JP4677946B2 - 外装パネル用役物 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の外装パネルを挟持して外壁本体に設ける外装パネル用役物に関し、特に、出隅、入隅の外壁本体の角度に対応して角度調整できる外装パネル用役物の技術に関する。
従来、建築物の外壁本体の出隅に取付ける一対の外装パネル用の外装パネル用役物として、例えば、特許文献1の記載が知られている。
特許文献1によれば、図7に示すように、外装パネル用役物14はカバー部15と保持部16とベース部17とからなり、カバー部15の側端部は折り返されて鉤型の係止部111を形成し、保持部16はこの係止部111と係合する係合片121を有するとともに嵌合用脚部122を有している。
このため、カバー部15で外装パネル18を覆うと、嵌合用脚部122が、外壁本体13aのコーナー部に固定されたベース部17の嵌合用凸部131に内設される嵌合用爪部132と嵌合するので、一対の外装パネル18間の隙間を覆うことができる。
特開2005−171656号公報
ところが、上記の外装パネル用役物14は保持部16の一対の係合片121の挟角が例えば90度に固定で形成されるので、出隅角度が90度以外の場合には一対の係合片121の挟角を無理に変えると外装パネル18との間に隙間が生じたり、外装パネル18に損傷が生じるという問題があった。また、上記の外装パネル用役物14は、カバー部15と保持部16とベース部17がそれぞれ別体で加工されるので製作コストが高いという問題があった。
そこで、本発明は、一対の外装パネル用の外装パネル用役物の挟角を調整して、出隅、入隅の角度に対応できる外装パネル用役物を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、建築物の外壁本体の出隅又は入隅に設けられる一対の外装パネルの端部を覆う長尺の外装パネル用役物であって、前記外装パネル用役物は断面形状が対称軸に対して左右対称の一対の外装パネルの各端部を収納する一対の収納部から成り、前記一対の収納部は、前記外壁本体に取付けられる内側材と、この内側材から平行に前記外装パネルの厚さと同じ幅で隔たる外側材と、平面視で、前記内側材の前記出隅又は入隅側の部から前記内側材に対して直角に延びる第一の線分が形成されるように配置された第一の面と、この第一の面の先端から前記内側材と平行に前記収納部から突出する方向に延びる第二の線分が形成されるように配置された第二の面と、この第二の面の先端と前記外側材の前記出隅又は入隅側の部とを結ぶ第三の線分が形成されるように配置された第三の面とが連結して形成されるとともに、前記一対の第三の面は、前記外側材と結ばれる一端を前記対称軸近傍に位置し他端を前記第二の面の先端に亘って徐々に前記対称軸から離れる傾斜面であることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の内側材の挟角は90度に形成されることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の第三の面の一端に、この一対の一端間の隙間を埋めるパッキンを備えることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、外装パネル用役物の前記一対の収納部は、前記外壁本体に取付けられる内側材と、この内側材から平行に前記外装パネルの厚さと同じ幅で隔たる外側材と、前記内側材の一端に前記内側材と直角に設けられる第一の面と、この第一の面の先端から前記内側材と平行に前記収納部から突出する第二の面と、この第二の面の先端と前記外側材の一端を結ぶ第三の面とが連結して形成されるとともに、前記一対の第三の面は、前記外側材と結ばれる一端を前記対称軸近傍に位置し他端を前記第二の面の先端に亘って徐々に前記対称軸から離れる傾斜面であるので、前記一対の収納部の挟角は前記第三の面の傾斜面が前記対称軸に平行となるまでの角度領域において任意に変更して取付できる。
このため、前記外装パネル用役物の前記一対の収納部の挟角が現場における外壁本体の出隅又は入隅の実際の挟角に合わせて調整できるので、一種類の外装パネル用役物で出隅又は入隅のバラツキを吸収できて汎用性が広がる。
また、前記第一の面によって、外装パネルの挿入位置決めが確実且つ容易にできる。このため、外装パネルの無理な挿入が避けられるので、前記第三の面又は前記外側材の形状に影響が及ばないので外装パネル用役物の品質が保つことができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の内側材の挟角は90度に形成されるので、一般的な建築物の外壁本体である挟角90度の出隅又は入隅用に用いることができて、請求項1の発明の効果と同様に効果が得られる。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の第三の面の一端に、この一対の一端間の隙間を埋めるパッキンを備えるので雨水の侵入を防ぐことができるので、外装パネルの劣化をなくして防音性や保温性の低下を防ぐことができる。
