JP4950554B2 - ガス化燃焼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマス燃料や都市ゴミ等の産業廃棄物等の固体燃料の焼却や、固体燃料をガス化して燃料ガスを生成するガス化燃焼装置に関するものである。
近年、都市ゴミ等の産業廃棄物やバイオマス燃料等を焼却処理又は熱分解・ガス化し、その廃熱や回収した燃料ガスを利用して発電する廃棄物発電技術の開発が行われている。
従来の技術としては、(特許文献1)に「固体燃料を乾留により炭化させて熱分解による乾留ガスを発生させる乾留ガス発生炉と、前記乾留ガス発生炉に固体燃料を連続的又は間欠的に投入する固体燃料供給手段と、前記乾留ガス発生炉で発生した乾留ガスを改質する改質炉と、前記改質炉に高温空気を吹き込む改質用高温空気生成装置と、を備えた乾留ガス発生システム」が開示されている。
(特許文献2)に「上部から順に燃焼層、還元層が形成された縦型のガス発生炉と、前記燃焼層に加熱空気を供給する空気供給部と、ニクロム線で形成され前記燃焼層内に配設された着火部材と、前記ガス発生炉に接続され前記還元層で発生したガスの除塵を行うサイクロンと、を備えたバイオマスガス製造装置」が開示されている。
(特許文献3)に「上部から順に複数の燃焼層、還元層が形成された縦型のガス発生炉と、複数の前記燃焼層に加熱空気を供給する空気供給部と、ニクロム線で形成され複数の前記燃焼層内に配設された複数の着火部材と、を備えたバイオマスガス製造装置」が開示されている。
特開2004−115576号公報 特開2003−238972号公報 特開2005−89519号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、改質炉に高温空気を吹き込む改質用高温空気生成装置を有しており、高温空気を本システムによって生成された燃料ガスの一部を燃焼させて空気を加熱して生成しているため、エネルギーや電力が消費され、本システムが系外に供給できるエネルギーが減少しエネルギー利用率が低下してしまうという課題を有していた。
(2)乾留ガス発生炉に固体燃料を連続的又は間欠的に投入する固体燃料供給手段を有しているので、固体燃料が固体燃料供給手段に詰まる等のトラブルが発生し易く、システムの稼働率が低下し易いという課題を有していた。
(3)(特許文献2)に開示の技術は、還元層で発生したガスには多量のタールが含まれているので、サイクロン等でガスが冷却される際にタールの高沸点成分の凝固・液化が生じ、粘性が強いため付着や閉塞によるトラブルが生じ易く、装置の稼働率を低下させたり装置が稼動できなくなったりするという課題を有していた。
(4)(特許文献3)に開示の技術は、複数の燃焼層を備えているので、上層の燃焼層で生成されたガスに含まれるタールを下層の燃焼層で酸化分解させ、タールの含有量の少ないガスを生成することができる。しかし、複数の燃焼層に加熱空気を供給する大型の空気供給部が必要になり装置が大型化するという課題を有していた。
(5)(特許文献1)乃至(特許文献3)に開示の技術は、固体燃料の熱分解によって生成したガスがそのまま装置の下流側に流れていくので、装置を起動させてから安定に稼動するまでの間に生じた低品位のガスが大気中に放出されるのを防止するため、安定稼動するまでに生じた低品位のガスを燃焼処理するフレアースタックと、装置が安定稼動して可燃ガスが得られた後は可燃ガスがフレアースタックに導入されるのを防止する切換弁と、が必要になる。そのため、装置が大型化するとともに、フレアースタックの切換弁にタールが付着して閉塞し易くトラブルが発生し易いという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、ガス化室に充填されたバイオマス燃料等の固体燃料を燃焼熱によって乾燥させることができるので含水率の高い固体燃料も未燃焼残分をほとんど残さずガス化させることができ、固体燃料を予め乾燥させておく等の前処理に係るエネルギーの損失を減らすことができるとともに自動化・無人化が可能で信頼性が高く、また排ガス中の煤塵等を熱分解して消失させることができ系外への煤塵等の排出を防止でき環境保全性に優れ、また熱分解反応や水性ガス反応等を利用して可燃ガスを一酸化炭素や水素に改質して燃料ガスを得ることができるとともに、燃料ガス中のタールや煤塵等を熱分解して消失させることができタールに伴うトラブルを防止でき、さらに顕熱を利用して可燃ガスの改質等を行うことによりエネルギーや電力の損失を抑制し系外に供給できるエネルギーが減少するのを防止してエネルギー利用率の高い小型で安価なガス化燃焼装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のガス化燃焼装置は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のガス化燃焼装置は、縦型のガス化室と、前記ガス化室の炉床に敷設された粒子層と、前記粒子層内に埋設された炉床ガス供給部と、前記炉床ガス供給部に接続された送風機と、前記ガス化室の下部側方と連通し前記ガス化室の下部が下位となる段差状に形成された可燃ガス流路を介して連通した燃焼室と、前記燃焼室内に配設された改質反応管と、を備え、前記可燃ガス流路の一部若しくは全部に、前記燃焼室に向かう上り勾配を有する傾斜面が形成され、前記可燃ガス流路に形成された前記傾斜面又は前記可燃ガス流路の周壁に前記可燃ガス流路のガス流方向と直交するように配設されたバーナを備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)縦型のガス化室の炉床に敷設された粒子層に炉床ガス供給部が埋設されており、炉床ガス供給部から燃焼用空気等が供給されるので、バイオマス燃料等の固体燃料をガス化室に充填して粒子層近くの固体燃料に着火するだけで、粒子層側から固体燃料を燃焼させガス化させることができ、稼働中に鎮火してしまうトラブルが生じ難い。
(2)ガス化室の炉床に敷設された粒子層の全面から燃焼用空気等が供給されるので、火格子の欠点である吹き抜け現象もなく均一に燃焼が進むため、未燃焼残分をほとんど残さずガス化燃焼させることができる。
(3)ガス化室に充填された上側の固体燃料を、下側の固体燃料の燃焼熱によって乾燥させることができ、生木,生ゴミ,紙おむつ,鶏等の家畜糞尿,汚泥等の含水率(湿潤ベース)が40%以上の固体燃料もガス化させることができる。
(4)ガス化室の下部側方と連通した燃焼室と、燃焼室に配設されガス化室で生成した可燃ガスが導入される改質反応管と、を備えているので、ガス化室でのガス顕熱を利用して改質反応管と燃焼室を加熱することができ、燃焼室内で排ガス中の煤塵等を熱分解して消失させることができ系外への煤塵等の排出を防止できる。また、ガス化室で生じた炭化水素,一酸化炭素等の可燃ガスや未反応カーボン、水蒸気等を改質反応管内に導入し、水性ガス反応等を利用して一酸化炭素や水素に改質して燃料ガスを得ることができるとともに、燃料ガス中のタールを熱分解させることができ、タールに伴うトラブルを防止できる。
(5)ガス化室でのガス顕熱を利用して改質反応管と燃焼室を加熱することができるので、生成し精製した燃料ガスの一部を燃焼したり電力を用いて加熱したりする必要がなく、エネルギーの損失を抑制し系外に供給できるエネルギーが減少するのを防止できる。
