JP4678362B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、データの読み込みと共に、データの書き込みと消去を低電圧で実行可能な技術に関する。
従来の不揮発性メモリは、特許文献1、2に示すように、プレナーMOS構造からなり、コントロール・ゲートとシリコン基板(MOSFETチャネル)間には、SiO2絶縁膜に囲まれたフローティング・ゲートが形成されていた。このような構造の不揮発性メモリにおいては、ソース・ドレイン或いはボディに対して数十Vの大きなプラス電圧をコントロール・ゲートに加え、フローティング・ゲートに電子を注入することによってデータの書き込みを行っていた。また、ソース・ドレイン或いはボディに対して数十Vの大きなマイナス電圧をコントロール・ゲートに加え、フローティング・ゲートから電子を抜き出すことによってデータの消去を行っていた。
特開2006−186300号公報 国際公開第2004/084314号パンフレット 特開2005−327796号公報 特開2005−322830号公報 T.Sakai et al."Separation by BondingSi Islands(SBSI) for LSI Application",Second International SiGe Technology and Device Meeting,Meeting Abstract,pp.230−231,May(2004)
従来の技術では、フローティング・ゲートに対するデータの書き込みと消去とを、電子というひとつのキャリアだけを使って行っていたため、書き込みと消去時に、コントロール・ゲートに正と負の大きな電圧を印加する必要があった。このため、例えば、低電圧駆動ロジック回路と不揮発性メモリを混載したLSIにおいても高電圧駆動回路動作が必要となり、LSIのチップ面積増大による製造コストの上昇や、低電圧駆動回路の信頼性が劣化してしまうおそれがあった。
また、不揮発性メモリのデバイス構造においても、高い電圧駆動における信頼性を確保するために、ゲート絶縁膜を薄膜化したりソース・ドレイン接合を急峻化したりすることができず、デバイスの縮小化に限界があった。さらに、ゲート絶縁膜の薄膜化やソース・ドレイン接合の急峻化ができないということは、データの読み込み時にMOSトランジスタのドレイン電流が小さい、ということを意味する。このため、従来の技術では、低電圧での読み込みや高速の読み込みが十分にできていなかった。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、データの書き込みと消去を低電圧で実行可能、かつ、データの読み込みを低電圧で高速に行う半導体装置およびその製造方法の提供を目的とする。
〔発明1、2〕 上述した課題を解決するために、発明1の半導体装置は、基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1半導体層と、前記第1半導体層上に第2絶縁膜を介して形成された第2半導体層と、前記第1半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第1導電型MOSトランジスタと、前記第2半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第2導電型MOSトランジスタと、を備え、前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタは、共通の電荷蓄積層及び共通のコントロール・ゲートを有し、前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中に設けられていることを特徴とするものである。
ここで、本発明の「第1半導体層」及び「第2半導体層」は、例えば単結晶のシリコン(Si)層である。また、本発明の「第1導電型」はP型またはN型の一方であり、「第2導電型」はP型またはN型の他方である。例えば、第1導電型がP型の場合、第2導電型はN型である。さらに、本発明の「電荷蓄積層」は、第2絶縁膜を通り抜けてきた電子またはホールを蓄積する層であり、例えば、P型あるいはN型不純物が導入されたポリシリコン(Poly−Si)などの半導体膜、または、Ti、Ta、TiN、TaNなどの金属薄膜、或いは、Si34膜などの絶縁膜や、イントリンジックPoly−Siのような高抵抗半導体で構成されるものである。
発明2の半導体装置は、基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1半導体層と、前記第1半導体層上に第2絶縁膜を介して形成された第2半導体層と、前記第1半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第1導電型MOSトランジスタと、前記第2半導体層の少なくとも一つの側面及び上面に形成された第2導電型MOSトランジスタと、を備え、前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタは、共通の電荷蓄積層及び共通のコントロール・ゲートを有し、前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中に設けられていることを特徴とするものである。
発明1、2の半導体装置によれば、共通の電荷蓄積層に対して、N型のMOSトランジスタから電子を供給することができると共に、P型のMOSトランジスタからホールを供給することができる。そして、共通の電荷蓄積層に電子やホールを選択的に供給することで、その電位を変化させることができ、N型、P型の各MOSトランジスタの閾値電圧を制御することできる。例えば、データの書き込み時には、共通の電荷蓄積層に電子を供給して、各MOSトランジスタの閾値電圧をそれぞれ変化させることができる。また、データの消去時には、共通の電荷蓄積層にホールを供給して、蓄積されている電子をホールと再結合させ(或いは、トラップされている電子の負電荷による電界をホールの正電荷による電界で相殺し)、各MOSトランジスタの閾値電圧をそれぞれ書き込み前の状態に戻すことができる。
