JP3152588B2 - 廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置 - Google Patents

廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置

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JP3152588B2
JP3152588B2 JP16728995A JP16728995A JP3152588B2 JP 3152588 B2 JP3152588 B2 JP 3152588B2 JP 16728995 A JP16728995 A JP 16728995A JP 16728995 A JP16728995 A JP 16728995A JP 3152588 B2 JP3152588 B2 JP 3152588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃タイヤ等の廃棄
物を焼却処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】廃タイヤ等の廃棄物を焼却処理する装置
としては、例えば、本出願人が特開平2−135280
号公報に開示した乾留ガス化焼却処理装置が知られてい
る。
【0003】この乾留ガス化焼却処理装置は、ガス化炉
内に収納した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱
により該廃棄物の未乾留部を乾留(熱分解)し、最終的
には、該廃棄物を完全燃焼させて灰化する一方、この
時、該廃棄物の乾留により生じる可燃性ガスをガス化炉
からガス通路を介して燃焼炉に導入すると共に、該燃焼
炉において、該可燃性ガスと酸素(空気)とを混合して
該可燃性ガスを窒素酸化物等の発生が充分少なくなるよ
うな温度で燃焼させるようにし、これにより、窒素酸化
物等による環境汚染を生ぜしめることなく、廃棄物を焼
却処理するようにしたものである。
【0004】この場合、ガス化炉における廃棄物の一部
の燃焼及び未乾留部の乾留と、該乾留により生じる可燃
性ガスの燃焼炉における燃焼とは次のように行われる。
【0005】すなわち、廃棄物の一部の燃焼及び未乾留
部の乾留は、該廃棄物をガス化炉内に収納した後に、該
ガス化炉の側壁下部に装着された着火装置の着火ノズル
から該廃棄物に向けて所定時間燃焼炎を供給することに
より開始される。該燃焼炎によれば、まず、前記着火ノ
ズル付近の廃棄物の一部に着火され、その後、前記廃棄
物間で火移りすることにより、次第に周辺の廃棄物に燃
焼が拡大し、該燃焼が安定する。このようにして、廃棄
物の一部の安定した燃焼が開始されると、その燃焼熱に
より該廃棄物の乾留が開始されて可燃性ガスが発生す
る。そして、該可燃性ガスの発生量は廃棄物の乾留が進
行するに従って増加していく。
【0006】一方、ガス化炉内で発生した可燃性ガス
は、該ガス化炉からガス通路を介して燃焼炉に導入さ
れ、さらに該燃焼炉においてその燃焼に必要な酸素と混
合されると共に、該燃焼炉に装着した着火装置により着
火されて燃焼される。この時、該燃焼炉における可燃性
ガスの燃焼温度が燃焼炉に設けた温度センサにより検知
され、この検知される可燃性ガスの燃焼温度は、廃棄物
への着火後に、ガス化炉内で発生する可燃性ガスの量が
増加して燃焼炉に導入される可燃性ガスの量が増加する
に従って上昇していく。
【0007】そして、温度センサにより検知される可燃
性ガスの燃焼温度が上昇して、該可燃性ガスが自然燃焼
し得る温度に達すると、該着火装置が停止されると共
に、ガス化炉に接続された酸素供給装置が、温度センサ
により検知される可燃性ガスの燃焼温度を、その燃焼に
よる窒素酸化物等の発生が充分に少ない燃焼温度として
あらかじめ定められた所定の温度で略一定に維持するよ
うにガス化炉への酸素供給量を調整しつつ、該ガス化炉
に廃棄物の一部の燃焼及び未乾留部の乾留に必要な酸素
を供給する。
【0008】これにより、燃焼炉における可燃性ガスの
燃焼温度が、窒素酸化物等の発生が充分に少ない燃焼温
度で略一定に維持されることとなって、該可燃性ガスが
環境汚染を生じることなく完全燃焼される。
【0009】ところで、ガス化炉内に収納された廃棄物
の一部に着火するに際しては、着火ノズルによって廃棄
物に向けて所定時間燃焼炎を供給することにより行わ
れ、該着火により廃棄物の一部の燃焼が安定すると、前
記のようにその燃焼熱により安定した乾留が進行されて
灰化段階に至る。この場合、焼却効率や人的コスト等の
観点から着火から灰化に至るまでの工程は自動的に行わ
れることが好ましい。
【0010】しかしながら、かかる乾留ガス化焼却処理
装置においては、ガス化炉内へ収納される廃棄物の種類
や収納状態が異なると、着火ノズルによって廃棄物に燃
焼炎が供給されても該廃棄物間での火移りが良好に行わ
れなず、燃焼が拡大しない場合が生じ、このような場合
には該廃棄物の燃焼が不安定になり、失火して上述した
乾留の進行が停止されてしまう。このため、従来におい
ては、該廃棄物の乾留が進行するような着火であるか否
かを作業者が確認して、着火不良の場合には、手動で着
火装置を再操作して廃棄物の再着火を行うようにしてお
り、着火から乾留段階を経て灰化に至るまでの工程の自
動化が困難であった。
【0011】また、ガス化炉内に温度センサを設けて、
該温度センサによって、廃棄物の着火がなされた温度と
して予め設定された温度を検知することにより該廃棄物
の着火を確認することが行われている。しかしながら、
このような温度センサを設けても自動化されるのは着火
の確認のみで再着火動作は行われないため、着火不良の
場合には、上記同様に作業者が手動で着火装置を再操作
しなければならないという不都合があった。しかも、ガ
ス化炉内の温度は、該ガス化炉内に収納される廃棄物の
種類や収納状態によっては、廃棄物の乾留が進行するよ
うな着火がなされていないにもかかわらず一時的に急上
昇することがあり、前記温度センサにより該急上昇した
温度が検知されると、着火確認の信頼性にかける不都合
があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消するためになされたものであり、確実且つ自動的
に廃棄物の良好な着火が行えるようにして、廃棄物の着
火から乾留段階を経て灰化に至るまでの工程を自動化す
