JP2856693B2 - 廃棄物の焼却処理方法 - Google Patents

廃棄物の焼却処理方法

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JP2856693B2
JP2856693B2 JP8099695A JP8099695A JP2856693B2 JP 2856693 B2 JP2856693 B2 JP 2856693B2 JP 8099695 A JP8099695 A JP 8099695A JP 8099695 A JP8099695 A JP 8099695A JP 2856693 B2 JP2856693 B2 JP 2856693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成分を含む廃棄物
を焼却処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃タイヤ等の廃棄物を焼却処理する方法
として、例えば、本出願人による特開平2−13528
0号公報に開示された乾留ガス化焼却処理装置を用いる
方法が知られている。
【0003】この乾留ガス化焼却処理装置は、ガス化炉
内に収納した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱
により該廃棄物の残部を乾留(熱分解)し、最終的に
は、該廃棄物を完全燃焼させて灰化する一方、この時、
該廃棄物の乾留により生じる可燃性ガスをガス化炉から
ガス通路を介して燃焼炉に導入すると共に、該燃焼炉に
おいて、該可燃性ガスと酸素(空気)とを混合して完全
燃焼させることにより環境汚染を生ぜしめることなく、
廃棄物を焼却処理するようにしたものである。
【0004】さらに、この乾留ガス化焼却処理装置にお
いては、可燃性ガスの燃焼により生じる熱エネルギーを
ボイラー等の熱源として用い、これにより、廃棄物の焼
却処理と、その焼却処理による熱エネルギーの有効利用
とを併せて図るようにしている。
【0005】前記乾留ガス化焼却処理装置によれば、ガ
ス化炉における廃棄物の一部の燃焼及び残部の乾留と、
該乾留により生じる可燃性ガスの燃焼炉における燃焼と
は次のように行われる。
【0006】すなわち、ガス化炉内における廃棄物の一
部の燃焼及び残部の乾留は、該廃棄物をガス化炉内に収
納した後に、該廃棄物の一部に着火することにより開始
され、このように廃棄物の一部の燃焼が開始されると燃
焼が自然に継続され、その燃焼熱により該廃棄物の乾留
が開始され、該乾留により可燃性ガスが発生する。そし
て、該可燃性ガスの発生量は前記廃棄物の乾留の進行に
従って増加していく。尚、この時、廃棄物への着火に必
要な酸素、並びにその着火直後における廃棄物の一部の
燃焼に必要な酸素は、ガス化炉内に供給される酸素(空
気)が使用される。
【0007】前記ガス化炉内で発生した可燃性ガスは、
該ガス化炉からガス通路を介して燃焼炉に導入され、さ
らに該燃焼炉においてその燃焼に必要な酸素と混合され
ると共に、該燃焼炉に装着した着火装置により着火され
て燃焼される。この時、該燃焼炉における可燃性ガスの
燃焼温度は、廃棄物への着火後に、ガス化炉内で発生し
て燃焼炉に導入される可燃性ガス量の増加に伴って上昇
していく。そして、このように、燃焼炉における可燃性
ガスの燃焼が開始されると燃焼が自然に継続され、ガス
化炉に接続された酸素供給装置が、前記燃焼炉内の温度
変化に従って、該ガス化炉に廃棄物の一部の燃焼及び残
部の乾留に必要な酸素を供給する。同時に、前記酸素供
給装置は、前記燃焼炉内の温度を前記可燃性ガスの燃焼
温度として捉え、該燃焼炉内の温度を前記可燃性ガスの
燃焼による窒素酸化物等の発生が充分に少ない燃焼温度
としてあらかじめ定められた温度で略一定に維持するよ
うに調整しつつ、前記酸素を供給する。
【0008】具体的には、燃焼炉内の温度がこれを略一
定に維持すべき温度よりも下降したときには、ガス化炉
への酸素供給量を増加させて廃棄物の燃焼を促進すると
共にその燃焼熱による廃棄物の乾留を促進し、これによ
り、可燃性ガスの発生量を増加させて、前記燃焼炉内の
温度、すなわち該可燃性ガスの燃焼温度を上昇させる。
逆に、燃焼炉内の温度がこれを略一定に維持すべき温度
よりも上昇したときには、ガス化炉への酸素供給量を減
少させて廃棄物の燃焼を抑制すると共にその燃焼熱によ
る廃棄物の乾留を抑制し、これにより、可燃性ガスの発
生量を減少させて、前記燃焼炉内の温度、すなわち該可
燃性ガスの燃焼温度を下降させる。
【0009】一方、前記燃焼炉における可燃性ガスの燃
焼が開始されると、燃焼炉に接続された酸素供給装置
が、前記燃焼炉内の温度変化に従って、該燃焼炉に前記
可燃性ガスの完全燃焼に必要な酸素を供給する。具体的
には、燃焼炉内の温度が下降したときには、前記燃焼炉
に導入される可燃性ガスの量が減少しているものとして
燃焼炉への酸素供給量を減少させ、逆に、燃焼炉内の温
度が上昇したときには、前記燃焼炉に導入される可燃性
ガスの量が増加しているものとして燃焼炉への酸素供給
量を増加させて、常に前記可燃性ガスが完全燃焼する量
に見合う量の酸素を供給する。
【0010】ガス化炉及び燃焼炉への酸素供給量を前記
のように制御することにより、前記燃焼炉内の温度とし
て測定される燃焼炉における可燃性ガスの燃焼温度が、