このように、発明1、2の半導体装置によれば、共通の電荷蓄積層に対する書き込みと消去とを、電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができるので、従来の技術と比べて、データの書き込みと消去時にコントロール・ゲートに対して正負の電圧を高電圧で印加する必要がなく、高電圧駆動回路を省くことができる。従って、LSIのチップ面積を低減することができる。また、発明2の半導体装置によれば、発明1の半導体装置と比べて、電荷蓄積層に電子またはホールを供給するMOSトランジスタのチャネル面積を増やすことができるので、データの書き込み動作、消去動作の高速化が可能である。
なお、発明1、2の半導体装置は、PチャネルのMOSトランジスタとNチャネルのMOSトランジスタの両方を備え、且つ、これらPNのMOSトランジスタは共通のコントロール・ゲートを有するため、同一タイミングでオン、オフを切り替えることが可能である。そのため、発明1、2の半導体装置は例えばNOR回路などに適用することができる。
〔発明3〕 発明3の半導体装置は、発明1または発明2の半導体装置において、前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中だけに設けられていることを特徴とするものである。このような構成であれば、第1、第2半導体層の側面には電荷蓄積層が無く、コントロール・ゲートとの間にはゲート絶縁膜のみが存在するので、コントロール・ゲートによる第1、第2半導体層側面のチャネル制御性が高く、低電圧で高速の読み出しが可能である。
〔発明4〕 発明4の半導体装置は、発明1から発明3の何れか一の半導体装置において、前記第1導電型MOSトランジスタのドレインと、前記第2導電型MOSトランジスタのドレインとが電気的に接続されていることを特徴とするものである。
このような構成であれば、例えば、N型MOSトランジスタのドレインとP型MOSトランジスタのドレインは常に同電位となるので、電子(または、ホール)注入時に、N型(またはP型)MOSトランジスタで発生したホットエレクトロン(または、ホットホール)は、P型(または、N型)MOSトランジスタのソース電位だけでなくドレイン電位にも引っ張られることとなる。従って、電荷蓄積層への電子(または、ホール)の注入効率を高めることができる。また、P型、N型の各MOSトランジスタのドレインに繋がる配線を共通化できるので、チップ面における配線の占有面積を少なくすることも可能である。
〔発明5〕 発明5の半導体装置は、発明1から発明4の何れか一の半導体装置において、前記第1半導体層及び前記第2半導体層はシリコンであり、シリコンとの接触により生じる障壁エネルギーに関して、前記第2絶縁膜は、前記第1導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜及び前記第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜のどちらよりも前記障壁エネルギーが小さい膜で形成されていることを特徴とするものである。
発明5の半導体装置によれば、ゲート絶縁膜よりも第2絶縁膜の方がキャリア(電子または、ホール)に対する電位障壁が小さくなるため、データの書き込み、消去時に絶縁膜を通してキャリアを電荷蓄積層(例えば、フローティング・ゲート)へ移動させることが容易となる。また、障壁の大きいゲ−ト絶縁膜には、キャリアが注入されないので、MOSトランジスタ特性の劣化が無く信頼性に優れる。
〔発明6〕 発明6の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第1犠牲半導体層、第1半導体層、第2犠牲半導体層及び第2半導体層を順次積層する工程と、前記第2半導体層、前記第2犠牲半導体層、前記第1半導体層及び前記第1犠牲半導体層を部分的に順次エッチングして、当該各半導体層を貫く第1溝を形成する工程と、前記第1半導体層と前記第2半導体層とを支持する支持体を前記第1溝内に形成する工程と、前記支持体を形成した後で、前記第2半導体層、前記第2犠牲半導体層、前記第1半導体層及び前記第1犠牲半導体層を部分的に順次エッチングして当該各半導体層の側面を露出させる第2溝を形成する工程と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層よりも前記第1犠牲半導体層及び前記第2犠牲半導体層の方がエッチングされ易いエッチング条件で、前記第2溝を介して前記第1犠牲半導体層及び前記第2犠牲半導体層をエッチングすることによって、前記半導体基板と前記第1半導体層との間に第1空洞部を形成すると共に、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に第2空洞部を形成する工程と、前記第1空洞部内に第1絶縁膜を形成すると共に、前記第2空洞部を残しつつ当該第2空洞部に面した前記第1半導体層の上面及び前記第2半導体層の下面にそれぞれ第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を形成した後で、前記第1半導体層の前記第2溝に面した側面に第1導電型MOSトランジスタを形成すると共に、前記第2半導体層の前記第2溝に面した側面に前記第2導電型MOSトランジスタを形成する工程と、を含み、前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタを形成する工程では、前記第2絶縁膜が形成された前記第2空洞部内に共通の電荷蓄積層を形成し、前記第1半導体層の前記第2溝に面した側面と前記第2半導体層の前記第2溝に面した側面とにそれぞれゲート絶縁膜を形成し、その後、前記ゲート絶縁膜を覆うように前記第1半導体層の前記側面から前記第2半導体層の前記側面にかけて共通のコントロール・ゲートを形成することを特徴とするものである。
ここで、本発明の「第1半導体層」及び「第2半導体層」は、上述したように例えば単結晶のSi層である。また、「第1犠牲半導体層」及び「第2犠牲半導体層」は、例えば単結晶のシリコンゲルマニウム(SiGe)層である。
発明6の半導体装置の製造方法によれば、いわゆるSBSI法を応用して、発明1〜発明5の半導体装置を製造することができる。従って、電荷蓄積層に対する書き込みと消去とを電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができるので、低電圧駆動で、チップ面積の増大を抑制した半導体装置を提供することが可能である。