ることができる乾留ガス化焼却処理装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、廃棄物を収納すると共に、該廃棄物の
一部を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄物の未乾留部
を乾留して可燃性ガスを生ぜしめるガス化炉と、該ガス
化炉の下部に設けられ、該廃棄物の一部を燃焼させるた
めに該廃棄物に向けて所定の時間燃焼炎を供給して該廃
棄物に着火する着火ノズルを有する第1の着火手段と、
前記ガス化炉からガス通路を介して導入される可燃性ガ
スを燃焼させる燃焼炉と、該燃焼炉に導入された可燃性
ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまで該可
燃性ガスに向けて燃焼炎を供給して該可燃性ガスに着火
する第2の着火手段と、該燃焼炉における前記可燃性ガ
スの燃焼温度を検知するガス燃焼温度検知手段と、前記
燃焼炉における可燃性ガスの自然燃焼が開始された後に
前記ガス燃焼温度検知手段により検知される該可燃性ガ
スの燃焼温度を略一定に維持するように前記ガス化炉へ
の酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の燃焼及び
未乾留部の乾留に必要な酸素を該ガス化炉に供給する酸
素供給手段とを備えた乾留ガス化焼却処理装置におい
て、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給が
停止された後に、前記ガス燃焼温度検知手段により検知
される前記燃焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が所定時間
内に自然燃焼し得る温度に達した時、前記廃棄物の着火
がなされたものと判定し、該着火の判定がなされない時
には、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給
を再度行うように前記第1の着火手段を制御する着火制
御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】本発明の乾留ガス化焼却処理装置によれ
ば、着火ノズルから廃棄物への燃焼炎の供給が停止され
た後、前記廃棄物の着火が良好であれば、その燃焼の拡
大、安定化に伴って乾留が進行して可燃性ガスの発生量
が増加するので、前記燃焼炉内では、第2の着火手段に
より燃焼される前記可燃性ガスの燃焼温度が次第に上昇
し、通常は一定の時間内に自然燃焼し得る温度に達す
る。そこで、本発明の乾留ガス化焼却処理装置は、着火
ノズルから廃棄物への燃焼炎の供給が停止された後に、
ガス燃焼温度検知手段により検知される前記燃焼炉内の
可燃性ガスの燃焼温度が所定時間内に自然燃焼し得る温
度に達したか否かによって該廃棄物の乾留が進行するよ
うな着火か否かの判定を行う。そして、前記可燃性ガス
の燃焼温度が所定時間内に自然燃焼し得る温度に達しな
い時は、前記ガス化炉において前記廃棄物に対する燃焼
炎の供給が停止されたのち、該廃棄物間で火移りが良好
に行われず、燃焼が拡大、安定化していない状態、即ち
着火不良のために可燃性ガスの発生が不充分であるもの
として着火の判定がなされず、該着火制御手段による再
着火を行う。
【0015】本発明によれば、このようにして、着火制
御手段によって廃棄物の乾留が進行するような着火か否
かの確認を確実かつ自動的に行うことが可能となり、ま
た、該着火の判定がなされない時には、該着火制御手段
によって着火ノズルから廃棄物への燃焼炎の供給が自動
的に行われて再着火されるので、廃棄物の着火から灰化
終了までの工程を自動的に行うことができる。
【0016】前記手段によれば、前記廃棄物の着火が良
好であればそのまま乾留が進行するので、前記のように
前記可燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達す
るまで待って着火の判定を行っても問題は無いが、着火
不良の場合には可及的速やかに再着火することが望まれ
る。そこで、本発明はまた、前記着火制御手段が、前記
ガス化炉内の底部に前記廃棄物の火床温度を検知する火
床温度検知手段を備え、前記着火ノズルから前記廃棄物
への燃焼炎の供給が停止された後、前記ガス燃焼温度検
知手段により検知される前記燃焼炉内の可燃性ガスの燃
焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまでの間に、該火
床温度検知手段により検知される前記廃棄物の火床温度
が予め定められた設定温度に達しない時に、前記着火ノ
ズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように
前記第1の着火手段を制御することを特徴とするもので
ある。
【0017】前記火床温度検知手段によれば、前記廃棄
物の火床温度が直接検知される。そこで、前記着火制御
手段は、該火床温度検知手段に検知される前記廃棄物の
火床温度が予め定められた設定温度に達しているか否か
により該廃棄物の着火を直接確認し、該火床温度検知手
段に検知される前記廃棄物の火床温度が前記設定温度に
達しない時には、燃焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が自
然燃焼し得る温度に達する前であっても再着火を行う。
従って、前記着火制御手段によれば、燃焼炉内の可燃性
ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達する時間まで
待つことなく廃棄物の着火不良を検出して該再着火を行
うことができ、着火制御手段による再着火の時期を早め
ることができる。
【0018】また、前記着火制御手段は、前記着火ノズ
ルから前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止された後、前
記ガス燃焼温度検知手段により検知される前記燃焼炉内
の可燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達する
までの間に、前記火床温度検知手段により検知される前
記廃棄物の火床温度が前記設定温度に達した後、所定時
間後に前記設定温度に達していないときに、前記着火ノ
ズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように
