JP4681477B2 - 均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造方法及び製造装置 - Google Patents

均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、幅方向及び鋳造方向の厚さが均一な非晶質磁性薄帯を製造する製造方法と製造装置に関するものである。
従来から、Fe−B−Si系の非晶質合金磁性薄帯は、単ロール法、即ち、Fe−B−Si系の溶融金属を、スリット状のノズルから、高速回転している冷却ロールの表面に噴出して急冷凝固させる方法で製造されている。
Fe−B−Si系の非晶質合金磁性薄帯(以下、単に「非晶質磁性薄帯」ということがある。)は、主として、電力トランスやモーターコアの鉄心材料として、積層されて使用されているが、該材料の占積率を高めて機器性能を高めたいというユーザー側の要求に応えるには、非晶質磁性薄帯の表面の平滑度を高めることは勿論のこと、非晶質磁性薄帯の幅方向及び鋳造方向における板厚分布を均一化すること(均厚性の向上)が必要となる。
非晶質磁性薄帯の表面の平滑度を高めるためには、溶融金属と直接接する冷却ロールの表面状態を、常に最適状態に保つことが必要となるが、冷却ロールの表面状態は、鋳造量と強い相関がある。即ち、鋳造量が増加するにしたがって、冷却ロールの表面における疵(表面疵)の数が増加するとともに、表面疵の深さも深くなる。
そして、冷却ロールの表面に噴出された溶融金属は、表面疵の形状に沿っても付着して急冷凝固するので、非晶質磁性薄帯の表面には、冷却ロールの表面疵(例えば凹凸)を転写したような起伏(凸凹)が形成される。さらに、鋳造が進行するにしたがい、冷却ロールの表面疵(凹凸)は大きくなるから、非晶質磁性薄帯の表面に転写される起伏(凸凹)も大きくなる。
非晶質磁性薄帯の表面に、冷却ロールの表面疵に起因して形成される起伏が、占積率の低下を招くことは当然のことである。
そこで、鋳造の進行に伴う表面疵の増加を抑制する対策として、鋳造中の冷却ロールの表面を研磨する方法が提案された(特許文献1〜3、参照)。これらの方法により、非晶質薄帯の表面の平滑度は向上するが、非晶質磁性薄帯の均厚性は向上しない。
一方、前述したように、非晶質磁性薄帯は、電力トランスやモーターコアの鉄心材料が主な用途であるので、優れた磁気特性を有していることが必要である。
非晶質薄帯において、優れた磁気特性を確保するには、溶融金属を急冷し、凝固組織を完全な非晶質組織とする必要があるが、この急冷速度(冷却速度)は、冷却ロールの熱伝導率や肉厚、急冷凝固後の非晶質磁性薄帯の厚み等によって変化する。
即ち、所定の熱伝導率を有し、ロール肉厚が一定の冷却ロールを用いて、溶融金属を急冷凝固させる場合、完全な非晶質組織を確保し、優れた磁気特性を得るには、非晶質磁性薄帯の幅方向及び鋳造方向における板厚分布を均一化する必要がある。
特許文献4には、磁気特性のばらつきを低減するため、薄帯ロール面側の粗度Raにおいて上限値を規定することが開示されているが、非晶質磁性薄帯の均厚性を高めるものではない。
非晶質磁性薄帯の厚みは、これまでの研究により、溶融金属の凝固速度に大きく影響を受け、凝固速度は、冷却ロールとパドル部溶融金属との接触面積に影響されることが判っている。したがって、この接触面積を評価し、管理することが、薄帯厚さ分布の均一化制御(均厚性の向上)において重要である。
冷却ロールの表面については、この他、Crメッキロールとの組み合わせで粗度を規定した技術(特許文献5)、梨地状表面を規定した技術(特許文献6)、砥粒番手で規定した技術(特許文献8)、ロール粗度をオンライン計測して製造条件を判定する技術(特許文献7)などが開示されているが、いずれも表面品位の改善を目的としたもので、板厚を制御することについては何ら示唆されていない。
このように、非晶質磁性薄帯において、占積率の向上、及び、優れた磁気特性の確保の両面から、薄帯厚さ分布の均一化制御(均厚性の向上)は重要な課題であるが、ロールの表面管理により、この課題を解決する方法は、いまのところ提案されていない。