(6)ガス化室内に充填された固体燃料を燃焼ガス化させることによってガス化室内が酸素不足になり容易に還元雰囲気になるため、ダイオキシン類の生成をほぼ完全に防ぐことができる。
(7)ガス化室の下部側方と連通しガス化室の下部が下位となる段差状に形成された可燃ガス流路を備え、可燃ガス流路に上り勾配の傾斜面が形成されているので、ガス化室に生成した固体燃料の焼却灰が燃焼室へ飛散するのを防止でき、焼却灰を容易に回収できる。
(8)ガス化室に充填された固体燃料が燃焼中に崩れるのを防止できるとともに、ガス化室で発生した可燃ガスを燃焼室に誘導してガス化を促進させて、固体燃料を粒子層側から完全に燃焼させガス化させることができる。
(9)可燃ガス流路に配設されたバーナを備えているので、ガス化室に投入された着火用の固体燃料に輻射熱等で着火させることができ、ガス化室内の固体燃料を安全に粒子層側から燃焼させガス化させることができる。
(10)可燃ガス流路に配設されたバーナが起動時の燃焼室を予熱するので、固体燃料に着火すると、その燃焼熱で燃焼室内を迅速に昇温させ、低品位ガスの生成を抑え可燃ガスの精製を行うことができる。
(11)固体燃料のガス化状態が変動すると燃焼室内の温度も変動し可燃ガスの精製状態が不安定になるが、バーナで燃焼室内を加熱できるので燃焼室内の温度を安定化させることができる。
(12)可燃ガス流路と燃焼室内を加熱することができるので、起動直後から煤塵、燃料ガス中のタールや煤塵等を熱分解させることができ、タールに伴うトラブルや系外への煤塵等の排出を防止できる。
(13)バーナを、可燃ガス流路に形成された傾斜面又は可燃ガス流路の周壁に可燃ガス流路のガス流方向と略直交するように配設することにより、ガス化室と燃焼室の両方を加熱することができる。
ここで、ガス化室としては、水平方向に切断した断面が方形状,矩形状,六角形状,八角形状等の多角形状、円形状,楕円形状等に形成されたものが用いられる。
粒子層を構成する粒子としては、平均粒径が3〜50mm好ましくは5〜20mmに整粒された砂利等の砕石類、軽石等の岩石類、焼却灰等の熔融スラグ,高炉スラグ等のスラグ,耐火煉瓦屑,耐火物粒子,コークス等の無機質粒子の1種若しくは複数種が用いられる。
粒子の平均粒径が5mmより小さくなるにつれ粒子層を通気する際の圧力損失が大きく通気性が低下し、また通気の分散効果が小さく粒子層上での燃焼効率が低下する傾向がみられ、20mmより大きくなるにつれ断熱性が低下し熱損失が増加するとともに、粒子間の隙間に焼却灰等が入り込み易く通気性が経時的に低下する傾向がみられる。特に、3mmより小さくなるか50mmより大きくなると、これらの傾向が著しいため好ましくない。
炉床ガス供給部からのガスの平均流速としては、0.02〜1m/秒好ましくは0.1〜1m/sが好適に用いられる。平均流速が0.1m/秒より遅くなるにつれ粒子層の粒子が昇温され熔着され易くなるとともに、粒子層内に焼却灰等が入り込み易く通気性が経時的に低下する傾向がみられ、0.02m/秒より遅くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。1m/秒より速くなるにつれ、粒子層の粒子の流動や飛散が著しくなるため好ましくない。
なお、炉床ガス供給部は、空気の他、酸素ガスや酸素濃度の高いガスも供給できるようにしておくのが好ましい。粒子層上での燃焼状態を自在に制御するためである。
ガス化室には、木片,木屑,おが屑,ウッドチップ等のバイオマス燃料、生ごみ、紙おむつ、樹木等の剪定ごみ、間伐材、生木、籾殻,麦わら,余剰産物等の農作物の収穫屑、茸菌床、生鶏糞等の家畜糞尿、家畜床、活性汚泥法による余剰汚泥,パルプ廃液汚泥,排水処理汚泥等の含水率が40〜80%程度の高含水の固体燃料も投入することができる。また、重油,ピート,亜炭,泥炭,褐炭,タールサンド,天然アスファルト等の低品位の化石燃料、廃プラスチックも固体燃料として用いることができ、これらを混合することによって高熱量を得ることができる。また、廃棄飲料,有機排水等の液状の廃棄物も、固体燃料に滴下することにより、固体燃料とともに燃焼させることができる。
改質反応管としては、耐熱鋼製、耐熱合金製、セラミック製等の耐熱性部材で形成され、燃焼室の底部、又は、可燃ガス流路で一端側が開口し、ガス化室で生成した可燃ガス(乾留ガス)の少なくとも一部が導入されるものが用いられる。
改質反応管は、上端側を燃焼室の上部で支持して、燃焼室内に吊設するのが好ましい。改質反応管の下端側を拘束させずに加熱・冷却の熱膨張によって自由に伸縮できるようにするためである。
改質反応管内では、炭化水素やカーボン等が酸素や水蒸気の存在下、CxHy+O2→H2O+CO2+H2+CO、C+CO2→2CO、C+H2O→CO+H2(水性ガス反応)等の反応が進行し、可燃ガスを精製し燃料ガスを得ることができる。なお、水蒸気は、バイオマス燃料や都市ゴミ等を固体燃料とする場合には多量に共存するので、系外から供給しなくてもよい。また、可燃ガス中のタールも水蒸気の存在下で、一酸化炭素や水素の燃料ガスに改質される。
得られた燃料ガスは、改質反応管の他端側をブロア等のガス吸引装置に接続することによって、改質反応管の外に取り出すことができる。また、ガス吸引装置を用いなくても、ガス化室や燃焼室の内圧が高まれば自然に取り出すこともできる。
バーナとしては、液体燃料や気体燃料を燃焼させるものが用いられる。
本発明の請求項2に記載のガス化燃焼装置は、請求項1に記載のガス化燃焼装置であって、前記粒子層の上方から前記ガス化室の高さ方向に配設されたガス通路形成壁を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)粒子層の上方からガス化室の高さ方向に向かって配設されたガス通路形成壁を備えているので、粒子層近くで燃焼する固体燃料の燃焼ガスを、ガス通路を通してガス化室に充填された上側の固体燃料に送って乾燥させることができ、ガス化室に充填された固体燃料の総平均の含水率(湿潤ベース)が70%近い高含水の場合もガス化燃焼させることができ、適用可能な固体燃料種を増やし汎用性に優れる。
ここで、ガス通路形成壁としては、固体燃料がガス通路形成壁に引っ掛かり難くブリッジ等が形成され難く、また目詰まりを生じ難いものであれば特に制限されず用いることができ、例えば、複数のよろい戸状の小片が高さ方向に適当な間隔をあけて配設された斜め下向きのルーバー状、パンチングメタル等で形成された穴あき板状、金網等が用いられ、仕切板状や円筒状,角柱状等の管状に形成することができる。