窒素酸化物等の環境汚染物質の発生が充分に少ない燃焼
温度で略一定に維持されることとなって、該可燃性ガス
が環境汚染を生じることなく完全燃焼されると共に、ガ
ス化炉における廃棄物の一部の燃焼及び残部の乾留が円
滑に進行することとなる。そして、この時、前記ガス化
炉内における廃棄物の部分的燃焼は、乾留による可燃性
ガスの発生が行われた部位に徐々に移行していくことに
より行われ、このため、その部分的燃焼は、ほとんど窒
素酸化物を発生することなく行われることとなる。
【0011】しかしながら、廃棄物の種類によっては、
該廃棄物の乾留の終了段階が近づくと、前記燃焼炉にお
いて前記可燃性ガスの不完全燃焼による黒煙を生じ、環
境汚染を生じる虞れがあるとの不都合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、廃棄物の一部を燃焼させつつ残部を乾留
して可燃性ガスを生ぜしめると共に、該可燃性ガスを略
一定の温度で完全燃焼させるときに、前記廃棄物の乾留
の終了段階においても前記可燃性ガスを完全燃焼させる
ことができ、環境汚染を生じることのない、廃棄物の焼
却処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うに廃棄物の一部を燃焼させつつ残部を乾留して可燃性
ガスを生ぜしめると共に、該可燃性ガスを略一定の温度
で燃焼させるときに、前記廃棄物の乾留の終了段階にお
いて、前記燃焼炉で前記可燃性ガスの不完全燃焼が発生
する理由について種々検討したところ、次のような知見
を得た。
【0014】すなわち、前記のようにして廃棄物の乾留
を行う際には、該廃棄物の部分的燃焼が進行するに伴っ
て該廃棄物の灰化も進行するので、該廃棄物の燃焼は乾
留がほぼ終了した部位に徐々に移行し、該廃棄物の乾留
し得る部分が減少していく。このため、最終的には、ガ
ス化炉内の廃棄物は、ガス化炉への酸素供給量の多寡に
かかわらず、燃焼炉内の温度として捉えられる前記可燃
性ガスの燃焼温度を略一定に維持するような量の可燃性
ガスを発生することができなくなり、該燃焼炉内の温度
すなわち可燃性ガスの燃焼温度が下降していく。前記燃
焼炉に対する酸素の供給量は、前記燃焼炉内の温度変化
により調整されているので、前記のように燃焼炉内の温
度が下降するにつれて、酸素供給量も低減する。
【0015】一方、前記ガス化炉内では、前記乾留の進
行に伴ってガス化炉内の温度が次第に上昇していく。そ
して、前記廃棄物の乾留の終了段階が近づくと最も高温
となり、前記廃棄物がガラス繊維強化プラスチック(F
RP)等のように、樹脂成分の他に珪素成分等の不燃性
成分を多く含むときには、前記高温により前記不燃性成
分が分解し、生成した不燃性ガスが前記可燃性ガスと共
に前記燃焼炉に導入される。前記不燃性ガスは、前記可
燃性ガスが充分に存在しているときには該可燃性ガスの
燃焼熱により加熱されるので、特に問題を生じることは
ない。ところが、前記廃棄物の乾留の終了段階において
可燃性ガスの量が所定の燃焼温度を維持するために不充
分になってくると、前記不燃性ガスはそれ自体燃焼せず
熱を発生しないので、前記可燃性ガスの燃焼熱を吸収
し、前記燃焼炉内の温度をさらに下降させる。
【0016】この結果、前記廃棄物の乾留の終了段階に
おいては、前記のように可燃性ガスの減少により下降し
ていた燃焼炉内の温度が、前記不燃性ガスによる燃焼熱
の吸収によりさらに下降する。また、前記乾留の終了段
階において可燃性ガスが減少したときに、前記燃焼炉に
酸素を供給するために冷風が入ると、より燃焼炉内の温
度が下降する。
【0017】そして、このように燃焼炉内の温度が下降
すると、前記燃焼炉内の温度変化を前記可燃性ガスの燃
焼温度として捉え、該温度変化により調整されている該
燃焼炉に対する酸素の供給量が、実際に燃焼炉に存在す
る可燃性ガスを完全燃焼させる量よりも少なくなり、前
記可燃性ガスの完全燃焼を維持できなくなるものと考え
られる。
【0018】そこで、本発明の廃棄物の焼却処理方法
は、前記知見に基づいて前記不都合を解消するものであ
り、ガス化炉に廃棄物を収納すると共に、該ガス化炉内
で該廃棄物の一部を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄
物の残部を乾留して可燃性ガスを生ぜしめ、該可燃性ガ
スを該ガス化炉からガス通路を介して燃焼炉に導入して
燃焼させるときに、前記燃焼炉における前記可燃性ガス
の完全燃焼に必要な酸素を該燃焼炉に供給すると共に該
可燃性ガスの燃焼温度を略一定に維持するように前記ガ
ス化炉への酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の
燃焼及び残部の乾留に必要な酸素を該ガス化炉に供給す
る廃棄物の焼却処理方法において、前記乾留の終了段階
に、前記燃焼炉に加熱された酸素を供給することを特徴
とする。前記加熱された酸素の供給は、少なくとも前記
乾留の終了段階になされればよいが、前記可燃性ガスの
完全燃焼に必要な酸素を供給する全期間を通じて行うよ
うにしてもよい。
【0019】また、本発明の廃棄物の焼却処理方法は、
前記燃焼炉に、前記可燃性ガスが燃焼する部分を貫通さ
せて該可燃性ガスの燃焼に必要な酸素を供給する給気ノ
ズルを設け、該可燃性ガスの燃焼により加熱された該給
気ノズルを介して該燃焼炉内に酸素を供給することを特
