を供給する酸素供給源として機能するものでもある。
【0025】
ガス化炉1の下部は下方に突出した円錐台形状に形成され、その円錐台形状の下部の外周部には、ガス化炉1の内部及び前記エアジャケット7と隔離された空室11が形成されている。この空室11は、ガス化炉1内の廃棄物Aの部分的燃焼に必要な酸素(空気)をガス化炉1内に供給するためのものであり、ガス化炉1の内壁部に設けられた複数の給気ノズル12を介してガス化炉1の内部に連通している。
【0026】
上記空室11には、前記主空気供給路9から分岐された第1酸素供給路13が接続され、送風ファン8から主空気供給路9に送出される酸素(空気)が該第1酸素供給路13を介して供給される。該第1酸素供給路13には、空室11への空気供給量(酸素供給量)を制御するための制御弁14が設けられ、該制御弁14は弁駆動器15によりその開度が調整される。そして、弁駆動器15は、CPU等を含む電子回路により構成された制御装置16により制御される。
【0027】
ガス化炉1の下側部には、前記制御装置16による作動制御によってガス化炉1に収容された廃棄物Aに着火するための着火装置17が取付けられている。この着火装置17は、点火バーナ等により構成され、灯油等の助燃油が貯留されている燃料供給装置18から燃料供給路19を介して供給される燃料を燃焼させることにより、ガス化炉1内の廃棄物Aに燃焼炎を供給する。尚、着火装置17における燃料の燃焼に必要な酸素(空気)は、前記主空気供給路9から分岐された第2酸素供給路20を介して送風ファン8より供給される。
【0028】
燃焼器3は、廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスとその完全燃焼に必要な酸素(空気)とを混合するバーナ部21と、酸素と混合された可燃性ガスを燃焼せしめる燃焼部22とからなり、燃焼部22はバーナ部21の先端側で該バーナ部21に連通している。バーナ部21の後端部には、ガス通路2が接続され、ガス化炉1における廃棄物Aの乾留により生じた可燃性ガスがガス通路2を介してバーナ部21に導入される。
【0029】
バーナ部21の外周部には、その内部と隔離された空室23が形成されている。この空室23は、可燃性ガスと混合する酸素(空気)をバーナ部21内に供給するためのものであり、バーナ部21の内周部に穿設された複数のノズル孔24を介してバーナ部21の内部に連通している。そして、この空室23には、前記主空気供給路9から分岐された第3酸素供給路25が接続され、送風ファン8から主空気供給路9に送出される酸素(空気)が該第3酸素供給路25を介して供給される。
【0030】
また、該第3酸素供給路25には、空室23への酸素供給量(空気供給量)を制御するための制御弁26が設けられ、該制御弁26は、ガス化炉1側の前記制御弁14と同様、前記制御装置16により制御される弁駆動器27により開度が調整される。
【0031】
バーナ部21の後端部には、前記燃料供給装置18から燃料供給路19を介して供給される助燃油を燃焼させる燃焼装置28が取付けられている。該燃焼装置28は、点火バーナ等により構成され、前記制御装置16による作動制御によって、燃焼器3内の暖気等のために必要に応じて前記助燃油を前記可燃性ガスと共に燃焼させるものである。また、燃焼装置28はバーナ部21に導入された可燃性ガスに着火する場合にも用いられる。尚、燃焼装置28における燃料の燃焼に必要な酸素(空気)は、前記主空気供給路9から分岐された第4酸素供給路29を介して送風ファン8より供給される。
【0032】
燃焼部22の上端側には、燃焼部22での可燃性ガスの完全燃焼により生成される廃ガスを排出するダクト30が接続されており、このダクト30には、その内部に前記主空気供給路9を配設してなる熱交換器31が設けられている。この熱交換器31は、ダクト30内を流通する前記廃ガスと主空気供給路9を流通する空気との間で熱交換を行うことにより、該空気を加熱する。
【0033】
尚、ダクト30は、熱交換器31の下流側では、図示を省略する塵埃除去装置や、冷却器、吸引ファン等を介して煙突に接続され、該煙突を介して廃ガスを大気中に放出する。
【0034】
また、本実施形態の装置では、前記ガス化炉1の上部には、ガス化炉内の温度Tを検知する温度センサ33が取着されている。さらに、燃焼器3には、燃焼器3内の温度Tを検知する温度センサ34がバーナ部21の先端側に臨ませて取着されている。これらの温度センサ33,34の検知信号は、制御装置16に入力される。