ガス化室の周壁と適当な間隔をあけて仕切板状のガス通路形成壁を配設することによって、周壁との間にガス通路を形成することができる。また、管状のガス通路形成壁を配設することによって、ガス通路形成壁内にガス通路を形成することができる。ガス通路形成壁で仕切られて形成されるガス通路は、ガス化室内の1乃至複数個所に形成することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のガス化燃焼装置であって、廃プラスチックの破砕片を供給する供給管が前記可燃ガス流路の前記傾斜面の上方に接続された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)廃プラスチックの破砕片等を供給する供給管が可燃ガス流路の傾斜面の上方に接続されているので、破砕片等が傾斜面をガス化室方向へ移動しながら可燃ガス顕熱によりガス化する。廃プラスチックの分解ガスは高カロリーであり、燃焼によるガス化とは異なり燃焼空気に伴う窒素ガス希釈もないので高カロリーの可燃ガスを得ることができる。これにより可燃ガスの発熱量を向上させることができ、発電機として市販のガソリンエンジン発電機を利用する場合でも出力が低下するのを防止できる。また、燃焼室内を高温にできるのでダイオキシン類の発生も防止できる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置であって、噴射口が周壁側に傾斜して前記燃焼室の周壁に配設され旋回流を形成する燃焼室ガス供給部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)噴射口が周壁側に傾斜して燃焼室の周壁に配設され旋回流を形成する燃焼室ガス供給部を備えているので、燃焼室内に形成された旋回流に乗って煤塵等の滞留時間が長くなるため煤が完全に燃焼され易く、またサイクロン効果によって粒径の大きな塵を遠心力で燃焼室の周壁側に分離することができ、系外への煤塵と有害排出物(ダイオキシン等)の排出を防止できる。
(2)旋回流によってガス流を撹拌できるので、完全燃焼及びダイオキシン等の有害物の分解を促進できる。
ここで、燃焼室としては、水平方向の断面が円形で、全体として円筒状の縦型に形成されたものが用いられる。燃焼室内に旋回流を形成するためである。また、改質反応管は、燃焼室の高さ方向に沿って燃焼室の略中心部に配置される。旋回流によって分離された粒径の大きな塵が改質反応管内に導入され難くするためである。
燃焼室に占める改質反応管の容積は、ガス化する固体燃料の種類、改質反応管から取り出される燃料ガスの流量等を考慮して適宜設計され、最適値が選択される。
燃焼室でつくられる旋回流の流速としては、15〜50m/秒が好適に用いられる。粒径の大きな塵(約1μm以上)を分離することができるとともに、煤の滞留時間を長くして燃焼室内で完全に燃焼できるからである。流速が15m/秒より遅くなるにつれ旋回流に乗って旋回する煤塵等に働く遠心力が小さくサイクロン効果が低下するとともに、燃焼室内での煤塵等の滞留時間が短くなり、燃焼室内での煤の完全燃焼が困難になる傾向がみられる。50m/秒より速くなるにつれ燃焼室ガス供給部に接続された送風機の動力が大きくなり装置が大型化するとともに、送風量の増加によって燃焼室内の温度が降下し熱エネルギーが損失するため好ましくない。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置であって、下部の前記燃焼室内の温度を測定する燃焼室下部温度測定器と、前記燃焼室下部温度測定器の温度に応じて前記送風機の風量調整を行う制御装置と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)下部の燃焼室内の温度を測定する燃焼室下部温度測定器と、燃焼室下部温度測定器の温度に応じて送風機の風量調整を行う制御装置と、を備えているので、固体燃料の品質や種類(バイオマス燃料,廃プラスチック,化石燃料等の配合量や水分量、発熱量等の変動)、可燃ガスの取り出し量、ガス化室内の灰分量等が変動しても、送風機の風量制御を行うことでガス化室での熱分解・ガス化反応を進行させることができ、下部の燃焼室内の温度を所定の範囲に保つことができる。
(2)また、改質反応管内においては熱分解反応や水性ガス反応(C+H2O→CO+H2)やタールの熱分解を安定に進行させ、可燃ガスを改質・精製することができる。
(3)装置を起動させた直後のように燃焼室下部の温度が低く固体燃料の燃焼が不十分で低品位のガスが生じているときは、送風機を稼動させずにガス化室内に低品位ガスを生じさせ、温度が所定温度(例えば600℃)になったら、送風機を稼動させればガス化室内の低品位ガスを燃焼させることができ、ガス化室内の低品位ガスが大気中に放出されるのを防止することができる。このため、安定稼動するまでに生じた低品位ガスを燃焼処理するフレアースタックや切換弁が不要で装置を小型化できるとともに、切換弁がなく部品点数が少ないのでタールの付着等によるトラブルの発生を防止でき信頼性に優れる。
ここで、安定に装置が稼動しているときの燃焼室下部の温度は、600〜1300℃好ましくは800〜1200℃の範囲に調整される。制御装置は、燃焼室下部の温度がこの範囲内になるように送風機の風量調整を行い、ガス化室内での燃焼状態を調整する。具体的には、燃焼室下部の温度が低いときは送風機の風量を多くして燃焼を促進させ、温度が高いときは送風機の風量を少なくして燃焼を抑える。
燃焼室下部の温度が800℃より低くなるにつれ可燃ガス中のアンモニア成分やダイオキシン等の塩素有機化合物の分解が不十分になる傾向がみられ、特に600℃より低くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。燃焼室下部の温度が高くなればなるほど短時間で水性ガス平衡に達し、燃料ガス中のCO及びHの含有量が多くなるため好ましいが、1200℃より高くなるにつれ燃焼室やガス化室等の損傷が激しくなる傾向がみられ、特に1300℃より高くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
なお、制御装置はバーナの燃焼調整も同時に行うことができる。これにより、燃焼室下部温度測定器の温度が低いとき(起動時や可燃ガスの生成量が少ないとき等)にバーナを活発に燃焼させることができ、可燃ガスの生成量の変動に伴って燃焼室の温度が変動するのを防止することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置であって、前記改質反応管に、触媒,無機粒体,無機多孔質体の内の1種若しくは複数種が収容された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)改質反応管に、触媒,無機粒体,無機多孔質体の内の1種若しくは複数種が収容されているので、改質反応管内の熱容量を高めてガス化室の燃焼状態が変動して燃焼室の温度が変動しても、改質反応管内の温度が低下するのを防止し改質反応やタールの分解を安定化させることができ、また可燃ガスの改質を促進することができる。
(2)タールの熱分解に高い活性を有する触媒を収容することによって、600℃程度の低温でもタールの熱分解を促進させることができる。
(3)可燃ガス流路等から吸引した可燃ガスをエンジン発電機等の燃料として使用する場合は、改質反応管内にガスを貯留して改質反応管を可燃ガスのバッファータンクとして用いることができる。
ここで、触媒としては、水性反応に高い活性を有する酸化鉄系、酸化鉄−酸化クロム系、酸化亜鉛−酸化クロム系等、タールの熱分解に高い活性を有する酸化鉄系、ロジウム−セリウム系等の通常用いられる触媒を適宜選択して用いることができる。これらを複数種混合して用いることもできる。