前記第1の着火手段を制御することを特徴とする。
【0019】前記廃棄物は、その種類や収納状態によっ
てその火床温度が一時的に急上昇することがあり、この
ような場合には、実際には乾留が進行するような着火が
なされていないにもかかわらず、前記火床温度が前記設
定温度に達して着火と判定される。そこで、前記着火制
御手段は、廃棄物の火床温度が一旦前記設定温度に達し
たのち、所定時間後に再検知し、前記火床温度が前記設
定温度に達していなければ、再着火を行う。
【0020】従って本発明によれば、前記廃棄物の火床
温度が一時的に急上昇しただけで、実際には廃棄物の乾
留が進行するような着火がなされていないような場合に
も、確実に着火不良を検出することができ、着火確認の
信頼性を向上することができる。
【0021】さらに、本発明は、前記火床温度検知手段
が前記着火ノズルに近接して設けられる第1の火床温度
検知手段と、該第1の火床温度検知手段から水平方向に
所定の間隔を存し該着火ノズルと離間して配置された第
2の火床温度検知手段とからなり、前記着火制御手段
は、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給が
停止された後、前記ガス燃焼温度検知手段により検知さ
れる前記燃焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し
得る温度に達するまでの間に、該第1の火床温度検知手
段及び第2の火床温度検知手段により検知される前記廃
棄物の火床温度が予め定められた設定温度に達しない時
に、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を
再度行うように前記第1の着火手段を制御することを特
徴とする。
【0022】本発明の乾留ガス化焼却処理装置では、ま
ず、前記着火ノズル付近の前記廃棄物に着火され、次い
でその周囲の廃棄物に火移りすることにより、燃焼が拡
大、安定化する。そこで、前記着火制御手段は、前記第
1の火床温度検知手段で検知される前記着火ノズル付近
の廃棄物の火床温度と、前記第2の火床温度検知手段で
検知される前記着火ノズルから離れた位置の廃棄物の火
床温度との両方が前記設定温度に達しているときに初め
て良好な着火が行われたものと判定し、前記両方の火床
温度が前記設定温度に達していないときには、前記火移
りが良好に行われず、燃焼が拡大、安定化していない状
態、即ち着火不良のために可燃性ガスの発生が不充分で
あるものとして、該着火制御手段による再着火を行う。
【0023】従って、前記着火制御手段によれば、燃焼
炉内の可燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達
するまでの時間内に、前記廃棄物間での火移りが良好に
行われなかった場合にはその着火不良を検出して該再着
火を行うことができ、着火確認の信頼性を向上すること
ができる。
【0024】このとき、前記着火制御手段は、前記着火
ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止された
後、前記ガス燃焼温度検知手段により検知される前記燃
焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に
達するまでの間に、第1の火床温度検知手段により検知
される前記廃棄物の火床温度が予め定められた設定温度
に達しない時に、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃
焼炎の供給を再度行うように前記第1の着火手段を制御
すると共に、第1の火床温度検知手段により検知される
前記廃棄物の火床温度が前記設定温度に達した後、第2
の火床温度検知手段により検知される前記廃棄物の火床
温度が予め定められた設定温度に達しない時に、前記着
火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うよ
うに前記第1の着火手段を制御することを特徴とする。
【0025】前記着火制御手段によれば、前記のよう
に、まず、第1の火床温度検知手段の設置位置付近の廃
棄物に対する着火が確実に行われたことを確認し、次い
で第2の火床温度検知手段の設置位置付近の廃棄物の火
床温度を検知することにより、前記両方の火床温度が前
記設定温度に達しているか否かを検出することができ
る。
【0026】このとき、さらに、前記着火制御手段は、
前記第1の火床温度検知手段により検知される前記廃棄
物の火床温度が前記設定温度に達した後、所定時間後に
前記設定温度に達していないときに、前記着火ノズルか
ら前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うと共に、前記
両火床温度検知手段により検知される前記廃棄物の火床
温度が前記設定温度に達した後、所定時間後に該第2の
火床温度検知手段により検知される前記廃棄物の火床温
度が前記設定温度に達していないときに、前記着火ノズ
ルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように前
記第1の着火手段を制御することを特徴とする。
【0027】前記のようにすることにより、前記廃棄物
が、前述のように、その火床温度が一時的に急上昇した
だけである場合にも、確実に着火不良を検出することが
でき、前記両火床温度検知手段による着火確認の信頼性
を向上することができる。
【0028】さらに、本発明は、前記ガス化炉内に収納
された廃棄物と前記着火ノズルの先端との間に設けら
れ、該着火ノズルから供給される燃焼炎が通過可能であ
ると共に、該廃棄物が該着火ノズルの先端に接触するこ
とを防止する炎導保護器が設けられていることを特徴と
する。
【0029】前記ガス化炉内に収納された廃棄物は、着
火ノズルの先端に圧着されると、燃焼炎が該着火ノズル
から供給されにくくなる。そこで、前記のように炎導保
護器を設けることにより、該着火ノズルの先端と廃棄物
との間に空間が形成され、該空間を介して確実に該廃棄
物に燃焼炎を供給することができる。前記炎導保護器
は、簡便な構造で前記効果が得られることから、網状体
であることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の乾留ガス化焼却処
理装置の実施の一形態について図1〜図3に従って説明
