JP2003225742A - 表面性状の優れたオーステナイト系ステンレス鋼の鋳造方法とその鋳片 - Google Patents

表面性状の優れたオーステナイト系ステンレス鋼の鋳造方法とその鋳片

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JP2003225742A JP2002028126A JP2002028126A JP2003225742A JP 2003225742 A JP2003225742 A JP 2003225742A JP 2002028126 A JP2002028126 A JP 2002028126A JP 2002028126 A JP2002028126 A JP 2002028126A JP 2003225742 A JP2003225742 A JP 2003225742A
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英明 山村
Toru Matsumiya
徹 松宮
Atsushi Sugibashi
敦史 杉橋
Masafumi Miyazaki
雅文 宮嵜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の冷却ドラムの周囲の一部とサイド堰で
形成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで該溶融
金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固しながら薄
肉鋳片を連続鋳造する双ドラム式鋳造方法で鋳造したオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法において、製品
の表面性状に優れたオーステナイト系ステンレス鋼の製
造方法を提供する。 【解決手段】 凝固する際にオーステナイト単相または
オーステナイト相とフェライト相の2相で凝固が完了す
る組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼の溶鋼
を、ドラムの周面に平均深さが40〜200μm、円相
当の径が0.5〜3mmのくぼみが、くぼみの頂部を介
して相互に隣接して形成されているとともに、くぼみの
表面に深さ5μm以上、円相当の径が5〜200μmの
細孔がピッチ300μm以下で形成されているドラムを用
いて鋳造する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融金属を一対の冷
却ドラムの周囲の一部とサイド堰で形成した湯溜まり部
に供給して鋳片と鋳型内壁面間に相対速度差の無い、い
わゆる同期式連続鋳造プロセスによって鋳片厚さを製品
厚さに近いサイズとして製造されるオーステナイト系ス
テンレス鋼の薄板に関し、製品の表面性状に優れたオー
ステナイト系ステンレス鋼の製造方法とその鋳片に係る
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造法を用いてステンレス鋼
薄板を製造するには、鋳型を鋳造方向に振動させながら
厚さ100mm以上の鋳片を製造し、得られた鋳片の表面手
入れを行ない、加熱炉において1000℃以上に加熱した
後、粗圧延機および仕上げ圧延機列からなるホットスト
リップミルによって熱関圧延を施し、厚さ数mmのホット
ストリップとしていた。
【0003】こうして得られたホットストリップを冷間
圧延するに際しては、最終製品に要求される形状(平坦
さ)、材質、表面性状を確保するために、強い熱間加工
を受けたホットストリップを軟化させるための熱延板焼
鈍を行なうと共に、表面のスケールや疵等を酸洗し更に
研削によって除去していた。
【0004】従来プロセスにおいては、長大な熱間圧延
設備で、材料の加熱及び加工のために多大のエネルギー
を必要とし、生産性の面でも優れた製造プロセスとは言
い難かった。また、最終製品は、集合組織が発達し、ユ
ーザーにおいてプレス加工等を加えるときは、その異方
性を考慮することが必要となる等使用上の制約も多かっ
た。
【0005】そこで、100mm以上の厚さの鋳片をホット
スリップミルにより圧延するために、長大な熱間圧延設