【0035】
また、廃棄物Aの乾留により発生する可燃性ガスを前記ガス化炉1からエンジン4に可燃性ガスを供給するためのガス供給路35がガス化炉1から導出されている。そして、このガス供給路35には、その上流側(ガス化炉1側)から順に、開閉弁36、冷却器37、集塵器38、並びに二基の気液分離装置39,39が介装されている。
【0036】
開閉弁36は、前記制御装置16により制御される弁駆動器40により開閉されるものである。
【0037】
冷却器37は、これに導入される可燃性ガスと大気との熱交換により該可燃性ガスを空冷するものである。
【0038】
集塵器38は、可燃性ガスが導入されるケーシング41内にフィルタ42を内蔵しており、このフィルタ42により可燃性ガスに混入している塵や埃を除去するものである。
【0039】
また、各気液分離装置39は、エンジン4にガス成分のみを供給するために可燃性ガスから、タールや木酢等の液体成分を除去するものである。この場合、各気液分離装置39は、サイクロン式のものであり、図2の横断面図に示すように可燃性ガスの導入口43が円筒状のケーシング44の内周面の接線方向に向けられており、導入口43からケーシング44内に流入する可燃性ガスをケーシング44の内周面沿いに還流させ渦流化する。そして、この渦流によって、可燃性ガスから液体成分を分離するようにしている。尚、図2で参照符号45を付したものは、可燃性ガスの導出管で、この導出管45は、図1示のようにケーシング44の内部から上方に突出されている。
【0040】
尚、冷却器37、集塵器38、及び各気液分離装置39,39の下端部には、それらの内部に溜まるタールや木酢等の液体成分を排出するための廃液路46がそれぞれ導出され、各廃液路46の先端は、廃液回収漕47に至っている。そして、各廃液路46には、それを開閉するための開閉弁48が設けられている。
【0041】
前記二基の気液分離装置39,39の下流側にあっては、前記ガス供給路35は、可燃性ガスと空気との混合気を生成してエンジン4に供給する混合気供給器49に接続されると共に、混合気供給器49の上流側で該ガス供給路35から分岐されたガス吸引路50を介して吸引ファン51に接続されている。この吸引ファン51は、エンジン4に後述するように可燃性ガスを供給するときに、前記ガス供給路35や冷却器37、集塵器38、気液分離装置39等の内部に存在する空気を吸引して、それらの内部から該空気を除去しつつ、それらの内部に可燃性ガスを導入するためのものである。そして、ガス吸引路50には、開閉弁52が設けられ、該開閉弁52は、前記制御装置16により制御される弁駆動器53によって開閉される。
【0042】
前記混合気供給器49は、ガス供給路35から与えられる可燃性ガスと空気(大気中の空気)とを混合する混合器(ミキサー)54を備え、この混合器54にガス供給路35から主ガス弁55を介して可燃性ガスを供給すると共に、エア弁56を介して大気中の空気を供給するようにしている。そして、混合器54で生成される混合気をスロットル弁57を介してエンジン4に供給するようにしている。さらに、該混合気供給器49は、スロットル弁57の下流側で、該スロットル弁57を通過した混合気に必要に応じて可燃性ガスを添加するための副ガス弁58を備えている。
【0043】
尚、前記主ガス弁55、エア弁56、スロットル弁57及び副ガス弁58は、図示しないアクチュエータを介して前記制御装置16により開度が制御されるようになっている。
【0044】
また、本実施形態では、エンジン4の出力軸4aには、該出力軸4aの回転駆動力により発電する発電機59が取付けられている。
【0045】
次に、本実施形態の装置による廃棄物の焼却処理方法について、図1及び図3を参照しつつ説明する。まず、廃棄物の焼却処理に係る本実施形態の装置の基本的作動を説明する。
【0046】
図1の装置により廃棄物Aを焼却処理する際には、まず、ガス化炉1の投入扉5を開き、投入口6から廃棄物Aをガス化炉1内に投入する。該廃棄物Aは、例えば廃タイヤ等でよい。
【0047】