特開昭61−209755号公報 特開平3−161149号公報 特開平3−165955号公報 特開平2003−340554号公報 特開昭56−30061号公報 特開昭56−117868号公報 特開平3−221245号公報 特開2000−328206号公報
本発明は、上記現状に鑑み、冷却ロールと溶融金属の接触面積を代表する新規な指標を見いだし、この指標に基づいて、冷却ロールの表面を適確に評価・管理し、さらに調整することにより、幅方向及び鋳造方向における板厚分布が均一で、占積率及び磁気特性に優れたな非晶質磁性薄帯を製造することを課題とする。
本発明者は、まず、冷却ロールと溶融金属との接触面積を代表する指標について、鋭意検討した。その結果、本発明者は、
(x)下記式で定義する表面凹凸指数Zを用いると、冷却ロールの表面を適確に評価・管理できること、
Z=Rak・(W/Sm)
ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
W/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長W(μm)にわた
って存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在する凹凸
の平均間隔(μm))
k:指数
(y)上記表面凹凸指数Zを、上記接触面積(率)を定量的に代表する指標として使用できること、及び、
(z)上記表面凹凸指数Zを所定の範囲に制御し、冷却ロールの表面状態を調整すれば、均厚性に優れた非晶質磁性薄帯を製造できること、を見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)鉄系溶融金属を高速回転中の冷却ロールの表面で急冷凝固させて非晶質磁性薄帯を製造する方法において、
(a)冷却ロールの表面状態を、下記式で定義する表面凹凸指数Zを用いて評価・管理し、
(b)板幅方向及び鋳造方向の上記表面凹凸指数Zのバラツキを40以下に制御する
ことを特徴とする均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造方法。
Z=Rak・(2500/Sm)
ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
2500/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長2500 (μm)にわたって存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在 する凹凸の平均間隔(μm))
k:指数=0.5
)鉄系溶融金属を高速回転中の冷却ロールの表面で急冷凝固させて非晶質磁性薄帯を製造する装置であって、
(a)冷却ロールの表面状態を、下記式で定義する表面凹凸指数Zを用いて評価・管理する評価・管理装置、及び、
(b)板幅方向及び鋳造方向の上記表面凹凸指数Zのバラツキを40以下に制御する制御装置
を備えることを特徴とする均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造装置。
Z=Rak・(2500/Sm)
ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
2500/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長2500 (μm)にわたって存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在 する凹凸の平均間隔(μm))
k:指数=0.5
本発明によれば、冷却ロールの表面を表面凹凸指数Zに基づいて適確に評価・管理し、さらに、この表面凹凸指数Zを適正範囲に調整することにより、幅方向及び鋳造方向における板厚分布が均一で、占積率及び磁気特性に優れる非晶質磁性薄帯を製造することができる。
本発明者は、冷却ロールと溶融金属との接触面積を代表する指標について検討するに際し、まず、薄帯厚みと接触面積との関係を調査した。その結果を、図1に示す。