無機粒体や無機多孔質体としては、アルミナ,ムライト,ジルコニア製等の粒体やハニカム形状等に形成された多孔質体等が用いられる。触媒を無機粒体や無機多孔質体に担持させることもできる。
触媒や無機粒体、無機多孔質体の改質反応管への収容量は、固体燃料の種類や量、改質反応管から取り出される燃料ガスの流量等を考慮して適宜選択される。また、触媒や無機粒体、無機多孔質体が収容された改質反応管の空隙率は、燃料ガスの流れ易さや精製状態に大きな影響を与えるため、取り出される燃料ガスの流量等を考慮して決められる。
以上のように、本発明のガス化燃焼装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)バイオマス燃料等の固体燃料をガス化室に充填して粒子層近くの固体燃料に着火するだけで、粒子層側から固体燃料を燃焼させガス化させることができ、稼働中に鎮火してしまうトラブルが生じ難いガス化燃焼装置を提供できる。
(2)ガス化室の炉床に敷設された粒子層の全面から燃焼用空気等が供給されるので、火格子の欠点である吹き抜け現象もなく均一に燃焼が進むため、未燃焼残分をほとんど残さずガス化燃焼させることができ、さらにガス化室に充填された上側の固体燃料を、下側の固体燃料の燃焼熱によって乾燥させることができ、生木,生ゴミ,紙おむつ,鶏等の家畜糞尿,汚泥等の含水率(湿潤ベース)が40%以上の固体燃料もガス化させることができる。このため、固体燃料を予め乾燥させておく等の前処理が不要なため、前処理に係るエネルギーの損失を減らすことができるとともに、燃焼前の固体燃料をガス化室に貯留させておくことができ燃焼前の固体燃料のストックヤード等を減らすことができる。また、ガス化室内の固体燃料に着火した後は、熱分解・ガス化を炉床ガス供給部からのガス量で調整できるので、自動化・無人化が可能な安価で信頼性の高いガス化燃焼装置を提供できる。
(3)ガス化室でのガス顕熱を利用して改質反応管と燃焼室を加熱することができ、燃焼室内で排ガス中の煤塵等を熱分解して消失させることができ系外への煤塵等の排出を防止でき、また、ガス化室で生じた炭化水素,一酸化炭素等の可燃ガスや未反応カーボンを改質反応管内に導入し、水性ガス反応等を利用して一酸化炭素や水素に改質して燃料ガスを得ることができるとともに、燃料ガス中のタール等を熱分解・消失させることができ、燃料ガスを利用する際のタールの冷却による凝固・液化に伴うトラブルを防止できるガス化燃焼装置を提供できる。
(4)ガス化室でのガス顕熱を利用して改質反応管と燃焼室を加熱することができるので、生成し精製した燃料ガスの一部を燃焼したり電力を用いて加熱したりする必要がなく、エネルギーの損失を抑制し系外に供給できるエネルギーが減少するのを防止でき、エネルギー利用率の高いガス化燃焼装置を提供できる。
(5)ガス化室内に充填された固体燃料を燃焼ガス化させることによってガス化室内が酸素不足になり容易に還元雰囲気になるため、ダイオキシン類の生成をほぼ完全に防ぐことができる環境保全性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(6)ガス化室に生成した固体燃料の焼却灰が燃焼室へ飛散するのを防止して、ほとんどの焼却灰をガス化室の床部に堆積させることができ、焼却灰の回収が容易なガス化燃焼装置を提供できる。
(7)ガス化室に充填された固体燃料が燃焼中に崩れるのを防止できるとともに、ガス化室で発生した可燃ガスを燃焼室に誘導してガス化を促進させて、固体燃料を粒子層側から完全に燃焼させガス化させることができるガス化燃焼装置を提供できる。
(8)ガス化室に投入され固体燃料に輻射熱等で着火させることができ、ガス化室内の固体燃料を粒子層側から燃焼させガス化させることができる操作性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(9)可燃ガス流路に配設されたバーナが起動時の燃焼室を予熱するので、固体燃料に着火すると、その燃焼熱で燃焼室内を迅速に昇温させ、低品位ガスの生成を抑え可燃ガスの精製を行うことができ迅速に燃料ガスを採取できる起動性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(10)固体燃料のガス化状態が変動すると燃焼室内の温度も変動し可燃ガスの精製状態が不安定になるが、バーナで燃焼室内を加熱できるので燃焼室内の温度の安定性に優れ採取できる燃料ガスの品質の安定性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(11)可燃ガス流路と燃焼室内を加熱することができるので、起動直後から煤塵、燃料ガス中のタールや煤塵等を燃焼させることができ、タールに伴うトラブルや系外への煤塵等の排出を防止できる環境保全性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)粒子層近くで燃焼する固体燃料の燃焼ガスを、ガス通路を通してガス化室に充填された上側の固体燃料に送って乾燥させることができ、ガス化室に充填された固体燃料の総平均の含水率(湿潤ベース)が70%近い高含水の場合もガス化燃焼させることができ、適用可能な固体燃料種を増やし汎用性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)可燃ガスの発熱量を向上させることができ、発電機として市販のガソリンエンジン発電機を利用する場合でも出力が低下するのを防止できる。また、燃焼室内を高温にできるのでダイオキシン類の発生も防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)燃焼室内に形成された旋回流に乗って煤塵等の滞留時間が長くなるため煤が完全に燃焼され易く、またサイクロン効果によって粒径の大きな塵を分離することができ、系外への煤塵と有害排出物(ダイオキシン等)の排出を防止できる環境保全性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(2)旋回流によってガス流を撹拌できるので、完全燃焼及びダイオキシン等の有害物の分解を促進できる環境保全性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)固体燃料の品質や種類(バイオマス燃料,廃プラスチック,化石燃料等の配合量や水分量、発熱量等の変動)、可燃ガスの取り出し量、ガス化室内の灰分量等が変動しても、送風機の風量制御を行うことでガス化室での熱分解・ガス化反応を進行させることができ、下部の燃焼室内の温度を所定の範囲に保つことができる自在性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(2)改質反応管内においては熱分解反応や水性ガス反応(C+H2O→CO+H2)を安定に進行させ、可燃ガスを改質・精製することができるガス化燃焼装置を提供できる。