徴とする。このとき、前記給気ノズルは前記可燃性ガス
が燃焼する部分の中央部に該可燃性ガスの流通方向に沿
って設けられ、加熱された酸素を可燃性ガスの流れに交
叉して噴出することを特徴とする。
【0020】また、本発明の廃棄物の焼却処理方法は、
前記燃焼炉において前記可燃性ガスが燃焼する部分に、
該可燃性ガスに着火して燃焼を補助する着火手段を設
け、該着火手段により前記乾留の終了段階における前記
可燃性ガスの燃焼を補助することを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の廃棄物の焼却処理方法によれば、前記
燃焼炉に導入される可燃性ガスが減少し、前記不燃性ガ
スによる燃焼熱の吸収が大になる前記乾留の終了段階
に、前記燃焼炉に加熱された酸素を供給することによ
り、前記不燃性ガスによる燃焼熱の吸収を補い、燃焼炉
内の温度の低下を避けて、前記可燃性ガスを完全燃焼さ
せる酸素供給量を確保する。
【0022】また、前記燃焼炉に前記可燃性ガスの燃焼
に必要な酸素を供給する給気ノズルは、前記可燃性ガス
が燃焼する部分を貫通するように設けられていることに
より、可燃性ガスの燃焼により加熱されている。従っ
て、前記給気ノズルを介して前記燃焼炉内に酸素を供給
することにより、前記酸素が前記給気ノズルの熱により
加熱された酸素を供給する。前記給気ノズルは、前記可
燃性ガスが燃焼する部分の中央部を該可燃性ガスの流通
方向に沿って設けられ、加熱された酸素を可燃性ガスの
流れに交叉して噴出することにより、前記加熱された酸
素が該燃焼炉内に均一に拡散して該可燃性ガスに混合
し、該可燃性ガスの燃焼を促進する。
【0023】また、前記燃焼炉において前記可燃性ガス
が燃焼する部分に設ける該可燃性ガスに着火して燃焼を
補助する着火手段は、まず、前記乾留の開始時に前記可
燃性ガスに着火して、その燃焼を補助し、着火後は停止
する。また、前記着火手段は、前記乾留の終了段階に
は、前記可燃性ガスの燃焼を補助することにより、前記
可燃性ガスの完全燃焼を確実に維持すると共に、該着火
手段の燃焼熱により燃焼炉内の温度を上昇させて、酸素
供給量を増加させ、該可燃性ガスの燃焼を促進する。
【0024】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明の廃
棄物の焼却処理方法についてさらに詳しく説明する。図
1は本発明の廃棄物の焼却処理方法に用いる乾留ガス化
焼却処理装置の一例を示す説明的構成図、図2はその作
動を説明するための線図であり、図3は乾留ガス化焼却
処理装置の他の例を示す説明的構成図、図4は図3のI
V−IV線断面図である。
【0025】図1で、1はFRP等の廃棄物Aを収納
し、その乾留・ガス化並びに燃焼・灰化を行わしめるガ
ス化炉、2は廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスを
燃焼させる燃焼炉、3はガス化炉1に酸素(空気)を供
給する酸素供給手段、4は燃焼炉2に酸素(空気)を供
給する酸素供給手段である。
【0026】ガス化炉1の上面部には、開閉自在な投入
扉5を有する投入口6が形成され、該投入口6から廃棄
物Aがガス化炉1内に投入可能とされている。そして、
ガス化炉1は、投入扉5を閉じた状態では、その内部が
実質的に外気と遮断されるようになっている。
【0027】ガス化炉1の下部は、下方に突出する円錐
台形状に形成され、その底面部8及び斜面状の側壁部9
の外面部には、それぞれガス化炉1の内部と隔離された
空室10,11が形成されている。そして、これらの空
室10,11は、それぞれ底面部8及び側壁部9に設け
られた給気ノズル孔12を介してガス化炉1の内部に連
通されている。
【0028】ガス化炉1の下部の側部には、ガス化炉1
内に収納された廃棄物Aに着火するための着火装置(着
火手段)13が取付けられている。この着火装置13は
点火バーナ等により構成されるものであり、ガス化炉1
の外部に設けられた助燃油等の燃料供給装置14に供給
管15を介して接続されている。かかる構成により、着
火装置13は、燃料供給装置14から供給管15を介し
て供給される燃料を燃焼させることにより、ガス化炉1
の内部に向かって燃焼炎を生ぜしめ、この燃焼炎により
ガス化炉1内の廃棄物Aに着火するようにしている。
【0029】また、ガス化炉1の外周部には、その冷却
構造として該ガス化炉1の内部と隔離されたウォータジ
ャケット16が形成され、その上部には、ウォータジャ
ケット16内の水位を検知する水位センサ17が取付け
られている。ウォータジャケット16は、ガス化炉1の
外部に設けられた給水装置19と給水管20及び開閉弁
21を介して接続されており、水位センサ17の検知信
号に応じて開閉弁21を開閉することにより、所定の水
位を維持するようになっている。
【0030】前記燃焼炉2は、廃棄物Aの乾留により生
じる可燃性ガスとその完全燃焼に要する酸素(空気)と
を混合して燃焼せしめる筒状の燃焼部22と、該燃焼部
22の内部を貫通させて前記酸素を供給する給気ノズル
23とから成る。前記給気ノズル23は、前記筒状の燃
焼部22の中心部に可燃性ガスの流通方向に沿って設け
られており、酸素供給手段4に接続されている。そし
て、その外周部には前記酸素を可燃性ガスの流れに交叉
して噴出する給気孔24が設けられている。
【0031】また、燃焼部22には、燃焼炉2の内部の
