JP4680612B2 - カーボンオニオンの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、量産性に優れたカーボンオニオンの製造方法に関する。
カーボンオニオンはカーボンオニオン、炭素オニオン、ナノサイズ真球状黒鉛、オニオングラファイト、オニオンフラーレンなどとも呼ばれ、フラーレンやカーボンナノチューブとともに新しい炭素材料として注目されている材料であり、タマネギのように球状炭素構造が入れ子を成して重なっている。
かかるカーボンオニオンは、軽量かつ安定であり、放射線に対する耐性、高温での耐性が優れている。また、その形状から、高弾性が期待され、真空下あるいは無潤滑環境下で使用できる固体潤滑剤としての応用が考えられている。また、医薬品、化粧品、燃料電池用水素吸蔵炭素材料としての用途も考えられている。
しかし、カーボンオニオンはその生産性に大きな課題があり、従来より様々な製造方法が提案されているが、実用に供するにはいずれの方法も問題があった。
すなわち、カーボンオニオンの合成法としては、例えば、特開平5−208805号公報に示されるように、グラッシーカーボンからなる成形体を熱間静水圧加圧法で2000〜3000℃、1000〜3000気圧の処理を行って製造する方法が示されている。この方法はダイヤモンドの高圧合成に相当する高価な装置を必要とし、製造原価も合成ダイヤモンドに匹敵するものと考えられ、汎用的ではない。
また、特開平11−157818号公報にはダイヤモンド微粉末を不活性ガス雰囲気中にて1600〜1800℃で加熱し、オニオングラファイトを製造する方法が、特開2002‐80212号公報にはダイヤモンド微粉末を不活性ガス中で赤外線ランプを用いて1700℃以上に加熱してオニオンフラーレンを得る方法が開示されている。これらの方法は、原料粉末が高価であることから、オニオングラファイトは原料粉末よりさらに高価になるという問題がある。
特開平11‐310406号公報には、ポリインに光、電子線またはイオンビームを照射、あるいは加熱処理を施すことによりオニオンライクカーボンを製造する方法が示されている。同様に、特開平11‐349307号公報には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデンまたはポリフッ化ビニリデンに光、電子線またはイオンビームを照射してオニオンライクカーボンを得る方法が、特開2001‐48508号公報には、煤状炭素に電子線、ガンマ線、X線、イオン線などの高エネルギービームを照射してカーボンオニオンへ転換する方法が示されている。
特開2000‐109310号公報には、二重結合または三重結合を持つ炭素材料にX線、マイクロ波および超音波の1種以上を照射し、中空または金属を内包するオニオンライクカーボンを製造する方法が示されている。また、特開2000‐16806号公報には、二重結合または三重結合を持つ材料に光、電子線またはイオンビームを照射し、カーボンオニオンを製造する方法が述べられている。
これらの方法はいずれも対象とする原料への投入エネルギーが限られており、量産には限界がある。
特開2002‐105623号公報には、アンバランスドマグネトロンスパッタリング法でカーボンオニオン膜を製造する方法が示されている。この方法は、薄膜法ゆえ、カーボンオニオン粉末の製造には限界がある。
特開2003‐137518号公報には、SiC粉末とCu粉末の加圧成形体に35万気圧以上、2700℃以上の超高圧・超高温の圧縮衝撃を加えて生成する方法が示されている。この技術は、高温・高圧という極限環境を作る必要があり、合成後の分離精製にも課題を残している。
特開平5‐208805号公報 特開平11−157818号公報 特開2002‐80212号公報 特開平11‐310406号公報 特開平11‐349307号公報 特開2001‐48508号公報 特開2000‐109310号公報 特開2000‐16806号公報 特開2002‐105623号公報 特開2003‐137518号公報
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、容易な技術で、従来に比べ簡単かつ安価にカーボンオニオンを製造することができる実用的な方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明カーボンオニオンの製造方法は、元素構成がCとHを主成分とする単一または混合ガスを、加熱または放電プラズマにて活性化し、鉄族基または鉄族基合金基体上にカーボンオニオンを合成することを基本的特徴としている。
また、構成元素がCとOとHを主成分とする単一または混合ガスを、加熱または放電プラズマにて活性化し、鉄族基または鉄族基合金基体上にカーボンオニオンを合成することを基本的特徴としている。
