JP4680351B2 - スターポリマー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明化合物は、農医薬品、香料、樹脂硬化剤等の有用な有機化合物を取り込み、一定条件下で放出する機能を有する新規スターポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多数のアーム鎖を持つスターポリマーの調製法としては▲1▼両親媒性など性質の異なるAB型、ABA型ブロックポリマーを溶媒中でミセル化させ、これをそのまま、又は内部コアを何らかの方法で架橋する方法(特開平10−19515)、▲2▼リビング重合などの高分子重合法によりコア化合物よりアームを伸ばし重合する方法(Makromol.Chem.1998, 189, 2885−2889)、▲3▼また多分基鎖を多く持つデンドリマーを利用する方法(特開平6−219966)が知られている。
しかしながらブロックポリマーを利用する方法では、臨界ミセル濃度(CMC)においてミセルを形成させる必要がある上、ポリマーの組成によってはミセル自体を形成させることが困難であり、ミセルを形成させたとしても内部架橋が出来ない場合もある。コア化合物から重合法によりアームを形成させる方法は、重合における高度な技術と重合設備が要求される。またデンドリマーは多分岐性に優れた化合物であるが、前述の重合タイプと同様、高度な合成技術が要求される。
また、本発明に係わる化合物として、ベンゼンあるいはポルフィリンをコアとし、ポリエチレンオキサイドをアームとしたスターポリマーが知られている(Macromolecules,1999,32,484−4793、およびAngew.Chem.Int.Ed,No.21,1999,3215−3218)。しかしこれらのコアはすべてベンゼンなど平面性の剛直な構造であり、スターポリマーの鎖の部分の運動性が束縛される欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、農医薬品、香料などの有機化合物を包接し、一定条件下で放出する機能を有し、かつ容易に合成できる新規スターポリマーを提供することである。
【0004】
【議題を解決するための手段】
すなわち本発明は、一般式(I)で表されるスターポリマーである。
【0005】
【化3】
【0006】
[式中Xは、直結合、炭素数1〜3のアルキレン基、1〜4個のメチル基で置換されていてもよいp−フェニレン基を表し、R1〜R8はそれぞれ同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、置換されてもよいフェニル基を表し、R9〜R12は、分子量が500〜100000の範囲である、直鎖または分岐のポリC2-4アルキレングリコール(ただし、ベンゼン環に結合していない末端の水酸基は、C1-6ハロアルキル基もしくはC1-6アルキル基もしくは置換されていてもよいフェニル基で置換されているものとする。)を表す。]
また、本発明は、他物質を取り込んだ一般式(I)記載のスターポリマーである。
【0007】
【化4】
【0008】
(式中X、R1〜R8、R9〜R12は前記と同様。)
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。一般式(I)中、Xは、メチレン、エチレン、プロピレン等の炭素数1〜3のアルキレン基、又は1〜4個のメチル基で置換されていてもよいp−フェニレン基を表し、R1〜R8はそれぞれ同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、置換されてもよいフェニル基を表す。R9〜R12は、分子量が500〜100000の範囲である、直鎖または分岐のポリC2-4アルキレングリコール(ただし、両末端の水酸基のうち、ベンゼン環に結合していない末端の水酸基は、C1-6ハロアルキル基もしくはC1-6アルキル基もしくは置換されていてもよいフェニル基で置換されているものとする。)を表し、直鎖または分岐のポリC2-4アルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールを挙げることができ、その末端の水酸基の置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1-6のアルキル基;クロルメチル基、クロルエチル基等のC1-6のハロアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロルフェニル基等の置換されていてもよいフェニル基である。
【0010】
本発明におけるスターポリマーはコアの中心がアルキレンあるいはフェニレンであるため、4つのベンゼン環が自由に動くことが出来、ベンゼン環自身をコアとする様な平面剛直な構造に比べ、運動性に自由度がある。このため従来のスターポリマーに比べアームの部分の運動性が優れている。このためドラッグデリバリーシステムに必要な分子の取り込み能力に優れていると考えられる。
【0011】
また本発明のスターポリマーは、初めからミセル状の構造を有するため単分子ミセルをとしての利用が可能である。従来、AOT(ビス(2−エチルへキシル)スルホスシネート ナトリウム塩)や両親媒性ブロックポリマーを利用したミセル形成はこれらの濃度、温度に強く依存し、ミセルの形成・使用には多くの制約が存在した。しかしながら本スターポリマーを使用した場合、初めから単分子ミセルとしての性質を持つため、スターポリマー自体の濃度が希薄な場合や、溶液の温度が高い場合においてもミセルとして使用できる。
【0012】
さらに本発明のポリマーは、溶解させる溶媒の種類によりミセルの形態を変えることが可能である。溶媒の極性の違い、例えば水の様に極性の高い溶媒を使用した場合、疎水性である内部のコアを包むようにポリマー鎖の一部がコアを包み込む。しかしクロロホルムの様に極性が低い溶媒ではポリマー鎖がコアの外側で縮み、疎水部であるコアがあらわにされる。またクロロホルムほど極性が低くなく、水ほど高くないメタノールの様な溶媒ではこの中間状態を示すと考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る化合物は例えば以下の合成方法によって簡単に製造することができる。
ポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルもしくはモノアリールエーテルと、塩化チオニルを反応させた後、得られた化合物と一般式(II)、
【0014】
【化5】
【0015】
(式中、R1〜R8、Xは前記と同様である。)