温度Tを検知する温度センサ25が取付けられており、
その後端部には、ガス化炉1の上部にその内部と連通し
て設けられた接続部26から導出されたガス通路である
ガス管27が接続され、ガス化炉1の内部で廃棄物Aの
乾留により生じる可燃性ガスがガス管27を介して燃焼
部22の内部に導入されるようになっている。また、燃
焼部22の後端部には、その内部に導入された可燃性ガ
スに着火するための着火装置(着火手段)28が取付け
られている。この着火装置28は、前記着火装置13と
同様に、点火バーナ等により構成されるものであり、前
記燃料供給装置14に供給管29を介して接続されてい
る。
【0032】尚、ガス管27の途中には、前記可燃性ガ
スに含まれるタール分を除去するタール除去手段27a
が設けられており、その底部に設けられたタール供給管
29aを介して供給管29に接続されている。タール除
去手段27aは、図示しない冷却装置によりガス管27
中を流通する前記可燃性ガスを冷却し、該ガスに含まれ
る低沸点化合物であるタール分を除去し、捕捉する。そ
して、捕捉したタールを図示しない加熱手段により再加
熱し、流動化させてタール供給管29aを介して供給管
29に送る。
【0033】かかる構成により、着火装置38は、燃料
供給装置14から供給管29を介して供給される燃料及
びタール除去手段27aから供給管29a,29を介し
て供給されるタール分を燃焼させることにより、燃焼部
22の後端部からその内部に向かって燃焼炎を生ぜし
め、この燃焼炎によりガス管25を介して燃焼部22に
導入される可燃性ガスに着火するようにしている。着火
装置38は、上述のように、その燃料の一部を前記可燃
性ガスから除去されたタール分で代替できるので、燃料
供給装置14から供給される燃料を節約することがで
き、経済的に作動させることができる。
【0034】この場合、着火装置28は、その着火作動
を制御する制御部28aを備えており、該制御部28a
には、前記温度センサ25の検知信号が入力される。そ
して、詳細は後述するが、着火装置28の制御部28a
は、温度センサ25により検知される燃焼炉2の内部の
温度に応じて該着火装置31の着火作動を適宜、行わし
めるようにしている。
【0035】尚、燃焼炉2には、その燃焼部22におい
て燃焼される可燃性ガスを熱源とする熱機関として、例
えばボイラー装置30が接続されている。
【0036】ガス化炉1に酸素を供給する前記酸素供給
手段3は、ガス化炉1の外部に設けられた酸素供給源3
1と、該酸素供給源31から導出された主酸素供給管3
2と、該主酸素供給管32から分岐されて前記ガス化炉
1の空室10,11にそれぞれ接続された一対の副酸素
供給管33,34と、該副酸素供給管33,34にそれ
ぞれ設けられた開閉弁35,36と、開閉弁35,36
をそれぞれ適宜、開閉する開閉弁制御器(開閉弁制御手
段)37,38とから成り、開閉弁制御器37,38に
は前記温度センサ25の検知信号が入力される。
【0037】この場合、開閉弁制御器37,38は、開
閉弁35,36を開閉駆動するモータ等の駆動部37
a,38aと、該駆動部37a,38aの作動を制御す
るCPU等を含む制御部37b,38bとにより構成さ
れ、制御部37b,38bは温度センサ25の検知信号
に応じて、駆動部37a,38aを作動させる。
【0038】かかる構成により、酸素供給手段3は、詳
細は後述するが、廃棄物Aの乾留の進行時に、開閉弁制
御器37,38により、開閉弁35,36を開くことに
より、酸素供給源31から酸素供給管32,33,34
を介してガス化炉1の空室10,11に酸素(空気)を
供給し、さらに、該空室10,11から前記給気ノズル
孔12を介してガス化炉1の内部に酸素を供給するよう
にしている。そして、この時、開閉弁制御器37,38
は、温度センサ25により検知される燃焼炉2の内部の
温度に応じて開閉弁35,36の開度を調整するように
している。
【0039】燃焼炉2に酸素を供給する酸素供給手段4
は、前記酸素供給源31及び主酸素供給管32と、該主
酸素供給管32から分岐されて、前記給気ノズル23に
接続される副酸素供給管39と、副酸素供給管39に設
けられた開閉弁40と、開閉弁40を適宜、開閉する開
閉弁制御器(開閉弁制御手段)41とからなり、開閉弁
制御器41には、前記温度センサ25の検知信号が入力
される。
【0040】この場合、開閉弁制御器41は、前記開閉
弁制御器37,38と同様に、開閉弁40を開閉駆動す
る駆動部41aと、該駆動部41aの作動を制御する制
御部41bとにより構成され、制御部41bは温度セン
サ25の検知信号に応じて、駆動部41aを作動させ
る。
【0041】かかる構成により、酸素供給手段4は、開
閉弁制御器41により、適宜、開閉弁40を開くことに
より、酸素供給源31から酸素供給管32,39を介し
て燃焼炉2の給気ノズル23に酸素(空気)を供給し、
さらに、該給気ノズル23から給気孔24を介して燃焼
炉2の燃焼部22に酸素を供給するようにしている。そ
して、この時、詳細は後述するが、開閉弁制御器41は
温度センサ25により検知される燃焼炉2の内部の温度
に応じて開閉弁40を開閉するようにしている。
【0042】尚、この場合、開閉弁40は手動でも開閉
し得るように構成されており、該開閉弁40を手動で適
宜、開閉することによっても、酸素供給源31から燃焼
部22への酸素供給量を調整し得るようにされている。