鉄族基または鉄族基合金を触媒として、元素構成がCとHを主成分とする単一または混合ガス、または、構成元素がCとOとHを主成分とする単一または混合ガスを加熱または放電プラズマにて活性化し、前記ガスから直接基体上にカーボンオニオンを合成するので、入手が容易で安価なガスおよび触媒と、比較的低い活性化温度条件において、容易にカーボンオニオンを製造することができ、装置も特別なものを要さないので、低コスト化を実現可能である。
本発明は以下の態様を含んでおり、これらを適用することにより、より効果的に前記目的を達成することができる。
1)CとHを主成分とする単一または混合ガスを用いた場合におけるC:Hの原子数比率が0.001〜0.5:1である。CとOとHを主成分とする単一または混合ガスを用いた場合におけるC:O:Hの原子数比率が(0.001〜0.5):(0.001〜0.5):1であり、かつOの原子数がCの原子数より少ない。
2)鉄族基または鉄族基合金基体は、鉄、ニッケル、およびコバルトの単体、またはそれらを含有する合金を基材中に1%以上の比率で含有するものから選択される。
3)カーボンオニオン合成用基体の温度が1000℃以下である。
4)カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法が、通電加熱したフィラメントである。
5)カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法が、直流放電、交流放電、高周波放電、およびマイクロ波放電のいずれかである。
6)カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法が、CとHを含有するガスの不完全燃焼である。
7)カーボンオニオンの合成を大気圧下、加圧下または減圧下で行う。
本発明はまた、基板上にカーボンオニオンを層として生成させる場合のほか、独立した粉末として簡単に得る場合を含んでいる。後者の態様としては、下記のものが挙げられる。
1)鉄族基または鉄族基合金基体上に合成されたカーボンオニオン含有生成物を連続的または断続的に基体から擦り取る。
2)カーボンオニオンの合成を流動床法にて複数の基体上に連続的に行い、該合成物を基体相互の摩擦および衝突、または振動付与による摩擦および衝突にて連続的に基体から除去し、カーボンオニオンを得る。
以下本発明を詳細に説明すると、カーボンオニオンの生成プロセスは良く理解されていないのであるが、従来、開示されている方法としては、炭素または炭素化合物に熱エネルギーを付与する方法、イオンビームなどの高エネルギー粒子で衝撃する方法、X線、マイクロ波などの励起エネルギーを付与する方法、スパッタ法で成膜する方法などがあり、これらはいずれも炭素化合物にエネルギーを与えて変態させる方法である。
これに対し、微粒ダイヤモンドを高温雰囲気に置いて、ダイヤモンド構造からカーボンオニオン構造へ変態させる方法、あるいはダイヤモンドや黒鉛をダイヤモンドが合成される領域外の圧力と温度の高温・高圧条件に保持して、これらの原料をカーボンオニオンに変態させる方法がある。
本発明者らは、これらの方法とは全く異なるプロセスによるカーボンオニオンの製造方法を見いだしたもので、元素構成がCとHを主成分とする単一または混合ガス、もしくは構成元素がCとOとHを主成分とする単一または混合ガスを、加熱または放電プラズマにて活性化し、鉄族基または鉄族基合金基体上にカーボンオニオンを合成することを基本的な特徴としている。
すなわち、本発明者らは、図1のように、ガス供給口6と排気口7を有する真空容器5内に回転軸3で回転自在な支持台2を配し、この支持台2と対峙する位置に陰極4を配した装置を用い、試みに、前記支持台2にカーボンオニオン生成用の鉄族系材料からなる基板1を装着し、前記ガス供給口6を通して真空容器5内を炭化水素と水素の混合ガス雰囲気とし、この雰囲気中で前記支持台2を陽極として放電プラズマ8を生成せしめた。その結果、基板1の表面に煤状のカーボンオニオン9が生成されることを知見した。
さらに詳細に調べると、構成元素がCとHから成る炭化水素系の単一または混合ガスのほか、構成元素がCとHとOから成る炭化水素系のガスでも同様に鉄基板の上にカーボンオニオンを生成することが判った。
Cはカーボンオニオンの原料となる元素であるから必須であり、HとOには不飽和の炭素鎖を持つカーボンをエッチングする作用があると言われており、これがカーボンオニオンを効果的に生成する役割を果たしているものと思われる。
前記CとHを主成分とする単一または混合ガスにおいては、C:Hの原子数比率が0.001〜0.5:1の範囲でカーボンオニオンが生成され、それ以外のCの多い領域では不定形炭素が中心で、Hの多い領域では何も生成されなくなった。
また、CとHとOを主成分とする単一または混合ガスにおいては、C:O:Hの原子数比率が(0.001〜0.5):(0.001〜0.5):1であり、かつOの原子数がCの原子数より少ない範囲でカーボンオニオンが合成され、その範囲外のCの多い領域では不定形炭素が生成され、OとHの多い領域およびCの少ない領域では何も生成されなかった。
