JP4678019B2 - 電子機器及び電子機器の記録再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ファイル別に音声データを記録し再生することができる電子機器及び電子機器の記録再生方法に関する。
例えば携帯用等の小型のテープレコーダや、書込が可能な光磁気ディスク装置等の音声信号記録装置では、録音するためのマイクロホーンが内蔵、すなわちそれらの筐体に配設されている。また、録音開始ボタンスイッチや録音停止ボタンスイッチ等の操作用の押しボタンスイッチも筐体に配設されている。
これらの押しボタンスイッチとしては、操作したことを利用者に確認させ、操作の確実性を向上させるために、押しボタンスイッチを押したことが肌で感じられる、いわゆるクリック機構が付いた押ボタンスイッチが用いられている。
特開平7−93959号公報
上述した小型の音声信号録音装置では、小型であるゆえに、マイクロホーンと例えば録音開始ボタンスイッチの距離を余り確保することができず、クリック音が録音されてしまうことが多かった。
具体的には、図7(A)に示すように、録音開始ボタンスイッチを時刻t1で押して、時刻t2で離し、録音停止ボタンスイッチを、図7(B)に示すように、時刻t3で押して、時刻t4で離すと、図7(C)に示すように、時刻t1、t2、t3、t4においてそれぞれ最大振幅を有し、振幅が徐々に減衰しながら時間T間継続する音が発生する。したがって、マイクロホーンには、図7(D)に示すように、録音しようとする音にクリック音が重畳した音が入力される。一方、録音は、図7(E)に示すように、時刻t1から時間Δ1 遅れて録音開始ボタンスイッチが確定することにより開始し、時刻t3 から時間Δ2 遅れて録音停止ボタンスイッチが確定することにより終了する。かくして、図7(F)に示すように、クリック音が3か所に重畳された音が録音される。
このように、小型のマイクロホーンを内蔵した音声信号記録装置では、操作感触を向上させるためにクリック機構付きの押しボタンスイッチを採用すると、その押しボタンスイッチのクリック音が不用に録音されるという問題があった。
ところで、音声信号記録装置を使って録音する内容は、様々であり、カテゴリー別に音声信号を記録できると使い勝手がよい。
そこで、本発明は、上述した従来の音声信号記録装置における実情に鑑みてなされたものであり、録音する音声データをファイル別に録音できるようにすることで、利便性の向上を図ることができる電子機器及び電子機器の記録再生方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電子機器は、上述のような課題を解決すべく、複数のファイルのそれぞれに、マイクロホーンから入力された複数の音声データが記録される記憶手段と、前記複数のファイルの何れかを選択する第1の選択手段と、前記第1の選択手段によって選択されたファイルから何れかの音声データを選択する第2の選択手段と、音声データの記録の開始を指示する押しボタンスイッチと、前記第2の選択手段で選択された音声データを前記記憶手段から読み出し再生する制御手段とを有する。前記制御手段は、音声データを記録するとき、前記記憶手段の前記第1の選択手段によって選択されたファイルに音声データを記録し、前記音声データを記録する際、前記押しボタンスイッチが押された後、所定時間経過してから上記マイクロホーンからの音声データを前記記憶手段に記録するとともに、前記音声データの記録開始後に前記押しボタンスイッチが離された後、所定時間だけ音声データの記録を停止し、その後音声データの記録を再開する。
また、本発明に係る電子機器の記録再生方法は、記憶手段の、それぞれに複数の音声データが記録される複数のファイルの何れかを選択する第1の選択ステップと、前記第1の選択ステップで選択されたファイルから何れかの音声データを選択する第2の選択ステップと、前記第2の選択ステップで選択された音声データを前記記憶手段から読み出し再生する再生制御ステップと、前記第1の選択ステップで選択されたファイルに音声データを記録する記録制御ステップとを有する。前記記録制御ステップでは、音声データの記録の開始を指示する押しボタンスイッチが押された後、所定時間経過してからマイクロホーンからの音声データを前記記憶手段に記録するとともに、前記音声データの記録開始後に前記押しボタンスイッチが離された後、所定時間だけ音声データの記録を停止し、その後音声データの記録を再開する。