する。図1は該焼却処理装置の説明的構成図、図2は該
装置の作動を説明するための線図、図3は該装置の作動
を説明するためのフローチャートである。
【0031】図1で、1は廃タイヤ等の廃棄物Aを収納
し、その乾留・ガス化並びに燃焼・灰化を行わしめるガ
ス化炉、2は廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスを
燃焼させる燃焼炉、3は廃棄物Aの一部を燃焼させるた
めに該廃棄物Aに向けて所定時間燃焼炎を供給する着火
装置(第1の着火手段)、4はガス化炉1に酸素(空
気)を供給する酸素供給手段、5は燃焼炉2に酸素(空
気)を供給する酸素供給手段である。
【0032】ガス化炉1は、その上面部に、開閉自在な
投入扉6を有する投入口7が形成され、該投入口7から
廃棄物Aがガス化炉1内に投入可能とされている。そし
て、ガス化炉1は、投入扉6を閉じた状態では、その内
部が実質的に外気と遮断されるようになっている。
【0033】ガス化炉1の下部は、下方に突出する円錐
台形状に形成され、その底面部8及び斜面状の側壁部9
の外面部には、それぞれガス化炉1の内部と隔離された
空室10,11が形成されている。そして、これらの空
室10,11は、それぞれ底面部8及び側壁部9に設け
られた給気口12を介してガス化炉1の内部に連通され
ている。底面部8の内面側(ガス化炉1の内部側)に
は、廃棄物Aの火床温度を検知する温度センサ13(第
1の火床温度検知手段)が着火装置3に近接して設けら
れ、また温度センサ14(第2の火床温度検知手段)が
該温度センサ13から水平方向に所定の間隔を存し、着
火装置3から離間して配置されている。
【0034】また、ガス化炉1の外周部には、その冷却
構造として該ガス化炉1の内部と隔離されたウォータジ
ャケット16が形成され、その上部には、ウォータジャ
ケット16内の水位を検知する水位センサ17が取付け
られている。
【0035】図1中、18はこのウォータジャケット1
6に給水するための給水手段であり、この給水手段18
は、ガス化炉1の外部に設けられた給水装置19と、該
給水装置19とウォータジャケット16とを接続する給
水管20と、該給水管20に設けられた開閉弁21と、
該開閉弁21を適宜、開閉する開閉弁制御器22とから
成り、開閉弁制御器22には、水位センサ17の検知信
号が入力される。
【0036】この場合、開閉弁制御器22は、開閉弁2
1を開閉駆動するモータ等の駆動部22aと、該駆動部
22aの作動を制御するCPU等を含む制御部22bと
により構成され、制御部22bは水位センサ17の検知
信号に応じて、駆動部22aを作動させる。
【0037】かかる構成により、給水手段18は、開閉
弁制御器22により開閉弁21を適宜、開くことによ
り、給水装置19から給水管20を介してウォータジャ
ケット16に給水し、この時、開閉弁制御器22は、水
位センサ17により検知される水位が所定の水位となる
ように開閉弁21を開閉する。
【0038】尚、同図で、23はガス化炉1の内部で温
度T1 を検知する温度センサであり、この温度センサ2
3は、ガス化炉1の上部に取付けられている。
【0039】前記燃焼炉2は、廃棄物Aの乾留により生
じる可燃性ガスとその完全燃焼に要する酸素(空気)と
を混合するバーナ部24と、該酸素と混合された可燃性
ガスを燃焼せしめる燃焼部25とから成り、燃焼部25
はバーナ部24の先端部側で該バーナ部24に連通され
ている。そして、燃焼部25には、可燃性ガスの燃焼温
度T2 を検知する温度センサ(ガス燃焼温度検知手段)
26が取付けられている。
【0040】バーナ部24の後端部には、ガス化炉1の
上部にその内部と連通して設けられた接続部27から導
出されたガス通路であるガス管28が接続され、ガス化
炉1の内部で廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスが
ガス管28を介してバーナ部24の内部に導入されるよ
うになっている。
【0041】このバーナ部24の外周部には、該バーナ
部24の内部と隔離された空室29が形成され、この空
室29は、バーナ部24の内周部に穿設された複数のノ
ズル孔30を介してバーナ部24の内部に連通されてい
る。
【0042】また、バーナ部24の後端部には、その内
部に導入された可燃性ガスに着火するための着火装置
(第2の着火手段)31が取付けられている。該着火装
置31は、ガス化炉1の外部に設けられた助燃油等の燃
料供給装置35に供給管32を介して接続されている。
かかる構成により、着火装置31は、燃料供給装置35
から供給管32を介して供給される燃料を燃焼させるこ
とにより、バーナ部24から燃焼部25に向かって燃焼
炎を生ぜしめ、この燃焼炎によりバーナ部24を介して
燃焼部25に導入される可燃性ガスに着火するようにし
ている。
【0043】この場合、着火装置31は、その着火作動
を制御する制御部31aを備えており、該制御部31a
には、前記温度センサ26の検知信号が入力される。そ
して、着火装置31の制御部31aは、温度センサ26
により検知される可燃性ガスの燃焼温度に応じて該着火
装置31の着火作動を適宜、行わしめるようにしてい
る。尚、燃焼炉2には、その燃焼部25において燃焼さ
れる可燃性ガスの燃焼熱を熱源とするものとして、例え
ばボイラー装置33が接続されている。
【0044】ガス化炉1側の着火装置3は、ガス化炉1
内に収納された廃棄物Aの一部に着火するためのもので
あり、ガス化炉1の右側壁部9の下部にその着火ノズル
34の先端をガス化炉1内において水平横線方向に向け
て取付けられている。着火ノズル34の先端は、ガス化
炉1の底面部8に取り付けられた温度センサ13(第1
の火床温度検知手段)に近接して配置されている。
【0045】この着火装置3は、燃焼炉2の着火装置3
1と同様に燃料供給装置35に供給管36を介して接続
されている。かかる構成により、着火装置3は、燃料供
給装置35から供給管36を介して供給される燃料を燃
焼させることにより、着火ノズル34の先端からガス化
炉1の内部に向かって燃焼炎を生ぜしめ、この燃焼炎に
よりガス化炉1内の廃棄物Aに着火するようにしてい
る。
【0046】また、着火ノズル34の先端は、該着火ノ
ズル34からの燃焼炎が通過可能な網状体からなる炎導
保護器34aによって覆われており、これによりガス化
炉1内に収納された廃棄物Aの着火ノズル34先端への