ここで製造条件は、at%で、Fe:80.5%、Si:6.5%、B:12%、C:1%からなる合金を、溶融温度1320〜1340℃として、図3に示す単ロール鋳造装置で鋳造した。鋳造装置の冷却ロールは、直径1200mm、幅250mm、材質がCu−2%Bで、肉厚20mm、熱伝導率105W/(m・k)のものを用いた。また、ノズルの開口形状は0.7mm×100mmのスリット形状のものを用いた。鋳造時の冷却ロール−ノズル間ギャップは250μmとした。
鋳造後の非晶質磁性薄帯の板厚とロール接触面積率を、薄帯1000mおきに測定した。ここで、ロール接触面積率は、薄帯のロール面をマイクロスコープで観察して、薄帯表面の凸部で、ロールとの摩擦により生じる細かな疵の観察された部位を接触部として特定し、画像処理により2値化して計算した。
図1の黒四角及び黒丸は、同一鋳造条件ではあるが、ロットの異なる非晶質磁性薄帯を調査した結果を示している。図1から、非晶質磁性薄帯厚みと接触面積の間に良好な相関関係があることが解かる。図1では、鋳造条件が同一にもかかわらず、接触面積が大きくなることを示している。即ち、冷却ロールの表面に存在する凹凸の態様が、非晶質磁性薄板の厚みに大きく影響する。したがって、この凹凸態様を何らかの指標で定量化できれば、この指標と非晶質磁性薄帯厚みとの相関関係に基づいて、非晶質磁性薄帯厚みを制御することができる。
冷却ロールの表面に存在する多数の凹凸の形状要素を把握し定量化することは不可能であるので、本発明者は、これに替わるものとして凹凸の個数に着目した。
凹凸の平均間隔を示す指標として、下記式で示す指標が知られているが、その逆数“1/Sm”は、単位長さ当たりの凹凸個数を表すことになる。したがって、このSmが大きいほど表面の凹凸が多いことを意味する。
Figure 0004681477
そこで、本発明者は、表面粗さを測定曲線に従って正確に評価する“Ra”と“1/Sm”を何らかの形式で組み合せれば、冷却ロールの表面において、凹凸状態に係る粗さ評価に、表面に存在する凹凸個数が加味されることになるので、冷却ロールの表面状態をより適正に評価できるのではないかとの発想に至り、表面凹凸指数(新指標)として、
Z=Rak・(W/Sm)
ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
W/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長W(μm)にわた
って存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在する凹凸
の平均間隔(μm))
k:指数
を定義した。
上記指数Zは、ロール表面の凹凸状態を、凹凸の量的評価を含めて総合的に評価する指数である。物理的には、冷却ロール表面と溶融金属との接触面積を意味し、Zが大きくなることは、即ち、冷却ロールと溶融金属との接触面積が大きくなることを意味する。
kは、Zにおける粗さRaの重みを適宜変えるべき指数であり、設備条件、例えば、冷却ロールの材質や直径等から決まる値で、予め予備実験にて決定するものである。Wは、粗度の測定長で、板幅方向で評価する長さを表すため、任意に決定する値であり、非晶質磁性薄帯の板幅まで設定できる。
したがって、Wを大きくすればマクロ的な評価となり、小さければミクロ的な評価となるが、実際には、幅方向の板厚分布を均一とするためにWを板幅とするのは意味を持たず、また、測定装置や測定精度の制約からもWは大きくできず、板幅の1/4以下、好ましくは10mm以下とする。
本発明者らは、直径1200mm、幅250mmの冷却ロール(図3に示す装置)を用いて非晶質磁性薄帯を鋳造し、鋳造最尾端の非晶質磁性薄帯の板厚と、鋳造後の冷却ロールのRaとSmを、W=2500μmとして測定した。非晶質磁性薄帯の最尾端を測定サンプルとしたことは、冷却ロールの状態を評価するためには、鋳造が終了した後でしか評価できないためであり、鋳造後の冷却ロール状態と対にして評価できる非晶質磁性薄帯の部位が最尾端となるからである。