本発明によれば、複数のファイルのそれぞれに複数の音声データを格納するようにし、再生時には、カテゴリーを選択してから音声データを選択して再生するようにしたので、音声データを容易に管理することができ、利便性の向上を図ることができる。また、押しボタンスイッチが押された後、所定時間経過してからマイクロホーンからの音声データが記憶手段に記録されることから、押しボタンスイッチを押した際に発生するクリック音が記憶手段に記録されることを防止することができる。
以下、本発明が適用された音声信号記録装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この音声信号記録装置は、半導体メモリを記録媒体とし、この半導体メモリにマイクロホーンからの音声信号を音声データとして書き込み、また、記憶されている音声データを読み出し、スピーカから音声データに基づく音を出力するICレコーダ1に、本発明を適用したものである。
このICレコーダ1は、例えば図1に示すように、マイクロホーン11からの音声信号を音声データに変換して半導体メモリ9に記憶する記録部10と、上記半導体メモリ9に記憶されている音声データを読み出し、音声信号に変換してスピーカ24を駆動する再生部20と、記録部10等を制御する制御部30と、動作状態や操作手順を表示するための表示部40と、制御部30等に電力を供給する電源部50と、利用者が各種の操作を行うための操作部60とを備える。
記録部10は、上述の図1に示すように、マイクロホーン11からの音声信号を増幅する増幅器12と、増幅器12で増幅された音声信号のレベルを適切なレベルとする自動利得制御回路(以下、AGC:Automatic Gain Controllerという。)13と、AGC13からの音声信号を音声データに変換するエンコーダ14と、エンコーダ14からの音声データを遅延するバッファメモリ15とを備える。
そして、マイクロホーン11は、入力される音を音声信号に変換して増幅器12に供給し、増幅器12は、音声信号を増幅してAGC13に供給する。AGC13は、増幅器12で増幅された音声信号を、そのレベルが適切なレベルとなるように増幅してエンコーダ14に供給する。
エンコーダ14は、音声信号が時間的に相関が強いことから、例えば適応型差分パルスコードモジュレーション(以下、ADPCM:Adaptive DifferentialPulse Code Modulation という。)により、少ないデータ量で音声信号を符号化して音声データを生成し、この音声データをバッファメモリ15に供給する。
バッファメモリ15は、後述するように所定の遅延時間に相当する容量を有し、エンコーダ14から供給される音声データを所定時間遅延して半導体メモリ9に供給する。
半導体メモリ9は、例えば電気的消去形(エレクトリカル・イレーザブル)プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(以下、EEPROM:Electrical Erasable/Programable Read-Only Memoryという。)等のメモリの駆動電源がOFFの状態にされても記憶素子の持つ記憶内容が消えないで保持される不揮発性の半導体メモリからなり、バッファメモリ15から供給される音声データを記憶すると共に、後述するように、どの領域に記憶したか示す等の音声データを管理する管理情報(以下、TOC情報という。)を記憶する。具体的には、半導体メモリ9は、例えば、16Mビットの容量を有し、この半導体メモリ9には、後述するSPモードでは200〜3400Hzの音声信号に対応した音声データを8分間記憶でき、LPモードでは200〜1700Hzの音声信号に対応した音声データを16分間記憶できるようになっている。
一方、再生部20は、上述の図1に示すように、半導体メモリ9から読み出された音声データを音声信号に変換するデコーダ21及びフィルタ22と、フィルタ22からの音声信号を増幅してスピーカ24に供給する増幅器23とを備える。
デコーダ21は、記録部10のエンコーダ14に対応したものであり、半導体メモリ9から読み出された音声データ、すなわちADPCM方式で符号化された音声データを復号化して、いわゆるPAM信号を生成し、フィルタ22は、このPAM信号から音声帯域以上の高周波成分を除去して、音声信号を出力する。増幅器23は、デコーダ21から供給される音声信号を増幅してスピーカ24を駆動する。かくして、録音された音がスピーカ24から出力される。