次いで、投入扉5を閉じてガス化炉1内を密封状態とした後、制御装置16により着火装置17を作動させることにより、廃棄物Aの下層部分に着火し、廃棄物Aの部分的燃焼を開始する。廃棄物Aの部分的燃焼が始まると、温度センサ33により検知されるガス化炉1内の温度Tが次第に上昇する。そして、その温度Tがあらかじめ定めた所定の温度T1A(図2参照)に達すると、制御装置16により前記着火が正常に行われたものと判断されて着火装置17が停止される。
【0048】
この着火の際には、ガス化炉1の空室11に接続された第1酸素供給路13の制御弁14は、制御装置16により制御された弁駆動器15によって、比較的小さな所定の開度であらかじめ開弁されている。この結果、着火装置17による廃棄物Aへの着火は、ガス化炉1内に存在していた酸素と、送風ファン8から主空気供給路9、第1酸素供給路13及び空室11を介してガス化炉1内に供給される少量の酸素とを使用して行われる。
【0049】
前記着火により、ガス化炉1内の廃棄物Aの下層部における部分的燃焼が始まると、その燃焼熱により該廃棄物Aの上層部の乾留が始まり、該乾留により発生した可燃性ガスが、ガス化炉1からガス通路2を介して燃焼器3のバーナ部21に導入される。前記着火後、制御装置16は、所定のプログラムに従って、前記第1酸素供給路13の制御弁14の開度を段階的に徐々に増大させていく。この結果、廃棄物Aの下層部に、その継続的な燃焼に必要十分な程度で酸素が供給され、廃棄物Aの下層部の燃焼が必要以上に拡大することなく安定すると共に、廃棄物Aの上層部の乾留も安定に行われるようになっていく。
【0050】
前記可燃性ガスが燃焼器3のバーナ部21に導入されるとき、燃焼器3の燃焼装置28は、制御装置16により廃棄物Aの着火に先立って作動されており、前記助燃油の燃焼により燃焼器3内の温度Tが850℃以上の温度(例えば870℃)になるようにされている。これは、可燃性ガスを850℃以上の温度環境下で燃焼させると、ダイオキシン類の発生を防ぐことができるからである。
【0051】
また、可燃性ガスが燃焼器3のバーナ部21に導入されるとき、燃焼器3の空室23に接続された第3酸素供給路25の制御弁26は、制御装置16により制御された弁駆動器27によって、あらかじめ所定の開度で開弁されている。そして、バーナ部21に導入された可燃性ガスは、バーナ部21内で第3酸素供給路25から空室23を介して供給される酸素と混合され、燃焼装置28から供給される燃焼炎により着火される。これにより、燃焼器3の燃焼部22における可燃性ガスの燃焼が開始される。
【0052】
燃焼器3における可燃性ガスの燃焼が開始された時点では、前記乾留による可燃性ガスの発生は不安定であり、該可燃性ガスが燃焼器3に安定して供給されないこともあるが、前記のようにガス化炉1内における乾留が安定化するに従って前記可燃性ガスが連続的に発生するようになる。そして、その発生量も増加し、燃焼器3における可燃性ガス自体の燃焼温度tは図3に仮想線で示すように次第に上昇していく。そこで、制御装置16は、燃焼装置28による助燃油の燃焼と可燃性ガス自体の燃焼とにより、温度センサ34で検知される燃焼器3内の温度Tが850℃以上の温度に保たれるように燃焼装置28の火力を調整する。この火力の調整は、例えば、燃料供給路19から供給される燃料の量を調整する比例弁(図示しない)を燃焼装置28内に設け、温度センサ34で検知される燃焼器3内の温度Tに応じて前記比例弁の開度をフィードバック制御することによりなされる。
【0053】
可燃性ガスの発生量が前記のように増加し、燃焼器3内における可燃性ガス自体の燃焼温度tが850℃以上の温度に達すると、前記制御装置16による燃層装置28の火力の調整の結果として、燃焼装置28は自動的に停止される。この後は、可燃性ガスの自発的な燃焼のみが行われ、可燃性ガス自体の燃焼温度tが温度センサ34で検知される燃焼器3内の温度Tに一致するようになる。
【0054】
燃焼器3内で可燃性ガスの自発的な燃焼が行われるようになると、制御装置16は、燃焼器3内の温度Tをあらかじめ設定された温度T2A(図2参照)に維持するように、前記ガス化炉1への酸素供給量(空気供給量)と燃焼器3への酸素供給量(空気供給量)とを制御する。この場合、上記温度T2Aは、例えば1100℃である。
【0055】
燃焼器3内の温度Tを上記設定温度T2Aに維持するためのガス化炉1及び燃焼器3への酸素供給量の制御は次のように行われる。
【0056】