で表わされる化合物を塩基の存在下で反応させることにより一般式(I)で表わされる化合物を得ることができる。また、そのようにしてスターポリマーを得た後に、アーム鎖の末端のアルキル基にハロゲン等の置換基を導入することが出来る。
この合成方法に用いることが出来る一般式(II)で表わされる化合物を第1表に示す。
第1表中、Xは一般式(II)中のXを示し、A1〜A6により表されるものとする。A1〜A6は下記式を表わす。
【0016】
【化6】
【0017】
また、第1表中、Bは、一般式(II)中のR1〜R8の組み合わせを表わし、その組み合わせは第2表中にB−1〜B−135として示した。
【0018】
【表101】
【0019】
【表102】
【0020】
【表103】
【0021】
【表104】
【0022】
【表105】
【0023】
【表106】
【0024】
【表201】
【0025】
【表202】
【0026】
【表203】
【0027】
【表204】
【0028】
この合成方法に用いることが出来るポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルもしくはモノアリールエーテルもしくはモノハロアルキルエーテルとしては例えば、ポリエチレングリコール=メチル=エーテル、ポリエチレングリコール=エチル=エーテル、ポリエチレングリコール=フェニル=エーテル、ポリエチレングリコール=4−クロロフェニル=エーテル、ポリエチレングリコール=4−メチルフェニル=エーテル、ポリエチレングリコール=ベンジルエーテル、ポリプロピレングリコール=メチル=エーテル、ポリブチレングリコール=メチル=エーテル、等を例示することが出来る。
【0029】
本発明に係るスターポリマーは、他物質を取り込むことができるため、ドラッグデリバリーシステム等への利用が可能である。該スターポリマーが取り込むことが出来る物質としては、殺菌剤、抗菌剤、抗カビ剤、殺虫剤、害虫忌避剤、香料、脱臭・消臭剤、防汚剤、塗料・樹脂・接着剤用硬化剤及び硬化促進剤、天然精油、酸化防止剤、加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
殺菌剤としては、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等のアルコール類、4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパルギル=エーテル、4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパルギルオキシメチル=エーテル等のエーテル類、2−ブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン類、2,2−ジブロモメチルグルタルニトリル、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等のニトリル類、ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド、3−ヨードプロパルギル=N−ブチルカーバメート等のアミド類、p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等のスルホン類、チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン酸類、メチレンビスチオシアネート、メチレンビスイソチオシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネート類、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素複素環化合物、5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環化合物、3,3,4,4−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド等の含硫黄複素環化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物が挙げられる。
天然精油類としては、コレステロール等のステロイド類、ブルシン、キニン、テオフィリン等のアルカロイド類、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオクタノール等が挙げられる。
合成香料類としては、キンモクセイ、ジャスミン、レモン等が挙げられる。
ビタミン及びその関連化合物としては、アスコルビン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等が挙げられる。
塗料・樹脂・接着剤用硬化剤及び硬化促進剤としては、アミン系、イミダゾール系、アミド系、エステル系、アルコール系、チオール系、エーテル系、チオエーテル系、フェノール系、リン系、尿素系、チオ尿素系、酸無水物系、ルイス酸系、オニウム塩系、活性珪素化合物−アルミニウム錯体系等が挙げられる。
これらの硬化剤もしくは硬化促進剤としては、具体的に以下の物質が挙げられる。
アミン系化合物としては、
脂肪族アミン類:エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール等、
脂環式及び複素環式アミン類:ピペリジン、ピペラジン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7等、
芳香族アミン類:o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレンジアミン、ピリジン、ピコリン等、
変成ポリアミン類:エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等、
その他アミン系:ジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体などのアミン類が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、
イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどを挙げることができる。
イミダゾリン系化合物としては2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどを挙げることができる。