制御部30は、上述の図1に示すように、このICレコーダ1の動作を制御するためのプログラムが記憶されているROM31と、ROM31に記憶されているプログラムを実行して、半導体メモリ9や記録部10を制御するマイクロコンピュータ(以下、CPUという。)32と、時刻を計数するタイマ33と、時刻やプログラムの実行結果等を一時的に記憶するランダム・アクセス・メモリ(以下、RAM:Randam Access Memoryという。)34とを備える。
この制御部30には、操作部60に設けられている各種押しボタン61からの信号が供給されており、CPU32は、押しボタン61が押されると、その押しボタン61に対応したプログラムをROM31から読み出して実行し、各部を制御する。例えば後述する録音開始ボタン61kが押されると、CPU32は、録音に対応したプログラムをROM31から読み出して実行し、増幅器12、AGC13、エンコーダ14等を動作させ、バッファメモリ15で所定時間遅延された音声データを、半導体メモリ9の例えば空いてる領域に音声データを記憶する制御を行う。すなわち、制御部30は、半導体メモリ9に対する音声データの書込及び読出を制御しており、A、Bの2つファイルにそれぞれ音声データを99件、それぞれを識別するインデックス番号を付けて書き込む制御を行い、また、インデックス番号に基づいて音声データを読み出す制御を行う。また、CPU32には、タイマ等を動作させるための水晶発振器35が接続され、例えば、半導体メモリ9に記録されている音声データを所定時刻に読み出させる。また、この制御部30には、表示部40が接続されており、CPU32は、このICレコーダ1の動作状態や操作手順を表示部40に表示する。すなわち、表示部40は、低消費電力の液晶表示パネル41と、この液晶表示パネル41を照明するためのバックライト42とを備え、例えば操作部60のメニュー/送りボタン61aが押されると、CPU32は、表示部40に日付、時刻を順に表示し、利用者は、この表示を見ながらタイマを合わせることができる。
ここで、操作部60の詳細について、図1及び図2を用いて説明する。図2に示すICレコーダ1は、携帯用であり、手のひらサイズの大きさに構成された外装筐体の内部には、上述した記録部10、再生部20等の電気回路が実装されたプリント基板が配設されている。また、このICレコーダ1は、通常ユーザが右手で行う筆記作業等の作業と併用して使用できるように左手で把持し易く形成されている。そして、この外装筐体には、操作部60を構成する押しボタン61が配設されている。さらには押しボタン61は、操作したことを利用者に確認させ、操作の確実性を向上させるために、押しボタンを押したことが肌で感じられる、いわゆるクリック機構が付いた押ボタンスイッチが用いられている。
この操作部60を構成する押しボタン61は、メニュー/送りボタン61aと、再生の開始するための再生ボタン61bと、インデックス番号を設定するための戻り/送りボタン61cと、ファイルを切り換えるためのファイル切換ボタン61dと、録音等を停止するための停止ボタン61eと、SPモードとLPモードを切り換えるためのSP/LPボタン61fと、バックライト42を点灯するためのライトボタン61gと、表示ボタン61hと、インデックスを設定するためのインデックスボタン61iと、半導体メモリ9に記憶されている音声データを消去するための消去ボタン61jと、録音を開始するための録音開始ボタン61kとを備える。そして、これら操作ボタンのうち使用頻度の高い再生ボタン61bと戻り/送りボタン61cは、外装筐体の図2中左上に切り欠かれて形成された切欠部の側面部に配設され、ユーザが左手の親指で操作し易くしている。また、同じく使用頻度の高い録音開始ボタン61kは、左手の親指で操作できるように外装筐体の主面部に他より大きな形状をした押しボタンにより形成されている。
また、この外装筐体には、その主面部に上述したマイクロホーン11、液晶表示パネル41、スピーカ24が配設されている。このICレコーダ1は、上述の通り携帯用に優れるように小型に形成されていることから、マイクロホーン11と、録音開始ボタン61kが近い位置に設けられている。したがって、ICレコーダ1は、詳細は後述するが録音開始ボタン61kが押された際に生じるクリック音がマイクロホーン11より入力されることになるが、これを防止するためバッファメモリ15で所定時間音声データを遅延させている。