備と多大なエネルギー、圧延動力を必要とするという問
題を解決すべく、最近、連続鋳造の過程でホットストリ
ップの同等か或はそれに近い厚さの鋳片(薄帯)を得る
プロセスの研究が進められている。このような連続鋳造
プロセスにあっては、得ようとする鋳片のゲージが1〜
10mmの水準であるときはツインドラム方式が検討されて
いる。
【0006】この種の方式の連続鋳造プロセスにおいて
は、最終形状に近い鋳片を製造し、熱延工程、熱処理工
程等の中間段階を省略又は軽減している。そのため、鋳
片の組織、表面状態等が製品の材質や表面性状に大きな
影響を与えることが知られている。
【0007】薄鋳片は板厚が1〜10mm程度と薄いため、
その表面は凝固シェルの形成状態の影響を著しく受け、
急冷による凝固シェル厚の不均一等により表面割れが発
生するという問題がある。表面割れの発生を防止するた
めに、冷却ドラム周面にショットブラスト、フォトエッ
チ、レーザー加工等により多数のくぼみを設ける技術
が、例えば特開昭60−184449号公報に開示され
ている。 このくぼみによって冷却ドラムと凝固シェル
との間に断熱層となるガスギャップを形成することで溶
湯の緩慢な冷却を行い、またくぼみに溶湯を適度に入り
込ませて鋳片表面に凸転写を形成させ、凸転写の周縁か
ら凝固を開始させることで凝固シェル厚の均一化を図る
ことができる。
【0008】しかし、このストリップ連鋳によって得ら
れた鋳片を用いたオーステナイト系ステンレス鋼薄板製
造プロセスを詳細に研究した結果、以下に具体的に示す
ように製品に光沢むらや加工後に肌荒れが発生すること
が判明した。
【0009】すなわち、SUS304鋼を基本成分とする溶鋼
を、内部水冷式の双ロール(双ドラム)連続鋳造試験機
によって鋳造して1〜5mm厚さの薄帯として巻き取っ
た。こうして得られた鋳片(薄帯)を、デスケーリング
した直後、冷間圧延し、最終焼鈍し、酸洗して厚さ1〜
0.4mmの製品Aとした。
【0010】他方、従来の溶鋼を連続鋳造して100mm以
上の厚さを有する鋳片とし、これを再加熱後、ホットス
トリップミルによって熱間圧延して3〜6mm厚さの薄帯
とし、冷却して巻き取たものをデスケーリング後冷間圧
延し、最終焼鈍し、酸洗して厚さ1〜0.4mmの製品Bと
した。
【0011】この製品A及び製品Bの表面性状を比較す
ると、製品Aには次の2種類の表面欠陥が現れることが
判明した。 (1)筋状光沢むら:冷延・焼鈍・酸洗後に表面に筋状
の光沢むらが現われる。さらに、この製品を張り出し加
工を行ったところ、光沢むらに対応した凹凸が生じるこ
とが判明した。 (2)網目状光沢むら:冷延・焼鈍・酸洗後に表面に網
目状の光沢むら現われる。
【0012】他方、製品Bには、このような欠陥が発生
していない。したがって、これらの製品の表面性状に関
する問題は、オーステナイト系ステンレス溶鋼から最終
形状に近い薄肉鋳片を鋳造し冷延する場合に生じる特有
の問題である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の表面欠陥に関する問題の原因を詳細に検討した。その
結果、筋状の光沢むらは板厚中心部に存在する粗大なN
i負偏析部に起因することを解明した。また、網目状光
沢むらは表面割れ防止のために冷却ドラム周面に設けた
くぼみによって、くぼみの周縁から凝固が開始するため
に、周辺部と内部との間に生じたくぼみ単位の凝固組織
の差によることを解明した。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、板厚中心部に
存在する粗大なNi負偏析およびくぼみ単位の凝固組織
の差によって生じる光沢むらの発生を防止して、製品の
表面性状に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供
することを目的とする。本発明の要旨は次のとおりであ
る。
【0015】(1)一対の冷却ドラムの周囲の一部とサ
イド堰で形成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、つい
で該溶融金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固し