前者のガスの代表的なものはCH単体あるいはこれとHの混合ガスが挙げられ、後者のガスの例としては、HとCOとCHの混合ガスが挙げられる。
基板1はカーボンオニオン生成のための触媒であり、基板材料には鉄を使用できるが、その後の実験の結果、鉄のほかにも、コバルト、ニッケルの単体、鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄族金属の一種以上を含む鉄族基合金上にもカーボンオニオンの合成が確認された。前記鉄族金属は基体中に1%以上含有される程度でも十分に効果があり、例えば炭化タングステンを主成分とする超硬合金上にもカーボンオニオンが合成されることが確認された。こうしたことから、基板としては鉄族基または鉄族基合金基体としたのである。
カーボンオニオンを生成させる基体1の温度は、プラズマにさらされて上昇するが、特に基体の温度が1000℃を越える領域ではカーボンオニオンが生成されにくいので、不可である。これは、ガスの分解で生成するCが、高温のため基体の鉄族金属中へ溶解したためと考えられる。基体温度は原料ガスを活性化するための加熱手段あるいは放電プラズマにより受動的に変化するので、それらの出力を低減すると基体温度も低下するので、合成速度との関係もあり一概には決められないが、実質的には約200℃以下ではカーボンオニオンの生成速度が減少し、実用的ではなくなる。したがって、基板温度は、200℃〜1000℃の範囲が好適である。
カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化には様々な方法が利用できる。代表的なものとしては、基板と対峙する関係位置にフィラメントを配し、2000℃以上に通電加熱したフィラメントに前記原料ガスを接触させて活性化する方法、あるいは、直流放電、交流放電、高周波放電およびマイクロ波放電、あるいはそれらの1種以上を組み合わせて生成した放電プラズマ雰囲気で活性化する方法などがあげられる。また、CとHを含有する炭化水素ガスを燃焼させることでも原料ガスを活性化することができ、カーボンオニオンは酸素不足状態の不完全燃焼領域で合成される。
カーボンオニオンの合成は大気圧下、加圧下、減圧下のいずれでも行える。ただし、実用的には、通電加熱したフィラメントを用いる方法は大気圧下、加圧下および減圧下の合成に適し、燃焼方式は大気圧下の合成に適し、各種の放電を用いる方法は減圧下の合成に適している。
本発明の方法では、カーボンオニオンが鉄属基または鉄属基合金基体上に合成されるが、カーボンオニオンを含む炭素質膜が厚くなると、鉄属金属を含む基体の触媒機能が低減するので量産化の面で問題が残る。
この対策として、本発明は、鉄属基または鉄属基合金基体上に合成されたカーボンオニオンを含む炭素質膜を、合成中に連続的または断続的に基体から物理的に除去するものである。
図2は、この例を示しており、真空容器5中に支持台を介しまたは介さないで円盤状または円柱状の基体1を横軸の周りに回転自在に配し、該基体1の所要範囲たとえば半周領域に対向する位置に、加熱または放電プラズマ発生手段(この例では陰極)4を配置するとともに、基体1のカーボンオニオン生成領域から外れた位置、この例では円周方向で反対側に、静止するかまたは基体の回転方向に逆向する擦り取りないし掻き取り手段12を配し、掻き取り手段12の下方に基体表面から掻き取られた煤状のカーボンオニオン13を収容する手段14を配している。カーボンオニオンを収容する手段の代わりに吸引排出ホースを用いてもよい。これにより、カーボンオニオンを合成しつつ、生成物を連続的または断続的に基体から分離収集することができる。
本発明は、また、カーボンオニオンの合成を流動床法にて複数の基体上に連続的に行い、該合成物を基体相互の摩擦および衝突、または振動付与による摩擦および衝突にて連続的に基体から除去し、カーボンオニオンを得る方法を含んでいる。
図3はその例を示しており、真空容器5内にエンドレスコンベア16を配置し、該コンベアの張り側と対峙する関係位置に加熱または放電プラズマ発生手段(この例では陰極)4を配置する。そして、前記コンベア16には複数のボックス状の隔壁18を配し、隔壁内の空間に、前記鉄族基または鉄族基合金からなる球などの転動自在な形状の基体15を装填する。そして、コンベア16の緩み側(下側)には、基体15の落下を防止する手段を兼ねた多孔部材(板あるいは金網)17を配し、その下方にカーボンオニオンを収容する手段14を配している。コンベア16は振動器などの振動発生手段を搭載していてもよい。