また、操作部60は、ホールドスイッチ62と、録音又は再生中であることを示す録音/再生ランプ63と、再生音の大きさを調整するボリューム64と、イヤホーンジャック65とを備える。録音/再生ランプ63、図2に示すように、使用中に目視し易くするため外装筐体の主面部に配設され、ホールドスイッチ62、ボリューム64及びイヤホーンジャック65は、比較的使用頻度が少ないことから外装筐体の側面部に形成されている。
次に、電源部50について説明する。電源部50は、例えば図3に示すように、電池51と、電池51の出力電圧を昇圧するDC/DCコンバータ52と、電池51の出力電圧を検出する電圧検出回路53と、DC/DCコンバータ52の出力電圧で充電するコンデンサ54とを備える。
上述したようにこのICレコーダ1は、携帯用の手のひらサイズのものであり、電池51は、装置全体を小型化するために、単4型の乾電池1本からなる。DC/DCコンバータ52は、電池51の出力電圧、すなわち1.5ボルトを、増幅器12、23、CPU32等の回路が動作するのに必要な電圧に昇圧して、その電圧の電流を各回路に供給する。
一方、電圧検出回路53は、電池51の出力電圧を検出して、電池51の出力電圧が、例えば0.8ボルトとなったときに、DC/DCコンバータ52の動作を停止する。したがって、電池51に蓄電されている電力は、その出力が0.8ボルト等の所定値になった後は消費されることがない。すなわち、DC/DCコンバータ52を用いていても、それに起因して電池51の電圧が急激に低下することを防止することができ、その結果として漏液を防止することができる。
コンデンサ54は、DC/DCコンバータ52と制御部30のタイマ33のみを接続した電源線とアース間に接続されており、DC/DCコンバータ52の出力電圧で充電される。したがって、タイマ33は、DC/DCコンバータ52が動作しているときは、このDC/DCコンバータ52から供給される電流で動作し、電池51の出力電圧が低下したり、電池を交換するために電池51を取り出してDC/DCコンバータ52が停止しているときには、コンデンサ54からの電流で動作する。すなわちコンデンサ54は、いわゆるバックアップコンデンサであり、そのバックアップ可能な時間は、例えば約3分間である。
ところで、このように構成されるICレコーダ1は、録音操作される際には、例えば図4のように行われる。すなわち、先ず、ステップST1において、SP/LPボタン61fが押されると、記録方式がLPモードかSPモードかの選択が行われる。すると、液晶表示パネル41には、「SP」又は「LP」の表示がされる。次に、ステップST2において、ファイル切換ボタン61dが押されると、半導体メモリ9に設けられた「A」又は「B」のファイルが選択され、選択されたファイルが液晶表示パネル41に表示される。
そして、ステップST3において、録音開始ボタン61kが押されると、録音状態が開始され、ユーザがマイクロホーン11に向かって話すと、半導体メモリ9の指定された領域に音声データが書き込まれる。また、ステップST4において、停止ボタン61eが押されることで、録音状態が解除される。この際、半導体メモリ9には、音声データが記録されると共に、TOC情報、ファイル番号及び録音されている音声信号を表示するインデックス番号が記録される。ユーザが別の音声データを記録することを所望する場合には、最初の録音操作が行われた直後であれば、最初に設定されたモード及びファイルと同様の領域で最初に付与されたインデックス番号の次に音声情報が記録される。すなわち、上記ステップST1及びステップST2で行われるモード選択操作とファイル選択操作を省略することができる。このように、音声データをファイルを指定して録音できるので、音声データの管理を容易に行うことができ、利便性の向上を図ることができる。
次に、記録されている音声データを再生する場合には、例えば図5のように行われる。すなわち、先ず、ステップST1において、ファイル切換ボタン61dが押されると、半導体メモリ9に設けられた「A」又は「B」のファイルが選択され、選択されたファイルが液晶表示パネル41に表示される。次に、ステップST2において、戻り/送りボタン61cを押すことで、ユーザが所望する半導体メモリ9に記録されたインデックス番号が選択される。そして、ステップST3において、再生ボタン61bと、ユーザが所望する音声データが再生される。この際、ICレコーダ1は、再生動作を停止させる場合には、停止ボタン61eを押すことで動作が停止される。また、次の要件に進みたい場合又は戻りたい場合には、再生及び録音動作がなされていない状態で、戻り/送りボタン61cを押すことで、次又は前のインデックス番号が選択され再生される。このように、ファイル選択ボタン61dでファイルを選んでから音声データを選ぶことができ、所望の音声データを容易に探し出すことができ、利便性の向上を図ることができる。