以下、本発明に係る半導体装置およびその製造方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る不揮発性メモリ100の構成例を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)をX−X´線で切断したときの断面図、図1(c)は図1(a)をY−Y´線で切断したときの断面図である。なお、図1(a)では、不揮発性メモリ100の構成例を平面視で理解し易くするために、層間絶縁膜の記入を省略している。図1(a)〜(c)に示すように、この不揮発性メモリ100では、Si基板1上に絶縁膜3等を介して第1の単結晶Si層5が形成され、この単結晶Si層5上に絶縁膜7等を介して第2の単結晶Si層9が形成されている。
絶縁膜3、7は、例えばシリコン酸化(SiO2)膜である。また、単結晶Si層(以下、単に「Si層」という。)5、9は、例えばX−X´線と平行となるように配置された細長い直方体であり、Si層5、9のそれぞれの中心部が平面視で重なり合うように配置されている。そして、Si層5の両側の側面にはP型のMOSトランジスタ(以下、単に「PMOS」という。)20が形成され、Si層9の両側の側面及び上面にはN型のMOSトランジスタ(以下、単に「NMOS」という。)30が形成されている。つまり、PMOS20のチャネル領域はSi層5の両側の側面にあり、NMOS30のチャネル領域はSi層の両側の側面と上面とにある。
ここで、PMOS20及びNMOS30は、不揮発性のメモリトランジスタであり、電荷蓄積層(例えば、フローティング・ゲート)8とコントロール・ゲート17とを共有している。即ち、図1(b)及び(c)に示すように、PMOS20が形成されているSi層5と、NMOS30が形成されているSi層9との間には、フローティング・ゲート8が設けられている。このフローティング・ゲート8は、例えば、P型あるいはN型不純物が導入されたポリシリコン(Poly−Si)などの半導体膜、または、Ti、Ta、TiN、TaNなどの金属薄膜で構成されている。P型不純物としては例えばボロンなどがあり、N型不純物としては例えばリン、ヒ素などがある。図1(b)及び(c)に示すように、このフローティング・ゲート8は絶縁膜7によって上下方向から挟まれており、Si層5、9から絶縁されている。
また、図1(c)に示すように、Si層5、9の側面とSi層9の上面にはゲート絶縁膜11が連続して形成されている。さらに、このゲート絶縁膜11を覆うようにSi基板1上にはコントロール・ゲート17が連続して形成されている。図1(a)〜(c)に示すように、このコントロール・ゲート17は、Si基板1上に積層されたSi層5、9の中心部付近を跨ぐように形となっている。このコントロール・ゲート17は、例えば、P型あるいはN型不純物が導入されたPoly−Siで構成されている。そして、Si層5のコントロール・ゲート17から外れた部分にPMOS20のソース・ドレイン(P+)が形成され、Si層9のコントロール・ゲート17から外れた部分にNMOS30のソース・ドレイン(N−)が形成されている。
このような構造を有することにより、不揮発性メモリ100では、共通のフローティング・ゲート8に対して、NMOS30から電子を供給することができると共に、PMOS20からホールを供給することができる。そして、フローティング・ゲート8に電子やホールを選択的に供給することで、その電位を変化させることができ、PMOS20、NMOS30の閾値電圧を制御することできる。例えば、データの書き込み時には、共通のフローティング・ゲート8に電子を供給して、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ変化させることができる。また、データの消去時には、共通のフローティング・ゲート8にホールを供給して、蓄積されている電子をホールと再結合させ、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ書き込み前の状態に戻すことができる。
次に、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100において、データ(例えば、プログラム等)の書き込み方法と消去方法及び、読み込み方法について説明する。
データの書き込みと消去は、次のようにして行うことができる。例えば、図1(a)〜(c)において、電源電圧をVss(0V)、Vdd(5V)とし、コントロール・ゲート17に印加する電圧と、PMOS20、NMOS30の各ドレインに印加する電圧を全てVddに設定すると、NMOS30がオン(ON)となり、PMOS20がオフ(OFF)となる。このような電圧設定により、NMOS30においては電子がソースからドレインに流れ、高電界により加速され、或いは、インパクト・イオナイゼーションにより電子・ホール対が形成、ホットキャリアが発生する。ホットエレクトロンは、Si層9/絶縁膜7の障壁を越え、Vddが印加されているPMOSのソース・ドレインに引っ張られ、フローティング・ゲート8に注入される。ここで、もし、PMOS20のソースあるいはドレインの少なくとも一方の拡散層にVddより大きな正電圧を印加した場合は、フローティング・ゲート8へのキャリア注入効率をさらに高めることができる。
一方、コントロール・ゲート17に印加する電圧と、PMOS20、NMOS30の各ドレインに印加する電圧を全てVssに設定すると、NMOS30がオフとなり、PMOS20がオンとなる。PMOS20においてホールがソースからドレインに流れ、高電界により加速され、或いは、インパクト・イオナイゼーションにより電子・ホール対を形成、ホットキャリアが発生する。ホットホールは、絶縁膜7/Si層5の障壁を越え、Vssが印加されているNMOSのソース・ドレインに引っ張られ、フローティング・ゲート8に注入される。ここで、もし、NMOS30のソースあるいはドレインの少なくとも一方の拡散層にVssより大きな負電圧(即ち、マイナス電圧)を印加した場合は、フローティング・ゲート8へのキャリア注入効率をさらに高めることができる。このような、電子或いはホールの注入により、不揮発性メモリ100におけるデータの書き込みと消去が可能である。
また、データの読み込みは、次のようにして行うことができる。例えば、電源電圧をVss(0V)、Vdd(5V)とし、コントロール・ゲート17に印加する電圧と、PMOS20、NMOS30の各ドレインに印加する電圧を全てPMOS20のソースと同電位(例えばVdd/2)に設定すると、PMOS20ではチャネルがオフとなり、かつ、ソース・ドレイン間で電位差が無いため電流が流れない。一方、NMOS30では、ソース・ドレイン間にはVdd/2−Vssの電位が加わり、コントロール・ゲート17とソース間にも同じ電位が加わる。このため、NMOS30では、フローティング・ゲート8に蓄えられた電子が多い場合にはチャネルがオフとなり電流が流れないものの、フローティング・ゲート8に蓄えられた電子が少ない場合、或いは、フローティング・ゲート8にホールが蓄えられている場合には、チャネルがオンし、ソース・ドレイン間で電流が流れる。