接触が防止され、該廃棄物Aと着火ノズル34との間に
空間が形成されて該着火ノズル34からの燃焼炎が該廃
棄物Aに向けて良好に供給される。
【0047】さらに、着火装置3は、その着火作動を制
御する着火作動制御器37に接続されており、該着火作
動制御器37には、前記温度センサ13,14及び温度
センサ26の検知信号が入力される。該着火作動制御器
37は、着火装置3の着火作動を適宜行わしめる駆動部
37aと、該駆動部37aの作動を制御するCPU等を
含む制御部37bとにより構成される。制御部37b
は、該温度センサ13,14及び温度センサ26の検知
信号に応じて、駆動部37aを作動させる。また、制御
部37bには、着火装置3による廃棄物Aの最初の燃焼
炎の供給が停止された後に適宜作動される図示しないタ
イマ手段が内蔵されている。該タイマ手段を所定時間作
動させて該温度センサ13,14による廃棄物Aの火床
温度の検知を継続して行うことにより、廃棄物Aの燃焼
が良好に行われていないにもかかわらず該廃棄物Aの種
類や収納状態によって燃焼温度が一時的に急上昇した場
合にも、着火不良が確実に検出される。
【0048】酸素供給手段4は、ガス化炉1内に酸素を
供給するものであり、ガス化炉1の外部に設けられた酸
素供給ファン38と、該酸素供給ファン38から導出さ
れた主酸素供給管39と、該主酸素供給管39から分岐
されて前記ガス化炉1の空室10,11にそれぞれ接続
された一対の酸素供給管40,41と、該酸素供給管4
0,41にそれぞれ設けられた開閉弁42,43と、開
閉弁42,43をそれぞれ適宜、開閉する開閉弁制御器
44,45とから成り、開閉弁制御器44には、温度セ
ンサ26の検知信号が入力され、開閉弁制御器45に
は、該温度センサ26と前記温度センサ23との両者の
検知信号が入力される。
【0049】この場合、開閉弁制御器44は、開閉弁4
2を開閉駆動するモータ等の駆動部44aと、該駆動部
44aの作動を制御するCPU等を含む制御部44bと
により構成され、制御部44bは温度センサ26の検知
信号に応じて、駆動部44aを作動させる。これと同様
に、開閉弁制御器45は、開閉弁43を開閉駆動する駆
動部45aと該駆動部45aの作動を制御する制御部4
5bとにより構成され、制御部45bは温度センサ2
3,26の両検知信号に応じて、駆動部45aを作動さ
せる。
【0050】かかる構成により、酸素供給手段4は、廃
棄物Aの乾留の進行時に、開閉弁制御器44により、開
閉弁42を開くことにより、酸素供給ファン38から酸
素供給管39,40を介してガス化炉1の空室10に酸
素(空気)を供給し、さらに、該空室10から前記給気
口12を介してガス化炉1の内部に酸素を供給するよう
にしている。この時、開閉弁制御器44は、温度センサ
26により検知される可燃性ガスの燃焼温度に応じて開
閉弁42の開度を調整するようにしている。
【0051】また、酸素供給手段4は、廃棄物Aの乾留
の終了段階において、開閉弁42が開かれるのと並行し
て、開閉弁制御器45により、開閉弁43をも開いて、
酸素供給ファン38から酸素供給管39,41を介して
ガス化炉1の空室11に酸素(空気)を供給し、さら
に、該空室11から前記給気口12を介してガス化炉1
の内部に酸素を供給するようにしている。そして、この
時、開閉弁制御器45は、温度センサ23により検知さ
れるガス化炉1内の温度と、温度センサ26により検知
される可燃性ガスの燃焼温度とを基に、所定のタイミン
グで開閉弁43を開くようにしている。
【0052】前記酸素供給手段5は、燃焼炉2に酸素を
供給するものであり、前記酸素供給ファン38及び主酸
素供給管39と、該主酸素供給管39から分岐されて前
記燃焼炉2の空室29に接続された一対の酸素供給管4
6,47と、該酸素供給管46,47にそれぞれ設けら
れた開閉弁48,49と、開閉弁48を適宜、開閉する
開閉弁制御器50とから成り、開閉弁制御器50には、
前記温度センサ26の検知信号が入力される。
【0053】この場合、開閉弁制御器50は、前記開閉
弁制御器44,45と同様に、開閉弁48を開閉駆動す
る駆動部50aと、該駆動部50aの作動を制御する制
御部50bとにより構成され、制御部50bは温度セン
サ26の検知信号に応じて駆動部50aを作動させる。
【0054】かかる構成により、酸素供給手段5は、開
閉弁制御器50により、適宜、開閉弁48を開くことに
より、酸素供給ファン38から酸素供給管39,46を
介して燃焼炉2の空室29に酸素(空気)を供給し、さ
らに、該空室29から前記ノズル孔30を介して燃焼炉
2のバーナ部24に酸素を供給するようにしている。そ
して、この時、開閉弁制御器50は、温度センサ26に
より検知される可燃性ガスの燃焼温度に応じて開閉弁4
8を開くようにしている。
【0055】尚、この場合、開閉弁49は手動で開閉し
得るように構成されており、該開閉弁49を手動で適
宜、開閉することによっても、酸素供給ファン38から
バーナ部24への酸素供給量を調整し得るようにされて
いる。
【0056】次に、かかる乾留ガス化焼却処理装置にお
いて廃棄物の着火から灰化までの工程を詳述する。
【0057】図1において、廃棄物Aを焼却処理する際
には、まず、ガス化炉1の投入扉6が開かれて廃棄物A
がガス化炉1に投入される。
【0058】次いで、投入扉6を閉じた後に、前記着火
装置3が所定時間作動され、これにより、着火ノズル3
4からガス化炉1内の廃棄物Aに向けて燃焼炎が供給さ
れて廃棄物Aの一部分に着火され、該廃棄物Aの部分的
燃焼が開始される。
【0059】該部分的燃焼が開始されると、ガス化炉1
内の廃棄物Aは、その下層部がガス化炉1内に存在して
いた酸素と酸素供給ファン38から供給される少量の酸
素とを消費しつつ温度センサ13の設置位置から温度セ
ンサ14の設置位置に向けて徐々に燃焼が拡大してい
き、その燃焼熱により、該廃棄物Aの上層部が乾留を開
始すると共に、その乾留により可燃性ガスを発生し始
め、この可燃性ガスは、ガス化炉1内からガス管28を
介して燃焼炉2のバーナ部24に導入される。
【0060】バーナ部24に導入された可燃性ガスは燃
焼炉2内に存在していた酸素(空気)と混合して、前記
着火装置31により着火され、これにより、該可燃性ガ
スが燃焼炉2の燃焼部25において燃焼し始める。
【0061】この時、廃棄物Aの下層部の燃焼は、酸素
供給ファン38から供給されている少量の酸素を消費し
つつ、その範囲が温度センサ13の設置位置付近から放