以下に、本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。
<外装パネル用役物の構成>
図1に示すように、本発明の外装パネル用役物21は建築物の外壁本体22の出隅に設けられる一対の外装パネル23の端部23aを覆う長尺の外装パネル用役物21である。外装パネル用役物21の断面形状は対称軸Pに対して左右対称形で外装パネル23の各端部23aを収納する一対の収納部25からなる。
一対の収納部25は、外壁本体22に取付けられる内側材26(長さT=37mm)と、この内側材26から平行に隔たる外側材27(長さT1=20mm)と、内側材26の一端26aに内側材26と直角に設けられる第一の面28と、この第一の面28の先端28aから内側材26と平行に収納部25から突出する方向に延びる第二の面30と、この第二の面30の先端30aと外側材27の一端27aを結ぶ第三の面31とが連結して形成される。
一対の外側材27の一端27aは隙間W1=5mmで隔てた位置である。外側材27の他端27bには外側材27を折返して折返部54が形成される。
ここで、一対の第三の面31は、その両端がそれぞれ外側材27の一端27aと第二の面30の先端30aに一致しており、一端27aを対称軸P近傍に位置するとともに先端30aに亘って徐々に対称軸Pから離れるように形成された傾斜面(角度α)である。一対の第三の面31の一端27a近傍に隙間を埋めるため、断面が略半円状のパッキン32がそれぞれ設けられる。
内側材26の略中央部に内側材26と連続的に内部側に突出する凸状33が形成され、内側材26の他端26bには内側材26と平行に収納部25の内部側に長さT4=5mmで折返す折返部29が形成される。一対の内側材26の挟角は90度に形成される。
このため、内側材26と外側材27間の隙間H1=23mmから折返部29(又は凸状33)と折返部54との高さを除いた隙間Hは、上記外装パネル23の厚さH=21mmと同じでありH=21mmとなる。凸状33は、万一雨水等が目地部より流入しても、雨水が外装パネル23の端部23aに侵入するのを防止するためのものである。内側材26は図示しないビス等を介して外壁本体22に取付けられる。
外装パネル23は断熱性、遮音性等を目的として、内部の断熱材を両側から薄肉の金属板で被覆してなる金属サイディングが用いられる。
複数の外装パネル23は外壁本体22の下から上に向かって横張り、又は左右方向の縦張りで組付けられる。また、図示しない胴縁を介して取付けることもある。外装パネル用役物21は取付時に図示しないシール材を用いて防水対策が講じられる。
外装パネル用役物21は板厚0.35mmの薄厚鋼板の両表面にアルミ・亜鉛合金メッキを施し、さらに、カバー材33に対しては表面側となる面にフッ素樹脂塗装、裏面側にポリエステル樹脂塗装が施されて板金加工により連続して一体形成される。
<外装パネル用役物の作用>
一対の内側材26は互いの挟角を90度に形成され、一対の第三の面31が先端30aを第二の面30の先端30aに亘って徐々に対称軸Pから離れる傾斜面であるので、一対の収納部25の挟角は第三の面31の傾斜面(角度α)が対称軸Pに平行に至るまでの角度領域において任意に角度調整できる。
このため、外装パネル用役物21の一対の収納部の挟角を外壁本体の出隅又は入隅の現場における実際の挟角に合わせて調整できるので、一種類の外装パネル用役物で出隅又は入隅のバラツキが吸収できるので汎用性が広がる。
第一の面28によって、外装パネル23の挿入位置決めが確実且つ容易にできるので、第三の面31又は外側材27の形状に影響が及ばないので外装パネル用役物21の品質が保つことができる。
一対の第三の面31の一端27aに、この一対の一端間の隙間を埋めるパッキン32を備えるので雨水の侵入を防ぐことができて外装パネルの劣化を防止し防音性や保温性の低下を防ぐことができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を図2、図3、図4を用いて説明するが、図1に示す外装パネル用役物21の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
図2に示すように、外装パネル用役物21aは建物の入隅部に用いられ一対の外側材27を覆う左右対称形のカバー材50が設けられる。カバー材50は外側材27に沿ってその一端50aをそれぞれ一対の外側材27の他端27bに係止し、他端50bは外側材27の一端27aの近傍において対称軸Pに直角な面50cによって互いが連結される。
より詳しくは、カバー材50の一端50aをU字状に形成する。外側材27の他端27bは外装パネル23との間に隙間55を形成するように外側材27を折返して折返部54aを形成する。カバー材50はU字状の一端50aを隙間55に挿入することで固着される。
図3、図4に示すようにカバー材50の面50cには、上下方向に複数の楔状の切欠き51が打ち抜きによって形成される。打ち抜かれた切欠き51は一対の三角形状の側面51aの上方向に三角形状の孔51bを備えている。
このカバー材50によって入隅部の外観が良くなるので品質性が向上する。