非晶質磁性薄帯の鋳造は、溶融合金の供給量変化による絶対的な板厚の変化と、冷却ロールと溶融金属の接触面積による相対的な板厚の変化との関係を調査するため、溶融金属のノズル開口形状と噴出圧力を変えて行い、また、Ra、Smの値を変化させるため、非晶質磁性薄帯を鋳造する前の冷却ロールの表面粗度を変更して行った。
これら一連の鋳造により、板厚22〜70μmの非晶質磁性薄帯を製造した。非晶質磁性薄帯の板厚が70μmを超えた場合、部分的な結晶化が生じ、良好な磁気特性を示さなかったため、評価は、板厚70μm以下の非晶質磁性薄帯を対象とした。測定したRaとSmからkを変えて、非晶質磁性薄帯の板厚と指数Zの相関を調査した。図2に、各鋳造条件にて、Z=20を基準値(ゼロ)とした場合の指数Zの変化に対する板厚の変化を示す。
図2において、△は、Z=20近傍で板厚が約25μmとなる鋳造条件にて冷却ロール表面粗度を変化させた場合の板厚の変化を、□は、Z=20近傍で板厚が約35μmとなる鋳造条件にて冷却ロール表面粗度を変化させた場合の板厚の変化を、◇は、Z=20近傍で板厚が約45μmとなる鋳造条件にて冷却ロール表面粗度を変化させた場合の板厚の変化を、○は、Z=20近傍で板厚が約55μmとなる鋳造条件にて冷却ロール表面粗度を変化させた場合の板厚の変化を示す。
なお、図2において、k=0.5としたのは、本発明者らが図3に示す装置を用いて実験から解析した結果、k=0.5とした場合に、最も相関がよいことを見いだしたからである。なお、設備条件、例えば、冷却ロールの材質や直径等の違いから、kが0.5からずれることも考えられるので、設備が変わった場合は、予め、予備実験にて、kの値を決定する必要がある。
図2から、板厚の変化と指数Zの間には良好な相関関係があることが解かる。即ち、同じ鋳造条件(例えば、Z=20近傍で、板厚が約25μmとなる鋳造条件:図2中の△)においては、指数Zが大きくなることで板厚が厚くなることが判明し、さらに、絶対的な板厚が厚くなっても(例えば、Z=20近傍で、板厚が約45μmとなる鋳造条件で鋳造した場合:図2中の◇)、Zに対する板厚の変化量が変わらないことが判明した。
また、この相関は、直線関係にあることから、板厚の変化は、Zの絶対値ではなく、変化量に依存することが判明した(例えば、Zが20から60まで、40変化すると、板厚は10μm変化する)。
前記実験及び解析から、本発明者らは、指数Zのバラツキを所定の範囲内に制御すれば、幅方向及び鋳造方向における均厚性が優れた非晶質磁性薄帯を製造できることを見いだした。
実際に、非晶質磁性薄帯を電力トランスやモーターコア等の鉄心材料として、積層して使用する場合、優れた占積率及び磁気特性を発揮させるためには、非晶質磁性薄帯の幅方向及び鋳造方向の板厚バラツキをあるレベル以下に抑制する必要がある。
本発明者らが調査した結果、積層して使用する場合、幅方向及び鋳造方向の板厚バラツキは、10μm以下であれば許容でき、さらに好ましくは5μm以下であることが判明した。図2から板厚バラツキが10μm以下となる指数Zのバラツキを求めた結果、Zのバラツキを40以下に制御する必要があることを見いだした。
したがって、幅方向及び鋳造方向で均厚性に優れ、占積率及び磁気特性に優れる非晶質磁性薄帯を製造するためには、表面凹凸指数Zのバラツキを40以下に制御する必要がある。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
at%で、Fe:80.5%、Si:6.5%、B:12%、C:1%からなる合金を、溶融温度1320〜1340℃として、図3に示す単ロール鋳造装置で鋳造した。鋳造装置の冷却ロールは、直径1200mm、幅250mm、材質がCu−2%Beで、肉厚20mm、熱伝導率105W/(m・k)のものを用いた。また、ノズルの開口形状は0.7mm×100mmのスリット形状のものを用いた。鋳造時の冷却ロール−ノズル間ギャップは250μmとした。また、板厚は、30μmとなるように溶融合金の噴出圧を調整した。