このように、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100では、NMOS30からフローティング・ゲート8に電子を供給できるだけでなく、PMOS20からホールを供給することができ、フローティング・ゲート8に対して電子或いはホールの供給量を変化させることで、PMOS20及びNMOS30の閾値を制御することができる。つまり、フローティング・ゲート8に対するデータの書き込みと消去とを、電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができる。
また、特に、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100では、Si層5、9のチャネルとなる側面にはフローティング・ゲートや電荷トラップが無く、Si層5、9のチャネルとなる側面とコントロール・ゲート17との間はゲート絶縁膜11のみで構成されているため、コントロール・ゲート17によるチャネルの制御性に優れ、MOSの駆動能力が高く、低電圧で高速の読み出しが可能である。
なお、Siにおいて電子・ホール対を形成するために必要なエネルギーは約1.1eVであり、SiとSiO2とが接触している状態において、SiからSiO2に電子が飛び込むために必要なエネルギーは約3.2eVである。また、上記の接触状態においてSiからSiO2にホールが飛び込むために必要なエネルギーは約4.8eVである。従って、PMOS20及びNMOS30において、データの書き込み動作や、消去動作に必要な電圧は最大(Max)値で約4.8Vで良い。
また、ラッキー・キャリアの存在から、4.8Vよりも小さい電圧で、SiからSiO2に飛び込むホールも存在するが、書き込み時間や消去の時間短縮のためには、ある程度の電流が必要となるため、5V程度の駆動電圧が適当である。また、絶縁膜7にSiとの障壁が小さい材料を適用した場合には、5Vより低い電圧で書き込み・消去を容易に行うことができる。さらに、コントロール・ゲート17に加える電圧Vcgは、フローティング・ゲート8への電子注入時はNMOS30のドレイン電位(即ち、PMOSのソース電位)に設定し、フローティング・ゲート8へのホール注入時はNMOS30のソース電位(即ち、PMOSのドレイン電位)に設定すれば良い。このような設定によれば、PMOS20とNMOS30両方のソース・ボディ・ドレイン・ゲートにおける、最大の電位差が5Vを超えることはない。
また、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100を低電圧駆動ロジック回路と混載してLSIを構成した場合でも、最高電圧は5Vあるいは5V以下程度になるため、LSIチップ面積増大によるLSIのコストアップや、低電圧駆動回路の信頼性が劣化するという課題を大きく改善することが可能である。さらに、不揮発性メモリ100のデバイス構造において、ゲート絶縁膜の薄膜化やソース・ドレイン接合の急峻化が可能になり、デバイスの縮小化が実現できる。また、ゲート絶縁膜の薄膜化やソース・ドレイン接合の急峻化により、ドレイン電流が向上し、低電圧の読み込みや高速の読み込みが可能になる。
次に、Si基板1上に積層された二層のSi層5、9をVdd、Vssラインとして使う回路の一例について説明する。
図24は、本発明の実施形態に係るDiNOR(Divided bit line NOR Flash Memory)回路200の構成例を示す平面図である。また、図25はDiNOR回路200の構成例を示す回路図である。このDiNOR回路200では、その1ビットのメモリセルが図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100で構成されている。
即ち、図24に示すように、Si基板上には絶縁膜を介してSi層5、9が積層されており、これらは平面視でX方向及びY方向に延びた碁盤の格子状となっている。また、これらSi層5、9のうちのX方向に延びている部分と平面視で直交するように、Si基板1上にはY方向に沿ってワード線(W/L)201が配置されている。このワード線(W/L)201が、図1(a)〜(c)に示した共通のコントロール・ゲート17に対応している。さらに、Si基板上には、Si層5、9のうちのX方向に延びている部分の真上を通るように、ビット線(B/L)203が配置されている。
この例では、絶縁膜を介してワード線201の上をビット線203が通っている。また、この例では、PMOSのドレイン(D)とNMOSのドレイン(D)には共通のコンタクト電極211が形成されており、この共通のコンタクト電極211を介してPMOS及びNMOSの各ドレインがビット線203に接続されている。また、PMOSのソース(S)はコンタクト電極213によって絶縁膜上に引き出されており、図25に示すように、配線によって例えば電源Vddに接続されている。NMOSのソース(S)はコンタクト電極215によって絶縁膜上に引き出されており、図25に示すように、配線によって例えば電源Vssに接続されている。図24、25において、2点鎖線で囲んだ部分が1ビットのメモリセル、即ち、不揮発性メモリ100である。
このように、図24、25に示したDiNOR回路200では、Si基板上に積層された2つのSi層5、9をそれぞれVddと、Vssラインとして使っている。その結果、ドレイン(D)のコンタクト電極211をPNで共通化することができ、コンタクト数を減らすことができるので、DiNOR回路200の集積度を高めることが可能である。
次に、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100の製造方法について説明する。
図2〜図21は、本発明の実施形態に係る不揮発性メモリ100の製造方法を示す図であり、図2(a)〜図21(a)は図1(b)に至るまでのX−X´断面に対応した工程図であり、図2(b)〜図21(b)は図1(c)に至るまでのY−Y´断面に対応した工程図である。ここでは、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100をSBSI法を応用して製造することについて説明する。