射状にその周辺に(その中央部では温度センサ14の設
置位置方向に向けて)徐々に拡大していくと共に、徐々
に安定化していく。そして、このように廃棄物Aの下層
部の燃焼が安定化していくに従って、その燃焼熱による
廃棄物Aの乾留も進行して、該乾留により生じる可燃性
ガスの量も増大していく。このため、燃焼炉2に導入さ
れる可燃性ガスの量も増大していき、これにより、図2
に示すように、燃焼炉2における可燃性ガスの燃焼温度
2 も上昇していく。
【0062】そして、この時、可燃性ガスの燃焼温度T
2 は前記温度センサ26により検知され、この温度セン
サ26により検知された可燃性ガスの燃焼温度T2 があ
らかじめ定められた所定温度T2aに達すると、可燃性ガ
スが自然燃焼し得る温度に達したものと判定され、制御
部31aの制御により燃焼炉2の着火装置31が停止さ
れる。すると、燃焼温度T2 は一旦下降するが、その
後、該可燃性ガスの自然燃焼により燃焼温度T2 が急上
昇する。そして、このように該可燃性ガスが自然燃焼し
始めると、開閉弁制御器44が、可燃性ガスの燃焼温度
2 をその燃焼による窒素酸化物等の発生が少ないもの
となる燃焼温度としてあらかじめ設定された温度T
2b(図2参照)に維持するように開閉弁42の開度の自
動的調整を開始する。
【0063】これにより、図2に示すように、可燃性ガ
スの燃焼温度T2 は、温度T2bに略維持され、この状態
で、廃棄物Aの燃焼及び乾留が安定に進行することとな
る。
【0064】尚、かかるガス化炉1における廃棄物Aの
乾留の際には、前記温度センサ23により検知されるガ
ス化炉1内の温度T1 は、通常、図2に示すように変化
する。
【0065】すなわち、ガス化炉1内の温度T1 は、廃
棄物Aの乾留の初期段階においては、該廃棄物Aの下層
部の燃焼の開始に伴って上昇し、続いて、廃棄物Aの乾
留が安定に進行するようになると、廃棄物Aの下層部の
燃焼の進行に伴ってさらに上昇していく。
【0066】一方、燃焼炉2における可燃性ガスの燃焼
には、酸素が必要であるが、この燃焼に必要な酸素は、
次に説明するように、温度センサ26により検知される
可燃性ガスの燃焼温度T2 に応じて酸素供給手段5によ
り供給される。
【0067】すなわち、酸素供給手段5の開閉弁制御器
50は、温度センサ26により検知される可燃性ガスの
燃焼温度T2 に応じて開閉弁48を適当な開度で開き、
これにより、前述したように、酸素供給ファン38から
酸素供給管39,46、燃焼炉2の空室29及びノズル
孔30を介して燃焼炉2のバーナ部24に酸素を供給
し、燃焼炉2に導入される可燃性ガスと、その完全燃焼
に必要な酸素とをバーナ部24において混合させる。
【0068】ところで、かかる廃棄物Aの乾留の際に
は、図1に示すように、ガス化炉1の内部には、その下
部側から上部側にかけて順に、灰化層a、赤熱層b、流
動化層c、伝熱層d及びガス層eが形成され、これらの
各層a〜eのうち、廃棄物Aの燃焼の完了により生じる
灰化層aは廃棄物Aの部分的燃焼が進行するに従って増
大していき、これと共に、廃棄物Aの燃焼が行われてい
る赤熱層bは下層部から上層部に向かって徐々に上昇・
移行していく。また、かかる灰化層aの増大及び赤熱層
bの上昇に伴って、廃棄物Aの乾留が進行する流動化層
c、伝熱層d及びガス層eは減少し、換言すれば、乾留
し得る廃棄物Aの量が減少していく。
【0069】そして、このように、乾留し得る廃棄物A
の量が減少していくと、酸素供給手段4によるガス化炉
1への酸素供給にかかわらず、燃焼炉2における可燃性
ガスの燃焼温度T2 を略一定の温度T2bに維持し得るよ
うな量の可燃性ガスを発生させることができなくなり、
このため、燃焼炉2に導入される可燃性ガスの量は最終
的には、減少していき、該可燃性ガスの燃焼温度T2
最終的には下降していく(図示せず)。
【0070】また、このように、可燃性ガスの燃焼温度
2 が下降していく際には、廃棄物Aの灰化層aを除く
部分に占める赤熱層bが増加すると共に、その燃焼熱が
廃棄物Aの乾留により吸収される量も減少するので、ガ
ス化炉1内の温度T1 は、通常、図2に示すように、一
旦、急上昇する。しかし、温度T1 は、やがて廃棄物A
の燃焼・灰化の進行に伴って、下降していく(図示せ
ず)。そして、このように、廃棄物Aの最終的な灰化が
進行する段階、すなわち、廃棄物Aの乾留の終了段階に
おいては、該廃棄物Aが完全に燃焼されて灰化される。
上述したように廃棄物Aの着火から安定した乾留段階を
経て灰化に至るまでの工程が良好に進行されるには、着
火装置3による廃棄物Aへの着火が該廃棄物Aの間で燃
焼が拡大し、安定化して、廃棄物Aの乾留が安定に進行
するような着火であることが必要となる。
【0071】そこで、本実施例では、次のようにして該
廃棄物Aの乾留が進行するような着火であるか否かを判
定して廃棄物Aの乾留が進行するような着火でない場合
には着火ノズル34から廃棄物Aに向けて再度燃焼炎を
供給するようにし、これにより確実かつ自動的に廃棄物
Aの良好な着火が行えるようにするとともに、廃棄物A
の着火から灰化に至るまでの自動化を図っている。ここ
で、図2においてT3,T4 は、それぞれ廃棄物Aの着
火から灰化に至るまでの工程が良好に進行された場合
に、温度センサ13,14によって検知される廃棄物A
の火床温度の変化を表したものであり、図2から明らか
なように、火床温度T3 ,T4 は時間の経過とともに略
同様に推移する。また、図3は本実施例を説明するため
のフローチャートである。
【0072】図1〜図3を参照して説明すると、着火装
置3の着火ノズル34から廃棄物Aへの燃焼炎の供給が
停止された後に、まず、着火ノズル34に近接する側の
温度センサ13により廃棄物Aの火床温度T3 が検知さ
れ、火床温度T3 が予め定められた廃棄物Aの乾留が進
行するような温度T3aに達していないときには、廃棄物
Aの着火不良として制御部37bによって駆動部37a
が作動され、該駆動部37aの作動によって着火装置3
の着火ノズル34から廃棄物Aへの燃焼炎の供給が再度
行われる。
【0073】廃棄物Aの火床温度T3 が前記温度T3a
達している時には、着火作動制御器37のタイマ手段が
所定時間t1 作動される。そして、火床温度T3 が所定
時間t1 経過後において温度T3aより下降した場合に
は、着火不良として制御部37bによって駆動部37a
が作動され、該駆動部37aの作動によって着火装置3