【0043】次に、かかる乾留ガス化焼却処理装置を用
いる廃棄物の焼却処理方法について説明する。
【0044】図1において、廃棄物Aを焼却処理する際
には、まず、ガス化炉1の投入扉6が開かれて、廃棄物
Aがガス化炉1内に投入される。次いで、投入扉6を閉
じた後に、前記着火装置13が作動され、これにより、
ガス化炉1内の廃棄物Aへの着火が行われると共に、該
廃棄物Aの部分的燃焼が開始される。そして、該廃棄物
Aの部分的燃焼が開始されると、着火装置13は停止さ
れる。
【0045】この場合、この着火に先立って、ガス化炉
1のウォータジャケット16には、前述したように、給
水手段18の給水装置19から給水管20を介して適
宜、給水されており、また、燃焼炉2の着火装置28が
その制御部28aの制御により作動されている。さら
に、ガス化炉1の内部の空間は、後述するように発生す
る可燃性ガスを燃焼炉2に導入するために、ボイラー装
置30に設けた図示しない吸引ファン等により、燃焼炉
2及びガス管27を介して適宜、吸気されている。
【0046】また、この着火の際には、酸素供給手段3
の開閉弁35,36は開閉弁制御器37,38により比
較的小さな所定の開度であらかじめ開かれており、これ
により、前述したように、酸素供給源31から酸素供給
管32,33,34、ガス化炉1の空室10,11及び
給気ノズル孔12を介してガス化炉1内に比較的少量の
酸素が供給されている。このため、着火装置13による
廃棄物Aへの着火はガス化炉1内に存在していた酸素
と、酸素供給源31から供給される少量の酸素とを使用
して行われる。尚、この着火の際には、酸素供給手段4
の開閉弁40は閉じられている。
【0047】かかる着火が行われると、ガス化炉1内の
廃棄物Aは、その下層部がガス化炉1内に存在していた
酸素と酸素供給源31から供給される少量の酸素とを消
費しつつ徐々に燃焼していき、その燃焼熱により、該廃
棄物Aの上層部が乾留を開始すると共に、その乾留によ
り可燃性ガスを発生し始め、この可燃性ガスは、ガス化
炉1内からガス管27を介して燃焼炉2の燃焼部22に
導入される。そして、燃焼部22に導入された可燃性ガ
スは燃焼炉2内に存在していた空気(酸素)と混合し
て、前記着火装置28により着火され、これにより、該
可燃性ガスが燃焼部22において燃焼し始める。
【0048】この時、廃棄物Aの下層部の燃焼は、酸素
供給源31から供給されている少量の酸素を消費しつつ
徐々に安定化していくと共にその範囲が徐々に拡大して
いく。そして、このように廃棄物Aの下層部の燃焼が安
定化していくに従って、その燃焼熱による廃棄物Aの上
層部の乾留も進行して、該乾留により生じる可燃性ガス
の量も増大していく。このため、燃焼炉2に導入される
可燃性ガスの量も増大していき、これにより、図2に示
すように、燃焼炉2の内部の温度T1 も上昇していく。
【0049】この時、燃焼炉2の内部の温度T1 は、前
記温度センサ25により、前記可燃性ガスの燃焼温度と
して検知される。そして、温度センサ25により検知さ
れる可燃性ガスの燃焼温度T1 があらかじめ定められた
所定の温度T1aに達すると、酸素供給手段3の開閉弁制
御器37,38が、開閉弁35,36を所定の時間だ
け、最初の開度よりも若干大きな開度に開き、該所定時
間の経過後に、さらに大きめの開度に開く。
【0050】このように、開閉弁35,36の開度を段
階的に、徐々に増大させていくことにより、廃棄物Aの
下層部に、その継続的な燃焼に必要な程度で酸素供給源
31から酸素が供給され、該廃棄物Aの下層部の燃焼が
必要以上に拡大することもなく安定に行われるようにな
っていき、また、廃棄物Aの上層部の乾留も安定に進行
するようになっていく。
【0051】次いで、温度センサ25により検知される
可燃性ガスの燃焼温度T1 がさらに上昇し、該可燃性ガ
スが自然燃焼し得ると共に、その燃焼による窒素酸化物
等の発生が少ないものとなる燃焼温度としてあらかじめ
設定された温度T1b(図2参照)よりも若干小さい温度
1c(T1a<T1c<T1b)に達すると、酸素供給手段3
の開閉弁制御器37,38が、可燃性ガスの燃焼温度T
1 を温度T1bに維持するように開閉弁35,36の開度
を自動的に調整する。
【0052】具体的には、燃焼温度T1 が温度T1bより
も小さくなると、開閉弁35,36の開度が大きくされ
て、ガス化炉1への酸素供給量が増加され、これによ
り、廃棄物Aの下層部の燃焼が促進されると共に、その
燃焼熱による廃棄物Aの上層部の乾留及びこの乾留によ
る可燃性ガスの発生が助長される。
【0053】逆に、燃焼温度T1 が温度T1bよりも大き
くなると、開閉弁35,36の開度が小さくされて、ガ
ス化炉1への酸素供給量が減少され、これにより、廃棄
物Aの下層部の燃焼が抑制されると共に、その燃焼熱に
よる廃棄物Aの上層部の乾留及びこの乾留による可燃性
ガスの発生が抑制される。
【0054】前記のように開閉弁35,36の開度を自
動的に調整することにより、図2に示すように、可燃性
ガスの燃焼温度T1 は可燃性ガスが自然燃焼し得て、し
かもその燃焼による窒素酸化物等の発生が少ない燃焼温
度T1bに略維持され、この状態で、廃棄物Aの下層部の
燃焼及び上層部の乾留が安定に進行することとなる。
【0055】そして、このように、可燃性ガスの燃焼温
度T1 が自然燃焼し得る温度T1bに維持されるようにな