(3)装置が安定稼動するまでに生じた低品位ガスを燃焼処理するフレアースタックや切換弁が不要で装置を小型化できるとともに、切換弁がなく部品点数が少ないのでタールの付着等によるトラブルの発生を防止でき信頼性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)改質反応管内の熱容量を高めてガス化室の燃焼状態が変動して燃焼室の温度が変動しても、改質反応管内の温度が低下するのを防止し改質反応やタールの分解を安定化させることができ、また可燃ガスの改質を促進することができる安定性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
(2)タールの熱分解に高い活性を有する触媒を収容することによって、600℃程度の低温でもタールの熱分解を促進させることができるガス化燃焼装置を提供できる。
(3)改質反応管内にガスを貯留しておくことができるので、可燃ガス流路等から吸引した可燃ガスをエンジン発電機等の燃料として使用する場合は、改質反応管を可燃ガスのバッファータンクとして用いることができる応用性に優れたガス化燃焼装置を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるガス化燃焼装置を垂直方向に切断した要部断面図であり、図2は図1のガス化燃焼装置のA−A線における要部断面図であり、図3(a)は図1のガス化燃焼装置のB−B線における要部断面図であり、(b)は図3(a)のC−C線における要部断面図である。
図1、図2において、1は実施の形態1におけるガス化燃焼装置、2は縦長の略直方体に形成された縦型のガス化室、3は略鉛直に形成されたガス化室1の周壁、4は空胴状に形成された周壁3の炉壁部、5は水が充填された炉壁部4の空胴部、6はガス化室2の周壁3の上部に形成された固体燃料を投入する投入口、6aは投入口6に配設され有機排水等の液状物をガス化室2内に注入する注入口、7はガス化室2の周壁3の下部に形成され焼却されて生成された焼却灰や熔融されて生成されたスラグ等を排出する排出口、8はガス化室2の炉床、9はガス化室2の炉床8に敷設された軽石や耐火煉瓦屑,耐火粒子等の無機質粒子からなる粒子層、10は粒子層9に配設された火格子等の仕切板、11はガス化室2の炉床8に敷設された粒子層9に配設された仕切板10の下部に埋設された炉床ガス供給部、12は炉床ガス供給部11に多数形成されたガス噴出孔、13は炉床ガス供給部11に接続された送風機、13aは周壁4と適当な間隔をあけて燃焼室2の高さ方向に配設されたガス通路形成壁である。なお、本実施の形態においてガス通路形成壁13aは、図3(a)に示すようにガス化室2の四隅に配設されており、図3(b)に示すように、複数のよろい戸状の小片が高さ方向に適当な間隔をあけて配設された斜め下向きのルーバー状に形成されており、ガス通路形成壁13aと周壁3との間にガス通路13bが形成されている。
14は粒子層9より上側のガス化室2の下部側方と連通しガス化室2の下部が下位となる段差状に形成された可燃ガス流路、14aは可燃ガス流路14の全部が燃焼室15に向かう幅広の上り勾配に形成された傾斜面、14bは先端の炎口が可燃ガス流路14の内側を向いて可燃ガス流路14のガス流方向と略直交して配設されたバーナ、14cは可燃ガス流路14の上方に配設され廃プラスチックの破砕片等が収容されるホッパー、14dはホッパー14cの下部に配設されたロータリーフィーダ等のフィーダー、14eはフィーダー14dの下部と可燃ガス流路14とに接続された供給管、15は可燃ガス流路14と下部が連通した縦長の円筒状に形成された燃焼室、16は燃焼室15の周壁、17は空胴状に形成され周壁16の周囲に配設された炉壁部、18は内部に水が充填された炉壁部17の空胴部、19は噴射口20が周壁16側に傾斜して燃焼室15の周壁16に配設され燃焼室15内に旋回流を形成する燃焼室ガス供給部、21は燃焼室ガス供給部19の上流側に接続された送風機、22は下部の燃焼室15の周壁16に配設された排ガス戻しノズル、23は周壁16に配設され下部の燃焼室15内の温度を測定する燃焼室下部温度測定器、23aは燃焼室下部温度測定器23の温度に応じて送風機13の風量調整を行う制御装置、24は耐熱鋼や耐熱合金等で形成され下端が燃焼室15の底部側で上端が燃焼室15の天井を貫通して燃焼室15の高さ方向に沿って燃焼室15の略中心に配設された円筒状の改質反応管、24aは改質反応管24の上端側の外面に固着されたフランジ状の突起部である。改質反応管24は燃焼室15の天井部に形成された貫通穴に挿通され突起部24aで支持されて燃焼室15内に吊設されている。
25は改質反応管24の下端が可燃ガス流路14側に開口した可燃ガス導入口である。可燃ガス導入口25は燃焼ガス供給部19の噴射口20より下側の位置で開口している。可燃ガス導入口25から導入される可燃ガスが噴射口20から噴射されるガスで希釈されないようにするためである。26は酸化鉄系,酸化鉄−酸化クロム系,酸化亜鉛−酸化クロム系等の触媒を担持し改質反応管24内に収容されたアルミナ,ジルコニア製等の無機粒体、26a,26bは耐熱鋼や耐熱合金等で形成され無機粒体26の粒径よりも小さな孔部が形成された通気性を有する支持板である。支持板26aは改質反応管24の周壁に溶接等で固着された図示しない複数の突起等の上に載置されて改質反応管24内に配置され、収容された無機粒体26を改質反応管24内に保持する。支持体26bは収容された無機粒体26が飛散するのを防止する。27は改質反応管24の上端に形成され改質反応管24で改質された可燃ガス(燃料ガス)を取り出す燃料ガス取出口、28は燃焼室15の上端に形成され排ガスが排出される排気口、28aは排気口28の下部の燃焼室15の周壁16の内側に配設された邪魔板、29は燃料ガス取出口27に接続され燃料ガスを冷却し塵等を除去する冷却精製装置、30は冷却精製装置29に接続され改質反応管24内の燃料ガスを吸引するブロア等のガス吸引装置、31はガス吸引装置30に接続されたマイクロガスタービン発電機,エンジン発電機等の発電機である。本実施の形態においては、発電機31は排ガス戻しノズル22に接続されているので、発電に利用された燃料ガスの排ガスは排ガス戻しノズル22から燃焼室15内に戻される。32は排気口28に接続された温水ボイラ,蒸気ボイラ,温風発生装置,ヒートポンプ等の温水利用機器である。
なお、空胴部5,18内の水は図示しない通水口から空胴部5,18内に通水され、ガス化室2,燃焼室15によって加熱された後、図示しない排水口から排水されて温水として利用することができる。大型の装置の場合は、壁の機械的強度を高めるため、空洞部5,18を設けなくてもよい。
以上のように構成された本発明の実施の形態1におけるガス化燃焼装置1において、以下固体燃料のガス化燃焼方法について説明する。
初めに、乾燥させた木片,木屑,おが屑,ウッドチップ等の着火用のバイオマス燃料からなる固体燃料を、投入口6からガス化室2内に投入する。ガス化室2は可燃ガス流路14と連通しているので、投入された固体燃料の一部は可燃ガス流路14にも入れられることになる。次に、含水率が40〜80%の木片,木屑,おが屑,ウッドチップ等のバイオマス燃料、生ごみ、紙おむつ、樹木等の剪定ごみ、間伐材、生木、籾殻,麦わら,余剰産物等の農作物の収穫屑、茸菌床、生鶏糞等の家畜糞尿、家畜床、活性汚泥法による余剰汚泥,パルプ廃液汚泥,排水処理汚泥等の固体燃料を、ガス化室2内がほぼ満杯になるまで投入口6からガス化室2内に投入する。このときの固体燃料の加重平均含水率は約70%以下にしておく。なお、固体燃料は、ポリエチレン製等の袋に入れたものをガス化室2内に投入することができる。投入作業性がよいからである。また、固体燃料の発熱量が小さい場合は、廃プラスチックや亜炭,泥炭等の低品位の化石燃料を混ぜておくことができる。また、ホッパー14cには廃プラスチックの破砕片等を入れておく。