まず始めに、図2(a)及び(b)において、Si基板1上に図示しないシリコンバッファ(Si−buffer)層を形成し、その上に単結晶のSiGe層51、単結晶のSi層5、単結晶のSiGe層53、単結晶のSi層9を順次積層する。これらSi−buffer層、SiGe層51、Si層5、SiGe層53、Si層9は、例えばエピタキシャル成長法で連続して形成する。
次に、図3(a)及び(b)に示すように、Si層9を熱酸化してその表面にSiO2膜55を形成する。そして、CVD法により、SiO2膜55上の全面にSiN膜57を形成する。このSiN膜57は、Si層5、9やSiGe層51、53の酸化を防止するための酸化防止膜として機能すると共に、後の工程でCMP(化学的機械研磨)を行う際にストッパー層としても機能する。なお、SiO2膜55の形成方法は熱酸化に限られることはなく、例えばCVD法で形成しても良い。
次に、図4(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて、SiN膜57、SiO2膜55、Si層9及びSiGe層53を部分的に順次エッチングする。これにより、素子分離領域(即ち、SOI構造を形成しない領域)と平面視で重なる領域に、Si層9とSiGe層53とを貫いてSi層5を底面とする浅い支持体穴h1を形成する。次に、図5(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて、浅い支持体穴h1の底面で露出したSi層5と、その下のSiGe層51及びSi−buffer層を部分的に順次エッチングする。これにより、素子分離領域と平面視で重なる領域に、Si層5とSiGe層51とを貫いてSi基板1を底面とする深い支持体穴h2を形成する。なお、深い支持体穴h2を形成するエッチング工程では、Si基板1の表面でエッチングを止めるようにしてもよいし、Si基板1をオーバーエッチングして凹部を形成するようにしてもよい。以下、説明の便宜上から、浅い支持体穴h1と深い支持体穴h2を合わせて支持体穴hともいう。
次に、図6(a)及び(b)に示すように、支持体穴hを埋め込むようにSi基板1上の全面に支持体膜59を形成する。支持体膜59は例えばシリコン酸化(SiO2)膜であり、その形成は例えばCVD法で行う。次に、図7(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて支持体膜59、SiN膜57、SiO2膜55、Si層9、SiGe層53、Si層5、SiGe層51及びSi−buffer層(図示せず)を順次、部分的にエッチングして、支持体膜59から支持体60を形成すると共に、Si基板1の表面及びSi層9、SiGe層53、Si層5、SiGe層51の各側面を露出させる溝Hを形成する。なお、溝Hを形成するエッチング工程では、Si基板1の表面でエッチングを止めるようにしてもよいし、Si基板1をオーバーエッチングして凹部を形成するようにしてもよい。
次に、図7(a)及び(b)において、溝Hを介してフッ硝酸溶液をSi層5、9及びSiGe層51、53のそれぞれの側面に接触させて、SiGe層51、53を選択的にエッチングして除去する。これにより、図8(a)及び(b)に示すように、Si基板1とSi層5との間に第1の空洞部61を形成すると共に、Si層5とSi層9との間に第2の空洞部63を形成する。ここで、フッ硝酸溶液を用いたウェットエッチングでは、Siと比べてSiGeのエッチングレートが大きい(即ち、Siに対するエッチングの選択比が大きい)ので、Si層5、9を残しつつSiGe層だけをエッチングして除去することが可能である。空洞部61、63の形成後、Si層9はその上面と側面とが支持体60によって支えられると共に、Si層5はその側面が支持体60によって支えられることとなる。
次に、図8(a)及び(b)において、Si基板1を希フッ酸(HF)溶液で洗浄処理する。そして、Si基板1を酸素(O2)またはオゾン(O3)等の酸化雰囲気中に配置し、この状態でSi基板1に熱処理を施す。これにより、図9(a)及び(b)に示すように、Si層5、9やSi−buffer層(図示せず)、Si基板1の各表面においてSiの表面酸化をそれぞれ進行させ、SiO2膜65を形成する。ここで、本実施の形態では、空洞部61、63を残すように(即ち、空洞部61、63を塞がないように)SiO2膜65を形成する。なお、このSiO2膜65のうちの、空洞部61内及びSi基板1表面に形成された部分が図1(b)及び(c)に示した絶縁膜3となり、空洞部63内に形成された部分が絶縁膜7となる。ここで、CVD法やALD法によりSiとのエネルギー障壁が小さい材料からなる薄膜65を形成しても良い。
次に、図10(a)及び(b)に示すように、Si基板1の上方全面に、フローティング・ゲート8を形成するための膜68を形成して、SiO2膜65が形成されている空洞部を埋め込む。このフローティング・ゲート8を形成するための膜68には、P型あるいはN型不純物が導入されたポリシリコン(Poly−Si)などの半導体膜、金属膜を使用することができるが、この実施の形態では、P型あるいはN型不純物が導入されたPoly−Si膜を使用する。Poly−Si膜68の形成は例えばCVD法で行う。
そして、SiO2膜55、Si34膜57、SiO2膜60、そして、SiO2膜65をマスクにして、異方性及び等方性のドライエッチングを利用してPoly−Si膜68をエッチングする。これにより、図11(a)及び(b)に示すように、空洞部内のみにPoly−Si膜68を残し、それ以外の領域からPoly−Si膜68を取り除く。なお、図11以降では、図1との対応関係の混乱を避けるために、Si基板1とSi層5との間のPoly−Si膜68を導電膜4と記載し、Si層5とSi層9との間のPoly−Si膜68をフローティング・ゲート8と記載する。また、導電膜4を断面視で上下から挟み込むSiO2膜65を絶縁膜3と記載し、フローティング・ゲート8を断面視で上下から挟み込むSiO2膜65を絶縁膜7と記載する。
次に、図12(a)及び(b)に示すように、熱酸化またはCVD法によりフローティング・ゲート8や導電膜3の溝Hに面した側面に例えばSiO2膜を形成する。そして、Si基板1の上方全面にSiN膜69を形成する。このSiN膜69の形成は例えばCVD法で行う。続いて、異方性のドライエッチングを利用してSiN膜69をエッチバックする。これにより、図13(a)及び(b)に示すように、Si層5、9や、SiO2膜55、SiN膜57、支持体60の溝Hに面した側面にサイドウォール70を形成する。