ると、燃焼炉2の着火装置28はその制御部28aの制
御により停止され、該可燃性ガスは継続的に自然燃焼す
ることとなる。また、かかる可燃性ガスの燃焼熱はボイ
ラー装置30の熱源として利用されることとなる。
【0056】尚、かかるガス化炉1における廃棄物Aの
乾留の際には、図示しない温度センサにより検知される
ガス化炉1内の温度T2 は、図2に示すように変化す
る。
【0057】すなわち、ガス化炉1内の温度T2 は、廃
棄物Aの乾留の初期段階においては、該廃棄物Aの下層
部の燃焼の開始に伴って上昇した後に、その燃焼熱が上
層部の廃棄物Aの乾留のために吸収されることにより一
旦、下降し、続いて、廃棄物Aの乾留が安定に進行する
ようになると、廃棄物Aの下層部の燃焼の進行に伴って
次第に上昇していく。
【0058】一方、前述した燃焼炉2における可燃性ガ
スの燃焼には、酸素が必要であるが、この燃焼に必要な
酸素は、次に説明するように、温度センサ25により検
知される可燃性ガスの燃焼温度T1 に応じて前記酸素供
給手段4により供給される。
【0059】すなわち、酸素供給手段4の開閉弁制御器
41は、温度センサ25により検知される可燃性ガスの
燃焼温度T1 に応じて開閉弁40を適当な開度で開き、
これにより、前述したように、酸素供給源31から酸素
供給管32,39、燃焼炉2の給気ノズル23、給気孔
24を介して、燃焼炉2の燃焼部22に酸素を供給し、
燃焼炉2に導入される可燃性ガスと、その完全燃焼に必
要な酸素とを混合させる。
【0060】具体的には、開閉弁制御器41は、廃棄物
Aの乾留の初期段階においては、燃焼炉2に導入される
可燃性ガスの量が増大してその燃焼温度T1 が上昇する
に伴って、開閉弁40をその開度が増大するように開い
て燃焼炉2への酸素供給量を増加させ、廃棄物Aの乾留
が安定に進行する段階では、可燃性ガスの燃焼温度T 1
の若干の増減に伴って、開閉弁40の開度を増減させ
て、燃焼炉2への酸素供給量を調整し、これにより、燃
焼炉2に導入される可燃性ガスが完全燃焼し得る量の酸
素を該可燃性ガスに混合する。
【0061】この時、前記給気ノズル23は、燃焼部2
2を貫通させて設けられているので、前記可燃性ガスの
燃焼熱により加熱されており、酸素供給源31から供給
される酸素は該給気ノズル23を流通する間に加熱され
て、給気孔24から噴出される。また、給気ノズル23
は、筒状の燃焼部22の中央部に前記可燃性ガスの流通
方向に沿って設けられているので、その周囲に該可燃性
ガスが流通しており、このような可燃性ガスに前記給気
孔24から可燃性ガスの流れに交叉して酸素を噴出させ
ることにより、該酸素が効率よく該可燃性ガスに混合さ
れる。
【0062】尚、かかる燃焼炉2への酸素供給に際して
は、作業者が可燃性ガスの燃焼状態を確認しつつ、開閉
弁40を手動で操作することによっても、燃焼炉2への
酸素供給量を調整するようにすることも可能である。
【0063】ところで、かかる廃棄物Aの乾留の際に
は、図1に示すように、ガス化炉1の内部には、その下
部側から上部側にかけて順に、灰化層a、赤熱層b、流
動化層c、伝熱層d及びガス層eが形成され、これらの
各層a〜eのうち、廃棄物Aの燃焼の完了により生じる
灰化層aは廃棄物Aの部分的燃焼が進行するに従って増
大していき、これと共に、廃棄物Aの燃焼が行われてい
る赤熱層bは下層部から上層部に向かって徐々に上昇・
移行していく。また、かかる灰化層aの増大及び赤熱層
bの上昇に伴って、廃棄物Aの乾留が進行する流動化層
c、伝熱層d及びガス層eは減少し、換言すれば、乾留
し得る廃棄物のAの量が減少していく。
【0064】そして、このように、乾留し得る廃棄物の
Aの量が減少していくと、酸素供給手段3の開閉弁3
5,36を適当な開度で開くことによるガス化炉1への
酸素供給の多寡にかかわらず、燃焼炉2における可燃性
ガスの燃焼温度T1 を略一定の温度T1bに維持し得るよ
うな量の可燃性ガスを発生することができなくなり、こ
のため、燃焼炉2に導入される可燃性ガスの量は最終的
には、減少していき、該可燃性ガスの燃焼温度T1 も最
終的には、図2に示すように下降していく。
【0065】前記酸素供給手段4の開閉弁制御器41
は、前述したように可燃性ガスの燃焼温度T1 の増減に
従って、開閉弁40の開度を増減させて、可燃性ガスが
完全燃焼し得る量の酸素を燃焼炉2に導入するようにし
ているので、上述のように可燃性ガスの燃焼温度T1
下降する際には、開閉弁40の開度を小さくして、酸素
供給量を減少させる。
【0066】また、前記酸素供給手段3の開閉弁制御器
37,38は、前述したように可燃性ガスの燃焼温度T
1 が温度T1bよりも下降したときには、廃棄物Aの乾留
を促進すべく開閉弁35,36の開度を大きくするよう
にしているので、上述のように可燃性ガスの燃焼温度T
1 が下降する際には、開閉弁35,36は全開とされ
る。そして、このように、可燃性ガスの燃焼温度T1
下降していく際には、廃棄物Aの灰化層aを除く部分に
占める赤熱層bが増加すると共に、その燃焼熱が廃棄物
Aの乾留により吸収される量も減少するので、ガス化炉
1内の温度T2 が急上昇する。
【0067】この時、廃棄物AがFRP等のように樹脂
成分の他に珪素成分等の不燃性成分を多く含むときに
は、前記急上昇して高温になったガス化炉1内の温度T
2 により前記不燃性成分が分解し、生成した不燃性ガス