投入口6を閉鎖した後バーナ14bに点火し、可燃ガス流路14,燃焼室15を昇温する。この間、バーナ14bの火炎で可燃ガス流路14やガス化室2に入れられた固体燃料の一部が着火され、着火された固体燃料の熱分解によってガス化室2内に低品位のガスが発生する。また、燃焼室15内には、バーナ14bの火炎による弱い旋回流が形成される。
制御装置23aは、燃焼室下部温度検知器23で検知される燃焼室15の下部の温度が600℃以上に達したら、送風機13を稼動させ炉床ガス供給部11から粒子層9に通気し、ガス化室2内に充填された固体燃料のガス化燃焼を開始するとともに、固体燃料の初期の熱分解で生じた低品位のガスをガス化室2内で燃焼させる。次いで、燃焼室ガス供給部19から空気を燃焼室15内に供給し、燃焼室15内に強い旋回流を形成する。これにより、燃焼室15内に旋回流によるサイクロン効果を得ることができ、ガス化室2内の固体燃料の熱分解によって生じた可燃ガスが可燃ガス流路14を通って燃焼室15内に積極的に導入され、可燃ガス中の煤塵やタール等が燃焼室15内で燃焼される。
また、フィーダー14dによってホッパー14c内の廃プラスチックを供給管14eから可燃ガス流路14に所定量ずつ供給することによって、廃プラスチックをガス化させ、廃ブラスチックから発熱量の大きな可燃ガスを生成させることができる。廃プラスチックが溶融した場合は、溶融物が傾斜面14aを下降してガス化室2内でガス化される。
燃焼室下部温度検知器23で検知される燃焼室15の下部の温度が800℃以上に達したら、ガス吸引装置30を稼動させて、可燃ガス流路14を通って燃焼室15内に導入された可燃ガスの一部を酸素分圧の低い状態で可燃ガス導入口25から改質反応管24内に吸引し、水蒸気が共存した可燃ガスを無機粒体26の間隙を通過させて、CxHy+O→HO+CO+H+CO、C+CO→2CO、C+HO→CO+H(水性ガス反応)等の反応やタールの熱分解を進行させ改質・精製し、燃料ガス取出口27から燃料ガスを取り出す。
一方、ガス化室2内の固体燃料は粒子層9側から上部に向かってガス化燃焼し続け、生じた可燃ガスは可燃ガス流路14から燃焼室15内に流入され、高温の燃焼室15内で可燃ガスに含まれる煤塵等が旋回流に乗って上昇しながら燃焼される。可燃ガス中のタールも800℃以上での滞留時間が長くなるので熱分解させることができる。大きな煤塵は遠心力で周壁16側に分離され、上昇しても邪魔板28aで遮られるため、燃焼室15内での滞留時間が長くなり完全に燃焼され易く、排出部28からは煤塵やタールの少ない排ガスが排出される。
ガス化室2内でガス化燃焼が行われている間、制御装置23aは、燃焼室下部温度検知器23が検知する燃焼室15の下部の温度が600〜1300℃好ましくは800〜1200℃を維持するように、送風機13の風量調整を行いガス化室2内での燃焼状態を調整する。具体的には、燃焼室下部温度検知器23で検出される温度が低下する傾向にある場合には送風機13の風量を多くし固体燃料の燃焼を促し、燃焼室下部温度検知器23で検出される温度が高くなる傾向にある場合には送風機13の風量を少なくして固体燃料の燃焼を抑制する。
燃料ガス取出口27からガス吸引装置30によって吸引され冷却精製装置29で冷却された燃料ガスは、発電機31に供給され電力に変換される。なお、吸引された燃料ガスを圧縮し冷却した後に発電機31に供給することで出力を高めることができる。発電機31で利用された燃料ガスの排ガスは、排ガス戻しノズル22から燃焼室15内に戻され熱分解される。
また、排気口28から排気された高温の排ガスは、温水ボイラ,蒸気ボイラ,温風発生装置,ヒートポンプ等の温水利用機器32に導入され廃熱利用される。
ガス化燃焼装置1において、一定時間後、燃焼室下部温度検知器23の温度が600℃に昇温しないときは、ガス化室2内の固体燃料が燃焼し尽くされたことを示しているため、バーナ14bを消火し、次いで送風機21を停止する。なお、送風機13は粒子層9の冷却のため、粒子層9が室温近くに冷却されるまで運転する。
粒子層9に堆積した焼却灰等の焼却残渣は、排出口7からガス化室2の外に取り出して、ガス化室2内を空の状態にした後、同様に固体燃料を燃焼させることができる。
以上のように、本発明の実施の形態1におけるガス化燃焼装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)ガス化室2の周壁3が略鉛直に形成されているので、ガス化室2内で固体燃料が乾燥や燃焼される際、未燃焼物が周壁3に付着し難くブリッジ状になり難いため、生木,生ゴミ,紙おむつ,鶏等の家畜糞尿,汚泥等の含水率が40%以上の固体燃料でも、ガス化室2に直接投入して完全にガス化燃焼させることができる。
(2)ガス化室2の炉床8に粒子層9が敷設されているとともに、粒子層9に炉床ガス供給部11が埋設されているので、都市ゴミや産業廃棄物,バイオマス燃料等の固体燃料を投入して着火するだけで、炉床ガス供給部11から燃焼用空気等の燃焼用ガスが供給されて粒子層9側から酸化雰囲気で焼却することができ固体燃料の燃焼処理性能に優れる。
(3)炉床ガス供給部11からの空気量や酸素量で固体燃料の熱分解・ガス化速度を自在に調節することができ、自在性に優れる。
(4)可燃ガス流路14に配設されたバーナ14bを備えているので、ガス化室2に投入されて可燃ガス流路14に溢れた固体燃料に着火させることができ、ガス化室2内の固体燃料を粒子層9側から燃焼させガス化させることができる。なお、可燃ガス流路14内の固体燃料に火炎が直接あたらなくても、輻射熱でも着火させることができる。
(5)バーナ14bによる火炎で可燃ガス流路14と燃焼室15内を加熱することができ、排ガス中の煤塵、燃料ガス中のタールや煤塵等を燃焼させることができ、タールの冷却による凝固・液化に伴うトラブルや系外への煤塵等の排出を防止できる。
(6)可燃ガス流路14に配設されたバーナ14bを備えているので、ガス化室2に投入された固体燃料を粒子層9側から着火し焼却することができる。
(7)噴射口20が周壁16側に傾斜して燃焼室15の周壁16に配設され旋回流を形成する燃焼室ガス供給部19を備えており、また排気口28の上流側に邪魔板28aが配設されているので、燃焼室15内に形成された旋回流の遠心力で周壁16側に分離された煤塵等の滞留時間が長くなるので、煤を燃焼室15内で完全燃焼することができるとともに有害排出物(ダイオキシン等)の排出を防止できる。
(8)排気口28の下部の周壁16の内側に邪魔板28aが配設されているので、塵等のうち粒径の大きなもの(約1μm以上)は遠心力が大きく、サイクロン効果によって旋回流の外側を周回し邪魔板28aに遮られ排気口28からは排出されずに燃焼室15内に長時間滞留し燃焼され、排気口28からは塵をほとんど含まない排ガスだけを排出することができる。