次に、図14(a)及び(b)に示すように、Si基板1に熱酸化処理を施して、SiO2膜65のうちの、サイドウォール70下から露出している部分を厚膜化する。このとき、Si層5、9と、フローティング・ゲート8はその側面がSiN膜からなるサイドウォール70で覆われ、且つ、その上方はSiN膜57で覆われているので、酸化されずに済む。なお、このSiO2膜65の厚膜化は、後の図16の工程でSi層5、9の溝Hに面した側面を露出させる際に、Si基板1表面を露出させないためである。また、ワードライン(コントロールゲート17)の配線容量を低減でき、高速でのデータ読み込みが可能になる。
次に、例えば希HF溶液を用いて支持体60をエッチングしてSiN膜57の表面を露出させ、さらに、例えば熱リン酸溶液を用いてSiN膜57とサイドウォール70とをエッチングする。このようして、図15(a)及び(b)に示すように、Si層5、9の溝Hに面した側面で絶縁膜表面を露出させる。次に、例えば希HF溶液を用いて、上記の絶縁膜やSiO2膜55、65をエッチングする。これにより、図16(a)及び(b)に示すように、Si層5、9の溝Hに面した側面と、Si層9の上面、フローティング・ゲート8の溝Hに面した側面を露出させる。基板1の表面上には、厚いSiO2膜65が残る。
次に、図17(a)及び(b)に示すように、Si層5、9の溝Hに面した側面と、フローティング・ゲート8の溝Hに面した側面とを連続して覆うように、ゲート絶縁膜11を形成する。ここで、ゲート絶縁膜11としてSiO2膜を使用する場合には、例えばSiの熱酸化またはCVD法によりSiO2膜を形成する。
次に、図18(a)及び(b)に示すように、ゲート絶縁膜15を覆うようにSi基板1上の全面に導電膜75を形成する。ここで、導電膜75には、例えばリン(P)またはボロン(B)等の導電性不純物を添加したPoly−Siを使用する。次に、図19(a)及び(b)に示すように、コントロール・ゲート17の形成領域を覆い、それ以外の領域を露出するレジストパターン77を導電膜上に形成する。そして、このレジストパターン77をマスクに導電膜をドライエッチングして、コントロール・ゲート17を形成する。
次に、図20(a)及び(b)に示すように、レジストパターン77及びコントロール・ゲート17をマスクに、ボロン等のP型不純物をSi基板1に向けてイオン注入する。ここで、イオン注入のRp(プロジェクトレンジ)をSi層5に合わせることで、Si層5にP型不純物を集中的に導入することができ、Si層5のみにPMOSのソース・ドレイン(P+)を形成することができる。ここで、レジスト77及びコントロール・ゲート17の膜厚は、注入イオンのマスクの役割ができる厚さに設定しておく。
次に、図21(a)及び(b)に示すように、レジストパターン77及びコントロール・ゲート17をマスクに、ヒ素等のN型不純物をSi基板1に向けてイオン注入する。ここで、イオン注入のRp(プロジェクトレンジ)をSi層9に合わせることで、Si層9にN型不純物を集中的に導入することができ、Si層9のみにNMOSのソース・ドレイン(N+)を形成することができる。その後、コントロール・ゲート17上からレジストパターン77を取り除く。これにより、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100が完成する。
なお、図2〜図21で説明したような方法で、図24に示したようなDiNOR回路200を形成することも可能である。その場合は、DiNOR回路200の複数の素子分離領域(即ち、Si層5、9を残さない領域)220に、支持体穴hや溝Hを選択的に配置すれば良い。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、共通のフローティング・ゲート8に対して、NMOS30から電子を供給することができると共に、PMOS20からホールを供給することができる。そして、共通のフローティング・ゲート8に電子やホールを選択的に供給することで、その電位を変化させることができ、PMOS20、NMOS30の閾値電圧を制御することできる。例えば、データの書き込み時には、共通のフローティング・ゲート8に電子を供給して、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ変化させることができる。また、データの消去時には、共通のフローティング・ゲート8にホールを供給して、蓄積されている電子をホールと再結合させ、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ書き込み前の状態に戻すことができる。
このように、共通のフローティング・ゲート8に対する書き込みと消去とを、電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができるので、従来の技術と比べて、データの書き込みと消去時にコントロール・ゲートに対して正負の電圧を高電圧で印加する必要がなく、高電圧駆動回路を省くことができる。従って、LSIのチップ面積を低減することができる。
また、図1(a)〜(c)に示した不揮発性メモリ100では、コントロール・ゲート17とSi層5、9の各側面との間にはフローティング・ゲート8が形成されていないので、コントロール・ゲート17によるチャネルの制御性に優れ、MOSの駆動能力が高く、低電圧で高速の読み出しが可能である。さらに、積層されたFin型CMOSデバイス(例えば、特許文献3、4参照。)と、ほぼ同じプロセスでの混載が可能になり、低コストでの不揮発性メモリ混載CMOS−LSIを提供することができる。
なお、上記の実施形態では、図1(a)〜(c)に示したように、Si基板1とSi層5との間に導電膜4が残されている場合について説明したが、この導電膜4は本発明において必ずしも必要なものではなく、例えば図22(a)〜(c)に示すように、Si基板1とSi層5との間が絶縁膜3のみによって構成されていても良い。このような構造は、例えば図9(a)及び(b)において、絶縁膜65により空洞部61が完全に埋め込まれるように、SiGe層51(図2参照。)の膜厚を予め薄めに設定しておくことで形成することが可能である。