すなわち、制御装置16は、温度センサ34が検知する燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aよりも低い場合には、ガス化炉1側の前記制御弁14の開度を弁駆動器15を介して増加させ、ガス化炉1への酸素供給量を増加させる。これにより、ガス化炉1における廃棄物Aの下層部の燃焼部分を増加させて、他の部分(上層部)の乾留を促進し、可燃性ガスの発生量、ひいては燃焼器3への可燃性ガスの導入量を増加させる。また、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aよりも高くなると、前記制御弁14の開度を減少させ、ガス化炉1への酸素供給量を減少させる。これにより、ガス化炉1における廃棄物Aの下層部の燃焼部分を減少させて、他の部分(上層部)の乾留を抑制し、可燃性ガスの発生量(燃焼器3への導入量)を減少させる。このように、ガス化炉1への酸素供給量を制御することによって、ガス化炉1における可燃性ガスの発生量(燃焼器3への可燃性ガスの導入量)は、燃焼器3内の温度Tを前記設定温度T2Aに維持し得るような量に自動的に調整される。
【0057】
同時に、制御装置16は、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aに上昇するまでは、燃焼器3側の前記制御弁26の開度を弁駆動器27を介して増加させていき、燃焼器3への酸素供給量を増加させていく。そして、燃焼器3内の温度Tが設定温度T2Aに達した後は、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aよりも低くなると、制御弁26の開度を減少させ、燃焼器3への酸素供給量を減少させる。また、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aよりも高くなると、制御弁26の開度を増加させ、燃焼器3への酸素供給量を増加させる。このように、燃焼器3への酸素供給量を制御することによって、ガス化炉1から燃焼器3に導入される可燃性ガスの量に整合した量の酸素、すなわち該可燃性ガスを良好に完全燃焼するのに必要十分な量の酸素が燃焼器3に供給されて該可燃性ガスと混合される。このため、該可燃性ガスが燃焼器3の燃焼部22で良好に完全燃焼する。
【0058】
以上のようなガス化炉1及び燃焼器3への酸素供給量の制御によって、燃焼器3内の温度は、前記設定温度T2Aに維持されるようになる。
【0059】
尚、燃焼器3内の温度Tが設定温度T2Aに維持されるような状態では、前記ガス化炉1のエアジャケット7やガス化炉1の内部等には、ほぼ一定温度に暖められた空気が供給されるのであるが、これについては後述する。また、燃焼器3内の温度Tが設定温度T2Aに維持されるような状態では、ガス化炉1で発生した可燃性ガスが燃焼器3だけでなく、エンジン4にも供給され、該エンジン4の運転が行われるのであるがこれについても後述する。
【0060】
また、図3を参照して、温度センサ33により検知されるガス化炉1内の温度Tは、燃焼装置28の作動中、前記廃棄物Aに着火された直後には廃棄物Aの下層部の部分的燃焼に従って上昇するが、その後、廃棄物Aの下層部の燃焼熱が上層部の乾留のために消費されることにより、一旦下降する。そして、燃焼装置28が停止されて、前記可燃性ガスの自発的な燃焼のみが行われるようになり、前記乾留が定常的に安定に進行する段階(図3に乾留安定段階として示す)に入ると、ガス化炉1内の温度Tは、前記乾留の進行に伴って次第に上昇する。
【0061】
次に、前記ガス化炉1での廃棄物Aの乾留が進行して、廃棄物Aの乾留し得る部分が乏しくなってくると、燃焼器3内の温度Tを設定温度T2Aに維持すべく前記第1酸素供給路13の制御弁14の開度を調整して、ガス化炉1内への酸素供給量を増加させても、燃焼器3内の温度Tを設定温度T2Aに維持するために必要な量の可燃性ガスを発生させることができなくなる。従って、このようになると、ガス化炉1から燃焼器3に導入される可燃性ガスの量が減少していく。
【0062】
このように燃焼器3に導入される可燃性ガスの量が次第に減少すると、図3に示すように燃焼器3内の温度Tは前記設定温度T2Aから下降していく。そして、やがて、可燃性ガス自体の燃焼温度tも図3に仮想線で示すように、可燃性ガスの燃焼熱のみでは、燃焼器3内の温度Tを850℃以上の温度に維持することができなくなる。
【0063】