この装置においては、コンベア16を駆動して転動自在な形状の基体15を移動させつつ、CとHを主成分とする単一または混合ガスを加熱または放電プラズマ8にて活性化するので、移動中に複数の基体15の表面にそれぞれカーボンオニオン9が合成され、当該カーボンオニオン膜つきの基体は、コンベア端部領域において相互に摩擦および衝突し、または振動付与による摩擦および衝突を受け、それらによる衝撃でカーボンオニオン13が基体15から離脱され、多孔部材17の孔を通して収容手段14に収容される。したがって、容易かつ安価にカーボンオニオンを量産することができる。
図1に概略構成を示す装置を用いてカーボンオニオンの合成を行った。
1)カーボンオニオン製造原料には水素99%、メタン1%の混合ガスを用い、カーボンオニオンを合成する基体としては、直径36mm、厚さ7mmの鉄合金SKD11製円板を用いた。
2)合成は、まず真空容器内を図示してない真空排気装置を用いて1×10−2Pa以下まで真空排気し、しかる後にガス供給口6から原料ガスを真空容器内に2000Paの圧力まで導入し、直径0.75mmのタングステンフィラメント陰極をパイロメータによる測定で2000〜2500℃になるように交流電源10を用いて通電加熱し、直流電源を用いて陰極と陽極となる鉄合金製円板基体1を載置した基体支持台2との間で放電を行わせる手順で行った。このとき、陰極と陽極間の放電電流は4Aとした。このときの基体の温度は高温部で850℃、低温部で700℃であった。
3)これにより、鉄合金製円板基体1上に煤状の物質9が合成された。この煤状の物質9を電子顕微鏡で観察したところ、図4に示すように球状炭素分子が同心円状に多層化した構造をなし、層同士が交わらず、層間が0.34nmのカーボンオニオンであることが判った。透過電子顕微鏡で観察したところ、図5のように大きさは数十〜数百ナノであった。
4)基体をステンレス鋼SUS304(Fe‐18Cr‐8Ni)、およびに超微粒子超硬合金(WC‐12%Co)に変えて同様な方法で合成を行っても同様にカーボンオニオンが合成された。また、原料ガスを水素80%、一酸化炭素18%、メタン2%の混合ガスとして、同様な方法で合成を行った場合もカーボンオニオンが合成された。
5)1)2)で得られた煤状物質を合成した円板を用いて、ピンオンディスク試験を行い、ピン材料である軸受鋼SUJ2と煤状物質を合成した円板との間の摩擦係数を調査した。図6は真空中での摩擦係数を示しており、無潤滑状態の試験であるにも係わらず、低い摩擦係数が得られていることがわかる。これは、カーボンオニオンの球形状から予測されている低摩擦特性を反映したものと考えられる。
図2に示す装置を用い、直径250mmの回転陽極を基体として、カーボンオニオンの生成を行った。
1)基体材料には鋳鉄FC250を用いた。陰極4には直径1mmの溶接用タングステン線を用い、回転陽極1との間で放電を行わせ、基体となる回転陽極上にカーボンオニオン9を合成した。
2)合成手順は、まず真空容器5内を1×10−2Pa以下まで真空排気した後、ガス供給口6から水素70%、一酸化炭素27%、メタン3%から成る混合ガスを総流量300cc/分の流量で供給し、図示してないフィラメント状陰極と陽極1間で放電を開始し、これをスタート補助放電として、陰極4と回転陽極基体1の間に放電を移行させた。これにより生成されるプラズマ8を用いて原料ガスを活性化し、カーボンオニオン9を回転陽極上に合成した。
3)このとき、陰極と回転陽極間の放電電流を10A、回転陽極の回転数は1rpmとし、放電プラズマの生成している側とは反対側で、合成物9をスクラバー板12を用いて連続的に回転陽極1からをすき取り、合成物粉13をすき取り板の下方に置かれたトレイ14に集めた。
上記条件にて24時間運転後、すき取った煤状の合成物粉を電子顕微鏡で観察したところ、カーボンオニオンの合成が確認された。また、煤状物質の合成速度は約1g/時間であった。
図3に示す流動床方式の装置を用いてカーボンオニオンの連続的生成を行った。本装置は、コンベヤ16でカーボンオニオンが合成される直径20mmの軸受鋼SUJ2製の球状基体15を循環させる機構を有している。
1)カーボンオニオンの合成は、真空容器5内を排気口7を通して1×10−2Paまで真空排気後、陰極となるタンタル管4の穴を通して水素ガス97%、メタンガス3%の割合の混合ガスを毎分500ccの流量で供給し、次いで、図示してないフィラメントを陰極、球状基体15を装荷したコンベヤ16を陽極として、放電を開始し、これをスタート補助放電として、タンタル管製陰極4と球状基体を装荷したコンベヤ間へ放電を移し、本放電を開始した。これにより生成されたプラズマ8中で、原料ガスが励起され、球状基体上にカーボンオニオンを合成した。
2)球状基体上に合成されたカーボンオニオンは基体がコンベヤ16で合成領域外へ運ばれ、下方へ落下する間に、基体の転動、摺動および落下による衝突で基体から離れ、コンベヤ16の下方に置かれた穴あき板17を通して落下し、穴あき板の下方のトレイ14に集めた。