が前記可燃性ガスと共に前記燃焼炉に導入される。前記
不燃性ガスはそれ自体燃焼せず熱を発生しないので、前
記のように可燃性ガスの燃焼温度T1 が下降しつつある
ときには、該可燃性ガスの燃焼熱によって充分に加熱さ
れず、逆に前記可燃性ガスの燃焼熱を吸収するので燃焼
炉2内の温度T1 が図2に仮想線示するように急峻に下
降する虞れがある。
【0068】前記温度センサ25は、可燃性ガスの燃焼
温度T1 を検知するものであるが、実際には燃焼炉2内
の温度T1 を検知してこれを可燃性ガスの燃焼温度T1
としているので、図2に仮想線示するように燃焼炉2内
の温度T1 が急峻に下降すると、これを可燃性ガスの燃
焼温度T1 として検知して前記酸素供給手段4の開閉弁
制御器41に入力し、開閉弁制御器41が開閉弁40の
開度をさらに小さくする。この結果、開閉弁40から燃
焼炉2内に供給される酸素量が実際に燃焼炉に存在する
可燃性ガスを完全燃焼させる量よりも少なくなり、前記
可燃性ガスの不完全燃焼が発生する虞れがある。尚、前
記燃焼炉2内に供給される酸素が加熱されていないとき
には、該酸素の供給に伴って燃焼炉2内に冷風が導入さ
れることになるので、前記燃焼炉2内の温度T1 の下降
がさらに急峻になることが考えられる。
【0069】しかし、本実施例では、前記のように給気
ノズル23が燃焼炉2の筒状の燃焼部22を貫通するよ
うに設けられており、該給気ノズル23は、前記廃棄物
Aの乾留が安定に進行する段階における可燃性ガスの燃
焼熱により、充分に加熱されているので、可燃性ガスの
燃焼温度T1 が下降し始めても、該給気ノズル23を流
通する酸素が該給気ノズル23により加熱されて、給気
孔24から燃焼部22に噴出され、可燃性ガスに混合さ
れる。従って、該可燃性ガスに含まれる前記不燃性ガス
による熱吸収を補って、燃焼炉2内の温度T1 の低下を
妨げることができ、開閉弁制御器41の制御による開閉
弁40の開度を一定に維持して、可燃性ガスを完全燃焼
させるに足る酸素供給量を確保することができる。
【0070】また、給気ノズル23は、前述のように、
筒状の燃焼部22の中央部に前記可燃性ガスの流通方向
に沿って設けられ、加熱された酸素が前記給気孔24か
ら可燃性ガスの流れに交叉して噴出されるので、前記加
熱された酸素を効率よく可燃性ガスに混合することがで
き、該可燃性ガスの燃焼を促進することができる。さら
に、このとき、燃焼炉2の着火装置28を作動させ、燃
焼部22の内部に向かって燃焼炎を生ぜしめ、この燃焼
炎により可燃性ガスに燃焼を補助することにより、該可
燃性ガスの不完全燃焼を防止することができる。
【0071】本実施例の焼却処理方法では、廃棄物Aの
燃焼・灰化の進行に伴って、前記のように急上昇したガ
ス化炉1内の温度T2 は、図2に示すように、やがて下
降していく。また、この段階では、前記可燃性ガスの発
生も止むので、図2に示すように、燃焼炉2の内部の温
度T1 も、ガス化炉1内の温度T2 と同様に下降し、焼
却処理を終了する。
【0072】このように、本実施例の焼却処理方法にお
いては、廃棄物Aの燃焼、乾留及び灰化が円滑且つ確実
に行われると共に、その乾留により生じる可燃性ガスの
燃焼も窒素酸化物や不完全燃焼の黒煙等による環境汚染
を生じることなく円滑且つ確実に行われ、従って、廃棄
物Aのクリーンな焼却処理が行われることとなる。そし
て、さらには、可燃性ガスの燃焼熱をボイラー装置30
の熱源として利用することにより、廃棄物Aの焼却処理
時の熱エネルギーが有効に利用されることとなる。
【0073】前記ガス化炉1の下部には図示しない灰出
口が設けられており、ガス化炉1内の最終的な灰化物は
この灰出口から排出されるようになっている。
【0074】また、前記燃焼炉2は、図3示のような構
成となっていてもよい。図3示の燃焼炉2は、竪型筒状
の燃焼部22の底部に、該燃焼部22の内部を貫通させ
て前記酸素を供給する給気ノズル23が立設された構成
となっており、底部の外周部に該燃焼部22の内部と隔
離された空室42が設けられている以外は、図1示の燃
焼炉2と同様の構成となっている。
【0075】図3示の給気ノズル23は、例えばステン
レス製のパイプ23aの外周に不定形耐火物等の耐熱性
材料層23bが配設された構成となっており、その外周
部には図4示のように、複数の給気孔24が給気ノズル
23の内部から外周部に向けて螺旋状に形成されてい
る。また、給気ノズル23は、主酸素供給管32から分
岐される第1の副酸素供給管39aを介して酸素供給源
31に接続されており、副酸素供給管39aの途中には
給気ノズル23に供給する酸素量を一定に調整する流量
調整弁43が設けられている。
【0076】前記空室42は、燃焼部22の底部の内周
部に穿設された複数のノズル孔44を介して燃焼部22
の内部の内部に連通されている。また、空室42は、主
酸素供給管32から分岐される第2の副酸素供給管39
bを介して酸素供給源31に接続されており、副酸素供
給管39bの途中には開閉弁40が設けられている。開
閉弁40は、図1示の装置と同様に、駆動部41aと温
度センサ25の検知信号に応じて駆動部41aを作動さ
せる制御部41bとからなる開閉弁制御器41により制
御される。図3示の燃焼炉2は、かかる構成により、給
気ノズル23から常に一定量の酸素(空気)が供給され
ると共に、開閉弁制御器41が温度センサ25で検知さ