(9)ガス通路形成壁13aが配設されているので、燃焼室15内の燃焼熱(燃焼ガス)をガス化室2に充填された固体燃料に供給して乾燥させることができ、生木,生ゴミ,紙おむつ,鶏等の家畜糞尿,汚泥等の含水率が40%以上の固体燃料でも、ガス化室2にそのまま投入するだけで容易に完全に燃焼させることができる。
(10)ガス化室2や燃焼室15の周壁3,16の空胴部5,18に水が充填されているので、ガス化室2に投入される都市ゴミや産業廃棄物等の固体燃料中に廃プラスチック等を含んでいる場合にも、廃プラスチック等の熔融液化・ガス発生の暴走を防ぎ、ガス化室2内のガスの発生を均一化することができるとともに、周壁3,16に耐火物や断熱材の内張りを最小限にすることができ施工性に優れる。また、空胴部5,18内の加熱された水を空胴部5,18から排出することにより、温水として有効に利用できる。
(11)粒子層9に仕切板10が配設されているので、ガス化室2から焼却残渣を排出するときやメンテナンス時等に、粒子層9の粒子が外部に掻き出されるのを防止できる。
(12)ガス化室2の下部側方と連通しガス化室2の下部が下位となる段差状に形成された可燃ガス流路14を備えているので、ガス化室2に生成された焼却灰の燃焼室15への飛散を防止でき、焼却灰を容易に回収できる。
(13)また、ガス化室2に投入された固体燃料(燃料)が燃焼中に崩れるのを防止できるので、固体燃料を粒子層9側から完全に燃焼させることができる。
(14)ガス化室2でのガス顕熱を利用して改質反応管24と燃焼室15を加熱することができ、燃焼室15内で排ガス中の煤塵等を燃焼させることができ系外への煤塵等の排出を防止でき、また、生成した燃料ガスの一部を燃焼したり電力を用いたりして燃焼室15を加熱する必要がなく、エネルギーや電力の損失を抑制し系外に供給できるエネルギーが減少するのを防止できる。
(15)ガス化室で生じた炭化水素,一酸化炭素等の可燃ガスや未反応カーボンを酸素分圧の低い状態で改質反応管24内に導入させることができ、水性ガス反応等を利用して一酸化炭素や水素に改質して燃料ガスを得ることができるとともに、燃料ガス中のタールを熱分解させることができ、タールの冷却による凝固・液化に伴うトラブルを防止できる。
(16)改質反応管24が燃焼室15の高さ方向に沿って燃焼室15の略中心に配設されており、燃焼室15には改質反応管24を中心にして旋回流が形成されるので、可燃ガス中の煤塵を旋回流の遠心力で分離して改質反応管24内には導入され難くすることができる。
(17)燃焼室下部温度測定器23の温度に応じて送風機13の風量調整を行う制御装置23aを備えているので、固体燃料の品質や種類(バイオマス燃料,廃プラスチック,化石燃料等の配合量や水分量、発熱量等の変動)、可燃ガスの取り出し量、ガス化室内の灰分量等が変動しても、送風機13の風量制御を行うことで下部の燃焼室15内の温度を所定の範囲に保つことができるので、ガス化室2での熱分解・ガス化反応と、改質反応管24内においては水性ガス反応(C+HO→CO+H)やタールの熱分解を安定に進行させ、可燃ガスを改質・精製することができる。
(18)燃焼室下部温度測定器23の温度に応じて送風機13の風量調整を行う制御装置23aを備えているので、起動直後に生じた低品位ガスが大気中に放出されるのを防止することができ、フレアースタックや切換弁が不要で装置を小型化できるとともに、切換弁がなく部品点数が少ないのでタールの付着等によるトラブルの発生を防止でき信頼性に優れる。
(19)改質反応管24に触媒を担持した無機粒体26が収容されているので、改質反応管24内の熱容量を高めてガス化室2の燃焼状態が変動して燃焼室15の温度が変動しても、改質反応管24内の温度が低下するのを防止し改質反応やタールの分解を安定化させることができ、また可燃ガスの改質を促進することができる。
(20)発電機31で利用された燃料ガスの排ガスを燃焼室15内に戻す排ガス戻しノズル22を備えているので、燃焼ガスに有害成分等が含まれている場合でも熱分解させることができ環境保全性に優れる。
(21)廃プラスチックの破砕片等を供給する供給管14eが可燃ガス流路14の傾斜面14aの上方に接続されているので、破砕片等が傾斜面14eをガス化室2方向へ移動しながら可燃ガス顕熱によりガス化する。廃プラスチックの分解ガスは高カロリーであり、燃焼によるガス化とは異なり燃焼空気に伴う窒素ガス希釈もないので高カロリーの可燃ガスを得ることができる。これにより可燃ガスの発熱量を向上させることができ、発電機31として市販のガソリンエンジン発電機を利用する場合でも出力が低下するのを防止できる。また、燃焼室15内を高温にできるのでダイオキシン類の発生も防止できる。
ここで、本実施の形態においては、ガス化室2の周壁3が略鉛直に形成されガス化室2が高さ方向に略一様な太さで形成された場合について説明したが、ガス化室2の上部を下部より幅狭に形成することもできる。この場合は、ガス化室の内容積がやや小さくなるが、同様の作用が得られる。
また、水平方向に切断した断面が方形状のガス化室2の場合を説明したが、円形状等、適宜選択することができる。
改質反応管24の可燃ガス導入口25が可燃ガス流路14側に開口した場合について説明したが、煤塵の可燃ガス導入口25への侵入を抑制するため、可燃ガス流路14とは反対側に開口させる場合もある。また、改質反応管24の下端部を全て開口して可燃ガス導入口25にする場合もある。
改質反応管24に触媒が担持された無機粒体26を収容した場合について説明したが、触媒を担持していない無機粒体だけを収容させる場合もある。触媒の効果は得られないが、熱容量が大きくなるため温度安定性を高める効果は得られる。同様に、無機多孔質体を収容させることもできる。無機粒体の充填密度や無機多孔質体の空隙率は、改質反応管24を通過する可燃ガスの損失が大きくならないような範囲で適宜選択することができる。
また、廃プラスチックの破砕片等を可燃ガス流路14に供給する供給管14eが配設された場合について説明したが、設けなくてもよい。固体燃料に廃プラスチック等を混合してガス化室2で熱分解・ガス化させることで、発熱量の大きな可燃ガスを得ることができる。
また、制御装置23aはバーナ14bの燃焼調整も同時に行うことができる。これにより、燃焼室下部温度測定器23の温度が低いとき(起動時や可燃ガスの生成量が少ないとき等)にバーナ14bを活発に燃焼させることができ、可燃ガスの生成量の変動に伴って燃焼室15の温度が変動するのを防止することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態1で説明したガス化燃焼装置を用い、木屑の熱分解・ガス化による発電効率及び温水利用のエネルギー効率を調べた。
実験に用いたガス化燃焼装置1の外寸法は、幅1m、横1.5m、高さ2mであり、重量は200kgであり、小型・軽量で容易に搬送可能な大きさであった。また、木屑(含水率(湿潤ベース):約20%、低位発熱量2740kcal/kg、電気エネルギー換算3.19kW/kg、灯油換算量0.343L/kg)の燃焼能力は約4kg/h(12.8kWh/h)なので、30時間燃焼させ続けられるだけの木屑の嵩体積(1.2m)を求め、この木屑が全てガス化室2に充填できるようにするため、ガス化室2の内容積を1.2mとした。また、発電機31としてはガスエンジン発電機(シリンダ容積560cc、定格発電能力6kW)を用い、温水利用機器32としては温水ボイラを用いた。