ながら薄肉鋳片を連続鋳造する双ドラム式鋳造方法で、
凝固する際にオーステナイト単相、またはオーステナイ
ト相とフェライト相の2相で凝固が完了するオーステナ
イト系ステンレス鋼の溶鋼を、ドラムの周面に平均深さ
が40〜200μm、円相当の径が0.5〜3mmのく
ぼみを有し、くぼみの頂部を介して相互に隣接してくぼ
みが形成されており、かつ、くぼみの表面に深さ5μm
以上、円相当の径が5〜200μmの細孔がピッチ300
μm以下で形成されているドラムを用いて鋳造すること
を特徴とする表面性状の優れたオーステナイト系ステン
レス鋼の鋳造方法。
【0016】(2)以下の関係を満足する組成を有する
オーステナイト系ステンレス鋼の溶鋼を鋳造することを
特徴とする請求項1に記載の表面性状の優れたオーステ
ナイト系ステンレス鋼の鋳造方法 Ni(eq)−0.75Cr(eq)+3.5≧0 Cr(eq)=Cr%+1.5Si%+Mo% Ni(eq)=Ni%+0.5Mn%+0.5Cu%+30
C%+30N% ただし、%は質量%。
【0017】(3)前記(1)または(2)に記載の鋳
造方法を用いて溶鋼を連続鋳造した薄肉鋳片であって、
溶鋼が該冷却ドラムの周面上のくぼみの頂部に当接した
溶鋼部位で生成した凝固核発生起点および、溶鋼が上記
くぼみの表面上の細孔に当接した溶鋼部位で生成した凝
固核発生起点を有することを特徴とする表面性状の優れ
たオーステナイト系ステンレス鋼の薄肉鋳片。
【0018】(4)前記くぼみの頂部に当接する溶鋼部
位で生成した凝固核発生起点は、円相当の径で0.5〜
3mmの環状に生成したものであることを特徴とする
(3)に記載の表面性状の優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼の薄肉鋳片。
【0019】(5)前記細孔に当接した溶鋼部位で生成
した凝固核発生起点は、300μm以下の間隔で生成し
たものであることを特徴とする(3)に記載の表面性状
の優れたオーステナイト系ステンレス鋼の薄肉鋳片。
【0020】
【発明の実施の形態】通常のオーステナイト系ステンレ
ス鋼では、凝固時に液相にNiが排出され、固相のNi
濃度が低下する。双ドラム鋳造ではドラムキス点で両側
の凝固シェルが合わさって鋳片が形成されるが、その際
に凝固シェルの厚い部分や肥大した等軸晶粒が半凝固状
態で圧下されて、Niの濃化した液相部のみが絞り出さ
れるためにこの部分が負偏析となる。本発明らは種々の
実験を重ねた結果、下式を満足する組成の鋼を鋳造する
ことで、凝固時に液相へのNiの排出が少なく、従って
実質上Ni負偏析が生じないことを見いだした。
【0021】Ni(eq)−0.75Cr(eq)+3.5≧0 Cr(eq)=Cr%+1.5Si%+Mo% Ni(eq)=Ni%+0.5Mn%+0.5Cu%+30
C%+30N% ただし、%は質量%。
【0022】上の関係を満足する組成を有することで凝
固終了時にオーステナイト(γ)単相かオーステナイト
(γ)とフェライト(δ)の2相となりNiの排出が小
さい。この範囲を逸脱すると、凝固開始から終了までフ
ェライト単相となりNiの排出が大きく、Ni負偏析が
生成する。
【0023】しかしながら、この関係を満足するオース
テナイト系ステンレスでは凝固完了後に変態が起こらな
いため、表面割れ防止のために冷却ドラム周面に設けた
くぼみの周縁部と内部との間に生じたくぼみ単位の凝固
組織の差がそのまま維持されるために霜降り状の光沢む
らが発生しやすくなる問題が生じた。この問題に対し
て、ドラム表面にくぼみに加えて、細孔を形成させるこ
とによってくぼみ周縁部の凝固開始点を分断するととも
に、くぼみの内部にも凝固核発生起点を与えることによ
ってくぼみ単位の凝固組織むらを緩和することが可能と
なる。
【0024】ドラムの周面に平均深さが40〜200μ
m、円相当の径が0.5〜3mmのくぼみが、くぼみの
頂部を介して相互に隣接して形成されていることによっ
て表面割れの発生を防止することができる。ドラムのく
ぼみの平均深さが40μm未満では、くぼみによるマク
ロな応力・歪みの緩和効果が得られないので割れが発生
する。一方、くぼみの平均深さが200μmを越える
と、くぼみ底部への溶鋼の侵入が不十分となり、くぼみ
内部での凝固核の生成が十分に行われなくなる。よっっ