3)この方法により、24時間の連続運転でトレイ内にカーボンオニオンを含む粉末13(合成物粉)が堆積することを確認した。合成速度は基体や構造物への付着残留が多く正確には求められないが、1〜2g/時間でカーボンオニオンを含む粉末が合成されたものと推定した。
本発明によるカーボンオニオンの合成方法とそれに用いる装置の概略を示す説明図である。 本発明によるカーボンオニオンの合成方法の他の例とそれに用いる装置の概略を示す説明図である。 本発明によるカーボンオニオンの合成方法の他の例とそれに用いる装置の概略を示す説明図である。 (a)は本発明の実施例で得られたカーボンオニオンの電子顕微鏡写真、(b)は(a)の部分的拡大写真である。 本発明の実施例で得られたカーボンオニオンの透過電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で得られたカーボンオニオンの真空中での摩擦試験結果を示す線図である。
符号の説明
1 ・・・・ 基体
2 ・・・・ 基体支持台
3 ・・・・ 基板支持台回転軸
4 ・・・・ 陰極
5 ・・・・ 真空容器
6 ・・・・ ガス供給口
7 ・・・・ 排気口
8 ・・・・ プラズマ
9 ・・・・ カーボンオニオン
10 ・・・・ 交流電源
11 ・・・・ 直流電源
12 ・・・・ すきとり板
13 ・・・・ 合成物粉
14 ・・・・ トレイ
15 ・・・・ 球状基体
16 ・・・・ コンベヤ
17 ・・・・ 穴あき板

Claims (12)

  1. 元素構成がCとHを主成分とする単一または混合ガスを加熱または放電プラズマにて活性化し、鉄族基または鉄族基合金基体上にカーボンオニオンを合成することを特徴とするカーボンオニオンの製造方法。
  2. 構成元素がCとOとHを主成分とする単一または混合ガスを、加熱または放電プラズマにて活性化し、鉄族基または鉄族基合金基体上にカーボンオニオンを合成することを特徴とするカーボンオニオンの製造方法。
  3. 元素構成がCとHを主成分とする単一または混合ガスにおけるC:Hの原子数比率が0.001〜0.5:1であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオニオンの製造方法。
  4. 元素構成がCとOとHを主成分とする単一または混合ガスにおけるC:O:Hの原子数比率が0.001〜0.5:0.001〜0.5:1であり、かつOの原子数がCの原子数より少ないことを特徴とする請求項2に記載のカーボンオニオンの製造方法。
  5. 鉄族基または鉄族基合金基体が鉄、ニッケル、およびコバルトの単体、またはそれらを含有する合金を基材中に1%以上の比率で含有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のカーボンオニオンの製造方法。
  6. カーボンオニオン合成用基体の温度が1000℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカーボンオニオンの製造方法。
  7. カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法が通電加熱したフィラメントであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンオニオンの製造方法。
  8. カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法が直流放電、交流放電、高周波放電、およびマイクロ波放電のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンオニオンの製造方法。
  9. カーボンオニオン製造用原料ガスの活性化方法がCとHを含有するガスの不完全燃焼であることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンオニオンの製造方法。
  10. カーボンオニオンの合成を大気圧下、加圧下または減圧下で行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のカーボンオニオンの製造方法。
  11. 鉄族基または鉄族基合金基体上に合成されたカーボンオニオン含有生成物を連続的または断続的に基体から擦り取ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のカーボンオニオンの製造方法。
  12. カーボンオニオンの合成を流動床法にて複数の基体上に連続的に行い、該合成物を基体相互の摩擦および衝突、または振動付与による摩擦および衝突にて連続的に基体から除去し、カーボンオニオンを得ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のカーボンオニオンの製造方法。
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