この時、本発明例では、図3に示すオンライン研磨装置を用いて、冷却ロールの表面凹凸指数Z=Ra0.5・(2500/Sm)のバラツキが40以下となるように制御した。従来法では、オンライン研磨装置を用いずに操業を行った。鋳造前は、本発明例、従来法ともに、幅方向で均一にZ=20に調整した。
本発明例では、鋳造後の薄帯幅方向でのZの値が23〜38で、バラツキが40以下となり、また、鋳造前後で比較しても、Zの値が、最大で20から38に変化したのみで、鋳造方向でもバラツキが40以下となった。一方、従来法では、オンライン研磨を用いないため、鋳造が進むにつれ、冷却ロール表面疵の数が増加し、Zの値が徐々に大きくなり、鋳造後の薄帯幅方向でのZの値が32〜83となり、Zのバラツキが40を超え、また、鋳造前後で比較しても、Zの値が、最大で83まで達した。
その結果、本発明例では、板厚分布が、非晶質磁性薄帯の幅方向で30〜34μm、鋳造方向でも30〜33μmに収まり、均厚性に優れた非晶質磁性薄帯を製造することができた。一方、従来法では、板厚分布が、幅方向で30〜46μm、鋳造方向でも30〜41μmとなり、板厚バラツキを目標の10μm以下とすることができなかった。
この薄帯の磁気特性と占積率を、表1に示す。表1から、本発明による非晶質磁性薄帯は、磁気特性及び占積率についても優れていることが解かる。
Figure 0004681477
前述したように、本発明によれば、冷却ロールの表面を、表面凹凸指数Zに基づいて、適確に評価・管理し、さらに、この表面凹凸指数Zを適正範囲に調整することにより、幅方向及び鋳造方向における板厚分布が均一で、占積率及び磁気特性に優れる非晶質磁性薄帯を製造することができる。このように、本発明は、占積率及び磁気特性に優れる非晶質磁性薄帯を提供するものであるから、産業上の利用可能性の高いものである。
冷却ロールと溶融金属との接触面積と薄帯厚みとの相関を示す図である。 Z(=Ra0.5・(2500/Sm))と板厚変化(μm)の相関を示す図である。 本発明法を実施するための単ロール法の例を示す断面図である。
符号の説明
1 薄帯
2 巻取りロール
3 冷却ロール
4 溶融合金
5 タンディッシュ
6 ノズル
7 ストッパー
8 研磨装置

Claims (2)

  1. 鉄系溶融金属を高速回転中の冷却ロールの表面で急冷凝固させて非晶質磁性薄帯を製造する方法において、
    (a)冷却ロールの表面状態を、下記式で定義する表面凹凸指数Zを用いて評価・管理し、
    (b)板幅方向及び鋳造方向の上記表面凹凸指数Zのバラツキを40以下に制御する
    ことを特徴とする均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造方法。
    Z=Rak・(2500/Sm)
    ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
    2500/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長2500 (μm)にわたって存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在 する凹凸の平均間隔(μm))
    k:指数=0.5
  2. 鉄系溶融金属を高速回転中の冷却ロールの表面で急冷凝固させて非晶質磁性薄帯を製造する装置であって、
    (a)冷却ロールの表面状態を、下記式で定義する表面凹凸指数Zを用いて評価・管理する評価・管理装置、及び、
    (b)板幅方向及び鋳造方向の上記表面凹凸指数Zのバラツキを40以下に制御する制御装置
    を備えることを特徴とする均厚性に優れた非晶質磁性薄帯の製造装置。
    Z=Rak・(2500/Sm)
    ここで、Ra:冷却ロール表面の中心線平均粗さ(μm)
    2500/Sm:冷却ロール軸方向における表面粗度測定長2500 (μm)にわたって存在する凹凸個数(Sm:冷却ロール表面に存在 する凹凸の平均間隔(μm))
    k:指数=0.5
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