木屑を40Lのポリエチレン製の袋に充填しガス化室2内に積み上げた後、バーナ14bに点火した。燃焼室下部温度検知器23の温度が600℃を超えてから、ガス化室2の炉床ガス供給部11の送風機13を稼動させた。次に、燃焼室下部温度検知器23の温度が800℃を超えてから、燃焼室ガス供給部19の送風機21を稼動させるとともに、ガス吸引装置30を稼動させ、燃料ガスを発電機31に導入した。
この結果、ガス化燃焼装置1及び発電機31を安定して26時間以上運転させることができた。ガス化燃焼装置1及び発電機31の消費電力は0.3kWであり、外部出力は、発電機31の1.7kWの電力(需要により自動調節)、温水利用機器32で得られた温水(80℃)は100L/hであった。
発電効率は総電力で15.6%(消費電力を考慮すると13.3%)であり、廃熱利用(温水)のエネルギー効率は約55%と算出された。これらの効率は、バイオマス・ニッポン総合戦略(平成18年12月27日閣議決定)のバイオマスの利用目標値(発電効率10%以上、廃熱利用のエネルギー効率40%以上)を十分満足するものであり、エネルギー利用率が高いことが確認された。
なお、排気口28からの排ガスを分析したところ、煤塵50mg/mN未満であり排出量が少ないことが確認された。
(実施例2)
発電機31に代えて、貯留タンク(2m)を接続し、その下流に家庭用ガス器具(発熱量1000kcal/mN(4.2kJ/mN))を接続した以外は実施例1と同様にして、木屑の熱分解・ガス化によって得られた燃焼ガスを用いて、ガス器具が使えるかどうかを調べたところ、問題なく使用できることがわかった。
以上の結果、本発明のガス化燃焼装置は、森林資源のある場所で家庭生活も含め有用に活用できる装置であることが明らかである。特に近年、里山バイオマスの利用が進められているが、これにも適した装置であるといえる。
(実施例3)
燃料ガスを1/3の容積に圧縮できる圧縮機の機能を付加したガス吸引装置30を用いるとともに、ガス化室2の内容積を2.5mにして、木屑の投入量も増やしてガス化室2のほぼ全体に充填した以外は、実施例1と同様にして、木屑の熱分解・ガス化による発電効率及び温水利用のエネルギー効率を調べた。
この結果、ガス化燃焼装置1及び発電機31を安定して24時間以上運転させることができた。ガス化燃焼装置1及び発電機31の消費電力は1kWであり、外部出力は、発電機31の5kWの電力(需要により自動調節)、温水利用機器32で得られた温水(80℃)は300L/hであった。
発電効率は総電力で15.0%(消費電力を考慮すると13.0%)であり、廃熱利用(温水)のエネルギー効率は約55%と算出された。これらの効率は、バイオマス・ニッポン総合戦略(平成18年12月27日閣議決定)のバイオマスの利用目標値(発電効率10%以上、廃熱利用のエネルギー効率40%以上)を十分満足するものであった。
本発明は、バイオマス燃料や都市ゴミ等の産業廃棄物等の固体燃料の焼却や、固体燃料をガス化して燃料ガスを生成するガス化燃焼装置に関し、ガス化室に充填されたバイオマス燃料等の固体燃料を燃焼熱によって乾燥させることができるので含水率の高い固体燃料も未燃焼残分をほとんど残さずガス化させることができ、固体燃料を予め乾燥させておく等の前処理に係るエネルギーの損失を減らすことができるとともに自動化・無人化が可能で信頼性が高く、また排ガス中の煤塵等を燃焼させることができ系外への煤塵等の排出を防止でき環境保全性に優れ、また熱分解反応や水性ガス反応等を利用して可燃ガスを一酸化炭素や水素に改質して燃料ガスを得ることができるとともに、燃料ガス中のタールや煤塵等を熱分解して消失させることができタールに伴うトラブルを防止でき、さらに顕熱を利用して可燃ガスの改質等を行うことによりエネルギーや電力の損失を抑制し系外に供給できるエネルギーが減少するのを防止してエネルギー利用率の高い小型で安価なガス化燃焼装置を提供できる。
実施の形態1におけるガス化燃焼装置を垂直方向に切断した要部断面図 図1のガス化燃焼装置のA−A線における要部断面図 (a)図1のガス化燃焼装置のB−B線における要部断面図 (b)ガス化燃焼装置のC−C線における要部断面図
符号の説明
1 ガス化燃焼装置
2 ガス化室
3,16 周壁
4,17 炉壁部
5,18 空胴部
6 投入口
6a 注入口
7 排出口
8 炉床
9 粒子層
10 仕切板
11 炉床ガス供給部
12 ガス噴出孔
13 送風機
13a ガス通路形成壁
13b ガス通路
14 可燃ガス流路
14a 傾斜面
14b バーナ
14c ホッパー
14d フィーダー
14e 供給管
15 燃焼室
16 周壁
19 燃焼室ガス供給部
20 噴射口
21 送風機
22 排ガス戻しノズル
23 燃焼室下部温度測定器
23a 制御装置
24 改質反応管
24a 突起部
25 可燃ガス導入口
26 無機粒体
26a,26b 支持板
27 燃料ガス取出口
28 排気口
28a 邪魔板
29 冷却精製装置
30 ガス吸引装置
31 発電機
32 温水利用機器

Claims (6)

  1. 縦型のガス化室と、前記ガス化室の炉床に敷設された粒子層と、前記粒子層内に埋設された炉床ガス供給部と、前記炉床ガス供給部に接続された送風機と、前記ガス化室の下部側方と連通し前記ガス化室の下部が下位となる段差状に形成された可燃ガス流路を介して連通した燃焼室と、前記燃焼室内に配設された改質反応管と、を備え、前記可燃ガス流路の一部若しくは全部に、前記燃焼室に向かう上り勾配を有する傾斜面が形成され、前記可燃ガス流路に形成された前記傾斜面又は前記可燃ガス流路の周壁に前記可燃ガス流路のガス流方向と直交するように配設されたバーナを備えていることを特徴とするガス化燃焼装置。
  2. 前記粒子層の上方から前記ガス化室の高さ方向に配設されたガス通路形成壁を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス化燃焼装置。
  3. 廃プラスチックの破砕片を供給する供給管が前記可燃ガス流路の前記傾斜面の上方に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス化燃焼装置。
  4. 噴射口が周壁側に傾斜して前記燃焼室の周壁に配設され旋回流を形成する燃焼室ガス供給部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置。
  5. 下部の前記燃焼室内の温度を測定する燃焼室下部温度測定器と、前記燃焼室下部温度測定器の温度に応じて前記送風機の風量調整を行う制御装置と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置。
  6. 前記改質反応管に、触媒,無機粒体,無機多孔質体の内の1種若しくは複数種が収容されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載のガス化燃焼装置。
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