れる燃焼炉2の内部の温度に応じて開閉弁40を開閉す
るようにすることにより、空室42からノズル孔44を
介して供給される酸素を増減するようにしている。
【0077】このような燃焼炉2では、図2示のように
可燃性ガスの燃焼温度T1 が最終的に下降していく段階
では、開閉弁40の開度が小さくされるために空室42
からノズル孔44を介して供給される酸素量は減少す
る。しかし、給気ノズル23から供給される酸素量は一
定であり、該酸素は前記のように筒状の燃焼部22を貫
通するように設けられ、前記廃棄物Aの乾留が安定に進
行する段階における可燃性ガスの燃焼熱により充分に加
熱されている給気ノズル23内を流通するので、該給気
ノズル23により加熱されて、給気孔24から燃焼部2
2に噴出され、可燃性ガスに混合される。従って、可燃
性ガスの燃焼温度T1 が下降し始めても、前記のように
加熱された酸素により、該可燃性ガスに含まれる前記不
燃性ガスによる熱吸収を補って、燃焼炉2内の温度T1
の低下を妨げることができ、開閉弁制御器41の制御に
より小さくなる開閉弁40の開度を一定に維持して、可
燃性ガスを完全燃焼させるに足る酸素供給量を確保する
ことができる。
【0078】また、燃焼炉2では、ガス管27を介して
導入される可燃性ガスは給気ノズル23に対してガス管
27の反対側には流入しにくくなるが、給気孔24は前
記のように給気ノズル23の内部から外周部に向けて螺
旋状に形成されているので、該給気孔24から可燃性ガ
スの流れに交叉して噴出される酸素により前記可燃性ガ
スを攪拌すると共に、前記加熱された酸素を効率よく可
燃性ガスに混合することができ、該可燃性ガスの燃焼を
促進することができる。
【0079】尚、前記各実施例では、燃焼炉2の燃焼部
22を貫通するように設けられた給気ノズル23から、
燃焼部22に酸素を供給することにより、前記可燃性ガ
スの完全燃焼に必要な酸素を供給する全期間を通じて、
加熱された酸素が供給されるようにしているが、燃焼炉
2の外部に加熱手段を設け、前記廃棄物Aの乾留の終了
段階において燃焼温度T1 が下降し始める時期だけ、該
加熱手段により加熱された酸素を燃焼部22に供給する
ようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の廃棄物の焼却処理方法によれば、該廃棄物が樹脂成分
の他に不燃性成分を多く含むときにも、乾留の終了段階
における可燃性ガスの不完全燃焼を防止することがで
き、該可燃性ガスの不完全燃焼による黒煙の発生及び該
黒煙による環境汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物の焼却処理方法に用いる乾留ガ
ス化焼却処理装置の一例を示す説明的構成図。
【図2】図1示の乾留ガス化焼却処理装置の作動を説明
するための線図。
【図3】本発明の廃棄物の焼却処理方法に用いる乾留ガ
ス化焼却処理装置の他の例を示す説明的構成図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【符号の説明】 1…ガス化炉、 2…燃焼炉、 22…燃焼部分、 2
3…給気ノズル、27…ガス通路、 28…着火手段。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス化炉に廃棄物を収納すると共に、該ガ
    ス化炉内で該廃棄物の一部を燃焼させつつ該燃焼熱によ
    り該廃棄物の残部を乾留して可燃性ガスを生ぜしめ、該
    可燃性ガスを該ガス化炉からガス通路を介して燃焼炉に
    導入して燃焼させるときに、前記燃焼炉における前記可
    燃性ガスの完全燃焼に必要な酸素を該燃焼炉に供給する
    と共に該燃焼炉内の温度を略一定に維持するように前記
    ガス化炉への酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の一部
    の燃焼及び残部の乾留に必要な酸素を該ガス化炉に供給
    する廃棄物の焼却処理方法において、 前記乾留の終了段階に、前記燃焼炉に加熱された酸素を
    供給することを特徴とする廃棄物の焼却処理方法。
  2. 【請求項2】前記燃焼炉に、前記可燃性ガスが燃焼する
    部分を貫通させて該可燃性ガスの燃焼に必要な酸素を供
    給する給気ノズルを設け、該可燃性ガスの燃焼により加
    熱された該給気ノズルを介して該燃焼炉内に酸素を供給
    することを特徴とする請求項1記載の廃棄物の焼却処理
    方法。
  3. 【請求項3】前記給気ノズルは前記可燃性ガスが燃焼す
    る部分の中央部に該可燃性ガスの流通方向に沿って設け
    られ、加熱された酸素を可燃性ガスの流れに交叉して噴
    出することを特徴とする請求項2記載の廃棄物の焼却処
    理方法。
  4. 【請求項4】前記燃焼炉において前記可燃性ガスが燃焼
    する部分に、該可燃性ガスに着火して燃焼を補助する着
    火手段を設け、該着火手段により前記乾留の終了段階に
    おける前記可燃性ガスの燃焼を補助することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の廃棄物の
    焼却処理方法。
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