さらに、切欠き51によって雨は矢印Q1で示すように下降するので雨が内部に侵入することを防止できる。また、空気は上昇して孔51bから内部に侵入することができる。
このため、入隅部の通気性が確保できるので、結露による外装パネルへの影響を少しでも防止できるので外装パネルの劣化が防止できて防音性や保温性の低下を防ぐことができる。より詳しくは、入隅部の広範囲における結露防止を実施する場合には、通気領域を広げるためにパッキン32は必要に応じて取り外して使用される。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態を図5を用いて説明するが、図1に示す外装パネル用役物21、21aの構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
図5に示すように、外装パネル用役物21bの外側材27の他端27bをU字状に形成し、このU字状にカバー材50の端部50dを挿入することでカバー材50が固着される。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態を図6を用いて説明するが、図1に示す外装パネル用役物21の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
図6に示すように、外装パネル用役物21bは建物の出隅部に用いられる外装パネル用役物21bで、一対の内側材26の挟角θ=直角に形成される。外側材27の長さS2=55mm、内側材26の長さT=42mm、外側材27の一端27aから内側材26の他端26bまでの平行方向の長さS4=72mmである。第三の面31の傾斜角度βである。第三の面31の傾斜面(角度β)が対称軸Pに平行に至るまでの角度領域において任意に角度調整できる。
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、上記の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということは言うまでもない。
外装パネル用役物は外装パネル端部が上下、左右どちらの方向であっても使用できる外装パネル用役物の各寸法を調整することで、厚さH=21mm以外の金属サイディングにも用いることができる。
本発明の第1の実施形態における、建築物の入隅に設けられる一対の外装パネル23の端部23aを覆う長尺の外装パネル用役物21の断面図である。 本発明の第2の実施形態における、建築物の入隅に設けられる、カバー材50を備える長尺の外装パネル用役物21aの断面図である。 本発明の第2の実施形態における、図2のA−A断面図である。 本発明の第2の実施形態における、図2のB−B矢視図である。 本発明の第3の実施形態における、建築物の入隅に設けられる、カバー材50を備える長尺の外装パネル用役物21aの断面図である。 本発明の第4の実施形態における、建築物の出隅に設けられる長尺の外装パネル用役物21bの断面図である。 従来の、カバー部15と保持部16とベース部17とからなる外装パネル用役物14の断面図である。
符号の説明
21 外装パネル用役物
22 外壁本体
23 外装パネル
23a 端部
25 収納部
26 内側材
26a 一端
27 外側材
27a 一端
28 第一の面
28a 先端
29 第二の面
29a 先端
30 第三の面
P 対称軸

Claims (3)

  1. 建築物の外壁本体の出隅又は入隅に設けられる一対の外装パネルの端部を覆う長尺の外装パネル用役物であって、
    前記外装パネル用役物は断面形状が対称軸に対して左右対称の一対の外装パネルの各端部を収納する一対の収納部から成り、
    前記一対の収納部は、前記外壁本体に取付けられる内側材と、この内側材から平行に前記外装パネルの厚さと同じ幅で隔たる外側材と、平面視で、前記内側材の前記出隅又は入隅側の部から前記内側材に対して直角に延びる第一の線分が形成されるように配置された第一の面と、この第一の面の先端から前記内側材と平行に前記収納部から突出する方向に延びる第二の線分が形成されるように配置された第二の面と、この第二の面の先端と前記外側材の前記出隅又は入隅側の部とを結ぶ第三の線分が形成されるように配置された第三の面とが連結して形成されるとともに、
    前記一対の第三の面は、前記外側材と結ばれる一端を前記対称軸近傍に位置し他端を前記第二の面の先端に亘って徐々に前記対称軸から離れる傾斜面であることを特徴とする外装パネル用役物。
  2. 請求項1に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の内側材の挟角は90度に形成されることを特徴とする外装パネル用役物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物であって、前記一対の第三の面の一端に、この一対の一端間の隙間を埋めるパッキンを備えることを特徴とする外装パネル用役物。
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