アミド系化合物としては、例えばダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミドなどが挙げられ、
エステル系化合物としては、例えばカルボン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性カルボニル化合物が挙げられる。
さらに、フェノール、アルコール系、チオール系、エーテル系、並びにチオエーテル系化合物としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノール)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル塩酸塩などが挙げられる。
尿素系、チオ尿素系、並びにルイス酸系の硬化剤として、例えばブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素などが挙げられる。
リン系の硬化剤としては、エチルホスフィン、ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィン等の有機ホスフィン化合物が挙げられ、
酸無水物系の硬化剤としては、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
オニウム塩系や活性珪素化合物−アルミニウム錯体系の硬化剤としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウム錯体などが挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、それぞれのスターポリマーは、プロトンNMRによるコアとアームのプロトンの積分比、及びGPCにより表記のスターポリマーであることを確認できる。
【0031】
実施例1 1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコール アーム型スターポリマーの合成
市販のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(MeO−PEG−OH;分子量2000)40gと塩化チオニル11g、ピリジン1.6gを塩化メチレン200mlに溶解させ還流下4日間反応させた。反応終了後、塩化メチレンと過剰の塩化チオニルを除いた。得られた淡黄色物を塩化メチレンに溶解、水で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、塩化メチレンを除くことでMeO−PEG−Cl、38gを得た。KOH(0.4mmol, 0.27g)とKI(0.3mmol, 0.05g)を水3mlに溶解させた水溶液に1,1,2,2−テトラキス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下TEP)(0.4mmol、0.159g)を還流温度下で溶解した。還流30分後、MeO−PEG−Cl(4g)を水3mlに溶解させた溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後24時間、還流下で反応させた。反応終了後、飽和食塩水50mlを加え、ジクロロメタン100mlで二回抽出した。有機相を分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除き、得られた固形分を乾燥させた。この白色固形分を水系GPCカラムにより、目的のポリマー分を分離し、クロロホルム・ジエチルエーテルによる再沈法により精製して表記の化合物を1.15g得た。分子量=8000、分子量分布(Mn/Mw)=1.09
【0032】
実施例2 α,α,α’,α’−テトラキスフェニルキシレンをコアとしたポリエチレングリコール アーム型スターポリマーの合成
実施例1の1,1,2,2−テトラキス−(4−ヒドロキシフェニル)エタンをα,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)キシレンに換えた以外は同様に合成を行った。分子量=8000、分子量分布(Mn/Mw)=1.09
【0033】
実施例3
実施例2で合成したスターポリマーによる8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸の取り込み8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸は、ナフタレンに対するアニリンの動きが束縛されると、C−N結合が2重結合性をおびて共役系を構成し、蛍光を生じるようになる。これにより、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸がスターポリマーに取り込まれたかどうかが容易に判断できる。そこで水5ml中に実施例2で合成したスターポリマー100mgを溶解させ、これに8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸1mgを加え、3日間室温で攪拌した後、本溶液の蛍光スペクトルを日立F−4000で測定した。結果を図1に示した。
【0034】
実施例4
実施例3で用いたスターポリマーを実施例1で合成したスターポリマーに換えた他は同様にして、蛍光スペクトルを測定した。結果を図1に示した。
【0035】
比較例1
実施例3で用いたスターポリマーを、PEG−8000に換えた他は、同様にして蛍光スペクトルを測定した。結果を図1に示した。
【0036】
比較例2
実施例3においてスターポリマーを除いた他は、同様にして蛍光スペクトルを測定した。結果を図1に示した。
【0037】
比較例3
実施例3において8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸を除いた他は同様にして蛍光スペクトルを測定した。結果を図1に示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明のスターポリマーは、農医薬品、香料、樹脂硬化剤等の有用な有機化合物を取り込み、一定条件下で放出する機能を有することから、幅広い産業分野での利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3、実施例4、比較例1〜比較例3の蛍光スペクトル
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- 一般式(I)で表されるスターポリマー。
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