て、窪みの平均深さは40〜200μmとした。
【0025】くぼみの円相当径が0.5mm未満である
と、くぼみ底部への溶鋼の侵入が不純分となる。一方、
円相当径が3mmを越えると、くぼみ単位での応力・歪
みの蓄積が多くなり、窪み単位の割れが発生しやすくな
る。よって、くぼみの円相当の径は0.5から3mmと
した。
【0026】くぼみの表面に深さ5μm以上、円相当の
径が5〜200μmの細孔がピッチ300μm以下で形成
することで、網目状光沢むらの発生が防止可能となる。
【0027】細孔の深さが5μm未満では細孔部でのエ
アギャップの生成が不十分となり、くぼみ周辺部での凝
固開始点の分断が不十分となるとともに細孔部以外での
凝固核の生成が達成できない。円相当の径が5μm未満
では細孔部での緩冷却効果が充分に発揮されず、凝固核
の発生を細孔部以外に限定できない。径が200μmを
越えると、細孔部にまで溶鋼が侵入して侵入した溶鋼が
凝固して凝固シェルを拘束して歪みの集中を起こし、割
れの発生を助長する。よって、細孔の深さは5μm以
上、細孔の円相当の径が5〜200μmとした。
【0028】また、ピッチが300μmを越えると、く
ぼみ周辺部での凝固開始点の分断が不十分となるととも
に細孔部以外での凝固核の個数が少ないために周辺部と
中央部の凝固組織の差の解消が不十分となる。よって、
ピッチを300μm以下とした。ここで、ピッチとは細
孔部の縁から縁までの距離を意味する。
【0029】次に、図3および図4で本発明の冷却ドラ
ムを用いて連続鋳造した薄肉鋳片について説明する。
【0030】本発明の薄肉鋳片は、基本的には、溶鋼
が、冷却ドラムの周面上の窪みの頂部に当接した溶鋼部
位で生成した凝固核発生起点4で、凝固を開始し、次い
で、上記窪みの表面上の微小突起、細孔または微細凹凸
に当接した溶鋼部位で生成した凝固核発生起点5で、凝
固開始したものである。
【0031】ここで、冷却ドラムの周面上の窪みの円相
当の径が0.5〜3mmであると、該窪みの頂部に当接
した溶鋼部位では、凝固核発生起点が、該頂部に沿い、
即ち、円相当の径で0.5〜3mmの環状に生成する。
【0032】窪みの表面上の細孔に当接した溶鋼部位で
生成する凝固核発生起点は、300μm以下の間隔で生
成せしめることが好ましい。
【0033】即ち、上記窪みの表面には、円相当の径の
上限が200μmの細孔を、ピッチ300μm以下の間
隔で形成し、上記凝固核発生起点の生成を促進すること
が好ましい。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。表1に示すオ
ーステナイト系ステンレス鋼を溶製し、直径1200m
m、幅1200mmで内部水冷式、表面Niメッキの銅
製の鋳造ドラムの双ドラム連続鋳造機により鋳造し、板
厚2〜5mmの薄肉鋳片を製造した。この鋳片を酸洗し
て、表面を観察し割れを調査した。
【0035】さらに、この鋳造片を、常法よって酸洗
後、冷延、焼鈍等を行って0.4〜1.5mmの鋼板を作
成した。この鋼板の光沢むらおよび表面特性を調査し
た。光沢むらの評点は、1:光沢むらが全くなし、2:
光沢むらが認められる、、3:著しく激しい光沢むらが
認められる、である。結果を表1に示す。No1〜8は本
発明鋼の例であり、No9〜11は本発明の範囲をはずれた
例であり、No12は従来例で通常の連続鋳造法で鋳造し
たものである。No9は凝固がフェライト単相で完了して
いる。No10は細孔のピッチがはずれている。No11は
くぼみの深さがはずれている。本発明鋼は割れもなく、
筋状光沢むら、網目状光沢むらの両者とも光沢むらは良
好であった。
【0036】なお、凝固完了時の組織は、溶鋼を凝固途
中で急冷して組織を凍結する試験を行って調査した。
【0037】
【表1】
【表2】
【発明の効果】本発明により、製品厚さに近い厚さの薄
帯状の鋳片を連続鋳造−直接冷延で製品化する簡素なプ
ロセスによって表面性状に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼を製造できる。したがって、産業上の価値の極
めて高い発明であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドラム表面の形態例を示す。(a)は表