の着火ノズル34から廃棄物Aへの燃焼炎の供給が再度
行われる。逆に火床温度T3 が温度T3a以上に上昇して
いる場合には、着火ノズル34付近の廃棄物Aには良好
な着火がなされているものとして制御部37bによる駆
動部37aの作動は行われない。
【0074】所定時間t1 が経過後に、火床温度T3
温度T3a以上に上昇していることが確認された場合に
は、次に、温度センサ13から所定の間隔を存して配置
された温度センサ14により廃棄物Aの火床温度T4
検知され、火床温度T4 が予め定められた廃棄物Aの乾
留が進行するような温度T4aに達していないときには、
着火ノズル34付近から周辺の廃棄物Aに火移りしてい
ない着火不良として制御部37bによって駆動部37a
が作動され、該駆動部37aの作動によって着火装置3
の着火ノズル34から廃棄物Aへの燃焼炎の供給が再度
行われる。
【0075】廃棄物Aの火床温度T4 が該温度T4aに達
しているときには、着火作動制御器37のタイマ手段が
所定時間t2 作動される。そして、火床温度T4 が所定
時間t2 経過後において該温度T4aより下降した場合に
は、上述したように温度センサ13によって検知される
廃棄物Aの火床温度T3 が温度T3a以上に上昇していて
も、燃焼が着火ノズル34付近から周辺の廃棄物Aに拡
大していないものとされて制御部37bによって駆動部
37aが作動され、該駆動部37aの作動によって着火
装置3の着火ノズル34から廃棄物Aへの燃焼炎の供給
が再度行われる。逆に火床温度T4 が温度T4a以上に上
昇している場合には、温度センサ13の設置位置から温
度センサ14の設置位置まで燃焼が良好に拡大している
ものとされて制御部37bによる駆動部37aの作動は
行われない。
【0076】さらに、火床温度T4 が所定時間t2 経過
時に温度T4aより上昇していて、廃棄物Aの燃焼が良好
に拡大していると判定された時点で、タイマ手段が所定
時間t3 作動される。該所定時間t3 後に温度センサ2
6により検知される燃焼炉2内の可燃性ガスの燃焼温度
2 が自然燃焼し得る温度T2aより下降した場合には、
上述のように温度センサ13,14によって検知される
廃棄物Aの火床温度T 3 ,T4 が共に温度T3a,T4a
上に上昇していても、火移りの後に失火したものとされ
て制御部37bによって駆動部37aが作動され、該駆
動部37aの作動によって着火装置3の着火ノズル34
から廃棄物Aへの燃焼炎の供給が再度行われる。逆に、
所定時間t3 後に燃焼温度T2 が温度T2aに達している
時には、確実に廃棄物Aの乾留が進行するように着火が
なされているものとされて制御部37bによる駆動部3
7aの作動は行われない。
【0077】尚、上記実施例では、温度センサ13,1
4によって廃棄物Aの火床温度T3,T4 が所定の温度
3a,T4a以上に上昇していることが検知されたのち、
それぞれタイマ手段を所定時間作動させたのち、再び火
床温度T3 ,T4 が所定の温度T3a,T4a以上に上昇し
ていることを確認するようにしているが、該タイマ手段
を用いず、該確認を行わないようにしてもよい。
【0078】また、上記実施例では、着火装置3に近接
して温度センサ13を設けると共に該温度センサ13か
ら水平方向に所定の間隔を存し、着火装置3から離間し
て温度センサ14を設けるようにしているが、前記温度
センサは1基のみでもよく、設置位置も前記温度センサ
13,14の設置位置に限定されるものではない。
【0079】さらに、温度センサ13,14を両方とも
設けずに、温度センサ26により検知される燃焼炉2内
の可燃性ガスの燃焼温度T2 が所定時間t3 内に自然燃
焼し得る温度T2aに達するか否かにより判定するように
してもよい。
【0080】また、上記実施例では、廃棄物Aの乾留が
進行するような着火がなされているか否かの最終的な判
定を、温度センサ26により検知される燃焼炉2内の可
燃性ガスの燃焼温度T2 が所定時間t3 内に自然燃焼し
得る温度T2aに達した時点で行っているが、それ以前、
例えば所定時間t2 内であっても前記燃焼温度T2 が自
然燃焼し得る温度T2a以上に達していることが継続して
検知された場合には該判定を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一例である乾留ガス化焼却処理
装置の説明的構成図である。
【図2】該乾留ガス化焼却処理装置の作動を説明するた
めの線図である。
【図3】該乾留ガス化焼却処理装置の作動を説明するた
めのフローチャートである。
【符号の説明】
A…廃棄物、1…ガス化炉、2…燃焼炉、3…着火装置
(第1の着火手段)、4…酸素供給手段、13…温度セ
ンサ(第1の火床温度検知手段)、14…(第2の火床
温度検知手段)、26…温度センサ(ガス燃焼温度検知
手段)、28…ガス通路、31…着火装置(第2の着火
手段)、34…着火ノズル、37…着火作動制御装置
(着火制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/027 F23G 5/16 F23G 5/50 F23G 7/12 F23G 5/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物を収納すると共に、該廃棄物の一部
    を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄物の未乾留部を乾
    留して可燃性ガスを生ぜしめるガス化炉と、該ガス化炉
    の下部に設けられ、該廃棄物の一部を燃焼させるために
    該廃棄物に向けて所定の時間燃焼炎を供給して該廃棄物
    に着火する着火ノズルを有する第1の着火手段と、前記
    ガス化炉からガス通路を介して導入される可燃性ガスを
    燃焼させる燃焼炉と、該燃焼炉に導入された可燃性ガス
    の燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまで該可燃性
    ガスに向けて燃焼炎を供給して該可燃性ガスに着火する
    第2の着火手段と、該燃焼炉における前記可燃性ガスの
    燃焼温度を検知するガス燃焼温度検知手段と、前記燃焼
    炉における可燃性ガスの自然燃焼が開始された後に前記
    ガス燃焼温度検知手段により検知される該可燃性ガスの
    燃焼温度を略一定に維持するように前記ガス化炉への酸