或いは、図23(a)〜(c)に示すように、Si基板1とSi層5との間は厚い絶縁層82のみによって構成されていても良い。このような構造は、例えば、Si基板1上に絶縁層82とSi層5とが積層された構造のSOIウエーハ80を用意し、このSOIウエーハ80上にSiGe層53とSi層9とを順次積層し、それ以降は、図3〜図11、及び、図16〜図21に示したようなより簡単な製造プロセスを行うことにより形成することが可能である。
図22、図23のいずれの構造であっても、図1に示した不揮発性メモリ100と同様に、共通のフローティング・ゲート8に対する書き込みと消去とを、電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができ、高電圧駆動回路を省くことができる。また、導電膜4が絶縁膜(層)に置き換わることにより、Si層5の寄生容量が減るので、Si層5に形成されるMOSの動作速度向上に寄与することができる。
この実施の形態では、Si基板1が本発明の「基板」または「半導体基板」に対応し、絶縁膜3が本発明の「第1絶縁膜」に対応し、絶縁膜7が本発明の「第2絶縁膜」に対応している。また、単結晶のSi層5が本発明の「第1半導体層」に対応し、単結晶のSi層9が本発明の「第2半導体層」に対応し、フローティング・ゲート8が本発明の「電荷蓄積層」に対応している。さらに、Si層5の側面に形成されたPMOS20が本発明の「第1導電型MOSトランジスタ」に対応し、Si層9の側面に形成されたNMOS30が本発明の「第2導電型MOSトランジスタ」に対応している。また、SiGe層51が本発明の「第1犠牲半導体層」に対応し、SiGe層53が本発明の「第2犠牲半導体層」に対応している。さらに、支持体穴hが本発明の「第1溝」に対応し、溝Hが本発明の「第2溝」に対応している。また、空洞部61が本発明の「第1空洞部」に対応し、空洞部63が本発明の「第2空洞部」に対応している。
なお、本発明では、図1(a)〜(c)において、フローティング・ゲート8の上下に形成されている絶縁膜7は、ゲート絶縁膜11よりも薄く形成されていることが好ましい。このような構成であれば、ゲート絶縁膜11よりも、絶縁膜7の方がキャリア(電子または、ホール)に対する電位障壁が小さくなるため、データの書き込み、消去時に絶縁膜7を通してキャリアをフローティング・ゲート8へ移動させることが容易となる。
また、本発明では、図1(a)〜(c)において、絶縁膜7は、バンドギャップ(即ち、伝導帯Ecと価電子帯Evとのエネルギー差)がSiO2よりも小さく、Siとの電位障壁(障壁エネルギー)がSiO2よりも小さい絶縁膜であることがより好ましい。電位障壁が小さい絶縁膜としては、例えば、Si34膜、Ta25膜、BaTiO3膜、ZrO2膜、HfO膜、Y23膜、ZrSiO2膜などが挙げられる。このように、Si34膜等によって絶縁膜7が構成されている場合には、SiO2膜と比べて、Si層5、9からフローティング・ゲート8へ移動するキャリア(電子またはホール)に対する電位障壁が小さくなるため、データの書き込み及び消去に必要な電圧を低くすることができる。
さらに、本発明では、図1(a)〜(c)において、フローティング・ゲート8を、絶縁膜からなる電荷トラップ膜で置き換えても良い。即ち、本発明の「電荷蓄積層」は、Poly−Siなどの半導体膜や、金属膜に限定されるものではなく、例えばSi34膜などの絶縁膜や、イントリンジックPoly−Siのような高抵抗半導体であっても良い。このような構成であっても、上記の実施形態と同様に、電荷トラップ膜に対する書き込みと消去とを、電子とホールのふたつのキャリア供給によって実現することができる。例えば、データの書き込み時には、共通の電荷トラップ膜に電子を供給して、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ変化させることができる。また、データの消去時には、電荷トラップ膜にホールを供給して、トラップされている電子の負電荷をホールの正電荷で相殺し、PMOS20、NMOS30の閾値電圧をそれぞれ書き込み前の状態に戻すことができる。従って、従来の技術と比べて、データの書き込みと消去時にコントロール・ゲートに対して正負の電圧を高電圧で印加する必要がなく、高電圧駆動回路を省くことができる。また、低電圧でのデータ書き込み・消去ができ、データの読み込みを低電圧で高速に処理できる半導体装置を提供する。
実施の形態に係る不揮発性メモリ100の構成例を示す図。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その1)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その2)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その3)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その4)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その5)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その6)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その7)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その8)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その9)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その10)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その11)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その12)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その13)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その14)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その15)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その16)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その17)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その18)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その19)。 不揮発性メモリ100の製造方法を示す図(その20)。 不揮発性メモリ100の他の構成例(その1)を示す図。 不揮発性メモリ100の他の構成例(その2)を示す図。 実施の形態に係るDiNOR回路200の構成例を示す平面図。 DiNOR回路200の構成例を示す回路図。