そこで、本実施形態では、温度センサ34で検知される燃焼器3内の温度Tを850℃以上の以上の温度に維持することができなくなったならば、制御装置16は再び前記燃焼装置28を作動させて助燃油の燃焼を開始し、燃焼器3内の温度Tを850℃以上の温度に維持するようにする。尚、燃焼装置28の燃焼は、燃焼器3内の温度Tが設定温度T2Aから低下することを開始してから、850℃未満に下降するような所定時間後に開始するようにしてもよい。
【0064】
このとき、ガス化炉1では、廃棄物Aの乾留し得る部分が無くなり、廃棄物Aが直燃状態となるため、温度センサ33により検知されるガス化炉1内の温度Tは図3に示す如く上昇が一旦急になるが、廃棄物Aの可燃部分が無くなると下降に転じ、廃棄物Aの灰化と共に、次第に低下していく(図3に灰化段階として示す)。そして、本実施形態では、ガス化炉1内の温度Tが、ダイオキシン類が生成される虞のない程度に低い所定の温度T1B(例えば200℃以下の温度)まで低下したときには、燃焼器3内の温度Tを850℃以上に維持する必要がなくなるので、制御装置16は、燃焼装置28を停止させる。この結果、温度センサ34により検知される燃焼器3内の温度Tも次第に低下していく。
【0065】
尚、最終的にガス化炉1における廃棄物Aの灰化が完了すると、その灰化物がガス化炉1の図示しない灰出口から取り出される。
【0066】
次に、前記可燃性ガスによるエンジン4の運転について説明する。
【0067】
前述したような燃焼器3における可燃性ガスの燃焼開始後、温度センサ34で検知される燃焼器3内の温度Tが、前記可燃性ガスの自発的燃焼が可能な温度で前記設定温度T2Aよりも若干低い値にあらかじめ定めた所定温度T2B(図3参照)まで上昇すると、制御装置16は、前記ガス供給路35の開閉弁36を弁駆動器40を介して開弁せしめ、その開弁状態を維持する。また、制御装置16は、前記吸引ファン51を作動させつつ前記ガス吸引路50の開閉弁52を弁駆動器53を介して開弁せしめ、その開弁状態を所定時間だけ保持する。
【0068】
これにより、ガス化炉1から前記可燃性ガスがガス供給路35に導入されて、ガス供給路35や冷却器37、集塵器38、気液分離装置39の内部に可燃性ガスが充填されると共に、それらの内部に存在していた空気が吸引ファン51を介して大気中に排出される。ここで、前記ガス吸引路50の開閉弁52を開弁状態に保持する前記所定時間は、ガス供給路35や冷却器37、集塵器38、気液分離装置39の内部に可燃性ガスを充填するのに要する時間で、実験等を通じてあらかじめ設定されたものである。
【0069】
次いで、上記所定時間が経過してガス吸引路50の開閉弁52を閉弁させた後、制御装置16は、前記混合気供給器49の各弁55〜58を図示しないアクチュエータを介して所定の開度に制御すると共に、エンジン4の出力軸4aを図示しないスタータモータにより回転駆動する。これにより、混合気供給器49にガス供給路35から可燃性ガスが吸入されて空気と混合され、エンジン4に供給される。そして、その混合気がエンジン4内で燃焼することで、エンジン4が始動する。この場合、この始動に際しては、例えば主ガス弁55、副ガス弁58及びエア弁56をあらかじめ定めた所定の開度とし、前記スロットル弁57を全閉状態から徐々に開いていくことで、エンジン4を円滑に始動することができる。
【0070】
このようにしてエンジン4が始動した後は、ガス化炉1からガス供給路35及び混合気供給器49を介して連続的に可燃性ガスがエンジン4にその燃料として供給され、該エンジン4の連続的な運転が開始する。同時に、該エンジン4の駆動力によって、発電機59が駆動され、該発電機59の発電が開始される。そして、制御装置16は、発電機59の所要の発電電力が得られるように、混合気供給器49の各弁55〜58の開度を制御して、エンジン4の駆動力を制御する。
【0071】
尚、発電機59の発電電力は、図示しない電気的負荷や蓄電器に供給される。
【0072】
上記のように、エンジン4にガス化炉1から供給される可燃性ガスは、前記ガス供給路35を流通する過程で前記冷却器37により冷却された後、前記集塵器38により塵や埃等が除去される。さらに一対の気液分離装置39,39によりタールや木酢等の液体成分が除去された後、混合気供給器49を介してエンジン4に供給される。このため、エンジン4に供給される可燃性ガスは良質の燃料となり、該エンジン4の運転を良好に行うことができる。