    素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の燃焼及び未乾
    留部の乾留に必要な酸素を該ガス化炉に供給する酸素供
    給手段とを備えた乾留ガス化焼却処理装置において、 前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止
    された後に、前記ガス燃焼温度検知手段により検知され
    る前記燃焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が所定時間内に
    自然燃焼し得る温度に達した時、前記廃棄物の着火がな
    されたものと判定し、該着火の判定がなされない時に
    は、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を
    再度行うように前記第1の着火手段を制御する着火制御
    手段を備えたことを特徴とする乾留ガス化焼却処理装
    置。
  2. 【請求項2】前記着火制御手段は、前記ガス化炉内の底
    部に前記廃棄物の火床温度を検知する火床温度検知手段
    を備え、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供
    給が停止された後、前記ガス燃焼温度検知手段により検
    知される前記燃焼炉内の可燃性ガスの燃焼温度が自然燃
    焼し得る温度に達するまでの間に、該火床温度検知手段
    により検知される前記廃棄物の火床温度が予め定められ
    た設定温度に達しない時に、前記着火ノズルから前記廃
    棄物への燃焼炎の供給を再度行うように前記第1の着火
    手段を制御することを特徴とする請求項1記載の乾留ガ
    ス化焼却処理装置。
  3. 【請求項3】前記着火制御手段は、前記着火ノズルから
    前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止された後、前記ガス
    燃焼温度検知手段により検知される前記燃焼炉内の可燃
    性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまでの
    間に、前記火床温度検知手段により検知される前記廃棄
    物の火床温度が前記設定温度に達した後、所定時間後に
    前記設定温度に達していないときに、前記着火ノズルか
    ら前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように前記第
    1の着火手段を制御することを特徴とする請求項2記載
    の乾留ガス化焼却処理装置。
  4. 【請求項4】前記火床温度検知手段が前記着火ノズルに
    近接して設けられる第1の火床温度検知手段と、該第1
    の火床温度検知手段から水平方向に所定の間隔を存し該
    着火ノズルと離間して配置された第2の火床温度検知手
    段とからなり、前記着火制御手段は、前記着火ノズルか
    ら前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止された後、前記ガ
    ス燃焼温度検知手段により検知される前記燃焼炉内の可
    燃性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまで
    の間に、該第1の火床温度検知手段及び第2の火床温度
    検知手段により検知される前記廃棄物の火床温度が予め
    定められた設定温度に達しない時に、前記着火ノズルか
    ら前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように前記第
    1の着火手段を制御することを特徴とする請求項2記載
    の乾留ガス化焼却処理装置。
  5. 【請求項5】前記着火制御手段は、前記着火ノズルから
    前記廃棄物への燃焼炎の供給が停止された後、前記ガス
    燃焼温度検知手段により検知される前記燃焼炉内の可燃
    性ガスの燃焼温度が自然燃焼し得る温度に達するまでの
    間に、第1の火床温度検知手段により検知される前記廃
    棄物の火床温度が予め定められた設定温度に達しない時
    に、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃焼炎の供給を
    再度行うように前記第1の着火手段を制御すると共に、
    第1の火床温度検知手段により検知される前記廃棄物の
    火床温度が前記設定温度に達した後、第2の火床温度検
    知手段により検知される前記廃棄物の火床温度が予め定
    められた設定温度に達しない時に、前記着火ノズルから
    前記廃棄物への燃焼炎の供給を再度行うように前記第1
    の着火手段を制御することを特徴とする請求項4記載の
    乾留ガス化焼却処理装置。
  6. 【請求項6】前記着火制御手段は、前記第1の火床温度
    検知手段により検知される前記廃棄物の火床温度が前記
    設定温度に達した後、所定時間後に前記設定温度に達し
    ていないときに、前記着火ノズルから前記廃棄物への燃
    焼炎の供給を再度行うと共に、前記両火床温度検知手段
    により検知される前記廃棄物の火床温度が前記設定温度
    に達した後、所定時間後に該第2の火床温度検知手段に
    より検知される前記廃棄物の火床温度が前記設定温度に
    達していないときに、前記着火ノズルから前記廃棄物へ
    の燃焼炎の供給を再度行うように前記第1の着火手段を
    制御することを特徴とする請求項5記載の乾留ガス化焼
    却処理装置。
  7. 【請求項7】前記ガス化炉内に収納された廃棄物と前記
    着火ノズルの先端との間に設けられ、該着火ノズルから
    供給される燃焼炎が通過可能であると共に、該廃棄物が
    該着火ノズルの先端に接触することを防止する炎導保護
    器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の乾
    留ガス化焼却処理装置。
  8. 【請求項8】前記炎導保護器は、網状体であることを特
    徴とする請求項7記載の乾留ガス化焼却処理装置。
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