符号の説明
1 Si基板、3、7 絶縁膜、5、9 Si層、8 フローティング・ゲート、11 ゲート絶縁膜、17 コントロール・ゲート、20 PMOS、30 NMOS、51、53 SiGe層、55、65 SiO2膜、57、69 SiN膜、59 支持体膜、60 支持体、61、63 空洞部、68、75 導電膜、70 サイドウォール、77 レジストパターン、100 不揮発性メモリ、200 DiNOR回路、201 ワード線、203 ビット線、211、213、215 コンタクト電極、220 素子分離領域、H 溝、h 支持体穴、h1 (浅い)支持体穴、h2 (深い)支持体穴

Claims (6)

  1. 基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に第2絶縁膜を介して形成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第1導電型MOSトランジスタと、
    前記第2半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第2導電型MOSトランジスタと、を備え、
    前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタは、共通の電荷蓄積層及び共通のコントロール・ゲートを有し、
    前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に第2絶縁膜を介して形成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層の少なくとも一つの側面に形成された第1導電型MOSトランジスタと、
    前記第2半導体層の少なくとも一つの側面及び上面に形成された第2導電型MOSトランジスタと、を備え、
    前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタは、共通の電荷蓄積層及び共通のコントロール・ゲートを有し、
    前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記共通の電荷蓄積層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれた前記第2絶縁膜中だけに設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1導電型MOSトランジスタのドレインと、前記第2導電型MOSトランジスタのドレインとが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記第1半導体層及び前記第2半導体層はシリコンであり、シリコンとの接触により生じる障壁エネルギーに関して、
    前記第2絶縁膜は、前記第1導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜及び前記第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜のどちらよりも前記障壁エネルギーが小さい膜で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の半導体装置。
  6. 半導体基板上に第1犠牲半導体層、第1半導体層、第2犠牲半導体層及び第2半導体層を順次積層する工程と、
    前記第2半導体層、前記第2犠牲半導体層、前記第1半導体層及び前記第1犠牲半導体層を部分的に順次エッチングして、当該各半導体層を貫く第1溝を形成する工程と、
    前記第1半導体層と前記第2半導体層とを支持する支持体を前記第1溝内に形成する工程と、
    前記支持体を形成した後で、前記第2半導体層、前記第2犠牲半導体層、前記第1半導体層及び前記第1犠牲半導体層を部分的に順次エッチングして当該各半導体層の側面を露出させる第2溝を形成する工程と、
    前記第1半導体層及び前記第2半導体層よりも前記第1犠牲半導体層及び前記第2犠牲半導体層の方がエッチングされ易いエッチング条件で、前記第2溝を介して前記第1犠牲半導体層及び前記第2犠牲半導体層をエッチングすることによって、前記半導体基板と前記第1半導体層との間に第1空洞部を形成すると共に、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に第2空洞部を形成する工程と、
    前記第1空洞部内に第1絶縁膜を形成すると共に、前記第2空洞部を残しつつ当該第2空洞部に面した前記第1半導体層の上面及び前記第2半導体層の下面にそれぞれ第2絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を形成した後で、前記第1半導体層の前記第2溝に面した側面に第1導電型MOSトランジスタを形成すると共に、前記第2半導体層の前記第2溝に面した側面に前記第2導電型MOSトランジスタを形成する工程と、を含み、
    前記第1導電型MOSトランジスタ及び前記第2導電型MOSトランジスタを形成する工程では、
    前記第2絶縁膜が形成された前記第2空洞部内に共通の電荷蓄積層を形成し、
    前記第1半導体層の前記第2溝に面した側面と前記第2半導体層の前記第2溝に面した側面とにそれぞれゲート絶縁膜を形成し、その後、
    前記ゲート絶縁膜を覆うように前記第1半導体層の前記側面から前記第2半導体層の前記側面にかけて共通のコントロール・ゲートを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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