面形態を示す図であり、(b)は断面形状を示す図であ
る。
【図2】本発明のドラム表面の形態例を示す。(a)は
表面形態を示す図であり、(b)は断面形状を示す図で
ある。
【図3】従来のドラムで鋳造した鋳片の凝固組織の形態
例の模式図を示す図であり、(a)は表面直下の組織を
上からを示す図であり、(b)は断面から見た組織を示
す図である。
【図4】本発明のドラムで鋳造した鋳片の凝固組織の形
態例の模式図を示す図であり、(a)は表面直下の組織
を上からを示す図であり、(b)は断面から見た組織を
示す図である。
【符号の説明】
1…くぼみ 2…くぼみの頂部 3…細孔 4…くぼみの頂部に当接した溶鋼部位で生成した凝固核
発生起点 5…くぼみの表面上の細孔に当接した溶鋼部位で生成し
た凝固核発生起点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉橋 敦史 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 宮嵜 雅文 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 Fターム(参考) 4E004 DA13 MC30 NB07 NC02 QA01 SD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の冷却ドラムの周囲の一部とサイド
    堰で形成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで該
    溶融金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固しなが
    ら薄肉鋳片を連続鋳造する双ドラム式鋳造方法で、凝固
    する際にオーステナイト単相、またはオーステナイト相
    とフェライト相の2相で凝固が完了するオーステナイト
    系ステンレス鋼の溶鋼を、ドラムの周面に平均深さが4
    0〜200μm、円相当の径が0.5〜3mmのくぼみ
    を有し、くぼみの頂部を介して相互に隣接してくぼみが
    形成されており、かつ、くぼみの表面に深さ5μm以
    上、円相当の径が5〜200μmの細孔がピッチ300
    μm以下で形成されているドラムを用いて鋳造すること
    を特徴とする表面性状の優れたオーステナイト系ステン
    レス鋼の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 以下の関係を満足する組成を有するオー
    ステナイト系ステンレス鋼の溶鋼を鋳造することを特徴
    とする請求項1に記載の表面性状の優れたオーステナイ
    ト系ステンレス鋼の鋳造方法 Ni(eq)−0.75Cr(eq)+3.5≧0 Cr(eq)=Cr%+1.5Si%+Mo% Ni(eq)=Ni%+0.5Mn%+0.5Cu%+30
    C%+30N% ただし、%は質量%。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の鋳造方法を用
    いて溶鋼を連続鋳造した薄肉鋳片であって、溶鋼が該冷
    却ドラムの周面上のくぼみの頂部に当接した溶鋼部位で
    生成した凝固核発生起点および、溶鋼が上記くぼみの表
    面上の細孔に当接した溶鋼部位で生成した凝固核発生起
    点を有することを特徴とする表面性状の優れたオーステ
    ナイト系ステンレス鋼の薄肉鋳片。
  4. 【請求項4】 前記くぼみの頂部に当接する溶鋼部位で
    生成した凝固核発生起点は、円相当の径で0.5〜3m
    mの環状に生成したものであることを特徴とする請求項
    3に記載の表面性状の優れたオーステナイト系ステンレ
    ス鋼の薄肉鋳片。
  5. 【請求項5】 前記細孔に当接した溶鋼部位で生成した
    凝固核発生起点は、300μm以下の間隔で生成したも
    のであることを特徴とする請求項3に記載の表面性状の
    優れたオーステナイト系ステンレス鋼の薄肉鋳片。
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