【0073】
また、エンジン4への可燃性ガスの供給は、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aにほぼ一定に維持されるような状況、すなわち、ガス化炉1における廃棄物Aの乾留が安定して行われ、可燃性ガスが円滑に発生するような状況で行われるので、エンジン4の運転に必要な量の可燃性ガスを継続的にエンジン4に供給することができる。このため、エンジン4の運転を継続的に安定して行うことができ、ひいては、発電機59による発電も継続的に安定して行うことができる。換言すれば、エンジン4の出力を継続的に安定して取り出すことができることとなる。
【0074】
次に、前述のようにガス化炉1における廃棄物Aの乾留が進行して、廃棄物Aの乾留し得る部分が少なくなり、燃焼器3内の温度Tを前記設定温度T2Aに維持することができなくなるようになると、エンジン4に安定して可燃性ガスを供給し続けることが困難となる。そこで、制御装置16は、燃焼器3内の温度Tが設定温度T2Aよりも若干低い前記所定温度T2Bまで低下すると、前記ガス供給路35の開閉弁36を弁駆動器40を介して閉弁せしめる。これにより、エンジン4への可燃性ガスの供給を停止して、エンジン4及び発電機59の運転を停止する。このようにして、エンジン4への可燃性ガスの供給及び該エンジン4の運転は、ガス化炉1における廃棄物Aの乾留及び可燃性ガスの発生が安定して行われる期間においてのみ行われる。これにより、前述の通り、エンジン4の運転を安定して継続的に行うことができる。
【0075】
尚、本実施形態の装置の運転停止後(ガス化炉1における廃棄物Aの灰化完了後)には、冷却器37、集塵器38、各気液分離装置39から導出されている前記各廃液路46の開閉弁48を開弁することで、これらの機器内に溜まっているタールや木酢等の液体が廃液回収漕47に排出されて回収される。
【0076】
ところで、本実施形態では前記エンジン4の運転は、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aにほぼ維持された状態で行うため、エンジン4の稼動効率を高める上では、燃焼器3内の温度Tが前記設定温度T2Aに維持される時間ができるだけ長いことが望ましい。換言すれば、ガス化炉1における廃棄物Aの乾留が安定して行われるような状態をできるだけ長い時間にわたって継続的に維持させることが望ましい。
【0077】
このために、本実施形態では、前記ガス化炉1の空冷用のエアジャケット7やガス化炉1の内部、燃焼器3のバーナ部21に供給する空気を燃焼器3での可燃性ガスの燃焼により生成される廃ガスの熱を利用して加熱している。
【0078】
すなわち、送風ファン8から主空気供給路9に送り出される空気(これは本実施形態では常温空気である)は、燃焼器3の廃ガスが供給される前記熱交換器31を流通するため、燃焼器3の燃焼中は、上記空気(酸素を含む)が熱交換器31を流通する過程で、廃ガスとの熱交換によって暖められる。この場合、可燃性ガスの燃焼によって燃焼器3の温度Tが前記設定温度T2Aに維持されるような状態では、上記空気は、熱交換器31の出口部分において、例えば100℃程度の温度に暖められる。
【0079】
そして、このように暖められた空気が前記主空気供給路9から、ガス化炉1のエアジャケット7やガス化炉1の内部、燃焼器3のバーナ部21に供給される。
【0080】
このため、ガス化炉1にあっては、前記乾留時の廃棄物Aの部分的燃焼により発生する熱エネルギーのうち、エアジャケット7に供給される空気や、ガス化炉1内に上記部分的燃焼のために供給される空気(酸素)に吸収されるエネルギー量が少なくて済む。この結果、ガス化炉1における廃棄物Aの部分的燃焼による熱エネルギーの多くが該廃棄物Aの他の部分の乾留に使用されることとなり、廃棄物Aの燃焼部分を少ないものとしながら、他の多くの部分を十分に乾留することができることとなる。従って、燃焼器3内の温度Tを前記設定温度T2Aに維持し得るような量の可燃性ガスを比較的長い時間にわたって継続的に発生させることができる。
【0081】
尚、ガス化炉1内の温度Tは、廃棄物Aの乾留中、エアジャケット7に供給される空気よりも高い温度に上昇するので、該空気によって、ガス化炉1の炉体の過熱を十分に防止することができる。
【0082】