上述のようにICレコーダ1は、録音開始ボタン61kが押されることで録音が開始される。この際、ICレコーダ1は、小型に形成されていることから、マイクロホーン11と録音開始ボタン61kが近くに設けられている。そのため、ICレコーダ1は、上述の通り録音開始ボタン61k及び停止ボタン61eを押した際のクリック音がマイクロホーン11より音声データとして録音されることを防止するため、マイクロホーン11より入力された音声データをバッファメモリ15を用いて音声データを一定時間遅延させている。
具体的には、例えば図6(A)に示すように、録音開始ボタン61kを時刻t11で押して、時刻t21で離し、停止ボタン61eを、図6(B)に示すように、時刻t31で押して、時刻t33で離すと、図6(C)に示すように、時刻t11、t21、t31においてそれぞれ最大振幅を有し、振幅が徐々に減衰しながら時間T間継続する音が発生する。したがって、マイクロホーン11には、図6(D)に示すように、録音しようとする音にクリック音が重畳した音が入力される。
ここで、ICレコーダ1は、上述の通り、音声データを所定の時間遅延させるバッファメモリ15を備え、エンコーダ14から供給される音声データを所定時間遅延して半導体メモリ9に供給する。したがって、録音は、時刻t11において録音開始ボタン61kが押されると、バッファメモリ15での遅延時間δ1と、クリック音が利用者の耳に聞こえない程度に十分小さくなる所定時間λ1との分だけ遅らせて、図6(E)(F)に示すように、時刻t12より開始される。なお、遅延時間δ1と所定時間λ1とを合わせて第1の所定時間という。
また、クリック音は、図6(C)に示すように、録音開始ボタン61kを離す際においても時刻t21から時刻t23の間発生する。そのため、録音は、録音開始ボタン61kを離す際には、図6(E)(F)に示すように、時刻t22と時刻t23の間中断される。すなわち、録音は、録音開始ボタン61kが離された時刻t21からバッファメモリ15の遅延時間δ2(第2の所定時間)だけ遅延した時刻t22まで続けられ、中断される。そして、録音は、時刻t22から録音開始ボタン61kを離す際に生じるクリック音が利用者の耳に聞こえない程度に十分小さくなる所定時間λ2(第3の所定時間)だけ遅延させて、時刻t23において再開される。
さらには、ICレコーダ1の録音動作は、上述の通り停止ボタン61eを押すことで停止される。そのため、クリック音は、図6(C)に示すように、発生する。したがって、録音は、図6(E)(F)に示すように、停止ボタン61eが押された時刻t31からバッファメモリ15の遅延時間δ3(第4の所定時間)だけ遅延された時刻t32において録音が終了される。
以上のように、音声データは、図6(G)に示すように、録音が時刻t12から時刻t22の間と時刻t23からt32の間にされる。したがって、半導体メモリ9には、時刻t11から時刻t12までと、時刻t22から時刻t23までの間記録されないことになり、録音開始ボタン61kが押された際のクリック音を除去することができる。また、これにより半導体メモリ9には、時刻t11から時刻t12までと、時刻t22から時刻t23までの間の音声データが記録されないことになるが、この時間は極めて短いため、音声データの1部が欠落することによる不都合を生じさせることもない。なお、遅延時間δ1、δ2、δ3は、本実施例の場合においては、10μs乃至20μsが適当とされる。すなわち、これらの時間は、録音開始ボタン61kで発生したクリック音がマイクロホーン11にまで伝わる時間であり、ICレコーダ1の大きさ、録音開始ボタン61kとマイクロホーン11との距離、位置関係等を考慮して決定される。
なお、以上半導体メモリ9を記録媒体としたICレコーダ1について詳細に詳細に説明したが、本発明は、例えばテープ状記録媒体やディスク状記録媒体を記録媒体として用いる外装筐体内にマイクロホーンが内蔵された音声記録再生装置であればよいのは勿論である。また。ICレコーダ1は、録音を開始し停止する押しボタンスイッチを録音開始ボタン61kと停止ボタン61eとに分けて構成されるが、録音開始ボタン61kと停止ボタン61eを1つの押しボタンスイッチにより構成し、操作性の向上を図ってもよいのは勿論である。
ICレコーダの構成図である。 ICレコーダの正面図である。 ICレコーダの電源部の構成図である。 ICレコーダの録音動作を説明するための図である。 ICレコーダの再生動作を説明するための図である。 録音開始ボタン及び停止ボタンが押され、また離されるタイミングと、これとの関係でクリック音と、マイクロホーンと、バッファメモリの出力と、録音区間と録音された結果を説明するための図である。 従来の音声信号録音装置における録音開始ボタンスイッチと録音停止ボタンスイッチを押した際に発生するクリック音と、このクリック音が記録される関係を説明するための図である。
符号の説明
1 ICレコーダ、9 半導体メモリ、10 記録部、11 マイクロホーン、12 増幅器、13 AGC、14 エンコーダ、15 バッファメモリ、20再生部、21 デコーダ、22 フィルタ、23 増幅器、24 スピーカ、30 制御部、31 ROM、32 CPU、33 タイマ、34 RAM、35 水晶発振器、40 表示部、41 液晶表示パネル、42 バックライト、50 電源部、51 電池、52 DC/DCコンバータ、53 電圧検出回路、54 コンデンサ、60 操作部、61a〜61k 押しボタン

Claims (6)

  1. 複数のファイルのそれぞれに、マイクロホーンから入力された複数の音声データが記録される記憶手段と、
    前記複数のファイルの何れかを選択する第1の選択手段と、
    前記第1の選択手段によって選択されたファイルから何れかの音声データを選択する第2の選択手段と、
    音声データの記録の開始を指示する押しボタンスイッチと、
    前記第2の選択手段で選択された音声データを前記記憶手段から読み出し再生する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、音声データを記録するとき、前記記憶手段の前記第1の選択手段によって選択されたファイルに音声データを記録し、
    前記音声データを記録する際、前記押しボタンスイッチが押された後、所定時間経過してから上記マイクロホーンからの音声データを前記記憶手段に記録するとともに、前記音声データの記録開始後に前記押しボタンスイッチが離された後、所定時間だけ音声データの記録を停止し、その後音声データの記録を再開する電子機器。
  2. 前記複数のファイルと各音声データを識別可能なインデックスとを表示する表示手段をさらに有す請求項1記載の電子機器。
  3. 前記記憶手段は半導体メモリであ請求項1又は2記載の電子機器。
  4. 前記マイクロホーンから入力された音声データをデジタルデータに変換する変換手段さらに有し、
    前記制御手段は、前記デジタルデータを前記第1の選択手段により選択された何れかのファイルに記録させ請求項1−3のうち何れか1項記載の電子機器。
  5. 記憶手段の、それぞれに複数の音声データが記録される複数のファイルの何れかを選択する第1の選択ステップと、
    前記第1の選択ステップで選択されたファイルから何れかの音声データを選択する第2の選択ステップと、
    前記第2の選択ステップで選択された音声データを前記記憶手段から読み出し再生する再生制御ステップと、
    前記第1の選択ステップで選択されたファイルに音声データを記録する記録制御ステップとを有し、
    前記記録制御ステップでは、音声データの記録の開始を指示する押しボタンスイッチが押された後、所定時間経過してからマイクロホーンからの音声データを前記記憶手段に記録するとともに、前記音声データの記録開始後に前記押しボタンスイッチが離された後、所定時間だけ音声データの記録を停止し、その後音声データの記録を再開する電子機器の記録再生方法。
  6. 前記マイクロホーンに入力された音声データをデジタルデータに変換する変換ステップとをさらに有し、
    前記記録制御ステップは、前記デジタルデータを前記第1の選択ステップにより選択されたいずれかのファイルに記憶させ請求項5記載の電子機器の記録再生方法。
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