また、燃焼器3にあっても、前記のように暖められた空気(酸素)がバーナ部21に供給されて可燃性ガスと混合されるので、該可燃性ガスの燃焼により生じる熱エネルギーのうち、バーナ部21に供給される空気によって吸収される量が少なくて済む。その結果、燃焼器3内の温度Tを前記設定温度T2Aに維持するために要する可燃性ガスの量が少なくて済む。
【0083】
このようなことから、本実施形態の装置では、ガス化炉1の容量やこれに収容する廃棄物Aの量を特別に多くしたりすることなく、燃焼器3内の温度Tを設定温度T2Aにほぼ一定に維持し得る時間を比較的長いものとすることができる。その結果、エンジン4に可燃性ガスを供給しつつ該エンジン4の運転を行う時間を長くすることができ、該エンジン4の稼動効率を高めることができる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、ガス化炉1で廃棄物Aの乾留により発生する可燃性ガスを燃料として、エンジン4を継続的に安定して運転することができ、エンジン4の駆動力を効果的に活用することができる。そして、ガス化炉1がさほど大容量のものでなくても、エンジン4を比較的長い時間、継続的に安定して運転することができるので、該エンジン4の稼動効率を高めることができると共に、本実施形態の装置のエネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で用いる廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置のシステム構成図。
【図2】図1の装置に備える気液分離装置の横断面図。
【図3】図1の装置のガス化炉内の温度及び燃焼器内の温度の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ガス化炉、3…燃焼器、4…エンジン、A…廃棄物。

Claims (5)

  1. ガス化炉に収容した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱により該廃棄物の他の部分を乾留する工程と、該乾留により発生する可燃性ガスを前記ガス化炉から燃焼器に導入して燃焼させる工程と、前記燃焼器に導入される可燃性ガスの量に応じてその燃焼に要する酸素を該燃焼器に供給して該可燃性ガスを燃焼させると共に、前記燃焼器内の温度があらかじめ設定した第1の所定温度に維持されるように該燃焼器内の温度変化に応じて前記ガス化炉に供給する酸素量を制御して、前記乾留により発生する可燃性ガスの量を調整する工程と、前記燃焼器における可燃性ガスの燃焼中に前記ガス化炉で発生した可燃性ガスを内燃機関にその燃料として供給し、該内燃機関を運転させる工程とから成り、該内燃機関への前記可燃性ガスの供給は、前記燃焼器内の温度が前記第1の所定温度にほぼ一定に維持される状態でのみ行われることを特徴とする廃棄物の焼却処理方法。
  2. 前記内燃機関への前記可燃性ガスの供給は、前記燃焼器内の温度が前記所定温度の近傍温度で該所定温度よりも低い温度にあらかじめ定めた第2の所定温度に達してから開始し、該燃焼器内の温度が前記第2の所定温度以下に低下したときに終了することを特徴とする請求項1記載の廃棄物の焼却処理方法。
  3. 前記ガス化炉に供給する酸素を、前記燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱する工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物の焼却処理方法。
  4. 前記ガス化炉は空冷式のガス化炉であり、該ガス化炉にその空冷のために供給する空気を、前記燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱する工程を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃棄物の焼却処理方法。
  5. 前記燃焼器に供給する酸素を、該燃焼器における前記可燃性ガスの燃焼後の廃ガスとの熱交換により加熱する工程を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃棄物の焼却処理方法。
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